JP2003180171A - 農業用ポリエチレンテレフタレートフイルム - Google Patents

農業用ポリエチレンテレフタレートフイルム

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JP2003180171A
JP2003180171A JP2001387748A JP2001387748A JP2003180171A JP 2003180171 A JP2003180171 A JP 2003180171A JP 2001387748 A JP2001387748 A JP 2001387748A JP 2001387748 A JP2001387748 A JP 2001387748A JP 2003180171 A JP2003180171 A JP 2003180171A
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monomer
polyethylene terephthalate
hydrogen atom
carbon atoms
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JP2001387748A
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Hiroshi Yamagishi
宏 山岸
Hirotaka Arai
博孝 荒井
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材フイルム及び被膜が長期間に
わたって紫外線による劣化が生じることなく、その機械
的強度及び透明性が低下しない農業用ポリエチレンテレ
フタレートフイルムを提供する。 【解決手段】 二軸方向に延伸されたポリエチレ
ンテレフタレートフイルムの片面に、少なくとも紫外線
吸収性単量体と、シクロアルキル基を有するアクリル系
単量体とを重合させてなる重合生成物を含有する厚さ1
〜10μmの組成物被膜が形成されてなることを特徴と
する農業用ポリエチレンテレフタレートフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用ポリエチレ
ンテレフタレートフイルムに関するものである。更に詳
しくは優れた機械的強度と、優れた耐候性(耐光性)と
を有し、長期間の屋外展張に耐え得る、農業用ポリエチ
レンテレフタレートフイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリエチレンテレフタレートフ
イルムは、高い結晶性、高い融点を示し、耐熱性、耐薬
品性を示し、更に強度、弾性率等の機械的性質において
も優れた性質を示すことが知られているが、このフイル
ムは紫外線を吸収する性質を有し、特に320nm以下
の紫外線を強く吸収する性質があり、このフイルムを屋
外に長期間展張すると、その機械的性質が著しく低下す
るという欠点がある。このフイルムの耐候性を改善する
ために、紫外線吸収剤を添加した後にフイルムとした
り、特公昭46−24160号公報に記載されているよ
うに、紫外線吸収剤をフイルム表面に緊密に結合したり
する方法が知られている。前者の方法では、紫外線吸収
剤が樹脂に均一に混合され、分散させられる。
【0003】しかしながら、この方法によれば、有害な
光線は、フイルムを透過する際に、入射側から反対側に
進むに従って徐々に吸収され、弱められるが、フイルム
の光線が入射する側は、有害光線により害を受けること
となり、フイルムの耐候性を充分に改良することはでき
ない。後者の方法は、前者の方法よりもより優れた耐候
性を有するフイルムとすることはできるが、紫外線吸収
剤を均一な濃度で、フイルム表面に強固に結合すること
は難しく、長期間の屋外展張、屋外曝露に充分に耐える
だけの耐候性を付与することは困難であった。
【0004】本発明者らは、このような状況にあって、
長期間屋外に展張したり、曝露したりしても、その機械
的性質が低下しない農業用ポリエチレンテレフタレート
フイルムを提供すべく、鋭意検討して、さきに考案を完
成した(実開昭56−159239号)。この考案に係
わる農業用ポリエチレンテレフタレートフイルムは、優
れた耐候性を有し、長期間屋外に曝露しても、機械的強
度、透明性等の低下は極めて小さい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アクリ
ル系樹脂被膜中に配合されている紫外線吸収剤は、長期
間にわたる屋外曝露によって紫外線による劣化が生じた
り、水等により溶出されたりするという欠点を有してい
る。一方、近年ハウス管理の省力化、栽培面積の拡大、
ハウス寿命の長期化等の目的で本格的な大型ハウスが増
加にある中、更なる長期展張用被覆資材が求められてい
る。
【0006】本発明は、かかる状況に鑑み、基材フイル
ム及び被膜が長期間にわたって紫外線による劣化が生じ
ることなく、その機械的強度及び透明性が低下しない農
業用ポリエチレンテレフタレートフイルムを提供すべ
く、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、二軸方向に延伸されたポリエチレンテ
レフタレートフイルムの片面に、紫外線吸収性単量体
と、シクロアルキル基を有するアクリル系単量体とを重
合させてなる重合生成物を含有する厚さ1〜10μmの
組成物被膜が形成されてなる農業用ポリエチレンテレフ
タレートフイルムに存する。また好ましくは、該紫外線
吸収性単量体が、下記式(1)で表されるベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収基を有するアクリル系単量体であ
り、該シクロアルキル基を有するアクリル系単量体が、
下記式(2)で表される単量体であることを特徴とする
農業用ポリエチレンテレフタレートフイルムに存する。 一般式(1)
【0008】
【化5】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素
基を表し、R2は炭素数1〜6の直鎖状または枝分れ鎖
状のアルキレン基を表し、R3は水素原子またはメチル
基を表し、Xは水素原子、ハロゲン基、炭素数1〜8の
炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基ま
たはニトロ基を表す) 一般式(2)
【0009】0
【化6】 (式中、R4は水素原子または炭素数1〜2の炭化水素
基を表し、Zは置換基を有していてもよいシクロアルキ
ル基を表す)更に好ましくは、上記重合生成物が、更に
