JPH10265761A - オイルゲル化剤 - Google Patents
オイルゲル化剤Info
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- JPH10265761A JPH10265761A JP8733197A JP8733197A JPH10265761A JP H10265761 A JPH10265761 A JP H10265761A JP 8733197 A JP8733197 A JP 8733197A JP 8733197 A JP8733197 A JP 8733197A JP H10265761 A JPH10265761 A JP H10265761A
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Abstract
期にわたり安定なゲルを生成でき、かつ得られたゲルの
チキソトロピー性および触感が優れ、しかも人体に対す
る安全性にも優れたオイルゲル化剤を提供する。 【解決手段】 α−アミノラクタムのα−アミノ基を炭
素数3〜31の飽和脂肪酸アミド基または炭素数3〜3
1の飽和アルキルウレア基に変換した誘導体の少なくと
も1種を有効成分とするオイルゲル化剤。
Description
水素類、脂肪酸エステル類等のオイルに対するゲル化
剤、並びに該ゲル化剤を含有する経皮吸収製剤および化
粧料に関する。
ル類等のオイルに対するゲル化剤(オイルゲル化剤)
は、医薬用製剤、化粧料のほか、塗料、インキ、潤滑油
等の分野で広く利用されている。オイルゲル化剤に一般
的に要求される性能としては、少量の添加で目的とする
オイルをゲル化でき、得られたゲルが長期にわたり安定
であることなどが挙げられ、さらに用途によっては、人
体に対する安全性が高いこと、チキソトロピー性を有す
るゲルを生成すること、得られたゲルの触感がよいこと
なども要求されている。従来のオイルゲル化剤として
は、12−ヒドロキシステアリン酸、ジベンジリデンソ
ルビトール、アミノ酸誘導体等の低分子化合物、あるい
はポリアクリル酸誘導体、デキストリン誘導体等の高分
子化合物が知られている。これらのうち、12−ヒドロ
キシステアリン酸を用いて得られるゲルはチキソトロピ
ー性に欠け、ジベンジリデンソルビトールは流動パラフ
ィンのような非極性オイルに対してはゲル化能をもた
ず、また分解してベンズアルデヒドが生成するという点
で安全性にも問題がある。また、アミノ酸誘導体として
は、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジブ
チルアミド等のN−アシルアミノ酸誘導体がよく知られ
ており、特公昭55−1094号公報にピロリドンカル
ボン酸アミド誘導体が示されている。しかしながら、N
−アシルアミノ酸系のゲル化剤はオイルに難溶性であ
り、溶解させるためには高温での加熱や長時間の撹拌な
どの煩雑な操作が必要となる。しかも、このような操作
はゲルに配合される他成分の品質の変化を招く恐れがあ
る点でも問題がある。また、ピロリドンカルボン酸アミ
ド誘導体は、溶解性には問題がないが、オイルをゲル化
させるのに高濃度の添加が必要で、経済的に不利であ
る。一方、デキストリン誘導体のような高分子系のゲル
化剤では、やはりゲル化に高濃度の添加が必要であり、
そのために生成したゲルが“べたつく”など、触感に問
題がある。このように、従来のオイルゲル化剤はそれぞ
れに問題点を有し、必要な性能を充分に満足させるもの
ではない。
たゲル化能を有し、低濃度の添加でも長期にわたり安定
なゲルを生成でき、かつ得られたゲルのチキソトロピー
性および触感が優れ、しかも人体に対する安全性にも優
れたオイルゲル化剤を提供することにある。
般式(1)または一般式(2)で表される少なくとも1
種のα−アミノラクタム誘導体を有効成分とするオイル
ゲル化剤、からなる。
しくは分岐状の飽和アルキル基を示し、mは1〜9の整
数である。)
しくは分岐状の飽和アルキル基を示し、nは1〜9の整
数である。)
オイルゲル化剤は、前記一般式(1)で表されるα−ア
