JP2003179294A - 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 - Google Patents

光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置

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JP2003179294A
JP2003179294A JP2001379180A JP2001379180A JP2003179294A JP 2003179294 A JP2003179294 A JP 2003179294A JP 2001379180 A JP2001379180 A JP 2001379180A JP 2001379180 A JP2001379180 A JP 2001379180A JP 2003179294 A JP2003179294 A JP 2003179294A
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optical semiconductor
semiconductor element
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translucent member
outer peripheral
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JP2001379180A
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Keizo Tamagawa
敬三 玉川
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性部材にクラックが発生することを防止
して透光性部材の接合を強固にするとともに内部に白濁
が生じるのを防いで、半導体パッケージ内部に収容する
光半導体素子を気密に収容するとともに長期にわたり正
常かつ安定に作動させ、また光信号を効率よく伝送させ
得るものとすること。 【解決手段】 上側主面に光半導体素子8を載置する基
体1と、その上側主面の外周部に接合され、側部に貫通
孔2aを有する枠体2と、貫通孔2aに嵌着された筒状
の保持部材5と、保持部材5の枠体2内側の一端に一主
面の外周部がろう付けされて保持された板状の透光性部
材4とを具備し、透光性部材4は、一主面の外周部に略
全周に亘って形成されたメタライズ層4aを介してろう
付けされているとともに一主面のメタライズ層4aの内
周端から外周側のメタライズ層4aより小さい幅の部位
が略全周にわたって算術平均粗さを0.1〜5μmとされ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野等に用
いられ、光半導体素子を収納するための光半導体素子収
納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光通信分野等で用いられ高い周波
数で作動する半導体レーザ(LD),フォトダイオード
(PD)等の光半導体素子を気密封止して収容するため
の光半導体素子収納用パッケージ(以下、光半導体パッ
ケージという)の例を図6に断面図で示す。同図におい
て、21は基体、22は枠体、24は透光性部材、26は光ファ
イバ、28は光半導体素子である。
【0003】基体21は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)
−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン
(W)合金等の金属やアルミナ(Al23),窒化アル
ミニウム(AlN),ムライト(3Al23・2SiO
2)等のセラミックスから成り、その上側主面の略中央
部には、LD,PD等の光半導体素子28が載置される載
置部21aが形成されている。載置部21aには、光半導体
素子28が、回路基板やサブキャリア等の載置用基台29を
介して載置固定される。
【0004】基体21の上側主面の外周部には、載置部21
aを囲繞するようにして接合され、一側部に光信号の入
出力部となる貫通孔22aを有する、Fe−Ni−Co合
金等の金属やAl23,AlN,3Al23・2SiO
2等のセラミックスから成る枠体22が接合され立設され
ている。
【0005】さらに、Fe−Ni−Co合金等の金属か
ら成り、中央部の軸方向に貫通孔25aが形成された、透
光性部材24と光ファイバ26とを保持するための円筒状の
保持部材25が、貫通孔22aに嵌着されてその内面に接合
