JP2001224198A - 永久磁石同期モータの起動方法 - Google Patents

永久磁石同期モータの起動方法

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JP2001224198A
JP2001224198A JP2000038081A JP2000038081A JP2001224198A JP 2001224198 A JP2001224198 A JP 2001224198A JP 2000038081 A JP2000038081 A JP 2000038081A JP 2000038081 A JP2000038081 A JP 2000038081A JP 2001224198 A JP2001224198 A JP 2001224198A
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JP2000038081A
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Akira Takemasa
昭 武正
Ko Sai
弘 崔
Kinji Uno
欣治 宇野
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LG Electronics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ電流の連続性を確保するため常時通電
する三相交流電源を用い、かつ、空きコイルによらない
位置検出手段を設け、該位置検出手段を用いて安定した
起動を行う方法を提供する。 【解決手段】 永久磁石同期モータはインバータによっ
て供給され常時通電する三相交流電源で駆動され、所定
の出力開始電圧から所定の出力電圧まで上昇させて該モ
ータを起動させる初期起動段階、モータの位置信号を検
出して該モータが起動したかどうか判定する起動判定段
階、起動したと判定された場合に前記モータの回転数を
前記初期段階より上昇させ、上昇させた回転数において
一定期間安定して駆動するか確認する起動安定段階を有
し、該安定駆動が確認された場合に通常の駆動制御に移
行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭用電気冷
蔵庫、エアコン、洗濯機等に使用される永久磁石同期モ
ータの起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石同期モータは回転子を永久磁石
で構成し、その周囲に固定子コイルを配設し、これに転
流回路を設けて固定子側コイルの電流切り換えを行って
回転磁界を作っている。しかし、モータを一定方向に回
転させるためには回転子の磁極の位置に対応してコイル
を励磁する必要がある。そのため、永久磁石同期モータ
では永久磁石の回転子の位置検出が必要となる。
【0003】従来、家庭用電気冷蔵庫、エアコン、洗濯
機等に使用される永久磁石同期モータでは、その回転制
御方法として主に120度通電方式が広く用いられてい
る。120度通電方式では通常、永久磁石同期モータの
回転子の位置を検出するためセンサーを設け、このセン
サーの信号によって通電を切り換えて回転を制御してい
る。しかし、例えばコンプレッサの場合には高温高圧中
に封止してあり、位置センサーを取り付けるのが困難な
ため、モータの回転中に通電しない期間を設け、この間
に非通電コイルと回転子磁石の位置関係により生じる誘
起電圧を検出し、これを位置信号として用いて制御して
いる。図1は120度通電方式の駆動波形を示した図で
ある。
【0004】図1において、DC電源からインバータに
よってパルス状の出力(U、V、W)を生成し、それぞ
れ駆動コイルLu 、Lv 、Lw に電流を流して励磁す
る。各相には(u)、(v)、(w)に示すような波形
の出力が供給され、各相は電圧が印加される期間、電
圧が印加されないOFF期間、及び他の相から電流が
流れ込む期間をそれぞれ有する。矢印は電圧が印加さ
れる相から他の相に電流が流れ込むことを表している。
また、期間に印加される電圧波形は、図1の(c)に
示されているように複数のパルス状波形から構成されて
おり、デューティ比を調整することにより、所望の電圧
値を得ることができる。そして、電圧が印加されていな
い期間、即ち、非通電コイルとなるときに回転子の永
久磁石との位置関係によりコイルに誘起電圧が生じるた
め、これを検出し位置信号として用いる。
【0005】図2は位置信号を検出して永久磁石同期モ
