JP2003176318A - ラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶液の増粘性に優れる重合体、該重合体を
形成し得るイミダゾリン構造を有するラジカル重合性単
量体および該単量体の合成方法の提供。 【解決手段】 下記化学式(1)で表されるラジカル重
合性2−イミダゾリン誘導体またはその塩。 【化1】 (式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素
数7以上のアルキル基を、R2 は二価の有機残基を、R
は水素原子またはメチル基を示し、またnは2また
は3を示す。) また、下記化学式(2)で表される2−イミダゾリン化
合物と化学式(3)で表される二塩基酸無水物を反応さ
せて得られるカルボキシル基含有化合物に、(メタ)ア
クリル酸グリシジルを付加反応させることを特徴とする
前記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−イミダ
ゾリン誘導体の製造方法。 【化2】 (式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素
数7以上のアルキル基を示す。また、nは2または3を
示す。) 【化3】 (式中、R2 は二価の有機残基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なラジカル重
合性2−イミダゾリン誘導体、その製造方法および該誘
導体に基づく単位を構成単位とする重合体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】2位に長鎖アルキル基を
有する2−イミダゾリンは、界面活性剤、殺菌剤などと
して重要であることが知られており(米国特許第2,355,
837 号明細書および米国特許第2,528,378 号明細書
等)、例えば化粧品原料として日本油脂株式会社により
ニッサンアノンGLM−Rの商品名で市販されている。
かかる特徴を有する前記2−イミダゾリン構造が分子鎖
中に導入された重合体も有用な化学物質と予想されるも
のの、未だ該重合体を合成したという報告はされていな
い。また、前記2−イミダゾリン構造を有しかつラジカ
ル重合性基を有する化合物も知られていないのが現状で
ある。
【0003】実際、特開2001−106732号およ
び特開平8−252447号公報等に記載されているよ
うに、疎水性置換基と親水性置換基を併せ持つ重合体
は、 化粧品、塗料および電子情報材料等の分野において
粘度調節剤、帯電防止剤等として使用されているとお
り、工業上重要である。本発明は、2位に長鎖アルキル
基を有する2−イミダゾリン構造を含有するラジカル重
合性単量体を合成し、次いでこれを他の共重合性単量体
と重合させることにより、2位に長鎖アルキル基を有す
る2−イミダゾリン構造を含有する重合体を提供するこ
とを目的とした。上記ラジカル重合性単量体を得る手段
として当業者が比較容易に着想する手段は、下記化学式
(2)で表される2−イミダゾリン化合物と、該イミダ
ゾリン化合物におけるアミン基に付加反応するグリシジ
ル基とラジカル重合性(メタ)アクリロイル基の双方を
1分子中に有する化合物例えば( メタ) アクリル酸グリ
シジルとを反応させることである。しかしながら、その
手段を実際に適用して得られた生成物は、ラジカル重合
性基を有する目的化合物以外の非重合性の不純物を多量
に含むものであった。
【0004】
【化4】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、さらに鋭意検討を重ねた結果、出発
物質として前記化学式(2)で示される2位に長鎖アル
キル基を有するイミダゾリン化合物を用い、これと特定
のカルボン酸無水物を反応させた後、得られる化合物と
(メタ) アクリル酸グリシジルとの反応を行なうことに
より、高純度に前記化学式(1)で表されるラジカル重
合性単量体が得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0006】すなわち、本発明における第1発明は、下
記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−イミダゾ
リン誘導体またはその塩であり、
【化5】 (式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素
数7以上のアルキル基を、R2 は二価の有機残基を、R
は水素原子またはメチル基を示し、またnは2また
は3を示す。) 第2発明は、下記化学式(2)で表される2−イミダゾ
リン化合物と化学式(3)で表される二塩基酸無水物を
反応させて得られるカルボキシル基含有化合物に、(メ
タ)アクリル酸グリシジルを付加反応させることを特徴
とする前記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−
イミダゾリン誘導体の製造方法であり、
【化6】 (式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素
数7以上のアルキル基を示す。また、nは2または3を
示す。)
