JP3780928B2 - ラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体、その製造方法および該誘導体に基づく単位を構成単位とする重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
2位に長鎖アルキル基を有する2−イミダゾリンは、界面活性剤、殺菌剤などとして重要であることが知られており(米国特許第2,355,837 号明細書および米国特許第2,528,378 号明細書等)、例えば化粧品原料として日本油脂株式会社によりニッサンアノンGLM−Rの商品名で市販されている。
かかる特徴を有する前記2−イミダゾリン構造が分子鎖中に導入された重合体も有用な化学物質と予想されるものの、未だ該重合体を合成したという報告はされていない。また、前記2−イミダゾリン構造を有しかつラジカル重合性基を有する化合物も知られていないのが現状である。
【0003】
実際、特開2001−106732号および特開平8−252447号公報等に記載されているように、疎水性置換基と親水性置換基を併せ持つ重合体は、 化粧品、塗料および電子情報材料等の分野において粘度調節剤、帯電防止剤等として使用されているとおり、工業上重要である。
本発明は、2位に長鎖アルキル基を有する2−イミダゾリン構造を含有するラジカル重合性単量体を合成し、次いでこれを他の共重合性単量体と重合させることにより、2位に長鎖アルキル基を有する2−イミダゾリン構造を含有する重合体を提供することを目的とした。
上記ラジカル重合性単量体を得る手段として当業者が比較容易に着想する手段は、下記化学式(2)で表される2−イミダゾリン化合物と、該イミダゾリン化合物におけるアミン基に付加反応するグリシジル基とラジカル重合性(メタ)アクリロイル基の双方を1分子中に有する化合物例えば( メタ) アクリル酸グリシジルとを反応させることである。しかしながら、その手段を実際に適用して得られた生成物は、ラジカル重合性基を有する目的化合物以外の非重合性の不純物を多量に含むものであった。
【0004】
【化4】
Figure 0003780928
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、さらに鋭意検討を重ねた結果、出発物質として前記化学式(2)で示される2位に長鎖アルキル基を有するイミダゾリン化合物を用い、これと特定のカルボン酸無水物を反応させた後、得られる化合物と (メタ) アクリル酸グリシジルとの反応を行なうことにより、高純度に前記化学式(1)で表されるラジカル重合性単量体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明における第1発明は、下記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体またはその塩であり、
【化5】
Figure 0003780928
(式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素数7以上のアルキル基を、R2 は二価の有機残基を、R は水素原子またはメチル基を示し、またnは2または3を示す。)
第2発明は、下記化学式(2)で表される2−イミダゾリン化合物と化学式(3)で表される二塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有化合物に、(メタ)アクリル酸グリシジルを付加反応させることを特徴とする前記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体の製造方法であり、
【化6】
Figure 0003780928
(式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素数7以上のアルキル基を示す。また、nは2または3を示す。)
【化7】
Figure 0003780928
(式中、R2 は二価の有機残基を示す。)
第3発明は、前記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体および/またはその塩と他の共重合性単量体を共重合することを特徴とする親水性共重合体の製造方法である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
○ラジカル重合性2−イミダゾリンおよびその製造方法
本発明で使用する前記一般式(2)で表される2−イミダゾリン化合物(以下長鎖アルキル置換2−イミダゾリンいう)は市販のものを使用しても良く、または特開平2−306966号公報、特公昭49−11701号公報、米国特許第2,355,837号明細書等に記載の方法によって製造したものを未精製のまま、あるいは精製した後使用しても良い。
【0008】
N−(2−アミノエチル)エタノールアミンとカルボン酸との脱水反応による2−イミダゾリン化合物の製造法について説明すると、脱水反応は反応式は以下のようになる。ここで、イミダゾリン化合物中のR1 は、使用するカルボン酸の有機残基と同一の置換基である。
【0009】
【化8】
Figure 0003780928
【0010】
上記反応において使用し得るカルボン酸は炭素数8以上の脂肪酸であり、具体的には、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの飽和高級脂肪酸、並びに3−オクテン酸、3−デセン酸、9−デセン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、ドコサヘキサエン酸などの不飽和高級脂肪酸等が挙げられる。本発明において好ましくは、入手容易な点で、ラウリン酸、ステアリン酸およびオレイン酸である。
【0011】