ータを制御する従来の制御装置の構成の概要を示した図
である。交流電源1はコンバータ2によって直流に変換
され、さらにインバータ3により図1に示すパルス状波
形に変換されて永久磁石同期モータ4に供給される。回
転位置検出器5は各相の非通電コイルに生じる前記誘起
電圧を検出して位置検出信号をPWM信号発生器6に供
給し、PWM信号発生器6はこの信号に基づいてインバ
ータ3を制御する。U、V、W各相で生じる誘起電圧は
それぞれ120度の位相差を持っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】永久磁石同期モータを
起動する場合、回転子の位置信号を検出し、これによっ
て起動判定を行っている。位置信号を検出するには図1
に示すようにモータの回転角中に通電しない期間を設
け、この間に非通電コイルと回転子の永久磁石の位置関
係によって生ずる誘起電圧を検出して位置信号としてい
る。
【0007】しかし、従来の120度通電方式では、図
1(b)に示すように非通電期間を設けなければなら
ず、そのためモータ電流の不連続性によってトルクリッ
プルが生じ、これによる騒音及び振動が発生する。ま
た、急峻なエッジを含む矩形波電流が流れるため、急激
にトルクが変動し、場合によっては振動を伴いながら逆
方向に回転してしまうこともある。さらに、尖った形状
の電流が流れるのでピーク電流値が増加し、インバータ
容量が増加するという問題を有している。
【0008】従って本発明の目的は、モータ電流の連続
性を確保するため常時通電する三相交流電源を用いて電
流の急峻な変動を避け、また、空きコイルによる位置検
出ができないため、それに代わる位置検出手段を設けた
制御装置を提供し、かつ該位置検出手段を用いて安定し
た起動を行う方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明方法によれば、永
久磁石同期モータはインバータによって供給され常時通
電する三相交流電源で駆動され、所定の出力開始電圧か
ら所定の出力電圧まで上昇させて該モータを起動させる
初期起動段階、モータの位置信号を検出して該モータが
起動したかどうか判定する起動判定段階、起動したと判
定された場合に前記モータの回転数を前記初期段階より
上昇させ、上昇させた回転数において一定期間安定して
駆動するか確認する起動安定段階を有し、該安定駆動が
確認された場合に通常の制御に移行するものである。
【0010】本発明の方法において、前記起動判定段階
において、前記位置信号の周波数が一定の周期で安定し
て出力されている場合に起動したと判定する。また、前
記位置信号は、前記モータの回転子の永久磁石の磁束が
固定子のコイルと鎖交する磁束から求める。また、前記
起動安定段階において、前記モータの回転子の永久磁石
の磁束が固定子のコイルと鎖交する磁束を求め、該磁束
の周波数と前記モータに供給される前記三相交流電源の
周波数を比較し、比較結果に応じて前記インバータによ
り供給される三相交流電源の電圧を増減させてモータを
制御する。
【0011】さらに、前記通常の制御においては前記起
動安定段階よりさらにモータの回転数を上昇させ、前記
磁束の周波数と前記モータに供給される前記三相交流電
源の周波数を比較し、比較結果に応じて前記インバータ
により供給される三相交流電源の電圧を増減させてモー
タを制御する。
【0012】
【発明の実施の形態】図3は本発明が適用される常時通
電している三相交流波形、例えば180度通電方式によ
る永久磁石同期モータの駆動電圧波形を示した図であ
る。DC電源からインバータによって三相(U、V、
W)交流出力を生成し、それぞれ駆動コイルLu 、Lv
、Lw に電流を流して励磁する。U、V、Wの各相の
出力波形は、図3(b)の(u) 、(v) 、(w) に示す正弦
波となり、モータ電流の不連続性はなくなり常時通電状
態となる。なお、上記三相交流出力はインバータにより
生成されたパルス状波形よりなる出力、いわゆる疑似三
相交流出力である。
【0013】図4は図3に示した180度通電方式によ
る駆動波形を用いた、本発明の方法が適用される永久磁
石同期モータの制御装置の構成の概要を示すブロック図
で、1は交流電源、2はコンバータ、3はインバータ、
4は永久磁石同期モータ、5は回転位置検出器、7は回
転制御部で、正弦波PWM発生器71、周波数比較器7
2、位相調整器73を有している。なお。7の回転数制
御部はマイコンで構成することができる。
【0014】次に図4を参照して永久磁石同期モータの
制御の動作を説明する。交流電源1はコンバータ2によ