される。保持部材25の貫通孔25aの枠体22内側の一端の
開口を塞ぐように、貫通孔25aの開口の周囲で透光性部
材24が接合される。この透光性部材24はガラスやサファ
イア等から成る円板状等の部材であり、その両主面は光
学研磨され、光信号を無駄なく透過させる。図7に示す
ように、透光性部材24の一主面の外周部にメタライズ層
24aを形成し、メタライズ層24aと保持部材25とをろう
付けにより接合することによって、保持部材25に気密に
接合される。
【0006】枠体22の上面には、Fe−Ni−Co合金
等の金属から成る蓋体23がろう付け法やシームウエルド
法等の溶接法で接合され、基体21、枠体22、蓋体23、透
光性部材24および保持部材25から構成される容器内部に
光半導体素子28を収容し気密に封止する。そして、光フ
ァイバ26固定用の枠状や筒状の金属製の光ファイバ固定
部材(以下、固定部材という)27が、保持部材25の貫通
孔25aの枠体22外側の一端に溶接され、光ファイバ26が
固定部材27に外部から挿通固定されて枠体22の一側部に
固定されることによって、製品としての光半導体装置と
なる。
【0007】この光半導体装置は、外部電気回路から供
給される電気信号によって光半導体素子28に光を励起さ
せ、この光を透光性部材24、光ファイバ26の順に透過さ
せ、光ファイバ26を介して外部に伝送することによっ
て、高速光通信等に使用される。または、外部から光フ
ァイバ26を伝送されてくる光信号を、透光性部材24を透
過させ、光半導体素子28に受光させて光信号を電気信号
に変換することによって、高速光通信等に使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光半導体パッケージにおいて、透光性部材24のメタ
ライズ層24aをろう付けによって保持部材25に接合する
と、メタライズ層24aに保持部材25との熱膨張差による
熱応力が加わり、メタライズ層24aの内周端の透光性部
材24との界面に透光性部材24から剥がれようとする応力
が加わる。そして、透光性部材24にメタライズ層24aの
内周端との界面を起点にクラックが入り、このクラック
は時間を経るに従って透光性部材24内で成長し、透光性
部材24の内部が白濁することがある。その場合、透光性
部材24の内部で光信号が乱反射し、光半導体素子28から
の光信号を光ファイバ26に、または光ファイバ26からの
光信号を光半導体素子28に効率よく伝送できなくなると
いう問題点があった。
【0009】さらにクラックが成長し、透光性部材24の
両主面間または主面と側面間を貫通するクラックが生ず
ると、光半導体パッケージ内を気密に保持できなくなる
という問題点があった。
【0010】従って、本発明は上記問題点に鑑み完成さ
れたものであり、その目的は、透光性部材にクラックが
発生することを防止し、その結果、光半導体パッケージ
の内部に収容する光半導体素子を気密に収容し、光半導
体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ、また光
信号を効率よく伝送させ得る光半導体パッケージを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の光半導体パッケ
ージは、上側主面に光半導体素子を載置する載置部を有
する基体と、該基体の前記上側主面の外周部に前記載置
部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成され
た枠体と、透光性部材を保持するとともに前記貫通孔に
嵌着された筒状の保持部材と、該保持部材の前記枠体内
側の一端に一主面の外周部がろう付けされて保持された
板状の透光性部材とを具備した光半導体素子収納用パッ
ケージにおいて、前記透光性部材は、前記一主面の外周
部に略全周にわたって形成されたメタライズ層を介して
ろう付けされているとともに、前記一主面の前記メタラ
イズ層の内周端から外周側の前記メタライズ層より小さ
い幅の部位が略全周にわたって算術平均粗さを0.1〜5
μmとされていることを特徴とする。
【0012】また本発明の光半導体パッケージは、上側
主面に光半導体素子を載置する載置部を有する基体と、
該基体の前記上側主面の外周部に前記載置部を囲繞する
ように接合され、側部に貫通孔が形成された枠体と、前
記貫通孔の開口の周囲に一主面の外周部がろう付けされ
た板状の透光性部材とを具備した光半導体素子収納用パ
ッケージにおいて、前記透光性部材は、前記一主面の外
周部に略全周にわたって形成されたメタライズ層を介し
てろう付けされているとともに、前記一主面の前記メタ
ライズ層の内周端から外周側の前記メタライズ層より小
さい幅の部位が略全周にわたって算術平均粗さを0.1〜
