JPH08309263A - 湿式塗装ブースの塗料スラッジ回収システム - Google Patents

湿式塗装ブースの塗料スラッジ回収システム

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Publication number
JPH08309263A
JPH08309263A JP7145508A JP14550895A JPH08309263A JP H08309263 A JPH08309263 A JP H08309263A JP 7145508 A JP7145508 A JP 7145508A JP 14550895 A JP14550895 A JP 14550895A JP H08309263 A JPH08309263 A JP H08309263A
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JP
Japan
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water
paint sludge
water tank
booth
flow
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Application number
JP7145508A
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English (en)
Inventor
Koichi Toikawa
浩一 樋川
Keigo Suzuki
啓吾 鈴木
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Anest Iwata Corp
Original Assignee
Anest Iwata Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 湿式塗装ブースに塗料スラッジ回収装置を配
設する塗料スラッジ回収システムにおいて、塗料スラッ
ジ回収装置を配設するのに適したものとするための、塗
装ブースの水槽の改良と、塗料スラッジ液を効果的に吸
引させるための、水槽の攪拌機構を得ることを目的とす
る。 【構成】 湿式塗装ブースに二段階気液接触式塗装ブー
スを用い、水流板、および気液流動槽で捕捉したスプレ
ーミストを含んだ水が流下する水槽液面を傾斜させて水
膜流として、樋に流し込み、該樋から塗料スラッジ回収
装置に吸引させるとき、樋に浮遊する塗料スラッジをブ
ース後部室で作られる高速気流によって回流水流を発生
させるか、乃至は、攪拌機によって塗料スラッジを破砕
・混合する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式塗装ブースに塗料
スラッジ回収装置を配設する場合に、塗装ブースの水槽
内に浮遊・沈降する塗料スラッジを塗料スラッジ回収装
置に吸引させるため、塗装ブースを改良して、塗料スラ
ッジを効果的に回収するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】塗装作業所においては、スプレーガン等
から被塗物に噴射される塗料の余剰ミストを効果的に捕
集して、作業環境の保全と大気汚染防止を行うことは重
要なことである。そのために、塗装ブースと称する装置
が多用されている。その塗装ブース室の形態として、排
気ファン等により塗装ブース内に向かう気流を形成して
余剰ミストを導入すると共に、水槽に貯溜された水、ま
たは油をポンプ等により塗装ブース上部に汲み上げて、
気流に交差する方向に水膜またはシャワーによって余剰
の塗料ミストを捕捉して水槽内に落下させたり、あるい
は、排気ファン自体の吸引力を利用して水槽内の水を吸
い上げて水膜または渦流によって塗料ミストを捕集し水