って直流に変換され、インバータ3により図3に示す三
相交流波形に変換されて永久磁石同期モータ4に供給さ
れる。そして、三相交流波形のうちの1相(図ではU
相)の電圧V、電流Iが回転位置検出器5に導かれ、回
転位置が検出される。
【0015】図4の制御装置において、ある回転数で永
久磁石同期モータ4を駆動したい場合、その回転数に対
応した上記三相交流出力の周波数を指令周波数として設
定すると、この設定値に基づく周波数の出力がインバー
タから出力される(図示なし)。本発明では、図4のイ
ンバータ3、永久磁石同期モータ4、回転位置検出器
5、及び回転制御部7で閉ループを構成し、ここにPL
L(位相同期ループ)の方法を適用して制御を行う。上
記三相交流出力で永久磁石同期モータを駆動する場合、
指令周波数f0 とモータの回転数nとの関係はモータの
極数によって異なってくる。モータの極数が2の場合、
0 :n=1:1であるが、極数が4の場合f0 :n=
2:1となる。この指令周波数は周波数比較器72にも
入力し、該比較器72から所定の出力電圧が正弦波PW
M発生器71に出力され、この出力を受けて正弦波PW
M発生器71はインバータ3を制御する。インバータ3
は正弦波PWM発生器71からの信号を受けて所定の振
幅及び指令周波数f0 を有する出力電圧を永久磁石同期
モータ4に供給する。一方、回転位置検出器5は永久磁
石同期モータ4の回転位置、即ち、永久磁石の回転子が
回転して固定子に対して特定の相対位置に来たときのタ
イミングを検出する。後述するように、このタイミング
は回転子の永久磁石の磁束が固定子のコイルと鎖交する
磁束φを用いて検出する。この磁束φは正弦波であり、
その周波数fφと回転子の回転数nの関係はモータの極
数によって異なってくる。例えばモータの極数が2の場
合、fφ:n=1:1であるが、極数が4の場合fφ:
n=2:1となる。従って、正弦波の磁束φが、例えば
零クロス点を通過したタイミングを位置信号として検出
すると、モータの極数が2の場合はモータが1回転する
間に出力される位置信号は2となり、モータの極数が4
の場合はモータが1回転する間に出力される位置信号は
4となる。そのため、この位置信号をパルスで発生させ
ると、パルスの間隔から磁束φの周期と位相、及びモー
タの回転周期が得られ、さらに磁束φの周波数fφ及び
モータの回転数nを求めることができる。
【0016】一方、磁束φの周波数fφは通常は上記指
令周波数f0 と等しくなるので、周波数fφを周波数比
較器72に出力して指令周波数f0 と比較する。例えば
永久磁石同期モータの負荷が重い場合、周波数fφはわ
ずかに減少して指定周波数f 0 より小さくなり、比較結
果はマイナス(−)となる。その場合には周波数比較器
72は比較結果に対応した所定の値だけ出力電圧を上昇
させ、出力を高めて指定周波数f0 に近づけるようにす
る。そして、上記動作を繰り返し、負荷に対応した出力
電圧を出力して指令周波数f0 に対応した回転数で回転
子を回転させるようにする。また、永久磁石同期モータ
の負荷が軽い場合、周波数fφはわずかに増加して指定
周波f0 より大きくなるので比較結果はプラス(+)と
なる。その場合には周波数比較器72は比較結果に対応
した所定の値だけ出力電圧を減少させ、出力を低めて指
定周波数f0 に近づけるようにする。そして、先に述べ
たと同様に上記動作を繰り返し、負荷に対応した出力電
圧を出力して指定周波数f 0 に対応した回転数で回転子
を回転させるようにする。なお、上記説明では周波数f
φが指令周波数f0 と等しい場合について説明したが、
モータの極数や磁極の配置等によってfφとf0 が等し
くなくても、一定の関係にあればよい。
【0017】図4において、回転位置検出器5は磁束φ
の位相も検出し、これを位相調整器73に出力する。磁
束φの位相は負荷の状況に応じて少しずれている。そこ
で、位相調整器73にn度、例えば30度の進み角指令
を入力しておき、検出された磁束φの位相を入力し、n
度進めた位相となるように正弦波PWM発生器71に信
号を出力し、正弦波PWM発生器71は磁束φの位相を
n度進めた位相の三相交流出力をモータ4に供給するよ
うインバータ3を制御する。上記進み角nは適宜変更す
ることができるように構成されている。
【0018】なお、上記進み角制御は、図4の周波数比
較器72による制御と併用することもできる。図5は図
4に示す回転位置検出器5の構成を詳細に示した図であ
る。回転位置検出器5は積分器51、54、比例器5
2、53、加算器55、及び周波数、位相検出器56を
