JP2006013358A - 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 - Google Patents

光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 Download PDF

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浩 川上
Nobuyuki Tanaka
信幸 田中
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Abstract

【課題】 光半導体素子を気密に収容するとともに長期にわたり正常かつ安定に作動させ、また光信号を効率よく伝送させ得る光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置を提供する。
【解決手段】 本発明の光半導体素子収納用パッケージは、載置部1aを有する基体1と、基体1の上側主面の外周部に載置部1aを取り囲むように接合され、側部に貫通孔2aを有する枠体2と、非球面レンズ5が内側に取着され、一端部が貫通孔2aの内側に嵌着された金属から成る筒状のレンズ保持部材5aと、一端が枠体2の外面のレンズ保持部材5aの外周側にレンズ保持部材5aを取り囲むようにレンズ保持部材5aの外周面との間に隙間10aを設けて接合されるとともに、他端に光ファイバ固定部材7を介して光ファイバ6が接合される筒状の光ファイバ支持部材10と、枠体2の内面の貫通孔2aの開口の周囲に接合された透光性部材4とを具備している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信分野等に用いられ、光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージに関する。
従来の光通信分野等で用いられ高い周波数で作動する半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子を気密封止して収容するための光半導体素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)の例を図3に示す。図3において、21は基体、22は枠体、24は透光性部材、26は光ファイバ、28は光半導体素子である。
基体21は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金,銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属やアルミナ(Al)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,ムライト(3Al・2SiO)質焼結体等のセラミックスから成り、その上側主面の中央部には、LD,PD等の光半導体素子28が載置される載置部21aが形成されている。載置部21aには、光半導体素子28が、回路基板やサブキャリア等の載置用基台29を介して載置される。
基体21の上側主面の外周部には、載置部21aを取り囲むようにして接合され、一側部に光信号の入出力部となる貫通孔22aを有する、Fe−Ni−Co合金等の金属やAl質焼結体,AlN質焼結体,3Al・2SiO質焼結体等のセラミックスから成る枠体22が接合され立設されている。
また、枠体22の貫通孔22aには、非球面レンズ25を内包するレンズ保持部材25aが、レンズ保持部材25aの材質の熱膨張係数と同等の熱膨張係数を有する材質よりなる緩衝部材30を介して接合される。枠体22の内側の貫通孔22aの開口の周囲には透光性部材24が接合され気密封止される。この透光性部材24はガラスやサファイア等から成る円板状等の部材であり、その両主面は光学研磨され、光信号を効率よく透過させることができる。
このパッケージは、載置部21aに光半導体素子28が、回路基板やサブキャリア等の載置用基台29を介して載置された後、枠体22の上面に、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る蓋体23がろう付け法やシームウエルド法等の溶接法で取着されることによって、基体21、枠体22、蓋体23、透光性部材24、非球面レンズ25、レンズ保持部材25aおよび緩衝部材30から成る容器が形成され、この容器内部で光半導体素子28を収容し気密に封止することができる。そして、光ファイバ26固定用の枠状や筒状の金属製の光ファイバ固定部材(以下、単に固定部材ともいう)27が、レンズ保持部材25aの枠体22外側の端に溶接され、しかる後、光ファイバ26が固定部材27に外部から挿通固定されて枠体22の一側部に固定されることによって、製品としての光半導体装置となる(例えば、下記の特許文献1参照)。
