JP2003183147A - シート状含水ゲル - Google Patents

シート状含水ゲル

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JP2003183147A
JP2003183147A JP2001384876A JP2001384876A JP2003183147A JP 2003183147 A JP2003183147 A JP 2003183147A JP 2001384876 A JP2001384876 A JP 2001384876A JP 2001384876 A JP2001384876 A JP 2001384876A JP 2003183147 A JP2003183147 A JP 2003183147A
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hydrogel
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water
sheet
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JP2001384876A
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English (en)
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Shinichi Wakamatsu
慎一 若松
Shuichi Sasahara
秀一 笹原
Takashi Azuma
孝 東
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用感、密着性等に優れたシート状含水ゲル
を提供する。 【解決手段】 網目構造を有する合成高分子に、水、界
面活性剤及び油性成分を少なくとも含む溶液と溶液滲出
促進剤を含浸させたシート状含水ゲルであり、該含水ゲ
ルが、1mm厚で、かつ含水ゲルの形成時から72時間
後の条件下で、その表面において、1.5〜20mg/
cm2の溶液の滲出量を示すことを特徴とするシート状
含水ゲルにより上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状含水ゲル
(以下、含水ゲルともいう)に関する。さらに詳しく
は、油性成分とゲル表面に滲出した溶媒の効果により、
潤い感、保湿効果、密着性等に優れたシート状含水ゲル
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シート状含水ゲルは、シート状を
した支持体上に含水ゲル層が積層された構造をしてい
る。含水ゲル層を構成する合成高分子には、一般的に、
安全性が広く確認されているポリアクリル酸のようなカ
ルボキシル基含有ポリマーを多価金属塩(例えば水酸化
アルミニウム)で架橋した高分子が使用される。含水ゲ
ルは溶媒として水を多量に含有しているため、油性成分
を配合しようとする場合、水相と油相が分離してしまう
恐れがあり、含水ゲルに配合できる成分は水溶性成分に
限定されてしまう。そのため、含水ゲルの保湿効果が不
足しがちになるという問題があった。そこで、特開平1
1−228340号公報では、含水ゲルに界面活性剤を
添加することにより、油性成分を配合することを可能に
する技術が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報では、十分な保湿効果を得るためには油性成分を比較
的多量に配合する必要があった。その結果、含水ゲル中
の水分配合量が減少するため潤い感が損なわれたり、高
価な油性成分を多量に配合するためコストが高くなった
りするという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、こ
れらの問題に鑑み、1mm厚のゲル形成72時間後に
1.5〜20mg/cm2の溶液がゲル表面に滲出する
シート状含水ゲルを作製したところ、滲出液中の水分に
よって潤い感が得られるとともに、油性成分の配合量が
比較的少量であっても、滲出した溶媒中に含まれる油性
成分によって十分な保湿効果が得られることを意外にも
見い出し本発明にいたった。かくして本発明によれば、
網目構造を有する合成高分子に、水、界面活性剤及び油
性成分を少なくとも含む溶液と溶液滲出促進剤を含浸さ
せたシート状含水ゲルであり、該含水ゲルが、1mm厚
で、かつ含水ゲルの形成時から72時間後の条件下で、
その表面において、1.5〜20mg/cm2の溶液の
滲出量を示すことを特徴とするシート状含水ゲルが提供
される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のシート状含水ゲルは、網目構造を有する
合成高分子に、水、界面活性剤及び油性成分を少なくと
