JP2003174794A - ブラシレスdcモータ駆動方法およびその装置 - Google Patents

ブラシレスdcモータ駆動方法およびその装置

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JP2003174794A JP2001369902A JP2001369902A JP2003174794A JP 2003174794 A JP2003174794 A JP 2003174794A JP 2001369902 A JP2001369902 A JP 2001369902A JP 2001369902 A JP2001369902 A JP 2001369902A JP 2003174794 A JP2003174794 A JP 2003174794A
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昭雄 山際
Keiji Aota
桂治 青田
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和伸 大山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁力振動および騒音を確実に、かつ十分に
低減する。 【解決手段】 三相インバータ回路1bから駆動電流が
供給されるブラシレスDCモータ2と、2相分の駆動電
流を入力としてブラシレスDCモータ2の回転子の回転
位置を検出するセンサレス位置検出回路3と、センサレ
ス位置検出回路3から出力される位置検出信号を入力と
してPWM制御演算を行い、3相インバータ回路1bを
PWM動作させるべくPWM制御信号を出力するPWM
発生回路4と、センサレス位置検出回路3から出力され
る位置検出信号を入力として高調波成分電流を注入する
高調波注入回路5とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電源装置から駆
動電流を供給することによってブラシレスDCモータを
駆動する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高効率であることに着目し
て、種々の分野において回転駆動源としてブラシレスD
Cモータを採用することが提案され、実用化されつつあ
る。
【0003】そして、ブラシレスDCモータの騒音の発
生原因として、(1)トルク変動に起因する振動・騒音
(固定子内周における接線電磁力)、および(2)トル
クに寄与しない固定子に発生する法線電磁力による振動
・騒音が知られている。
【0004】特に、前記(2)に起因する騒音に関して
は、接線電磁力に対して数倍の電磁力が発生し、大きな
騒音を発生することになり、かつ、トルクとして利用す
ることができない。したがって、法線電磁力を低減して
振動・騒音を低減することが望まれている。
【0005】また、法線方向の電磁力の高調波成分の周
波数が固定子共振モードおよび周波数に一致すると、固
定子が共振を起こしてさらに大きな騒音を発生すること
になる。
【0006】これらを考慮して、電磁力の高調波成分を
低減するためのモータ駆動方式が以下のように提案され
ている。 (a)固定子の円環振動の原因となる電磁力の変動情報
を電磁力変動記憶装置に記憶させ、この電磁力変動情報
を位置情報にしたがって読み出して補正係数発生回路に
供給し、固定子の円環振動の主因たる電磁力高調波成分
を打ち消すような補正係数を生成して駆動電流波形を補
正する回転電機の制御装置(特開平11−341864
号公報参照)、(b)BLモータ、リラクタンスモータ
を運転するインバータ装置であって、通電角度を144
°±3°にすることで、第5次の時間高調波成分を最小
にし、低振動、低騒音を可能にするインバータ装置(特
開2000−308383号公報参照)、(c)直流電
圧をインバータ回路のスイッチング素子でスイッチング
してモータに印加し、このモータの非通電相に発生する
誘起電圧により位置検出信号を位置検出回路で得、この
位置検出信号により回転子の位置を制御回路で検出して
モータの通電を切り替え、かつ、スイッチング素子をP
WM制御してモータを駆動するに当たって、予め誘起電
圧に含まれている高調波成分を正トルクとするような電
圧成分をモータの印加電圧に重畳してモータを運転し、
この運転の最も効率のよいときの印加電圧に相当する波
形パターン{電圧(PWM)パターン}を求めてROM
に記憶し、制御回路により、そのROMの波形パターン
を用いてスイッチング素子をPWM制御し、モータを駆
動するようにしたモータの制御方法(特開2000−4
5783号公報)、および(d)通電駆動区間のほぼ1
20°から180°の間のタイミングを検出するタイミ
ング回路と、鋸歯状波を発生する波形発生回路と、波形
発生回路の電圧波形によりソフトPWM回路のオン・デ
ューティーを変化させて通電する通電指令発生回路と、
上下トランジスタ群と、パワートランジスタ群とを儲
け、上記通電駆動区間のほぼ120°から180°の
間、ソフトPWM回路のオン・デューティーを徐々に変
えた信号を三相モータコイル群の各相に加えて、通電末
期のオン・デューティーを徐々に下げて通電するように
したブラシレスDCモータの駆動回路(特開平10−6
6375号公報)。
【0007】上記従来の方式(a)〜(d)は、騒音・
振動の原因になっている電磁力振動成分、またはトルク
リプルの周波数成分を直接、電流高調波成分を重畳させ
て除去する手法{n(nは正の整数)次の騒音・振動成
分を低減すべく、n次、n±1次の高調波電流を重畳す
る手法}と、電磁力振動成分、またはトルクリプルの原
因となっている電流高調波成分を最小にする手法とに大
別される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】騒音・振動の原因にな