単量体として、一般式(3)で表される紫外線安定性単
量体および/または一般式(4)で表される紫外線安定
性単量体を含むことを特徴とする農業用ポリエチレンテ
レフタレートフイルムに存する。 一般式(3)
【0010】
【化7】 (式中、R5は水素原子またはシアノ基を表し、R6、
R7はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2の
炭化水素基を表し、R8は水素原子または炭素数1〜1
8の炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を
表す) 一般式(4)
【0011】
【化8】 (式中、R5は水素原子またはシアノ基を表し、R6、
R7はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2の
炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表
す)
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明にいうポリエチレンテレフタレート
とは、共重合されていないポリエチレンテレフタレート
・ホモポリマーのみならず、繰り返し単位の数の85%
以上がポリエチレンテレフタレート単位よりなり、残り
が他の成分であるような共重合ポリエチレンテレフタレ
ートや、ポリエチレンテレフタレート85重量%以上で
あり、残りの15重量%以下が、他の重合体であるポリ
マーブレンド物を含む。ブレンドできる他の重合体とし
ては、ポリアミド類、ポリオレフィン類、他種のポリエ
ステル類があげられる。このポリエチレンテレフタレー
トには、必要に応じ滑剤、着色剤、安定剤、酸化防止剤
等を配合することができる。
【0014】本発明に係わる農業用ポリエチレンテレフ
タレートフイルムは、二軸に延伸されたものである。二
軸延伸フイルムを製造する方法は、特に限定されるもの
ではなく、例えば逐次に、又は同時に縦横二軸に延伸す
る、公知の方法を採用すればよい。延伸倍率は二軸方向
に、各々2.0〜5.0倍、特に2.5〜4.0倍延伸
されたものが好ましい。延伸倍率が2.0倍未満である
と、製品の強度が充分なものとならないので好ましくな
く、5.0倍を越えたものでは、製品の強度は充分なも
のとなるが、製造作業が困難となるので、好ましくな
い。本発明に係わる農業用ポリエチレンテレフタレート
は、厚みが0.01〜0.3mmのものがよい。厚みが
0.01mm以下であると製品の強度が充分なものとな
らないので好ましくなく、0.3mm以上ではフイルム
が硬くなり、取り扱い難くなるので、好ましくない。
【0015】本発明におけるポリエチレンテレフタレー
トフイルムには、必要に応じて、外面塗膜の密着性を損
なわない範囲で、公知の添加剤を配合することができ
る。
【0016】本発明に係わる農業用ポリエチレンテレフ
タレートフイルムは、その片面に、紫外線吸収性単量体
と、シクロアルキル基を有するアクリル系単量体とを重
合させてなる重合生成物を含有する厚さ1〜10μmの
組成物被膜を形成させることを特徴とする。
【0017】本発明にかかる組成物は、好ましくはエマ
ルション型塗料用組成物である。
【0018】重合生成物は、少なくとも紫外線吸収性単
量体と、(b)シクロアルキル基を有するアクリル系単
量体を重合させてなる重合生成物であることを必須と
し、好ましくは、該紫外線吸収性単量体が、前記一般式
(1)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収基を
有するアクリル系単量体であり、該シクロアルキル基を
有するアクリル系単量体が、前記一般式(2)で表され
ることを特徴とする。
【0019】更に、上記の重合生成物は、必要に応じ
て、前記一般式(3)で表される紫外線安定性単量体お
よび/または前記一般式(4)で表される紫外線安定性
単量体を含んでいてもよく、或いはまた、カルボキシル
基に対する反応性を有する官能基を含有する単量体を含
んでいてもよく、さらに、上記各単量体以外の単量体を
含んでいてもよい。
【0020】本発明にかかる前記一般式(1)で表され
る紫外線吸収性単量体(以下、紫外線吸収性単量体
(1)と記す)は、式中、R1で示される置換基が水素
原子または炭素数1〜8の炭化水素基で構成され、R2
で示される置換基が炭素数1〜6の直鎖状または枝分れ
鎖状のアルキレン基で構成され、R3で示される置換基
が水素原子またはメチル基で構成され、Xで示される置
換基が水素原子、ハロゲン基、炭素数1〜8の炭化水素
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニト
ロ基で構成されるベンゾトリアゾール類である。
【0021】上記の紫外線吸収性単量体(1)として
は、具体的には、例えば、2−〔2’−ヒドロキシ−
5’−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕−2
H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−2
H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
5’−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−
2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
5’−(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル〕−
2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
3’−t−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシエチ
ル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチル−3’−(メタ
クリロイルオキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾト
リアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタク
リロイルオキシエチル)フェニル〕−5−クロロ−2H
−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’
−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−メ
トキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒド
ロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニ
ル〕−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエ
チル)フェニル〕−5−t−ブチル−2H−ベンゾトリ
アゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリ
ロイルオキシエチル)フェニル〕−5−ニトロ−2H−
ベンゾトリアゾール等が挙げられるが、特に限定される
ものではない。これら紫外線吸収性単量体(1)は、一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合
して用いてもよい。
【0022】該紫外線吸収性単量体の使用量は、特に限
定されないが、全単量体中に占める比率で0.1〜90
重量%とすることが好ましく、より好ましくは、下限値
として、5重量%以上、上限値としては、70重量%以
下、好ましくは50重量%以下である。
【0023】本発明にかかる前記一般式(2)で表され
る不飽和単量体は、式中、R4で示される置換基が水素
原子または炭素数1〜2の炭化水素基で構成され、Zで
示される置換基が、置換基を有していてもよいシクロア
ルキル基で構成される化合物である。上記Zで示される
置換基におけるシクロアルキル基とは、具体的には、例
えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロド
デシル基等の単環式飽和炭化水素残基である。そして、
該シクロアルキル基は、炭素数1〜7のアルキル基を置
換基として有していてもよい。該置換基とは、具体的に
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基等である。
【0024】上記の不飽和単量体(以下、シクロアルキ
ル基含有単量体と記す)としては、具体的には、例え
ば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)ア
クリレート等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。シクロアルキル基含有単量体は、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いても
よい。
【0025】該シクロアルキル基含有単量体の含有率
は、特に限定されるものではないが、全単量体に対する
比率で2重量%〜95重量%の範囲が好ましく、更には
5重量%〜85重量%の範囲が好ましい。
【0026】本発明にかかる前記一般式(3)で表され
る紫外線安定性単量体(以下、紫外線安定性単量体
(3)と記す)は、式中、R5で示される置換基が水素
原子またはシアノ基で構成され、R6、R7で示される
置換基がそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2
の炭化水素基で構成され、R8で示される置換基が水素
原子または炭素数1〜18の炭化水素基で構成され、Y
で示される置換基が酸素原子またはイミノ基で構成され
るピペリジン類である。上記R6、R7で示される置換
基とは、具体的には、例えば、水素原子、メチル基また
はエチル基であり、R8 で示される置換基とは、具体的
には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシ
ル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の、直鎖状また
は枝分れ鎖状の炭化水素残基である。
【0027】上記の紫外線安定性単量体(3)として
は、具体的には、例えば、4−(メタ)アクリロイルオ
キシ−2,2,6,6− テトラメチルピペリジン、4
−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6− テ
トラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキ
シ−1,2,2,6,6− ペンタメチルピペリジン、
4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6
− ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4− (メ
タ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6− テトラメ
チルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,
6,6− テトラメチルピペリジン、4−クロトノイル
アミノ−2,2,6,6− テトラメチルピペリジン等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。紫外線
安定性単量体(3)は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0028】本発明にかかる前記一般式(4)で表され
る紫外線安定性単量体(以下、紫外線安定性単量体
(4)と記す)は、式中、R5で示される置換基が水素
原子またはシアノ基で構成され、R6、R7で示される
置換基がそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2
の炭化水素基で構成され、Yで示される置換基が酸素原
子またはイミノ基で構成されるピペリジン類である。上
記R6、R7で示される置換基とは、具体的には、例え
ば、水素原子、メチル基またはエチル基である。
【0029】上記の紫外線安定性単量体(4)として
は、具体的には、例えば、1−(メタ)アクリロイル−
4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4
−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−
4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。紫外線安定性単量体(4)は、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いても
よい。
【0030】該紫外線安定性単量体(3)及び/または
紫外線安定性単量体(4)の合計量は、全単量体におい
て、0.1重量%〜15重量%の範囲が好ましく、0.
