JP2003181344A - 2段水流を用いた水洗式塗装ブース - Google Patents
2段水流を用いた水洗式塗装ブースInfo
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Abstract
装室は捕集効率をあげるため多くの水を使用し、前面の
水流板やシャワーノズルに循環させている。しかし水流
板の下部の吸い込み口よりシャワー水洗されるまでの内
部には塗料の付着がし易く、清掃の負担を多くしてい
た。また水の流れる音や衝突音が騒音として作業者に不
快感を与え、近隣への悪影響をもたらす結果になってい
る。本発明はこれらの問題点を解決したものである。 【解決手段】塗料ミスト捕集のため噴射したシャワー水
を受ける樋を処理室内に設け、シャワー水の一部を水槽
に還流し、残りを樋の長手方向に沿ってオーバーフロー
させ、鉛直面を形成する水流板より流下させるように構
成した。水流板は内部に上下2段で構成し、上部前方に
第1段水流板を配し、下部後部に第2段水流板を配して
第1段水流板と第2段水流板との間に、吸引気流が通過
の通路を形成し、第2段水流板の下端は下部水流に流入
するように構成した。
Description
いて噴霧された塗料のうち、被塗装物に塗着しないで飛
散する塗料ミストを吸引し、捕捉回収する塗装用ブース
に関し、特に排気ファンにより塗料ミストを気流と共に
吸引し、シャワー水により塗料ミストを捕捉処理して清
浄な空気として、排出する水洗式塗装ブースに関する。
すように下部に水槽45を配し、排気扇41により塗装室前
面のミスト含有気流を吸引し、ミスト処理室内43を通過
する際に、ノズル44からの水洗シャワーを噴射してミス
トを水と共に下部水槽に落として捕捉するもので、ポン
プ(図示無し)で吸い上げた水を前記ノズル44供給する
と共に、塗装室前面に設けた水流板42にオーバーフロー
させる樋46に供給している。水流板と水流板の後部に設
けたミスト処理室内43で捕捉された塗料は、水槽内に落
とし込まれスラッジとして分離回収処分される。
トを水との接触により捕捉するため、接触の機会を多く
することによって捕集効率を高め、排気する空気の清浄
化を高めることができ、大気汚染・環境汚染を防止する
ことができる。
水滴は細かい粒子とするほど表面積が多くなり、同じ水
量で捕捉効果を上げることができるが、細かすぎると気
流と共に排気される確率が高くなり塗装ブースとしての
ミスト捕集効率が低下することによって、環境汚染の問
題が発生する。
般的水洗ブースには水流板による捕捉がある。通常、塗
装室に向かって前面には水流板が設けられ、ポンプによ
って水流板の上部に配した樋に供給した水をオーバーフ
ローさせ、水流板の全面に水膜を形成している。水流板
の下部は、水槽内の水面との間に、処理室に吸引される
気流の吸い込み口が形成され、オーバースプレーミスト
を効果的に吸引し、前記の処理室で捕捉するように構成
されている。また噴霧されたオーバースプレー粒子のう
ち直進した塗料粒子は、この水膜に衝突し水と共に水槽
に落下し、シャワーと同様に捕捉される。
て塗装室内部において捕捉できない塗料ミストが付着し
汚染することによって、清掃に多くの時間がとられるこ
とがあげられる。また大量の水を流すために水流による
音の問題がある。すなわち水流板を流下し吸い込み口を
通過して水面に落下する水の音が騒音となって、作業者
の不快感等、作業環境の低下をもたらしている。また処
理室の水洗シャワーから水槽内に落下する水の音も同様
となっている。
機能であるミストの捕捉効率を最大限に維持するため
に、塗料ミストの含有気流が通過する区域に捕捉するた
めの水もしくは水分の流れを効果的に配置して、少ない
水量で捕捉の効率を上げることが必要である。その結果
塗装室内の他の箇所に付着する塗料を削減し、清掃等に
要する日常のメンテナンスを容易にすることが求められ
ている。
を防止することにつながる他、水の循環がもたらす水流
による騒音を低下し、より静かで作業環境の良い塗装室
を得ることが本発明の課題である。前述の通りミストの
捕集効率を上げるためには水の量を多くすることが必要
であるが、多くすれば騒音も大きくなり、水量を増加さ
せずに循環する水の捕捉効果を向上させて、捕集効率を
上げることもまた必要となる。
ために本発明は、排気ファンによる吸込気流によって塗
装室の前面下部の吸い込み口より塗料ミストを吸引し、
ミスト処理室を通過するミスト含有気流に水洗シャワー
を噴射して塗料ミストを捕捉する水洗式塗装ブースに対
して、噴射したシャワー水を受ける樋を設け、シャワー
水の一部は水槽に還流し、残りを樋の長手方向に沿って
オーバーフローさせ、鉛直面を形成する水流板より下部
の水面に流下させるように構成したことを特長とする。
め、新たな供給用ポンプを追加したり揚水量を増加させ
ずに内部に設けた水流板によってミストを捕捉し、塗装
室内部の塗料付着防止・汚れ防止を図ることができる。