っている電磁力振動成分、またはトルクリプルの周波数
成分を直接、電流高調波成分を重畳させて除去する手法
を採用した場合には、注入する電流位相や回転位置のタ
イミングにおいて電磁力振動成分、またはトルクリプル
が増大するおそれがあり、この結果、低減したい騒音・
振動成分が増大することになる可能性がある。
【0009】電磁力振動成分、またはトルクリプルの原
因となっている電流高調波成分を最小にする手法を採用
した場合には、該当する電流高調波成分のみを最小にす
ることは殆ど不可能であり、他の電流高調波成分にも影
響を及ぼすことになるので、騒音・振動成分を十分に低
減できる保証がない。また、電流高調波成分を重畳する
場合と比較して処理が複雑化してしまう。
【0010】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、電磁力振動および騒音を確実に、かつ十
分に低減することができるブラシレスDCモータ駆動方
法およびその装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1のブラシレスD
Cモータ駆動方法は、電源装置から駆動電流を供給する
ことによりブラシレスDCモータを駆動するに当たっ
て、低減対象となる騒音成分の次数に直接関係しない高
調波成分電流を注入する方法である。
【0012】請求項2のブラシレスDCモータ駆動方法
は、電源装置から駆動電流を供給することによりブラシ
レスDCモータを駆動するに当たって、所定次数の高調
波成分を含む駆動電流に対して異なる次数の高調波電流
を注入する方法である。
【0013】請求項3のブラシレスDCモータ駆動方法
は、前記注入する高調波電流の次数を少なくとも1つの
次数に設定する方法である。
【0014】請求項4のブラシレスDCモータ駆動方法
は、電源装置から駆動電流を供給することによりブラシ
レスDCモータを駆動するに当たって、駆動電流に対し
て基本波の7次の高調波電流を注入する方法である。
【0015】請求項5のブラシレスDCモータ駆動方法
は、注入される7次の高調波電流の量を基本波の0.0
5〜0.20倍に設定する方法である。
【0016】請求項6のブラシレスDCモータ駆動方法
は、モータ中性点信号からブラシレスDCモータの回転
子の回転位置を検出し、検出された回転位置に基づいて
電源装置からブラシレスDCモータに駆動電流を供給す
る方法である。
【0017】請求項7のブラシレスDCモータ駆動方法
は、ブラシレスDCモータの固定子印加電圧、モータ電
流、およびブラシレスDCモータの機器定数からブラシ
レスDCモータの回転子の回転位置を検出し、検出され
た回転位置に基づいて電源装置からブラシレスDCモー
タに駆動電流を供給する方法である。
【0018】請求項8のブラシレスDCモータ駆動装置
は、電源装置から駆動電流を供給することによりブラシ
レスDCモータを駆動するものであって、低減対象とな
る騒音成分の次数に直接関係しない高調波成分電流を注
入する高調波成分電流注入手段を含むものである。
【0019】請求項9のブラシレスDCモータ駆動装置
は、電源装置から駆動電流を供給することによりブラシ
レスDCモータを駆動するものであって、所定次数の高
調波成分を含む駆動電流に対して異なる次数の高調波電
流を注入する高調波電流注入手段を含むものである。
【0020】請求項10のブラシレスDCモータ駆動装
置は、前記注入する高調波電流の次数を少なくとも1つ
の次数に設定するものである。
【0021】請求項11のブラシレスDCモータ駆動装
置は、電源装置から駆動電流を供給することによりブラ
シレスDCモータを駆動するものであって、駆動電流に
対して基本波の7次の高調波電流を注入する7次高調波
電流注入手段を含むものである。
【0022】請求項12のブラシレスDCモータ駆動装
置は、前記7次高調波電流注入手段として、注入される
7次の高調波電流の量を基本波の0.05〜0.20倍
に設定するものを採用するものである。
【0023】請求項13のブラシレスDCモータ駆動装
置は、前記ブラシレスDCモータとして、内部に永久磁
石を埋め込んでなる回転子を有するものを採用するもの
である。
【0024】請求項14のブラシレスDCモータ駆動装
置は、前記ブラシレスDCモータとして、歯部に直接巻
線を巻き回してなる集中巻型の固定子を有するものを採
用するものである。
【0025】請求項15のブラシレスDCモータ駆動装
置は、前記ブラシレスDCモータとして、3×N(Nは
偶数)スロットの固定子および2×N極の回転子を有す
るものを採用し、高調波成分電流注入手段、高調波電流
注入手段に代えて、N×K(Kは1以上の整数)次の高
調波騒音を低減すべくN×K±1次以外の次数の高調波
電流を含む電流を注入する電流注入手段を採用するもの
である。
【0026】請求項16のブラシレスDCモータ駆動装
置は、前記ブラシレスDCモータとして、6スロットの
固定子および4極の回転子を有するものを採用し、前記
電流注入手段として、2K(Kは1以上の整数)次の高
調波騒音を低減すべく2K±1次以外の次数の高調波電
流を含む電流を注入するものを採用するものである。
【0027】請求項17のブラシレスDCモータ駆動装
置は、モータ中性点信号からブラシレスDCモータの回
転子の回転位置を検出し、検出された回転位置に基づい
て電源装置からブラシレスDCモータに駆動電流を供給
すべく電源装置を制御する電源制御手段をさらに含むも
のである。
【0028】請求項18のブラシレスDCモータ駆動装
置は、ブラシレスDCモータの固定子印加電圧、モータ
電流、およびブラシレスDCモータの機器定数からブラ
シレスDCモータの回転子の回転位置を検出し、検出さ
れた回転位置に基づいて電源装置からブラシレスDCモ
ータに駆動電流を供給すべく電源装置を制御する電源制
御手段をさらに含むものである。
【0029】請求項19のブラシレスDCモータ駆動装
