JP2003174879A - キャンディダ・ユティリス酵母由来の制御配列 - Google Patents
キャンディダ・ユティリス酵母由来の制御配列Info
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Abstract
可能であり、異種遺伝子の発現に必要な制御配列の提
供。 【解決手段】 キャンディダ・ユティリスのグリセロア
ルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAP)遺伝
子のプロモーター配列およびターミネーター配列。
Description
ある形質転換系に関し、より具体的には、組換えDNA
による酵母キャンディダ・ユティリスの形質転換、およ
びその結果得られた新規な形質転換体における異種遺伝
子の発現に関する。また、本発明は、形質転換において
選択マーカー遺伝子として利用可能な新規DNA配列、
異種遺伝子の発現のためのプロモーター、およびターミ
ネーターとして利用可能な新規DNA配列にも関する。
さらに、本発明は、酵母染色体への異種遺伝子の効率的
な組み込み法にも関する。
ィリスにおいて自律複製機能を有し、形質転換効率を上
げる機能を持つDNA断片、およびそれを利用した、選
択マーカー遺伝子を含まないDNA断片を染色体に組み
込む方法、ならびにプロモーター活性を有するDNA配
列の取得法にも関する。
白質を大量に製造することを可能にしてきた。このため
の宿主として大腸菌や枯草菌などの原核生物の系は簡便
であり、特に大腸菌は最も頻繁に利用される宿主であ
る。しかし、大腸菌で生産される蛋白質は不溶性となる
ことが多く、また分泌させても糖鎖付加を受けないなど
の制約から、多様なニーズを十分に満足するものではな
い。また、生産された有用蛋白質を医薬品として用いる
場合には、大腸菌の生産する発熱性毒性因子の除去が問
題となる。
ある酵母を組換えDNAによる有用蛋白質生産の宿主と
して使用することは以下の点で魅力的である。まず、酵
母のうちサッカロマイセス属酵母は古くから酒類など発
酵性食品の生産に利用されてきており、またキャンディ
ダ・ユティリス酵母は食飼料用に生産されていることか
ら、これらの酵母については安全性が高いことが知られ
ている。さらに、酵母は一般に細菌よりも高い細胞密度
で培養することができ、かつ連続培養も可能である。ま
た、酵母は蛋白質を培地中に分泌し、分泌された蛋白質
は糖鎖による修飾を受ける。このため、酵母による蛋白
質の生産は、このような修飾が生物活性に重要である場
合に価値がある。
遺伝学的知見が蓄積している酵母にはサッカロマイセス
属酵母があり、この酵母は種々の物質生産の宿主として
検討がなされている。また、近年、サッカロマイセス属
酵母以外の酵母としてピキア属酵母、ハンセヌラ属酵
母、クルイベロマイセス属酵母、キャンディダ属酵母な
どいくつかの種について、それらを形質転換する手法が
開発され、有用物質生産の宿主として検討されている。
このうち、キャンディダ属酵母は、特に、炭素資化域が
広いなど、サッカロミセス属酵母にない特性を有し実用
上有利である。このことから、キャンディダ属酵母は組
換えDNAによる有用物質の生産にとってその利用が期
待される。
ダ・ユティリス(Candida utilis)は、キシロースを始め
とするペントースに対する優れた資化性を示す。また、
サッカロマイセス酵母と異なり、好気的条件下での培養
でエタノールを生成せず、それによる増殖阻害も受けな
いことから、高密度での連続培養による効率的な菌体製
造が可能である。従って、かつて蛋白質源として注目さ
れ、ペントースを多く含む広葉樹の糖化液や亜硫酸パル
プ廃液を糖源とした菌体の工業生産が実施されたことが
ある。また、この酵母はアメリカFDA(Food and Dru
g Administration)により、サッカロマイセス・セレビ
シエ、サッカロマイセス・フラジリスとともに、食品添
加物として安全に使用できる酵母として認められてい
る。実際にキャンディダ・ユティリスは現在でもドイツ
を始めとしてアメリカや台湾、ブラジルなど世界各国で
生産され、食飼料として使用されており、安全性につい
てはすでに確認されているといえる。
外にも、キャンディダ・ユティリスは、ペントースやキ
シロースの発酵株、エチルアセテート、L−グルタミ
ン、グルタチオン、インベルターゼ等の生産株として広
く産業界で利用されてきた。
キャンディダ・ユティリスの形質転換に成功し、それを
証明した報告はない。これは、キャンディダ・ユティリ
スが2倍体以上の倍数体であり、従来のニトロソグアニ
ジンやエチルメタンスルホン酸などの変異源を用いた突
然変異誘起処理によって適当な栄養要求性などの選択符
号が付加された変異株の取得が著しく困難であったこと
による、と考えられる。このことは、過去においてキャ
ンディダ・ユティリスのADE1やLEU2など、他の
酵母で形質転換の選択マーカーとして頻繁に使用される
遺伝子が取得されながら(西矢ら、特開平4−6608
9号公報、小林ら、特公平1−42673号公報)、対
応する遺伝子に変異をもつキャンディダ・ユティリス宿
主株が得られたという報告が現在までなかったことから
も推察することができる。すなわち、キャンディダ・ユ
ティリスには、栄養要求性株を宿主としてその栄養要求
性を相補する遺伝子を導入し形質転換体を直接選択する
という、従来より各種酵母における形質転換系の開発に
用いられてきた手法の適用ができなかったのである。
の倍数性が高く、胞子形成しないため遺伝学的特性が未
だ十分に明らかにされていない。そのため、形質転換条
件、さらにはベクター系が満たすべき条件も不明であ
り、その宿主/ベクター系の確立も極めて困難なもので
あることが予想される。
薬剤耐性マーカーを用いた予備的な形質転換の検討例
は、ホーらにより紹介されている(HO, N.W.Y. et. al.B
iotechnology and Bioengineering Symp. No.14, 295-3
01,1984 ) 。しかしながら、この報告においては、形質
転換実験の条件、形質転換体であると主張する薬剤耐性
株についてその証明に不可欠なサザン解析などのデータ
が開示されておらず、不十分な報告である。
・ユティリスに関する再現性ある形質転換系、さらにそ
れを利用した有用物質の生産技術の確立が望まれている
といえる。
ティリス酵母から再現性よく形質転換体を取得すること
に成功し、形質転換体における異種遺伝子の発現につい
て種々の知見を得た。本発明はこれらの知見に基づくも
のである。
リスの再現性のある形質転換系の提供をその目的として
いる。
形質転換系で利用可能な、選択マーカーとなる遺伝子、
プラスミドが染色体への組み込まれる際のターゲット配
列となる遺伝子、異種遺伝子の発現に必要なプロモータ
ー、ターミネーターなど新規DNA配列の提供をその目
的としている。
スにおける異種遺伝子の発現を可能にするベクター系の
提供をその目的としている。
コピーでかつ安定に組み込ませることのできる宿主/ベ
クター系の提供をその目的としている。
ィリスにおける異種遺伝子の発現法の提供をその目的と
している。
ィリスで自律複製機能を有し、形質転換効率を上げる機
能を持つDNA断片、およびそれを含むプラスミドベク
ター、その利用による選択マーカー遺伝子を含まないD
NA断片を染色体に組み込む方法、ならびにプロモータ
ー活性を有するDNA配列の取得法、それにより得られ
たプロモーター活性を有する新規DNA配列の提供をそ
の目的としている。
ディダ・ユティリスのリボソーム構成蛋白質L41をコ
ードする遺伝子、ならびにそのプロモーターおよびター
ミネーター配列;シクロヘキシミド耐性型L41遺伝
子;ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)遺伝子のプ
ロモーターおよびターミネーター配列;グリセロアルデ
ヒド−3−リン酸- デヒドロゲナーゼ(GAP)遺伝子
のプロモーターおよびターミネーター配列;原形質膜プ
ロトンATPase(PMA)遺伝子のプロモーターお
よびターミネーター配列;URA3遺伝子、ならびにそ
のプロモーターおよびターミネーター配列;二種類の自
律複製能を有するDNA断片;プロモーター活性を有す
るDNA断片の配列;そして、キャンディダ・ユティリ
スのリボソームRNAをコードするrRNA遺伝子であ
る。
形質転換系で利用可能なベクターは、キャンディダ・ユ
ティリスの染色体DNAと相同な配列と、選択マーカー
遺伝子とを含んでなり、相同組換えによって異種遺伝子
をキャンディダ・ユティリスの染色体DNAに組み込む
ことができるもの、あるいは、キャンディダ・ユティリ
スで自律複製機能を有するDNA配列と、選択マーカー
遺伝子とを含んでなり、高い頻度でキャンディダ・ユテ
ィリスを形質転換できるもの、である。
リスの形質転換系で利用可能なベクターは、選択マーカ
ー遺伝子を含まず、キャンディダ・ユティリスの染色体
DNAと相同な配列を含んでなり、相同組換えによって
異種遺伝子をキャンディダ・ユティリスの染色体DNA
に組み込むことができるもの、である。このプラスミド
は、この自律複製機能を有するDNA配列と、選択マー
カー遺伝子とを含んでなるプラスミドと同時に形質転換
に用いることができる。
ユティリスの形質転換系で利用可能な選択マーカー遺伝
子は、キャンディダ・ユティリスで機能し得る薬剤耐性
マーカー、好ましくはシクロヘキシミド耐性型L41遺
伝子、G418耐性を付与する遺伝子、またはハイグロ
マイシンB耐性を付与する遺伝子である。
ィリスにおける異種遺伝子の発現法は、異種遺伝子を含
む前記本発明によるベクターでキャンディダ・ユティリ
スを形質転換し、得られた形質転換体を培養し、該培養
物から異種遺伝子の発現産物を単離、精製することを含
んでなるものである。
ィリスの形質転換系とは、これらの本発明による新規D
NA群、ベクター系などの機能的組み合わせによって得
られるものである。
ティリスの具体的菌株としては、例えばATCC925
6(IFO 0626)、ATCC9226(IFO
1086)、ATCC9950(IFO 0988)、
IFO 0396、IFO 0619、IFO 063
9、KP−2059P株などが挙げられる。
ってその染色体泳動パターンが異なり、染色体の長さの
多型性を示すことが報告されている(Stoltenburg et. a
l. Curr. Genet. 22 441-446(1992) )。従って、本発
明による形質転換系はその多型性に起因して適用が制限
されることが予想された。しかし、後記する実施例にお
いて使用した3株についてはそれぞれ染色体多型が認め
られたものの、いずれについても形質転換体が得られ、
また異種遺伝子の発現も確認できた。このことから、本
発明による形質転換系がキャンディダ・ユティリス全般
について適用可能であることは、当業者にとって容易に
推測できるものと考える。
質転換体を選別するための選択マーカー遺伝子および形
質転換体の選択方法、(b)プラスミドDNAが宿主細
胞内で核外遺伝子として存在するために必要な自律複製
能を有するDNA配列(ARS)、またはプラスミドを
効率的に染色体に組み込ませるために必要な適当な染色
体DNA相同配列(すなわち、プラスミドDNAの組み
込みターゲットの確立)、さらに、(c)宿主細胞を細
胞外DNAを取り込み可能な状態にする処理方法、の3
つの要素が必要となり、これら3つの要素がそろって形
質転換体を取得することが可能となる。したがって、遺
伝学的な情報がほとんど得られていないキャンディダ・
ユティリスの形質転換系の確立にあたっては、これらす
べての要素について検討し、開発することが必要不可欠
であった。
体の選択 形質転換体を選別するための選択マーカー遺伝子として
は、変異処理により栄養要求性となった宿主株が利用で
きる場合、その栄養要求性を相補する遺伝子を選択マー
カー遺伝子として用いることができる。この場合、培地
から当該栄養素を除いた最少培地で形質転換体を直接選
択することが可能である。しかし、キャンディダ・ユテ
ィリスの場合には、前記したように、適当な栄養要求性
などの選択符号が付加された変異株の取得が著しく困難
であり、栄養要求性の相補遺伝子を選択マーカーとした
形質転換システムの開発が不可能であった。
が、抗生物質G418やハイグロマイシンB、シクロヘ
キシミドなどに感受性であり、培地中にそれらの薬剤を
添加することによって菌の生育を抑えることが可能であ
ることを見出した。そこで、形質転換体選択マーカー遺
伝子として、それらの薬剤に耐性を与える遺伝子を利用
することを試みることとした。
シドホスフォトランスフェラーゼ遺伝子)やハイグロマ
イシンB耐性遺伝子(ハイグロマイシンBホスフォトラ
ンスフェラーゼ遺伝子)などの、他の生物由来の遺伝子
を利用する場合、遺伝子の発現を確実にするためにキャ
ンディダ・ユティリスで機能する転写のプロモーターお
よびターミネーター配列を利用するのが好ましい。
キャンディダ属酵母においては、一部コドンの翻訳のさ
れ方が他の生物とは異なっていることも報告されており
(Ohama et. al. Nucleic Acids Res. 21 4039 - 4045 1
993)、異種遺伝子を選択マーカー遺伝子とする場合に
は、それが宿主内で機能を持つ蛋白質に翻訳されるとい
う保証はない。一方で、シクロヘキシミドに対する感受
性はリボソーム蛋白質であるL41蛋白質の56番目残
基により決定されるという興味深い事実が報告されてい
る(Kawai et. al. J Bacteriol. 174 254-262 (1992)
)。
感受性であるキャンディダ・ユティリスのL41蛋白質
の遺伝子を取得し、それを部位特異的変異法によりシク
ロヘキシミド耐性型に変換して選択マーカー遺伝子と
し、それを利用した。ここで、この遺伝子は宿主由来で
あるため、発現のプロモーターおよびターミネーター配
列はその遺伝子自身の配列をそのまま用いることとし
た。よって本態様は、遺伝子の確実な発現が期待できる
点で極めて有利である。
ィリスの形質転換系において用いられる選択マーカーと
しての薬剤耐性遺伝子マーカーは、好ましくはシクロヘ
キシミド耐性型L41遺伝子である。L41遺伝子、な
らびにプロモーターおよびターミネーター配列を含んだ
DNA断片の塩基配列は図13(配列番号:5)に示さ
れる通りであり、さらにその塩基配列から推定されるア
ミノ酸配列は図14(配列番号:6)に示される通りで
ある。また、シクロヘキシミド耐性型L41遺伝子は、
図13に示される配列の1644番目のヌクレオチドC
がAに変換されたものであり、その結果、図14に示さ
れる配列の56番目のアミノ酸はProがGlnに置換
される。
の好ましい薬剤耐性遺伝子マーカーとして、抗生物質G
418に対する耐性を付与するアミノグリコシドホスフ
ォトランスフェラーゼ(APT)遺伝子もまた使用でき
る。アミノグリコシドホスフォトランスフェラーゼ遺伝
子にはトランスポゾンTn903とトランスポゾンTn
5由来の2種類が知られており、いずれの遺伝子も本発
明において使用可能である。また、抗生物質ハイグロマ
イシンBに対する耐性を付与する大腸菌由来のハイグロ
マイシンBホスフォトランスフェラーゼ遺伝子もまた本
発明による形質転換系において使用できる。このG41
8耐性遺伝子やハイグロマイシンB耐性遺伝子など異種
遺伝子の場合は、遺伝子発現のためにキャンディダ・ユ
ティリスで機能する転写のプロモーターおよびターミネ
ーター配列をそれぞれ異種遺伝子の5´上流と3´下流
とに組み込むのが好ましい。
ター配列としては、キャンディダ・ユティリスの遺伝子
由来であるのがより好ましく、例えば、後記するキャン
ディダ・ユティリスのホスホグリセリン酸キナーゼ(P
GK)遺伝子のプロモーターおよびターミネーター配
列;グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ
(GAP)遺伝子のプロモーターおよびターミネーター
配列;および原形質膜プロトンATPase(PMA)
遺伝子のプロモーターおよびターミネーター配列などが
利用出来る。また、後述するプロモータークローニング
用ベクターにより取得されるプロモーター活性を有する
DNA配列なども利用できる。
モーターおよびターミネーター配列の例としては、サッ
カロマイセス酵母で公知のADH、ENO、GAL、S
UCなどの遺伝子のキャンディダ・ユティリスにおける
相同遺伝子のプロモーターおよびターミネーター配列な
どを挙げることができる。
利用可能な細菌由来の薬剤耐性遺伝子としては、前記し
たG418耐性遺伝子およびハイグロマイシンBホスフ
ォトランスフェラーゼ遺伝子のほかに、クロラムフェニ
コールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子(クロラムフ
ェニコール耐性)(Hadfield, C. et.al. Gene, 45, 149-
158(1986))、ブラストサイジンデアミナーゼ(ブラスト
サイジン耐性)(Izumi, M. et. al. Exp. Cell Res.,
197, 229-233 (1991) )、フレオマイシン耐性遺伝子
(Wenzel, T.J.et. al. Yeast, 8, 667-668 (1992) )
などの抗生物質耐性遺伝子が挙げられる。この他に、デ
ィハイドロフォレートレダクターゼ遺伝子(メトトレキ
セート耐性) (Miyajima, A. et. al. Mol. Cell Bio
l. 4, 407-414 (1984))や、酵母由来の優性遺伝子スル
ホメツロンメチル耐性遺伝子(Casey, G.P. et. al. J.