有している。
【0019】図5の回転位置検出器5の動作を以下に説
明する。交流電源1はコンバータ2によって直流に変換
され、インバータ3により図3に示す三相交流波形に変
換されて永久磁石同期モータ4に供給される。そして、
三相交流波形のうちの1相(図ではU相)の電圧V、電
流Iが回転位置検出器5に導かれる。このうち電圧Vは
積分器51を介して加算器55に入力する。一方、電流
Iは比例器52を介して、及び比例器53、積分器54
を介して加算器55に入力する。加算器55の出力は後
で述べるように回転子の永久磁石の磁束が固定子のコイ
ルと鎖交する磁束φを表している。磁束φは正弦波形で
あるので、磁束φが特定の値となるタイミング、例えば
零クロスするタイミングを位置信号として検出すれば、
図4の説明で述べたように磁束φの周期と周波数fφ、
及び位相を求めることができる。周波数・位相検出器5
6は磁束φを入力し、磁束φの周期と周波数fφ、及び
位相を出力する。そして、周波数fφは図4の比較器7
2に、位相は位相調整器73にそれぞれ入力する。
【0020】次に、どのように磁束φを求めるかについ
て説明する。鎖交磁束φは永久磁石同期モータ4の無負
荷誘起電圧(以下、「E0 」と記す)より90度進んで
いるため、E0 を求めて積分することによって磁束φを
得ることができる。図6は永久磁石同期モータ4の1相
の等価回路を示した図である。図6において、無負荷時
に電圧Vが印加されると電流Iが永久磁石同期モータ4
のコイル抵抗分Ra 、コイルのインダクタンス分Xs
流れ、無負荷誘起電圧E0 が発生する。この回路のベク
トルを描くと図7のようになる。このベクトル図からE
0 を求めると、以下のようになる。
【0021】 E0 =V−Ra ・I−jXs ・I (1) これを積分すると回転子の永久磁石の磁束が固定子のコ
イルと鎖交する磁束φが求められる。即ち、 ∫E0dt =∫Vdt−Ra ・∫Idt−Xs ・I=φ (2) となる。そのため、上記三相交流電源の1相の電圧V、
電流Iから式(2)の各要素を演算して求め、これを加
算すれば∫E0dt 、即ち、鎖交磁束φを求めることがで
きる。
【0022】まず、上記式(2)の「∫Vdt」は電圧V
を積分器51で積分することにより求めることができ
る。「Xs ・I」は電流Iに比例器52でXs を掛ける
ことにより求めることができる。「Ra ・∫Idt」は電
流Iに比例器53でRa を掛け、次に積分器54でIを
積分することにより求めることができる。次に、これら
演算して求めた結果を加算器55で加算することにより
∫E0dt 、即ち、鎖交磁束φを求めることができる。
【0023】次に、図8により本発明による永久磁石同
期モータの起動方法について説明する。図8はモータ起
動時の時間に対するインバータの出力電圧の推移を表し
たグラフである。横軸は時間であり、縦軸は出力電圧で
ある。本発明の起動方法によると、起動はSTAGE(I)、ST
AGE(II) 、STAGE(III)よりなる。起動時にインバータ3
から図3に示されている三相交流出力が永久磁石同期モ
ータ4に供給される。まず、STAGE(I)は初期起動段階で
あり、この段階においてインバータ出力を所定の出力開
始電圧Vs0から所定の出力電圧Vs1まで一定の上昇率、
例えば1V/周期で上昇させる。この間インバータの出
力周波数は一定であり、例えば10Hzに保たれる。ST
AGE(I)において当初モータは回転せず、出力電圧が上昇
しあるレベル以上になる後半以降に回転を始める。次の
STAGE(II)は起動判定段階であり、所定の判定時間内、
例えば10sec 内に起動したかどうかの判定を行う。起
動した場合、図4の説明で述べた回転位置検出器から位
置信号が一定の周期で、即ち一定の周波数で安定して出
力される。また、位置信号はインバータが出力する三相
交流波形の位相に対してある一定の角度を持った位相を
有しており、モータが起動すると三相交流波形と一定の
位相差を持った安定した出力となる。従って、位置信号
の周波数又は位相が、あるいはその両者が安定した出力
となったときにモータが起動されたと判定される。モー
タが起動したことが所定の時間内に判定されなかった場
合には、モータの駆動を一旦停止して一定期間経過後に
STAGE(I)から再度起動を行う。
【0024】一方、起動したと判定されるとSTAGE(III)
に移行する。従来はSTAGE(II) から通常の駆動制御の段
階に直接入り、例えば電源周波数を100Hzまで上昇
させている。しかし、本発明の場合STAGE(III)を設けて