置は、前記ブラシレスDCモータとして、冷凍装置用圧
縮機もしくは空気調和機用圧縮機を駆動するものを採用
するものである。
【0030】
【作用】請求項1のブラシレスDCモータ駆動方法であ
れば、電源装置から駆動電流を供給することによりブラ
シレスDCモータを駆動するに当たって、低減対象とな
る騒音成分の次数に直接関係しない高調波成分電流を注
入するのであるから、電磁力振動および騒音を確実に、
かつ十分に低減することができる。
【0031】請求項2のブラシレスDCモータ駆動方法
であれば、電源装置から駆動電流を供給することにより
ブラシレスDCモータを駆動するに当たって、所定次数
の高調波成分を含む駆動電流に対して異なる次数の高調
波電流を注入するのであるから、電磁力振動および騒音
の低減効果を高めることができる。
【0032】請求項3のブラシレスDCモータ駆動方法
であれば、前記注入する高調波電流の次数を少なくとも
1つの次数に設定するのであるから、請求項2と同様の
作用を達成することができる。
【0033】請求項4のブラシレスDCモータ駆動方法
であれば、電源装置から駆動電流を供給することにより
ブラシレスDCモータを駆動するに当たって、駆動電流
に対して基本波の7次の高調波電流を注入するのである
から、14次の騒音成分を大幅に低減することができ
る。
【0034】請求項5のブラシレスDCモータ駆動方法
であれば、注入される7次の高調波電流の量を基本波の
0.05〜0.20倍に設定するのであるから、請求項
4と同様の作用を達成することができる。
【0035】請求項6のブラシレスDCモータ駆動方法
であれば、モータ中性点信号からブラシレスDCモータ
の回転子の回転位置を検出し、検出された回転位置に基
づいて電源装置からブラシレスDCモータに駆動電流を
供給するのであるから、位置検出用センサを装着するこ
とが困難な用途に適用することができるほか、請求項1
から請求項5の何れかと同様の作用を達成することがで
きる。
【0036】請求項7のブラシレスDCモータ駆動方法
であれば、ブラシレスDCモータの固定子印加電圧、モ
ータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数から
ブラシレスDCモータの回転子の回転位置を検出し、検
出された回転位置に基づいて電源装置からブラシレスD
Cモータに駆動電流を供給するのであるから、位置検出
用センサを装着することが困難な用途に適用することが
できるほか、請求項1から請求項5の何れかと同様の作
用を達成することができる。
【0037】請求項8のブラシレスDCモータ駆動装置
であれば、電源装置から駆動電流を供給することにより
ブラシレスDCモータを駆動するに当たって、高調波成
分電流注入手段によって、低減対象となる騒音成分の次
数に直接関係しない高調波成分電流を注入するのである
から、電磁力振動および騒音を確実に、かつ十分に低減
することができる。
【0038】請求項9のブラシレスDCモータ駆動装置
であれば、電源装置から駆動電流を供給することにより
ブラシレスDCモータを駆動するに当たって、高調波電
流注入手段によって、所定次数の高調波成分を含む駆動
電流に対して異なる次数の高調波電流を注入するのであ
るから、電磁力振動および騒音の低減効果を高めること
ができる。
【0039】請求項10のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、前記注入する高調波電流の次数を少なくと
も1つの次数に設定するのであるから、請求項9と同様
の作用を達成することができる。
【0040】請求項11のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、電源装置から駆動電流を供給することによ
りブラシレスDCモータを駆動するに当たって、7次高
調波電流注入手段によって、駆動電流に対して基本波の
7次の高調波電流を注入するのであるから、14次の騒
音成分を大幅に低減することができる。
【0041】請求項12のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、前記7次高調波電流注入手段として、注入
される7次の高調波電流の量を基本波の0.05〜0.
20倍に設定するものを採用するのであるから、請求項
11と同様の作用を達成することができる。
【0042】請求項13のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、前記ブラシレスDCモータとして、内部に
永久磁石を埋め込んでなる回転子を有するものを採用す
るのであるから、低振動・低騒音化および高トルク化を
達成することができるほか、請求項8から請求項12の
何れかと同様の作用を達成することができる。
【0043】請求項14のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、前記ブラシレスDCモータとして、歯部に
直接巻線を巻き回してなる集中巻型の固定子を有するも
のを採用するのであるから、低振動・低騒音化および高
トルク化を達成することができるほか、請求項8から請
求項10の何れかと同様の作用を達成することができ
る。
【0044】請求項15のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、前記ブラシレスDCモータとして、3×N
(Nは偶数)スロットの固定子および2×N極の回転子
を有するものを採用し、高調波成分電流注入手段、高調
波電流注入手段に代えて、N×K(Kは1以上の整数)
次の高調波騒音を低減すべくN×K±1次以外の次数の
高調波電流を含む電流を注入する電流注入手段を採用す
るのであるから、3×Nスロットの固定子および2×N
極の回転子を有するブラシレスDCモータに適用するこ
とにより、請求項14と同様の作用を達成することがで
きる。