この光半導体装置は、外部電気回路から供給される電気信号によって光半導体素子28に光を励起させ、この光を透光性部材24、非球面レンズ25、光ファイバ26の順に透過させ、光ファイバ26を介して外部に伝送することによって、高速光通信等に使用される。または、外部から光ファイバ26によって伝送されてくる光信号を、非球面レンズ25、透光性部材24の順に透過させ、光半導体素子28に受光させて光信号を電気信号に変換することによって、高速光通信等に使用される。
特開平7−159656号公報
しかしながら、上記従来のパッケージにおいて、レンズ保持部材25aの枠体22外側の一端に固定部材27を溶接するときに発生する熱応力が非球面レンズ25に加わり、非球面レンズ25とレンズ保持部材25aとの融着部にクラックが発生するという問題点があった。この結果、非球面レンズ25の透光性が低下し光信号を効率よく伝送させることができなくなるとともに、光半導体素子28と光ファイバ26との光軸がずれて光結合効率が低下するという問題点を有していた。
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、非球面レンズとレンズ保持部材との融着部にクラックが発生するのを防止して、生産性が良好で、また光信号を効率よく伝送させ得る光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置を提供することにある。
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、上側主面に光半導体素子を載置するための載置部を有する基体と、この基体の前記上側主面の外周部に前記載置部を取り囲むように接合され、側部に貫通孔を有する枠体と、非球面レンズが内側に取着され、一端部が前記貫通孔の内側に嵌着された金属から成る筒状のレンズ保持部材と、一端が前記枠体の外面の前記レンズ保持部材の外周側に前記レンズ保持部材を取り囲むように前記レンズ保持部材の外周面との間に隙間を設けて接合されるとともに、他端に光ファイバ固定部材を介して光ファイバが接合される筒状の光ファイバ支持部材と、前記枠体の内面の前記貫通孔の開口の周囲に接合された透光性部材とを具備していることを特徴とする。
本発明の光半導体素子収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記貫通孔は、前記枠体の外面側の開口の周囲と前記貫通孔の内面との間に全周にわたって段差が形成されており、前記レンズ保持部材は、前記段差に一端部が嵌着されて接合されていることを特徴とする。
本発明の光半導体装置は、上記の光半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置された光半導体素子と、前記枠体の上面に前記枠体の内側を塞ぐように取着された蓋体と、前記光ファイバ支持部材の前記他端に前記光ファイバ固定部材を介して接合された光ファイバとを具備していることを特徴とする。
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、上側主面に光半導体素子を載置するための載置部を有する基体と、この基体の上側主面の外周部に載置部を取り囲むように接合され、側部に貫通孔を有する枠体と、非球面レンズが内側に取着され、一端部が貫通孔の内側に嵌着された金属から成る筒状のレンズ保持部材と、一端が枠体の外面のレンズ保持部材の外周側にレンズ保持部材を取り囲むようにレンズ保持部材の外周面との間に隙間を設けて接合されるとともに、他端に光ファイバ固定部材を介して光ファイバが接合される筒状の光ファイバ支持部材と、枠体の内面の貫通孔の開口の周囲に接合された透光性部材とを具備していることから、光半導体素子収納用パッケージに光ファイバ固定部材を接合する際、光ファイバ固定部材をレンズ保持部材の他端に直接接合するのではなく、光ファイバ支持部材に接合するので、レンズ保持部材に大きな熱が急速に伝わってレンズ保持部材が歪むのを有効に抑制することができる。
また、光ファイバ支持部材の一端が枠体の外面に接合されているので、光ファイバ支持部材に加わった熱が枠体に分散され、レンズ保持部材の非球面レンズの取着部に熱が伝わるのを有効に抑制できる。