いる。STAGE(III)は起動安定段階であり、先に述べたP
LLの方法を適用した回転制御に移行し、前記指令周波
数を予め定められた中間の制御周波数まで上昇させる。
例えばSTAGE(II) ではモータの制御周波数は10Hzで
あったが、これを20Hzまで上昇させると共に出力電
圧も上昇させる。これに伴ってモータの回転数も上昇す
る。そして、上昇させた周波数、この場合は20Hzに
対応する回転数でモータを駆動し、一定期間、例えば1
秒の間安定して駆動するか確認した後に通常の制御のス
テージ(図示なし)に移行する。この確認は位置信号に
より行う。このように起動直後の駆動周波数から直に通
常の駆動周波数に上昇させるのではなく、途中に中間の
駆動周波数まで上昇駆動させることにより、安定した状
態で通常の制御に移行させることができる。
【0025】なお、上記駆動は、前に述べた図4に示す
PLLの方法を適用した制御を行う。次に、永久磁石同
期モータの負荷の増減に対して該モータの回転を安定さ
せるための実施形態である飛び越し制御について図9を
参照して説明する。図9において、(a)は飛び越し制
御しない場合を示した図であり、(b)は飛び越し制御
する場合を示した図である。
【0026】永久磁石同期モータを例えばコンプレッサ
用モータに用いた場合、そのモータが1回転する間の負
荷分布は一様ではない。従って、回転する角度によって
負荷が異なり、負荷が重い角度における回転速度は遅く
なり、負荷が軽い角度における回転速度は速くなる。そ
のため、例えば永久磁石同期モータが4極である場合、
先に説明した永久磁石が回転することによって固定子の
1相のコイルに生じる無負荷誘起電圧から得た磁束φの
波形は図9(a)の右側に示され波形のようになる。こ
の場合4極であるので、モータが1回転する間にt1、
t2で表す2周期分の波形が得られる。そして、次に1
回転する間にt3、t4で表す2周期分の波形が得られ
る。磁束φの波形からわかるように、負荷の軽重によっ
て回転角度によって回転速度が変化している。図におい
てはt1とt3では負荷が重いため回転速度が遅くなっ
て周期が長くなっており、t2とt4では負荷が軽い又
は重くないため回転速度は遅くなっていない。
【0027】このような場合、回転速度が遅いt1の周
期を回転位置検出器5で検出し、これに対応して矢印
に示すように次の周期t2に対応するインバータの出力
電圧を高めたとしても、次の周期t2における負荷は軽
くなるため出力電圧を高めなくとも回転数は回復する。
反対に回転速度が速くなっているt2の周期を回転位置
検出器5で検出し、これに対応して矢印に示すように
次の周期t3に対応するインバータの出力電圧を低める
と、次の周期t3における負荷は重くなるため回転数は
より低下してしまう。 そこで、本発明では以下に説明
する飛び越し制御を行う。図9(b)を参照して飛び越
し制御について説明する。図において、回転速度が遅い
t1の周期を回転位置検出器5で検出し、これに対応し
て次の周期t2ではなく、矢印に示すようにt2を飛
び越して周期t3に対応するインバータの出力電圧を高
める。同様に回転速度が速いt2の周期を回転位置検出
器5で検出し、これに対応して次の周期t3ではなく、
矢印に示すようにt3を飛び越して周期t4に対応す
るインバータの出力電圧を低める。このように制御する
こによって、負荷に対応した出力を供給し、回転速度を
所望の速度にすることができる。
【0028】図10は上記飛び越し制御を行うための構
成を示した図である。図4の構成とは回転制御部7の構
成が異なるだけで、その他の構成は同じである。回転位
置検出器5で検出された磁束φの周期Tφは切り換えス
イッチSWを介して周波数比較器72a、72bに入力
される。このとき、磁束φの周期Tφの1周期毎にSW
が切り換えられ、1回転の前半の磁束φの周期Tφaは
比較器72aに入力し、後半の周期Tφbは比較器72
bに入力される。そして、これらの周期は指令周波数の
周期とそれぞれ比較され、その差に応じて出力電圧の振
幅をそれぞれ変化させる。即ち、前半の周期を指令周波
数の周期と比較した結果に応じて次の周期に対応するイ
ンバータの出力電圧の振幅を変化させており、同様に後
半の周期に対する出力電圧の振幅は後半の周期を指令周
波数の周期と比較した結果に応じて変化させるため、図
10(b)に示す飛び越し制御とすることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明による起動方法によれば、インバ
ータにより常時通電している三相交流電源を用い、図8