槽内に取り込むようにした湿式塗装ブースがある。かか
る湿式塗装ブースでは、水質汚染防止および産業廃棄物
の処理の観点から、塗料ミストを取り込んで貯溜される
汚濁した水等の管理ないしは、処理が非常に問題とな
る。そこで、汚濁した貯溜水より塗料スラッジを分離
し、水を浄化するとともに、これを湿式塗装ブースにお
いて再利用できるようにした塗料スラッジ回収装置が提
案されている。
【0003】図6は本願の出願人が、先に出願(特願平
6ー334297)した塗料スラッジ捕集装置を含む塗
料スラッジ回収システムの一例を示す。ここで、61は
湿式塗装ブースにおいて水を貯溜する水槽であり、水槽
61内で塗料スラッジを固形化させずにコロイド状に凝
集分離させ、ゲル化させて水槽61の底部に沈降させる
べく、適宜の塗料凝集剤が投入される。62は水槽61
の底部に配置され、沈降した塗料スラッジを水と共に汲
みだすための水中ポンプである。50は水中ポンプ62
から汲みだされた塗料スラッジを含む水(塗料スラッジ
液)から塗料スラッジを分離回収し、浄化した水を水槽
61に還流させるべく設けた塗料スラッジ回収装置であ
り、本例では遠心分離循環水浄化装置形態のものを用い
ている。かかる塗料スラッジ回収装置50において、5
1は高速回転駆動される遠心分離手段としての遠心槽、
52は遠心槽51内に配された羽根であり、遠心槽51
の蓋51aと一体に設けられている。53は遠心槽51
の取付部、54は遠心槽51や取付部53を収納する筐
体、56はベルト、プーリ等の電動機構55を介して取
付部53に連結した軸に回転力を付与する電動機であ
る。
【0004】57は水中ポンプ62によって汲み出され
た塗料スラッジ液を遠心槽51内に導入するための配管
であり、その途中には流量を調整するための絞りバルブ
57Vが配設されている。また、その水中ポンプ62と
の連結部分には分岐口57aを設け、水中ポンプ62に
よって圧送すべき塗料スラッジ液の一部を水槽内に噴出
させることにより水槽1内に水流を生じさせ、塗料凝集
剤を含んだ水と水面に落下してくる塗料ミストとを攪拌
混合し、塗料スラッジの分散効果を高めるようにしてい
る。58は遠心槽51の回転に伴って塗料スラッジが遠
心分離され、浄化された水を水槽に還流させるための配
管であり、遠心槽51の回転に伴って生ずる遠心槽51
内の水流を効果的に受容できる方向に開口58aを有し
ている。59は遠心槽51からオーバーフローした水を
捕集して水槽61に戻すためのオーバーフロー配管であ
り、オーバーフロー水を受容可能に筐体54内部の遠心
槽51の側面部分に沿って設けた樋状部材54aに接続
されている。60はオーバーフロー配管によって捕集し
きれずに遠心槽51と樋状部材54aとの間隙部分から
僅かに溢出する水が筐体54の底部に溜まり、これが取
付部53の軸受け部分に至るのを防止すべく、筐体54
の底部に設けた配管である。この筐体54の底部から漏
れた場合は、検出する安全装置が設けられている。
【0005】かかる構成において、湿式塗装ブースの作
動時に塗装作業に伴って噴霧された塗料が被塗物に付着
せずに、塗料ミストとして飛翔したものが取り込まれ、
これが水槽61に貯溜されると、水槽61にあらかじめ
投入された凝集剤の作用により、塗料スラッジは固形化
せず、非粘着化し、コロイド状に凝集分離する。コロイ
ド状にゲル化した塗料スラッジの大部分は水槽の底部に
沈降するが、一部は水中を流動し、一部は水面に浮遊す
る。この塗料スラッジを含む水、すなわち塗料スラッジ
液は水中ポンプによって汲み出され、配管57を介して
遠心槽51内に導入される。また、汲み出された塗料ス
ラッジ液の一部は分岐口57aより水槽内に戻され、こ
れによって水槽内61に水流が生じる。遠心槽51内に
導入された塗料スラッジ液は、高速回転する遠心槽51
の作用により塗料スラッジと水とが分離され塗料スラッ