5μmとされていることを特徴とする。
【0013】本発明は、透光性部材が、一主面の外周部
に略全周にわたって形成されたメタライズ層を介してろ
う付けされているとともに、一主面のメタライズ層の内
周端から外周側のメタライズ層より小さい幅の部位が略
全周にわたって算術平均粗さを0.1〜5μmとされてい
ることから、透光性部材とその一主面の外周部に形成さ
れるメタライズ層とがメタライズ層の内周端において強
固に接合される。その結果、メタライズ層を半田等のろ
う材によって枠体の貫通孔または保持部材にろう付けし
た際にメタライズ層に熱応力が加わっても、メタライズ
層はその内周端において透光性部材から剥がれにくくな
る。また、透光性部材のメタライズ層の内周端の部位を
起点としたクラックが入りにくくなる。従って、透光性
部材に多数のクラックが入って内部が白濁するのを防止
し、透光性部材の内部で光信号が乱反射するのを防止で
きる。さらに、光半導体パッケージの内部に収容する光
半導体素子を気密に収容し、光半導体素子を長期にわた
り正常かつ安定に作動させ得るとともに、光信号を効率
よく伝送させ得る光半導体パッケージとすることができ
る。
【0014】本発明において、好ましくは、前記貫通孔
は大径部と小径部とから成り、前記透光性部材が前記小
径部の開口の周囲にろう付けされていることを特徴とす
る。
【0015】本発明は、上記の構成により、透光性部材
が枠体の内部に位置することになるため光半導体パッケ
ージを小型化することができ、また透光性部材を貫通孔
内に収容してろう付けできるためその位置決めを容易に
行なえる。さらに、貫通孔の内面と透光性部材の側面と
の間には隙間が生じるため、枠体から透光性部材に加わ
る応力を小さくして透光性部材の破損等を防ぐこともで
きる。
【0016】本発明の光半導体装置は、上記本発明の光
半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定
された前記光半導体素子と、前記枠体の上面に接合され
た蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0017】本発明は、上記の構成により、上記本発明
の光半導体パッケージを用いた信頼性の高いものとな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の光半導体パッケージにつ
いて以下に詳細に説明する。図1は本発明の光半導体パ
ッケージについて実施の形態の一例を示す断面図であ
り、1は基体、2は枠体、4は透光性部材、5は保持部
材、6は光ファイバ、8は光半導体素子である。
【0019】本発明の光半導体パッケージは、上側主面
に光半導体素子8を載置する載置部1aを有する基体1
と、基体1の上側主面の外周部に載置部1aを囲繞する
ように接合され、側部に貫通孔2aが形成された枠体2
と、透光性部材4を保持するとともに貫通孔2aに嵌着
された筒状の保持部材5と、保持部材5の枠体2内側の
一端に一主面の外周部がろう付けされて保持された板状
の透光性部材4とを具備し、透光性部材4は、一主面の
外周部に略全周にわたって形成されたメタライズ層4a
を介してろう付けされているとともに、一主面のメタラ
イズ層4aの内周端から外周側のメタライズ層4aより
小さい幅の部位が略全周にわたって算術平均粗さを0.1
〜5μmとされている構成(図1)である。または、透
光性部材4は、枠体2の貫通孔2aの開口の周囲に一主
面の外周部がろう付けされており、透光性部材4は、一
主面の外周部に略全周にわたって形成されたメタライズ
層4aを介してろう付けされているとともに、一主面の
メタライズ層4aの内周端から外周側のメタライズ層4
aより小さい幅の部位が略全周にわたって算術平均粗さ
を0.1〜5μmとされている構成(図2)である。
【0020】本発明において、図2に示すように、貫通
孔2aは大径部と小径部とから成り、透光性部材4が小
径部の開口の周囲にろう付けされていることが好まし
い。この場合、透光性部材4が枠体2の内部に位置する
ことになるため光半導体パッケージを小型化することが
でき、また透光性部材4を貫通孔2a内に収容してろう
付けできるためその位置決めを容易に行なえる。さら
に、貫通孔2aの内面と透光性部材4の側面との間には
隙間が生じるため、枠体2から透光性部材4に加わる応
力を小さくして透光性部材4の破損等を防ぐこともで
き、また透光性部材4が接合される部分において枠体2
が薄肉となることから、透光性部材4の接合時に枠体2
との熱膨張差によって透光性部材4に加わる熱応力を抑
え、その破損を防ぐという作用効果も有する。
【0021】また、図1に示すように、保持部材5の貫
通孔5aは大径部と小径部とから成り、透光性部材4が