本発明においては、上記方法等によって得られる長鎖アルキル置換2−イミダゾリンと前記化学式(3)で表される二塩基酸無水物とを反応させて、カルボキシル基が導入された中間体(前記カルボキシル基含有化合物と同一)を製造する。この反応における両者のモル比に関しては、化学量論的には1:1であるが、反応効率等を勘案して、モル比0.8〜1.0:1.0〜0.8の範囲で実施することが好ましい。
反応は溶媒中で行なうことができ、使用可能な好ましい溶媒は、反応の進行を妨げるものでなければ良く、具体的にはメチルエチルケトン、1,4−ジオキサン、トルエン、クロロホルム、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンおよびこれらの混合溶媒が挙げられる。
好ましい反応温度は−20℃〜100℃であり、さらに好ましくは0℃〜80℃である。好ましい反応時間は、通常数時間から数十時間である。
【0012】
上記の反応で得られるカルボキシル基が導入された中間体は、未精製のまままたは常法による精製後、つぎの(メタ)アクリル酸グリシジルエステルとの反応に使用することができる。
この反応で使用する( メタ) アクリル酸グリシジルエステルの好ましい量は、先に使用した二塩基酸無水物に対して、モル比で0.5倍以上であり、さらに好ましくは0.8倍以上である。( メタ) アクリル酸グリシジルエステルの使用量がそれらの範囲より少ない場合は、反応生成物のラジカル重合性が劣る。
この反応も、前記の長鎖アルキル置換2−イミダゾリンと二塩基酸無水物との反応と同様な溶媒中で行うことが好ましい。さらに反応に際し、本発明の効果を損なわない範囲でテトラ-n- ブチルアンモニウムブロミド等の反応触媒およびハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合禁止剤を反応液に添加しても良い。
好ましい反応温度は、室温〜150℃であり、さらに好ましくは50℃〜100℃である。反応温度が低すぎる場合は、反応の進行が遅く、反応温度が高すぎる場合には、原料または生成物の分解や重合反応などが進行し易くなる。好ましい反応時間は数時間〜数十時間である。
【0013】
上記の操作によって目的とする前記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体(以下イミダゾリン含有単量体という)を合成することができるが、本発明においては該誘導体における塩基部分を酸で中和させることにより誘導体の塩を形成することが好ましい。すなわち、イミダゾリン化合物は自身の塩基性により容易に加水分解を受けることが知られているが、酸を加えて塩を形成することにより安定性を向上させることができる。2−イミダゾリン誘導体を単量体単位とする重合体を得ようと擦る場合も、同様な理由により塩型のイミダゾリン誘導体を用いることが好ましい。
中和用の酸は、特に限定されず、塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、酢酸等が好ましく使用でき、ギ酸および酢酸が特に好適である。
【0014】
○イミダゾリン含有単量体を単量体単位として含有する重合体
この重合体は、上記の製造方法により得られるイミダゾリン含有単量体およびこれと共重合可能な単量体と共重合させることにより製造される。
共重合の方法は特に限定されるものではなく、たとえば、ラジカル開始剤を用いる方法、紫外線を用いる方法、電子線を用いる方法、加熱による方法などの公知の重合方法を用いることができる。
共重合可能な好ましい化合物は、単官能または多官能のアクリル酸誘導体、単官能または多官能のメタクリル酸誘導体、スチレン誘導体などの公知の重合性化合物であり、これらを一種または二種以上用いることができる。
イミダゾリン含有単量体は、長鎖アルキルまたはアルケニル基の疎水性置換基を有しており、 これを親水性単量体との共重合を行うことにより、 疎水性置換基と親水性置換基を併せ持つ親水性共重合体を調製することができる。該共重合体は後記のとおり、多様に用途を有しておりかつ他の親水性重合体に見られない優れた物性を有している。
【0015】
イミダゾリン含有単量体と共重合させるのに好適な親水性単量体としては、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、(3−メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、(3−メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチル硫酸塩、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート・ジエチル硫酸塩、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、塩化ジメチルジアリルアンモニウムおよびポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
【0016】
○本発明の親水性共重合体の用途例
本発明のイミダゾリン含有単量体と上記親水性単量体を共重合して得られる共重合体は、増粘性、乳化安定性、保湿性、 毛髪に対するトリートメント効果などの特徴を有しており、シャンプー、リンス、ジェル状整髪料、化粧水、クリーム、乳液、パックなどの化粧料組成物に配合することができる。
上記用途に好適な親水性共重合体は、全構成単位の合計量を基準にしてイミダゾリン含有単量体単位を0.1〜50質量%含むものであり、さらに好ましくは該単量体単位を0.5〜40質量%含むものであり、特に好ましくは該単量体単位を1〜30質量%含むものである。イミダゾリン含有単量体単位の含有量が少な過ぎると共重合体の増粘性等が発現せず、 含有量が多すぎると共重合体の水溶性が低下する。
親水性共重合体を香粧品に配合する場合に、所望により増粘剤、保湿剤、 トリートメント剤、抗酸化剤、 防腐剤、香料、界面活性剤などの公知の香粧品原料も併用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0017】