ジは遠心槽51の内壁に付着する。一方浄化された水は
開口57aより、遠心力によって得られる水圧で、配管
58に導入され水槽61内に還流する。また、遠心槽5
1からオーバーフローした水はオーバーフロー配管59
を介して水頭差により水槽61に還流する。
【0006】以上説明した従来形の塗装ブースと、それ
に配設する塗料スラッジ回収装置50を含む塗料スラッ
ジ回収システムにおいて、これに使用される従来形の湿
式塗装ブースは、塗料スラッジ回収装置のない場合を前
提としたもので、スプレーミストを捕集し、水槽61に
沈降させた塗料スラッジを貯溜する。そして、水槽水は
循環使用することから、水槽水があまり汚濁すると循環
に支障を来すことと、水槽容積が少ない場合には、塗料
スラッジを頻繁に回収しなければならない問題がある。
そのため、従来形の塗装ブースの水槽容積はかなり大き
な容積を必要とした。この水槽水は長期間使用で腐敗・
汚濁し悪臭を発生する場合があるので、塗装ブースの清
掃時等に水槽水を全量交換している。交換する水槽水は
産業廃棄物として廃棄しなければならないことから、水
槽水の多いのは水槽清掃時大きな問題の一つである。ま
た、水槽容積が大きいことから水槽61内に浮遊沈降す
る塗料スラッジを塗料回収装置50に吸引する場合に、
水槽水を塗料スラッジと共にポンプ吸込口に集合させる
ことが大きな課題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】湿式塗装ブースに塗料
スラッジ回収装置を配設する塗料スラッジ回収システム
において、塗料スラッジ回収装置を配設することを前提
とすることから、水槽には塗料スラッジを蓄積・貯溜し
ておく必要がなく、水槽水の容量を少なくすることが可
能となる。したがって、本発明は少ない容量の水槽水で
効果的に塗料スラッジを集合させ、塗料スラッジ回収装
置のポンプに効果的に吸引させることを主体の目的とす
るものである。
【0008】また、他の目的は、ブース後部室に向けて
傾斜する傾斜水槽の傾斜端部の樋に集められる浮遊・沈
降する塗料スラッジを、塗装ブースに付設される高速ダ
クトからの高速気流を利用して、混合・沈降させようと
するものである。
【0009】また、他の目的は、水槽面に浮遊する塗料
スラッジを、強制的に沈降させて塗料スラッジ回収装置
の吸込口に吸込ませるために、攪拌機を用いて強制的に
破砕・混合して塗料スラッジ回収装置に吸引させようと
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、スプレー塗装
のスプレーミストを水等の液体によって捕捉し、捕捉さ
れたスプレーミストを水槽に捕集する湿式塗装ブース
で、水槽に捕集される塗料スラッジ液を、ポンプで吸引
して遠心分離機構等によって水と分離する別体の塗料ス
ラッジ回収装置をもつ湿式塗装ブースにおいて、スプレ
ーミストを捕捉した水が流下する水槽液面をブース後部
室に向けて傾斜させて水流となる水膜を形成し、水槽後
部に前記水膜流を受ける樋を設け、該樋に貯溜され、液
面に浮遊する塗料スラッジを、ブース後部室に付設され
る高速ダクトからの高速気流によって、水槽に回流水流
を発生させ、該回流水流によって塗料スラッジを混合・
沈降させて、前記塗料スラッジ回収装置に吸引させる塗
料スラッジ回収システムとするものである。そして、傾
斜水流を作るとき、水槽水量を低減するために、水槽底
板が水槽全幅に底上げして傾斜させ、傾斜端部に樋を配
設したものとし、また、高速気流によって、回流水流を
発生させ、該回流水流で浮遊する塗料スラッジを攪拌・
混合するとき、回流水流を発生させるための気流は、ブ
ース両側に分岐して付設される高速ダクトの吐出口近傍
に高速気流偏向板を設け、該高速気流偏向板は、ブース
両側より互いに対面方向に気流が偏向するように取付け
