JP2003183230A - アミノ化合物と酸との塩の結晶の製造方法 - Google Patents

アミノ化合物と酸との塩の結晶の製造方法

Info

Publication number
JP2003183230A
JP2003183230A JP2001386679A JP2001386679A JP2003183230A JP 2003183230 A JP2003183230 A JP 2003183230A JP 2001386679 A JP2001386679 A JP 2001386679A JP 2001386679 A JP2001386679 A JP 2001386679A JP 2003183230 A JP2003183230 A JP 2003183230A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
amino compound
deprotected
salt
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001386679A
Other languages
English (en)
Inventor
Koki Yamashita
幸喜 山下
Tadashi Moroshima
忠 諸島
Yasuyoshi Ueda
恭義 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2001386679A priority Critical patent/JP2003183230A/ja
Publication of JP2003183230A publication Critical patent/JP2003183230A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 N−保護アミノ化合物の混入を抑制したアミ
ノ化合物と酸との塩の結晶の製法を提供する。 【解決手段】 酸中に、酸で脱保護されうるN−保護ア
ミノ化合物を添加し脱保護反応を行うと共に、生成する
脱保護されたアミノ化合物と酸との塩を晶析することを
特徴とする、アミノ化合物と酸との塩の結晶の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミノ化合物と酸
との塩の製造法に関する。アミノ化合物と酸との塩、な
かでもアミノ酸と酸との塩、或いはアミノ酸誘導体と酸
との塩は、医薬品、農薬、食品等の出発物質や中間体と
して重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、アミノ化合物と酸との塩の製造法
として、酸で脱保護されうるN−保護アミノ化合物を酸
で脱保護反応すると共に、生成する脱保護されたアミノ
化合物を上記酸との塩の結晶として採取する方法が知ら
れている。
【0003】例えば、DE−19920907には、N
−t−ブチルオキシカルボニル−D−シクロヘキシルグ
リシンとトルエンとの混合物中に、或いはN−t−ブチ
ルオキシカルボニル−D−シクロヘキシルグリシンベン
ジルエステルとt−ブチルメチルエーテルとの混合物中
にメタンスルホン酸を添加することにより、D−シクロ
ヘキシルグリシンメタンスルホン酸塩、或いはD−シク
ロヘキシルグリシンベンジルエステルメタンスルホン酸
塩を結晶として取得した例が示されている。
【0004】また、J.Chem.Soc.Perki
n Trans.I(1989),1915には、t−
ブチルオキシカルボニルアミノ(3−メチル−4,5−
ジヒドロイソキサゾル−5−イル)−酢酸と酢酸エチル
の混合物中に、3M塩化水素/酢酸エチル溶液を添加す
ることにより、アミノ(3−メチル−4,5−ジヒドロ
イソキサゾル−5−イル)−酢酸の塩酸塩を結晶として
取得した例が示されている。
【0005】しかしながら、本発明者らの検討の結果、
上記方法では、得られる脱保護されたアミノ化合物と酸
との塩の結晶中にN−保護アミノ化合物が不純物として
混入しやすいという問題があることが分かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、酸で脱保護されうるN−保護アミノ化合物の混入
を抑制して、脱保護されたアミノ化合物と酸との塩の結
晶を製造するための方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
た結果、酸中に該N−保護アミノ化合物を添加すること
により、該N−保護アミノ化合物の混入を抑制して、脱
保護されたアミノ化合物と酸との塩の結晶を効率的に製
造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、アミノ化合物と酸との塩
の結晶の製造方法であって、酸中に、酸で脱保護されう
るN−保護アミノ化合物を酸中に添加し脱保護反応を行
うと共に、生成する脱保護されたアミノ化合物と酸との
塩を晶析することにより、得られる該塩中へのN−保護
アミノ化合物の混入を抑制することを特徴とする方法で
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明においては、酸中に、酸で脱保護さ
れうるN−保護アミノ化合物を添加し、脱保護反応を行
うと共に、生成する脱保護されたアミノ化合物と酸との
塩を晶析する(反応晶析)ことにより、アミノ化合物と
酸との塩の結晶を製造する。
【0011】本発明で用いられる酸で脱保護されうるN