も含む溶液と溶液滲出促進剤を含浸させた構成を有す
る。
【0006】(合成高分子)合成高分子としては、網目
構造を有し、少なくとも水を含んでゲルを形成すること
ができさえすれば特に限定されない。含水ゲルを化粧
品、医薬品、医薬部外品、衛生材料、雑貨等の分野で経
皮用途として使用する場合は、当該分野で許容される合
成高分子が使用できる。特に、水と親和性がある合成高
分子が使用されるが、中でもアニオン性官能基を有する
合成高分子が好ましく用いられる。そのような合成高分
子の例としては、カルボキシル基を官能基として有する
アクリル酸、メタクリル酸等の重合性不飽和単量体の重
合物及び、それらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウ
ム塩、トリエタノールアミン塩等)、スルホン酸基を官
能基として有するt−ブチルアクリルアミドスルホン酸
等の重合性不飽和単量体の重合物及び、それらの塩(例
えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)が挙げられる。
【0007】合成高分子の網目構造は、架橋前の合成高
分子の架橋により得ることができる。すなわち、架橋前
の合成高分子に架橋剤を添加し、必要に応じて加熱する
ことで、網目構造を得ることができる。架橋剤として
は、例えば、水酸化アルミニウム、カリミョウバン、硫
酸アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アル
ミニウム、酸化アルミニウム、メタケイ酸アルミニウ
ム、塩化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシ
ウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリエチレ
ンイミン、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリグリシジ
ルイソシアヌレート等が挙げられる。また、架橋剤の作
用に最適なpHに調整し、架橋をより確実にする目的
で、酒石酸、乳酸、クエン酸、塩酸等の各種有機酸や無
機酸をpH調整剤として使用してもよい。なお、架橋前
の合成高分子は、シート状含水ゲルの製造を妨げない限
りは、部分的に架橋していてもよい。また、製造時の取
扱性を考慮すると、重量平均分子量が10万〜500万
の範囲の架橋前の合成高分子を使用することが好まし
い。
【0008】(溶液)溶液は、少なくとも水、界面活性
剤及び油性成分からなる。水は、特に限定されず、水道
水、精製水、イオン交換水等の各種水が使用できる。油
性成分としては、含水ゲルの使用分野で許容される成分
が使用できる。例えば、化粧品分野の場合、ホホバ油、
オリーブ油、アボガド油、アマニ油、ククイナッツ油、
グレープシード油、サフラワー油、マカデミアナッツ油
等の植物油、馬油、ミンク油、卵黄脂肪油等の動物油
脂、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチ
ノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA1酸メチ
ル、ビタミンA1酸エチル、ビタミンA1酸レチノール、
モノステアリン酸アスコルビル、モノパルミチン酸アス
コルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、DL−α−ト
コフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール等の脂溶
性ビタミン、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン
等の炭化水素類、イソステアリルアルコール、オクチル
ドデカノール、ヘキシルデカノール等の高級アルコール
類、エチレングリコールジオクチルエーテル等のエーテ
ル類、ミリスチン酸イソプロピル、カプリル酸セチル、
オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ステ
アリン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸セ
チル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジ(カプリル
・カプリン酸)プロピレングリコール、トリカプリル酸
グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ト
リ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ネオペンタン
酸オクチルドデシル、乳酸ラウリル、コハク酸ジオクチ
ル、ステアリン酸コレステリル等のエステル類、ジメチ
ルシリコーン油、メチルフェニルシリコーン油、環状ジ