さらに、レンズ保持部材の一端部が貫通孔の内側に嵌着されているため、強度が比較的弱い枠体と光ファイバ支持部材との接合部に熱応力等が発生したとしても、レンズ保持部材が枠体を補強し枠体に熱応力等による歪が生じにくくなるので、光ファイバ支持部材の位置精度を良好に維持して光ファイバ支持部材に固定された光ファイバと光半導体素子との光結合効率を高いものとすることができる。
また、レンズ保持部材の一端部が枠体の貫通孔に嵌着されていることにより、光半導体素子と光ファイバとの間の光軸に対する非球面レンズの位置精度が向上し、非球面レンズの集光性を良好に維持するとともに、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率を良好に維持することができ、光信号を効率よく伝送させ得る光半導体素子収納用パッケージとすることができる。
また、光ファイバ支持部材は、レンズ保持部材の外周面との間に隙間を設けて接合されることにより、光ファイバ支持部材に光ファイバ固定部材を溶接する際の光ファイバ支持部材の熱膨張による変形が、直接レンズ保持部材に加わるのを防止することができ、レンズ保持部材が歪まないようにすることができる。また、光ファイバ支持部材と光ファイバ固定部材との接合部からレンズ保持部材までの熱伝達経路を長くすることができ、光ファイバ固定部材を溶接する際の熱をレンズ保持部材に伝達し難くすることができ、レンズ保持部材が歪むのを有効に抑制できる。以上の結果、レンズ保持部材が歪むのを有効に抑制し、レンズ保持部材の内側に取着された非球面レンズにクラック等の破損が生ずるのを有効に防止することができる。
本発明の光半導体素子収納用パッケージにおいて、好ましくは、貫通孔は、枠体の外面側の開口の周囲と貫通孔の内面との間に全周にわたって段差が形成されており、レンズ保持部材は、この段差に一端部が嵌着されて接合されていることから、レンズ保持部材をより精度よく枠体に取り付けて非球面レンズの位置精度を著しく向上させることができ、光ファイバと光半導体素子との光結合効率をより向上させることができる。
本発明の光半導体装置は、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置された光半導体素子と、枠体の上面に枠体の内側を塞ぐように取着された蓋体と、光ファイバ支持部材の他端に光ファイバ固定部材を介して接合された光ファイバとを具備していることにより、光ファイバ固定部材を光ファイバ支持部材に溶接するときに非球面レンズの損傷が少なくなり、生産性が良好で光伝送効率に優れたものとなる。
本発明の光半導体素子収納用パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明のパッケージおよびこのパッケージを用いた光半導体装置の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は基体、2は枠体、3は蓋体、4は透光性部材、5は非球面レンズ、5aはレンズ保持部材、6は光ファイバ、7は光ファイバ固定部材、8は光半導体素子、10は光ファイバ支持部材である。そして、主に基体1,枠体2,非球面レンズ5,レンズ保持部材5a,光ファイバ支持部材10,透光性部材4により本発明のパッケージが構成され、さらに光半導体素子8,蓋体3,光ファイバ6を具備することによって本発明の光半導体装置が構成される。
本発明のパッケージは、上側主面に光半導体素子8を載置するための載置部1aを有する基体1と、この基体1の上側主面の外周部に載置部1aを取り囲むように接合され、側部に貫通孔2aを有する枠体2と、非球面レンズ5が内側に取着され、一端部が貫通孔2aの内側に嵌着された金属から成る筒状のレンズ保持部材5aと、一端が枠体2の外面のレンズ保持部材5aの外周側にレンズ保持部材5aを取り囲むようにレンズ保持部材5aの外周面との間に隙間10aを設けて接合されるとともに、他端に光ファイバ固定部材7を介して光ファイバ6が接合される筒状の光ファイバ支持部材10と、枠体2の内面の貫通孔2aの開口の周囲に接合された透光性部材4とを具備している。
本発明の基体1は、Fe−Ni−Co合金やCu−W合金等の金属、またはアルミナ(Al)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,ムライト(3Al・2SiO)質焼結体等のセラミックスから成り、金属から成る場合、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって、例えば平面視形状が四角形状等の平板状の所定形状に製作される。