られ、偏向した高速気流は、水槽液面に衝突して回流水
流を発生させるように構成したものである。
【0011】また、本発明は、スプレー塗装のスプレー
ミストを水等の液体によって捕捉し、捕捉されたスプレ
ーミストを水槽に捕集する湿式塗装ブースで、水槽に捕
集される塗料スラッジ液を、ポンプで吸引して遠心分離
機構等によって水と分離する別体の塗料スラッジ回収装
置をもつ湿式塗装ブースにおいて、スプレーミストを捕
捉した水が流下する水槽液面をブース後部室に向けて傾
斜させて水流となる水膜を形成し、水槽後部に前記水膜
流を受ける樋を設け、該樋に貯溜され、液面に浮遊する
塗料スラッジを攪拌機よって強制的に破砕・混合して、
前記塗料スラッジ回収装置に吸引させる塗料スラッジ回
収システムとするものである。そして、傾斜水流を作る
とき、水槽水量を低減するために、水槽底板が水槽全幅
に底上げして傾斜させ、傾斜端部に樋を配設したものと
し、また、水槽後部の樋に貯溜される塗料スラッジを、
攪拌機によって強制的に破砕・混合するとき、該攪拌機
は、塗料スラッジの付着を防止するために、高剥離性を
もつ塗料等で被覆した攪拌羽根をもつ攪拌機として構成
としたものである。
【0012】
【作用】図1は塗料スラッジ回収システムの湿式塗装ブ
ースに、本発明の水槽を付設した、二段階気液接触式塗
装ブースの模式図で、図1を参照してその作用を説明す
る。
【0013】前面開放型塗装ブースの間口全幅で水流板
(1)が配設されている。水流板(1)に均一に水膜が
形成されるように水が流される。該水流板(1)の前面
でスプレー作業を行って、スプレーミストがスプレーガ
ンの噴射力によって直接水流板(1)に衝突する粗い霧
は、前記水流板の水膜で洗い落とされ水槽に落下する。
しかし、吸込み気流に乗ったスプレーミストは殆ど捕捉
されず、水流板(1)から滴下するカーテン状の水で幾
分捕捉される程度である。
【0014】水流板(1)の背後に水流板と略同幅で気
液流動槽(2)が設けられている。気液流動槽の底面に
10mm前後の孔が均一に明けられた、パンチングプレー
ト等の多孔板(2a)が張られている。図2に示すよう
に、気液流動槽(2)の上に、該気液流動槽(2)に水
を補給するための給水パイプ(13)が配管されてい
る。この構成で、排気ファン(図示せず)が運転される
と同時に給水パイプ(13)から水が供給される。ここ
に図1に示すように、排気ファンによる吸込空気の風圧
と、気液流動槽の液面水位(2b)の水頭がバランスす
る高さになるまで、水は貯溜される。ある一定の水位に
なると水頭の圧力と吸込空気の風圧がバランスして水位
が一定に保たれる。その後継続して補給される水は、水
頭が高くなるのでバランスがくずれ、パンチングプレー
ト等の多孔板から落下し案内板(8)を伝って水槽
(7)内に流される。このことによって、気液流動槽
(2)内の水は常に新しい水に置換される。
【0015】スプレーミストを含んだ吸込空気は、水流
板(1)から落下して気流に乗る水と共に、パンチング
プレート等の多孔板(2a)から泡状となって気液流動
槽(2)に侵入し泡の衝突,分散によって水と混合・接
触し、混合する際に、空気中に含まれるスプレーミスト
が水中に捕捉される。この方式は渦流型ブースの場合よ
り更に確実に気液の混合・接触が行われる。塗装ブース
の運転を停止した場合、スプレーミストを捕捉した気液
流動槽(2)の水は、ブースの水槽(7)内に案内板
(8)を介して、落流する。
【0016】気液流動槽(2)で捕捉しきれなかった残
余の微細な塗料ミスト等は、導入筒(3)から、塗装ブ
ースの両側面に分岐されてブース後部室(9)に導入さ
れる。該ブース後部室(9)に導入された二本の導入筒
(3)はブース両側面から水槽水面(5)に向けて下方
に伸びていて高速ダクト(4)に接続されている。高速
ダクト(4)は鈍角なテーパー状に絞られた形状で気流