またシャワーより落下する水を内部の樋に受けることで
直接水面に落下する時の音を削減し、塗装室側への騒音
を低減し作業環境を改善することができる。またシャワ
ー水を樋に効率よく受けるための手段としては、樋に向
かって通路ができるようにガイドを設けることでよい。
とき、水膜を形成するに十分かつ適正な流量となるよう
シャワー水量を調節可能とする手段もしくは水槽に還流
する流路の調節手段を設け、水流板の流下状態を適正に
保つことができるようにした。水流は多すぎると流れに
乱れが生じ流下時の音が大きくなり、逆に少ない場合は
ゴミや塗料の付着などにより水膜切れが生じやすく、水
の流れがない部分への塗料付着が生じるため、樋への流
入もしくは流出量のいずれか又は双方を調節できるよう
にすることが、より効果のある装置とすることができ
る。
能としたことにより、使用停止時の点検、メンテナンス
又は清掃作業においては、作業空間が多く確保でき、作
業の容易化が可能となる。別の手段としては、塗装室前
面の水流板を上下2段で構成し、上部前方に第1段水流
板を配し、下部後方に第2段水流板を配して、前記第1
段水流板にはポンプによる循環水を受けた樋からのでオ
ーバーフロー水を流し、前記第2段水流板には第1段水
流板の内側に設けた噴射ノズルのシャワー水を受けた樋
からのオーバーフロー水を流すように構成したことであ
る。そして第1段水流板と第2段水流板との間は、ミス
ト処理室に吸引気流が通過する吸い込み通路を形成し
た。第2段水流板の下端は水槽内に直接流入するか、下
部を流れる水流に流入するように位置決めしている。
段目の水流板より落下する水を、その下方内部に設けた
第2の水流板の流れに沿うように合流させることがで
き、塗装室前面に生じていた水の落下衝突音を大幅に減
少させることができる。一般に水面にほぼ直角に落下し
衝突する場合は跳ね返り等もあり、激しい騒音となる
が、本発明によれば下方に落下する流れとして合流させ
ることにより騒音の発生を防ぐことができる。
図面に基づいて詳細に説明する。図1は塗装室の横から
見た断面図である。下部に配置された水槽1は前部水槽
1Aと後部水槽1Bに分割されている。中央部分にはミ
スト処理室3が設けられ、その上部に排気ファン4が取
り付けられている。処理室3の前面は上部に樋5を設
け、該樋5より下方に水流板6が垂下されている。水流
板6は製作上及びメンテナンスのしやすさを考慮し、上
部水流板6Aと下部水流板6Bとで構成されている。
けて前記排気ファン4の吸い込み気流が適度な流速で吸
引されるよう形成されている。ミスト処理室3は排気フ
ァン4による吸い込み気流の通路になっており、中間部
分に水洗シャワーの噴射ノズル8が設けられ、通過気流
に向けて噴射されるようになっている。
に、塗装室正面から見て左右の方向に複数の噴射ノズル
が並べられ、処理室内の気流通路全域をシャワー水が噴
霧するようになっている。また噴射方向はガイド板9に
沿って斜め方向に噴射方向が定められている。20はエ
リミネータで気流の流れとともに排気ファン4で吸い込
まれる細かい水滴を除去するために設けられる。
10が設けられ、前記処理室前面の水流板6(第1段水
流板)と同様、第2段水流板として下段水流板11が取
り付けられている。この下部樋10は前面よりオーバー
フローするように構成され、前記シャワー水を受け、オ
ーバーフローした水が下段水流板11に沿って流れる。
また下部樋10の両端部には排水路12が設けられてい
る。該排水路12は、排水樋12Aを経て、図2に鎖線
で示すように両側に設けた導水路13を経て前部水槽1
Aに連絡されている。
し、処理室3の下部に至る傾斜面14を形成、前部水槽
1A内に送り込まれたシャワー排水がオーバーフロー
し、該傾斜面14を流れるように形成される。このため
前部水槽1Aは必要な水量として流入するシャワー排水
に対して安定した水面が得られれば良く、可能な範囲で
小さくしている。
置では、傾斜面14の低部先端14Aは下段主流板11
の直前で、後部水槽1B内に落ち込んでいて、水はその
まま後部水槽内に流下するように連絡されている。また
前部水槽1Aの底は浅くしているが、清掃時に溜まった
水を流すため、排水手段を設けるか、底部と後部水槽を
つなぐ小さな排水路を形成し、後部水槽を排水した時に
流れ出るようにしても良い。
のオーバーフローが傾斜面14の全域に流れを作るよう
にし、淀みが無い量とする。また下段主流板11の下端
は後部水槽1B内に入り込んでおり、該下端と水面が開
かないように水量が調整される。水の循環流量は一般に
ポンプによって調節され適正な水流及びシャワー水が決
められ、またシャワーへの流量は供給路に設けたバルブ
によって調整される。
14は下段水流板11に至り、端部に設けた排水口に流
れるように構成されている。この例では下段水流板11
の下端は傾斜面14の水流に合流するように位置づけら
れる。これにより流下する水は衝突音を発生することな