Inst. Brew. 94, 93-97 (1988))、CUP1遺伝子(銅耐
性)(Henderson,R.C.A. et. al. Current Genet. 9,
133-138 (1985))、CYH2遺伝子(シクロヘキシミド耐
性)(Delgado, M. et.al. EBC congress, 23, 281-28
8 (1991))など、公知の薬剤耐性遺伝子も利用できる。
このうちマーカー遺伝子が細菌やトランスポゾンの遺伝
子など異種生物由来である場合には、上記したようなキ
ャンディダ・ユティリス内で機能するプロモーター、お
よびターミネーター配列を利用するのが好ましい。
ットの確立 シクロヘキシミド耐性型L41遺伝子をはじめとする利
用可能な選択マーカーが前記のように本発明によって確
立されたことから、これらの配列に限らずキャンディダ
・ユティリス染色体由来の種々の配列がターゲット配列
としての利用可能であることが期待される。
ドを染色体に組み込ませるために必要な適当な染色体D
NA断片として、リボソームRNAをコードする遺伝子
であるrRNA遺伝子(rDNA)、URA3遺伝子、
L41遺伝子、およびPGK遺伝子を好ましく使用する
ことができることが見出された。
セス・セレビシエにおいてrDNAが染色体上にタンデ
ムに100コピー以上存在し、その反復単位のなかに自
律複製配列(ARS)が存在することが報告されている
(Saffer &Miller, JR. Molec. Cell. Biol. 6, 1148-1
157, (1986) )。また、このrDNA領域をプラスミド
組み込みの ターゲットとすることにより、組み込みの
形質転換頻度を高くできることが報告されている(Lope
s, et. al. Gene 79, 199-206 (1989) )。
においてもrDNAが染色体上に反復して存在すること
を見出した。これにより、サッカロマイセス・セレビシ
エ同様、キャンディダ・ユティリスのrDNA配列は、
高頻度組み込みのためのターゲット配列としての利用が
可能であることが示唆され、事実、キャンディダ・ユテ
ィリスの形質転換系において組換えターゲットとして有
利に利用することができた。
3遺伝子、L41遺伝子、およびPGK遺伝子などのキ
ャンディダ・ユティリス染色体をターゲットとし、後記
する本発明によるベクター系を用いて、キャンディダ・
ユディリス酵母を形質転換すると、DNA断片が染色体
上に組み込まれ、酵母に安定に保持されることが観察さ
れた。従って、このターゲットとベクター系との組み合
わせにより、異種遺伝子が自律複製を続ける染色体外プ
ラスミドとして保持される場合の外来遺伝子の不安定性
の問題を排除することができる。
まれたDNA断片の存在様態を詳しく解析した結果、D
NA断片のキャンディダ・ユティリス染色体への組み込
みは主に相同組換えによって起きることが明らかとなっ
た。これは、宿主染色体ターゲット配列に対するホモロ
ジーを有するDNA配列を含むDNA分子であれば、そ
れを任意の染色体ターゲットに組み込むことが可能であ
ることを意味する。
ロジーを有するDNA配列を、その相同DNA配列内の
適当な制限酵素サイトで分解して直鎖状としたプラスミ
ドDNAをベクターとして使用し、あるDNA断片をキ
ャンディダ・ユティリス染色体のターゲット配列上に組
み込むことができる。この場合、選択マーカーをシクロ
ヘキシミド耐性型L41遺伝子にすることにより、後述
するように複数のプラスミド分子が同時に組み込まれた
形質転換体が効率的に選択される。
ロジーを有するDNA配列の内部に選択マーカー遺伝子
を含んだ形態の線状DNA断片を用いることも可能であ
る。
プラスミドは、染色体上の相同な遺伝子と置き換わる形
で挿入される。このため、挿入されたDNA断片の前後
には、ターゲット配列の反復配列が形成されず、よっ
て、組み込まれたDNAのより高い安定性が期待され
る。
PGK遺伝子などは、他の多くの遺伝子と同様に1細胞
あたり2コピーしか存在しない遺伝子であるが、DNA
断片組み込みのターゲットとして用いることが可能であ
ることが本発明によって示された。また、一般に酵母の
rRNA遺伝子は18S、5.8S、25S、5Sの各
rRNA遺伝子を含む反復DNA単位が1倍体あたり1
00コピー以上存在する(Schweizer, E. et. al. J. M
ol. Biol. 40, 261-277 (1969))。そこで、このrDN
Aを組換えのターゲット配列としての利用には、他の遺
伝子配列を利用した場合と比較して、(1)形質転換頻
度が上昇することが期待される、(2)組み込みによる
ターゲット配列の変化は無視できる、などの利点があ
る。発明者らは、キャンディダユティリスにおいてもr
RNA遺伝子が、約13.5kbのDNA配列を反復単
位としてタンデムに反復して存在していること、を明ら
かにするとともに(詳細後記)、rDNA配列を組換え
のターゲット配列とすることで、細胞あたり2コピー存
在するL41遺伝子をターゲットとするよりも形質転換
頻度が10倍から50倍程度高くなることを明らかにし
た。また、rDNA座に組み込まれたDNA断片の安定
性も高く、rDNA配列は優れた組み込みターゲットで
あることが明らかとなった。
ゲット配列としてrDNA配列を用いたことは、このよ
うに形質転換頻度を高める効果をもたらし、酵母の処理
条件を検討してそのなかから適切な形質転換条件を発見
するうえで重要な役割を果たした。しかし、興味あるこ
とに、rDNAの領域によっては形質転換のターゲット
として用いた場合に形質転換頻度が著しく低くなること
が明らかにされ、rDNA断片であればどこでも効率的
なプラスミドの組み込みターゲットとして利用できるも
のではないことが示唆された。
クロヘキシミド耐性型L41遺伝子を選択マーカーとす
ることにより、プラスミドが複数個組み込まれた形質転
換体を効率的に取得できる。この理由は次のように考え
られる。すなわち、シクロヘキシミド耐性型L41遺伝
子を含むDNA断片が複数コピー組み込まれた場合にの
み、内在性のシクロヘキシミド感受性型L41蛋白質が
耐性型のものに置き換えられ、シクロヘキシミドによる
機能阻害を受けないリボソーム分子の割合が増える。こ
れによって、形質転換体がシクロヘキシミドを含む培地
で生育できることとなると考えられる。この場合の組み
込みのターゲット部位としてはURA3遺伝子座、L4
1遺伝子座などのキャンディダ・ユティリス染色体由来
のDNA配列であれば基本的にいずれの配列も利用でき
る。また、興味深いことに、このうち特にrRNA遺伝
子座をその組み込みのターゲット配列とすることによっ
て、他遺伝子座をターゲット配列とした場合に比較して
DNA断片がより多く組み込まれる傾向があることが示
された。
込み可能な状態にする処理方法としては、プロトプラス
ト法、酢酸リチウム法、電気パルス法、およびそれらの
改変法などの、サッカロマイセス・セレビシエの形質転
換に従来用いられている方法の利用が考えられる。この
うちプロトプラスト法は広く使用されている形質転換法
であるが、操作がやや煩雑であり、薬剤耐性で形質転換
体を選択する際には、非形質転換体であるバックグラン
ドコロニーの出現がしばしば問題となる。
びに電気パルス法を用いて、先に述べたシクロヘキシミ
ド耐性L41遺伝子とrDNA断片を組み合わせたプラ
スミドによって、キャンディダ・ユティリスの形質転換
を試み、再現性良く形質転換体を得ることのできる条件
を見出した。
電気パルス法によるのが好ましい。菌体を対数増殖期に
まで増殖させた後、洗浄して1Mソルビトールに懸濁す
る。電気パルスの条件は、タイムコンスタント値(電圧
が最大値の約37%にまで減衰するまでの時間)が約1
0から20ミリ秒であり、パルス後の生菌率が約10−
40%となる条件であれば良い。例えば、本発明の好ま
しい態様によれば、電気容量が25μF、抵抗値が60
0〜1000オーム、電圧が3.75〜5KV/cmの
条件で、上記のタイムコンスタント値と生菌率が得ら
れ、1μgDNAあたり約500〜1400個の形質転
換体が得られることが示された。
ソルビトールを含むYPD培地を加え30℃で振盪培養
することが好ましく、培養せずに菌を直接シクロヘキシ
ミドを含む選択プレートに塗布するとコロニーが得られ
ない場合があることが見出だされた。また、培養時間は
4〜6時間程度が適当であり、その後は形質転換体の増
殖が無視できなくなる。このほか、DNAと菌体を接触
する際にサーモンスパームDNAなどのキャリアDNA
を添加することやポリエチレングリコールを添加するこ
となどによって形質転換頻度を高めることも本発明によ
る形質転換系にあっても好ましい。
teriol. 153, 163-168 1983)はその簡便さから広くサッ
カロミセス属酵母の形質転換に用いられており、さまざ
まな改良法が報告されている。これらの方法を用いても
キャンディダ・ユティリスの形質転換が可能であること
が確認された。特に、エタノールを添加するリチウム法
変法(Soni et. al. Current Genet. 1993 24, 455-459)
によってキャンディダ・ユティリスの形質転換が好まし
く可能である。また、集菌時の菌体密度、リチウムの濃
度、ポリエチレングリコールの種類と濃度、キャリアD
NAの種類、形態、量など異なる条件を試みることによ
り、酢酸リチウム法によるキャンディダユティリスの形
質転換の至適条件を決定して、形質転換頻度を高めるこ
とが可能である。上記した本発明による(a)選択マー
カー遺伝子および(b)組み込みターゲットが確定され
たことから、これらは当業者にとり容易であると考え
る。
カロマイセス・セレビシエで機能するキャンディダ・ユ
ティリス由来ARS配列8種類と、同じくサッカロマイ
セス・セレビシエで機能するG418耐性遺伝子発現ユ
ニットとを組み合わせたプラスミドを用いて形質転換を
試みたが、形質転換体は取得できなかった。この結果は
ホーらによるキャンディダユティリスの形質転換の報告
(HO, N.W.Y.et. al.前掲)の再現性を疑わせるもので
あるといえる。
に使用される発現ベクター系が提供される。
ャンディダ・ユティリス染色体DNAと相同な配列(以
下、「相同DNA配列」ということがある)を含み、こ
の部分において相同組換えを起こすことにより、プラス
ミドDNAを染色体に組み込むことを可能にし、かつ形
質転換体の選別を可能とする選択マーカー遺伝子を含ん
でなる、プラスミドDNAである。
RNA遺伝子、URA3遺伝子、L41遺伝子、PGK
遺伝子、GAP遺伝子、PMA遺伝子などが挙げられ、
それらはキャンディダ・ユティリス染色体DNA由来の
ものであることが好ましい。用いる配列に依存して染色
体上の任意の位置に異種遺伝子を組み込むことが可能で
ある。このプラスミドは、プラスミド分子内の相同DN
A配列内の適当な制限酵素サイトでの分解によりプラス
ミドDNAを直鎖状として使用される。その結果、プラ
スミドDNA断片はキャンディダ・ユディリス染色体に
相同組換えにより組み込まれる。
のプラスミドDNA中で、マーカー遺伝子および異種遺
伝子を含むDNA配列は、その両端において前記相同D
NA配列に挟まれてなる。この態様では、このプラスミ
ドDNAを相同DNA配列において制限酵素切断し、相
同DNA配列をその両端に有するマーカー遺伝子および
異種遺伝子を含むDNA断片を得る。こうして得たDN
A断片も、また、相同組換えによりキャンディダ・ユデ
ィリス染色体DNAに相同組換えにより組み込まれ得る
ものである。
(または配列)が、キャンディダ・ユディリス染色体に
相同組換えにより組み込まれる」とは、DNA断片がキ
ャンディダ・ユディリス染色体に組み込まれる限りにお
いて、その組み込みの態様は限定されないが、少なくと
も次の二つの態様を含む意味に用いることとする。すな
わち、(1)キャンディダ・ユディリス染色体のDNA
配列と、DNA断片の両端にある相同DNA配列部分と
が相同組換えを生じ、開裂部分にDNA断片が”挿入”
されて染色体DNAに組み込まれる態様、および(2)
キャンディダ・ユディリス染色体のDNA配列と、DN
A断片の両端にある相同DNA配列との相同組換えによ
って、プラスミドDNA断片がキャンディダ・ユディリ
ス染色体の一部と”置換”されて染色体DNAに組み込
まれる態様のいずれも少なくとも意味するものとする。
(2)の態様においては、挿入されたDNA断片の前後
に、ターゲット配列の反復配列が形成されないため、組
み込まれたDNA断片が安定に染色体に存在することが
期待される。
た薬剤耐性マーカーを利用するのが好ましく、より好ま
しい薬剤耐性マーカーとしては、シクロヘキシミド耐性
を付与する遺伝子、例えばシクロヘキシミド耐性型L4
1遺伝子;抗生物質G418耐性を付与する遺伝子、例
えばバクテリアトランスポゾンTn903由来のAPT
遺伝子;抗生物質ハイグロマイシンB耐性遺伝子などが
挙げられる。これら選択マーカー遺伝子が微生物由来で
ある場合は、それらの発現を確かなものとするためにキ
ャンディダ・ユティリスで機能するプロモーターに連結
することが好ましい。
ターは、キャンディダ・ユティリス染色体DNAと相同
な配列(相同DNA配列)を含み、この部分において相
同組換えを起こすことにより、プラスミドDNAを染色
体に組み込むことを可能とするものであり、一方で形質
転換体選択のための選択マーカー遺伝子を持たないプラ
スミドDNAである。このプラスミドは、プラスミド分
子中の相同DNA配列内の適当な制限酵素サイトでの分
解により直鎖状とし使用される。
このプラスミドDNAは、異種遺伝子を含むDNA配列
が、その両端において前記相同DNA配列に挟まれてな
るよう構成されてよい。そして、このプラスミドDNA
を相同DNA配列において制限酵素切断することによっ
て、相同DNA配列をその両端に有するDNA断片が得
られる。こうして得られたDNA断片も相同組換えによ
りキャンディダ・ユディリス染色体DNAに相同組換え
により組み込まれうるものである。
した選択マーカー遺伝子を含んでなるプラスミドDNA
の場合と同様に、キャンディダ・ユディリス染色体に相
同組換えにより組み込まれる。本態様のプラスミドにお
いても、上記(2)の態様による組み込みにすること
で、組み込まれたDNA断片が安定に染色体に存在する
ことが期待される。
RNA遺伝子、URA3遺伝子、L41遺伝子、PGK
遺伝子、GAP遺伝子、PMA遺伝子などが挙げられ
る。それらはキャンディダ・ユティリス染色体DNA由
来のものであることが好ましい。また、用いる配列に依
存して染色体上の任意の位置に外来DNA断片を組み込
むことが可能である。
含むDNA配列と選択マーカー遺伝子とを持つプラスミ
ドと同時に形質転換に用いられる。すなわち、自律複製
能を有するプラスミドが導入されたことにより選択され
る形質転換体のなかから、さらに選択マーカー遺伝子を
持たないDNA断片が染色体上に組み込まれた株を二次
的に選択することが可能である。選択された株に存在す
るプラスミドは、その後非選択条件下で菌を培養するこ
とによって脱落させることが可能であり、結果として、
挿入DNA断片だけを染色体上に保持する株を取得する
ことができる。この手法を用いることにより、例えば異
種遺伝子のみを保持し、微生物由来の薬剤耐性遺伝子の
ように余分な配列を含まない株を育種することが可能に
なる。
A配列と選択マーカー遺伝子とを持つプラスミド自体
も、キャンディダ・ユティリス酵母形質転換用のベクタ
ーとして利用可能である。このプラスミドは非選択条件
下で菌を培養することによって脱落しやすい特徴をもつ
が、安定性を高めるDNA断片が後述するように取得で
き、このDNA断片と組み合わせてベクターとして利用
することが可能である。
を連結して、異種遺伝子を保持したベクターとすること
ができる。このベクターによってキャンディダ・ユティ
リスを形質転換すると、それらの異種遺伝子をキャンデ
ィダ・ユティリス染色体に安定に組み込むことが可能で
ある。こうして得られた形質転換体を適当な培地中で培
養し、該培養物から異種遺伝子の発現産物を、その発現
産物に適した方法で単離、精製することによって、異種
遺伝子をキャンディダ・ユティリスで発現させることが
できる。すなわち、キャンディダ・ユティリスにおける
異種遺伝子の発現法が提供される。ここで、異種遺伝子
とは通常は宿主のキャンディダユティリス染色体上に本
来存在しない遺伝子またはその一部のDNAを意味する
ものとする。
子の発現を独立して制御する調節領域と組み合わせる
か、または、形質転換の過程で破壊された遺伝子自身の
調節領域の影響下にその異種遺伝子を発現させる。その
ような配列はキャンディダ・ユティリスで機能する必要
があり、その好ましい具体例としては後記する本発明に
よるPGK遺伝子、GAP遺伝子、およびPMA遺伝子
のプロモーター配列およびターミネーター配列、さらに
は後述するプロモータークローニング用ベクターにより
取得されるプロモーター活性を有するDNA配列が挙げ
られる。
明により、ホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子のプロモ
ーター配列およびターミネーター配列を用いて、グルコ
アミラーゼ遺伝子、アミノグリコシドホスフォトランス
フェラーゼ遺伝子、β−ガラクトシダーゼ遺伝子、ハイ
グロマイシンBホスフォトランスフェラーゼ遺伝子など
の異種遺伝子の発現に成功した。また、さらにグリセロ
アルデヒド- 3- リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のプロ
モーターおよびターミネーター配列、ならびに原形質膜
プロトンATPase遺伝子のプロモーターおよびター
ミネーター配列を用いて、アミノグリコシドホスフォト
ランスフェラーゼ遺伝子の発現にも成功した。これらの
異種タンパク質のうち、グルコアミラーゼは分泌蛋白質
であり、アミノグリコシドホスフォトランスフェラーゼ
やβ−ガラクトシダーゼは菌体内酵素である。このこと
は、本発明によるキャンディダ・ユティリスでの異種蛋
白質の生産は、それが菌体内あるいは分泌蛋白質いずれ
であっても可能であることを意味する。さらに、グルコ
アミラーゼについてはその高レベルの分泌発現が認めら
れ、キャンディダ・ユティリスが異種蛋白質の高生産の
ための優れた宿主となりうることが明らかにされたとい
える。
カンスなど一部のキャンディダ属酵母においては、一部
コドンの翻訳のされ方が他の生物とは異なっていること
も報告されている(Ohama et. al. Nucleic Acids Res.
21 4039 - 4045(1993)) 。キャンディダ・マルトーサを
宿主として得られた大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子の発現産物が活性を示さないことは、そのためで
あるとされている。後記実施例から明らかなように、キ
ャンディダ・ユティリスで産生された、大腸菌由来のβ
−ガラクトシダーゼ遺伝子産物はその活性を保持してい
た。このことは、キャンディダ・ユティリスが正常なコ
ドン認識をすることを示しており、これはキャンディダ
・ユティリスが異種ポリペプチド生産において好ましい
宿主であることを示している。
伝子を発現することによってキャンディダ・ユティリス
の性質を改変することができる。従って、本発明によれ
ば、新たなキャンディダ・ユティリス株の作出法が提供
される。例えばその発酵特性を改良し、工業的有用性を
増大することが可能である。特にグルコアミラーゼ遺伝
子を発現するキャンディダユティリス株は、澱粉資化性
が付与されることにより利用可能な炭素源スペクトルが
拡大されたといえる。
ディダ・ユティリス以外の細胞の形質転換に利用するこ
とも可能である。キャンディダ・ユティリス以外の細胞
を宿主とする場合、形質転換の実施に際して適当なDN
A断片を選択するのが好ましい。そのようなDNA断片
としては、大腸菌の場合、例えばpBluescript やpUC
19のような細菌のプラスミドDNAが挙げられる。ま
た、サッカロマイセス属酵母の場合、例えばYEp1
3、YCp50(Methods in Enzymology, 194,p195-23
0, Academic Press(1991)) などの酵母−大腸菌シャト
ルベクターが挙げられる。
製能を有するDNA配列のクローニング法 さらに本発明によれば、キャンディダ・ユティリス酵母
内で自律複製能を持つDNA配列をクローン化する手法
が提供される。使用するDNAはいかなる生物種由来の
ものであってもよいが、キャンディダ・ユティリス由来
であるのが好ましい。また、このためのベクターとして
は、薬剤耐性マーカー遺伝子を含むものが利用でき、好
ましくはキャンディダユティリスで機能するプロモータ
ーとターミネーターとにより発現するG418耐性遺伝
子であるAPT遺伝子を含むベクターを用いることがで
きる。具体的には、PGK遺伝子プロモーターで発現す
るAPT遺伝子を有するプラスミドをベクターとして用
いて、キャンディダ・ユティリス酵母染色体DNAライ
ブラリーを作製し、このライブラリーDNAでキャンデ
ィダ・ユティリスを形質転換する。そして、例えばG4
18耐性で選択される形質転換体酵母から全DNAを抽
出して、大腸菌を形質転換することにより、形質転換酵
母体で、染色体外因子として存在していたプラスミドD
NAを回収することができる。このプラスミドDNAに
挿入されたキャンディダ・ユティリス由来の染色体DN
A断片から、自律複製配列(ARS)としての機能配列
を分離することができる。
シクロヘキシミド耐性型L41遺伝子を含むプラスミド
をベクターとした場合は、自律複製能を持つDNA配列
をクローン化することはできなかった。すなわち、この
プラスミドを用いてキャンディダ・ユティリス酵母染色
体DNAライブラリーを作製し、このライブラリーDN
Aでキャンディダ・ユティリスを形質転換しても、シク
ロヘキシミド耐性の形質転換体は得られなかった。これ
は、キャンディダ・ユティリスのARSの特徴として、
それを含むプラスミドの細胞あたりのコピー数が低く、
形質転換体を選択するために数コピー必要なシクロヘキ
シミド耐性型L41遺伝子と組み合わせても形質転換体
を選択できないことを示唆している。これは後に、取得
したARSとシクロヘキシミド耐性型L41遺伝子とを
含むプラスミドによってキャンディダ・ユティリスの形
質転換を行っても、形質転換体が得られなかったことか
らも確認された。後記する実施例に示されるように、分
離したARSを含むDNA配列の性質を詳しく解析する
ことにより、ARSを有するプラスミドはキャンディダ
・ユティリス酵母内で1細胞あたり約1コピーしか存在
しないことが明らかにされた。この他に、分離したAR
Sの特徴として、それを含むプラスミドが不安定である
ことがあげられる。非選択条件下で約2.5〜3.5世
代培養することにより、プラスミドを保持する菌の割合
は全体の20〜30%にまで低下していた。
ーター活性を有するDNA配列の分離法 前記の自律複製能を有するDNA配列の利用により、キ
ャンディダ・ユティリスにおいて転写のプロモーター活
性を有するDNA配列のクローン化法が提供される。こ
のためのベクターとしては、自律複製能を有するDNA
配列の他に、転写のためのプロモーター配列を持たない
薬剤耐性マーカー遺伝子を含むものであれば用いること
ができ、好ましくはG418耐性遺伝子であるAPT遺
伝子を含むものを用いることができる。また、使用する
DNAはいかなる生物種由来であってもよいが、キャン
ディダ・ユティリス由来であるのが好ましい。また、ラ
イブラリー作成のためにDNAは制限酵素やDNAアー
ゼなどの酵素処理あるいは超音波などの機械的剪断によ
り低分子化する必要があるが、好ましくは、4塩基認識
でかつ平滑末端を生じる3種類の制限酵素AluI、HaeII
I、RsaIを組み合わせて染色体DNAの部分分解に使用
する。これにより、より多くの染色体領域がライブラリ
ーにクローン化されるからである。
ないAPT遺伝子の5’側に、前記の制限酵素により部
分分解した約0. 8〜1. 8kbのDNA断片を連結し
てキャンディダ・ユティリス酵母染色体DNAライブラ
リーを通常法によって作製する。そして、このライブラ
リーDNAでキャンディダ・ユティリスを形質転換す
る。プロモーター活性を有するDNA配列がAPT遺伝
子の直前にクローン化されたプラスミドにより形質転換
された酵母はG418耐性となる。よって、G418耐
性を示す形質転換体から全DNAを抽出して、大腸菌を
形質転換することにより、プロモーター活性を有するD
NA配列を効率的に分離することができる。この際、プ
レートに含まれるG418濃度を高くする、またはプレ
ート上で比較的大きなコロニーを形成する株を選択する
ことによって、より転写活性の高いプロモーター配列を
分離することが可能である。本発明によるこの方法は、
前述したようにキャンディダ・ユティリスにおけるAR
Sを含むプラスミドのコピー数は細胞あたり1コピー程
度であるため、活性の高いプロモーター配列を分離する
のに好都合であるといえる。
伝子の分離法 また、前述の本発明によるキャンディダ・ユティリス酵
母内でプロモーター活性をするDNAを分離する方法
は、同時に、ARSを含んだプラスミドの安定性を高め
る機能を有するDNA配列の分離法を提供する。キャン
ディダ・ユティリスにおけるARSを含むプラスミドの
存在様式のひとつの特徴として、その安定性が低く、非
選択条件下で約3〜4世代培養することにより、プラス
ミドを保持する菌体の割合が全体の20〜30%にまで
低下する。このため、選択薬剤を含むプレート上におい
ては、薬剤耐性遺伝子を持つARSプラスミドを保持す
る株は、薬剤耐性遺伝子が染色体上に組み込まれた株と
比較して、細胞あたりのコピー数が同じであってもやや
小さいコロニーを形成する。本発明においては、活性の
高いプロモーター配列を分離するために比較的大きなコ
ロニーを形成する株を選択したために、後記する実施例
で示すように分離されたプロモーター活性を有するDN
A配列のなかには、同時に、プラスミドの安定性を改善
し、より安定にする機能を持つDNA配列も取得するこ
とができた。またさらに、当業者にとり、この形質転換
系を利用することによって、このほかセントロメア配列
など種々の機能を有するDNA配列の取得が可能である
ことは容易に想到可能と考える。
換体の作出法 前述の本発明による自律複製能を有するDNA配列の利
用により、更に、薬剤耐性マーカー遺伝子を含まない形
質転換体の作出法が提供される。具体的には、薬剤耐性
マーカー遺伝子を含まない形質転換体は、以下の手順に
より取得可能である。始めに前記の形質転換体選択のた
めの選択マーカー遺伝子を持たず、染色体DNAと相同
な配列(相同DNA配列)を含むプラスミドDNAを、
この相同DNA配列内の適当な制限酵素サイトで分解す
ることにより直鎖状とする。これにより、この直鎖状プ
ラスミドDNAはキャンディダ・ユティリス染色体の相
同DNA配列上に組み込まれる得るものとなる。その
後、この直鎖状プラスミドDNAを、ARSを含むDN
A配列と選択マーカー遺伝子とを持つプラスミドと同時
に酵母の形質転換に用いる。次にARSを含むプラスミ
ドが導入されたことにより選択される形質転換体のなか
から、同時に形質転換に用いたDNA断片が染色体上に
組み込まれた株を、DNA断片に含まれる異種遺伝子な
どの発現をみるか、またはPCR、サザン解析などでD
NA断片の組み込みを確認することなどして、二次的に
選択する。さらに選択された株に存在する自律複製能プ
