JP3515047B2 - Dcブラシレスモータ装置 - Google Patents

Dcブラシレスモータ装置

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JP3515047B2 JP2000182694A JP2000182694A JP3515047B2 JP 3515047 B2 JP3515047 B2 JP 3515047B2 JP 2000182694 A JP2000182694 A JP 2000182694A JP 2000182694 A JP2000182694 A JP 2000182694A JP 3515047 B2 JP3515047 B2 JP 3515047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インバータによ
り駆動されるDCブラシレスモータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は従来のDCブラシレスモータ装置
の構成を示す図である。図において、1は直流電源、2
は直流電源1からの直流を交流に変換するインバータ、
3は巻線コイルを有する固定子3aおよび永久磁石を有
する回転子3bから構成され、インバータ2からの交流
電流にて動作するDCブラシレスモータ、4は直流電源
1からの基準電圧とDCブラシレスモータ3の端子電圧
とを比較する位置検出手段、5はインバータ2に対して
インバータ2の駆動を制御する制御信号を出力する制御
手段である。
【0003】通常の三相DCブラシレスモータは固定子
3a内にある3つのコイルに各々独立した交流電流を与
えることにより永久磁石を有する回転子を回転させるも
のであり、独立した交流電流は制御装置にて制御されて
いる。図において、この制御装置はDCブラシレスモー
タ3の三相、即ちU相、V相、W相の各相に通電する電
圧及び周波数を与えるインバータ2と、DCブラシレス
モータ3の端子電圧に基づいて回転子3bの位置を検出
し、この位置検出信号を出力する位置検出手段4と、こ
の位置検出信号に基づいてDCブラシレスモータ3を回
転制御するための電圧印加点弧タイミングを得ると共
に、この電圧印加点弧タイミングによりインバータ2の
各スイッチ素子のオン、オフを制御する制御手段5を備
えている。
【0004】直流電源1をインバータ2でスイッチング
してDCブラシレスモータ3の相巻線に電圧を印加し通
電を切り替える一方、通電休止相の端子電圧波形に基づ
いて回転子3bの位置を検出しこの位置検出信号に基づ
いてインバータ2を制御してDCブラシレスモータ3を
回転制御するものである。
【0005】ここで位置検出手段4は、各相端子電圧波
形と基準電圧とをそれぞれ比較し、この比較結果を位置
検出信号として制御手段5に出力するが、この基準電圧
は一般に直流電圧の1/2即ちVdc/2が用いられ
る。
【0006】位置検出方法は次のように行われる。位置
検出手段4には随時各相の端子電圧が入力される。一般
に、この端子電圧と基準電圧との大小関係を比較し、大
小関係が逆転する、つまり極性反転する箇所をゼロクロ
ス点と呼んでいる。このゼロクロスを基準として回転子
3bの位置を検出する。即ち、ゼロクロスタイミングを
もって回転子位置情報としている。なお、1周期中にお
けるインバータ2のスイッチングパターンとゼロクロス
検出する相と極性の関係は図9の通りとなる。
【0007】なお、DCブラシレスモータ3の印加電圧
をパルス幅変調(以下PWMと称する)にて行う場合、
制御手段5は各時刻における点弧スイッチが所定にチョ
ッピングされるよう、スイッチ素子駆動信号を生成して
実現する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般にDCブラシレス
モータ3を効率よく且つ高回転まで駆動するためには、
インバータ印加電圧位相をDCブラシレスモータ3の誘
起電圧位相より進めた位置に通電することが必要であ
る。ただし、位置検出信号は各々の相に通電が行われて
いない通電休止期間においてのみ検出可能であり、通電
休止期間は所定位相からこの信号検出タイミング、即ち
位置検出信号の極性変化までの間必要となることから、
インバータ2の印加電圧位相の進み角は所定の値を越え
て進めることはできない。
【0009】従来の位置検出回路4を用いた場合、位置
検出信号は常に端子電圧のゼロクロス点をセンスするこ
とになるので、印加電圧の点弧位相は最大でも端子電圧
のゼロクロス点までしか進めることはできない。従っ
て、高効率運転、または高回転を実現する上で誘起電圧
に誘起電圧のゼロクロス点よりも先に印加電圧を点弧し
たくともその要求に応えられないという問題点があっ
た。