に示したように、起動に際して初期起動段階、起動判定
段階、起動安定段階を設けているので、安定した起動を
行うことができる。特に起動判定段階におけるモータの
回転数から直に通常の駆動制御の段階に入るのではな
く、中間に起動安定段階を設けたので安定した起動を行
うことができる。
【0030】また、常時通電している三相交流波形によ
り永久磁石同期モータを駆動するようにしたので、騒音
や振動の発生を抑え、また高調波成分を抑え効率を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】120度通電方式の駆動波形を示した図であ
る。
【図2】永久磁石同期モータの従来の制御装置の構成の
概要を示した図である。
【図3】本発明が適用される180度通電方式の駆動波
形を示した図である。
【図4】本発明の方法が適用される永久磁石同期モータ
の制御装置の構成の概要を示す図である。
【図5】図4の回転位置検出器の構成を詳細に示した図
である。
【図6】永久磁石同期モータの1相の等価回路を示した
図である。
【図7】永久磁石同期モータの1相のベクトル図であ
る。
【図8】本発明による永久磁石起動方法を説明するため
の図である。
【図9】飛び越し制御説明するための図である。
【図10】飛び越し制御を行うための構成を示した図で
ある。
【符号の説明】
1…交流電源 2…コンバータ 3…インバータ 4…永久磁石同期モータ 5…回転位置検出器 51、54…積分器 52、53…比例器 55…加算器 56…周波数、位相検出器 6…PWM信号発生器 7…回転制御部 71…正弦波PWM発生器 72…周波数比較器 73…位相比較器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H001 AA01 AB11 AD02 AE01 5H560 AA02 BB04 BB12 DA01 DA14 DC12 EB01 EB02 HA02 SS07 XA12 XB09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータによって供給され常時通電す
    る三相交流電源で駆動される永久磁石同期モータの起動
    方法であって、所定の出力開始電圧から所定の出力電圧
    まで上昇させて該モータを起動させる初期起動段階、モ
    ータの位置信号を検出して該モータが起動したかどうか
    判定する起動判定段階、起動したと判定された場合に前
    記モータの回転数を前記初期段階より上昇させ、上昇さ
    せた回転数において一定期間安定して駆動するか確認す
    る起動安定段階、を有し、該安定駆動が確認された場合
    に通常の駆動制御に移行する永久磁石同期モータの起動
    方法。
  2. 【請求項2】 前記起動判定段階は、前記位置信号が一
    定の周期で安定して出力されている場合に起動したと判
    定する、請求項1に記載の永久磁石同期モータの起動方
    法。
  3. 【請求項3】 前記起動判定段階は、前記位置信号が前
    記三相交流波形の位相に対して一定の角度を有した位相
    で安定して出力されている場合に起動したと判定する、
    請求項1に記載の永久磁石同期モータの起動方法。
  4. 【請求項4】 前記位置信号は、前記モータの回転子の
    永久磁石の磁束が固定子のコイルと鎖交する磁束から求
    める、請求項1又は2に記載の永久磁石同期モータの起
    動方法。
  5. 【請求項5】 前記起動安定段階は、前記モータの回転
    子の永久磁石の磁束が固定子のコイルと鎖交する磁束を
    求め、該磁束の周波数と前記モータに供給される前記三
    相交流電源の周波数を比較し、比較結果に応じて前記イ
    ンバータにより供給される三相交流電源の電圧を増減さ
    せてモータを制御する、請求項1に記載の永久磁石同期
    モータの起動方法。
  6. 【請求項6】 前記通常の駆動制御は前記起動安定段階
    よりさらにモータの回転数を上昇させ、前記モータの回
    転子の永久磁石の磁束が固定子のコイルと鎖交する磁束
    を求め、該磁束の周波数と前記モータに供給される前記
    三相交流電源の周波数を比較し、比較結果に応じて前記
    インバータにより供給される三相交流電源の電圧を増減
    させてモータを制御する、請求項1に記載の永久磁石同
    期モータの起動方法。
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