小径部の開口の周囲にろう付けされていることが好まし
い。この場合、透光性部材4が保持部材5の内部に位置
することになるため光半導体パッケージを小型化するこ
とができ、また透光性部材4を貫通孔5a内に収容して
ろう付けできるためその位置決めを容易に行なえる。さ
らに、貫通孔5aの内面と透光性部材4の側面との間に
は隙間が生じるため、保持部材5から透光性部材4に加
わる応力を小さくして透光性部材4の破損等を防ぐこと
もでき、また透光性部材4は保持部材5を介して枠体2
に接合されることから、例えば光半導体パッケージをネ
ジ止め等により外部電気回路基板に実装するなどして枠
体2に歪みが加わった場合においても、保持部材5で枠
体2から伝わる歪みを吸収し、枠体2に歪みが加わって
も透光性部材4の破損を防ぐことができるという作用効
果も有する。
【0022】本発明の基体1は、Fe−Ni−Co合金
やCu−W合金等の金属、またはAl23,AlN,3
Al23・2SiO2等のセラミックスから成る。金属
から成る場合、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加
工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形
状に製作される。また、基体1が例えばAl23セラミ
ックスから成る場合以下のようにして作製される。Al
23,酸化珪素(SiO2),酸化カルシウム(Ca
O),酸化マグネシウム(MgO)等の原料粉末に適当
な有機バインダや可塑剤,分散剤,溶剤等を添加混合し
て泥漿状となす。これを従来周知のドクターブレード法
でシート状となすことによって複数枚のセラミックグリ
ーンシートを得る。しかる後、これらのセラミックグリ
ーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、還元雰囲気中
で約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0023】基体1の上側主面には、LD,PD等の光
半導体素子8が載置される載置部1aが形成されてお
り、載置部1aには光半導体素子8が回路基板やサブキ
ャリア等の載置用基台9を介して載置固定される。
【0024】また、基体1の上側主面の外周部には、載
置部1aを囲繞するようにして接合されるとともに一側
部に光信号の入出力部となる貫通孔2aを有し、貫通孔
2aに光ファイバ6固定用の枠状や筒状の固定部材7が
設けられた枠体2が接合立設される。この枠体2は、基
体1とともにその内側(内部空間)に光半導体素子8を
収容する空所を形成する。枠体2は平面視形状が略長方
形の枠状体であり、光ファイバ6を支持するものであ
る。また、基体1と同様にFe−Ni−Co合金やCu
−W合金等の金属、またはAl23,AlN,3Al2
3・2SiO2等のセラミックスから成り、基体1と一
体成形される、または基体1にAgろう等のろう材でろ
う付けされる、またはシーム溶接法等の溶接法により接
合されることによって、基体1の上側主面の外周部に接
合される。
【0025】さらに、図1の場合、Fe−Ni−Co合
金等の金属から成り、貫通孔2aに透光性部材4を保持
するための筒状の保持部材5が嵌着される。この保持部
材5の外側の一端には光ファイバ6を固定するための枠
状や筒状の固定部材7が設けられる。保持部材5には、
中央部の軸方向に貫通孔5aが形成されており、貫通孔
5aを塞ぐように透光性部材4が貫通孔5aの枠体2内
側開口の周囲にAgろう等によるろう付け、またはAu
−Sn半田,Pb−Sn半田等の半田付けによって気密
に接合される。または、図2に示すように、保持部材5
は貫通孔2aの枠体2外側開口の周囲に接合され、透光
性部材4は貫通孔2aの枠体2内側開口の周囲にろう付
けされて気密に接合される。
【0026】図1の場合、保持部材5を貫通孔2aに嵌
着することにより、枠体2に対する保持部材5の取り付
けの位置ずれを抑制し、光ファイバ6の光軸と光半導体
素子8の光軸との位置合わせを確実にできるとともに、
透光性部材4と固定部材7の両方が保持部材5に接合さ
れることから、光ファイバ6に対する透光性部材4の位
置ずれも防止でき、光信号を無駄なく確実に伝送でき
る。図2の場合、枠体2と保持部材5をそれぞれ別の材
質とすることができる。例えば、接合時に熱応力によっ
て透光性部材4が破損するのを防ぐために枠体2をFe
−Ni−Co等の透光性部材4と線膨張係数の近い材質
とすることができる。また保持部材5の材質をステンレ
ス鋼(SUS)等として固定部材7を保持部材5に溶接
する際に溶接しやすくできる。
【0027】透光性部材4は、ガラスやサファイア等か