【0045】請求項16のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、前記ブラシレスDCモータとして、6スロ
ットの固定子および4極の回転子を有するものを採用
し、前記電流注入手段として、2K(Kは1以上の整
数)次の高調波騒音を低減すべく2K±1次以外の次数
の高調波電流を含む電流を注入するものを採用するので
あるから、6スロットの固定子および4極の回転子を有
するブラシレスDCモータに適用することにより、請求
項15と同様の作用を達成することができる。
【0046】請求項17のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、モータ中性点信号からブラシレスDCモー
タの回転子の回転位置を検出し、検出された回転位置に
基づいて電源装置からブラシレスDCモータに駆動電流
を供給すべく電源装置を制御する電源制御手段をさらに
含むのであるから、位置検出用センサを装着することが
困難な用途に適用することができるほか、請求項8から
請求項16の何れかと同様の作用を達成することができ
る。
【0047】請求項18のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、ブラシレスDCモータの固定子印加電圧、
モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数か
らブラシレスDCモータの回転子の回転位置を検出し、
検出された回転位置に基づいて電源装置からブラシレス
DCモータに駆動電流を供給すべく電源装置を制御する
電源制御手段をさらに含むのであるから、位置検出用セ
ンサを装着することが困難な用途に適用することができ
るほか、請求項8から請求項16の何れかと同様の作用
を達成することができる。
【0048】請求項19のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、前記ブラシレスDCモータとして、冷凍装
置用圧縮機もしくは空気調和機用圧縮機を駆動するもの
を採用するのであるから、ブラシレスDCモータの電磁
力に起因して圧縮機から発生する騒音を大幅に低減する
ことができるほか、請求項1から請求項18の何れかと
同様の作用を達成することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明のブラシレスDCモータ駆動方法およびその装置の
実施の態様を詳細に説明する。
【0050】図1はこの発明のブラシレスDCモータ駆
動装置の一実施態様を示す概略図である。
【0051】このブラシレスDCモータ駆動装置は、直
流電源1aと三相インバータ回路1bとを含む電源装置
1と、三相インバータ回路1bから駆動電流が供給され
るブラシレスDCモータ2と、2相分の駆動電流を入力
としてブラシレスDCモータ2の回転子の回転位置を検
出するセンサレス位置検出回路3と、センサレス位置検
出回路3から出力される位置検出信号を入力としてPW
M制御演算を行い、三相インバータ回路1bをPWM動
作させるべくPWM制御信号を出力するPWM発生回路
4と、センサレス位置検出回路3から出力される位置検
出信号を入力として高調波成分電流を注入する高調波注
入回路5とを有している。
【0052】なお、前記センサレス位置検出回路3に代
えて、ロータリーエンコーダなどのセンサを用いて回転
位置を検出するもの、ブラシレスDCモータ2の誘起電
圧を検出し、検出電圧から回転位置を検出するもの、ブ
ラシレスDCモータ2の駆動電流、電圧を用いた演算を
行って回転位置を検出するものなどを採用することが可
能である。
【0053】前記三相インバータ回路1bは、直流電圧
をスイッチング素子でスイッチングしてブラシレスDC
モータ2に印加し、位置検出信号により回転子の回転位
置を検出してブラシレスDCモータ2の通電を切り替え
る一方、スイッチング素子をPWM制御してブラシレス
DCモータ2を駆動するものである。
【0054】前記PWM発生回路4は、位置検出信号を
入力として、位置検出信号を基準として三相インバータ
回路1bをPWM動作させるべくPWM制御信号を出力
し、三相インバータ回路1bのスイッチング素子に供給
するものである。
【0055】前記高調波注入回路5は、低減したい次数
の高調波騒音成分に対して、必ずしも該当する次数の高
調波成分、および該当する次数±1次の高調波成分を含
まない単一、もしくは複数の次数の高調波成分のモータ
電流を注入するものである。ここで、1次の成分とは、
ブラシレスDCモータを駆動する基本波周波数成分であ
る。したがって、前記高調波注入回路5においては、低
減したい高調波振動成分の次数が設定されたことに応答
して、上記の次数の高調波成分のモータ電流を注入する
ことができる。
【0056】上記の構成のブラシレスDCモータ駆動装
置の作用は次のとおりである。
【0057】ブラシレスDCモータ2の回転子の回転位
置をセンサレス位置検出回路3により検出し、センサレ
ス位置検出回路3からの位置検出信号を入力とするPW
M発生回路4によりPWM制御信号を発生して三相イン
バータ回路1bに供給し、ブラシレスDCモータ2に供
給する駆動電流を制御するに当たって、高調波注入回路
5から、低減しようとする高調波騒音成分と直接には関
係しない次数の高調波電流成分を注入するための信号を
PWM発生回路4に供給することができ、注入した高調
波電流成分によってブラシレスDCモータ2の騒音・振
動を確実に、かつ十分に低減することができる。
【0058】さらに説明する。
【0059】ブラシレスDCモータの電磁力と騒音との
関係に関しては、ブラシレスDCモータ2の電磁力の周
波数成分は極数に依存せず、駆動電流(または駆動電
圧)の周波数に依存して、2×n倍の高調波成分が発生
し(図2参照、なお、fは駆動周波数の基本周波数であ
る)、これにモータ形状に依存した高調波成分が重畳さ