【化7】 (式中、R2 は二価の有機残基を示す。) 第3発明は、前記化学式(1)で表されるラジカル重合
性2−イミダゾリン誘導体および/またはその塩と他の
共重合性単量体を共重合することを特徴とする親水性共
重合体の製造方法である。以下、本発明についてさらに
詳しく説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】○ラジカル重合性2−イミダゾリ
ンおよびその製造方法 本発明で使用する前記一般式(2)で表される2−イミ
ダゾリン化合物(以下長鎖アルキル置換2−イミダゾリ
ンいう)は市販のものを使用しても良く、または特開平
2−306966号公報、特公昭49−11701号公
報、米国特許第2,355,837号明細書等に記載の
方法によって製造したものを未精製のまま、あるいは精
製した後使用しても良い。
【0008】N−(2−アミノエチル)エタノールアミ
ンとカルボン酸との脱水反応による2−イミダゾリン化
合物の製造法について説明すると、脱水反応は反応式は
以下のようになる。ここで、イミダゾリン化合物中のR
1 は、使用するカルボン酸の有機残基と同一の置換基で
ある。
【0009】
【化8】
【0010】上記反応において使用し得るカルボン酸は
炭素数8以上の脂肪酸であり、具体的には、オクタン
酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの飽和高級脂肪酸、
並びに3−オクテン酸、3−デセン酸、9−デセン酸、
パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、ドコサヘ
キサエン酸などの不飽和高級脂肪酸等が挙げられる。本
発明において好ましくは、入手容易な点で、ラウリン
酸、ステアリン酸およびオレイン酸である。
【0011】本発明においては、上記方法等によって得
られる長鎖アルキル置換2−イミダゾリンと前記化学式
(3)で表される二塩基酸無水物とを反応させて、カル
ボキシル基が導入された中間体(前記カルボキシル基含
有化合物と同一)を製造する。この反応における両者の
モル比に関しては、化学量論的には1:1であるが、反
応効率等を勘案して、モル比0.8〜1.0:1.0〜
0.8の範囲で実施することが好ましい。反応は溶媒中
で行なうことができ、使用可能な好ましい溶媒は、反応
の進行を妨げるものでなければ良く、具体的にはメチル
エチルケトン、1,4−ジオキサン、トルエン、クロロ
ホルム、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、
N-メチルピロリドンおよびこれらの混合溶媒が挙げられ
る。好ましい反応温度は−20℃〜100℃であり、さ
らに好ましくは0℃〜80℃である。好ましい反応時間
は、通常数時間から数十時間である。
【0012】上記の反応で得られるカルボキシル基が導
入された中間体は、未精製のまままたは常法による精製
後、つぎの(メタ)アクリル酸グリシジルエステルとの
反応に使用することができる。この反応で使用する( メ
タ) アクリル酸グリシジルエステルの好ましい量は、先
に使用した二塩基酸無水物に対して、モル比で0.5倍
以上であり、さらに好ましくは0.8倍以上である。(
メタ) アクリル酸グリシジルエステルの使用量がそれら
の範囲より少ない場合は、反応生成物のラジカル重合性
が劣る。この反応も、前記の長鎖アルキル置換2−イミ
ダゾリンと二塩基酸無水物との反応と同様な溶媒中で行
うことが好ましい。さらに反応に際し、本発明の効果を
損なわない範囲でテトラ-n- ブチルアンモニウムブロミ
ド等の反応触媒およびハイドロキノンモノメチルエーテ
ル等の重合禁止剤を反応液に添加しても良い。好ましい
反応温度は、室温〜150℃であり、さらに好ましくは
50℃〜100℃である。反応温度が低すぎる場合は、
反応の進行が遅く、反応温度が高すぎる場合には、原料
または生成物の分解や重合反応などが進行し易くなる。
好ましい反応時間は数時間〜数十時間である。
【0013】上記の操作によって目的とする前記化学式
(1)で表されるラジカル重合性2−イミダゾリン誘導
体(以下イミダゾリン含有単量体という)を合成するこ
とができるが、本発明においては該誘導体における塩基
部分を酸で中和させることにより誘導体の塩を形成する
ことが好ましい。すなわち、イミダゾリン化合物は自身
の塩基性により容易に加水分解を受けることが知られて
いるが、酸を加えて塩を形成することにより安定性を向
上させることができる。2−イミダゾリン誘導体を単量
体単位とする重合体を得ようと擦る場合も、同様な理由
により塩型のイミダゾリン誘導体を用いることが好まし
い。中和用の酸は、特に限定されず、塩酸、硫酸、リン
酸、クエン酸、ギ酸、酢酸等が好ましく使用でき、ギ酸
および酢酸が特に好適である。
【0014】○イミダゾリン含有単量体を単量体単位と
して含有する重合体 この重合体は、上記の製造方法により得られるイミダゾ
リン含有単量体およびこれと共重合可能な単量体と共重
合させることにより製造される。共重合の方法は特に限
定されるものではなく、たとえば、ラジカル開始剤を用
いる方法、紫外線を用いる方法、電子線を用いる方法、
加熱による方法などの公知の重合方法を用いることがで
きる。共重合可能な好ましい化合物は、単官能または多