ら成る円板状等の板状のものであり、一主面の外周部に
全周にわたってメタライズ層4aが形成されており、メ
タライズ層4aをろう付けすることによって、枠体2ま
たは保持部材5に気密に接合される。メタライズ層4a
は、従来周知のモリブデン(Mo)−マンガン(Mn)
等のメタライズ層およびその表面に被着されたNiメッ
キ層や金(Au)メッキ層、またはチタン(Ti)層、
白金(Pt)層、Au層が順次被着されたものである。
さらに、透光性部材4の主面の光信号透過部は光学研磨
が施され、透過する光信号の波長に合わせて材料、厚さ
が適宜選択された多層の誘電体層から成る反射防止層が
施されている。
【0028】透光性部材4の一主面のメタライズ層4a
が施される部位において、メタライズ層4aより小さい
幅でメタライズ層4aの内周端から外周側の途中までに
相当する部位が略全周にわたって粗面部4b(図3)と
なっており、粗面部4bの表面の算術平均粗さRaはR
a=0.1〜5μmである。これにより、クラックの発生
し易いメタライズ層4aの内周端に相当する部位におい
て、メタライズ層4aとの接合力を向上させることがで
き、クラックの発生を有効に防ぐことができる。
【0029】粗面部4bは、図4に示すように、メタラ
イズ層4aの内周端から透光性部材4の中心側に若干は
み出して形成されていてもよい。この場合、メタライズ
層4aを形成するための導体ペーストを塗布した際に、
導体ペーストが透光性部材4の主面の中心側へ広がるの
を粗面部4bのはみ出し部で抑えることができ、メタラ
イズ層4aを正確に形成することができる。また、この
場合、粗面部4bはメタライズ層4aよりも透光性部材
4の中心側に1mm以下の幅ではみ出して設けられるの
がよく、1mmを超えると、粗面部4bの表面で光信号
が乱反射される割合が多くなり、光信号を効率よく伝送
するのが困難になる。
【0030】本発明は、粗面部4bの表面にメタライズ
層4aが形成されることによって、メタライズ層4aは
透光性部材4との接合が強固になる。その結果、透光性
部材4のメタライズ層4aをろう付けによって枠体2ま
たは保持部材5に接合し、メタライズ層4aに熱応力が
加わった場合に、従来、透光性部材4のメタライズ層4
aの内周端の部位においてメタライズ層4aが透光性部
材4から剥がれようとするため、透光性部材4にメタラ
イズ層4aの内周端の部位を起点にクラックが入ってい
たが、メタライズ層4aが透光性部材4から剥がれにく
くなり、透光性部材4にメタライズ層4aの内周端の部
位を起点としたクラックが生ずることを防止できる。従
って、透光性部材4に白濁が生じたり両主面間を貫通す
るクラックが発生するのを防いで、光半導体パッケージ
内部に収容する光半導体素子8を気密に収容し、光半導
体素子8を長期にわたり正常かつ安定に作動させ、また
光信号を効率よく伝送させ得る。
【0031】粗面部4bを施す範囲は、メタライズ層4
aの内周端から外周側に向けて0.2mmからメタライズ
層4aの半分の幅であるのがよい。0.2mm未満の場
合、粗面部4bの幅が狭すぎるため、メタライズ層4a
の内周端に応力が加わった際に、メタライズ層4aが透
光性部材4から剥がれ易くなり、透光性部材4にメタラ
イズ層4aとの界面を起点としたクラックが生ずる場合
がある。また、粗面部4bの幅はメタライズ層4aの半
分の幅であれば、メタライズ層4aの内周端に応力が加
わった際、メタライズ層4aが透光性部材4から剥がれ
にくくするのに十分であり、メタライズ層4aの半分の
幅を超える幅で形成せずともよい。また、粗面部4bを
メタライズ層4aの内周端からメタライズ層4aの半分
の幅を超える幅で外周側に形成すると、粗面部4bが板
状の透光性部材4の外周端付近にまで形成されることと
なり、粗面化加工時に透光性部材4の外周端にカケやク
ラックが生じるという不具合がある。従って、粗面部4
bは透光性部材4の外周端にまで形成しないようにする
必要がある。
【0032】粗面部4bは、図3,図4に示すように、
透光性部材4の主面の全面を光学研磨した後に、外周部
のみを粗面化加工することによって形成する。砥石で外
周部を粗面化加工したり、または光信号の透過部にマス
クを施し、その後にサンドブラスト加工を施すことによ
り粗面部4bを形成する。
【0033】透光性部材4の保持部材5は、金属のイン
ゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加
工法を施すことによって所定形状に製作される。透光性
部材4の接合は、図3に示すように透光性部材4の軸方
向と貫通孔5aの軸方向が一致するようにして接合され
る。または、図5に示すように、保持部材5の透光性部
材4との接合面を傾斜面として、透光性部材4の軸方向