−保護アミノ化合物は、公知の方法を何ら制限なく採用
して取得することが出来るし、また市販の該N−保護ア
ミノ化合物を用いることも出来る。
【0012】アミノ化合物としては特に制限されない
が、例えばアミン、アミノアルコール、アミノ酸、及び
アミノ酸エステルやアミノ酸アミド等のアミノ酸誘導体
を挙げることができる。尚、本発明の反応晶析の過程
で、酸で脱保護されうるN−保護基以外の官能基が変換
されても差し支えない。上述のアミノ化合物のなかで
も、アミノ酸及びアミノ酸エステルが好ましく、とりわ
けアミノ酸エステルが好ましい。上記のアミノ化合物
は、光学活性体であってもラセミ混合物であってもよ
い。
【0013】上記アミノ酸としては、例えば、グリシ
ン、アラニン、β−アラニン、バリン、ノルバリン、ロ
イシン、ノルロイシン、イソロイシン、アロイソロイシ
ン、フェニルアラニン、チロシン、ジヨードチロシン、
トレオニン、アロトレオニン、セリン、ホモセリン、イ
ソセリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトフ
ァン、チロキシン、メチオニン、ホモメチオニン、シス
チン、ホモシスチン、α−アミノ酪酸、β−アミノ酪
酸、γ−アミノ酪酸、α−アミノイソ酪酸、アスパラギ
ン酸、アスパラギン酸−β−シクロヘキシルエステル、
アスパラギン酸−β−メチルエステル、アスパラギン酸
−β−イソプロピルエステル、アスパラギン酸−β−ベ
ンジルエステル、グルタミン酸−γ−シクロヘキシルエ
ステル、グルタミン酸−γ−メチルエステル、グルタミ
ン酸−γ−イソプロピルエステル、グルタミン酸−γ−
ベンジルエステル、リジン、ヒドロキシリジン、オルニ
チン、アルギニン、ヒスチジン、アンチカプシン、N5
−イミノメチルオルニチン、α−アミノ−β−(2−イ
ミダゾリジル)プロピオン酸、N−メチルグリシン、タ
ウリン、γ−ホルミル−N−メチルノルバリン、Ng
トシルアルギニン、Ng−ベンジルオキシカルボニルア
ルギニン、S−アセトアミドメチルシステイン、S−ベ
ンジルシステイン、エチオニン、N1m−ベンジルオキシ
カルボニルオルニチン、N6−ベンジルオキシカルボニ
ルリジン、N5−ベンジルオキシカルボニルオルニチ
ン、O−ベンジルセリン、O−ベンジルトレオニン、N
1n−ホルミルトリプトファン、2−(2−アミノ−4−
チアゾリル)−2−メトキシイミノ酢酸、2−(2−ア
ミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸、
2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−グリオキシ
酢酸、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ペン
テン酸、フェニルグリシン、4−ヒドロキシフェニルグ
リシン、4−クロロフェニルアラニン、 N−メチル−
4−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルグリ
シン、クレアチン、アゼチジン−2−カルボン酸、オル
シルアラニン、エルゴチオネイン、ランチオニン、1−
メチルヒスチジン、3−メチルヒスチジンが挙げられ
る。
【0014】なかでもフェニルアラニン、チロシン、ジ
ヨードチロシン、トリプトファン、チロキシン、N1n
ホルミルトリプトファン、フェニルグリシン、4−ヒド
ロキシフェニルグリシン、4−クロロフェニルアラニ
ン、N−メチル−4−クロロフェニルアラニン、4−ク
ロロフェニルグリシン、アゼチジン−2−カルボン酸が
好ましく、とりわけフェニルアラニン、フェニルグリシ
ンが好ましく、フェニルアラニンが最も好ましい。
【0015】上記アミノ酸エステルの具体例としては、
上記アミノ酸のメチルエステル、エチルエステル、イソ
プロピルエステル、t−ブチルエステル、n−オクチル
エステル等の炭素数1〜12のアルキルエステル;ベン
ジルエステル、p−クロロベンジルエステル、p−フル
オロベンジルエステル等の炭素数7〜15の置換基を有
していても良いアラルキルエステル;フェニルエステル
等の炭素数6〜14の置換基を有していても良いアリー
ルエステルを挙げることが出来るが、なかでも炭素数1
〜12のアルキルエステルが好ましく、とりわけ炭素数
1〜4のアルキルエステルが好ましく、メチルエステ
ル、エチルエステルが最も好ましい。
【0016】最も好ましいアミノ酸エステルとしては、
フェニルアラニンの炭素数1〜4のアルキルエステルが
挙げられ、具体的には、フェニルアラニンメチルエステ
ル、フェニルアラニンエチルエステル等が挙げられる。
【0017】アラルキルエステル、又はアリールエステ
ル中に有していても良い置換基としては、メトキシ基、
エトキシ基、t−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ
基等の炭素数1〜12のアルコキシ基;フェニルオキシ
基、p−ヒドロキシフェニルオキシ基等の炭素数6〜1
4のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、p−クロロ
ベンジルオキシ基、p−フルオロベンジルオキシ基など
のアラルキルオキシ基;ホルミル基、アセチル基、ベン
ゾイル基等の炭素数1〜15のアシル基;ハロゲン原
子;水酸基等を挙げることができる。
【0018】本発明で使用するN−保護アミノ化合物に
おけるN−保護基の例としては、酸で脱保護されるもの