れる。例えば、固定子のスロットが1局あたり12個あ
る場合は、12×K次の高調波成分が重畳される。ここ
で、n、Kは正の整数である。
【0060】そして、これらの高調波成分が振動・騒音
となり、ブラシレスDCモータから放射される。
【0061】そして、例えば、正弦波PWM波形を用い
て、基本波1次の成分に対して、5次高調波成分の電流
を注入することにより、図3中(a)に示すように、1
0次の高調波騒音成分を低減することができる。ここ
で、5次の高調波電流成分を増加させていくと10次の
高調波騒音成分を2.5dBA低下させることができ
る。
【0062】なお、従来は10次の高調波騒音成分を低
減するためには、10次±1次の高調波電流成分を注入
すればよいと思われていた。しかし、11次の高調波電
流成分のみを注入した場合には、図3中(b)に示すよ
うに、10次の高調波騒音成分が増加することが分かっ
た。これは、11次±1次のモータ電磁力が直接に騒音
に寄与し、この結果、10次の高調波騒音成分が増加す
るからであると思われる。
【0063】また、正弦波PWM波形を用いて、基本波
1次の成分に対して、5次、7次高調波成分の電流を注
入することにより、図4中(a)に示すように、8次の
高調波騒音成分を低減することができる。ここで、5
次、7次の高調波電流成分を増加させていくと8次の高
調波騒音成分を5dBA低下させることができる。
【0064】なお、5次、または7次の高調波電流成分
のみを注入した場合には、図4中(b)(c)に示すよ
うに、8次の高調波騒音成分は低下しないか、もしくは
増加することが分かる。これは、5次の高調波電流成分
が直接8次の高調波騒音成分に寄与せず、この結果、8
次の高調波騒音成分は低下しないからであるとともに、
7次±1次のモータ電磁力が直接に騒音に寄与し、この
結果、8次の高調波騒音成分が増加するからであると思
われる。
【0065】換言すれば、低減したい次数の高調波騒音
成分に対して、モータ電磁力が直接に騒音に寄与する次
数の高調波電流成分を注入することは騒音を増加させる
ことになりやすい。
【0066】なお、図3、図4における横軸は高調波電
流比率(=各高調波電流成分/基本波電流成分)であ
り、縦軸はそれぞれ10f音(10次の高調波騒音成
分)、8f音(8次の高調波騒音成分)である。
【0067】さらに、高調波注入回路5によって7次の
高調波電流成分を注入すれば、14次の高調波騒音成分
を大幅に(最大で15dBA)低減することができる。
ここで、14次の高調波騒音成分は、図5に示すよう
に、7次の高調波電流比率に応じて変化するので、7次
の高調波電流比率を0.05〜0.20に設定すればよ
く、0.10〜0.15に設定することがより好まし
い。
【0068】このように14次の高調波騒音成分を低減
するのは、圧縮機運転時の騒音スペクトルを計測した結
果、14次の高調波騒音成分が特に大きいことから、1
4次の高調波騒音成分を低減することによって、圧縮機
全体としての騒音を低減できるからである。
【0069】前記ブラシレスDCモータ2は、回転子の
表面に永久磁石を装着してなるもの(図7参照)と、回
転子の内部に永久磁石を埋め込んでなるもの(図8参
照)とに大別される。これらのうち、後者の構成のブラ
シレスDCモータを採用した場合には、電磁力が回転子
表面の一部に集中し易くなるため、ブラシレスDCモー
タの振動・騒音が大きくなる。そのため、単一、もしく
は複数の次数の高調波成分のモータ電流を注入すること
により、高調波加振力成分を低減する効果がさらに大き
くなる。
【0070】また、後者の構成のブラシレスDCモータ
を採用した場合には、永久磁石による磁石トルクのみな
らず、回転子表面の鉄芯に流れる磁束を利用したリラク
タンストルクも併用できる。
【0071】したがって、低振動・低騒音、かつ高トル
クでブラシレスDCモータ2を駆動することができる。
換言すれば、低振動・低騒音で高負荷を駆動することが
できる。
【0072】また、前記ブラシレスDCモータ2は、固
定子の歯部に巻線を分布巻してなるもの(図9参照)
と、集中巻してなるもの(図10参照)とに大別され
る。これらのうち、後者の構成のブラシレスDCモータ
を採用した場合には、直接歯部に巻線を巻きまわすの
で、分布巻を施す固定子に比べ、巻線抵抗が小さくな
り、銅損が低減し高効率になる。しかし、1つの固定子
歯部に巻線が集中するため電磁力も集中し、騒音・振動
が増加することになる。そのため、単一、もしくは複数
の次数の高調波成分のモータ電流を注入することによ
り、高調波加振力成分を低減する効果がさらに大きくな
る。
【0073】したがって、後者の構成のブラシレスDC
モータを採用した場合には、高効率、かつ低騒音でブラ
シレスDCモータを駆動することができる。
【0074】なお、上記の集中巻のブラシレスDCモー
タにおいて、固定子のスロット数を3×N(Nは偶
数)、回転子の極数を2×Nに設定することが可能であ
り、この場合には、N×K(Kは1以上の整数)次の高
調波騒音を低減すべく、N×K±1次以外の高調波電流
成分が含まれる電流を注入することによって、高効率、
かつ低騒音でブラシレスDCモータを駆動することがで
きる。
【0075】具体的には、固定子のスロット数を6、回
転子の極数を4に設定し、2×K次の高調波騒音を低減
すべく、2×K±1次以外の高調波電流成分が含まれる
電流を注入することによって、高効率、かつ低騒音でブ
ラシレスDCモータを駆動することができる。
【0076】図11はセンサレス位置検出回路3の構成
の一例を示す電気回路図である。
【0077】このセンサレス位置検出回路3は、Y結線
された固定子巻線2aと並列にY結線された抵抗2bを
接続し、固定子巻線2aの中性点電圧VNと抵抗2bの
中性点電圧VMとを入力とする差分増幅器3aと、差分
増幅器3aからの出力信号を入力とする積分器3bと、