を高速化している。高速ダクト(4)の開口面は水槽水
面(5)に近接し、空気抵抗があまり大きくならない開
口面積となっている。高速ダクト(4)で気流と共に増
速された塗料ミスト等は、その慣性力によって、吸引空
気と、高速気流で波立つ水面に衝突して捕捉される。波
立つ液面で発生した液滴はブース後部室(9)に設けら
れた数段のエリミネータ(6)に衝突して水槽(7)に
回収される。容積の広いブース後部室(9)に入った気
流は減速されるので、大きな液滴は自然落下し、気流に
乗る微細液滴は、前記エリミネータ(6)に衝突して大
きな液滴となって水槽(7)に落下する。
【0017】以上の捕集作用によって、スプレーミスト
が捕集されるが、スプレーミストを捕捉した水流板
(1)および、気液流動槽(2)から流下する水は飛散
を防ぐために傾斜して取付けられている案内板(8)を
伝って、静かに水槽(7)に流下する。水槽(7)は、
開口全幅に渡って底上げして取付けられる水槽底板(2
0)が、ブース後部室(9)に向けて、ゆるやかな下り
の傾斜をもつ水槽底板(20)となっている。案内板
(8)から流下するスプレーミストを含んだ水は、水槽
底板(20)上を水膜流となって、水槽底板(20)の
端部に設けられる樋(21)に流れ込む。このことによ
って、従来水槽全体に浮遊・沈降していた塗料スラッジ
は、本発明では、必然的にブース後部室(9)の樋(2
1)に集められる。そして、傾斜して付設される水槽底
板(20)が据付面より上に底上げして取付けられるこ
とから水槽容積が大幅に縮小される。
【0018】水槽の樋(21)に集められた塗料スラッ
ジの一部は沈降し、一部は浮遊する。樋(21)に集め
られることによって、従来より効果的に塗料スラッジ回
収装置に吸引させることができるが、更に効果的に塗料
スラッジを吸引させるために、ブース後部室(9)の両
側に分岐して付設される高速ダクト(4)の吐出口近傍
に設けられる偏向板(23)によって高速気流を対面方
向に偏向させて、液面に衝突させ、浮遊する塗料スラッ
ジを破砕・混合すると共に、樋(21)の中に回流水流
を発生させることによって、塗料スラッジの停滞を無く
して、まんべんなく塗料スラッジを回収装置の吸込口に
吸込ませるものである。
【0019】また、塗装材料によっては、浮遊する塗料
スラッジの割合が非常に多い場合や、浮遊した塗料スラ
ッジが急速に硬化する場合がある。その場合に図5に示
すように、ブース側壁にエアモータ(27)等を付設
し、エアモータ(27)より樋(21)内に回転軸を伸
ばして攪拌羽根(26)を取付け、強制的に浮遊する塗
料スラッジを破砕・混合して、塗料スラッジ回収装置に
吸引させる方法がとられる。攪拌羽根は、浮遊して粘着
性の残る塗料スラッジが多いことから、攪拌羽根には塗
料スラッジが付着しない材料で、かつ、清掃の場合に簡
単に剥離できる材料で被覆されている。
【0020】上記、高速気流による回流水流の発生と、
機械的攪拌による塗料スラッジの破砕・混合は、それぞ
れ単独で効果をもつもので、機械的攪拌を行う場合は、
高速気流による回流発生は必要とせず、また、高速気流
による回流水流の発生で、大部分の塗料等の材料には機
械的攪拌の必要性がなく、まんべんなく回収装置の吸込
口に吸込ませることができる効果をもつものである。
【0021】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。図1は、塗料回収システムに、塗料スラッジ回
収装置をセットとして付設する塗装ブースに、二段階気
液接触式塗装ブースを用いた例を示す模式図で、作用の
項で説明した部分は原則省略する。
【0022】図1において、実線矢印で風の流れの方向
を示す。1は水流板、2はスプレーミストを一段階目に
捕捉する気液流動槽で、水流板1と気液流動槽2の底部
の多孔板2aから流下するスプレーミストを含んだ水