5重量%〜10重量%の範囲が更に好ましい。
【0031】また、上記単量体(つまり、紫外線吸収性
単量体(1)、シクロアルキル基含有単量体、および、
紫外線安定性単量体(3)・(4))以外の単量体、即
ち、単量体組成物に必要に応じて含まれるその他の単量
体(以下、その他の単量体と記す)は、該単量体組成物
を重合してなる重合生成物に要求される各種物性を損な
わない化合物であればよい。
【0032】上記その他の単量体としては、具体的に
は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラク
トン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えば、ダ
イセル化学工業株式会社製;商品名 プラクセルF
M)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られる
ポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート等の
水酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキ
シル基含有単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン
酸基含有単量体;2-(メタ)アクリロイルオキシエチル
アシッドホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルアシッドホスフェート、2-(メタ)アクリロイ
ルオキシ-3- クロロプロピルアシッドホスフェート、2-
メタクリロイルオキシエチルフェニルリン酸等の酸性リ
ン酸エステル系単量体等の、酸性官能基含有単量体;メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリ
レート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;グリ
シジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量
体;(メタ)アクリルアミド、N,N'- ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイ
ミダゾール等の含窒素単量体;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等のハロゲン含有単量体;スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン等の芳香族単量体;酢酸ビニル
等のビニルエステル;ビニルエーテル;(メタ)アクリ
ロニトリル等の重合性シアン化合物等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。その他の単量体は、必要
に応じて一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を適宜混合して用いてもよい。
【0033】上記の(a)紫外線吸収性単量体、(b)
シクロアルキル基を有するアクリル単量体、式(3)及
び/又は式(4)の紫外線安定性単量体、その他の単量
体の重合方法は、特に限定されるものではなく、公知の
重合方法、たとえば、溶液重合、分散重合、懸濁重合、
乳化重合方法等により重合することができる。
【0034】なお、重合生成物(A)は、硬化させても
よく、重合生成物(A)自身の単量体として、熱硬化性
や、紫外線・電子線硬化性の官能基を有する単量体を使
用して硬化させてもよいし、イソシアネート化合物、エ
ポキシ樹脂、アミノプラスト樹脂などの硬化剤を添加し
てもよい。
【0035】本発明に使用される重合生成物(A)を溶
解する有機溶剤としては、アセトン,メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジオキサ
ン,テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル,
酢酸ブチル,セロソルブアセテート等のエステル類、ト
ルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、テトラリン、ミ
ネラルスピリッツやこれらの混合溶媒が挙げられ、上記
溶剤は重合反応に用いた溶液をそのまま使用することも
できる。
【0036】本発明における上記重合生成物を含有する
被膜は、厚さ1〜10μm、好ましくは2〜8μmであ
ることを必須とする。
【0037】本発明に係る農業用ポリエチレンテレフタ
レートフイルムを製造するには、まず、二軸に延伸した
ポリエチレンテレフタレートを製造する。次いで、この
二軸に延伸されたポリエチレンテレフタレートフイルム
の片面に、メチルエチルケトンのようなケトン類、ベン
ゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、
酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル類などの一種
又は二種以上を混合した有機溶媒に溶解した溶液を塗布
し、有機溶媒を揮散させて、熱可塑性樹脂被膜を形成さ
せる。塗布方法は、通常行なわれているグラビアコーテ
ィング法、リバースコーティング法、スプレー法などが
好適である。
【0038】本発明に係る農業用ポリエチレンテレフタ
レートフイルムをハウスに展張使用する場合、太陽光と
接する側(ハウス外側)が、被膜が形成されている面に
なるよう展張すればよい。一方、ハウス内の温度、湿度