積分器3bからの出力信号を入力とするゼロクロスコン
パレータ3cとを有している(特開平7−337079
号公報参照)。なお、ゼロクロスコンパレータ3cから
の出力信号が位置検出信号である。
【0078】図11において、マイコン6は、PWM発
生回路4、および高調波注入回路5の作用を達成するほ
か、従来公知の他の作用を達成することができるもので
ある。また、ベース駆動回路7は、マイコン6から出力
されるスイッチング信号を入力として、実際にスイッチ
ング素子をスイッチングできる信号を出力するものであ
る。
【0079】上記の構成のセンサレス位置検出回路3を
採用した場合には、モータ中性点の電位変動に基づいて
位置検出を行うので、ブラシレスDCモータに印加する
通電期間には影響を受けず、原理的には180°区間全
ての位置検出が可能となり、ひいては180°全ての位
相を制御することができる。
【0080】また、ブラシレスDCモータを高温高圧環
境などで使用する場合に、センサが不要であるから、安
価に、かつ高信頼性のモータ位置検出を行って何ら不都
合なくブラシレスDCモータを駆動することができる。
【0081】さらに、ブラシレスDCモータに供給する
電流の通電期間を制限しなくてもよくなるため、正弦波
通電が可能となり、ブラシレスDCモータの高効率化に
寄与することができる。
【0082】さらにまた、電流位相を自由に進める制御
が可能となるので、磁石トルクとリラクタンストルクと
の併用が可能となり、さらに高効率なモータ駆動が可能
となり、かつ弱め磁束制御も行えるので、ブラシレスD
Cモータの運転範囲の拡大を達成することができる。
【0083】図12はセンサレス位置検出回路3の構成
の他の例を示すブロック図である。なお、図12には、
三相インバータ回路2を制御するための部分も示してい
る。
【0084】このセンサレス位置検出回路3は、モータ
電流を検出する電流検出部31と、モータ電圧を検出す
る電圧検出部32と、モータ電流およびモータ電圧を入
力とし、内部に有するモータの数式モデルを用いて回転
子の回転位置および回転子の回転速度を出力する位置・
速度検出部33と、外部から与えられる速度指令および
出力された回転速度を入力として速度制御演算を行い、
電流指令を出力する速度制御部34と、外部から与えら
れる位相指令および電流指令を入力として位相制御演算
を行う位相制御部35と、位相制御部35からの出力信
号、モータ電流、回転子の回転位置を入力として電流制
御演算を行い、電圧指令を出力して三相インバータ回路
1bに供給する電流制御部36とを有している。
【0085】なお、図12においては、交流電源1a
1、整流回路1a2および平滑コンデンサ1a3により
直流電源1aを構成している。
【0086】上記の構成のセンサレス位置検出回路3を
採用した場合には、モータの数式モデルを用い、推定位
置と推定速度起電力とに基づいて演算された推定電流と
実際に流れているモータ電流とにより回転子の回転位置
および回転子の回転速度を同定することができる(「電
流推定誤差に基づくセンサレスブラシレスDCモータ制
御」、竹下他、T.IEE Japan,Vol.11
5−D,No.4,’95参照)。
【0087】また、突極性を持つブラシレスDCモータ
の場合には、巻線インダクタンスが回転子の回転位置に
より変化するため、位置推定が困難になるが、モータの
数式モデルを突極型モータへ拡張することで位置推定が
可能となる(「速度起電力推定に基づくセンサレス突極
形ブラシレスDCモータ制御」、竹下他、T.IEEJ
apan,Vol.117−D,No.1,’97参
照)。
【0088】このセンサレス位置検出回路は、ブラシレ
スDCモータに印加する通電期間には影響を受けず、原
理的には180°区間全ての位置検出が可能となり、ひ
いては180°全ての位相を制御することができる。
【0089】また、ブラシレスDCモータを高温高圧環
境などで使用する場合に、センサが不要であるから、安
価に、かつ高信頼性のモータ位置検出を行って何ら不都
合なくブラシレスDCモータを駆動することができる。
【0090】さらに、ブラシレスDCモータに供給する
電流の通電期間を正弦しなくてもよくなるため、正弦波
通電が可能となり、ブラシレスDCモータの高効率化に
寄与することができる。
【0091】さらにまた、電流位相を自由に進める制御
が可能となるので、磁石トルクとリラクタンストルクと
の併用が可能となり、さらに高効率なモータ駆動が可能
となり、かつ弱め磁束制御も行えるので、ブラシレスD
Cモータの運転範囲の拡大を達成することができる。
【0092】さらに、原理的にモータ運転中の瞬時の位
置推定が可能であるから、正確な高調波電流を注入する
ことができ、さらに低振動化、低騒音化を達成すること
ができる。
【0093】上記のようにして駆動されるブラシレスD
Cモータによって冷凍機用の圧縮機、または空調機用の
圧縮機を駆動する場合を考える。
【0094】冷凍機用の圧縮機、または空調機用の圧縮
機は各種の部材からなっており、それらの部材の固有振
動数がブラシレスDCモータの電磁力の高調波成分と共
振を起こすことで大きな騒音(突出音)を発生する。し
かし、上記の実施態様を用いてブラシレスDCモータを
駆動することによって、ブラシレスDCモータの電磁力
に起因して圧縮機から発生する騒音を大幅に低減するこ
とができる。
【0095】具体的には、図13に示すように14次の
高調波騒音成分が発生している圧縮機を駆動するに当た
って、7次の高調波電流成分を注入してブラシレスDC
モータを駆動することによって、図14に示すように1
4次の高調波騒音成分を大幅に低減することができる。
【0096】
【発明の効果】請求項1の発明は、電磁力振動および騒
音を確実に、かつ十分に低減することができるという特
有の効果を奏する。
【0097】請求項2の発明は、電磁力振動および騒音
の低減効果を高めることができるという特有の効果を奏