が、案内板8を伝って傾斜して設けられた水槽底板20
に落流して、水槽底板20上に水膜流が作られる。塗装
ブース停止時は水槽底板20上には薄い水膜が形成され
ており、案内板8からの落流によって水膜流となる。水
槽底板20の傾斜端部に、該水膜流を受ける樋21がブ
ース全幅で付設されている。水槽底板20は、樋21の
上端部より傾斜していて、ブース据付面22より底上げ
された形になっているので、水槽容積が少なくなる。従
来ブースでは、この水槽底板20の下がすべて水槽とな
っていて、塗料スラッジの貯溜や、循環水を確保する役
目を果たしているが、塗料スラッジ回収装置を配設する
場合にはその必要性のないものである。上記構成によっ
て、水槽底板20部分の捕集された塗料スラッジは、滞
留する事なく、全てブース後部室の樋21に集められ
る。
【0023】気液流動槽2を通過した気流は、二本に分
岐されてブース両側の導入筒3を経てブース後部室9に
設けられる高速ダクト4で気流が高速化される。高速ダ
クト4の吐出口近傍に高速気流を偏向させて回流水流を
発生させるための偏向板23が取付けられる。
【0024】図2は、二段階気液接触式塗装ブースの背
面図である。水槽7の樋21に貯溜される水は、金属等
のフィルタで囲まれる筺体16内に、揚水ポンプ吸込口
15をもつ揚水ポンプ10によって、揚水パイプ11、
流量調節バルブ12を経て、給水パイプ13,13aに
分岐されて配管されている。分岐され配管より、図1に
示すように、気液流動槽2と、水流板1に流す水に分け
られる。水槽7の樋21に集められた塗料スラッジは、
水と共に塗料スラッジ回収装置に吸引させるための、回
収装置吸込口24が、水槽の樋21の底部近くに付設さ
れている。そして、樋21の水が高速気流または、攪拌
機によって回流を発生させることによって、樋21の中
の塗料スラッジは、まんべんなく回収装置吸込口24に
吸込まれる。
【0025】塗料スラッジ回収装置で塗料スラッジが分
離され、浄化されて排水される清浄水は、前記筺体16
の中へ、可撓性の排水ホース(図示せず)によって戻さ
れ循環する。したがって、筺体16の中から揚水ポンプ
10によって吸引される水は、大半、塗料スラッジ回収
装置で分離された清浄水が循環し、不足する水のみが、
樋21の中の塗料スラッジを含んだ水を筺体16のフィ
ルタで濾過して、揚水ポンプ吸込口15から、揚水ポン
プ10に吸引される。このことから、給水パイプ13,
13aから供給される水は常に清浄水が供給され、パイ
プ内や、供給孔および、気液流動槽の多孔板2aを、塗
料スラッジで詰まらせる恐れのないものとなっている。
【0026】一方、気液流動槽2を通過した気流は、塗
装ブース上の両側に分岐されて設けられている二本の導
入筒3,3aを経て、高速ダクト4,4aによって高速
気流として水槽液面5に衝突させて気流中の微細なスプ
レーミストを捕捉する。
【0027】図3は、図2の側面断面図で図1,図2で
説明した重複する部分の説明は原則省略する。図3にお
いて、給水パイプ13,13aに分岐された配管からの
給水はオーバフロー樋14に補給され、樋14から水流
板1中に水が均一にオーバフローして、水流板1に水膜
が作られる。そして、給水パイプ13aからはブース横
幅全体に均一に補給するための複数本の分岐パイプ13
bが、気液流動槽2に補給される。そして水流板1,気
液流動槽2から落流する水が案内板8を介して、本発明
の水槽7に流下する。一方気液流動槽2を通過した気流
は、導入筒3を経て、ブース両側の高速ダクト4で高速
気流を作り、水槽液面5に衝突する。高速ダクト4の吐
出口近傍に、二枚の偏向板23,23aがあって高速気
流が偏向されて噴出される。但し、この二枚の偏向板は
二枚に限定されるものではなく取付角度と共に、水槽内
に回流水流を発生させるため、その塗装ブースに適した
最適な取付構造が選択される。