【実施例1】
オレイン酸およびジエチレントリアミンを原料として、常法により調製した下記化学式(4)の1−アミノエチル−2−(8−cis−ヘプタデセニル)−2−イミダゾリンに、コハク酸無水物を反応させ、引き続いてメタクリル酸グリシジルを反応させ、さらに酢酸を加えて中和して、本発明のラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体(塩型)を合成した。
【0018】
【化9】
Figure 0003780928
【0019】
日本油脂( 株) 製オレイン酸(商品名:NAA−34)56.5g(0.20mol)にジエチレントリアミン41.3g(0.40mol)を加え、160℃に加熱し、生成した水を留去しながら3時間攪拌した。さらに、減圧下(5〜20mmHg)、180℃で5時間攪拌し、揮発分を留去した。つぎに、反応生成物をメチルエチルケトン135gに溶解し、コハク酸無水物20.0g(0.20mol)を加え、室温で18時間反応後、グリシジルメタクリレート28.4g(0.20mol)を加え、空気気流下、70℃で3時間攪拌した。放冷後、酢酸12.0g(0.20mol)を加えて中和することにより、本発明のラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体(塩型)を調製した。得られた反応溶液の重量は256gであった。得られたメチルエチルケトン溶液を120℃で90分間加熱した際の蒸発残分は39.6%であった。
以下の実施例における重合反応の原料としては、このメチルエチルケトン溶液をそのまま用いた。このメチルエチルケトン溶液の一部を減圧乾燥して得た目的生成物について、元素分析および赤外線吸収スペクトル(KBrペレット法)の測定を行った。
元素分析結果は、C63.3%、H9.3%、N4.2%であった。赤外線吸収ピークは次の波数(cm-1)で認められた。 波数(cm-1):3260,2920,2850,1720,1640,1610,1550,1450,1400,1380,1290,1240,1160,940,810,720。
【0020】
【実施例2】
実施例1で合成したラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体(塩型)(以下本発明単量体という)と(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドとの共重合を反応質量比15:85で行なった。
具体的な合成法は以下のとおりである。
本発明単量体のメチルエチルケトン溶液7.58g、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの75%水溶液(東京化成工業製)22.7g、イソプロピルアルコール30gおよびAIBN40mgに、窒素ガスを15分間導入した後、55℃で3時間攪拌した。つぎに、70℃に昇温し、さらに3時間反応させた。放冷後、アセトン450mlを加えて、分散後、デカンテーションにより生成した沈殿物を回収した。さらに、アセトン450mlを加えて、分散後、デカンテーションにより生成した粉末を回収した。つぎに、アセトン450mlを加えて、分散後、窒素気流下で濾過し、減圧乾燥することにより、淡黄色粉末状の重合物 19.1gを得た。得られた重合物を150℃で2時間乾燥した時の蒸発残分は95.8%であった。
また、得られた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果を表1に示した。
【0021】
【実施例3】
実施例2と同様の操作により、本発明単量体と(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドとの共重合を反応重量比20:80で行なった(収率91%)。
また、得られた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果を表1に示した。
【0022】
【実施例4】
実施例2と同様の操作により、本発明単量体と(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドとの共重合を反応重量比25:75で行なった(収率92%)。
また、得られた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果を表1に示した。
【0023】
【実施例5】
実施例2と同様の操作により、本発明単量体と(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドとの共重合を反応重量比30:70で行なった(収率89%)。
また、得られた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
Figure 0003780928
【0025】
【実施例6】
本発明単量体のメチルエチルケトン溶液 0.30g、40%アクリルアミド水溶液5.00gと2−(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート塩化物4.00g、蒸留水6g、イソプロピルアルコール5gおよびAIBN30mgを窒素雰囲気下、55℃で4時間反応させた。放冷後、アセトン200mlを加えて、分散後、デカンテーションにより生成した粉末を回収した。さらに、アセトン200mlを加えて、分散後、デカンテーションにより生成した粉末を回収した。つぎに、アセトン200mlを加えて、分散後、窒素気流下で濾過し、減圧乾燥することにより、淡黄色粉末状の重合物4.75g(収率78%)を得た。得られた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果を表2に示した。
【0026】
【比較例1】