また、基体1が例えばAl質焼結体から成る場合以下のようにして作製される。Al,酸化珪素(SiO),酸化カルシウム(CaO),酸化マグネシウム(MgO)等の原料粉末に適当な有機バインダや可塑剤,分散剤,溶剤等を添加混合して泥漿状となす。これを従来周知のドクターブレード法でシート状となすことによって複数枚のセラミックグリーンシートを得る。しかる後、これらのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これらを積層して積層体とした後、還元雰囲気中で約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
基体1の上側主面には、LD,PD等の光半導体素子8が載置される載置部1aが形成されており、載置部1aには光半導体素子8が回路基板やサブキャリア等の載置用基台9を介して載置されている。
また、基体1の上側主面の外周部には、一側部に光信号の入出力部となる貫通孔2aを有する枠体2が載置部1aを取り囲むようにして接合されている。この枠体2は、基体1とともにその内側(内部空間)に光半導体素子8を収容する空所を形成する。
枠体2は、平面視形状が四角枠状等の枠状体であり、基体1と同様にFe−Ni−Co合金やCu−W合金等の金属、またはAl質焼結体,AlN質焼結体,3Al・2SiO質焼結体等のセラミックスから成り、基体1と一体成形されるか、または基体1に銀(Ag)ろう等のろう材でろう付けされるか、またはシーム溶接法等の溶接法により基体1に接合されることによって、基体1の上側主面の外周部に接合される。
枠体2の側部には貫通孔2aが形成されており、この貫通孔2aに、非球面レンズ5が内側に取着されたレンズ保持部材5aの一端部がその一端面を貫通穴2aの内側に位置させて嵌め込まれ、レンズ保持部材5aの外周面と貫通孔2aの内面とが金(Au)−錫(Sn)半田、鉛(Pb)−Sn半田等の低融点のろう材やガラス等の接着剤によって固定されている。
このレンズ保持部材5aは、ステンレス鋼(SUS),鉄(Fe)等の金属から成る筒状のものであり、金属のインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。
また、枠体2の外側面のレンズ保持部材5aの外周部には、レンズ保持部材5aの外周面との間に隙間10aを設けてレンズ保持部材5aを取り囲むように筒状の光ファイバ支持部材10がその一端と枠体2の外面とで接合されている。そして、この光ファイバ支持部材10の一端と反対側の他端には光ファイバ固定部材7を介して光ファイバ6が接合される。
このような光ファイバ支持部材10は、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る筒状のものであり、金属のインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。
光ファイバ支持部材10の厚みBは、図1に示すように、レンズ保持部材5aの厚みAよりも薄くなっているのがよい。この構成により、光ファイバ支持部材10の他端に光ファイバ固定部材7を溶接するときに発生する熱応力が加わっても、光ファイバ支持部材10の光ファイバ固定部材7側(他端側)が適度に変形することによって熱応力が低減される。また光ファイバ支持部材10の厚みBがレンズ保持部材5aの厚みAよりも薄いことによって、光ファイバ固定部材7を溶接するときに発生する光ファイバ支持部材10の変形による歪みは、光ファイバ支持部材10において有効に吸収させることができ、さらにレンズ保持部材5aの厚みAが光ファイバ支持部材10の厚みBよりも厚いことから、例え光ファイバ支持部材10の熱応力が枠体2を介してレンズ保持部材5aに伝わってもレンズ保持部材5aが歪むのを有効に防止できる。そのため、熱応力による歪みが非球面レンズ5とレンズ保持部材5aとの融着部へ伝わるのを有効に抑制し、この融着部にクラックが発生するのを効果的に抑制できる。
また、光ファイバ支持部材10よりも厚いレンズ保持部材5aにより、レンズ保持部材5aが光ファイバ支持部材10に光ファイバ固定部材7を溶接するときに加わる熱で変形され難くすることができ、レンズ保持部材5aに保持されるレンズの位置を一定の位置に保持し易くなるので、非球面レンズ5の位置精度を良好に維持することができる。
これらの結果、非球面レンズ5の透光性を良好に維持するとともに、光半導体素子8と光ファイバ6との光結合効率を良好に維持することができ、光信号を効率よく伝送させ得るパッケージとすることができる。