ミノラクタム誘導体(以下、「α−アミノラクタム誘導
体(1)」という。)および一般式(2)で表されるα
−アミノラクタム誘導体(以下、「α−アミノラクタム
誘導体(2)」という。)の少なくとも1種を有効成分
とするものである。α−アミノラクタム誘導体(1)
は、例えば、特定のアミノ酸の脱水反応等により得られ
るα−アミノラクタムを、炭素数3〜31、好ましくは
炭素数7〜19、より好ましくは炭素数9〜17の飽和
脂肪酸および/またはその誘導体と反応させることによ
り、α−アミノラクタム中のα−アミノ基を、脂肪酸ア
ミド基に変換する方法によって合成することができる。
前記α−アミノラクタムの具体例としては、リジンから
得られるα−アミノ−ε−カプロラクタム、オルニチン
から得られる3−アミノ−2−ピペリドン、2,4−ジ
アミノブタン酸から得られる3−アミノ−2−ピロリド
ン等を挙げることができる。これらのうち、α−アミノ
−ε−カプロラクタムが特に好ましく用いられる。前記
α−アミノラクタムは、光学活性体であってもラセミ体
であってもよいが、光学活性体であることが好ましい。
またα−アミノラクタムは、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。
脂肪酸アミド基に変換する際に使用される飽和脂肪酸あ
るいはその誘導体の具体例としては、オクタン酸、ペラ
ルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ト
リデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチ
ン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、アラキン酸、2
−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン
酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸や、これらの
飽和脂肪酸に対応する酸クロリド等を挙げることができ
る。これらの飽和脂肪酸あるいはその誘導体は、それぞ
れ単独でまたは2種以上を混合して使用することができ
る。前記α−アミノラクタムと前記飽和脂肪酸および/
またはその誘導体とを反応させる方法は特に限定される
ものではなく、従来公知のアミド化法を採用することが
できる。例えば、α−アミノラクタムと前記飽和脂肪酸
および/またはその誘導体とを、不活性溶媒中、無触媒
下で反応させてもよいし、縮合剤等の触媒の存在下で反
応させてもよい。反応温度は、通常、20〜120℃で
あり、また反応時間は、通常、0.5〜48時間であ
る。反応生成物には、極少量の未反応の原料や溶媒等
が、オイルのゲル化を妨げない範囲で混入していてもよ
いが、減圧留去、溶剤分別、再結晶等の操作により精製
することが好ましい。
は、例えば、特定のアミノ酸の脱水反応等により得られ
るα−アミノラクタムを、炭素数3〜31、好ましくは
炭素数7〜19、より好ましくは炭素数9〜17の飽和
アルキルイソシアネートと反応させることにより、該α
−アミノラクタム中のα−アミノ基を、アルキルウレア
基に変換する方法によって合成することができる。前記
α−アミノラクタムの具体例としては、リジンから得ら
れるα−アミノ−ε−カプロラクタム、オルニチンから
得られる3−アミノ−2−ピペリドン、2,4−ジアミ
ノブタン酸から得られる3−アミノ−2−ピロリドン等
を挙げることができる。これらのうち、α−アミノ−ε
−カプロラクタムが好ましい。前記α−アミノラクタム
は光学活性体であってもラセミ体であってもよいが、光
学活性体であることが好ましい。またα−アミノラクタ
ムは、単独でまたは2種以上を混合して使用することが
できる。
具体例としては、n−オクチルイソシアネート、n−ノ
ニルイソシアネート、n−デシルイソシアネート、n−
ウンデシルイソシアネート、n−ドデシルイソシアネー
ト、n−トリデシルイソシアネート、ミリスチルイソシ
アネート、n−ペンタデシルイソシアネート、パルミチ