する。
【0098】請求項3の発明は、請求項2と同様の効果
を奏する。
【0099】請求項4の発明は、14次の騒音成分を大
幅に低減することができるという特有の効果を奏する。
【0100】請求項5の発明は、請求項4と同様の効果
を奏する。
【0101】請求項6の発明は、位置検出用センサを装
着することが困難な用途に適用することができるほか、
請求項1から請求項5の何れかと同様の効果を奏する。
【0102】請求項7の発明は、位置検出用センサを装
着することが困難な用途に適用することができるほか、
請求項1から請求項5の何れかと同様の効果を奏する。
【0103】請求項8の発明は、電磁力振動および騒音
を確実に、かつ十分に低減することができるという特有
の効果を奏する。
【0104】請求項9の発明は、電磁力振動および騒音
の低減効果を高めることができるという特有の効果を奏
する。
【0105】請求項10の発明は、請求項9と同様の効
果を奏する。
【0106】請求項11の発明は、14次の騒音成分を
大幅に低減することができるという特有の効果を奏す
る。
【0107】請求項12の発明は、請求項11と同様の
効果を奏する。
【0108】請求項13の発明は、低振動・低騒音化お
よび高トルク化を達成することができるほか、請求項8
から請求項12の何れかと同様の効果を奏する。
【0109】請求項14の発明は、低振動・低騒音化お
よび高トルク化を達成することができるほか、請求項8
から請求項10の何れかと同様の効果を奏する。
【0110】請求項15の発明は、3×Nスロットの固
定子および2×N極の回転子を有するブラシレスDCモ
ータに適用することにより、請求項14と同様の効果を
奏する。
【0111】請求項16の発明は、6スロットの固定子
および4極の回転子を有するブラシレスDCモータに適
用することにより、請求項15と同様の効果を奏する。
【0112】請求項17の発明は、位置検出用センサを
装着することが困難な用途に適用することができるほ
か、請求項8から請求項16の何れかと同様の効果を奏
する。
【0113】請求項18の発明は、位置検出用センサを
装着することが困難な用途に適用することができるほ
か、請求項8から請求項16の何れかと同様の効果を奏
する。
【0114】請求項19の発明は、ブラシレスDCモー
タの電磁力に起因して圧縮機から発生する騒音を大幅に
低減することができるほか、請求項1から請求項18の
何れかと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブラシレスDCモータ駆動装置の一
実施態様を示す概略図である。
【図2】ブラシレスDCモータに発生する電磁力の高調
波成分を説明する図である。
【図3】5次、11次高調波電流の高調波電流比率に対
する10次高調波振動成分の変化を示す図である。
【図4】5次、7次高調波電流、5次および7次高調波
電流の高調波電流比率に対する8次高調波振動成分の変
化を示す図である。
【図5】7次高調波電流の高調波電流比率に対する14
次高調波振動成分の変化を示す図である。
【図6】圧縮機運転時の騒音スペクトルの一例を示す図
である。
【図7】表面磁石構造のブラシレスDCモータの構成お
よび電磁力ベクトルを示す図である。
【図8】埋め込み磁石構造のブラシレスDCモータの構
成および電磁力ベクトルを示す図である。
【図9】分布巻ブラシレスDCモータの電磁力ベクトル
分布を示す図である。
【図10】集中巻ブラシレスDCモータの電磁力ベクト
ル分布を示す図である。
【図11】モータ中性点信号を用いるセンサレス位置検
出回路を示す電気回路図である。
【図12】モータの数式モデルを用いるセンサレス位置
検出回路を示すブロック図である。
【図13】7次高調波電流を注入しない場合における圧
縮機の騒音スペクトルを示す図である。
【図14】7次高調波電流を注入した場合における圧縮
機の騒音スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1b 三相インバータ回路 2 ブラシレスDCモー
タ 3a 差分増幅器 3b 積分器 3c ゼロクロスコンパレータ 6 マイコン 5 高調波注入回路 33 位置・速度検出部 34 速度制御部 35 位置制御部 36 電源制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大山 和伸 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 株式会社ダイキン空調技術研究所内 Fターム(参考) 5H560 BB04 BB12 BB17 DA13 DA14 DA17 DA18 DB20 DC02 DC12 EB01 GG04 JJ12 RR01 SS01 TT05 TT15 UA02 XA12 XB09 5H622 AA03 CA02 CA07 CA13 CB05 CB06 PP11 QB02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源装置(1b)から駆動電流を供給す
    ることによりブラシレスDCモータ(2)を駆動する方
    法であって、低減対象となる騒音成分の次数に直接関係
    しない高調波成分電流を注入することを特徴とするブラ
    シレスDCモータ駆動方法。
  2. 【請求項2】 電源装置(1b)から駆動電流を供給す
    ることによりブラシレスDCモータ(2)を駆動する方
    法であって、所定次数の高調波成分を含む駆動電流に対
    して異なる次数の高調波電流を注入することを特徴とす
    るブラシレスDCモータ駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記注入する高調波電流の次数は少なく
    とも1つの次数である請求項2に記載のブラシレスDC
    モータ駆動方法。