と貫通孔5aの軸方向とをずらして接合してもよい。こ
の場合、透光性部材4の表面での光の反射、特に正反射
(光の入射面への垂直入射による反射)を防ぐことによ
り、光の反射による損失を抑制することができる。この
とき、透光性部材4の軸方向と貫通孔5aの軸方向との
なす角度は1〜10°が好ましい。1°未満では、光半導
体素子8がLDである場合、光半導体素子8からの光が
透光性部材4表面で正反射し、その反射光が光半導体素
子8に戻って、反射光により光半導体素子8の温度が上
昇したり、光半導体素子8の発振周波数がずれて光半導
体素子8が誤作動する場合がある。また光半導体素子8
がPDである場合、光ファイバ6からの光信号が透光性
部材4表面で正反射し、その反射光が光ファイバ6に戻
って、光ファイバ6を伝送される光信号にノイズが発生
する原因となる。10°を超えると、透光性部材4表面で
の斜め入射による反射光の強度が大きくなり、透光性部
材4で光信号を効率よく通過させることが困難になる。
【0034】保持部材5は、Agろう等によるろう付
け、Au−Sn半田,Pb−Sn半田等の半田付けによ
り、例えば図2の場合その一端が貫通孔2aの枠体2外
側開口の周囲に接合され、透光性部材4とともに貫通孔
2aを気密に塞ぐ。
【0035】光ファイバ6は、Fe−Ni−Co合金等
の金属から成る枠状や円筒状の固定部材7に固定されて
おり、固定部材7の一端が保持部材5の外側の他端にレ
ーザ溶接法等の溶接によって接合され、光ファイバ6が
固定部材7を介して枠体2の一側部に接合される。これ
により、光ファイバ6を介して光半導体パッケージ内部
に収容する光半導体素子8と外部との光信号の授受が可
能となる。
【0036】そして、本発明の光半導体パッケージは、
光半導体素子8の電極を外部電気回路に電気的に接続
し、しかる後、枠体2の上面にFe−Ni−Co合金等
の金属から成る蓋体3を半田付け法やシームウエルド法
により接合することにより、製品としての光半導体装置
となる。この光半導体装置は、外部電気回路から供給さ
れる電気信号によって光半導体素子8に光を励起させ、
この光を透光性部材4、光ファイバ6の順に透過させ、
光ファイバ6を介して外部に伝送することによって、高
速光通信等に使用される。または、外部から光ファイバ
6を伝送されてくる光信号を、透光性部材4を透過さ
せ、光半導体素子8に受光させて光信号を電気信号に変
換することによって、高速光通信等に使用される。
【0037】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施
すことは何等差し支えない。
【0038】
【発明の効果】本発明は、上側主面に光半導体素子を載
置する載置部を有する基体と、基体の上側主面の外周部
に載置部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形
成された枠体と、透光性部材を保持するとともに貫通孔
に嵌着された筒状の保持部材と、保持部材の枠体内側の
一端に一主面の外周部がろう付けされて保持された板状
の透光性部材とを具備し、透光性部材は、一主面の外周
部に略全周にわたって形成されたメタライズ層を介して
ろう付けされているとともに、一主面のメタライズ層の
内周端から外周側のメタライズ層より小さい幅の部位が
略全周にわたって算術平均粗さを0.1〜5μmとされて
いるか、または、枠体の貫通孔の開口の周囲に一主面の
外周部がろう付けされた板状の透光性部材とを具備し、
透光性部材は、一主面の外周部に略全周にわたって形成
されたメタライズ層を介してろう付けされているととも
に、一主面のメタライズ層の内周端から外周側のメタラ
イズ層より小さい幅の部位が略全周にわたって算術平均
粗さを0.1〜5μmとされていることにより、透光性部
材とその接合部位に形成されるメタライズ層とが強固に
接合される。その結果、メタライズ層をろう付けして枠
体の貫通孔または保持部材に接合した際にメタライズ層
に熱応力が加わっても、メタライズ層は透光性部材から
剥がれにくくなる。
【0039】また、透光性部材にメタライズ層の内周端
に相当する部位を起点としたクラックが入りにくくな
る。従って、透光性部材に多数のクラックが入って内部
が白濁するのを防止し、透光性部材の内部で光信号が乱
反射するのを防止できる。さらに、光半導体パッケージ
の内部に収容する光半導体素子を気密に収容し、光半導
体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得るとと
もに、光信号を効率よく伝送させ得る光半導体パッケー
ジとすることができる。
【0040】本発明は、好ましくは貫通孔は大径部と小
径部とから成り、透光性部材が小径部の開口の周囲にろ