ラスミドは、非選択条件下で菌を培養することによって
容易に脱落させることが可能である。これにより、選択
マーカー遺伝子を保持せず、挿入DNA断片だけを染色
体上に保持する株を取得することが可能である。
異的変異法 本発明の別の態様によれば、キャンディダ・ユティリス
染色体の部位特異的変異法が提供される。この方法は、
選択マーカー遺伝子をターゲット遺伝子に挿入して機能
を失わせた遺伝子分断カセットを、染色体のターゲット
遺伝子の置換体として使用することに基づく。このカセ
ットは、その両端に染色体ターゲット遺伝子に相同で組
換え可能なDNA配列(相同DNA配列)を含み、かつ
それらの間に少なくとも1つの選択マーカー遺伝子を含
んでなる、線状DNA構造をなすものである。このうち
挿入可能なDNA断片は、それが染色体上に存在すると
きと同じ方向であることが重要である。このカセットを
用いて酵母を形質転換することにより、このマーカー遺
伝子とその両側に存在する挿入可能なDNA配列とが宿
主に取り込まれる。この形質転換の結果として、組み込
み部位のターゲット遺伝子が破壊され、新規な形質を有
する酵母株が得られる。選択マーカー遺伝子は好ましく
は薬剤耐性遺伝子であり、遺伝子が破壊された形質転換
体は薬剤耐性により選択できる。遺伝子修飾のターゲッ
トになりうる遺伝子は、キャンディダ・ユティリス染色
体由来の遺伝子であるのが好ましい。具体的にはURA
3、ADE1、ADE2、HIS4遺伝子などが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
3遺伝子を、シクロヘキシミド耐性L41遺伝子などの
選択マーカー遺伝子により分断して、機能を持たない遺
伝子とした後、形質転換に用いる。得られたシクロヘキ
シミド耐性の形質転換体は、染色体上のURA3遺伝子
2個のうち1個が破壊されている。続いてG418耐性
遺伝子など他の選択マーカー遺伝子により分断されたU
RA3遺伝子断片を用いて、1個のURA3遺伝子が破
壊された前記株を形質転換することにより、URA3遺
伝子が2個とも破壊された株を得ることができる。ur
a3変異株はウラシル生合成経路中間体の毒性類似体で
ある5−フルオロオロチン酸(5−FOA)に耐性とな
ることが知られている。よって、2個のうち1個のUR
A3遺伝子が破壊された株を遺伝子置換することで得ら
れた、URA3遺伝子が2個とも機能を失ったura3
変異株を、5−FOA耐性株として取得することも可能
である。これによって得られるura3変異株を宿主と
して用いることにより、URA3遺伝子を選択マーカー
遺伝子とした、薬剤耐性遺伝子マーカーによらない形質
転換体取得も可能になる。さらにこうして得られる栄養
要求性変異株は化学的突然変異法により作製された株の
ように、その他の遺伝子座に生じうる二次突然変異の影
響を受ける可能性がきわめて低いという利点を有する。
ム構成蛋白質L41、ならびに、それをコードする遺伝
子、そのプロモーター、およびターミネーター配列が提
供される。
蛋白質L41は、具体的には図14に記載のアミノ酸配
列(配列番号:6)を有するものである。従って、本発
明によるL41遺伝子は、図14に記載のアミノ酸配列
をコードするものである。さらに、この遺伝子と、その
プロモーター、およびターミネーター配列とを含んでな
る塩基配列の具体例は、図13(配列番号:5)に示さ
れる塩基配列である。
変異作製法により、56番目のアミノ酸残基がプロリンか
らグルタミンに変換されたシクロヘキシミド耐性型L4
1蛋白質をコードする変異型L41遺伝子が提供され
る。このシクロヘキシミド耐性型L41遺伝子は、前記
したように、キャンディダ・ユティリスの形質転換の選
択マーカー遺伝子として有用であるほか、他の酵母、た
とえばサッカロマイセス属酵母の形質転換マーカー遺伝
子としても使用できる。また、さらにこの遺伝子のプロ
モーター、ターミネーター配列は異種遺伝子の発現にも
使用可能であるのは言うまでもない。
列、およびターミネーター配列が提供される。
は、図3に記載の塩基配列(配列番号:2)の内、少な
くとも946番〜1346番までの配列を有する配列、
およびプロモーター活性を保持するその部分配列が挙げ
られる。
例としては、図2に記載の塩基配列(配列番号:1)、
およびターミネーター活性を保持するその部分配列が挙
げられる。
列とを適当なプラスミドベクターに接続することによ
り、キャンディダ・ユティリスで利用可能な発現ベクタ
ーを得ることができる。このためのプラスミドベクター
としてはpBluescript 、pUC19など公知の大腸菌プ
ラスミド、または、シクロヘキシミド耐性型L41遺伝
子などの選択マーカー遺伝子と、さらに必要に応じて染
色体ターゲット遺伝子に相同で組換え可能なDNA配列
とを含む酵母−大腸菌シャトルプラスミドが利用でき
る。また、他の宿主細胞、特にサッカロマイセス属酵
母、においても、プロモーター、またはターミネーター
として利用することも可能であることは当業者に明らか
であると考える。
り、その他の解糖系酵素の遺伝子と共にキャンディダ・
ユティリスで大量に発現していることから、強力なプロ
モーターであることが期待される。後記する実施例で
は、作製した発現ベクターを用いて異種遺伝子であるグ
ルコアミラーゼ遺伝子、アミノグリコシドホスフォトラ
ンスフェラーゼ遺伝子、βガラクトシダーゼ遺伝子など
の発現に、このプロモーターが有利に利用できることが
明らかにされている。
ター配列とターミネーター配列とに連結した遺伝子の発
現量が減少しなければ、それらの一部を欠損させること
によって、発現ベクターを小型化することも可能である
ことは当業者に自明の事項であろう。
びターミネーター配列が提供される。
は、図30に記載の塩基配列(配列番号:7)、および
プロモーター活性を保持するその部分配列が挙げられ
る。
例としては、図31に記載の塩基配列(配列番号:
8)、およびターミネーター活性を保持するその部分配
列が挙げられる。
列とを適当なプラスミドベクターに接続することによ
り、キャンディダ・ユティリスで利用可能な発現ベクタ
ーを得ることができる。このためのプラスミドベクター
としてはpBluescript 、pUC19など公知の大腸菌プ
ラスミド、または、シクロヘキシミド耐性型L41遺伝
子などの選択マーカー遺伝子と、さらに必要に応じて染
色体ターゲット遺伝子に相同で組換え可能なDNA配列
とを含む酵母−大腸菌シャトルプラスミドが利用でき
る。また、他の宿主細胞、特にサッカロマイセス属酵
母、においても、プロモーター、またはターミネーター
として利用することも可能であることは当業者に明らか
であると考える。
り、その他の解糖系酵素の遺伝子と共にキャンディダ・
ユティリスで大量に発現していることから、強力なプロ
モーターを有することが期待される。後記する実施例で
は、作製した発現ベクターを用いて異種遺伝子であるア
ミノグリコシドホスフォトランスフェラーゼ遺伝子の発
現に、このプロモーターが有利に利用できることが明ら
かにされている。
ター配列とターミネーター配列とに連結した遺伝子の発
現量が減少しなければ、それらの一部を欠損させること
によって、発現ベクターを小型化することも可能である
ことは当業者に自明の事項であろう。
よびターミネーター配列が提供される。
は、図34に記載の塩基配列(配列番号:9)、および
プロモーター活性を保持するその部分配列が挙げられ
る。
例としては、図35に記載の塩基配列(配列番号:1
0)、およびターミネーター活性を保持するその部分配
列が挙げられる。
列とを適当なプラスミドベクターに接続することによ
り、キャンディダ・ユティリスで利用可能な発現ベクタ
ーを得ることができる。このためのプラスミドベクター
としてはpBluescript 、pUC19など公知の大腸菌プ
ラスミド、または、シクロヘキシミド耐性型L41遺伝
子などの選択マーカー遺伝子と、さらに必要に応じて染
色体ターゲット遺伝子に相同で組換え可能なDNA配列
とを含む酵母ー大腸菌シャトルプラスミドが利用でき
る。また、他の宿主細胞、特にサッカロマイセス属酵
母、においても、プロモーター、またはターミネーター
として利用することも可能であることは当業者に明らか
であると考える。
り、サッカロマイセス酵母においては原形質膜タンパク
質の約10%を占めている主要タンパク質であることが
知られている。従って、このPMA遺伝子は、強力なプ
ロモーターを有していることが期待される。後記する実
施例では、作製した発現ベクターを用いて異種遺伝子で
あるアミノグリコシドホスフォトランスフェラーゼ遺伝
子の発現に、このプロモーターが有利に利用できること
が明らかにされている。
ター配列とターミネーター配列とに連結した遺伝子の発
現量が減少しなければ、それらの一部を欠損させること
によって、発現ベクターを小型化することも可能である
ことは当業者に自明の事項であろう。
が提供される。このDNA配列は、自律複製能を有する
DNA配列と、転写のためのプロモーター配列を持たな
い薬剤耐性マーカー遺伝子とを含んでなるベクターを利
用して分離される。プロモーター活性を有するDNA配
列の好ましい具体例としては、図48に記載の塩基配列
(配列番号:13)、およびプロモーター活性を保持す
るその部分配列が挙げられる。また、後記する実施例で
詳述するように、このベクターを利用して、図48に記
載の塩基配列が明らかにされたプロモーター活性を有す
るDNA配列以外に、8種類のDNA配列が取得され
た。この転写のためのプロモーター配列を持たない薬剤
耐性遺伝子を例えばハイグロマイシンB耐性遺伝子など
他の遺伝子に置き換えることによっても同様に、プロモ
ーター活性を有するDNA配列を分離できる。また、さ
らに形質転換体を選択するプレートに含まれる糖の種類
や、その他の培地組成など選択条件を変更することによ
り、ある特異的な条件下で転写活性が誘導されるプロモ
ーターを取得することが可能である。これらのことは、
本明細書の開示を参照すれば、当業者に容易に理解され
る事項であろう。
ター配列とともに適当なプラスミドベクターに接続する
ことによりキャンディダ・ユティリスで利用可能な発現
ベクターを得ることができる。このためのプラスミドベ
クターとしてはpBluescript、pUC19など公知の大
腸菌プラスミド、または、シクロヘキシミド耐性型L4
1遺伝子などの選択マーカー遺伝子と、さらに必要に応
じて染色体ターゲット遺伝子に相同で組換え可能なDN
A配列とを含む酵母−大腸菌シャトルプラスミドが利用
できる。また、他の宿主細胞、特にサッカロマイセス属
酵母、においても、プロモーターとして利用することも
可能であることは当業者に明らかであると考える。
ーを用いて異種遺伝子であるアミノグリコシドホスフォ
トランスフェラーゼ遺伝子の発現に、このプロモーター
が有利に利用できることが明らかにされている。
結した遺伝子の発現量が減少しなければ、それらの一部
を欠損させることによって、発現ベクターを小型化する
ことも可能であることは当業者に自明の事項であろう。
RNA遺伝子を含んでなる、約13.5kbのDNA断
片、およびその断片が反復されてなるDNA配列が提供
される。
に示される制限酵素地図で表されるものである。このD
NA配列のうち18S、5.8S、25S rRNA遺
伝子の位置は図6(b)に示される通りであった。
断片の染色体組み込みのためのターゲット配列として用
いることにより、効率的で多コピーの組み込みが達成さ
れる。この約13.5kbのDNA断片を4個の断片に
分けてプラスミドを構築し、それぞれ、形質転換に用い
たところ、興味あることに、組み込みターゲット配列と
して使用する領域によって、得られる形質転換頻度に差
が認められた。すなわち、図20の18S rRNA遺
伝子の3´側一部と5.85rRNA遺伝子、さらに2
5S rRNA遺伝子の5´側一部を含む3.5kbの
EcoRI断片を含むプラスミドpCLRE4、または
25S rRNA遺伝子の3´側一部を含む3kbのE
coRI断片を含むプラスミドpCLRE6と18S
rRNA遺伝子の5´側一部を含む4.7kbのEco
RI断片を含むプラスミドpCLE7では、高頻度で形
質転換体が得られたが、一方、18S rRNA遺伝子
を含む2.4kbEcoRI断片を含むプラスミドpC
LRE5では得られる形質転換頻度が低かった。
シエ酵母のura3変異を相補する、キャンディダ・ユ
ティリスのURA3遺伝子が提供される。この遺伝子
は、前記したように、DNA断片の組み込みターゲット
として用いられるほか、染色体URA3遺伝子の遺伝子
破壊によるura3変異株の作出に使用できる。これに
よって得られるura3変異株を宿主として用いること
により、URA3遺伝子を選択マーカー遺伝子とした薬
剤耐性遺伝子マーカーによらない形質転換体の取得も可
能になる。また、さらにこの遺伝子のプロモーターおよ
びターミネーター配列は、異種遺伝子の発現にも使用可
能であるのは言うまでもない。
図11に示されるアミノ酸配列(配列番号:4)をコー
ドするものである。好ましいURA3遺伝子は図9に示
される塩基配列(配列番号:3)を有するもの、または
サッカロミセス・セレビシエ酵母のura3変異を相補
する機能を保持するその部分配列を有するものである。
って、キャンディダ・ユティリス内で、当該DNA配列
を含むベクターを、染色体外要素としてのプラスミドと
して保持させ、宿主の形質転換頻度を上昇させることが
できるDNA配列が提供される。このDNA断片として
はどのような生物由来でも良いが、好ましくはキャンデ
ィダ・ユティリス由来である。ARSの好ましい具体例
としては、図41および図42に記載の塩基配列(配列
番号:11)、あるいは図43および図44に記載の塩
基配列(配列番号12)、および自律複製機能を有する
その部分配列が挙げられる。後記する実施例から明らか
なように、短縮化したDNA断片を含むプラスミドによ
っても、頻度は低下するものの、キャンディダ・ユティ
リス酵母を形質転換することができる。
とを使用することにより、キャンディダ・ユティリス内
においてプラスミドとして存在し得るベクターが提供さ
れる。さらに、このベクターを利用することにより、プ
ロモーター活性を有するDNA配列や、その他の機能を
有するDNA配列を分離することが可能である。また、
キャンディダ・ユティリス染色体DNAと相同な配列
(相同DNA配列)を含み、かつ特に形質転換体を選択
するための選択マーカー遺伝子を持たないプラスミドD
NAとともに、ARSと適当な選択マーカー遺伝子とを
含むプラスミドを形質転換に用いることにより、選択マ
ーカー遺伝子を含まず、異種遺伝子を含むDNA断片の
みを染色体上に保持する形質転換酵母の作出が可能であ
る。
説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるも
のではない。
制限酵素サイトについては以下の略号で示してある。
AflIII 、Ap;ApaI、B;BamHI、Bg;
BglII、C;ClaI、E;EcoRI、RV;Ec
oRV、H; HindIII 、Hp;HpaI、K;K
pnI、P;PstI、Pv;PvuII、S;Sal
I、Se;SpeI、Sm;SmaI、Sc;Sac
I、ScII; SacII、Sp;SphI、X;Xba
I、およびXh;XhoIである。
に使用される方法は以下のとおりである。
ーンヌクレアーゼを用いた欠失変異処理とDNA配列の
決定 プラスミド10μgを適当な制限酵素消化した後、フェ
ノール/クロロホルムで抽出し、エタノール沈殿により
DNAを回収した。DNAを100μlのExoIII 緩
衝液(50mM Tris−HCl pH8.0,10
0mM NaCl,5mM MgCl2 ,10mM 2
−メルカプトエタノール) に溶解し、180ユニットの
ExoIII ヌクレアーゼを加え、37℃で保温した。1
分ごとに10μlをサンプリングし、2サンプル分ずつ
まとめて、20μlのMBバッファー(40mM Na
−Acetate, 100mM NaCl,2mM ZnCl
2,10%グリセロール pH4.5)の入った氷冷し
たチューブに移した。得られた5本のチューブを65℃
10分間保温して酵素を失活させた後、5ユニットのマ
ングビーンヌクレアーゼを加えて、37℃で30分間反
応した。反応後、アガロースゲル電気泳動により欠失の
程度が異なる5種類のDNA断片を回収した。回収した
DNAはクレノウ酵素で末端を平滑化し、16℃で一晩
ライゲーション反応した後、大腸菌を形質転換した。
いて、アプライドバイオシステムズ(株)の蛍光プライ
マーサイクルシークエンスキットを用いてシークエンス
反応を行い、自動DNAシークエンサーを用いてDNA
配列を決定した。
ィルター(Amersham)に、添付のプロトコールにしたが
ってアルカリトランスファーして、サザンハイブリダイ
ゼーション用のフィルターを作製した。
ブリダイゼーション溶液(6xSSC,5xDenhardt S
olution,0.2% SDS,20μg/ml Salmon
sperm DNA)中で65℃、2時間プレハイブリダイゼ
ーションを行った。次にMegaprime DNA labelling
systems (Amersham)と[α−32P]dCTP(110
TBq/mmol)とを用いて標識化したプローブDN
Aを、ハイブリダイゼーション溶液に加え、65℃で1
6時間ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイ
ゼーション後、フィルターは1xSSC,0.1%SD
S中で、65℃、2時間洗浄した後、オートラジオグラ
フィーに供してシグナルを検出した。
ス、2%バクトペプトン、2%グルコースであり、プレ
ートの場合は寒天を2%になるように加えた。SD培地
の組成は、0.67%アミノ酸不含イーストニトロジェ
ンベース、2%グルコースであり、使用した酵母の栄養
要求性に応じて、アミノ酸を添加した。プレートの場合
は寒天を2%になるように加えた。
反応など、種々の酵素による反応は、メーカーの推奨す
る反応条件、あるいはMolecular Cloning 2ndedition S
ambrook et al. Cold Spring Harbor Laboratory Press
(1989) に記載の方法に従って行った。
DNAの調製 キャンディダ・ユティリス(Candida utilis)の染色体D
NA抽出は、以下に示す方法で行った。30mlのYP
D培地に、キャンディダ・ユティリスATCC9950
株を植菌し、30℃で定常期初期になるまで培養した。
遠心分離により菌体を集めて滅菌水で洗浄した後、再度
遠心分離により集菌した。菌体は3mlのザイモリアー
ゼバッファー(0.9Mソルビトール、0.1M ED
TA、50mM DTT、pH7.5)に懸濁した後、
25mg/mlのザイモリアーゼ100Tを含む0.9
Mソルビトールを200μlを加え、37℃で振とう保
温した。顕微鏡下でプロトプラスト化を確認した後、遠
心分離してプロトプラスト化した菌を回収した。3ml
の溶菌バッファー(50mM Tris−HCl、50
mM EDTA、pH8.0)を加え、穏やかに、かつ
十分に懸濁してから0.3mlの10%SDSを混合
し、65℃で一夜保温した。続いて1mlの5M酢酸カ
リウム液を加え、氷上で1時間放置した。その後遠心分
離により凝集物を除き、4mlの冷却したエタノールを
加え、遠心分離してDNA等を沈殿させた。沈殿は50
%のエタノールで洗浄し、乾燥した後、3mlのRNa
se Aバッファー(10mM Tris−HCl、1
mM EDTA、50μg/ml RNase A、p
H7.5)に溶解して、37℃で30分保温した。最後
に3mlの2−プロパノールを加え、遠心分離して上清
を除いた後、沈殿を50%の2−プロパノールで洗浄
し、乾燥させた。この沈殿を0.5mlのTEバッファ
ーに溶解したものをキャンディダ・ユティリス染色体D
NA試料とした。
(PGK)遺伝子のクローニング キャンディダ・ユティリス染色体DNAを制限酵素Sa
u3AIで部分消化した後、0.8M NaCl、20
mM Tris−HCl、10mM EDTA(pH
8.0)を含む10−50%ショ糖密度勾配に重層し
て、120,000 x g、14時間の遠心分離によりDNA断
片を分画した。このうち10〜20kbの染色体DNA
断片と、BamHI消化した後脱リン酸化したλファー
ジベクターDASHTMII(Stratagene Cloning Systems)と
を、T4DNAリガーゼにより一晩連結した。続いてGi
gapackII Gold Packaging Extract(Stratagene Cloning
Systems) を用いてインビトロパッケージングし、キャ
ンディダユティリス染色体DNAライブラリーを構築し
た。
のクローニングは、他生物の既知のPGK遺伝子をプロ
ーブとしたハイブリダイゼーション法を用いて行った。
すなわち、Molecular Cloning 2nd edition Sambrook
et. al. p2.108-121,Cold Spring Harbor Laboratory
(1989) に記載された方法に従い、上記のDNAライブ
ラリーの約20,000プラークのファージDNAを吸着させ
たフィルターを作製した。次に、サッカロマイセス・セ
レビシエのPGK遺伝子を保持するプラスミドpST2
(Yamano et. al. Journal of Biotechnology.32, 165-
171(1994)) からPGK遺伝子を含むDNA断片を、2
kbのClaI断片として切り出した。この断片を32P
標識して、これをプローブとしてハイブリダイゼーショ
ンを行った。その結果4つの陽性プラークが分離でき
た。更にこれらプラークから調製したファージDNAに
ついてさまざまな制限酵素で消化後、同じプローブを用
いてサザン解析を行った。その結果、プローブにハイブ
リダイズした2.6kb EcoRI断片と2.5kb
SalI断片を単離した。
の塩基配列決定と、構造遺伝子及び制御領域の特定 単離した2.6kb EcoRI断片を、プラスミドベ
クターBluescriptIISK+ のEcoRIサイトに組み込
み、ベクターに対する挿入断片の方向性が互いに逆向き
のプラスミドpPGKE1、pPGKE2を作製した。
また、2.5kbSalI断片を同様にベクターBluesc
riptIISK+ のSalIサイトに組み込み、ベクターに対
する挿入断片の方向性が互いに逆向きのプラスミドpP
GKS1、pPGKS2を作製した(図1)。
GKE2の2種のプラスミドについて、HindIII 、
KpnI、SalIなどの制限酵素サイトでの欠失変異
体の作製や、ExoIII ヌクレアーゼ及びマングビーン
ヌクレアーゼを用いて欠失変異体を作製することによ
り、種々の欠失変異をもつプラスミドを作製し、253
0bpからなるEcoRI断片の配列を決定した。
ところ、1248bpからなるオープンリーディングフ
レームが存在し、そこから推定される遺伝子産物のアミ
ノ酸配列についてサッカロマイセス・セレビシエのPG
K遺伝子に対するホモロジーを調べた。両配列は互いに
86.8%のホモロジーを示したことから、単離した遺
伝子がキャンディダ・ユティリスのPGK遺伝子である
と断定した。
領域については、開始コドンATGの上流401bp、
終止コドンTAAの下流880bpが含まれていた。こ
のうち、転写のターミネーターを含むと推測される終止
コドンTAAの直後からEcoRIサイトまでの880
bpの配列は図2に示される通りであった。またさら
に、プラスミドpPGKS1、pPGKS2について
も、ExoIII ヌクレアーゼ及びマングビーンヌクレア
ーゼを用いた欠失変異体作製により種々の欠失変異をも
つプラスミドを作製し、HindIII サイトからEco
RIサイトまでの塩基配列を決定した(図1)。転写の
プロモーターを含むと推測されるHindIII サイトか
ら開始コドンATGの直前までの1346bpの配列は
図3に示される通りであった。
ーミネーターとを使った発現ベクターの構築 キャンディダ・ユティリス内で異種遺伝子を発現させる
ためには、キャンディダ・ユティリス内で機能する遺伝
子発現因子、転写プロモーター及びターミネーターが必
要となる。そこで、キャンディダ・ユティリスのPGK
遺伝子プロモーターと、ターミネーターとの間に、マル
チクローニングサイトを持つ発現ベクタープラスミドを
作製した。
R)によリ、プロモーターとターミネーターとを含む断
片をそれぞれ取得した(図1)。
KS1を鋳型として、開始コドンの2.3kb上流に位
置するSalIサイトから開始コドンATG直前までの
断片を取得した。プライマーとして、 5'-GGTCGACATATCGTGGTAAGCGCCTTGTCA-3' (配列番号:14) 5'-TTCTAGACTTTATCCGCCAGTATGTTAGTC-3' (配列番号:15) を用い、3’下流側開始コドン直前にXbaI部位をも
つ様にデザインして合成した。
ドpPGKE1を鋳型として、終止コドン直後から88
0bp下流のEcoRIサイトまでの断片を取得した。
プライマーとして、 5'-GGGTACCTAACTGCAAGCTACTTTGTAATTAAC-3' (配列番号:16) 5'-GGAATTCAACATGAATGACACGACGAAGGT-3' (配列番号:17) を用い、5’上流側終止コドン直後にKpnIサイトを
もつ様にデザインし合成した。
ーゼ(Stratagene Cloning Systems)を使い、添付のバ
ッファーを使用して、30サイクル行った。
ーター断片は、それぞれSalIとXbaI、またはK
pnIとEcoRIで消化した。その断片を、pUC1
9のSalI−XbaIサイトとKpnI−EcoRI
サイトとに順に組み込み、プラスミドpPGKPT1を
構築した(図4)。続いて、ターミネーター下流末端の
EcoRIサイトをクレノウ酵素処理により平滑化した
後、NotIリンカー(5'AGCGGCCGCT3´:配列番号:1
8)を連結してから、PstI消化により約0.9kb
のPstI−NotI断片を切り出した。この断片を、
プラスミドpPGKS1から切り出した1.2kbHi
ndIII −PstI断片と共に、pBluescriptSK-のHi
ndIII サイトとNotIサイトとの間に挿入して、プ
ラスミドpPGKPT2を構築した。さらに、pPGK
PT2をBglII消化して、クレノウ酵素処理、そして
再環状化することにより、ターミネーター断片中のBg
lIIサイトを除去して、プラスミドpPGKPT3を構
築した。続いてpPGKPT3のHindIII サイトを
クレノウ酵素処理により平滑化した後、NotIリンカ
ー(5'AGCGGCCGCT3':配列番号:18)を連結して、プ
ラスミドpPGKPT4を構築した。また、プラスミド
pPGKPT4をKpnIで部分消化して、プロモータ
ー上流のKpnIサイトを欠失させて、プラスミドpP
GKPT5を構築した(図4)。
た、キャンディダ・ユティリスATCC9950のゲノ
ムDNAのSau3AI部分消化断片のうち、5〜10
kbの分画のDNA断片400ngと、BamHI消化
した後脱リン酸化したベクタープラスミドpBR32
2、200ngとを、T4DNAリガーゼにより一晩連
結した。このDNA溶液を用いて大腸菌DH5を形質転
換して、キャンディダ・ユティリス染色体DNAライブ
ラリーを完成した。
ecular Cloning 2nd edition Sambrook et. al. p12.