  4. 【請求項4】 電源装置(1b)から駆動電流を供給す
    ることによりブラシレスDCモータ(2)を駆動する方
    法であって、駆動電流に対して基本波の7次の高調波電
    流を注入することを特徴とするブラシレスDCモータ駆
    動方法。
  5. 【請求項5】 注入される7次の高調波電流の量を基本
    波の0.05〜0.20倍に設定する請求項4に記載の
    ブラシレスDCモータ駆動方法。
  6. 【請求項6】 モータ中性点信号からブラシレスDCモ
    ータ(2)の回転子の回転位置を検出し、検出された回
    転位置に基づいて電源装置(1b)からブラシレスDC
    モータ(2)に駆動電流を供給する請求項1から請求項
    5の何れかに記載のブラシレスDCモータ駆動方法。
  7. 【請求項7】 ブラシレスDCモータ(2)の固定子印
    加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータ
    (2)の機器定数からブラシレスDCモータ(2)の回
    転子の回転位置を検出し、検出された回転位置に基づい
    て電源装置(1b)からブラシレスDCモータ(2)に
    駆動電流を供給する請求項1から請求項5の何れかに記
    載のブラシレスDCモータ駆動方法。
  8. 【請求項8】 電源装置(1b)から駆動電流を供給す
    ることによりブラシレスDCモータ(2)を駆動する装
    置であって、低減対象となる騒音成分の次数に直接関係
    しない高調波成分電流を注入する高調波成分電流注入手
    段(5)を含むことを特徴とするブラシレスDCモータ
    駆動装置。
  9. 【請求項9】 電源装置(1b)から駆動電流を供給す
    ることによりブラシレスDCモータ(2)を駆動する装
    置であって、所定次数の高調波成分を含む駆動電流に対
    して異なる次数の高調波電流を注入する高調波電流注入
    手段(5)を含むことを特徴とするブラシレスDCモー
    タ駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記注入する高調波電流の次数は少な
    くとも1つの次数である請求項9に記載のブラシレスD
    Cモータ駆動装置。
  11. 【請求項11】 電源装置(1b)から駆動電流を供給
    することによりブラシレスDCモータ(2)を駆動する
    装置であって、駆動電流に対して基本波の7次の高調波
    電流を注入する7次高調波電流注入手段(5)を含むこ
    とを特徴とするブラシレスDCモータ駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記7次高調波電流注入手段(5)
    は、注入される7次の高調波電流の量を基本波の0.0
    5〜0.20倍に設定するものである請求項11に記載
    のブラシレスDCモータ駆動装置。
  13. 【請求項13】 前記ブラシレスDCモータ(2)は、
    内部に永久磁石を埋め込んでなる回転子を有するもので
    ある請求項8から請求項12の何れかに記載のブラシレ
    スDCモータ駆動装置。
  14. 【請求項14】 前記ブラシレスDCモータ(2)は、
    歯部に直接巻線を巻き回してなる集中巻型の固定子を有
    するものである請求項8から請求項10の何れかに記載
    のブラシレスDCモータ駆動装置。
  15. 【請求項15】 前記ブラシレスDCモータ(2)は、
    3×N(Nは偶数)スロットの固定子および2×N極の
    回転子を有するものであり、高調波成分電流注入手段
    (5)、高調波電流注入手段(5)に代えて、N×K
    (Kは1以上の整数)次の高調波騒音を低減すべくN×
    K±1次以外の次数の高調波電流を含む電流を注入する
    電流注入手段(5)を採用する請求項14に記載のブラ
    シレスDCモータ駆動装置。
  16. 【請求項16】 前記ブラシレスDCモータ(2)は、
    6スロットの固定子および4極の回転子を有するもので
    あり、前記電流注入手段(5)は、2K(Kは1以上の
    整数)次の高調波騒音を低減すべく2K±1次以外の次
    数の高調波電流を含む電流を注入するものを採用するも
    のである請求項15に記載のブラシレスDCモータ駆動
    装置。
  17. 【請求項17】 モータ中性点信号からブラシレスDC
    モータの回転子の回転位置を検出し、検出された回転位
    置に基づいて電源装置からブラシレスDCモータに駆動
    電流を供給すべく電源装置(1b)を制御する電源制御
    手段(3a)(3b)(3c)(6)をさらに含む請求
    項8から請求項16の何れかに記載のブラシレスDCモ
    ータ駆動装置。
  18. 【請求項18】 ブラシレスDCモータ(2)の固定子
    印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータ
    (2)の機器定数からブラシレスDCモータ(2)の回
    転子の回転位置を検出し、検出された回転位置に基づい
    て電源装置(1b)からブラシレスDCモータ(2)に
    駆動電流を供給すべく電源装置(1b)を制御する電源
    制御手段(33)(34)(35)(36)をさらに含
    む請求項8から請求項16の何れかに記載のブラシレス
    DCモータ駆動装置。
  19. 【請求項19】 前記ブラシレスDCモータ(2)は、
    冷凍装置用圧縮機もしくは空気調和機用圧縮機を駆動す
    るものである請求項8から請求項18の何れかに記載の
    ブラシレスDCモータ駆動装置。
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