官能のアクリル酸誘導体、単官能または多官能のメタク
リル酸誘導体、スチレン誘導体などの公知の重合性化合
物であり、これらを一種または二種以上用いることがで
きる。イミダゾリン含有単量体は、長鎖アルキルまたは
アルケニル基の疎水性置換基を有しており、 これを親水
性単量体との共重合を行うことにより、 疎水性置換基と
親水性置換基を併せ持つ親水性共重合体を調製すること
ができる。該共重合体は後記のとおり、多様に用途を有
しておりかつ他の親水性重合体に見られない優れた物性
を有している。
【0015】イミダゾリン含有単量体と共重合させるの
に好適な親水性単量体としては、N−ビニルピロリド
ン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモ
ニウムクロリド、(3−メタクリルアミドプロピル)ト
リメチルアンモニウムクロリド、(3−メタクリルアミ
ドプロピル)トリメチルアンモニウムメチル硫酸塩、N
−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウ
ム・α−N−メチルカルボキシベタイン、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート・ジエチル硫酸塩、2
−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、塩化
ジメチルジアリルアンモニウムおよびポリエチレングリ
コールジメタクリレート等が挙げられる。
【0016】○本発明の親水性共重合体の用途例 本発明のイミダゾリン含有単量体と上記親水性単量体を
共重合して得られる共重合体は、増粘性、乳化安定性、
保湿性、 毛髪に対するトリートメント効果などの特徴を
有しており、シャンプー、リンス、ジェル状整髪料、化
粧水、クリーム、乳液、パックなどの化粧料組成物に配
合することができる。上記用途に好適な親水性共重合体
は、全構成単位の合計量を基準にしてイミダゾリン含有
単量体単位を0.1〜50質量%含むものであり、さら
に好ましくは該単量体単位を0.5〜40質量%含むも
のであり、特に好ましくは該単量体単位を1〜30質量
%含むものである。イミダゾリン含有単量体単位の含有
量が少な過ぎると共重合体の増粘性等が発現せず、 含有
量が多すぎると共重合体の水溶性が低下する。親水性共
重合体を香粧品に配合する場合に、所望により増粘剤、
保湿剤、 トリートメント剤、抗酸化剤、 防腐剤、香料、
界面活性剤などの公知の香粧品原料も併用できる。以
下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
【0017】
【実施例1】オレイン酸およびジエチレントリアミンを
原料として、常法により調製した下記化学式(4)の1−
アミノエチル−2−(8−cis−ヘプタデセニル)−
2−イミダゾリンに、コハク酸無水物を反応させ、引き
続いてメタクリル酸グリシジルを反応させ、さらに酢酸
を加えて中和して、本発明のラジカル重合性2−イミダ
ゾリン誘導体(塩型)を合成した。
【0018】
【化9】
【0019】日本油脂( 株) 製オレイン酸(商品名:N
AA−34)56.5g(0.20mol)にジエチレ
ントリアミン41.3g(0.40mol)を加え、1
60℃に加熱し、生成した水を留去しながら3時間攪拌
した。さらに、減圧下(5〜20mmHg)、180℃
で5時間攪拌し、揮発分を留去した。つぎに、反応生成
物をメチルエチルケトン135gに溶解し、コハク酸無
水物20.0g(0.20mol)を加え、室温で18
時間反応後、グリシジルメタクリレート28.4g
(0.20mol)を加え、空気気流下、70℃で3時
間攪拌した。放冷後、酢酸12.0g(0.20mo
l)を加えて中和することにより、本発明のラジカル重
合性2−イミダゾリン誘導体(塩型)を調製した。得ら
れた反応溶液の重量は256gであった。得られたメチ
ルエチルケトン溶液を120℃で90分間加熱した際の
蒸発残分は39.6%であった。以下の実施例における
重合反応の原料としては、このメチルエチルケトン溶液
をそのまま用いた。このメチルエチルケトン溶液の一部
を減圧乾燥して得た目的生成物について、元素分析およ
び赤外線吸収スペクトル(KBrペレット法)の測定を
行った。元素分析結果は、C63.3%、H9.3%、
N4.2%であった。赤外線吸収ピークは次の波数(c
-1)で認められた。 波数(cm-1):3260,2
920,2850,1720,1640,1610,1
550,1450,1400,1380,1290,1
240,1160,940,810,720。
【0020】
【実施例2】実施例1で合成したラジカル重合性2−イ
ミダゾリン誘導体(塩型)(以下本発明単量体という)
と(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニ
ウムクロリドとの共重合を反応質量比15:85で行な
った。具体的な合成法は以下のとおりである。本発明単
量体のメチルエチルケトン溶液7.58g、(3−アク
リルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド
の75%水溶液(東京化成工業製)22.7g、イソプ
ロピルアルコール30gおよびAIBN40mgに、窒