【0010】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、誘起電圧位相に対する印加電
圧位相の進み角をより大きくとることが可能なDCブラ
シレスモータ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係るDCブラ
シレスモータ装置は、インバータによって回転が制御さ
れるDCブラシレスモータ装置において、制御信号に基
づいてDCブラシレスモータ内の各相に通電を行うイン
バータと、DCブラシレスモータの誘起電圧と基準電圧
との比較結果が論理反転するタイミングの中、立ち上が
りタイミングか、立ち下がりタイミングのいずれかを用
いてDCブラシレスモータの回転位置を検出し、位置情
報を出力する位置検出手段と、この位置検出手段が出力
する位置情報より回転位置及び回転速度を演算する位置
速度演算手段と、この回転速度情報、速度指令、直流電
源の直流電圧に基づきインバータのPWMデューティ及
び基準電圧の変化量を出力し、PWMデューティが飽和
している場合は、基準電圧の変化量を変更する演算を行
う速度制御手段と、この新たに計算された基準電圧の変
化量を基に基準電圧値を演算し、位置検出手段が立ち上
がりタイミングを用いる場合は、基準電圧を基準値より
低くし、立ち下がりタイミングを用いる場合は、基準電
圧を基準値より高くする基準電圧発生手段と、位置速度
演算手段が出力する進み位相の出力位相を基にインバー
タの制御信号を発生する駆動制御発生手段と、を備えた
ことを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】また、回転制御されるDCブラシレスモー
タの回転子をIPM構造としたものである。
【0018】また、回転制御されるDCブラシレスモー
タの回転子は、希土類磁石と電磁鋼板とを用いて構成さ
れるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図面を参照して説明する。図1〜7は実
施の形態1を示す図で、図1はDCブラシレスモータの
全体構成図、図2は制御手段の詳細を示す図、図3は1
20度通電の電圧波形を示す図、図4は動作を示すタイ
ムチャート、図5は速度制御手段の動作を示すフローチ
ャート、図6はIPM構造のDCブラシレスモータの概
略図、図7は希土類磁石を使ったDCブラシレスモータ
の概略図である。
【0020】図1において、1は直流電源、2は制御信
号に基づき動作する複数のスイッチ素子を有し、直流電
源1からの直流を交流に変換し、後述するDCブラシレ
スモータ3の固定子3aに交流電流を供給するインバー
タ、3は複数の巻線を有する固定子3aおよび永久磁石
を有する回転子3bから構成され、インバータ2からの
交流電流にて動作するDCブラシレスモータ、4は後述
する基準電圧発生手段6から出力される基準信号として
の基準電圧とDCブラシレスモータ3の端子電圧値とを
比較する位置検出手段、5はインバータ2に対してイン
バータ2の駆動を制御する制御信号を出力する制御手
段、6はD/Aコンバータ7を有する基準電圧発生手
段、8は制御手段5、基準電圧発生手段6から構成され
るマイクロコンピュータである。
【0021】図2において、20は速度指令f*と回転
速度fと直流電源1の直流電圧Vdcとに基づき、イン
バータ2のPWM出力デューティdutyおよび前記基
準電圧の変化量ΔVthを出力する速度制御手段、21
は前回の速度制御手段20の出力、即ちdutyとΔV
thの前回値を記憶するメモリ、22はPWM出力デュ
ーティdutyと回転速度fと回転子位置θとに基づ
き、インバータ2の各スイッチ素子の制御信号を出力す
る駆動制御信号発生手段、23は位置検出回路の出力信
号に基づきDCブラシレスモータ3の回転子3bの回転
位置θおよび回転速度fを演算する位置速度演算手段で
ある。
【0022】次に動作について説明する。まず制御手段
5は、図3に示すような所定電圧・所定周波数の120
度通電制御信号を出力する。インバータ2は前記の信号
を電力変換し、DCブラシレスモータ3の固定子3aに
交流電力を供給する。DCブラシレスモータ3の回転子
3bは前記交流電力の周波数に同期して回転する。回転
により固定子巻線には誘起電圧が発生し、その結果図に
示すような端子電圧となる。
【0023】ここで端子電圧とは、インバータ2の直流
N側電位からみた相巻線の電圧である。相の通電休止期
間(図3の(1)の期間)における端子電圧が誘起電圧
を示している。位置検出手段4は前記端子電圧と、制御
手段5より出力される基準電圧Vrefとを比較し、比
較結果を位置検出信号として出力する。
【0024】位置速度検出手段23は、図9に基づき現
在のスイッチ状態に対応する位置検出相の所定方向の位
置検出信号極性反転を監視し、前記極性反転を検出した
ら、その時刻での磁極位置を検出する。例えば、W相の