21-23, Cold Spring Harbor Laboratory (1989)に従っ
てフィルターを作製し、サッカロミセス・セレビシエの
18S rRNA遺伝子を含む1.8kbのHindII
I −EcoRI断片を32P標識し、これをプローブとし
てスクリーニングを行った。このプローブとして用いた
rDNA断片は、サッカロマイセス・セレビシエS28
8C[α,suc2,mal,gal2,CUP1]よ
り作製した染色体DNAライブラリーから、5.8S
rRNA遺伝子の5´末端の4〜32番目の塩基に対応
するオリゴマーを32P標識したものをプローブとして取
得したものである(曽根ら、特公平6−14865号公
報)。
ーンが得られた。このうち7個のクローンpCR1、p
CR4、pCR5、pCR6、pCR7、pCR8、お
よびpCR9についてプラスミドの制限酵素地図を作製
し、整列させ比較したところ、両端の制限酵素地図が一
致した(図5)。このことから、キャンディダ・ユティ
リスのrRNA遺伝子を含む領域が、約13kbからな
る繰り返し構造をとっていることが明らかとなった。
はXbaI消化により切り出される断片をpBluescriptS
K-にサブクローン化して、プラスミドpCRE1、pC
RE2、pCRE3、pCRX1、pCRX2、pCR
X3、およびpCRX4を構築した(図6(a))。さ
らに、これらのプラスミドをさまざまな制限酵素により
消化した後、再環状化することにより、各種の欠失プラ
スミドを構築した。これらプラスミドの挿入断片につい
て図6に矢印で示した領域について塩基配列を決定した
ところ、18S、5.8S、および25S rRNA遺
伝子に高いホモロジーを示す領域が認められ、これによ
って3つのrRNA遺伝子の存在位置、転写方向などが
明らかとなった(図6(b))。
ート デカルボキシラーゼ遺伝子(URA3遺伝子)の
単離 実施例2に記載の庶糖密度勾配遠心分離によって得られ
た、キャンディダ・ユティリスATCC9950のゲノ
ムDNAのSau3AI部分消化断片の内、5〜10k
bの分画のDNA断片100ngと、BamHI消化し
た後脱リン酸化したベクタープラスミドYEp13(Met
hods in Enzymol. 194, 195-230, 1991)100ngと
を、T4DNAリガーゼにより一晩連結した。このDN
A溶液を用いて大腸菌DH5を形質転換して、染色体D
NAライブラリーを作製した。形質転換体よりプラスミ
ド混合物を抽出後、得られたDNAでura3−株であ
るサッカロマイセス・セレビシエYPH500(αhi
s3,trp1,leu2,ade2,lys2,ur
a3)(Stratagene Cloning Systems)を形質転換し、最
少培地で生育するウラシル非要求性の形質転換株を選択
した。サッカロマイセス・セレビシエ株の形質転換はMe
thods in Yeast Genetics - A laboratory Course Manu
al - Rose M.D et al.P122-123Cold Spring Harbor Lab
oratory PressNY (1990) 記載のリチウム法に従った。
株のUra+ 株が得られた。これら形質転換株より、Me
thods in Yeast Genetics - A laboratory Course Manu
al -Rose M.D et al. P130 Cold Spring Harbor Labora
tory Press NY (1990)記載の方法に従いプラスミドDN
Aを調製した。これで大腸菌を形質転換してプラスミド
DNAを回収した。これらのプラスミドDNAのうち、
YEp13のBamHI部位に6.1kbのインサート
を含むプラスミドpCURA3−3と、8.1kbのイ
ンサートを含むpCURA3−5とについて、制限酵素
地図を作製した。その地図は図7に示される通りであ
る。
塩基配列の決定 URA3遺伝子領域を特定化するために、プラスミドp
CURA3−3とpCURA3−5に共通する領域を含
む5kbのEcoRI断片を、プラスミドpCURA3
−5より切り出し、プラスミドpRS314(Stratage
ne Cloning Systems) のEcoRI部位に連結して、プ
ラスミドpURAE1を作製した(図7)。このプラス
ミドでYPH500株をリチウム法により形質転換した
ところ、高頻度でURA+ の形質転換体が得られた。こ
れより、この5kbのEcoRI断片中にURA3遺伝
子が存在し、1コピーでサッカロマイセス・セレビシエ
のura3- 変異を相補することが明らかにされた。
I、またはPstI消化して、再びT4リガーゼ反応に
より再環状化することにより、プラスミドpURAE1
ΔXho、およびpURAE1ΔPstを得た。
された3.5kbのEcoRI−ClaI断片、および
2.3kbのHindIII 断片を、それぞれプラスミド
pRS314のEcoRI−ClaI間、およびHin
dIII 部位に挿入して、プラスミドpURAEC1、お
よびpURAH1を作製した(図7)。
500株をリチウム法により形質転換し、ura3- 変
異の相補能を調べることにより、これらの断片がURA
3遺伝子を含むかどうかを調べた。その結果は、図7に
示される通りであった。これより、URA3遺伝子をE
coRI−HindIII 間の2.3kbに限定すること
ができた。
HindIII 断片を、プラスミドpBluescript SK- のH
indIII 部位に連結して、プラスミドpURAH2を
作製した。つぎに挿入断片の両側からExoIII ヌクレ
アーゼおよびマングビーンヌクレアーゼを用いた欠失変
異作製法により、種々の欠失変異をもつプラスミドを作
製し、塩基配列を決定した。そのシークエンスストラテ
ジーと塩基配列の解析から明らかにされた制限酵素地図
は、図8に示される通りであった。また、得られた23
30bpからなるDNA配列は図9に、また推定される
267アミノ酸残基からなるポリペプチドのアミノ酸配
列は図10および図11に示される通りである。
他の酵母のURA3蛋白質と比較したところ、サッカロ
マイセス・セレビシエとでは73.4%、クルイベロマ
イセス・ラクティスとでは76.3%、キャンディダ・
アルビカンスでは75.1%と、高い相同性を示した。
L41遺伝子を含むDNA断片の塩基配列決定 実施例5で作製したライブラリーの約30,000コロニーに
ついて、Molecular Cloning 2nd edition p12.21-23,Co
ld Spring Harbor Laboratory (1989) に従ってフィル
ターを作製し、32P標識したキャンディダ・マルトーサ
のL41遺伝子RIM−Cを含む、1.1kbのXba
I−Sau3AI断片(KAWAI et. al.J Bacteriol. 17
4, 254-262 (1992))をプローブとしてスクリーニング
を行った。
られ、このうち3個のクローンpCL41−1、pCL
41−2、およびpCL41−5について制限酵素地図
を作製し、それを比較したところ、これらのクローンが
4kbのEcoRI断片を共有することが示された(図
12)。さらにこれらプラスミドDNAのサザンハイブ
リダイゼーション解析により、キャンディダ・マルトー
サのL41遺伝子に相同性を示す領域が、この4kbの
EcoRI断片内の1.4kbClaI−PstI断片
内にあることが示された。
cript SK- のEcoRIサイトに挿入し、挿入断片が互
いに逆向きのプラスミドpCLE1、およびpCLE2
を作製した。この2種のプラスミドについてEcoRI
断片内にサイトをもつHindIII 、XhoI、Cla
Iなどによる欠失変異体の作製や、ExoIII ヌクレア
ーゼおよびマングビーンヌクレアーゼを用いた欠失変異
体の作製により、種々の欠失変異をもつプラスミドを作
製し、BamHIサイトからSacIサイトまでの20
86bpからなるDNA配列を決定した(図13)。
L41造遺伝子が存在すると推定された領域に367b
pのイントロンで分断された318bpからなるオープ
ンリーディングフレームが存在した(図12および図1
4)。イントロンと推定された領域の5´と3´端およ
び3´端近傍にはイントロンに共通する配列GTATGT--TA
CTAAC--AG が認められた。また、その位置も報告されて
いる他の酵母由来の6種類のL41遺伝子(KAWAI et.
al. J Bacteriol. 174, 254-262 (1992)、POZOet. al.
Eur. J. Biochem. 213, 849-857 (1993) )と同様、開
始コドンの直後に存在していた。キャンディダ・ユティ
リスL41ポリペプチドの推定されるアミノ酸配列を他
のいくつかのL41蛋白質と比較したところ、サッカロ
マイセス・セレビシエL41aとの間では93.4%、
キャンディダ・トロピカリスL41との間では89.6
%、キャンディダ・マルトーサのL41との間では8
5.8%と、高い相同性を示した。
ヘキシミド耐性型L41遺伝子の作製 シクロヘキシミド耐性を示す酵母のL41蛋白質の56
番目のアミノ酸はグルタミンであり、一方、シクロヘキ
シミド感受性酵母のL41蛋白質においてはこの位置の
アミノ酸はプロリンである。そしてこのアミノ酸残基が
そのL41蛋白質をもつ酵母のシクロヘキシミドに対す
る感受性を決定していると報告されている(KAWAI et.
al. J Bacteriol. 174 254-262 (1992) )。ここで、シ
クロヘキシミド感受性であるキャンディダ・ユティリス
のL41蛋白質の56番目のアミノ酸はシクロヘキシミ
ド感受性のサッカロマイセスセレビシエと同様にプロリ
ンであった。そこで、部位特異的突然変異導入によりL
41遺伝子の56番目のプロリンをコードするコドンを
グルタミンコドンに変更することによって、この遺伝子
がコードするL41蛋白質をシクロヘキシミド耐性型へ
と変換し、形質転換の選択マーカーとして利用した。
2.1kbのBamHI−SacI断片をpUC18の
BamHI−SacIサイト間に挿入して、プラスミド
pCLBS1を作製した(図15)。
化し、クレノウ酵素処理により平滑化した後、さらにX
hoI消化することによって得られる0.6kbの断片
を、pBluescript SK- のSmaIとXhoI間に挿入し
て、pCLAX1を作製した。このプラスミドにおいて
は、0.6kb断片の平滑化されたAflII末端とベク
ターのSmaI末端とのライゲーションにより、Afl
II切断部位が再生される。ヘルパーファージを用いてp
CLXA1から一本鎖DNAを調製し、合成した変異用
オリゴヌクレオチド5'TTG TGG AAA ACT TGC TTG GTT TG
A3' を用いて、Sculptorインビトロミュータジェネシス
キット(Amersham)により、変異プラスミドを作製した。
得られた候補プラスミドについて0.6kb挿入断片の
全塩基配列を決定し、56番目のプロリンをコードする
コドンCCA がグルタミンのコドンCAA に変異され、その
他の配列に変異のないプラスミドpCLAX20を得
た。pCLAX20から0.6kbの挿入断片をCla
I−AflII断片として切り出し、これと、プラスミド
pCLBS1をClaIとAflIIと消化して得られる
4.4kbの断片とライゲーションして、変異型L41
遺伝子を含むプラスミドpCLBS10を構築した。
HIとSphIとで消化して、T4DNAポリメラーゼ
処理により平滑末端とした後、NotIリンカー(5'AGC
GGCCGCT3')を挿入して、プラスミドpCLBS12を構
築した(図15)。
にシクロヘキシミド耐性を付与するかどうかを調べた。
YEp型ベクターであるYEp13K(Sone et. al. A
ppl.Environ. Microbiol. 54, 38-42 (1988))のBam
HI−SacIサイト間に、プラスミドpCLBS10
から得られる2.1kbの変異型L41遺伝子を含むB
amHI−SacI断片を挿入して、プラスミドpYE
CL10を作製した。一方、コントロールとしてpCL
BS1から得られる2.1kbの野生型L41遺伝子を
含むBamHI−SacI断片をYEp13Kにクロー
ン化したプラスミドpYECL1を作製した。
ス酵母YPH500株をMethods inYeast Genetics - A
laboratory Course Manual - Rose M.D et al. P122-1
23Cold Spring Harbor Laboratory Press NY (1990) 記
載の酢酸リチウム法に従って形質転換した。形質転換体
として、ロイシン非要求性になった株を選択した。これ
らの形質転換体についてシクロヘキシミドを含むYPD
プレートでの生育を調べたところ、pYECL10を保
持する株は、50および100μg/mlのシクロヘキ
シミドを含むYPDプレートで増殖することが示され
た。一方、pYECL1を保持する株は同濃度のシクロ
ヘキシミドを含むプレート上ではまったく増殖しなかっ
た。これによって、作成した変異型L41遺伝子がシク
ロヘキシミド感受性酵母に耐性を付与することが示され
た。
とキャンディダユティリス形質転換条件の決定 始めにサッカロマイセス・セレビシエで機能することが
既に明らかにされているG418耐性遺伝子(アミノグ
リコシドフォスフォトランスフェラーゼ(APT)遺伝
子)の発現カセットを含むプラスミドを用いて、キャン
ディダ・ユティリスATCC9950株の形質転換を試
みた。この発現カセットは、Yamanoらの記載した1.0
kbのグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナー
ゼ遺伝子のプロモーター領域、0.4kbのホスホグリ
セレートキナーゼ遺伝子のターミネーター領域 (Yama
no et al. J. Biotechnol. 32, 165-171(1994))の間
に、プラスミドpUC4K (Pharmacia)からXhoI−
PstI断片として切り出される、1.1kbG418
耐性遺伝子を平滑末端化して連結して作製したものであ
る。このプラスミドとしては、(1) 上記発現カセットを
YEp型ベクターYEp13K(Sone et.al. Appl. En
v. Microbiol., 54, 38-42 (1998) )連結したプラスミ
ド、および(2) 上記発現カセットをプラスミドpBluescr
ipt SK- に連結したプラスミドpGPDAPH1のBa
mHIサイトに実施例2に記載のキャンディダ・ユティ
リスATCC9950株のSan3AI部分消化染色体
DNA断片(5−10kb)を挿入したDNAライブラ
リー、さらに(3) サッカロマイセス・セレビシエで機能
するARS配列を含むpGPDAPH1プラスミドの8
種類を用いた。(3) のプラスミドは、(2) のライブラリ
ーでサッカロマイセス・セレビシエYPH500を形質
転換して得られた酵母コロニーから単離したプラスミド
である。これらのプラスミドあるいはライブラリーDN
Aを用いて抵抗値、電圧をさまざまに組み合わせた電気
パルス法、あるいは酢酸リチウム法によりキャンディダ
・ユティリスATCC9950株の形質転換を試みた。
しかしなから、G418耐性を示すコロニーは得られな
かった。
S10(図15)のEcoRIサイトとXbaIサイト
に、実施例5で示したプラスミドpCRE2、pCRE
3、pCRX1、およびpCRX2(図6)からそれぞ
れEcoRIまたはXbaIにより切り出される4種類
のrDNA断片を挿入して、プラスミドpCLRE2、
pCLRE3、pCLRX1、およびpCLRX2を構
築した(図16)。
マーカーとするプラスミド4種類、およびプラスミドp
CLBS10のBamHI部位に、キャンディダ・ユテ
ィリスATCC9950株の染色体DNAのSau3A
I部分消化DNA断片(5−10kb)を挿入して作製
したライブラリーDNAを用いて、抵抗値、電圧をさま
ざまに組み合わせた電気パルス法、あるいは酢酸リチウ
ム法により、キャンディダ・ユティリスATCC995
0株の形質転換を試みた。しかしながら、これらのプラ
スミドを閉環状のまま用いた場合は形質転換体は得られ
なかった。この形質転換実験において、弱いシクロヘキ
シミド耐性、またはG418耐性を示す偽耐性コロニー
の出現が観察された。この偽耐性コロニーとは、低濃度
のG418やシクロヘキシミドなど抗生物質を添加した
プレートで形質転換体を選択する場合にしばしば観察さ
れる、選択マーカーの薬剤耐性遺伝子の存在によらず自
発的に耐性を獲得するコロニーである。
質転換体の選択に用いる場合、YPDプレートのシクロ
ヘキシミド濃度を40μg/mlとすること、そしてプ
レートのインキュベーション温度を30℃ではなく28
℃とすることで、偽耐性コロニーの出現を抑えられるこ
とがわかった。そこで、プラスミドDNAの染色体への
組み込みを促進するために、プラスミドpCLRE2、
pCLRX1、およびpCLRX2について、DNAの
rRNA遺伝子領域内の制限酵素サイトのそれぞれBg
lII、EcoRV、BglIIでプラスミドを消化してか
ら、形質転換実験に用いた。その結果、BglII消化し
たプラスミドpCLRE2およびpCLRX2につい
て、電気容量を25μFとし、抵抗値を600オーム、
電圧を5KV/cmとすることにより、シクロヘキシミ
ド耐性株を得ることができた。これらの耐性株は、プラ
スミドDNAを添加しないコントロール実験でまれに得
られる微小な偽耐性株に比べて明らかにサイズが大き
く、また実施例12に示すサザン解析により形質転換体
であることが明らかにされた。
に、BglII消化したプラスミドpCLRE2を用い
て、電気容量を25μFに固定し、抵抗値、電圧をさま
ざまに組み合わせて電気パルスの最適条件を検討した。
結果は図17に示される通りであった。図には、パルス
後の生菌率と、得られたシクロヘキシミド耐性株数とが
示されている。
値が600、800、または1000オーム、電圧が
3.75、または5KV/cmの条件で、1μgDNA
あたり約500−1400個という高い頻度で形質転換
体が得られることが分かった。これらの条件下でのパル
ス後の生菌率は約10−40%であった。また、抵抗値
が200、または400オームでも生菌率が40%以下
になる条件はあるが、高い形質転換頻度は得られなかっ
た。抵抗値が200、または400オームではタイムコ
ンスタント (電圧が最大値の約37%にまで減衰する
までの時間)が10ミリ秒以下であり、600、80
0、または1000オームで、パルス後の生菌率が約1
0−40%となる条件では、タイムコンスタントが約1
0から20ミリ秒であった。以上のことから、パルス後
の生菌率が約10−40%となり、かつタイムコンスタ
ントが10ミリ秒以上である電気パルスを菌に与えるこ
とが高い形質転換頻度を得るために重要であることが示
唆された。
ソルビトールを含むYPD培地を加え、30℃で振盪培
養することが好ましく、培養せずに菌を直接シクロヘキ
シミドを含む選択プレートに塗布するとコロニーが得ら
れなかった。
的に調べてそれらの増加率を比較することにより、最適
培養時間を決定した。
換体の増加が生菌数の増加率を上回るが、それ以後は生
菌数と形質転換体数が同じ割合で増加することが明らか
にされ、培養時間は6時間が最適であることが示され
た。
0株の電気パルスによる標準的な形質転換法は実施例1
1に示される通りである。
ダ・ユティリス株の形質転換法 YPDプレート上のコロニーを、5mlのYPD液体培
地で、30℃、約8時間振盪培養した後、200mlの
YPD液体培地にOD600 =0.0024になるよう植菌して
30℃振盪培養する。約16時間後、対数増殖期(OD
600 =2.5)にまで菌体が増殖した後、1400 x gで5
分間の遠心分離により集菌する。菌体は100mlの氷
冷した滅菌水で1回、続いて40mlの氷冷した滅菌水
で1回洗浄した後、氷冷した1Mソルビトール40ml
で1回洗浄する。菌体を10mlの1Mソルビトールに
懸濁した後、滅菌ポリプロピレンチューブに移し、再度
1100 x gで5分間の遠心分離により集菌する。上清を除
いた後、最終菌体液量が2.5mlになるよう氷冷した
1Mソルビトールに懸濁する。
ッド社のジーンパルサーを用いて行なう。50μlの菌
液と5μlのDNA試料とを混合した後、0.2cmの
ディスポーザブルキュベットに入れ、適当な条件の電気
パルスを加える。パルス後、1mlの氷冷した1Mソル
ビトールを含むYPD培地を加え、滅菌ポリプロピレン
チューブに移した後、30℃で約6時間振盪培養する。
培養後、菌液を40μg/mlのシクロヘキシミドを含
むYPD選択培地に塗布した後、プレートを28℃で3
−4日保温して、形質転換体コロニーを得る。
におけるプラスミドの検出 実施例10で得られたシクロヘキシミド耐性株のうち7
個についてサザン解析を行い、これらのクローンがプラ
スミドDNAを保持するかどうかを調べた。染色体DN
Aの調製は、Methods in Yeast Genetics - A laborato
ry Course Manual - Rose M.D et al. P131-132 Cold S
pring Harbor Laboratory Press NYに記載の方法に従っ
た。調製したDNAはEcoRVあるいはSalIによ
り消化し、32P標識したL41遺伝子を含む1.8kb
のBamHI−HindIII 断片(図12)をプローブ
としてハイブリダイゼーションを行った(図18)。
のL41遺伝子に由来する5kbのバンドのほかに、2
0kb以上のバンドが検出された。EcoRVはrRN
A遺伝子座を切断するが、プラスミドpCLRE2はE
coRVで切断されないことから、プラスミドが染色体
に組み込まれたことにより、この20kb以上のバンド
が検出されたものと考えられた。また、キャンディダ・
ユティリス1細胞あたりのL41遺伝子のコピー数が2
であることは実施例15のサザン解析により示されてい
るので、デンシトメーターによるスキャニングの結果か
ら組み込まれたプラスミドDNAのコピー数は、およ
そ、6コピー(レーン7)から15コピー(レーン2)
であることが示された。
を1箇所消化するが、染色体DNAをSalI消化した
場合、内在性のL41遺伝子に由来する7.5kbのバ
ンドのほかにプラスミドpCLRE2の長さに相当する
8.5kbのバンドが検出された。これは、プラスミド
が染色体に複数個タンデムに組み込まれたことにより、
SalI消化によってとなりあうプラスミドから生じた
ものであると考えられた。
性株についてサザン解析を行なったところ、すべてのク
ローンでプラスミドDNAの存在が確認され、実施例1
0の形質転換実験で得られたシクロヘキシミド耐性株が
形質転換体であることが証明された。
ィリス株の形質転換 キャンディダ・ユティリスは株によってその染色体泳動
パターンが異なり、染色体の長さの多型性を示すことが
報告されている(Stoltenburg et. al. Curr. Genet. 22
441-446(1992)) 。よって、株による遺伝的性質や、そ
れによる形質転換頻度の違いも予想されることから、A
TCC9950株以外にも、ATCC9226株、AT
CC9256株について実施例11に示した電気パルス
法による形質転換を試みた。
を1000オームとし、電圧を2.5−6.25KV/
cmとして行った。プラスミドDNAはBglII消化し
たpCLRE2を2μg用いた。
株によって頻度の差は認められたもののいずれの株でも
シクロヘキシミド耐性コロニーが得られた。
C9256株由来のシクロヘキシミド耐性株それぞれ4
株づつ計8株、および対照としてATCC9950株由
来のシクロヘキシミド耐性株2株について、染色体DN
Aを調製してBglII消化した後、32P標識したL41
遺伝子を含む1.8kbのBamHI−HindIII 断
片(図12)をプローブとして、サザン解析を行った。
ずれの株においても染色体上のL41遺伝子に由来する
5.4kbのバンドの他に、プラスミドDNA由来のバ
ンドが認められた。これより、これら耐性株がプラスミ
ドDNAを保持する形質転換体であることが示された。
56株由来の形質転換体については、クローンによって
プラスミドDNAサイズと同じ8.4kbのバンド以外
に高分子側にバンドが認められた(レーン2−4、およ
び7)。これは、プラスミド上のrDNA配列が組み込
みターゲットである染色体上のrDNA配列と異なる場
合、染色体に組み込まれたプラスミドDNA分子末端の
BglII部位が欠失することがあることを示している。
L41遺伝子のコピー数が2であることは実施例15の
サザン解析により示されているので、5.4kbのバン
ドが2コピーのL41遺伝子に対応するものとして、バ
ンドの強さの比較から組み込まれたプラスミドのコピー
数を求めた。バンドの濃さはイメージングアナライザー
BAS2000(FUJI FILM )を用いて測定した。
ー数は、ATCC9256株では7コピー(レーン1)
から25コピー(レーン3)であり、ATCC9226
株では3コピー(レーン5)から11コピー(レーン
6)であった。一方、ATCC9950株ではそれぞれ
11コピー(レーン9、および10)と計算された。
ATCC9226株、およびATCC9256株につい
ても、シクロヘキシミド耐性L41遺伝子を用いて形質
転換体が取得可能であることを示し、プラスミドは複数
個同時に染色体に組み込まれたことが示された。
変法によるキャンディダ・ユティリスの形質転換 酢酸リチウム法(Ito et al. J. Bacteriol. 153, 163-
168 (1983))はその簡便さから広くサッカロミセス属酵
母の形質転換に用いられている。そこで、BglII消化
により直鎖状にしたプラスミドpCLRE2を用いて、
キャンディダ・ユティリスATCC9950株を酢酸リ
チウム法、およびエタノールまたはDMSOを添加する
酢酸リチウム法変法(Soni et. al. Current Genet.1993
24, 455-459) に従って形質転換することを試みた。酢
酸リチウム法変法ではエタノールはヒートショック開始
10分後に終濃度10%になるように菌液に添加し、さ
らに10分間保温した。また、DMSOはポリエチレン
グリコール液と同時に終濃度10%になるように菌液に
添加した。処理した菌体はYPD溶液に懸濁して、30
℃4時間の振盪培養を行なってからシクロヘキシミドを
含む選択プレートに塗布し、28℃で6日間保温した。
チウム法変法によりプラスミドDNA 2μgDNAに
ついてシクロヘキシミド耐性株が5個得られた。このう
ち2つのクローンについて染色体DNAを調製して実施
例13記載の方法でサザン解析を行ったところ、プラス
ミド由来のバンドが検出され、これらが形質転換体であ
ることが示された。この結果から、形質転換頻度は電気
パルス法に比較してかなり低いが、酢酸リチウムによっ
て処理されたキャンディダユティリスもDNAを取り込
むことが可能であることが示された。
を行なったが、さらに処理条件を検討することにより形
質転換頻度を高めることも可能である。
ターゲットとした形質転換 1)プラスミドの構築 実施例9に記載のプラスミドpCLBS12(図15)
のEcoRIサイトに、pCRE2(図6)から得られ
る3.5kbのEcoRI断片を挿入することによりp
CLRE4を、pCRE3(図6)から得られる2.4
kbのEcoRI断片を挿入することによりpCLRE
5をそれぞれ構築した。
RI断片がクローン化されたpCRE1(図6)から切
り出される3kbのEcoRI−XbaI断片と、4.