であれば特に限定されず、例えば、プロテクティブ・グ
ループス・イン・オーガニック・シンセシス 第2版
(John Wiley&Sons,Inc.199
1)に記載されているように、メチルオキシカルボニル
基、エチルオキシカルボニル基、2−フェニルエチルオ
キシカルボニル基、1−アダマンチルオキシカルボニル
基、ビニルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカル
ボニル基、t−アミルオキシカルボニル基、イソプロピ
ルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル
基、メトキシ基、ニトロ基等で置換された(無置換のも
のも含む)ベンジルオキシカルボニル基等の酸で脱保護
されうるウレタン型保護基;N−ホルミル基、N−アセ
チル基、N−ベンゾイル基等の酸で脱保護されうるアミ
ド型保護基を挙げることができるが、なかでも上記の酸
で脱保護されうるウレタン型保護基が好ましく、酸で脱
保護されうるN−アルキルオキシカルボニル基がより好
ましい。本発明の効果を最大限に発揮するN−保護基と
して、t−ブチルオキシカルボニル基を挙げることがで
きる。
【0019】従って、本発明において、特に好適に使用
できるアミノ化合物の具体例としては、例えばN−t−
ブチルオキシカルボニルフェニルアラニンメチルエステ
ル、N−t−ブチルオキシカルボニルフェニルアラニン
エチルエステル等を挙げることができる。
【0020】本発明においては、酸中にN−保護アミノ
化合物を添加することにより、得られる脱保護されたア
ミノ化合物と酸との塩の結晶中へのN−保護アミノ化合
物の混入を好適に抑制することができる。本発明者らの
検討の結果、後述する比較例から分かるように、上記と
逆の添加方法では、たとえ添加速度を高めても、脱保護
されたアミノ化合物と酸との塩の結晶中へのN−保護ア
ミノ化合物の混入を好適に抑制するのは極めて難しいこ
とが分かった。
【0021】本発明は溶媒存在下でより好適に実施で
き、この場合、酸及び溶媒の混合物中に脱保護されうる
N−保護アミノ化合物を添加するのがより好ましい。上
記N−保護アミノ化合物は、単独で酸中、又は、酸及び
溶媒の混合物中に添加してもよいし、溶媒との混合物と
して酸中、又は、酸及び溶媒の混合物中に添加してもよ
い。尚、酸と共存させる溶媒と該N−保護アミノ化合物
と共存させる溶媒は、同一であっても、異なっていても
よいが、同一のものを用いることがより好ましい。
【0022】上記添加速度は特に制限されないが、生産
性等の面から、全ての上記N−保護アミノ化合物が、普
通10時間以内に添加される速度であり、好ましくは5
時間以内に添加される速度である。尚、添加速度は反応
晶析時の発熱の除熱能力等も考慮して柔軟に設定しう
る。
【0023】本発明に用いる酸は特に制限されないが、
例えば、塩酸(塩化水素)、臭化水素酸(臭化水素)、
硝酸、硫酸等の鉱酸;メタンスルホン酸、エタンスルホ
ン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン等のスルホン酸;蟻酸、酢
酸、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ジクロロ酢酸、ジブロモ
酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、
o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ
安息香酸、シュウ酸、マロン酸、フタル酸等のカルボン
酸等の有機酸を挙げることができる。一般にpKaが5
以下の酸が好ましいが、脱保護反応を速やかに進行させ
るためにはpKaが3以下の酸がより好ましく、とりわ
けpKaが2以下の酸が好ましい。ここでpKaは、水
中における酸の電離指数を表す。上記酸のなかでも有機
酸が好ましく、とりわけスルホン酸が好ましい。具体的
には、メタンスルホン酸が最も好ましい酸として挙げら
れる。本発明における、酸の使用量は特に制限されない
が、脱保護されたアミノ化合物と酸との塩として晶析さ
れる量を用いればよく、一般には基質に対して同モル以
上を用いればよい。
【0024】溶媒としては、生成するアミノ化合物と酸
との塩が析出するものであれば特に制限されず、例え
ば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼ
ン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシ
レン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;塩化メチ
レン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−
プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i
−ブチル、酢酸t−ブチル等の酢酸の炭素数1から4の
アルキルエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類;メタノール、エ
タノール等のアルコール類、水等を用いることができる
が、なかでも有機溶媒が好ましく、とりわけ芳香族炭化
水素類、及び酢酸の炭素数1〜4のアルキルエステル類
が好ましい。最も好ましい溶媒として、収率、生産性等
の観点から、芳香族炭化水素類、具体的には、例えばト