等の条件によっては、フイルムのハウス内側表面に曇り
が生じることがあり、この曇りを防止する為にフイルム
の反対面に更に流滴効果を有する被膜、例えば無機親水
性被膜、有機親水性被膜等を形成することが好ましい。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。
【0040】(実施例1〜3、比較例1〜4) (1)基体ポリエチレンテレフタレートフイルム 縦、横それぞれ3.5倍に延伸され、密度が1.392
g/cm3 、厚みが150μmのもの。 (2)被膜樹脂溶液A〜Bの調製 表−1に記載の組成よりなる重合組成物をメチルエチル
ケトンに溶解し、固形分濃度が20重量%になるように
調製し、被膜形成用塗布液を得た。 (3)被膜樹脂溶液C〜Eの調製 紫外線吸収剤を配合するための熱可塑性樹脂溶液は、次
のようにして調製した。
【0041】架橋弾性体の製造 重合缶中に、脱イオン水300重量部(以下、単に
「部」と表示するのは「重量部を意味する。」)、過硫
酸カリ0.3部、燐酸二ナトリウム12水塩0.5部、
燐酸水素ナトリウム2水塩0.3部を仕込み、充分窒素
置換を行なったのちに、内温を70℃に昇温した。内温
をこの温度に保持し、攪拌しながら、スチレン 19.
8部、アクリル酸ブチル69.3部、メタクリル酸アリ
ル0.9部、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム
(乳化剤)2.5部からなる混合物を、2時間を要して
連続的に添加した。
【0042】添加終了後直ちに、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート1.0部、スチレン2.2
部、アクリル酸ブチル7.7部、アクリル酸アリル0.
1部からなる混合物を加えた。加え終わってから30分
間経過してから、内温を90℃に昇温し、この温度で3
時間反応を続け、架橋弾性体のエマルジョンを得た。こ
の架橋弾性体の平均粒子径は0.20μmであり、ゲル
含量は97.1%、膨潤度は7.2であった。
【0043】グラフト共重合体の製造 重合缶に、上記で得た架橋弾性体エマルジョン400
部を仕込み、攪拌しながら、窒素置換したのち、内温を
80℃に昇温した。内温をこの温度に保持し、攪拌しな
がら脱イオン水3.0部のナトリウムフォルムアルデヒ
ドスルホキシレート0.15部を溶解した液を添加して
からメタクリル酸メチル30.0部、n−オクチルメル
カプタン0.03部、パラメンタンハイドロパーオキサ
イド(50%溶液)0.15部の混合物を、30分間を
要して連続的に添加した。添加終了後、更に30分間重
合反応を継続し、グラフト共重合体エマルジョンを得
た。得られたグラフト共重合体エマルジョンは、常法に
従って塩析し、重合体を濾別し、水洗し、乾燥して、グ
ラフト共重合体(a)の粉末を得た。
【0044】上で得たグラフト共重合体(a)6.5部
に同メタクリル樹脂(b)のビーズ13.5部を混合
し、この混合物をメチルエチルケトン64部とトルエン
16部とよりなる混合溶媒中に入れて、攪拌しつつ溶解
し、固形分が20重量%になるように調製し、被膜形成
用樹脂溶液C〜Eを得た。これに表−2に記載の紫外線
吸収剤を、同表に記載した割合(樹脂固形分に対する割
合を意味する。)で添加した。
【0045】(4)被膜の形成 上記(2)(3)に記載の方法に従って調製した樹脂溶
液をポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、グ
ラビアコート法によって塗布し、塗布面を加温して溶媒
を揮散させて、被膜を形成させた。この被膜の厚さ、フ
イルムの単位面積当りの紫外線吸収剤の量を、表−2に
示した。
【0046】(5)フイルムの評価 以下の方法により、得られた各ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムの性能を評価し、その結果を表−3に示し
た。 曝露前のフイルムの性質 (イ)透明性の肉眼判定 フイルムの透明性を肉眼によって観察し、判定したも
の。判定の基準は、次のとおりとした。 ○:透明性に優れ、表面に白化した部分が全く認められ
ないもの。 ○〜△:透明性に優れ、表面に白化した部分が殆ど認め
られないもの。 △:透明性はやや劣り、表面に白化した部分が若干認め
られるもの。 △〜×:透明性はかなり劣り、表面に白化した部分がか
なり認められるもの。 ×:透明性は極めて悪く、表面に白化した部分が著しく
認められるもの。 (ロ)波長360nmにおける光線透過率 分光光度計(日立製作所製の323型)によって測定し
た。 促進試験機曝露後のフイルムの性質 フイルムを蛍光紫外線凝縮試験機に曝露し、曝露後のフ
イルムについて、次の諸性質を経時的に測定した。透明
性、波長360nmにおける光線透過率は、曝露前のフ
イルムの性質の評価方法と同じである。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【発明の効果】本発明に係る農業用ポリエチレンテレフ
タレートフイルムは、次のような効果を奏し、その産業
上の利用価値は極めて大である。本発明に係る農業用ポ
リエチレンテレフタレートフイルムは、屋外で長期間展
張したり曝露したりしても、紫外線の影響をうけること
がなく、表面に小さな亀裂ができることもなく、また、
黄色に変色したり、白化したりすることもない。耐候性
及び透明性が低下するのを防止する効果は、他の紫外線
吸収剤を添加してフイルム化する方法に較べて、極めて