5kbのEcoRI−XbaI断片とを、pBluescript
SK- のEcoRIとXbaI間に連結した後、それぞれ
のプラスミドのXbaIサイトをEcoRIリンカー
(5'CCAAGCTTGG3')の挿入によりEcoRIサイトに変換
して、プラスミドpCRE6とpCRE7とを構築し
た。これらのプラスミドpCRE6とpCRE7とから
それそれ切り出した3kbと4.5kbのEcoRI断
片をプラスミドpCLBS12のEcoRIサイトに挿
入することにより、プラスミドpCLRE6とpCLR
E7を構築した。
RE5、pCLRE6、およびpCLRE7の構造は図
20に示される通りである。
LRE6、およびpCLRE7は制限酵素で消化して直
鎖状DNAとした後、各1μgのDNAを用いて実施例
11に示した電気パルス法によりATCC9950株を
形質転換した。パルス条件は、電気容量を25μF、電
圧を5KV/cm、抵抗値を800オームとし、パルス
後の培養時間は18時間とした。プラスミドの消化に用
いた制限酵素はrRNA遺伝子断片内にその切断サイト
がある酵素で、pCLRE4はBglII、pCLRE5
はBamHIまたはXbaI、pCLRE6はBamH
I、そしてpCLRE7はApaI、またはEcoRV
でそれぞれ消化した。プラスミドpCLRE4について
はL41遺伝子内のClaIサイトにおいても消化し
て、組み込みのターゲット遺伝子の違いによる形質転換
頻度の差を比較した。実験は2回行った。その結果は、
表2に示される通りであった。
RE7のrRNA遺伝子断片内で消化した場合はいずれ
も1μgDNAあたり数百個と、高い形質転換頻度を示
した。一方、プラスミドpCLRE5は、BamHI、
またはXbaIどちらで消化した場合も、他のプラスミ
ドを用いた場合に比較して形質転換頻度は非常に低かっ
た。この結果は、rRNA遺伝子領域でも形質転換のタ
ーゲットとして用いる断片により、形質転換頻度が大き
く異なることを示している。
L41遺伝子内のClaIサイトで消化した場合、その
形質転換頻度はrRNA遺伝子内のBglIIサイトで消
化した場合に比較して、約10分の1から50分の1程
度であった。また、以下に記載したサザン解析により、
プラスミド分子はClaIサイトで消化した場合にはL
41遺伝子座に、BglIIサイトで消化した場合にはr
RNA遺伝子座に、それぞれ組み込まれたことが示され
た。
NA遺伝子をターゲット配列として用いることによっ
て、高い形質転換頻度が得られることが明らかとなっ
た。
I消化したpCLRE5、BamHI消化したpCLR
E6、そしてApaI消化したpCLRE7を用いて得
られたシクロヘキシミド耐性株それぞれ4株ずつについ
て、染色体DNAを調製した。調製したDNAはBgl
II、またはBglIIおよびNotIにより消化し、32P
標識したL41遺伝子を含む1.8kbのBamHI−
HindIII 断片(図12)をプローブとして、サザン
解析を行った(図21)。
では、BglII消化によって、内在性のL41遺伝子に
由来する5.4kbのバンドのほかに、プラスミドDN
A分子内BglIIサイトでの切断によりプラスミドDN
Aと同じサイズの8.4kbのバンドが認められた(図
21 (1)、レーン1−8)。また、ClaI消化し
たプラスミドが組み込まれた株の場合は、これら2つの
バンドの他に、7.4kbと6.4kbのバンドが認め
られた(レーン1−4)。これら2つのバンドは、染色
体上のL41遺伝子のうち1個がプラスミドの挿入によ
り分断されたことにより、組み込まれたプラスミド分子
の両末端に位置するプラスミド分子内のBglIIサイト
とL41遺伝子領域内のBglIIサイトとから生ずるも
のであることから、プラスミド分子が相同組換えにより
L41遺伝子座に組み込まれたことが示された。このこ
とから、プラスミド分子は、ClaIサイトで切断され
た場合にはL41遺伝子座に、BglIIサイトで切断さ
れた場合にはrRNA遺伝子座に、それぞれ組み込まれ
たことが示された。これにより、切断サイトを変更する
ことでプラスミドの組み込み場所をコントロールするこ
とが可能であることが示された。また、レーン1−4で
は5.4kb、7.4kb、および6.4kbのバンド
の濃さがほぼ同じであったことから、染色体にはL41
遺伝子が2コピー存在することが明らかにされた。
およびpCLRE7が組み込まれた株では、BglII+
NotI消化により、内在性のL41遺伝子に由来する
5.4kbのバンドのほかに、染色体に組み込まれたプ
ラスミド由来のいくつかのバンドが認められた(図21
(2))。このうちサイズが各プラスミドと同一である
バンド、すなわちpCLRE5では7.3kb(レーン
1−4)、pCLRE6では8.0kb(レーン5−
8)、そしてpCLRE7では9.4kbのバンド(レ
ーン9−12)は、プラスミドが染色体にタンデムに組
み込まれることにより、プラスミド内に1箇所サイトが
あるNotI消化によって隣り合うプラスミドから生じ
たバンドである。また、それ以外にもpCLRE5では
7kb(レーン1−4)、pCLRE6では6.9kb
(レーン5−8)、そしてpCLRE7では11kb
(レーン9−12)のバンドが認められた。これらのサ
イズはプラスミドDNAがrRNA遺伝子座に相同組換
えにより組み込まれた場合にBglII+NotI消化に
よりrRNA遺伝子座内のBglIIサイトとプラスミド
DNA内のNotIサイトとから得られる断片の長さに
一致する。これより、プラスミドDNAが切断された部
位で相同組換えにより染色体に組み込まれたことが示さ
れた。
のバンドが1コピーのL41遺伝子、レーン5−8およ
び図21 (2)のレーン1−12の5.4kbバンド
が2コピーのL41遺伝子に対応するものとして、各バ
ンドの濃さの比較から組み込まれたプラスミドのコピー
数を求めた。バンドの濃さはイメージングアナライザー
BAS2000(FUJI FILM )を用いて測定した。
41遺伝子座には3コピー(レーン4)から5コピー
(レーン1、および3)、rRNA遺伝子座には2コピ
ー(レーン8)から8コピー(レーン5)挿入されたこ
とが示された。この結果から、プラスミドDNAがrR
NA遺伝子座に組み込まれた場合、組み込まれたプラス
ミド分子のコピー数が高い株が選択される傾向が認めら
れた。これは、実施例12においてプラスミドpCLR
E2がrRNA遺伝子座に組み込まれた株ではプラスミ
ドDNAのコピー数がおよそ6コピーから15コピーで
あるが、実施例16のURA3遺伝子座へ組み込まれた
プラスミドDNAの場合はコピー数がおよそ3コピーか
ら4コピーであったことからも示唆される。
E6、およびpCLRE7についてはそれぞれ3コピー
(図21 (2)、レーン4)から5コピー(レーン
2)、3コピー(レーン8)から6コピー(レーン5、
および6)、3コピー(レーン12)から5コピー(レ
ーン9)組み込まれたことが示された。
ミドの組み込み プラスミドpCLBS12(図15)のEcoRIサイ
トに、URA3遺伝子を含む5kbのEcoRI断片
(図7)を挿入して、プラスミドpCLURA1を構築
した。このプラスミドをURA3遺伝子座内のPstI
サイトで切断し、このプラスミドを用いて実施例11記
載の電気パルス法によりATCC9950株の形質転換
を試みた。パルス条件は電気容量を25μF、抵抗値を
800オーム、電圧を5KV/cmとして行った。これ
により1μgDNAあたりシクロヘキシミド耐性コロニ
ーが40個得られた。
いて染色体DNAを調製した。調製したDNAはBgl
II、またはSalI+NotIにより消化し、サザン解
析に供した。BglII消化したDNAについてはL41
遺伝子を含む1.8kbのBamHI−HindIII 断
片(図12)を、SalI+NotI消化したDNAに
ついてはURA3遺伝子を含む2.3kbのHindII
I −EcoRI断片(図8)を、それぞれ32P標識して
プローブとした。
た。
てURA3遺伝子をプローブとした場合、親株のATC
C9950株では内在性URA3遺伝子由来の13Kb
のバンドが認められた(図22(1)、レーン1)。一
方、耐性株ではこの13kbのバンドのほかに、タンデ
ムに複数個組み込まれたプラスミドからNotI消化に
より生じる10kbのバンドと、染色体上のURA3遺
伝子のうち1個がプラスミドの挿入により分断されて生
じる8.4kbと14kbの2本のバンドが検出された
(レーン2−5)。これら2本のバンドは、組み込まれ
たプラスミド分子の両末端に位置するプラスミド分子内
のNotIサイトとURA3遺伝子領域内のSalIサ
イトとから生ずるものであることから、プラスミド分子
が相同組換えによりURA3遺伝子座に組み込まれたこ
とが示された。
子由来の13kbのバンドと染色体に組み込まれたプラ
スミド分子の両末端のプラスミド由来の8.4kbと1
4kbのバンドの濃さがほぼ一致することから、URA
3遺伝子もL41遺伝子同様、細胞あたり2コピー存在
し、形質転換体ではそのうち1コピーがプラスミドDN
Aの挿入により分断されたことが示された。また、これ
らの4本のバンド(14kb、13kb、10kb、お
よび8.4kb)の濃さの比較から、組み込まれたプラ
スミドのコピー数は3コピー(レーン3、および5)か
ら4コピー(レーン2、および4)であることが示され
た。
41遺伝子をプローブとした場合、親株のATCC99
50株では内在性のL41遺伝子に由来する5.4kb
のバンドが認められたが(図22(2)、レーン1)、
耐性株ではこのバンドのほかにプラスミドDNAと同じ
サイズの10kbのバンドが認められた(レーン2−
5)。
の異種遺伝子(グルコアミラーゼ遺伝子)の発現 (1)グルコアミラーゼ遺伝子(STA1遺伝子)発現
用プラスミドの構築 STA1遺伝子発現用プラスミドを図23に示されるよ
うに構築した。
・ディアスタティカス5106−9A(a leu2,
arg4,STA1)(Yamashita and Fukui Agric.Bio
l.Chem. 47,2689-2692)の染色体DNAライブラリーよ
りクローニングした。これは、以下に示した操作により
行った。
製してSau3AIにより部分消化した後、アガロース
ゲル電気泳動により約20−30kbのDNA断片を調
製した。このDNA断片と、BamHI消化した後脱リ
ン酸化したλファージベクターEMBL3(Stratagene
Cloning Systems)とを、T4リガーゼにより連結し
た。それを、GigapackII Gold Packaging Extract (St
ratageneCloning Systems )を用いて、インビトロパッ
ケージングし、染色体DNAの遺伝子DNAライブラリ
ーを構築した。
ashita et. al. J Bacteriol. 161,567-573 1985)に基
づいて合成した2種類のオリゴヌクレオチド5'ACCACTAT
TACCACTACGGTTTGCTCTACA3'(配列番号:19)、および5'
GACACATCTCTGAGCAGCATGACTTGGTTG3'(配列番号20)を
T4キナーゼにより32P末端標識したものをプローブと
して用いて、この染色体DNAライブラリー約20,000プ
ラークをスクリーニングした。この結果、2種のプロー
ブどちらにもポジティブシグナルを与えるクローン1個
を得た。
ンより、STA1遺伝子を含む4kbのBglII−Hp
aI断片をpUC19のBamHIとHincII間にク
ローン化して、プラスミドpUSTA1(図23)を構
築した。
開始コドンATG の5bp下流に存在するStuIサイトで
切断した後、XbaIサイトおよび開始コドンを含む合
成アダプター(配列番号:21):5'-CTAGATGGTAGG-3'
3'-TACCATCC-5' を付加した。その後、さらにSal
Iで部分消化することにより、STA1遺伝子を2.7
kbのXbaI−SalI断片として得た。
I で消化した後、T4DNAポリメラーゼで処理し、B
glIIリンカーを付加して構築したプラスミドpUC1
2BglIIの、XbaIとSalIと間にSTA1遺伝
子を含む2.7kbのXbaI−SalI断片を挿入し
て、プラスミドpUSTA2を構築した。
I−BglII断片を切り出し、これを、発現ベクターp
PGKPT4のXbaIとBamHIサイト間に挿入し
て、プラスミドpGKSTA1を構築した。
ロモーターと、STA1遺伝子と、さらにPGK遺伝子
ターミネーターとを含む4.9kbのNotI断片を切
り出し、この断片を、プラスミドpCLBS12のNo
tIサイトに挿入してプラスミドpCLSTA1を、プ
ラスミドpCLRE4のNotIサイトに挿入してプラ
スミドpCLRSTA1を、それぞれ構築した。
換とグルコアミラーゼ発現 BglII消化したプラスミドpCLRSTA1を用い
て、ATCC9950株、ATCC9226株、および
ATCC9256株の形質転換を、実施例11記載の電
気パルス法で行った。パルス条件は電気容量を25μ
F、抵抗値を1000オーム、電圧を3.75KV/c
m、または6.25KV/cmとして行った。
ずれの株でもシクロヘキシミド耐性コロニーが得られ
た。
あるスターチが入ったプレート(3% Soluble starch
(Katayama)、2% polypeptone 、1% Yeast extrac
t、3.3×10-3% Bromocresol purple、2% Bac
to agar)上でグルコアミラーゼ活性を調べた。その結
果、3種の株由来の形質転換体すべてについて分泌され
たグルコアミラーゼによるハローが観察され、遺伝子の
発現が確認された。また、AflII消化したプラスミド
pCLSTA1を用いてATCC9950株を形質転換
した。この形質転換体について、L41遺伝子座に組み
込まれたグルコアミラーゼ遺伝子の発現も調べたとこ
ろ、同様にハローの形成が確認された。
ゼ活性を測定した。このため、菌体をYPD液体培地で
一晩培養して、その上清を粗酵素液とした。反応は、4
00μlの粗酵素液と、0.5%の可溶性でんぷん、1
00mM酢酸ナトリウム(pH5.0)を含む500μ
lの反応液で、50℃、20分間行った。反応後100
℃、5分間の熱処理で酵素を失活した後、遊離したグル
コース濃度を市販のキット(グルコースB-テスト(和光
純薬))を用いて測定した。
離するグルコースの量が100μgである時、その活性
を1ユニットとし表した。培養上清1mlあたりの活性
値は表3に示される通りであった。
た。 −:測定せず この結果から、調べたキャンディダユティリスATCC
9950株、ATCC9226株、およびATCC92
56株において、サッカロマイセス・ディアスタティカ
ス由来の異種蛋白質であるグルコアミラーゼの分泌シグ
ナル配列が認識され、グルコアミラーゼが培地中に分泌
されることが明らかにされた。
LSTA1、またはAflII消化したプラスミドpCL
STA1で形質転換したATCC9950株をそれぞれ
2株ずつ40μg/mlのシクロヘキシミドと5%グル
コースを含むYPD液体培地で30℃4日間培養した。
その後、それらの菌体培養液10μlを4−20%SD
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、培養液中の
蛋白質を分析した(図24)。ゲルはクマシーブリリア
ントブルーにより染色した。また、対照としてBglII
消化したプラスミドpCLRE2で形質転換した株の培
養液を分析した(レーン1)。その結果、いずれの培養
液においてもグルコアミラーゼに相当する約100kD
aの蛋白質が認められ、蛋白量は、染色されたバンドの
濃さから約2〜5μgに相当すると判断された。このこ
とから、グルコアミラーゼ遺伝子が高いレベルで発現
し、培養液中に分泌されたことが示された。以上の結果
から、分泌蛋白質生産用の好適な宿主/ベクター系とし
てキャンディダ・ユティリスが使用できることが明らか
となった。
異種遺伝子(lacZ遺伝子)の発現 (1)lacZ遺伝子発現用プラスミドの構築 lacZ遺伝子発現用プラスミドを図25に示されるよ
うに構築した。
cia )より、βガラクトシダーゼをコードするlacZ
遺伝子を3.1kbのBamHI断片として切り出し
た。この断片を、プラスミドYEp13K( Sone et.
al. Appl. Environ. Microbiol. 54, 38-42 (1988))の
BglIIサイトに連結し、遺伝子の5'側にHindIII
サイトのあるプラスミドpZ4を選択した。
るlacZ遺伝子を、3.1kbのHindIII −Xh
oI 断片として切り出した。この断片を、pBluescript
SK-のHindIII とXhoIサイト間に連結して、プ
ラスミドpLACZ1を構築した。
消化し、クレノウ処理した後、再環状化してプラスミド
pLACZ2を構築した。
子を3.1kbのXbaI−KpnI断片として切り出
し、これをプラスミドpPGKPT5(図4)のXba
IとKpnI間に連結して、プラスミドpGKLAC1
を構築した。
ロモーターと、lacZ遺伝子と、さらにPGK遺伝子
ターミネーターとを含む5.4kbのNotI断片を切
り出し、これをプラスミドpCLBS12のNotIサ
イトに挿入して、プラスミドpCLLAC1を、またプ
ラスミドpCLRE4のNotIサイトに挿入してプラ
スミドpCLRLAC1を、それぞれ構築した。
換とβガラクトシダーゼ活性確認 BglII消化したプラスミドpCLRLAC1、または
AflII消化したプラスミドpCLLAC1を用いて実
施例11記載の電気パルス法によりATCC9950株
を形質転換した。形質転換されたATCC9950株,
それぞれ2株を、5mlのYPD液体培地で6時間、対
数増殖期(OD600 が約2から3)まで培養した。βガ
ラクトシダーゼ活性はMethods in Yeast Genetics - A
laboratory Course Manual - Rose M.D et al. P155-15
9 Cold Spring Harbor Laboratory Press NY (1990) に
記載の方法に従って測定した。すなわち、集菌した菌体
を1mlのZバッファーに懸濁した後、クロロホルム液
を3滴、0.1%SDSを2滴加えて、10秒ボルテッ
クスした。28℃で5分間インキュベートした後、0.