素ガスを15分間導入した後、55℃で3時間攪拌し
た。つぎに、70℃に昇温し、さらに3時間反応させ
た。放冷後、アセトン450mlを加えて、分散後、デ
カンテーションにより生成した沈殿物を回収した。さら
に、アセトン450mlを加えて、分散後、デカンテー
ションにより生成した粉末を回収した。つぎに、アセト
ン450mlを加えて、分散後、窒素気流下で濾過し、
減圧乾燥することにより、淡黄色粉末状の重合物 1
9.1gを得た。得られた重合物を150℃で2時間乾
燥した時の蒸発残分は95.8%であった。また、得ら
れた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により
粘度を測定した結果を表1に示した。
【0021】
【実施例3】実施例2と同様の操作により、本発明単量
体と(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモ
ニウムクロリドとの共重合を反応重量比20:80で行
なった(収率91%)。また、得られた重合体の適量を
蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果
を表1に示した。
【0022】
【実施例4】実施例2と同様の操作により、本発明単量
体と(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモ
ニウムクロリドとの共重合を反応重量比25:75で行
なった(収率92%)。また、得られた重合体の適量を
蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果
を表1に示した。
【0023】
【実施例5】実施例2と同様の操作により、本発明単量
体と(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモ
ニウムクロリドとの共重合を反応重量比30:70で行
なった(収率89%)。また、得られた重合体の適量を
蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果
を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【実施例6】本発明単量体のメチルエチルケトン溶液
0.30g、40%アクリルアミド水溶液5.00gと
2−(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート
塩化物4.00g、蒸留水6g、イソプロピルアルコー
ル5gおよびAIBN30mgを窒素雰囲気下、55℃
で4時間反応させた。放冷後、アセトン200mlを加
えて、分散後、デカンテーションにより生成した粉末を
回収した。さらに、アセトン200mlを加えて、分散
後、デカンテーションにより生成した粉末を回収した。
つぎに、アセトン200mlを加えて、分散後、窒素気
流下で濾過し、減圧乾燥することにより、淡黄色粉末状
の重合物4.75g(収率78%)を得た。得られた重
合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を
測定した結果を表2に示した。
【0026】
【比較例1】本発明単量体を使用しない以外は、実施例
6と同様の操作を行ない、アクリルアミドと2−(トリ
メチルアンモニウム)エチルメタクリレート塩化物との
共重合体を得た(収率90%)。得られた重合体の適量
を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結
果を表2に示した。
【0027】
【実施例7】本発明単量体のメチルエチルケトン溶液
0.25g、N−ビニルピロリドン4.00g、2−
(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート塩化
物1.00g、蒸留水2g、イソプロピルアルコール8
gおよびAIBN10mgを窒素雰囲気下、65℃で3
時間反応させた。放冷後、アセトン500mlを加え
て、分散後、デカンテーションにより生成した粉末を回
収した。つぎに、アセトン500mlを加えて、分散
後、窒素気流下で濾過し、減圧乾燥することにより、淡
黄色粉末状の重合物1.10g(収率22%)を得た。
得られた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計に
より粘度を測定した結果を表3に示した。
【0028】
【比較例2】本発明単量体を使用しない以外は、実施例
7と同様の操作を行ない、N−ビニルピロリドンと2−
(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート塩化
物との共重合体を得た(収率22%)。得られた重合体
の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定
した結果を表3に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表2および表3の結果から、本発明の重合
性2−イミダゾリン誘導体を単量体単位として含有する
重合体は、本発明の重合性2−イミダゾリン誘導体を含
まない重合体に比べ、水溶液に対する増粘効果が高いこ
とがわかる。