【0028】図4は、水槽7に回流水流を発生させるた
めの高速ダクト4に付設する高速気流偏向板23,23
a,23b,23cと回流水流の流れを示す上面模式図
である。図4において、片側の高速ダクト4の吐出口近
傍に、二枚の高速気流偏向板23,23aが取付けら
れ、その反対側の高速ダクト4aに、高速ダクト4と対
面した方向で、高速気流偏向板23b,23cが取付け
られ、高速気流は17,17aの矢印で示すように互い
に対面方向に噴出される。この高速気流によって、液面
に浮遊する塗料スラッジを破砕すると共に、水槽液を風
力によって矢印で示す回流方向19のように回流水流を
発生させる。この回流水流によって樋21内の塗料スラ
ッジは混合され効果的に回収装置吸込口24に吸引され
る。
【0029】図5は、傾斜水流で樋21に集められ、該
樋21に浮遊する塗料スラッジ25を攪拌羽根26によ
って破砕し沈降させる。そして、攪拌羽根26は塗料ス
ラッジの破砕と同時に、樋21内に水流を作り塗料スラ
ッジ回収装置の吸込口24に強制的に吸込ませる。攪拌
羽根26は、ブース間口、すなわち、樋21の長さによ
って異なるが、一個または数個の羽根が取り付けられ、
水槽液面5に接するように付設される。攪拌羽根26の
回転は、本発明を限定するものではないが、実施例では
エア駆動のモータ27が使用される。また、攪拌羽根2
6は粘着性の残る塗料スラッジを破砕する際、攪拌羽根
26に塗料スラッジが付着しないように、高剥離性をも
つ塗料等、例えば、ふっ素系樹脂を主体とする被覆材料
で被覆し、清掃時または、塗料スラッジが付着固化した
場合に、被覆材料を剥離し、再被覆して取付けられる。
このことによって、粘着性の高い特殊材料の塗料スラッ
ジや、骨材を含む塗料スラッジの場合にも適応できる塗
料スラッジ回収システムとすることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上説明したシステム構成に
よって、以下に記載するような効果を奏する。
【0031】水槽液面をブース後部室に向けて傾斜させ
て水膜流を形成し、水槽後部に樋を設けて、該樋より塗
料スラッジ回収装置に塗料スラッジ液を吸引させること
によって、水槽全体を回流させる必要がなくなり、効果
的に塗料スラッジを吸引させることができる。
【0032】水槽液面を傾斜させるのに、水槽底板を底
上げして傾斜させ、水槽容積を大幅に削減することによ
って、塗装ブース清掃時等の汚濁した水槽水の交換時、
産業廃棄物として処理する場合に、廃棄容量が少なくな
り、処理費用等の大幅な削減となる。
【0033】塗料スラッジを回収するシステムとして、
傾斜した水膜流でブース後部に塗料スラッジを集めるこ
と、および水槽容積を少なくする本発明の回収システム
は、他の水洗ブース等の湿式塗装ブースに適応可能なシ
ステムとなる。
【0034】また、ブース後部室に付設する高速ダクト
からの高速気流によって、浮遊する塗料スラッジを混合
・沈降させ、かつ、回流水流を発生させて、効果的に塗
料スラッジ回収装置に吸引させることによって、他の回
流発生のための、配管等の機構を必要としない簡易な構
成となる。
【0035】また、特殊塗料等の固化の早い被覆材料が
水槽液面に浮遊する場合に、前記ブース後部室の樋に攪
拌機を付設し、浮遊塗料スラッジを強制的に破砕・混合
し、攪拌羽根に高剥離性をもつ塗料で被覆したことによ
って、特殊な被覆材料にも適応できる塗料回収システム
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、塗料スラッジ回収システムの湿式塗
装ブースに、二段階気液接触式塗装ブースを用いた場合
の模式図である。
【図2】本発明の、二段階気液接触式塗装ブースの背面
図である。
【図3】図2の側面断面図である。
【図4】傾斜水流をもつ水槽に、高速気流偏向板によっ