光ファイバ支持部材10の厚みBは0.25〜0.5mmであるのが好ましい。0.25mm未満では、光ファイバ支持部材10の剛性が低下して歪み等が加わった場合に極度に変形し易くなる。その結果、光ファイバ支持部材10の他端に光ファイバ固定部材7を溶接するときに発生する熱応力によって光ファイバ支持部材10が大きく変形してレンズ保持部材5aに接触し、レンズ保持部材5aに光ファイバ支持部材10との接触による応力が加わってしまって、非球面レンズ5とレンズ保持部材5aとの融着部にクラックが発生したり、光ファイバ支持部材10が変形して光軸がずれ易くなったりし、その結果、光損失が増大し易くなる。
また、0.5mmを超えると、光ファイバ支持部材10の剛性が高くなって適度な変形が困難になる傾向がある。その結果、光ファイバ支持部材10の他端に光ファイバ固定部材7を溶接するときに発生する熱応力が低減されず、低減されなかった熱応力が枠体2を介してレンズ保持部材5に伝わってしまい非球面レンズ5とレンズ保持部材5aとの融着部にクラックが発生し易くなる。
またレンズ保持部材5aは貫通孔2aの内側に嵌着された一端部でのみ固定されているため、レンズ保持部材5aの外側面と枠体2の貫通孔2aの内面との間のレンズ保持部材の5aの一端から0.3〜1mm程度の接合される部分の面積を最小限に抑えることができ、レンズ保持部材5aの接合時に枠体2との間に発生する熱膨張差による熱応力がレンズ保持部材5aの一端部以外に加わるのを抑え、その結果、非球面レンズ5にクラック等の破損が生ずるのを防止できる。
また、光ファイバ支持部材10は、レンズ保持部材5aの外周面との間に隙間10aを設けて接合されることにより、光ファイバ支持部材10に光ファイバ固定部材7を溶接する際の光ファイバ支持部材10の熱膨張による変形が、直接レンズ保持部材5aに加わるのを防止することができ、レンズ保持部材5aが歪まないようにすることができる。また、光ファイバ支持部材10と光ファイバ固定部材7との接合部からレンズ保持部材5aまでの熱伝達経路を枠体2の外側面を介するように長くすることができ、光ファイバ固定部材7を溶接する際の熱をレンズ保持部材5aに伝達し難くすることができ、レンズ保持部材5aが歪むのを有効に抑制できる。以上の結果、レンズ保持部材5aが歪むのを有効に抑制し、レンズ保持部材5aの内側に取着された非球面レンズ5にクラック等の破損が生ずるのを有効に防止することができる。
光ファイバ支持部材10の内周面とレンズ保持部材5aの外周面との間の隙間10aの幅は、0.1〜1mmであるのがよい。幅が0.1mm未満であると、枠体2の外面と光ファイバ支持部材10とを接合するためのろう材が毛細管現象によって隙間10aに流れ込んで隙間10aがろう材で埋まり易くなり、レンズ保持部材5aに加わる熱応力を低減する効果が小さくなる。また、幅が1mmを超えると、光ファイバ支持部材10の直径を必要以上に大きくする必要があり、それに伴って光ファイバ支持部材10に固定部材7を溶接接合する際に発生する固定部材7と光ファイバ支持部材10との熱膨張差が大きくなって、光ファイバ支持部材10が大きく変形し易くなる。
さらに好ましくは、図2に示す本発明のパッケージおよびこのパッケージを用いた光半導体装置の実施の形態の他の例のように、貫通孔2aは、枠体2の外面側の開口の周囲と貫通孔2aの内面との間に全周にわたって段差が形成されており、レンズ保持部材5aは、この段差にその一端部が嵌着されて接合されているのがよい。これにより、レンズ保持部材5aをより精度よく枠体2に取り付けて非球面レンズ5の位置精度を著しく向上させることができ、光ファイバ6と光半導体素子8との光結合効率をより向上させることができる。
また、貫通孔2aの内周面とレンズ保持部材5aの内周面とを面一にすれば、光半導体素子8から発せられた後に透光性部材4を透過して貫通孔2aに入射してきた光が、レンズ保持部材5aの端面によって遮られることなくすべて非球面レンズ5に入射するようにできるので、光の損失を有効に抑制することができる。
またさらに好ましくは、枠体2の外面の光ファイバ支持部材10が接合される部位に、光ファイバ支持部材10に嵌合する光ファイバ支持部材10の外側面の形状に沿った凹部が形成され、この凹部に光ファイバ支持部材10が嵌め込まれて接合されるのがよい。この構成により、枠体2に対し光ファイバ支持部材10を容易にかつ正確に位置合わせすることができ、光ファイバ支持部材10の内周面とレンズ保持部材5aの外周面との間に隙間10aを確実に設けた状態で光ファイバ支持部材10の一端を接合することができる。
そして、枠体2の内面の貫通孔2aの開口の周囲には、透光性部材4がろう付けされている。透光性部材4は、ガラスやサファイア等から成る円板状等の板状のものであり、一主面の外周部に全周にわたって金属層が形成されており、この金属層と枠体2の内面とをAgろう,Au−Sn半田,Pb−Sn半田等を介してろう付けすることによって、枠体2の内側が気密に接合される。