2mlのONPG液を加え、さらに10分間インキュベ
ートした。その後、0.5mlのNa2 CO3 液を添加
して反応を停止した。OD420 を測定した後、計算式に
従ってβガラクトシダーゼ活性を求めた。βガラクトシ
ダーゼ活性は28℃で1分あたり1nmolのオルトニ
トロフェノールを生成する活性を1ユニットとした。得
られた菌体1OD600 当たりの活性値は表4に示される
通りであった。
ドpCLLAC1のいずれで形質転換されたATCC9
950株もそれぞれ活性を示し、大腸菌由来のlacZ
遺伝子がキャンディダユティリスで発現して、活性のあ
るβガラクトシダーゼが生産されることが示された。キ
ャンディダ・マルトーサやアルビカンスなど一部のキャ
ンディダ属酵母では、ロイシンコドンのCUG がセリンに
翻訳されるため(Ohama et. al. Nucleic Acids Res. 21
4039 - 4045 1993)、大腸菌由来lacZ遺伝子が、活
性をもつβガラクトシダーゼに翻訳されないことが知ら
れている(Sugiyama et.al. Yeast 11, 43-52 (199
5))。本実施例では、キャンディダ・ユティリスで活性
のある大腸菌βガラクトシダーゼが生産されることが明
らかにされ、また実施例17で示したようにグルコアミ
ラーゼが高生産されることからも、キャンディダ・ユテ
ィリスが異種遺伝子発現用の宿主として使用できること
が示されたと考える。
の異種遺伝子(APT遺伝子)の発現 (1)APT遺伝子発現用プラスミドの構築 APT遺伝子発現用プラスミドを図26に示されるよう
に構築した。
ミノグリコシドフォスフォトランスフェラーゼ(APT
遺伝子) を含むプラスミドpUC4K(Pharmacia )か
ら1.1kbのXhoI−PstI断片を切り出し、こ
れをpUC19のSalIとPstI間に挿入して、プ
ラスミドpAPH1を構築した。
T4DNAポリメラーゼにより平滑末端とし、BglII
リンカー(5'CAGATCTG3')を挿入して、プラスミドpAP
H2を構築した。
1.1kbのXbaI−BglII断片として切り出し、
これを発現ベクターpPGKPT4(図4)のXbaI
とBamHIサイト間に挿入して、プラスミドpGKA
PH1を構築した。
ロモーターと、APT遺伝子、そしてPGK遺伝子ター
ミネーターとを含む3.3kbのNotI断片を切り出
し、これをプラスミドpCLBS12のNotIサイト
に挿入して、プラスミドpCLAPH1を、またプラス
ミドpCLRE4のNotIサイトに挿入してプラスミ
ドpCLRAPH1を、それぞれ構築した。
換とG418耐性の確認 BglII消化したプラスミドpCLRAPH1を用い
て、ATCC9950株、ATCC9226株、および
ATCC9256株の形質転換を試みた。形質転換は実
施例11記載の電気パルス法で行った。パルス条件は電
気容量を25μF、抵抗値を1000オーム、電圧を
3.75KV/cm、または6.25KV/cmとして
行った。
たもののいずれの株でもシクロヘキシミド耐性コロニー
が得られた。このうちそれぞれ2株ずつについて、異な
る濃度のG418を含むYPDプレート上で菌の増殖を
調べた。その結果、3種のキャンディダ・ユティリス株
すべてについて形質転換体の増殖が確認され、これらの
形質転換体においてAPT遺伝子が発現したことが確認
された。
APH1を用いてATCC9950株を形質転換し、L
41遺伝子座に組み込まれた遺伝子の発現についても調
べた。その結果、同様に形質転換体の増殖が確認され、
L41遺伝子座に組み込まれたAPT遺伝子についても
その発現が確認された。
はAflII消化されたプラスミドpCLAPH1で形質
転換されたATCC9950株、それぞれ2株ずつにつ
いて、組み込まれたプラスミドDNAの安定性を次のよ
うに調べた。まず、形質転換体を40μg/mlのシク
ロヘキシミドを含む5mlのYPD液体培地で定常期ま
で培養し、このときの世代数を0とした。次に、このう
ち5μlを5mlのYPD液体培地に植菌して定常期ま
で培養し、このときの世代数を10と計算した。この操
作を繰り返して20世代まで菌を培養した。プラスミド
保持率は、菌液を希釈後、YPDプレートと40μg/
mlのシクロヘキシミドを含むYPDプレートとにそれぞ
れ塗布して、30℃で2日培養後、生じたコロニー数を
調べた。結果は表5に示される通りであった。
れたプラスミドDNAの安定性 プラスミド 保持率(%) pCLRAPH1(BglII) 91.3 pCLRAPH1(BglII) 87.8 pCLAPH1(AflII) 99.5pCLAPH1(AflII) 98.6 この結果から、rRNA遺伝子座、L41遺伝子座に挿
入されたDNA断片は安定であることが確認された。
としたキャンディダ・ユティリス形質転換体の取得 プラスミドpCLRAPH1は、形質転換体選択マーカ
ーとしてシクロヘキシミド耐性を付与する変異型L41
遺伝子と、G418耐性を付与するAPT遺伝子を含ん
でいる。実施例19に記載した実験によりAPT遺伝子
がPGK遺伝子プロモーターにより発現することが確認
されたので、形質転換体のG418耐性による直接選択
を試みた。
lIIにより消化し、直鎖状にした。これを用いて、実施
例11記載の電気パルス法によって、ATCC9950
株を形質転換した。パルス条件は電気容量を25μF、
抵抗値を1000オーム、または800オーム、電圧を
5KV/cmとして行った。菌体は1Mソルビトールを
含むYPD培地で6時間培養した後、40μg/mlの
シクロヘキシミドを含むYPDプレートと、150μg
/mlのG418を含むYPDプレートとにそれぞれ塗
布した。結果は表6に示される通りであった。
がシクロヘキシミド耐性コロニー数に比較して10倍程
度多いことが分かる。
と、シクロヘキシミド耐性で選択した4個のコロニーと
について、染色体DNAを調製した。調製したDNAは
BglII+NotIにより消化した後、32P標識したL
41遺伝子を含む1.8kbのBamHI−HindII
I 断片(図12)をプローブとして、サザン解析を行っ
た(図27)。その結果、内在性L41遺伝子に由来す
る5.4kbのバンドのほかに、プラスミドに由来する
4.4kbのバンドが認められた。イメージングアナラ
イザーBAS2000(FUJI FILM )を用いてバンドの
強度を測定し、プラスミド由来のバンドと内在性L41
遺伝子(2コピー/細胞)のバンドの比較から、組み込
まれたプラスミドのコピー数を求めた。その結果、シク
ロヘキシミド耐性で選択された株ではプラスミドが4
(レーン2)から7コピー(レーン5)存在することが
示された。一方、G418耐性で選択した株では4株と
もコピー数が1 (レーン6−9)であると計算され
た。この結果より、変異型L41遺伝子を選択マーカー
として形質転換体を選択することによって形質転換の頻
度は低くなるものの、プラスミドが複数個組み込まれた
株を容易に取得できることが示された。
て、二つの断片に分けた。すなわち、PGK遺伝子プロ
モーター、APT遺伝子、およびPGK遺伝子ターミネ
ーターを含む断片と、ベクター断片とに分けた。その
後、これらをATCC9950株の形質転換に用いた。
パルス条件は電気容量を25μF、抵抗値を1000オ
ーム、電圧を5KV/cmとして行った。200μg/
mlのG418を含むYPDプレートで形質転換体を選
択したところ、1μgDNAあたり156個の形質転換
体が得られた。この結果は、キャンディダ.ユティリス
酵母においては、BglII消化により直鎖状にしたプラ
スミドpCLRAPH1による遺伝子挿入型の形質転換
に加え、遺伝子置換型の形質転換も起きることを示す。
また、その形質転換頻度も比較的高く、遺伝子置換型の
形質転換も効率良く起きることが明らかにされた。
短縮化と最小機能領域の同定 実施例17−20で使用したPGK遺伝子プロモーター
を短縮化し、プロモーターの最小機能領域の同定を試み
た。
1のPGK遺伝子プロモーター断片内部に存在する制限
酵素サイトを利用して、長さの異なるPGK遺伝子プロ
モーターとAPT遺伝子、さらにPGK遺伝子ターミネ
ーターとを含む断片を5種類取得した。すなわちpGK
APH1をNotI、SacI、EcoRI+Sac
I、またはPstI+SacI消化して4種類の断片を
得た。また、pGKAPH1をSphI消化してからT
4 DNA polymerase処理によって平滑末
端とし、さらにBamHIリンカー(5´CCGGATCCGG3
´:配列番号:22)を付加した後、BamHIとNo
tI消化することにより、さらに1種類の断片を得た。
2をHindIII 消化して得られる0.7kbと5.8
kbの断片のうち、5.8kbの断片をライゲーション
により再環状化して、プラスミドpCRE8を構築した
(図28)。このプラスミドpCRE8をNotI、B
amHI+NotI、SacI、EcoRI+Sac
I、またはPstI+SacI消化したのち、それぞれ
と上記の各種断片をライゲーションして、プラスミドp
CRAPH2、pCRAPH3、pCRAPH4、pC
RAPH5、およびpCRAPH6を構築した(図2
8)。それぞれのプラスミドに含まれるPGK遺伝子プ
ロモーター断片の長さは、pCRAPH2では1.35
kb、pCRAPH3では0.83kb、pCRAPH
4では0.46kb、pCRAPH5では0.40k
b、そしてpCRAPH6では0.16kbであった。
4、5、および6をBglII消化により直鎖状にした
後、ATCC9950株の形質転換に使用した。形質転
換は実施例11記載の電気パルス法で行った。パルス条
件は電気容量を25μF、抵抗値を1000オーム、電
圧を5KV/cmとして行った。
418を含むYPDプレートで行った。その結果、プラ
スミドpCRAPH2、pCRAPH3、pCRAPH
4、およびpCRAPH5を用いた場合、それぞれ1μ
gDNAあたり300個程度の形質転換体が得られた
が、一方プラスミドpCRAPH6では形質転換体が得
られなかった。この結果は、PGK遺伝子の開始コドン
ATGの直前から、5’上流169bpのPstIサイ
トまでを含む断片は転写のプロモーターとしての機能を
有しておらず、一方、401bp上流のEcoRIサイ
トまでを含む断片、およびさらに長い領域を含む断片は
転写のプロモーターとして機能することを示している。
これより、図3に示されるPGK遺伝子のプロモーター
を含む1346bpの配列のうち、946番目のEco
RIサイトからATG直前の1346番目塩基までの4
01bpの配列にプロモーターの機能を示すために必要
な配列が含まれることが明らかにされた。
酸デヒドロゲナーゼ(GAP)遺伝子のクローニングと
GAP遺伝子を含むDNA断片の塩基配列決定 キャンディダ・ユティリスのグリセロアルデヒド-3- リ
ン酸デヒドロゲナーゼ(GAP)遺伝子のクローニング
は、遺伝子ライブラリーとして実施例2で構築したキャ
ンディダ・ユティリス染色体DNAライブラリーを用
い、他生物の既知のGAP遺伝子をプローブとしたハイ
ブリダイゼーション法を用いて行った。Molecular Clon
ing 2nd edition p2.95-121,Cold Spring HarborLabora
tory (1989) に記載された方法に従い、上記の遺伝子ラ
イブラリーの約20,000プラークのファージDNAを吸着
させたフィルターを作製した。次に、サッカロマイセス
・セレビシエのGAP遺伝子を含む2.1 kbのHind
III 断片を保持するpUC18プラスミド(Yamano et a
l. Journal of Biotechnology 32, 165- 171 (1994))
から、GAP遺伝子の大部分を占めるDNA断片として
約1 kbのAsuII- AflII断片を切り出した。この
断片を32P標識して、これをプローブとしてハイブリダ
イゼーションを行った。その結果3 つの陽性プラークが
分離できた。更にこれらプラークの1 つのファージDN
Aについてサブクローニングを行い、このファージDN
Aに含まれていた6.5 kbEcoRI断片を単離し、プ
ラスミドベクターpBluescriptIISK+のE
coRIサイトに組込み、プラスミドpGAP1および
2を構築した(図29)。
I、あるいはSpeIを単独もしくは複数使用して、単
離した6.5 kbEcoRI断片を消化し、生じた断片に
対してサッカロマイセス・セレビシエのGAP遺伝子を
プローブとしたサザンハイブリダイゼーションを行っ
た。その結果、3.8kb HindIII −SpeI断
片に強くハイブリダイズした。そこで、3.8kb H
indIII −SpeI断片をプラスミドベクターpBl
uescriptIISK+及びpBluescript
IIKS+のHindIII サイトとSpeIサイトとの間
にそれぞれ組み込み、プラスミドpGAPH1、pGAPH
2を作製した。これらプラスミドについて、HindII
I 、ClaI、SmaI等の制限酵素サイトでの欠失変
異体の作製や、エキソヌクレアーゼIII 及びマングビー
ンヌクレアーゼを用いた連続した欠失変異体を作製する
ことにより、種々の欠失変異をもつプラスミドを作製
し、3749bpからなるHindIII −SpeI 断
片の配列を決定した(図29)。
ところ、1005bpからなるオープンリーディングフ
レームが存在し、そこから推定される遺伝子産物のアミ
ノ酸配列についてサッカロマイセス・セレビシエのGA
P遺伝子産物に対するホモロジーを調べた。両配列は互
いに79.6%ホモロジーを示したことから、単離した
遺伝子がキャンディダ・ユティリスのGAP遺伝子であ
ると断定した。また制御領域については、開始コドンの
上流975bp、終止コドンの下流1769bpが含ま
れていた。このうち、転写のプロモーターを含むと推測
されるHindIII サイトから開始コドンATGの直前
までの975bpの配列は図30に、転写のターミネー
ターを含むと推測される終止コドンTAAの直後からA
flIIIサイトまでの802bpの配列は図31に示さ
れる通りであった。
とターミネーターとを使った発現ベクターの構築 キャンディダ・ユティリスのGAP遺伝子制御領域から
プロモーターとターミネーターを含むDNA断片をそれ
ぞれPCR 法を用いて取得した(図29)。
P1を鋳型として、開始コドンの上流975bpに位置
するHindIII サイトから開始コドンATG直前まで
の断片を取得した。プライマーとして、 5'-CCAAGCTTACAGCGAGCACTCAAATCTGCCC-3' (配列番号:23) 5'-CCTCTAGATATGTTGTTTGTAAGTGTGTTTTGTATC-3' (配列番号:24) の2つを用い、3’下流側開始コドン直前にXbaI部
位をもつ様にデザインして合成した。
pGAP1を鋳型として、終止コドン直後からSpeI
サイトまでの断片を取得した。プライマーとしては、 5'-GGGATCCATTGTATGACTTTTATTTATGGG-3' (配列番号:25) 5'-GGACTAGTGAGATGACTCTAGGCATCTTCT-3' (配列番号:26) を用い、5’側終止コドン直後にはBamHIサイトを
もつ様にデザインし合成した。
ーゼ (STRATAGENE)を使って30サイクル
で行った。PCR合成したプロモーター断片をHind
IIIとXbaIとで消化し、pUC19ベクターのHi
ndIII サイトとXbaIサイトとの間に組み込み、プ
ラスミドpUGproを構築した(図32)。一方、タ
ーミネーター断片は、終止コドンの約0.8kb下流の
AflIII サイトで消化し、クレノウ酵素でDNA末端
の平滑化を行った後、BamHIで消化した。得られた
0.8kbのDNA断片をpUC19ベクターのBam
HIサイトとSmaIサイトの間に組み込み、プラスミ
ドpUGterを構築した(図32)。
ーターの下流末端のEcoRIサイトをクレノウ酵素処
理により平滑化した後、NotIリンカー(5'AGCGGCCGC
T3´:配列番号:18)を連結して、プラスミドpUG
terNを構築した。次に、プラスミドpUGproか
ら0.95kbのG APプロモーター断片をHindII
I とXbaIとで切り出し、プラスミドpUGterN
のHindIII サイトとXbaIサイトとの間に挿入し
て、発現プラスミドpGAPPT1を構築した。さら
に、プロモーターの上流末端のHindIII サイトをク
レノウ酵素処理により平滑化し、NotIリンカー(5'A
GCGGCCGCT3´:配列番号:18)を連結して、プラスミ
ドpGAPPT2を構築した(図32)。
T2が実際にキャンディダ・ユティリス内で機能するか
否かを確認するために、プラスミドpGAPPT2のX
baIサイトとBamHIサイトの間に実施例19記載
のプラスミドpAPH2からXbaIとBglIIによっ
て切り出される1.1kbのAPT遺伝子断片を組み込
み、プラスミドpGAPAPH1を構築した(図3
2)。
otIで消化した後、ATCC9950株の形質転換に
使用した。形質転換は電気パルス法で、パルス条件を電
気容量を25μF、抵抗値を1000オーム、電圧を5
KV/cmとして行った。
418を含むYPDプレートで行い、0.1μgのDN
Aを使用して約40個程度の形質転換体が得られた。こ
れにより、GAP遺伝子のプロモーター、ターミネータ
ーが機能することが確認された。
e(PMA)遺伝子のクローニングとPMA遺伝子を含
むDNA断片の塩基配列決定 キャンディダ・ユティリスの原形質膜プロトンATPa
se(PMA)遺伝子のクローニングは、PGK遺伝子
やPMA遺伝子の場合と同様に、実施例2で構築したキ
ャンディダ・ユティリス染色体DNAライブラリーを用
い、他生物の既知のPMA遺伝子の一部分をプローブと
したハイブリダイゼーション法を用いて行った。Molecu
lar Cloning 2nd edition p2.95-121,ColdSpring Harbo
r Laboratory (1989) に記載された方法に従い、上記
した遺伝子ライブラリーの約20.000プラークのフ
ァージDNAを吸着させたフィルターを作製した。次
に、サッカロマイセス・セレビシエのPMA1遺伝子の
塩基配列(Serrano et al. Nature 319, 689-693 (198
6) )をもとに合成した2つのプライマー: 5'-ATGACTGATACATCATCCTCTTCATC-3' (配列番号:27) 5'-TAACGACAGCTGGCAAACCGACTGGGAC-3' (配列番号:28) を用い、サッカロマイセス・セレビシエAH22株(A
TCC 38626)の染色体DNAを鋳型として、P
CR法でPMA1構造遺伝子の5’末端+1から+10
27(開始コドンATGのAを+1とする)に対応する
約1kbの領域を増幅した。染色体DNAはMethods in
Yeast Genetics - A laboratory Course Manual - Ros
e M.D et al. P126-127 Cold Spring Harbor Laborator
y PressNY (1990) 記載の方法に従って調製した。取得
した断片は32P標識して、プローブとしてハイブリダイ
ゼーションを行った。その結果、得られた4つの陽性プ
ラークのうち1つのファージDNAについてインサート
DNAをXbaI消化して、10kb、4kb、2.8
kb、2.6kbの4つのXbaI断片を単離した。
ングに用いたサッカロマイセス・セレビシエのPMA1
遺伝子の約1kb断片をプローブとしてサザンハイブリ
ダイゼーションを行ったところ、2.6kbのXbaI
断片にハイブリダイズした。そこで、この断片をプラス
ミドベクターpBluescriptIISK+のXba
Iサイトに組み込み、インサートの方向性が互いに逆の
プラスミドpPMAF1、pPMAF2を作製した(図
33)。
ClaI、EcoRI等の制限酵素サイトでの欠失変異
体の作製や、エキソヌクレアーゼIII 及びマングビーン
ヌクレアーゼを用いた欠失変異体を作製することによ
り、種々の欠失変異をもつプラスミドを作製し、両末端
から約1kbずつの塩基配列を決定した(図33)。予
想される構造遺伝子領域の解析を行ったところ、図33
中左側のXbaIサイトからEcoRVサイトを含む約
1kb内に、サッカロマイセス・セレビシエのPMA1
構造遺伝子の5’末端領域と約50%のホモロジーを示
す352bpのオープンリーディングフレームが存在し
た。もう一方側のXbaIサイトからBamHIサイト
を含む約0.8kb内には、サッカロマイセス・セレビ
シエのPMA1遺伝子の+1292番目から+2046
番目までの範囲 (開始コドンATGのAを+1とす
る)と約70%のホモロジーを示す754bpのオープ
ンリーディングフレームが存在することが分かった。こ
の結果から、単離した遺伝子がキャンディダ・ユティリ
スのPMA遺伝子であると判断した。また、この2.6
kbのXbaI断片には、開始コドンATGの上流59
9bpが含まれていた。転写のプロモーターを含むと推
測されるこの599bpの配列は図34に示される通り
であった。
ァージDNAからXbaIで切り出される他の3つの断
片(10kb、4kb、および2.8kb)をサブクロ
ーニングし、それぞれ両末端側から塩基配列決定を行
い、サッカロマイセス・セレビシエのPMA1遺伝子の
3’側領域とのホモロジーを調べた。その結果、2.8
kbのXbaI断片の片側に上記のPMA1遺伝子の
3’末端側と高いホモロジーを示す領域が存在すること
が示された。このXbaI断片をプラスミドベクターp
BluescriptIISK+のXbaIサイトに組み
込み、インサートの方向性が互いに逆のプラスミドpP
MAL1およびpPMAL2を作製した(図33)。こ
れらプラスミドについて、KpnI消化による欠失変異
体の作製や、エキソヌクレアーゼIII 及びマングビーン
ヌクレアーゼを用いた欠失変異体を作製することによ
り、種々の欠失変異をもつプラスミドを作製し、Xba
IサイトからKpnIサイトまでの1.9kbの塩基配
列を決定した(図33)。この塩基配列には、サッカロ
マイセス・セレビシエのPMA1遺伝子の+2041番
目から+2757番目までの範囲(開始コドンATGの
Aを+1とする)と約82%のホモロジーを示す717
bpのオープンリーディングフレームと、終止コドンT
AAの3’下流1188bpが含まれていた。転写のタ
ーミネーターを含むと推測される終止コドンTAA直後
からKpnIサイトまでの1188bpの配列は図35
に示される通りであった。
とターミネーターとを使った発現ベクターの構築 先ず、キャンディダ・ユティリスのPMA遺伝子制御領
域からプロモーターまたはターミネーターを含むDNA
断片をそれぞれPCR法を用いて取得した(図33)。
F1を鋳型として、XbaIサイト下流20bpの位置
から開始コドンATG直前までの断片を取得した。プラ
イマーとして、 5'-GGCGGCCGCAATTAACCCTCACTAAAGGGAACGA-3' (配列番号:29) 5'-TTCTAGACTATATCAATGGTTAGTATCACGTG-3' (配列番号:30) の2つを用い、5’上流側末端にはNotIサイト、
3’下流側開始コドン直前にXbaIサイトをもつ様に
デザインして合成した。
AL1を鋳型として、終止コドンTAA直後から終止コ
ドン403bp下流までの断片を取得した。プライマー
として、 5'-CCGGTACCTAAGCCGCTAATACCCC-3' (配列番号:31) 5'-GGGCGGCCGCACTCGCTGATCGAAA-3' (配列番号:32) を用い、5’上流側終止コドン直後にはKpnIサイ
ト、3’下流側末端にはNotIサイトをもつ様にデザ
インし合成した。
ーゼ(STRATAGENE)を使って30サイクルで
行った。PCR合成したプロモーター断片をNotIと
XbaIとで消化し、pBluescriptIISK+
ベクターのNotIサイトとXbaIサイトの間に組み
込み、プラスミドpBMproを構築した。一方、ター
ミネーター断片を、pBluescriptIISK+の
KpnIサイトとNotIサイトとの間に組み込み、プ
ラスミドpBMterを構築した。プラスミドpBMt
erから得られる0.4kbのKpnI−NotI断片
を、pUC19のEcoRIサイトをクレノウ酵素処理
により平滑化し、NotIリンカー(5'AGCGGCCGCT3´:
配列番号:18)を連結して構築したプラスミドpUC
19NのKpnIサイトとNotIサイトとの間に組み
込み、プラスミドpUMterを構築した(図36)。
IとNotIとの消化で得られる0.4kbのターミネ
ーター断片と、プラスミドpBMproからNotIと
XbaIの消化で得られる0.65kbのプロモーター
断片とを、実施例4で構築したプラスミドpPGKPT
5をNotI消化して得られる2.9kbの断片に組み
込み、プラスミドpMAPH1を構築した(図36)。
1が実際にキャンディダ・ユティリス内で機能するか否
かを確認するために、プラスミpMAPH1のXbaI
サイトとBamHIサイトとの間に実施例19記載のプ
ラスミドpAPH2からXbaIとBglIIによって切
り出される1.1kbのAPT遺伝子断片を組み込み、
プラスミドpMAAPH1を構築した(図36)。
tI消化した後、ATCC9950株の形質転換に使用
した。形質転換は電気パルス法で、パルス条件を電気容
量を25μF、抵抗値を1000オーム、電圧を5KV
/cmとして行った。
418を含むYPDプレートで行い、0.1μgのDN
Aを用いて約40個程度の形質転換体が得られた。これ
により、PMA遺伝子のプロモーターおよびターミネー
ターが機能するものであることが確認された。
(ARS)を含むDNA断片のクローン化 実施例19で構築したプラスミドpGKAPH1から、
PGK遺伝子プロモーターと、APT遺伝子と、そして
PGK遺伝子ターミネーターとを含む3.3kbのNo
tI断片を切り出し、これをプラスミドpBluesc
riptIISK−(Stratagene)のNotIサイトに挿入
して、プラスミドpGKAPH2を構築した(図3
7)。BamHI消化して脱リン酸化したプラスミドp
GKAPH2、200ngと、実施例2で得られたキャ
ンディダ・ユティリスATCC9950の3−7kbの
ゲノムDNAのSau3AI部分消化断片200ngと
を、T4DNAリガーゼにより連結した。このDNA溶
液を用いて大腸菌DH5を形質転換して、得られた約3
0000個の形質転換体よりプラスミドDNA混合物を
抽出して染色体DNAライブラリーを作製した。このラ
イブラリーから調製したDNAを用い、実施例11記載
の電気パルス法により、ATCC9950株の形質転換
を試みた。パルス条件は電気容量を25μFとし、抵抗
値は800オームまたは1000オーム、電圧は3.7
5KV/cmまたは5KV/cmとして計4通りとし、
それぞれDNAを3μg使用して行った。これによりG
418耐性を示すコロニーが計7株得られた。これら耐
性株を400μg/mlのG418を含むYPD培地で
培養し、菌体より全DNAを調製し、大腸菌DH5を形
質転換した。酵母染色体DNAの調製は、Methods in Y
east Genetics - A laboratory Course Manual - Rose