顕著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/34 C08F 220/34 236/20 236/20 C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDZ // C08L 67:02 C08L 67:02 (72)発明者 荒井 博孝 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エム ケーブイ株式会社名古屋事 業所内 Fターム(参考) 2B024 DA05 DA06 DB01 2B029 EB02 EC02 EC09 EC14 EC19 EC20 4F006 AA35 AB24 BA03 CA06 DA04 4F100 AK25B AK42A BA02 GB01 JA01B JD09B JK01 JL09 4J100 AB02S AB03S AB04S AB07S AC03S AC04S AE02S AG04S AJ01S AJ02S AJ09S AK32S AL03S AL04S AL05S AL08P AL08Q AL08R AL08S AL09S AL10S AL16R AL91R AM02S AM14R AM15S AM17R AM19S AP01S AQ12S AQ19S BA03P BA03S BA21S BA40R BA56S BA64S BB01S BC02Q BC03Q BC04Q BC43P BC65R BC73P CA03 JA64

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸方向に延伸されたポリエチレンテレ
    フタレートフイルムの片面に、少なくとも紫外線吸収性
    単量体と、シクロアルキル基を有するアクリル系単量体
    とを重合させてなる重合生成物を含有する厚さ1〜10
    μmの組成物被膜が形成されてなることを特徴とする農
    業用ポリエチレンテレフタレートフイルム。
  2. 【請求項2】該紫外線吸収性単量体が、下記式(1)で
    表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収基を有するア
    クリル系単量体であることを特徴とする請求項1記載の
    農業用ポリエチレンテレフタレートフイルム。 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素
    基を表し、R2は炭素数1〜6の直鎖状または枝分れ鎖
    状のアルキレン基を表し、R3は水素原子またはメチル
    基を表し、Xは水素原子、ハロゲン基、炭素数1〜8の
    炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基ま
    たはニトロ基を表す)
  3. 【請求項3】該シクロアルキル基を有するアクリル系単
    量体が、下記式(2)で表される単量体であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の農業用ポリエチレンテレ
    フタレートフイルム。 一般式(2) 【化2】 (式中、R4は水素原子または炭素数1〜2の炭化水素
    基を表し、Zは置換基を有していてもよいシクロアルキ
    ル基を表す)
  4. 【請求項4】上記重合生成物が、更に単量体として、一
    般式(3)で表される紫外線安定性単量体および/また
    は一般式(4)で表される紫外線安定性単量体を含むこ
    とを特徴とする請求項1ないし3記載の農業用ポリエチ
    レンテレフタレートフイルム。 一般式(3) 【化3】 (式中、R5は水素原子またはシアノ基を表し、R6、
    R7はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2の
    炭化水素基を表し、R8は水素原子または炭素数1〜1
    8の炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を
    表す) 一般式(4) 【化4】 (式中、R5は水素原子またはシアノ基を表し、R6、
    R7はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2の
    炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表
    す)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008056859A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Nippon Shokubai Co Ltd 紫外線吸収性樹脂組成物、および該紫外線吸収性樹脂組成物を用いた積層体
JP2009296893A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Mkv Dream Co Ltd 農業用樹脂フィルム

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JP2008056859A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Nippon Shokubai Co Ltd 紫外線吸収性樹脂組成物、および該紫外線吸収性樹脂組成物を用いた積層体
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