メチルシリコーン油、メチルハイドロジェンシリコーン
油、アルコール変性シリコーン油、アルキル変性シリコ
ーン油、アミノ変性シリコーン等のシリコーン油類、パ
ーフルオロポリエーテル等のフッ素油等が挙げられる。
これらは単独又は2種以上を混合して用いることが好ま
しい。
【0009】界面活性剤は、油性成分をO/Wエマルシ
ョンにして合成高分子へと均一分散させるために使用さ
れる。界面活性剤としては、ゲルの使用分野で許容され
る界面活性剤が使用できる。例えば、化粧品分野の場
合、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両イオ
ン性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。
より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸
エステル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオ
キシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、脂肪酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アル
キルスルホン酸、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ
る。これらは単独又は2種以上を混合して用いることが
好ましい。
【0010】(溶液滲出促進剤)溶液滲出促進剤とは、
含水ゲル内の溶液を効果的に含水ゲル表面に滲み出させ
るために使用される剤である。例えば、親水性でありな
がらもある程度の疎水性を有する物質を配合することに
より含水ゲル内の水を効果的に吐出させることができる
非イオン性水溶性高分子、又は含水ゲルの網目構造を引
き締める効果を発揮させることにより、含水ゲル内の油
性成分を含んだ溶液を含水ゲル表面に滲出させることが
できる電解質が挙げられる。非イオン性水溶性高分子と
しては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリグリセリン等のグリコール、多価アルコー
ル等の重合体が挙げられる。これらは単独又は2種以上
を混合して用いることができる。
【0011】特に、グリセリンの吸湿度を100とした
場合、2〜55の範囲の比吸湿度の非イオン性水溶性高
分子を使用することが好ましい。比吸湿度が2より小さ
い場合、保水力が十分でないために含水ゲル表面への溶
液滲出量が多くなりすぎてベタツキの原因になったり、
含水ゲルを構成する合成高分子とのなじみが悪くなり、
含水ゲルを形成することが困難になったりする恐れがあ
る。比吸湿度が55より大きい場合、非イオン性水溶性
高分子がもつ保水力が大きすぎるために含水ゲル内の溶
液が含水ゲル表面に滲出しにくくなり、潤い感、保湿効
果が不足する恐れがある。更に好ましい比吸湿度の範囲
は20〜45である。
【0012】電解質としては、易水溶性であり、化粧品
等での使用実績のあるものであれば使用可能であるが、
溶解性やpH変動が少ない等の点から、強酸と強アルカ
リとの中性塩が好適に用いられる。このような電解質と
しては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム等が挙げられる。非イオン性水溶性高
分子と電解質はどちらか一方を単独で配合してもよい
し、両者を併用して配合してもよい。
【0013】(溶液滲出量)本発明の含水ゲルは、1m
m厚で、かつ含水ゲルの形成時から72時間後の条件下
で、その表面において、1.5〜20mg/cm2の溶
液の滲出量を有している。溶液滲出量が1.5mg/c
2より少ない場合、含水ゲル表面の溶液量が不足する
ため潤い感や保湿効果が不足したり、肌等の被着体への
密着性にかけたりする恐れがある。また、溶媒滲出量が
20mg/cm2より多い場合、溶液量過多のため被着
体へ密着させたとき液ダレが生じ、不快感を呈する恐れ
がある。なお、本発明の含水ゲルの厚さは、1mmに限
定されるものではなく、ここで示した溶液滲出量は、本
発明の含水ゲルの性質を明らかにするためにのみ用いら
れる値である。
【0014】(溶液滲出量測定法)溶液滲出量は、以下
の方法により測定した。クレシア社製の紙製ワイパー
(キムワイプ ワイパーS−200)を、一枚ずつ精密
天秤にて秤量した後、表面積の分かっている測定対象の
厚さ1mmのシート状含水ゲル表面をまんべんなく拭
い、使用したワイパーを再び精密天秤にて秤量する。使
用前後の秤量値の差を単位面積当たりに換算した値を、
溶液滲出量とした。
【0015】(各成分の配合量)各成分の配合量は、得
られた含水ゲルが上記範囲の溶液滲出量を呈しさえすれ
ば特に限定されず、種々の配合量をとることができる。
以下では、成分ごとに好適な配合量について説明する。