う付けされていることにより、透光性部材が枠体の内部
に位置することになるため光半導体パッケージを小型化
することができ、また透光性部材を貫通孔内に収容して
ろう付けできるためその位置決めを容易に行なえる。さ
らに、貫通孔の内面と透光性部材の側面との間には隙間
が生じるため、枠体から透光性部材に加わる応力を小さ
くして透光性部材の破損等を防ぐこともできる。
【0041】本発明の光半導体装置は、上記本発明の光
半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定され
た光半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具
備したことにより、上記本発明の光半導体パッケージを
用いた信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体パッケージについて実施の形
態の例を示す断面図である。
【図2】本発明の光半導体パッケージについて実施の形
態の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の光半導体パッケージにおける透光性部
材およびその周辺を示す要部断面図である。
【図4】本発明の光半導体パッケージの透光性部材につ
いて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の光半導体パッケージの透光性部材につ
いて実施の形態の他の例を示し、透光性部材およびその
周辺を示す要部断面図である。
【図6】従来の光半導体パッケージの例の断面図であ
る。
【図7】従来の光半導体パッケージの透光性部材および
その周辺を示す断面図である。
【符号の説明】
1:基体 1a:載置部 2:枠体 2a:貫通孔 4:透光性部材 4a:メタライズ層 4b:粗面部 8:光半導体素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上側主面に光半導体素子を載置する載置
    部を有する基体と、該基体の前記上側主面の外周部に前
    記載置部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形
    成された枠体と、透光性部材を保持するとともに前記貫
    通孔に嵌着された筒状の保持部材と、該保持部材の前記
    枠体内側の一端に一主面の外周部がろう付けされて保持
    された板状の透光性部材とを具備した光半導体素子収納
    用パッケージにおいて、前記透光性部材は、前記一主面
    の外周部に略全周にわたって形成されたメタライズ層を
    介してろう付けされているとともに、前記一主面の前記
    メタライズ層の内周端から外周側の前記メタライズ層よ
    り小さい幅の部位が略全周にわたって算術平均粗さを0.
    1〜5μmとされていることを特徴とする光半導体素子
    収納用パッケージ。
  2. 【請求項2】 上側主面に光半導体素子を載置する載置
    部を有する基体と、該基体の前記上側主面の外周部に前
    記載置部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形
    成された枠体と、前記貫通孔の開口の周囲に一主面の外
    周部がろう付けされた板状の透光性部材とを具備した光
    半導体素子収納用パッケージにおいて、前記透光性部材
    は、前記一主面の外周部に略全周にわたって形成された
    メタライズ層を介してろう付けされているとともに、前
    記一主面の前記メタライズ層の内周端から外周側の前記
    メタライズ層より小さい幅の部位が略全周にわたって算
    術平均粗さを0.1〜5μmとされていることを特徴とす
    る光半導体素子収納用パッケージ。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔は大径部と小径部とから成
    り、前記透光性部材が前記小径部の開口の周囲にろう付
    けされていることを特徴とする請求項2記載の光半導体
    素子収納用パッケージ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の光半導
    体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定され
    た前記光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋
    体とを具備したことを特徴とする光半導体装置。
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