本発明単量体を使用しない以外は、実施例6と同様の操作を行ない、アクリルアミドと2−(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート塩化物との共重合体を得た(収率90%)。得られた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果を表2に示した。
【0027】
【実施例7】
本発明単量体のメチルエチルケトン溶液0.25g、N−ビニルピロリドン4.00g、2−(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート塩化物1.00g、蒸留水2g、イソプロピルアルコール8gおよびAIBN10mgを窒素雰囲気下、65℃で3時間反応させた。放冷後、アセトン500mlを加えて、分散後、デカンテーションにより生成した粉末を回収した。つぎに、アセトン500mlを加えて、分散後、窒素気流下で濾過し、減圧乾燥することにより、淡黄色粉末状の重合物1.10g(収率22%)を得た。得られた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果を表3に示した。
【0028】
【比較例2】
本発明単量体を使用しない以外は、実施例7と同様の操作を行ない、N−ビニルピロリドンと2−(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート塩化物との共重合体を得た(収率22%)。得られた重合体の適量を蒸留水に溶解し、B型粘度計により粘度を測定した結果を表3に示した。
【0029】
【表2】
Figure 0003780928
【0030】
【表3】
Figure 0003780928
【0031】
表2および表3の結果から、本発明の重合性2−イミダゾリン誘導体を単量体単位として含有する重合体は、本発明の重合性2−イミダゾリン誘導体を含まない重合体に比べ、水溶液に対する増粘効果が高いことがわかる。
【0032】
【実施例11】
本発明単量体のメチルエチルケトン溶液25.3g、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの75%水溶液(東京化成工業製)33.3g、N,N−ジメチルアクリルアミド15.0g、イソプロピルアルコール100gおよびAIBN100mgに、窒素ガスを15分間導入した後、55℃で3時間攪拌した。つぎに、70℃に昇温し、さらに3時間反応させた。放冷後、アセトン1000mlを加えて、分散後、デカンテーションにより生成した沈殿物を回収した。さらに、アセトン600mlを加えて、分散後、デカンテーションにより沈殿物を回収した。つぎに、アセトン600mlを加えて、分散後、窒素気流下で濾過し、減圧乾燥することにより、淡黄色粉末状の重合物40.8gを得た。
得られた重合物を150℃で2時間乾燥した時の蒸発残分は97.5%であった。得られた重合体を2.0重量%となるように溶解した水溶液の粘度(B型粘度計、単位:mPa/s、25℃)は、80であった。
【0033】
【実施例12】
実施例3で得られた共重合体を用いて、下記成分A、成分Bおよび成分Cからなるヘアトリートメントを調製した。すなわち、成分Cを50℃で均一に溶解した後、成分Bを加えて均一に溶解した。放冷後、成分Aを均一に溶解した溶液を加えて攪拌しヘアートリートメントを得た。各成分の組成は全体で100質量%である。
Figure 0003780928
【0034】
【実施例13】
実施例11で得られた共重合体を用い、下記組成のシャンプーを調製した。すなわち、成分A、成分Bをそれぞれ70℃で均一の溶液に溶解した後、成分Bを成分Aに加えて均一に分散するこでシャンプーを得た。
Figure 0003780928
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、ラジカル重合性基を有する本発明単量体が高収率で合成することができ、かつ該単量体を他の共重合性単量体と共重合して得られる重合体は重合度が同等の他の重合体と比較して水溶液粘度が高く、増粘剤、保湿剤および乳化安定剤等として種々な用途に使用できる。

Claims (4)

  1. 下記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体またはその塩。
    Figure 0003780928
    (式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素数7以上のアルキル基を、R2 は二価の有機残基を、R は水素原子またはメチル基を示し、またnは2または3を示す。)
  2. 下記化学式(2)で表される2−イミダゾリン化合物と化学式(3)で表される二塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有化合物に、(メタ)アクリル酸グリシジルを付加反応させることを特徴とする前記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体の製造方法。
    Figure 0003780928
    (式中、Xは酸素原子またはNH基を示し、R1 は炭素数7以上のアルキル基を示す。また、nは2または3を示す。)
    Figure 0003780928
    (式中、R2 は二価の有機残基を示す。)
  3. 請求項2に記載の方法により製造されるラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体を酸で中和することを特徴とする前記誘導体の塩の製造方法。
  4. 前記化学式(1)で表されるラジカル重合性2−イミダゾリン誘導体および/またはその塩と他の共重合性単量体を共重合することを特徴とする親水性共重合体の製造方法。
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