【0016】・水の配合量 溶液中の水の配合量は、60〜97%(質量百分率、以
下の配合量の%についても同様)であることが好まし
い。水の配合量が60%より少ないと、含水ゲル中に配
合される水分量が十分でなくなるため、含水ゲル表面へ
油性成分を含んだ溶液が滲出しにくくなる。その結果、
含水ゲルの潤い感、保湿効果が不足するようになる。逆
に、水の配合量が97%より多いと、含水ゲルの腰強度
が弱くなり、含水ゲルの保形性が不安定となる。こうし
て得られたシート状含水ゲルは、使用の際に、ちぎれて
操作性が悪くなる恐れがある。更に好ましい水の配合量
は、70〜95%である。
【0017】・油性成分の配合量 油性成分の配合量は、油性成分の使用目的に応じて、適
宜設定される。例えば、化粧品の分野において、肌荒れ
により不足した油分を皮膚に供給し、皮膚本来の水分蒸
散に対する防御機能を補い、皮膚の正常化と肌荒れの進
行を防止したり、油性成分が持つ生理作用を発揮させた
りすることを所望する場合、油性成分の溶液に占める配
合量は0.05〜20%であることが好ましい。配合量
が0.05%より少ない場合、保湿効果が弱くなり、ま
た、配合量が20%より多い場合、高価な油性成分を多
量に配合するためコストが高くなるほか、水分の減少に
より潤い感が損なわれたり、使用後にべたついたりする
恐れがある。特に、本発明では、溶液滲出促進剤を使用
しているため、油性成分を少なくすることができるとい
う利点がある。従って、配合量を、0.05〜5%にす
ることも可能である。
【0018】・界面活性剤の配合量 界面活性剤の溶液に占める配合量は0.01〜10%で
あることが好ましい。配合量が0.01%より少ない場
合、乳化が安定せず相分離が起こる場合が有り、また、
配合量が10%より多い場合、皮膚刺激がでたり、べた
つきを感じたりする場合がある。更に好ましい界面活性
剤の配合量は、0.05〜5%である。
【0019】・溶液滲出促進剤(非イオン性水溶性高分
子)の配合量 非イオン性水溶性高分子は、溶液100重量部に対し
て、2〜20重量部配合することが好ましい。配合量が
2重量部より少ない場合、溶液を十分に滲出することが
できない場合があり、配合量が20重量部より多い場
合、ゲルを構成すべき高分子が凝集しゲルを形成しない
場合や、溶液滲出量が多くなりすぎて、ベタツキの原因
となる場合がある。更に好ましい非イオン性水溶性高分
子の配合量は、5〜15重量部である。
【0020】・溶媒滲出促進剤(電解質)の配合量 電解質の配合量は、溶液100重量部に対して、0.1
〜20重量部が好ましい。配合量が0.1重量部より少
ない場合、網目構造を引き締める効果が十分ではないた
め含水ゲル表面への溶液滲出量が不足する恐れがある。
また、配合量が20重量部より多い場合、含水ゲルを構
成する高分子の収縮が起こり相分離を起こす場合があ
る。更に好ましい電解質の配合量は、0.2〜5重量部
である。なお、溶媒滲出促進剤として非イオン性水溶性
高分子と電解質を両方使用する場合は、双方の単独使用
の場合より滲出量が多くなるため、溶液100重量部に
対する合計の配合量を20重量部を上限とすることが好
ましい。
【0021】(合成高分子の配合量)合成高分子ゲル体
を構成する合成高分子の配合量は、当該含水ゲルの総量
に対して0.5〜35%であるのが好ましい。配合量が
0.5%より少ない場合、含水ゲルの腰強度が弱くな
り、含水ゲルの保形性が不安定となり、こうして得られ
たシート状含水ゲルは、使用の際に、ちぎれて操作性が
悪くなる恐れがある。また、配合量が35%より多い場
合、ゲル強度は強くなるものの、含水ゲルの高分子構造
が密になりすぎて、含水ゲル中に保持できる溶媒や薬効
成分等の量が少なくなりすぎる恐れがある。合成高分子
の配合量は、上記範囲の中でも特に、1〜30%である
のが好ましく、2〜25%であるのがより好ましい。
【0022】(その他の成分)本発明のシート状含水ゲ
ルには、上記の各種成分以外に各種の添加剤を本発明の
目的を阻害しないように適宜配合することができる。例
えば水以外の溶媒、湿潤剤、美容、美顔及び皮膚の治療
等を目的とする薬効成分のほか、香料、着色料、安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、pH調整
剤、キレート剤、防腐剤、抗菌剤等が挙げられる。水以
外の溶媒としては、水と相分離を起こさないものであ
り、含水ゲルの使用分野(例えば、化粧品、医薬品、医
薬部外品、衛生材料、雑貨等の分野)で許容される溶媒
が使用できる。具体的には、エチルアルコール等のモノ
アルコール類、1,3−ブチレングリコール等のグリコ
ール類、グリセリン等の多価アルコール類等が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上を混合して用いることが
できる。
【0023】溶液に占める水以外の溶媒の配合量は35
%以下であるのが好ましい。35%を超えると、水の含