ルイソシアネート、n−ヘプタデシルイソシアネート、
ステアリルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシ
アネート、3,5,5−トリメチルヘキシルイソシアネ
ート、イソミリスチルイソシアネート、イソパルミチル
イソシアネート等を挙げることができる。これらの飽和
アルキルイソシアネートは、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。前記α−アミノラクタム
と前記飽和アルキルイソシアネートとを反応させる方法
は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用
することができる。例えば、α−アミノラクタムと飽和
アルキルイソシアネートとを、不活性溶媒中、室温ある
いは氷冷下にて0.5〜7時間撹拌して反応させればよ
い。反応生成物には、極少量の未反応の原料や溶媒等
が、オイルのゲル化を妨げない範囲で混入していてもよ
いが、減圧留去、溶剤分別、再結晶等の操作により精製
することが好ましい。
び/またはα−アミノラクタム誘導体(2)によりゲル
化することのできるオイルとしては、特に限定されるも
のではないが、一般には極性の低いものが好ましく、具
体的にはスクアラン等の動植物油類;流動パラフィン、
イソパラフィン、灯油、重油、イソオクタン等の炭化水
素類;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オ
クチルドデシル等の脂肪酸エステル類等を挙げることが
できる。これらのオイルは、単独であっても2種以上の
混合物であってもよい。また、ゲル化されるオイル中に
は、他の成分がゲル化を妨げない範囲の濃度で、溶解、
分散、乳化、懸濁あるいは混合されていてもよい。この
ような他の成分の例としては、界面活性剤、紫外線吸収
剤、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、生理活性物質
等の有機化合物や、酸化チタン、タルク、マイカ、水等
の無機化合物を挙げることができる。本発明のオイルゲ
ル化剤によりオイルをゲル化する際には、オイルに対し
てオイルゲル化剤を、通常、0.01〜10重量%、好
ましくは0.05〜5重量%の範囲で加え、必要に応じ
て加熱撹拌して、オイルゲル化剤を溶解させたのち、室
温に放置することにより、オイルゲル化物を得ることが
できる。ゲル強度は、オイルゲル化剤の濃度により調整
することが可能である。またゲル強度は、α−アミノラ
クタムの種類、各α−アミノラクタム誘導体の合成時に
使用される飽和脂肪酸やその誘導体あるいは飽和アルキ
ルイソシアナートの炭素数等によっても変えることがで
きる。
に対するゲル化能が優れ、低濃度の添加でも長期にわた
り安定なゲルを生成することができるとともに、特に高
級炭化水素類のゲルはチキソトロピー性が優れ、かつ触
感も“べたつき”などの欠点をもたない。しかも、本発
明のオイルゲル化剤が仮に分解したとしても、分解生成
物はアミノ酸と高級脂肪酸であり、生体に対する安全性
にも優れている。本発明のオイルゲル化剤は、特に、例
えば動植物油類、炭化水素類、脂肪酸エステル類等を基
材とする、狭心症治療薬、乗り物酔防止薬等の経皮吸収
製剤や、ファンデーション、口紅、アイシャドー等の化
粧料の調製に好適に使用することができる。さらに、本
発明のオイルゲル化剤は、経皮吸収製剤以外の医薬品、
医薬部外品、インキ、塗料、潤滑油や、プラスチック、
ゴム、金属等の加工分野のほか、農業、水産業、廃油処
理等の分野でも用いることができる。
施の形態をより具体的に説明する。但し、本発明は、こ
れらの実施例により限定されるものではない。 合成例1 L−α−アミノ−ε−カプロラクタム5g(39ミリモ
ル)とトリエチルアミン58ミリモルをジクロロメタン
100ミリリットルに加えて撹拌した。これにラウリン
酸クロリド39ミリモルをゆっくりと滴下し、室温で7
時間撹拌を続けた。その後、生成した沈澱をろ別し、溶
媒を減圧下に留去し、得られた固形物を酢酸エチルで再