このような金属層は、従来周知のモリブデン(Mo)やマンガン(Mn)等から成るメタライズ層の表面にNi層やAu層をめっき法等により被着されたもの、または、真空蒸着法等により形成されたチタン(Ti)層またはクロム(Cr)層から成る下地層に白金(Pt)層やAu層がめっき法等により順次被着されたものである。さらに、透光性部材4の主面の光信号透過部は光学研磨が施され、透過する光信号の波長に合わせて材料、厚みが適宜選択された多層の誘電体層から成る反射防止層が施されていることが好ましい。
本発明のパッケージは、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る枠状や円筒状の中央部に光ファイバ6が固定された光ファイバ固定部材7の一端を、光ファイバ支持部材10の他端にレーザ溶接法等の溶接によって接合することにより、光ファイバ6が光ファイバ固定部材7および光ファイバ支持部材10を介して枠体2の一側部に設けられる。これにより、光ファイバ6を介してパッケージ内部に収容する光半導体素子8と外部との光信号の授受が可能となる。
そして、光半導体素子8を透光性部材4および非球面レンズ5を介して光ファイバ6に光学的に結合するようにして載置部1aに載置するとともに、光半導体素子8の電極を外部電気回路基板の電気回路に電気的に接続し、しかる後、枠体2の上面に枠体2の内側を塞ぐようにFe−Ni−Co合金等の金属やセラミックス等から成る蓋体3を半田付け法やシームウエルド法,樹脂接着剤等により取着することにより、製品としての光半導体装置となる。
この光半導体装置は、外部電気回路から供給される電気信号によって光半導体素子8に光を励起させ、この光を透光性部材4、非球面レンズ5、光ファイバ6の順に透過させ、光ファイバ6を介して外部に伝送することによって、高速光通信等に使用される。または、外部から光ファイバ6によって伝送されてくる光信号を、非球面レンズ5、透光性部材4を透過させ、光半導体素子8に受光させて光信号を電気信号に変換することによって、高速光通信等に使用される。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
本発明の光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置の実施の形態の例を示す断面図である。 本発明の光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。 従来の光半導体素子収納用パッケージの例を示す断面図である。
符号の説明
1:基体
1a:載置部
2:枠体
2a:貫通孔
3:蓋体
4:透光性部材
5:非球面レンズ
5a:レンズ保持部材
6:光ファイバ
7:光ファイバ固定部材
8:光半導体素子
10:光ファイバ支持部材
10a:隙間

Claims (3)

  1. 上側主面に光半導体素子を載置するための載置部を有する基体と、該基体の前記上側主面の外周部に前記載置部を取り囲むように接合され、側部に貫通孔を有する枠体と、非球面レンズが内側に取着され、一端部が前記貫通孔の内側に嵌着された金属から成る筒状のレンズ保持部材と、一端が前記枠体の外面の前記レンズ保持部材の外周側に前記レンズ保持部材を取り囲むように前記レンズ保持部材の外周面との間に隙間を設けて接合されるとともに、他端に光ファイバ固定部材を介して光ファイバが接合される筒状の光ファイバ支持部材と、前記枠体の内面の前記貫通孔の開口の周囲に接合された透光性部材とを具備していることを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
  2. 前記貫通孔は、前記枠体の外面側の開口の周囲と前記貫通孔の内面との間に全周にわたって段差が形成されており、前記レンズ保持部材は、前記段差に一端部が嵌着されて接合されていることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子収納用パッケージ。
  3. 請求項1または請求項2記載の光半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置された光半導体素子と、前記枠体の上面に前記枠体の内側を塞ぐように取着された蓋体と、前記光ファイバ支持部材の前記他端に前記光ファイバ固定部材を介して接合された光ファイバとを具備していることを特徴とする光半導体装置。
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