有量が低下するため、含水ゲル中に配合される各種の添
加剤等を容易に溶解できなくなる恐れがある。さらに、
含水ゲルの腰強度が弱くなり、含水ゲルの保形性が不安
定となる。こうして得られたシート状含水ゲルは、使用
の際に、ちぎれて操作性が悪くなる恐れがある。
【0024】湿潤剤としては、例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
グリセリン、ジグリセリン、イソプロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マル
ビトール、トレハロース、ラフィノース、キシリトー
ル、マンニトール、ヒアルロン酸及びその塩、トレハロ
ースやラフィノース等の各種誘導体、トリメチルグリシ
ン、サイクロデキストリン、ヒアルロン酸及びその塩等
のグリコール類、多価アルコール類及び多糖類等が挙げ
られる。これらは単独又は2種以上を混合して用いるこ
とが好ましい。
【0025】これら湿潤剤の配合量は2〜20%である
ことが好ましい。もし、配合量が2%より少ない場合、
必要な水分を十分に保持することが困難になる場合があ
り、また、配合量が20%より多い場合、含水ゲルを構
成すべき高分子と湿潤剤とが相溶せず、高分子が凝集し
ゲルを形成しない場合や、湿潤剤が含水ゲルから分離し
てべたつきの原因となる場合がある。
【0026】(シート状含水ゲルの構成等)本発明のシ
ート状含水ゲルの厚みは、その使用状況に応じて適宜設
定すればよく、全体に均一であっても、部分的に厚さが
異なっていてもよい。被着体が皮膚の場合、貼り付けた
ときの違和感や強度を考慮すると、0.1〜3mmの範
囲であるのが好ましい。シート状含水ゲル全体の厚みが
0.1mmを下回るとシート状含水ゲルの強度が弱くな
ったり、溶媒の滲出量が減少したりする恐れがある。一
方、3mmを超えると、シート状含水ゲルの自重が大き
くなりすぎて、皮膚に貼り付けたときに違和感が生じる
恐れがある。なお、シート状含水ゲル全体が厚くないの
であれば、部分的にシートの厚みを6mm程度にまで厚
くすることが可能である。更に、シート状含水ゲルの引
裂強度と取扱い性とを向上させ、かつ含水ゲル表面への
溶媒の滲出を容易にさせることを目的として、ゲルの内
部又は表面に支持体を設けてもよい。
【0027】ここで、ハップ剤では、裏移り防止や強度
保持のため支持体には目付量60g/m2以上のある程
度強度のあるものを用いている。このような強度を持っ
た支持体を用いた場合には、製品の形状安定性を高め、
かつ包装体からの取り出しがしやすい等のメリットがあ
る。しかし、強度のある支持体を用いた場合、上記のメ
リットが得られる反面、支持体の強度が邪魔をして、顔
のような複雑な形状の肌にうまくフィットできず、浮き
が発生するという問題がある。
【0028】従って、本発明における支持体としては、
目付量が3〜20g/m2の織布又は不織布等を使用す
ることが好ましい。上記目付量の範囲の織布又は不織布
は柔軟性に富むため、これらを支持体として用いたシー
ト状含水ゲルは肌へ容易に密着させることができる。ま
た、上記目付量の範囲の織布又は不織布は、含水ゲル表
面へ滲み出してきた溶媒を吸収することが少ないため、
含水ゲル表面に溶媒が滲出した状態を保つことができる
という利点がある。支持体の材質としては、紙、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、
ポリウレタン、レーヨン、セルロース等が挙げられる。
【0029】(シート状含水ゲルの製法)シート状含水
ゲルは、例えば、架橋前の合成高分子、架橋剤、水、界
面活性剤、油性成分、溶液滲出促進剤及びその他の成分
を混合し、シート状に押し出す方法、所望の型に流す方
法等により製造することができる。混合の際、架橋剤は
最後に添加することが好ましい。また、シート状に押し
出す方法の場合、更に打ち抜くことで所望の形状に成形
してもよい。前記工程中、架橋を促進させるために、加
熱してもよい。シート状含水ゲルが支持体を含む場合の
製法としては、支持体上にゲルを塗工するか、又はシー
ト状に押し出したゲルと積層する方法、架橋前の混合物
に支持体を浸漬し、その後架橋させる方法が挙げられ
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例をもって本発明の説明をおこな
うが、本発明はこれらに限定されるわけではない。 実施例1 以下の表1の実施例1の欄に示す含水ゲル形成用配合物
のうち、水、非イオン界面活性剤(阪本薬品工業社製モ
ノイソステアリン酸デカグリセリル)及び油性成分(ス
クワラン)を混合して乳化させた。次いで、酸溶液と溶
液滲出促進剤以外の成分(ポリアクリル酸ナトリウム:
架橋前の合成高分子(平均分子量30万)、メタケイ酸
アルミン酸マグネシウム:架橋剤)を混合して均一にし
た。酸溶液及び溶液滲出促進剤を混合する前の混合物は