く静かに流れ、騒音の発生を押さえることができる。下
段水流板11より流下する水量は、樋10が受けるシャ
ワー水を水槽1Aに戻す排水路12の開口面積を調節し
たり、シャワー水量を直接調節してオーバーフロー水を
調節することによって適正な水中膜を形成する流量を得
ることができる。
み口の幅すなわち塗装室の開口幅を十分にカバーする程
度とし、オーバーフローの縁は前方の水流板の下端6C
より高い位置になっている。また前方の水流板との間隔
は気流の通過面積を確保した中で近い位置に配置され、
該水流板の下端から落下するカーテン状の水が吸い込み
気流によって分断されながら、その殆どが下段水流板1
1にあたり流下する水流に合流するため落下時の衝突音
が低減される。
開閉により内部のメンテナンスが容易にできるよう配慮
されている。実施例では下段水流板11が取り外し可能
にオーバーフロー用の下部樋に掛けられていて、取り外
した場合吸い込み部の前部から後部にかけて吹き抜けに
なる構造としている。したがって清掃やメンテナンス時
に作業が一段とやりやすくなっている。尚、本実施例
は、ミストの捕捉に水を用いる水洗式を主として説明し
たが、水に替えて薬剤液、油性系液剤等を使用する場合
も適用され、同様の効果を得ることができる。
果を得ることができる。本発明によれば吸い込み気流中
に含まれる塗料ミストを捕集するために、水洗シャワー
から噴射された水を処理室内部に設けた樋で受け、その
オーバーフロー水を利用して内部に水流板を設けたた
め、新たなポンプや揚水量の増加をさせずに捕捉効果を
向上し、処理室内部の塗料粒子付着による汚れを防止で
きる。
面への落下音による騒音が生じることなく、水流板より
流れを継続したまま水槽内に流入させ、静かな運転がで
きる。更に水流板はミストの処理室として気流通路の後
部壁面を兼用しているため、これを取り外すことによっ
て後部に吹き抜けとなり、清掃・メンテナンス等の作業
が極めてやりやすくなる。
置したことにより、下方の水面に至るまで全面が水流板
となり、飛散して塗装室に向かう塗料粒子は水流板で細
くされる確率が大きく、全体の捕集効率を向上させる。
すなわち従来下部吸い込み口より抜けた粒子は気流の勢
いにのって直進する慣性力で、下段内部の水流板11に
衝突し、流下する水と共に水槽内に取り込まれる。
は、気流に吸い寄せられるように後方の水流板11を流
れる水に合流するため、壁面に衝突する場合に比較し騒
音の低下が図れる。以上の通り本発明によれば塗装室全
体の塗料付着を防止して、汚れによる作業環境を改善し
清潔な外観を維持することができる他、運転時問題であ
った騒音についても、シャワー排水の落下音が静かに流
入する音になって騒音そのもの・感じ方のの低減が図れ
て、作業者の環境を改善する他、周囲への影響も改善さ
れる。また塗料の付着による清掃やメンテナンスの際に
も水流板の配置構造から極めてやりやすくなり、その負
担が大幅に軽減されるものである。
図
Claims (7)
- 【請求項1】排気ファンによる気流によって塗装室の前
面下部の吸い込み口より塗料ミストを吸引してミスト処
理室に導き、該ミスト処理室を通過するミスト含有気流
に水洗シャワーを噴射して塗料ミストを捕捉する水洗式
塗装ブースにおいて、噴射したシャワー水を受ける樋を
設け、シャワー水の一部を水槽に還流し、残りを樋の長
手方向に沿ってオーバーフローさせ、鉛直面を形成する
水流板より流下させるように構成した水洗式塗装ブー
ス。 - 【請求項2】オーバーフロー水が水流板に流下すると
き、水膜を形成するに十分かつ適正な流量となるようシ
ャワー水量を調節可能とする手段もしくは水槽に還流す
る流路の調節手段を設けた請求項1に記載の水洗式塗装
ブース。 - 【請求項3】前記水流板をオーバーフローの樋に着脱可
能とした請求項1及び請求項2に記載の水洗式塗装ブー
ス。 - 【請求項4】シャワー水がオーバーフローの樋に落下す
るようガイドを設けてなる請求項1乃至請求項3に記載
の水洗式塗装ブース。 - 【請求項5】塗料の吹き付け方向に面して塗装室前面に
設けた水流板を上下2段で構成し、上部前方に第1段水
流板を配し、下部後方に第2段水流板を配して、前記第
1段水流板にはポンプによる循環水を受けた樋からのオ
ーバーフロー水を流し、前記第2段水流板には第1段水
流板の内側に設けた噴射ノズルからのシャワー水を受け
た樋からのオーバーフロー水を流してなる2段水流を用
いた水洗式塗装ブース。 - 【請求項6】第1段水流板と第2段水流板との間は、ミ
スト処理室に吸引気流が通過する吸い込み通路を形成
し、第2段水流板の下端は下方の水流もしくは水槽内に
連続して流入するように構成した請求項5に記載の水洗
式塗装ブース。 - 【請求項7】水の代わりにミスト捕捉用液体を用いた請
求項1乃至請求項6記載の塗装用ブース
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