て、回流水流を発生させる説明図である。
【図5】本発明の、水槽の樋に攪拌機を付設する場合の
模式図である。
【図6】塗料スラッジ回収システムに配設する塗料スラ
ッジ回収装置を含む、従来例の、前記回収システムの模
式図である。
【符号の説明】
1 水流板 2 気液流動槽 4,4a 高速ダクト 7 水槽 9 ブース後部室 10 揚水ポンプ 13,13a 供給パイプ 15 揚水ポンプ吸込口 16 筺体 20 傾斜底板 21 樋 23,23a,23b,23c 偏向板 24 回収装置吸込口 50 塗料スラッジ回収装置 62 塗料スラッジ吸込ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプレー塗装のスプレーミストを水等の
    液体によって捕捉し、捕捉されたスプレーミストを水槽
    に捕集する湿式塗装ブースで、水槽に捕集される塗料ス
    ラッジ液を、ポンプで吸引して遠心分離機構等によって
    水と分離する別体の塗料スラッジ回収装置をもつ湿式塗
    装ブースにおいて、スプレーミストを捕捉した水が流下
    する水槽液面をブース後部室に向けて傾斜させて水流と
    なる水膜を形成し、水槽後部に前記水膜流を受ける樋を
    設け、該樋に貯溜され、液面に浮遊する塗料スラッジ
    を、ブース後部室に付設される高速ダクトからの高速気
    流によって、水槽に回流水流を発生させ、該回流水流に
    よって塗料スラッジを混合・沈降させて、前記塗料スラ
    ッジ回収装置に吸引させる塗料スラッジ回収システム。
  2. 【請求項2】 スプレー塗装のスプレーミストを水等の
    液体によって捕捉し、捕捉されたスプレーミストを水槽
    に捕集する湿式塗装ブースで、水槽に捕集される塗料ス
    ラッジ液を、ポンプで吸引して遠心分離機構等によって
    水と分離する別体の塗料スラッジ回収装置をもつ湿式塗
    装ブースにおいて、スプレーミストを捕捉した水が流下
    する水槽液面をブース後部室に向けて傾斜させて水流と
    なる水膜を形成し、水槽後部に前記水膜流を受ける樋を
    設け、該樋に貯溜され、液面に浮遊する塗料スラッジを
    攪拌機よって強制的に破砕・混合して、前記塗料スラッ
    ジ回収装置に吸引させる塗料スラッジ回収システム。
  3. 【請求項3】 スプレーミストを捕捉した水が流下する
    水槽液面をブース後部室に向けて傾斜させて水流となる
    水膜を形成するとき、水槽水量を低減するために、水槽
    底板が水槽全幅に底上げして傾斜し、傾斜端部に樋を配
    設した請求項1,2記載の塗料スラッジ回収システム。
  4. 【請求項4】 高速気流によって、回流水流を発生さ
    せ、該回流水流で浮遊する塗料スラッジを攪拌・混合す
    るとき、回流水流を発生させるための気流は、ブース両
    側に分岐して付設される高速ダクトの吐出口近傍に高速
    気流偏向板を設け、該高速気流偏向板は、ブース両側よ
    り互いに対面方向に気流が偏向するように取付けられ、
    偏向した高速気流は、水槽液面に衝突して回流を発生さ
    せるようにした請求項1記載の塗料スラッジ回収システ
    ム。
  5. 【請求項5】 水槽後部の樋に貯溜される塗料スラッジ
    を攪拌機によって強制的に破砕・混合するとき、該攪拌
    機は、塗料スラッジの付着を防止するために、高剥離性
    をもつ塗料等で被覆した攪拌羽根をもつ攪拌機である請
    求項2記載の塗料スラッジ回収システム。
JP7145508A 1995-05-19 1995-05-19 湿式塗装ブースの塗料スラッジ回収システム Pending JPH08309263A (ja)

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