乳濁した粘ちょうな液体であった。そして、この液状混
合物と酸溶液及び溶液滲出促進剤とを混合して均一にし
た。
【0031】酸溶液及び溶液滲出促進剤の添加された液
状混合物をTダイを備えた押出機に入れ、PETフィル
ム(厚さ100μm)上にTダイの吐出ノズルから、約
2mmの厚みになるように液状混合物を展延した。その
上に、目付量が17g/m2の織布をしわにならないよ
う広げて乗せて、織布の繊維を混合物中に十分浸漬さ
せ、更に、PETフィルム(厚み38μm)をこの上に
かぶせて、その上からプレス板を用いて全体が1.0m
mになるようにスペーサーを挟んでプレスすることで、
シート状含水ゲルを得た。ゲルの形成時から72時間後
の含水ゲルの表面における溶液の滲出量を上記のように
測定し、表1に示す。なお、表1中、溶液滲出促進剤以
外の配合物は重量%、溶液滲出促進剤は溶液滲出促進剤
以外の配合物を100重量部とした場合の重量部を意味
している。
【0032】実施例2 実施例1において、溶液滲出促進剤として電解質である
塩化ナトリウムを用いたこと以外は、実施例1と同様に
して目的とする最終製品を得た。
【0033】実施例3 油性成分の添加量を4.95重量%にしたこと以外は、
実施例1と同様にして目的とする最終製品を得た。
【0034】実施例4 油性成分の添加量を11重量%にしたこと以外は、実施
例1と同様にして目的とする最終製品を得た。
【0035】比較例1 溶液滲出促進剤を用いないこと以外は、実施例1と同様
にして目的とする最終製品を得た。
【0036】比較例2 表1の比較例2の欄に示す配合量で各成分を均一に混合
して乳化した液状混合物を得た。得られた液状混合物を
実施例1と同様にしてシート状にした。その後、これを
60℃で約10時間加熱して目的とする最終製品を得
た。
【0037】
【表1】
【0038】上記で得られた各製品について、専門パネ
ラーを評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目に
よりパネラーが重複する場合もある)、表2に示す評価
基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以っ
て評価結果とした。従って、点数が高い程評価項目に対
する有用性が高いことを示す(満点:50点)。結果を
表3に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】表3の結果より、本発明の各実施例は各比
較例と比べて、保湿効果、潤い感に優れていること、更
に密着性、取扱性に優れていることがわかった。比較例
1は溶媒滲出促進剤を添加していないものだが、溶液滲
出量が減少するため、保湿効果、潤い感が不足して、密
着性にも欠けるという評価となった。比較例2は油性成
分を多く含むタイプであるが、保湿効果は感じられるも
のの、潤い感や密着性に欠け、また油性成分のベタツキ
感により取扱性にも欠けるという評価となった。
【0042】実施例1及び2と、実施例3及び4とを比
較すると、油性成分が少なくても総合的な評価が高いこ
とがわかった。
【0043】
【発明の効果】以上の結果から、本発明によれば、油性
成分を含んだ溶媒を経時的にゲル表面に滲出させること
によって、潤い感が感じられるとともに、油性成分によ
って十分な保湿効果が感じられ、また使用時の密着性に
優れたシート状含水ゲルを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB172 AB222 AB332 AB382 AC022 AC102 AC122 AC302 AD011 AD042 AD092 BB01 BB04 BB11 CC07 DD12 DD41 EE06 EE12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網目構造を有する合成高分子に、水、界
    面活性剤及び油性成分を少なくとも含む溶液と溶液滲出
    促進剤を含浸させたシート状含水ゲルであり、該含水ゲ
    ルが、1mm厚で、かつ含水ゲルの形成時から72時間
    後の条件下で、その表面において、1.5〜20mg/
    cm2の溶液の滲出量を示すことを特徴とするシート状
    含水ゲル。
  2. 【請求項2】 溶液滲出促進剤が、グリセリンの吸湿度
    を100とした場合、2〜55の範囲の比吸湿度の非イ
    オン性水溶性高分子であり、非イオン性水溶性高分子
    が、溶液100重量部に対して、3〜20重量部含まれ
    る請求項1に記載のシート状含水ゲル。
  3. 【請求項3】 溶液滲出促進剤が、電解質であり、電解
    質が、溶液100重量部に対して、0.1〜20重量部
    含まれる請求項1に記載のシート状含水ゲル。
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