ルエン等を挙げることができる。
【0025】上記溶媒の使用量は、特に限定されない
が、生産性、晶析収率の観点から、N−保護アミノ化合
物1重量部に対して2〜50倍容量部が好ましいが、な
かでも2〜10倍容量部が好ましく、とりわけ2〜5倍
容量部が好ましい。
【0026】本発明における、晶析の温度は特に制限さ
れず、例えば一般に室温以上にて好適に実施できるが、
反応を速やかに進行させ、且つ晶析時の不純物の除去率
を高めるためには、高温で晶析するのが好ましく、例え
ば40℃以上、なかでも50℃以上、とりわけ60℃以
上が好ましい。
【0027】本発明で得られるアミノ化合物と酸との塩
の結晶は、遠心分離、加圧濾過、減圧濾過等の一般的な
固液分離法を用いて採取することができる。尚、結晶の
採取に際しては、晶析液を最終的に20℃以下に冷却し
て晶出量を最大化することができる。得られた結晶は、
更に、必要に応じ、例えば減圧(真空)乾燥することに
より乾燥晶として取得することができる。
【0028】尚、上記方法にて得られるアミノ化合物と
酸との塩の結晶中におけるN−保護アミノ化合物の混入
量は0.1%以下が期待できる。更に、上記方法によ
り、N−保護アミノ化合物以外の不純物の混入も抑制で
き得る。
【0029】以上の説明及び後述の実施例の記載から明
らかなように、本発明の方法によれば、N−保護アミノ
化合物の混入を抑制して、脱保護されたアミノ化合物と
酸との塩の結晶を好適に取得することができる。
【0030】以下に実施例、比較例を掲げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定される
ものではない。尚、N−t−ブチルオキシカルボニルフ
ェニルアラニンメチルエステルの定量は、以下の分析系
を用いて行った。 カラム:ナカライテスク製 5CN−R 250mm×
4.6mmI.D. 移動相:リン酸バッファー/アセトニトリル=75/2
5 流速:1.0ml/min 検出:UV 210nm カラム温度40℃ 保持時間:フェニルアラニンメチルエステル 3.8m
in,N−t−ブチルオキシカルボニルフェニルアラニ
ンメチルエステル 6.9min
【0031】
【実施例】(実施例1〜4)メタンスルホン酸1.92
g及びトルエン5mlの混合液を70℃に昇温した後
に、N−t−ブチルオキシカルボニル−L−フェニルア
ラニンメチルエステル5.58gとトルエン15mlの
混合溶液を、70℃にて、それぞれ所定の時間をかけて
添加して結晶を析出させた。更に70℃にて3時間攪拌
した後に、5℃まで冷却し、引き続き2時間攪拌した。
得られた結晶を減圧濾過し、次いでトルエン5mlにて
洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥してL−フェニル
アラニンメチルエステルメタンスルホン酸塩の乾燥晶を
それぞれ取得した。上記混合溶液の添加時間、L−フェ
ニルアラニンメチルエステルメタンスルホン酸塩乾燥晶
の取得量(収率)、及び取得乾燥晶中のN−t−ブチル
オキシカルボニル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ル混入量(基質混入率)を以下の表1にまとめた。
【0032】
【表1】
【0033】(比較例1〜4)N−t−ブチルオキシカ
ルボニル−L−フェニルアラニンメチルエステル5.5
8gとトルエン15mlの混合溶液70℃に昇温した後
に、メタンスルホン酸1.92g及びトルエン5mlの
混合液を、70℃にて、それぞれ所定の時間をかけて添
加して結晶を析出させた。更に70℃にて3時間攪拌し
た後に、5℃まで冷却し、引き続き2時間攪拌した。得
られた結晶を減圧濾過し、次いでトルエン5mlにて洗
浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥してL−フェニルア
ラニンメチルエステルメタンスルホン酸塩の乾燥晶をそ
れぞれ取得した。上記混合液の添加時間、L−フェニル
アラニンメチルエステルメタンスルホン酸塩乾燥晶の取
得量(収率)、及び取得乾燥晶中のN−t−ブチルオキ
シカルボニル−L−フェニルアラニンメチルエステル混
入量(混入率)を以下の表2にまとめた。
【0034】
【表2】 上記比較例1〜4から分かるように、メタンスルホン酸
及びトルエンの混合液の添加速度を高めても、前記実施
例1〜4の成績には及ばなかった。
【0035】(実施例5)メタンスルホン酸0.96g
及び酢酸イソプロピル2.5mlの混合溶液を70℃に
昇温した後に、N−t−ブチルオキシカルボニル−L−
フェニルアラニンメチルエステル2.29gとトルエン
7.5mlの混合溶液を、70℃にて3時間かけて添加
して結晶を析出させた。更に70℃にて3時間攪拌した
後に、5℃まで冷却し、引き続き2時間攪拌した。得ら
れた結晶を減圧濾過し、次いで酢酸イソプロピル2.5
mlにて洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥してL−
フェニルアラニンメチルエステルメタンスルホン酸塩の
乾燥晶2.47g(収率87%)を取得した。この乾燥
晶中には、N−t−ブチルオキシカルボニル−L−フェ
ニルアラニンメチルエステルを2mg(混入率0.08
%)含有していた。
【0036】(比較例5)N−t−ブチルオキシカルボ
ニル−L−フェニルアラニンメチルエステル2.29g
とトルエン7.5mlの混合溶液を70℃に昇温した後
に、メタンスルホン酸0.96g及び酢酸イソプロピル