M.D et al. P131-132 Cold Spring Harbor Laboratory
Press NYに記載の方法に従った。大腸菌から回収された
7種類のプラスミドDNA(pCARS1、pCARS
4、pCARS5、pCARS6、pCARS7、pC
ARS8、およびpCARS10)はいずれも5−7k
bのインサートを含むことが各種制限酵素消化により明
らかにされ、また、これらプラスミドDNAを用いてA
TCC9950株の形質転換を電気パルス法により試み
たところ、いずれのプラスミドDNAについてもG41
8耐性の形質転換体が得られた。このことから、これら
プラスミド中に自律複製機能を有するDNA配列がクロ
ーン化されていることが確認された。各種制限酵素消化
による解析により、これらのプラスミドのうちpCAR
S7とpCARS8とが同一のインサートを含むプラス
ミドであることが明らかにされた。これらの結果より、
キャンディダ・ユティリス酵母内で自律複製機能を有す
るDNA断片が6種類クローニングされたことが明らか
にされた。
S10(図15)をベクターとしてキャンディダ・ユテ
ィリス酵母染色体DNAライブラリーを作製し、プラス
ミドpGKAPH2ライオブラリーと同時に形質転換を
行った。しかしながら、シクロヘキシミド耐性の形質転
換体は全く得られなかった。この結果から、キャンディ
ダ・ユティリスのARSの特徴として、それを含むプラ
スミドの細胞あたりのコピー数が低く、形質転換体を選
択するために数コピー必要なシクロヘキシミド耐性型L
41遺伝子と組み合わせた場合形質転換体を選択できな
いことが示唆された。
(ARS)を含むDNA断片の短縮化 実施例26でクローニングされた自律複製機能を有する
DNA断片を含むプラスミド7種類のうち、高頻度でキ
ャンディダ・ユティリス酵母を形質転換することができ
たプラスミド3種類(pCARS5、pCARS6、お
よびpCARS7)について、さらに詳しい解析を行っ
た。
形質転換頻度を実施例19で作成した染色体組み込み型
プラスミドpCLRAPH1をBglII消化したDNA
をコントロールとして調べた。パルス条件は電気容量を
25μF、抵抗値を1000オーム、電圧を5KV/c
mとし、DNAを0.1μg用いてATCC9950株
の形質転換を行った。電気パルス後の培養は4時間行っ
た。その結果は表7に示される通りであった。
度 プラスミド コロニー数 pCARS5 16450 pCARS6 9500 pCARS7 4700pCLRAPH1 400 注1)1μgプラスミドDNAあたりの形質転換体数 注2)pCLRAPH1はBgIII で分解して用いた この結果より、ARSを含んだプラスミドを用いること
により、rDNAをターゲットとしたDNAの組込みよ
りさらに10倍から40倍程度高い形質転換頻度が得ら
れることが示された。
CARS6、およびpCARS7をNotI消化し、T
4DNAリガーゼにより再び環状化することにより、P
GK遺伝子プロモーター、APT遺伝子、およびPGK
遺伝子ターミネーターを含む3.3kbのNotI断片
を除去したプラスミドpCARS50、pCARS6
0、およびpCARS70を構築した。新たに得られた
3種類のプラスミドについて種々の制限酵素消化により
インサートの長さを調べたところ、インサートの長さが
いずれも約5−6kbであったため、自律複製機能を有
する領域をさらに限定することとした。そのためにpC
ARS50、pCARS60、およびpCARS70そ
れぞれをSau3AIで部分消化し、1−3.5kbの
サイズの断片を回収して、BamHI消化後、脱リン酸
化したプラスミドpGKAPH2とT4DNAリガーゼ
により連結した。これらの3種類のDNA溶液を用いて
大腸菌DH5を形質転換して、それぞれ得られた2,5
00−6,000個の形質転換体よりプラスミドDNA
混合物を抽出して、DNAライブラリーを作製した。こ
れらDNA5μgずつを用いて実施例11記載の電気パ
ルス法により再びATCC9950株の形質転換を行
い、G418耐性形質転換体を得た。
まな大きさからなっていたが、3種類のライブラリーに
ついて比較的大きなコロニーを形成した株それぞれ5株
を200μg/mlのG418を含むYPD培地で培養
した。得られた菌体より全DNAを調製し、大腸菌DH
5を形質転換した。一部のG418耐性株については大
腸菌形質転換体が得られなかった。また、これら回収さ
れたプラスミドを用いて実施例11記載の電気パルス法
により再びATCC9950株の形質転換を行ったとこ
ろ、それらのうち一部は、元のプラスミドドpCARS
5、pCARS6、およびpCARS7と比較して形質
転換頻度が大幅に低かったため除外した。最終的にpC
ARS50、pCARS60、pCARS70いずれに
ついても短縮化されたDNA断片を含み、かつ形質転換
頻度が親プラスミドと同程度であるプラスミドが1種類
ずつ得られた。そしてpCARS50由来のプラスミド
をpCARS5−2と、pCARS60由来のプラスミ
ドをpCARS6−2と、そしてpCARS70由来の
プラスミドをpCAR7−2と、それぞれ命名した。得
られた6種類のプラスミド中の、自律複製機能を有する
配列を含む染色体DNA断片の制限酵素地図は図38に
示される通りであった。
片の短縮化された3種類のプラスミドpCARS5−
2、pCARS6−2、およびpCAR7−2につい
て、さらに挿入DNA断片を短縮化したプラスミドを構
築し、形質転換頻度を調べた(実施例28)。しかし、
この過程で構築した一部のプラスミドについて部分塩基
配列を決定したところ、図38においてpCARS5の
BglIIサイトより左側の領域約700bpが、pCA
RS6−2のEcoRIサイトより左側の領域約700
bpと90%以上の相同性を示した。この結果から、p
CARS5とpCARS6の挿入DNA断片は互いに制
限酵素地図は一致しないものの、それぞれ相同染色体ま
たは反復配列から由来することが推察されたため、以後
の解析はpCARS6とpCARS7挿入DNA断片と
について行うこととした。また、pCARS6に含まれ
るARS活性を持つ配列をCUARS1と、pCARS
7に含まれるARS活性を持つ配列をCUARS2と、
それぞれ命名した。
挿入DNA断片の短縮化と形質転換頻度とプラスミド安
定性 (1)pCARS6挿入DNA断片の短縮化と形質転換
頻度 プラスミドpCARS6−2にクローン化されたSau
3AI部分消化DNA断片は約1.9kbであった。よ
って、自律複製能を有する領域をさらに限定するため
に、pCARS6−2のインサート断片の一部を含む3
種類のプラスミドを構築した。これらのプラスミドは以
下のように構築した。
セットを含む3.3kbのNotI断片を除去して、p
CARS6−20を構築した。pCARS6−20をA
flIIとXbaIとで消化した後、クレノウ酵素で末端
を平滑化してT4DNAリガーゼにより再環状化してプ
ラスミドpCARS6−210を構築した。このプラス
ミドに、実施例19で構築したプラスミドpGKAPH
1のプロモーター断片内のEcoRIサイトをクレノウ
酵素処理により平滑化し、その後NotIリンカー(5'
AGCGGCCGCT3':配列番号:18)を連結して構築したプ
ラスミドpGKAPH3から切り出される短縮化された
PGK遺伝子プロモーターによるAPT遺伝子発現カセ
ットを含む2.3kbのNotI断片を連結することに
よって、pCARS6−21を構築した。また、pCA
RS6−20とpCARS6−21をそれぞれHind
III 消化してT4DNAリガーゼにより再環状化した
後、同様にPGK遺伝子プロモーターによるAPT遺伝
子発現カセットを含む2.3kbのNotI断片を連結
することによって、pCARS6−22およびpCAR
S6−23を構築した。これら5種類のプラスミドに含
まれる挿入DNA断片の制限酵素地図は図39に示され
る通りであった。
例11記載の電気パルス法により、ATCC9950株
の形質転換実験を行なった。パルス条件は電気容量を2
5μF、抵抗値を1000オーム、電圧を5KV/cm
とし、DNAは1μg用いて行った。電気パルス後の培
養は4時間行った。その結果は表8に示される通りであ
った。
た。得られたG418耐性のコロニーを4mlのYPD
培地に植菌し、30℃で8時間振とう培養した。その
後、YPDプレートと、G418を含むYPDプレート
とに菌をそれぞれ塗布して、2日後生じたコロニー数を
比較することにより、プラスミドの保持率を求めた。結
果は表8に示される通りであった。この間、菌は2.5
−3.5回分裂したことが培養液の吸光度を調べること
により示された。この結果から、pCARS6−2の挿
入DNA断片を左右両側よりそれぞれ短縮化したプラス
ミドpCARS6−21およびpCARS6−22のう
ち、pCARS6−21の安定性はpCARS6−2と
同程度であったが、どちらも形質転換頻度が大きく低下
することが示された。また、挿入DNA断片を0.6k
bpまで短くしたCARS6−23では形質転換頻度は
さらに低下し、pCARS6の50分の1以下に低下す
ることが示された。これらの結果から、pCARS6に
含まれるCUARS1は、pCARS6−2の約1.9
kb長さのDNA断片より短縮化することが困難である
ことが示唆された。
化と形質転換頻度 プラスミドpCARS7−2にクローン化されたSau
3AI部分消化DNA断片は約3.5kbであった。よ
って、自律複製能を有する領域をさらに限定するため
に、pCARS7−2のインサート断片の一部を含む5
種類のプラスミドを構築した。これらのプラスミドは以
下のように構築した。
カセットを含む3.3kbのNotI断片を除去したプ
ラスミドpCARS7−20を構築した。このpCAR
S7−20をXbaI消化後、T4DNAリガーゼによ
り再環状化し、その後2.3kbのAPT遺伝子発現カ
セットを含むNotI断片を連結することによりpCA
RS7−4を構築した。
kbのEcoRV−HindIII 断片、約1.3kbの
XbaI−HindIII 断片、および約1.8kbのH
indIII −BglII断片を切り出し、それぞれ、Ec
oRVおよびHindIII 、XbaIおよびHindII
I 、ならびにHindIII およびBamHIで消化した
pBluescriptIISK−(Stratagene)に連結し
た。その後、短縮化されたPGK遺伝子プロモーターに
よるAPT遺伝子発現カセットを含む2.3kbのNo
tI断片を連結することによりpCARS7−6、pC
ARS7−7、およびpCARS7−8を構築した。こ
れら6種類のプラスミドに含まれる挿入DNA断片の制
限酵素地図は図40に示される通りであった。
1記載の電気パルス法により、ATCC9950株の形
質転換実験を行なった。パルス条件は電気容量を25μ
F、抵抗値を1000オーム、電圧を5KV/cmと
し、DNAを1μg用いて行った。電気パルス後の培養
は4時間行った。その結果を表9に示した。
た。得られたG418耐性のコロニーを4mlのYPD
培地に植菌し、30℃で8時間振とう培養した。その
後、YPDプレートと、G418を含むYPDプレート
とに菌をそれぞれ塗布して、2日後生じたコロニー数を
比較することにより、プラスミドの保持率を求めた(表
9)。この間、菌は2.5−3.5回分裂したことが培
養液の吸光度変化を調べることにより示された。これら
の結果から、pCARS7−2またはpCARS7−6
による形質転換頻度は、pCARS7のそれと比較し
て、それぞれ約70%、および約30%程度に低下し
た。しかし、安定性はそれほど悪化していないことが示
された。さらにDNA断片を短くしたpCARS7−7
については、pCARS7−6の2分の1程度の形質転
換頻度を示したものの、生じたコロニーは微小であり、
また、安定性も悪かった(表9)。一方、pCARS7
−8については頻度が悪く、pCARS7−4について
は全く形質転換体が得られなかった。これらの結果か
ら、pCARS7に含まれるCUARS2については、
形質転換頻度はやや低下するものの、pCARS7−6
の1.8kbにまで短縮化できることが示された。
は、キャンディダ・ユティリス酵母のARSが自律複製
能を示すには約2kb程度のかなり長い領域が必要であ
ることを意味している。これはサッカロマイセス酵母の
ARSが約200bpで機能する事実(Newlon, C.R an
d Theis,J. Current Opinion in Genetics and Develop
ment1993 3, 752-758 )と異なっており、興味深い特徴
であるといえる。
ARS7−6の自律複製機能を有する配列を含むDNA
断片の塩基配列決定とサザン解析 (1)自律複製機能を有する配列を含むDNA断片の塩
基配列決定 pCARS6およびpCARS7中の、ARS、CUA
RS1、およびCUARS2を含むDNA断片につい
て、それぞれの塩基配列を決定した。CUARS1を含
むDNAとしてはpCARS6−2の挿入DNA断片に
ついて、CUARS2を含むDNAとしてはpCARS
7−6の挿入DNA断片について、それぞれ挿入DNA
断片の両側からExoIII ヌクレアーゼおよびマングビ
ーンヌクレアーゼを用いた欠失変異作製法により、種々
の欠失変異をもつプラスミドを作製して塩基配列を決定
した。決定したpCARS6−2の挿入DNA断片の塩
基配列は図41と42とに、pCARS7−2の挿入D
NA断片の塩基配列は図43と44とに示される通りで
あった。このうちpCARS6−2の挿入DNA断片は
1921bpからなりA+ Tの全塩基に対する割合は6
9.5%であり、pCARS7−2の挿入DNA断片は
1788bpからなりA+ Tの全塩基に対する割合は7
0.8%であり、いずれのDNAも非常にA+ Tの割合
が高いことが示された。
に認められる11bpの共通配列(T/A)TTTA
(C/T) (A/G)TTT(T/A)(Newlon, C.
R andTheis,J. Current Opinion in Genetics and Deve
lopment1993 3, 752-758 )と比べると、一塩基ずつ異
なる配列が、pCARS6−2では9個分散して存在し
ていること、また、pCARS7−6では13個存在
し、そのうち5個が互いに重なり合いながら存在してい
ることが示された(図41〜図44)。
を含むプラスミドが何コピー存在するかを調べるため
に、pCARS6およびpCARS7で形質転換したキ
ャンディダ・ユティリス酵母から調製したDNAについ
てサザン解析を行った(図45−1)。また、コピー数
算定のための内部標準としてPGK遺伝子を用いること
としたので、PGK遺伝子コピー数算定のためのサザン
解析も行った(図45−2)。
解析は、実施例18記載のプラスミド、pCLLAC1
をPGKプロモーター内のSphIサイトで消化した
後、このプラスミドで形質転換したATCC9950
株、2株と、対照として親株とからそれぞれ調製したD
NAについて行った。SalI+ NotI消化したDN
Aについて実施例4記載のpGKPT4から切り出され
るPGKプロモーターを含む0.4kbのEcoRI-
XbaI断片をプローブとした場合、親株のATCC9
950株では内在性PGK遺伝子由来の3.2kbのバ
ンドが認められた(図45- 2、レーン1)。一方、P
GKプロモーター内のSphIサイトで消化したpCL
LAC1を組み込んだ株ではこの3.2kbのバンドの
ほかに、タンデムに複数個組み込まれたプラスミドから
NotI消化により生じる5.4kbのバンドと、染色
体上のPGK遺伝子のうち1個がプラスミドの挿入によ
り分断されて生じる6.4kbおよび2.1kbの2本
のバンドが検出された(レーン2、3)。これら6.4
kbおよび2.1kbの2本のバンドは、組み込まれた
プラスミド分子の両末端に位置するプラスミド分子内の
NotIサイトとPGK遺伝子領域内のSalIサイト
とから生ずるものであることから、プラスミド分子が相
同組換えによりPGK遺伝子座に組み込まれたことが示
された。
(FUJIFILM)を用いて各バンドの強度を測定したとこ
ろ、形質転換体では内在性PGK遺伝子由来の3.2k
bのバンドと、染色体に組み込まれたプラスミド分子の
両末端のプラスミド由来の6.4kbおよび2.1kb
のバンドの濃さがほぼ一致することから、PGK遺伝子
は細胞あたり2コピー存在し、形質転換体ではそのうち
1コピーがプラスミドDNAの挿入により分断されたこ
とが示された。また、プラスミドのタンデム組み込みに
よる5.4kbのバンドと6.4kbと2.1kbのバ
ンドの濃さの比較から、組み込まれたプラスミドのコピ
ー数は約4コピーであることが示された。
換したATCC9950株DNAをEcoRV+ Not
I消化し、実施例4記載のpGKPT4から切り出され
るPGKターミネーターを含む0.9kbXbaI- N
otI断片をプローブとしてサザン解析を行った。その
結果は図45−1に示される通りであった。親株のAT
CC9950株では内在性PGK遺伝子由来の約7kb
のバンドが認められた(図45−1、レーン3)形質転
換体においては約7kbのバンドの他にプラスミド由来
の3.3kbのバンドが認められた。7kbと3.3k
bのバンドの濃さの比較から、PGK遺伝子由来のバン
ドを2コピーとすると、pCARS6のコピー数は1
(レーン1)、pCARS7のコピー数は0.4(レー
ン2)と計算された。pCARS7のコピー数が1以下
となったのは、菌培養時のプラスミド分子の脱落による
ものと考えられる。この結果から、CUARSを含むプ
ラスミドは細胞あたり、1コピー程度存在すると考えら
れた。
株、9256株、KP−2059P株、およびサッカロ
マイセス・セレビシエS288C株の各種染色体DNA
に対して、サザン解析を行った。プローブとして、CU
ARS1としてpCARS6- 22の1.3kb挿入D
NA断片をXbaIとHindIII により切り出した断
片(図39)を、CUARS2としてpCARS7−6
の1.8kbEcoRV- HindIII 断片(図40)
を、それぞれ用いてハイブリダイゼーションを行った
(図46)。CUARS1については、pCARS6の
制限酵素地図から予想される2kbの主要なバンド以外
にpCARS5の制限酵素地図から予想されるHind
III 断片の長さに一致する1.6kbのバンドが認めら
れた(図46−1)。一方、CUARS2についてはp
CARS7の制限酵素地図から予想される2.5kbの
主要なバンド以外にホモロジーの高いDNA配列がキャ
ンディダ・ユティリス酵母染色体上に10コピー程度存
在すると共に、サッカロマイセス酵母にも多数存在する
ことが示された(図46−2)。この結果から、CUA
RS2は広く保存された配列である可能性が示唆され
た。また、洗浄条件を厳しくすることにより(0.1x
SSC 65℃)主要なバンド以外のシグナルはほとん
ど認められなくなった(図46−2)。
であるかどうかを調べるために、パルスフィールドゲル
電気泳動法で分離したキャンディダ・ユティリス染色体
DNAに対してサザン解析を行った。ATCC9950
株のDNAは7本に分れたが、CUARS1は大きいほ
うから6番目の染色体に、CUARS2は3番目の染色
体にそれぞれ位置することが明らかにされ、クローン化
したARSは染色体由来であることが明らかにされた。
また、pCARS5の挿入DNA断片についてはCUA
RS1と同様に6番目の染色体に位置することが示され
た。実施例27記載のシークエンス解析からも示唆され
たように、これらpCARS5とpCARS6にクロー
ン化されたARSは相同染色体由来である可能性を支持
する結果となった。
ー活性を有するDNA断片のクローニング (1)プロモーター検索ベクターの構築 実施例28で構築したプラスミドpCARS6−20よ
り、自律複製能を有する配列を含むDNAを1.9kb
のSacI−SmaI断片として切り出した。この断片
をEcoRIサイトをクレノウ酵素処理により平滑化し
た後、さらにSacI消化したプラスミドpAPH1
(実施例19)と連結してプラスミドpPCV1を構築
した。続いてpPCV1をBamHI消化してクレノウ
酵素処理により平滑化した後、HpaIリンカー(5'GTT
AAC3')を挿入して、プラスミドpPCV2を構築した
(図47)。
活性を有するDNA断片のクローニング キャンディダ・ユティリスATCC9950の染色体D
NAを制限酵素RsaI、HaeIII 、およびAluI
により、同時に部分消化した。その後、DNA断片を1
%のアガロースゲルで電気泳動することにより分画し、
0.9−1.8kbの長さの断片を回収した。この部分
消化DNA断片と、HpaI消化して脱リン酸化したプ
ラスミドpPCV2とを、T4DNAリガーゼにより連
結した。このDNA溶液を用いて大腸菌DH5を形質転
換して、得られた約100,000個の形質転換体より
プラスミドDNA混合物を抽出して染色体DNAライブ
ラリーを作製した。このライブラリーから調製したDN
Aを用いて実施例11記載の電気パルス法によりATC
C9950株の形質転換を試みた。パルス条件は電気容
量を25μF、抵抗値は1000オーム、電圧は5KV
/cmとし、DNAは1回のパルスあたり20−25μ
gを使用して行った。形質転換体の選択は200μg/
mlのG418を含むYPDプレートで行い、形質転換
実験を繰り返すことにより、280μgのDNAを使用
して合計380個の形質転換体を取得した。これらの形
質転換体のうち比較的大きなコロニーを形成した84株
について、1mg/mlのG418を含むYPDプレー
トでの増殖を調べた。このうち、増殖の良かった株12
株を1mg/mlのG418を含むYPD培地で培養
し、菌体より全DNAを調製し、大腸菌DH5を形質転
換した。
ドDNA、すなわちpPCV1、3、9、14、19、
33、51、55、57、62、64、および78は、
いずれも0.9−1.8kbの挿入DNA断片を含むこ
とが制限酵素消化により明らかにされた。次に、プロモ
ーター活性を有する配列を含むDNA断片をXbaI消
化により切り出し、pBluescriptIISK−(S
tratagene)に連結して得られたプラスミドについて、そ
れらの挿入DNA断片の両側から一部塩基配列を決定し
た。その結果、pPCV33およびpPCV78、なら
びにpPCV14、pPCV51、およびpPCV55
が、それぞれ同一のDNA断片を含むことが明らかとな
った。よって、最終的に9種類のプロモーター活性を有
するDNA断片がクローン化されたことが示された。
1、3、9、14、19、33、57、62、および6
4を用いてATCC9950株の形質転換を電気パルス
法により試みたところ、いずれのプラスミドDNAにつ
いても1μgDNAあたり6,000から10,000
個のG418耐性コロニーが得られた。さらに、これら
9種類のプラスミドと、対照として用いたpCARS6
−2とにより得られた10種類のG418耐性株2株ず
つの計20クローンについて、5mlのYPD液体培地
で一晩培養した後、YPDプレート上で単一コロニーに
した。これら20クローンのおのおの10コロニーずつ
をG418を含むYPDプレート上での生育を調べるこ
とにより、プラスミドの保持率を調べた。その結果、p
CARS6−2のプラスミド保持率は5%であったのに
対し、その他すべてのプラスミドについて保持率が高ま
っていた。このうち特にプラスミドpPCV1、pPC
V19、およびpPCV64については、プラスミド保
持率が80−85%と高く、取得されたプロモーター活
性を有する配列を含むDNA断片が、プラスミドの安定
性を高める機能を有していることが示唆された。
性を有するDNA断片の塩基配列決定 取得された9種類のプロモーター活性を有するDNA断
片のうち、プラスミドpPCV19の挿入DNA断片に
ついて、挿入DNA断片の両側からExoIIIヌクレア
ーゼおよびマングビーンヌクレアーゼを用いた欠失変異
作製法により、種々の欠失変異をもつプラスミドを作製
して塩基配列を決定した。決定した1054bpからな
るpPCV19の挿入DNA断片の塩基配列は図48に
示される通りであった。
子発現用プラスミドの構築とそれを利用した酵母の共形
質転換体の選択 (1)ハイグロマイシンB耐性遺伝子発現用プラスミド
の構築とその機能確認 ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ(HP
T)遺伝子は、プラスミドpBIB−HYG(Becker
D. Nucl. Asids Res.18,203 (1990))を鋳型として、す
でに明らかにされているHPT遺伝子の塩基配列情報
(Gritz L. and Davis J. Gene 25, 179-188 (1983)
)に基づき作成した2種類のプライマーを用いてPC
Rにより取得した。プライマーとして、 5'-GGTCTAGATATGAAAAAGCCTGAAC-3' (配列番号:33) 5'-GGAGATCTATTCCTTTGCCCTCGGA-3' (配列番号:34) を用いて、5’側末端開始コドン直前にXbaIサイ
ト、3’側末端終止コドン直後にBglIIサイトをもつ
様にデザインして合成した。合成したHPT遺伝子断片
はXbaIとBglIIとで消化後、実施例4記載の発現
ベクターpPGKPT4(図4)のXbaIサイトとB
amHIサイトと間に挿入して、プラスミドpGKHP
T1を構築した(図49)。
ロモーターと、HPT遺伝子と、そしてPGK遺伝子タ
ーミネーターとを含む3.3kbのNotI断片を切り
出し、これを実施例30記載のプラスミドpPCV14
のNotIサイトに挿入して、プラスミドpAHG1を
構築した。
するかどうか確認するために、プラスミドpAHG1に
よりATCC9950株を実施例11記載の電気パルス
法により形質転換した。G418耐性で選択した形質転
換体は、200、400、および800μg/mlの濃
度のハイグロマイシンBを含むYPD液体培地で増殖し
たが、対照として用いた野生株はいずれの培地でも増殖
せず、ハイグロマイシンB耐性を示すことが明らかにさ
れた。
I消化して、PGK遺伝子プロモーターと、HPT遺伝
子と、そしてPGK遺伝子ターミネーターとを含む断片
と、ベクター断片とに分けた後、ATCC9950株の
形質転換に用いた。形質転換は実施例11記載の電気パ
ルス法により行い、形質転換体の選択は800μg/m
lのハイグロマイシンBを含むYPDプレートで行っ
た。その結果、1μgDNAあたり168個のハイグロ
マイシンB耐性コロニーが得られた。これは対照として
用いたNotI消化プラスミドpGKAPH1による形
質転換頻度、1μgDNAあたり156個とほぼ同じで
あり、ハイグロマイシンB耐性遺伝子はG418耐性遺
伝子同様、キャンディダ・ユティリス形質転換体の直接
選択に用いることができることが示された。
64の0.1μgと、NotI消化してPGK遺伝子プ
ロモーターと、HPT遺伝子と、そしてPGK遺伝子タ
ーミネーターとを含む断片とベクター断片とに分けたプ
ラスミドpPGKHPT1の1μgまたは10μgとを
混合して、ATCC9950株の実施例11記載の電気
パルス法により形質転換に用いた。
は600、800、または1000オーム、電圧は3.