結晶させて、8.8gのL−α−アミノ−ε−カプロラ
クタムラウリン酸アミドを得た。この化合物を、ACa
−LAとする。
代えてオクタン酸クロリド39ミリモルを用いた以外
は、合成例1と同様にして、6.8gのL−α−アミノ
−ε−カプロラクタムオクタン酸アミドを得た。この化
合物を、ACa−OAとする。
ル)をジクロロメタン50ミリリットルに溶解して氷冷
し、これにn−オクチルイソシアネート6g(39ミリ
モル)をジクロロメタン50ミリリットルに溶解した溶
液を加えた。その後、反応液を室温に戻して1時間撹拌
を続けたのち、溶媒を減圧下で留去し、得られた固形物
をエタノールで再結晶させて、9.9gのL−α−アミ
ノ−ε−カプロラクタムオクチルウレアを得た。この化
合物を、ACa−OUとする。
(39ミリモル)に代えてパルミチルイソシアネート1
0g(39ミリモル)を用いた以外は、合成例1と同様
にして、14.4gのL−α−アミノ−ε−カプロラク
タムパルミチルウレアを得た。この化合物を、ACa−
PUとする。
ため、種々のオイルに2.5重量%の濃度で加え、10
0℃のオイルバス中で加熱溶解したのち、室温で放置し
たときの溶液の状態を観察した。また、各化合物を流動
パラフィンに1.0%の濃度で加えたときのゲル化能も
調べた。ゲル化能の評価基準は、次のとおりである。
◎:ゲル化する、○:増粘するがゲル化しない、●:ゲ
ル化も増粘もしない。また、合成例1〜2で得られた各
化合物を流動パラフィンに2.5%の濃度で加えてゲル
化させ、ゲルのチキソトロピー性と触感について評価し
た。これらの評価基準は、次のとおりである。◎:良
好、○:普通、●:不良。これらの結果を、表1および
表2に示す。
2と同様にして、ゲル化能およびゲルのチキソトロピー
性と触感を評価した。これらの結果を、表1および表2
に示す。
(PCA−LA)、12−ヒドロキシステアリン酸(H
S)またはパルミチン酸デキストリン(DP)を用い、
実施例1〜2と同様にして、ゲル化能およびゲルのチキ
ソトロピー性と触感を評価した。これらの結果を、表1
および表2に示す。
タム誘導体(1)を有効成分とするオイルゲル化剤は、
ピロリドンカルボン酸ラウリルアミドに比べて、多くの
種類のオイルに対するゲル化能が優れるとともに、低濃
度でのゲル化能にも優れ、また12−ヒドロキシステア
リン酸に比べて、ゲルのチキソトロピー性および触感が
優れ、さらに高分子系のゲル化剤であるパルミチン酸デ
キストリンに比べて、多くの種類のオイルに対するゲル
化能が優れるとともに、低濃度でのゲル化能にも優れ、
かつゲルの触感がより良好である。また、本発明のα−
アミノラクタム誘導体(2)を有効成分とするオイルゲ
ル化剤は、12−ヒドロキシステアリン酸に比べて、ゲ
ルのチキソトロピー性および触感が優れ、さらに高分子
系のゲル化剤であるパルミチン酸デキストリンに比べ
て、多くの種類のオイルに対するゲル化能が優れるとと
もに、低濃度でのゲル化能にも優れ、かつゲルの触感が
より良好である。
ルに対するゲル化能が優れるとともに、低濃度の添加で
も長期にわたり安定なゲルを生成することができ、また
特に高級炭化水素類のゲルはチキソトロピー性が優れ、
かつ触感もべたつき等の欠点をもたない。しかも、本発
明のオイルゲル化剤が仮に分解したとしても、分解生成
物はアミノ酸と高級脂肪酸であり、生体に対する安全性
にも優れている。したがって、本発明のオイルゲル化剤
は、種々の基材からなる経皮吸収製剤および化粧料の調
製に好適に使用することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(1)または一般式(2)で
表される少なくとも1種のα−アミノラクタム誘導体を
有効成分とするオイルゲル化剤。 【化1】 (式中、R1 は炭素数2〜30の直鎖状もしくは分岐状
の飽和アルキル基を示し、mは1〜9の整数である。) 【化2】 (式中、R2 は炭素数2〜30の直鎖状もしくは分岐状
の飽和アルキル基を示し、nは1〜9の整数である。)
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