2.5mlの混合溶液を、70℃にて3時間かけて添加
して結晶を析出させた。更に70℃にて3時間攪拌した
後に、5℃まで冷却し、引き続き2時間攪拌した。得ら
れた結晶を減圧濾過し、次いで酢酸イソプロピル2.5
mlにて洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥してL−
フェニルアラニンメチルエステルメタンスルホン酸塩の
乾燥晶2.43g(収率86%)を取得した。この乾燥
晶中には、N−t−ブチルオキシカルボニル−L−フェ
ニルアラニンメチルエステルを7mg(混入率0.28
%)含有していた。
【0037】
【発明の効果】本発明は、上述の構成よりなるので、医
薬品等の製造上重要なN−保護アミノ化合物の混入量の
少ないアミノ化合物と酸との塩を効率よく製造すること
ができる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ化合物と酸との塩の結晶の製造方
    法であって、酸中に、酸で脱保護されうるN−保護アミ
    ノ化合物を酸中に添加し脱保護反応を行うと共に、生成
    する脱保護されたアミノ化合物と酸との塩を晶析するこ
    とにより、得られる該塩中へのN−保護アミノ化合物の
    混入を抑制することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 溶媒存在下に実施する請求項1記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 酸と溶媒の混合物中に、酸で脱保護され
    うるN−保護アミノ化合物を添加する請求項2記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 酸で脱保護されうるN−保護基が、酸で
    脱保護されうるウレタン型保護基である請求項1、2又
    は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸で脱保護されうるウレタン型保護基
    が、t−ブチルオキシカルボニル基である請求項4記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸がpKa5以下の酸である請求項1、
    2、3、4又は5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 酸がpKa3以下の酸である請求項1、
    2、3、4又は5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 酸が有機酸である請求項6又は7記載の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 有機酸がメタンスルホン酸である請求項
    8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 溶媒が有機溶媒である請求項2、3、
    4、5、6、7、8又は9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 有機溶媒が、芳香族炭化水素類である
    請求項10記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 芳香族炭化水素類がトルエンである請
    求項11記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 脱保護されたアミノ化合物と酸との塩
    中へのN−保護アミノ化合物の混入量が0.1%以下で
    ある請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11又は12記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 アミノ化合物がアミノ酸エステルであ
    る請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
    11、12又は13記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 アミノ酸エステルがフェニルアラニン
    の炭素数1から4のアルキルエステルである請求項14
    記載の製造方法。
JP2001386679A 2001-12-19 2001-12-19 アミノ化合物と酸との塩の結晶の製造方法 Pending JP2003183230A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001386679A JP2003183230A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 アミノ化合物と酸との塩の結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001386679A JP2003183230A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 アミノ化合物と酸との塩の結晶の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003183230A true JP2003183230A (ja) 2003-07-03