【0032】
【実施例11】本発明単量体のメチルエチルケトン溶液
25.3g、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチ
ルアンモニウムクロリドの75%水溶液(東京化成工業
製)33.3g、N,N−ジメチルアクリルアミド1
5.0g、イソプロピルアルコール100gおよびAI
BN100mgに、窒素ガスを15分間導入した後、5
5℃で3時間攪拌した。つぎに、70℃に昇温し、さら
に3時間反応させた。放冷後、アセトン1000mlを
加えて、分散後、デカンテーションにより生成した沈殿
物を回収した。さらに、アセトン600mlを加えて、
分散後、デカンテーションにより沈殿物を回収した。つ
ぎに、アセトン600mlを加えて、分散後、窒素気流
下で濾過し、減圧乾燥することにより、淡黄色粉末状の
重合物40.8gを得た。得られた重合物を150℃で
2時間乾燥した時の蒸発残分は97.5%であった。得
られた重合体を2.0重量%となるように溶解した水溶
液の粘度(B型粘度計、単位:mPa/s、25℃)
は、80であった。
【0033】
【実施例12】実施例3で得られた共重合体を用いて、
下記成分A、成分Bおよび成分Cからなるヘアトリート
メントを調製した。すなわち、成分Cを50℃で均一に
溶解した後、成分Bを加えて均一に溶解した。放冷後、
成分Aを均一に溶解した溶液を加えて攪拌しヘアートリ
ートメントを得た。各成分の組成は全体で100質量%
である。 (成分A) 質量% モノオレイン酸ポリオキシエチレンソリビタン(20EO) 1.0 セタノール 0.5 ミリスチン酸イソプロピル 0.5 パラオキシ安息香酸エチル 0.05 香料 0.2 エタノール 12.0 (成分B) グリセリン 2.0 ローズマリー抽出液 0.5 アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1 リン酸水素二ナトリウム2水和物 0.1 (成分C) 実施例3で得られた共重合体 2.5 精製水 残り
【0034】
【実施例13】実施例11で得られた共重合体を用い、
下記組成のシャンプーを調製した。すなわち、成分A、
成分Bをそれぞれ70℃で均一の溶液に溶解した後、成
分Bを成分Aに加えて均一に分散するこでシャンプーを
得た。 (成分A) 質量% ポオキシエチレン(3)ラウリル硫酸ナトリウム 15.0 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 5.0 プロピレングリコール 2.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 2.0 ポリオキシエチレン(6)モノオレート 0.5 1,3−ブチレングリコール 2.0 リン酸二水素ナトリウム 0.8 精製水 55.0 (成分B) 実施例11で得られた共重合体 0.4 精製水 残り
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ラジカル重合性基を有
する本発明単量体が高収率で合成することができ、かつ
該単量体を他の共重合性単量体と共重合して得られる重
合体は重合度が同等の他の重合体と比較して水溶液粘度
が高く、増粘剤、保湿剤および乳化安定剤等として種々
な用途に使用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式(1)で表されるラジカル重
    合性2−イミダゾリン誘導体またはその塩。 【化1】 (式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素
    数7以上のアルキル基を、R2 は二価の有機残基を、R
    は水素原子またはメチル基を示し、またnは2また
    は3を示す。)
  2. 【請求項2】 下記化学式(2)で表される2−イミダ
    ゾリン化合物と化学式(3)で表される二塩基酸無水物
    を反応させて得られるカルボキシル基含有化合物に、
    (メタ)アクリル酸グリシジルを付加反応させることを
    特徴とする前記化学式(1)で表されるラジカル重合性
    2−イミダゾリン誘導体の製造方法。 【化2】 (式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素
    数7以上のアルキル基を示す。また、nは2または3を
    示す。) 【化3】 (式中、R2 は二価の有機残基を示す。)
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法により製造される
    ラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体を酸で中和する
    ことを特徴とする前記誘導体の塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記化学式(1)で表されるラジカル重
    合性2−イミダゾリン誘導体および/またはその塩と他
    の共重合性単量体を共重合することを特徴とする親水性
    共重合体の製造方法。
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