75KV/cmまたは5KV/cmとして、DNA混合
物2種類に対してそれぞれ6通りのパルス条件で行っ
た。形質転換体の選択は200μg/mlのG418を
含むYPDプレートで行い、0.1μgのpPCV64
DNA当たり、それぞれの条件で約2,000から7,
000個の形質転換体を取得した。それぞれの条件で得
られたG418耐性コロニー500から2000個を8
00μg/mlのハイグロマイシンBを含むYPDプレ
ートにレプリカした。その結果、得られたG418耐性
コロニーのうちハイグロマイシンB耐性を示すコロニー
の割合はそれぞれのパルス条件で大きな差はなく、約1
−2%であることが示された。つぎに、このG418耐
性でかつハイグロマイシンB耐性を示した株についてY
PD液体培地で一晩培養することによって、プラスミド
として存在するpPCV64が脱落してG418感受性
となった株の取得を試みた。40株について調べたとこ
ろ、このうち10株についてG418感受性でかつハイ
グロマイシンB耐性を示す株が得られた。これらの株に
おいてはPGK遺伝子プロモーターと、HPT遺伝子
と、そしてPGK遺伝子ターミネーターとを含む断片が
染色体上に保持されていることが期待された。そこでこ
の10株より染色体DNAを調製した後、HPT遺伝子
発現カセットが染色体上に相同組換えにより組み込まれ
たかどうかをPCRにより調べた。
子発現に用いたPGK遺伝子プロモーター断片の5’端
外側の塩基配列をもとに合成した、プライマー1;5'CA
AGTTGATCCTTCTCCGGA3' (配列番号:35)及
び、HPT遺伝子内部の配列をもとに合成した、プライ
マー2;5'GAAACTTCTCGACAGACGTC3' (配列番
号:36)及び、HPT遺伝子発現に用いたPGK遺伝
子ターミネーター断片内の配列をもとに合成した プライマー3;5'CATCGGGTAAGGTCTACATG3' (配
列番号:37)の合計3種類のプライマーを使用した。
分、72℃5分とし、30サイクル行った。その結果は
図50に示される通りであった。図50(1)はプライ
マー1とプライマー3とを用いたPCR反応産物の電気
泳動図である。この結果より、すべてのサンプルについ
て内在性のPGK遺伝子による2.7kbの増幅断片が
認められたほか、No.3、5、7、9、および10の
5つのサンプルについては2.6kbの断片が認められ
た。これは形質転換に用いたPGK遺伝子プロモーター
と、HPT遺伝子と、そしてPGK遺伝子ターミネータ
ーとを含む断片によって、内在性の2個のPGK遺伝子
のうち1個が置き換えられたことにより生じたと考えら
れた。さらに、同じDNAサンプルについてプライマー
1とプライマー2とを用いてPCRを行った結果は図5
0(2)に示される通りであった。その結果より、2.
6kbの断片が認められた5個のサンプルについて1.
4kbの増幅断片が認められ、これら5クローンに関し
ては相同組換えによって、内在性PGK遺伝子がHPT
遺伝子に置き換えられたことが示された。
ある。
ソーム構成蛋白質L41をコードする遺伝子配列を含ん
でなる、DNA配列。
ソーム構成蛋白質L41が図14に記載のアミノ酸配列
(配列番号:6)を有するものである、(1)記載のD
NA配列。
ネーター配列をさらに含んでなる、(1)または(2)
記載のDNA配列。
号:5)を有する、(3)記載のDNA配列。
列番号:6)の56番目のプロリンがグルタミンに置換
されたアミノ酸配列を有する蛋白質であって、酵母にシ
クロヘキシミド耐性を付与するシクロヘキシミド耐性型
L41蛋白質をコードする遺伝子配列を含んでなる、D
NA配列。
なる、プラスミド。
れる、キャンディダ・ユティリスのrRNA遺伝子群を
含んでなる、約13.5kbのDNA断片およびその部
分DNA配列。
NA断片を反復して含んでなる、DNA配列。
なる、プラスミド。
母のura3変異を相補する、キャンディダ・ユティリ
ス由来のオルチジン−5´−フォスフェートデカルボキ
シラーゼ(URA3)蛋白質をコードする遺伝子配列を
含んでなる、DNA配列。
のURA3蛋白質が図10および図11に記載のアミノ
酸配列(配列番号:4)である、(10)記載のDNA
配列。
号:3)、またはサッカロミセス・セレビシエ酵母のu
ra3変異を相補する機能を保持するその部分配列を含
んでなる、(11)記載のDNA配列。
んでなる、プラスミド。
スホグリセリン酸キナーゼ(PGK)遺伝子プロモータ
ー配列。
号:2)のうち少なくとも946番〜1346番までの
配列を有する配列、またはPGK遺伝子プロモーター活
性を有するその部分配列を含んでなる、(14)記載の
PGK遺伝子プロモーター配列。
GK遺伝子ターミネーター配列。
号:1)、またはPGK遺伝子ターミネーター活性を有
するその部分配列を含んでなる、(16)記載のPGK
遺伝子ターミネーター配列。
PGK遺伝子プロモーター配列と、(16)または(1
7)記載のPGK遺伝子ターミネーター配列とを含んで
なる、遺伝子発現ユニット。
ットを含んでなる、プラスミド。
PGKPT4、またはpPGKPT5である、(19)
記載のプラスミド。
PGK遺伝子プロモーター配列と、その配列の下流に連
結されてなる異種遺伝子とを含んでなる、DNA配列。
PGK遺伝子プロモーター配列と、その配列の下流に連
結されてなる異種遺伝子と、その異種遺伝子の下流に連
結されてなる(16)または(17)記載のPGK遺伝
子ターミネーター配列とを含んでなる、DNA配列。
リセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GA
P)遺伝子プロモーター配列。
番号:7)、またはGAP遺伝子プロモーター活性を有
するその部分配列を含んでなる、(23)記載のGAP
遺伝子プロモーター配列。
AP遺伝子ターミネーター配列。
番号:8)、またはGAP遺伝子ターミネーター活性を
有するその部分配列を含んでなる、(25)記載のGA
P遺伝子ターミネーター配列。
GAP遺伝子プロモーター配列と、(25)または(2
6)記載のGAP遺伝子ターミネーター配列とを含んで
なる、遺伝子発現ユニット。
ットを含んでなる、プラスミド。
はpGAPPT2である、(26)記載のプラスミド。
GAP遺伝子プロモーター配列と、その配列の下流に連
結されてなる異種遺伝子とを含んでなる、DNA配列。
GAP遺伝子プロモーター配列と、その配列の下流に連
結されてなる異種遺伝子と、その異種遺伝子の下流に連
結されてなる(25)または(26)記載のGAP遺伝
子ターミネーター配列とを含んでなる、DNA配列。
形質膜プロトンATPase(PMA)遺伝子プロモー
ター配列。
番号:9)、またはPMA遺伝子プロモーター活性を有
するその部分配列を含んでなる、(32)記載のPMA
遺伝子プロモーター配列。
MA遺伝子ターミネーター配列。
番号:10)、またはPMA遺伝子ターミネーター活性
を有するその部分配列を含んでなる、(34)記載のP
MA遺伝子ターミネーター配列。
PMA遺伝子プロモーター配列と、(34)または(3
5)記載のPMA遺伝子ターミネーター配列とを含んで
なる、遺伝子発現ユニット。
ットを含んでなる、プラスミド。
る、(37)記載のプラスミド。
PMA遺伝子プロモーター配列と、その配列の下流に連
結されてなる異種遺伝子とを含んでなる、DNA配列。
PMA遺伝子プロモーター配列と、その配列の下流に連
結されてなる異種遺伝子と、その異種遺伝子の下流に連
結されてなる(34)または(35)記載のPMA遺伝
子ターミネーター配列とを含んでなる、DNA配列。
0)、(31)、(39)、(40)のいずれか一項記
載のDNA配列で宿主細胞を形質転換し、該形質転換細
胞を培養して異種遺伝子を発現させることを含んでな
る、異種遺伝子の発現法。
1)記載の異種遺伝子の発現法。
ィリスである、(42)記載の異種遺伝子の発現法。
色体DNAと相同な配列(「相同DNA配列」)と、形
質転換体選択のためのマーカー遺伝子と、そして場合に
よって異種遺伝子とを含んでなるベクターであって、前
記相同DNA配列内において制限酵素切断され直鎖状と
されて、相同組換えによって異種遺伝子をキャンディダ
・ユティリスの染色体DNAに組み込むことができる、
ベクター。
よって前記異種遺伝子とを含んだDNA配列が、その両
端において前記相同DNA配列に挟まれてなり、該相同
DNA配列において制限酵素切断され直鎖状とされて、
相同組換えによって前記DNA配列をキャンディダ・ユ
ティリスの染色体DNAに組み込むことができる、(4
4)記載のベクター。
〜(5)いずれか一項記載のrRNA遺伝子配列または
その一部のDNA配列を含んでなるものである、(4
4)また(45)記載のベクター。
〜(8)いずれか一項記載のURA3遺伝子配列または
その一部のDNA配列を含んでなるもの、である、(4
4)または(45)記載のベクター。
0)〜(12)いずれか一項記載のL41遺伝子配列ま
たはその一部のDNA配列を含んでなるものである、
(44)または(45)記載のベクター。
遺伝子配列を含んでなるものである、(44)または
(45)記載のベクター。
遺伝子配列を含んでなるものである、(44)または
(45)記載のベクター。
遺伝子配列を含んでなるものである、(44)または
(45)記載のベクター。
カー遺伝子である、(44)〜(51)いずれか一項に
記載のベクター。
ロヘキシミド耐性を付与する遺伝子である、(52)記
載のベクター。
る遺伝子がシクロヘキシミド耐性型L41遺伝子であ
る、(53)記載のベクター。
遺伝子として、(5)記載のDNA配列を含んでなる、
(54)記載のベクター。
能するプロモーターで発現する薬剤耐性マーカー遺伝子
を含んでなる、(52)記載のベクター。
物質G418耐性を付与する遺伝子である、(56)記
載のベクター。
る遺伝子が、バクテリアトランスポゾンTn903由来
のアミノグリコシド−3’−ホスホトランスフェラーゼ
(APT)遺伝子である、(57)記載のベクター。
物質ハイグロマイシンB耐性を付与する遺伝子である、
(56)記載のベクター。
性を付与する遺伝子が、大腸菌プラスミド由来のハイグ
ロマイシンBホスホトランスフェラーゼ(HPT)遺伝
子である、(59)記載のベクター。
能するプロモーター配列と、該プロモーター配列により
発現する異種遺伝子を含んでなり、場合によってさらに
ターミネーター配列を含んでなる、(44)〜(60)
いずれか一項のベクター。
ネーター配列がキャンディダ・ユティリス由来のもので
ある、(61)記載のベクター。
(15)、(23)、(24)、(32)、(33)い
ずれか一項に記載のプロモーター配列であり、ターミネ
ーター配列が(16)、(17)、(25)、(2
6)、(34)、(35)いずれか一項に記載のターミ
ネーター配列である、(62)記載のベクター。
項に記載のベクターでキャンディダ・ユティリスを形質
転換し、薬剤耐性となった形質転換体を選択することを
含んでなる、キャンディダ・ユティリスの形質転換法。
項記載のベクターのDNA配列がキャンディダ・ユティ
リスの染色体に保持される、(64)記載の形質転換
法。
ィダ・ユティリスの染色体に多コピーで導入される、
(65)記載の形質転換法。
ヘキシミド耐性型L41遺伝子を含んでなるベクターを
用いる、(66)記載の形質転換法。
るベクターを用い、その結果高頻度で形質転換体が得ら
れる、(67)記載の形質転換法。
クロヘキシミド耐性型L41遺伝子であるベクターを用
いる(68)記載の形質転換法。
えによって染色体に導入される、(64)〜(69)い
ずれか一項記載の形質転換法。
遺伝子座、L41遺伝子座、PGK遺伝子座、GAP遺
伝子座、またはPMA遺伝子座に保持される(70)記
載の形質転換法。
TCC9256、ATCC9226、およびATCC9
950からなる群から選択されるものである、(64)
〜(71)いずれか一項記載の形質転換法。
〜(72)いずれか一項に記載の形質転換法。
10〜40%であり、タイムコンスタントが10〜20
ミリ秒である、(73)記載の形質転換法。
片であって、キャンディダ・ユティリス内で、当該DN
A断片を含むベクターを、染色体外要素であるプラスミ
ドとして保持させ、宿主の形質転換頻度を増加させるこ
とができる、DNA断片。
由来である、(75)記載のDNA断片。
ィリスである、(76)記載のDNA断片。
1および42に記載の塩基配列(配列番号:11)、ま
たは自律複製機能を有するその部分配列を含んでなる、
DNA断片。
3および44に記載の塩基配列(配列番号:12)、ま
たは自律複製機能を有するその部分配列を含んでなる、
DNA断片。
質転換でき、さらに(75)〜(79)いずれか一項に
記載のDNA断片を含んでなり、キャンディダ・ユティ
リス内でプラスミドとして存在し得る、ベクター。
6)〜(60)いずれか一項に記載の薬剤耐性遺伝子を
含んでなる、(80)記載のベクター。
の形質転換法であって、(75)〜(79)いずれか一
項に記載の自律複製能を有するDNA断片および選択マ
ーカー遺伝子を含んでなるプラスミドと、キャンディダ
・ユティリスの染色体DNAと相同なDNA配列(「相
同DNA配列」)を両末端に有するDNA断片とでキャ
ンディダ・ユティリス酵母を同時に形質転換し、該酵母
のうち前記プラスミドによって形質転換された形質転換
体を選択し、さらに相同なDNA配列を有する断片が染
色体上に組み込まれた形質転換体を選択することからな
る、形質転換法。
を、さらに非選択条件下で培養して前記プラスミドを脱
落させることにより、外来DNA断片を含むが、選択マ
ーカー遺伝子を含まない株を選択する方法。
のベクターである、(82)記載の形質転換法。
るDNA断片が異種遺伝子を含むものである、(82)
の形質転換法。
と、キャンディダ・ユティリスの染色体DNAと相同な
配列(「相同DNA配列」)とを含んでなり、かつマー
カー遺伝子を含まないベクターであって、前記異種遺伝
子を含むDNA配列がその両端において前記相同DNA
配列に挟まれてなり、前記相同DNA配列において制限
酵素切断され直鎖状とされて、相同組換えによって前記
異種遺伝子を含むDNA配列をキャンディダ・ユティリ
スの染色体DNAに組み込むことができる、ベクター。
(5)いずれか一項に記載のrRNA遺伝子配列、
(7)〜(8)いずれか一項に記載のPMA遺伝子配列
のURA3遺伝子配列、(10)〜(12)いずれか一
項に記載のL41遺伝子配列、PGK遺伝子配列、GA
P遺伝子配列、またはPMA遺伝子配列のうちいずれ
か、またはそれらの部分DNA配列から選択される、
(86)記載のベクター。
形質転換された、キャンディダ・ユティリス形質転換
体。
(44)〜(63)いずれか一項に記載のベクターであ
る、(88)記載のキャンディダ・ユティリス形質転換
体。
(86)または(87)記載のベクターである、(8
8)記載のキャンディダ・ユティリス形質転換体。
い、(90)記載のキャンディダ・ユティリス形質転換
体。
TCC9256、ATCC9226、およびATCC9
950からなる群から選択されるものである、(88)
〜(91)いずれか一項に記載のキャンディダ・ユティ
リス形質転換体。
ペプチドの製造法であって、(88)〜(92)いずれ
か一項に記載のキャンディダ・ユティリス形質転換体を
培養し、該培養物から異種遺伝子の発現産物を単離、精
製することを含んでなる、方法。
写のためのプロモーター配列を持たない薬剤耐性遺伝子
を含んでなり、キャンディダ・ユティリス酵母内で、プ
ラスミドとして存在しうる、(81)記載のプラスミ
ド。
を与えるバクテリアトランスポゾンTn903由来のA
PT遺伝子である、(94)記載のプラスミド。
(95)記載のプラスミド。
項に記載のプラスミドの薬剤耐性遺伝子の5’側にDN
Aの制限酵素部分分解断片をクローン化したDNAライ
ブラリーによって、キャンディダ・ユティリスを形質転
換し、当該薬剤耐性となる形質転換体を選択し、その形
質転換体から回収されるプラスミドDNAからキャンデ
ィダ・ユティリス酵母内で機能する転写プロモーター活
性を有するDNA断片を単離する、転写プロモーター活
性を有するDNAの単離方法。
Aがキャンディダ・ユティリス酵母染色体DNAであ
る、(97)記載の方法。
方法により単離され得る、キャンディダ・ユティリス酵
母内で転写プロモーター活性を有するDNA断片。
I、HaeIII 、またはRsaI、もしくはその組み合
わせの制限酵素分解により染色体から切り出され、かつ
0.8〜1.8kbの長さを有する、(99)記載のD
NA断片。
列番号:13)、またはキャンディダ・ユティリス酵母
内で転写プロモーター活性を有するその部分配列を含ん
でなる、DNA断片。
か1つに記載のプロモーター配列と、その下流に連結さ
れてなる異種遺伝子とを含んでなる、DNA配列。
で宿主細胞を形質転換し、当該形質転換細胞を培養して
異種遺伝子を発現させることを含んでなる、異種遺伝子
の発現法。
ティリスである、(103)記載の異種遺伝子の発現
法。
を含むプラスミドの制限酵素地図とDNA塩基配列決定
のストラテジー、およびPCRによるプロモーター、タ
ーミネーター各断片の取得法を示す図である。
の塩基配列を表す図である。
塩基配列を表す図である。
ターを利用した発現ベクタープラスミドの構築の説明図
である。
地図である。
定のストラテジーおよびサブクローニングされたプラス
ミドの構造を表す図であって、図6(a)はプラスミド
pCRE1、pCRE2、pCRE3、pCRX1、p
CRX2、pCRX3、およびpCRX4プラスミドの
構造を表し、図6(b)はキャンディダ・ユティリスの
リボソームDNAを含んだ約13.5kbのDNAフラ
グメントの制限酵素地図である。
図と、それらプラスミドのサッカロマイセス・セレビシ
エura3−変異の相補能を表す図である。
テジーと、制限酵素地図である。
表す図である。
ミノ酸配列およびそれをコードするDNAの塩基配列を
表す図である。
ミノ酸配列およびそれをコードするDNAの塩基配列で
あって、図10の続きの配列を表す図である。
図と、DNA塩基配列決定のストラテジーを示す図であ
る。
表す図である。
ノ酸配列およびそれをコードするDNAの塩基配列を表
す図である。
S12の構築の説明図である。
CLRX1、およびpCLRX2の構築を表す図であ
る。
50生菌率、および形質転換体数を調べた結果を表す図
である。
れたATCC9950株のDNAのサザンブロッティン
グ解析の結果を表す電気泳動図である。
れたATCC9226株、ATCC9256株、および
ATCC9950株のDNAのサザンブロッティング解
析の結果を表す電気泳動図である。
CLRE6、およびpCLRE7の構築を表す図であ
る。
CLRE6、およびpCLRE7によって形質転換され
たATCC9950株のDNAのサザンブロッティング
解析の結果を表す電気泳動図である。
されたATCC9950株のDNAのサザンブロッティ
ング解析の結果を表す電気泳動図である。
STA1の構築の説明図である。
されたATCC9950株の培養上清をSDSポリアク
リルアミドゲル電気泳動で分析した結果を表わす電気泳
動図である。
LAC1の構築の説明図である。
APH1の構築の説明図である。
ヘキシミド耐性、G418r:G418耐性)により選
択されたプラスミドpCLRAPH1によるATCC9
950株形質転換体のDNAのサザンブロッティング解
析の結果を表す電気泳動図である。
CRAPH3、pCRAPH4、pCRAPH5、およ
びpCRAPH6の構造を示した図である。
ナーゼ(GAP)遺伝子を含むプラスミドの制限酵素地
図とDNA塩基配列決定のストラテジー、およびPCR
によるプロモーター、ターミネーター各断片の取得法を
示す図である。
の塩基配列を表す図である。
片の塩基配列を表す図である。
ーターを利用した発現ベクタープラスミドの構築の説明
図である。
伝子を含むプラスミドの制限酵素地図とDNA塩基配列
決定のストラテジー、およびPCRによるプロモータ
ー、ターミネーター各断片の取得法を示す図である。
の塩基配列を表す図である。
片の塩基配列を表す図である。
ーターを利用した発現ベクタープラスミドの構築の説明
図である。
ターpGKAPH2の構造を示す図である。
断片の制限酵素地図を示した図である。
片がサブクローン化された4種類のプラスミドの挿入D
NA断片の制限酵素地図を示した図である。
片がサブクローン化された5種類のプラスミドの挿入D
NA断片の制限酵素地図を示した図である。
片の塩基配列を表す図である。
片の塩基配列を表す図であって、図41の続きの配列を
表す図である。
片の塩基配列を表す図である。
片の塩基配列を表す図であって、図43の続きの配列を
表す図である。
7によって形質転換されたATCC9950株のDNA
(1)あるいはプラスミドpCLAC1によって形質転
換されたATCC9950株のDNA(2)のサザンブ
ロッティング解析の結果を表す電気泳動図である。
ATCC9256株、KP−2059P株、そしてS2
88C株のDNAについてCUARS1(1)、CUA
RS2{(2)および(3)}をプローブとしたサザン
ブロッティング解析の結果を表す電気泳動図である。
2の構築の説明図である。
性を示すDNA断片の塩基配列を表す図である。
ある。
9950株DNAのPCR解析の結果を表す電気泳動図
である。
Claims (9)
- 【請求項1】キャンディダ・ユティリスのグリセロアル
デヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAP)遺伝子
プロモーター。 - 【請求項2】配列番号:7の塩基配列、またはGAP遺
伝子プロモーター活性を有するその部分配列を含んでな
る、請求項1記載のGAP遺伝子プロモーター。 - 【請求項3】キャンディダ・ユティリスのGAP遺伝子
ターミネーター。 - 【請求項4】配列番号:8の塩基配列、またはGAP遺
伝子ターミネーター活性を有するその部分配列を含んで
なる、請求項3記載のGAP遺伝子ターミネーター。 - 【請求項5】請求項1または2記載のGAP遺伝子プロ
モーターと、請求項3または4記載のGAP遺伝子ター
ミネーターとを含んでなる、遺伝子発現ユニット。 - 【請求項6】請求項5記載の遺伝子発現ユニットを含ん
でなる、プラスミド。 - 【請求項7】プラスミドpGAPPT1またはpGAP
PT2である、請求項4記載のプラスミド。 - 【請求項8】請求項1または2記載のGAP遺伝子プロ
モーターと、その下流に連結されてなる異種遺伝子とを
含んでなる、DNA。 - 【請求項9】請求項1または2記載のGAP遺伝子プロ
モーターと、その下流に連結されてなる異種遺伝子と、
その異種遺伝子の下流に連結されてなる請求項3または
4記載のGAP遺伝子ターミネーター配列とを含んでな
る、DNA。
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