Family

ID=27595766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001386679A Pending JP2003183230A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 アミノ化合物と酸との塩の結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003183230A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009512632A (ja) * 2005-09-29 2009-03-26 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 有機酸のエステル化方法
WO2013114991A1 (ja) * 2012-02-01 2013-08-08 株式会社カネカ アミノ酸の固体の製造法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009512632A (ja) * 2005-09-29 2009-03-26 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 有機酸のエステル化方法
KR101337798B1 (ko) * 2005-09-29 2013-12-06 디에스엠 시노켐 파마슈티칼스 네덜란드 비.브이. 유기산의 에스터화 방법
WO2013114991A1 (ja) * 2012-02-01 2013-08-08 株式会社カネカ アミノ酸の固体の製造法
CN104093699A (zh) * 2012-02-01 2014-10-08 株式会社钟化 氨基酸的固体的制造方法
JPWO2013114991A1 (ja) * 2012-02-01 2015-05-11 株式会社カネカ アミノ酸の固体の製造法
US9302980B2 (en) 2012-02-01 2016-04-05 Kaneka Corporation Process for producing solid amino acid

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6162795B2 (ja) リシン−グルタミン酸ジペプチド誘導体
JP5373996B2 (ja) サクサグリプチン中間体、サクサグリプチン多形及びそれらの調製方法
EP3341359B1 (en) Process for preparation of apremilast
WO2019053607A1 (en) PROCESS FOR PREPARING LIFITEGRAST
WO2020240375A1 (en) Improved process for the preparation of elagolix and its intermediates
JP2003183230A (ja) アミノ化合物と酸との塩の結晶の製造方法
TWI383995B (zh) 擬脯胺酸二肽
Stodulski et al. Synthesis of N-alkyl-N-methyl amino acids. Scope and limitations of base-induced N-alkylation of Cbz-amino acids
Nagaoka et al. Michael addition reactions of chiral glycine Schiff base Ni (II)‐complex with 1‐(1‐phenylsulfonyl) benzene
WO2005030730A1 (ja) 光学活性なα−アミノ−ε−カプロラクタムまたはその塩の製造方法および製造の中間体
JPH05255204A (ja) アミン類の製造法
JP4923050B2 (ja) ペリンドプリルエルブミンの調製方法
JPH0859517A (ja) 光学分割剤およびそれを用いた光学活性テトラヒドロフランカルボン酸類の製造法
JPH08119916A (ja) N−保護グルタミン酸γ−誘導体の選択的製造法
WO2009081608A1 (ja) N-シクロプロピル-3-アミノ-2-ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩の製造方法
Noda et al. A new simple preparation of d-alloisoleucine suitable for large-scale manufacture
EP1123919A1 (en) Process for producing peptidyl aldehydes
JP3157118B2 (ja) アシルアミノ酸を用いるピペリジン誘導体の光学分割方法
JP3888402B2 (ja) 光学活性N−カルボベンゾキシ−tert−ロイシンの製造法
JP4067319B2 (ja) 光学分割法及び光学活性化合物の製造法
JPS5810546A (ja) N−ホルミルペプチドエステルからホルミル基を除去する方法
JP3107666B2 (ja) ウレタン化合物の製造方法
JP3204541B2 (ja) N−アルコキシカルボニルアミノ酸の製造方法
JP5981719B2 (ja) 光学活性チアゾリルアラニン誘導体およびその塩の製造方法
JP3238335B2 (ja) 2−アミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041027

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080324

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080408

A521 Written amendment

Effective date: 20080604

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080624