上側スイッチWPとV相の下側スイッチVNが通電中の
場合、U相には基準電圧を横切って立ち上がる方向に誘
起電圧が現れる。この時位置検出手段4のU相出力は負
から正に極性反転する。位置速度検出手段23はこの極
性反転タイミングをもって所定磁極位置、例えば回転子
が0度の位置にあると判断し、位置情報を出力する。
【0025】なお、電気角1周期中ではUVW各相が1
回ずつ立ち上がり・立ち下がりの極性反転を行うため、
計6回の磁極位置を検出できるが、本実施の形態ではU
VWの立ち上がりエッジ3回のみを検出する(図4参
照)。この場合位置検出手段4からの位置情報は電気角
120度毎に得られることとなる。位置速度検出手段2
3は、前記120度毎の位置情報を得ると共にその位置
情報の時間間隔を計測し、回転速度情報fを演算する。
【0026】また、上記で得られた位置情報を初期値と
した上記回転速度情報の積分演算を行い、任意の時刻に
おける磁極位置情報θ(以下位置情報θ)を演算する。
速度制御手段20は上記で得られた速度情報fに基づき
速度制御すなわち、PWMデューティ情報dutyおよ
び基準電圧変化量ΔVthの出力を行う。駆動制御信号
発生手段22は上記位置情報θとPWMデューティ情報
dutyを基に駆動信号の波形を演算し、回転制御を行
う。
【0027】以下、速度制御手段20の詳細動作につい
て図5を用いて説明する。同図では速度制御手段20の
出力は、出力電圧の代わりにPWMのパルス幅情報du
tyを用いている。まず、速度制御手段20は速度指令
f*、回転速度f、直流母線電圧Vdc、を入力すると
共にメモリ21に記憶しておいた前回速度制御演算結果
即ちdutyおよび基準電圧変化量ΔVthの前回値
(以下duty’、ΔVth’と称する)を読み出す。
【0028】次に速度指令f*と回転速度fの偏差Δf
(Δf=f*−f)を計算する。次に上記の処理により
得られた情報Δf、Vdc、duty’、ΔVth’よ
り条件分岐を行う。具体的にはduty’が100%未
満であるか、もしくはΔVthが所定の最大値(以下Δ
Vthmax)で、かつΔfが負である場合(以下条件
Aとする)と、条件A以外の場合(以下条件Bとする)
とを判断する。
【0029】次に条件A、Bに応じて出力を演算する。
条件Aの場合は、速度偏差Δfに所定のゲインk1を乗
じて時間積分し、出力電圧の指令値V*を計算する。さ
らに直流電圧V*/Vdcを計算してdutyとして出
力する。なおPWMインバータによるパルスデューティ
は0〜100%までの範囲しか実現できないため、上記
V*/Vdcの演算結果が100%を超える値となる場
合は100%に制限してdutyを出力する。
【0030】一方条件Bの場合は所定の速度偏差Δfに
ゲインk2を乗じて時間積分し、基準電圧変化量ΔVt
hとして出力する。なお上記積分演算の結果が所定範囲
(Δvthmin≦ΔVth≦ΔVthmax)を越え
る場合は最小値、最大値に制限して出力する。なお積分
ゲインk2はこの場合負の値とする。
【0031】次に制御手段5の出力するΔVthに基づ
き基準信号としての基準電圧を発生する基準電圧発生手
段6の動作につき説明する。基準電圧発生手段6は、マ
イクロコンピュータ8がA/Dコンバータ等で取り込ん
だ直流母線電圧情報Vdcと制御手段5内の速度制御手
段20が出力するΔVthを加算する。次に加算結果を
D/Aコンバータ7にてアナログの直流電圧信号(以下
Vref)に変換して出力する。
【0032】なお上記説明した動作において、duty
を用いて速度制御する手法についてはごく一般的に行わ
れる手法であり、本発明は出力dutyが最大値に飽和
している条件下で加減速ができる点が特徴となってい
る。そこで、出力dutyが最大dutyに飽和してい
る条件下での加速動作に例をとって以下に詳細な動作説
明を行う。
【0033】加速中とは即ち実回転速度fより回転速度
指令f*が高い状態を意味している。この時、速度制御
手段20は上記に示した条件判定を行うが、dutyが
最大値に飽和しているので、前記条件Bと判定し、ΔV
thを変更する演算を行う。なお加速中であるためΔf
は正であることから負のゲインk2を乗じて積分された
ΔVthは前回の値ΔVth’より小さな値となる。
【0034】基準電圧発生手段6は、前記速度制御手段
20で新たに計算されたΔVthを元に基準電圧値を演
算するが、ΔVthは前回より小さい値となっているの
で、内蔵のD/Aコンバータ7から出力する基準電圧V
refも電圧が低下されて出力される。位置検出手段4
は前記低下した基準電圧Vrefに基づいて誘起電圧と
の比較結果を出力する。
【0035】ここでスイッチWP,VNがONの期間に
おける位置検出手段4のタイムチャートは、図3の
(1)の期間に相当する。同図において基準電圧の前回
値をVref’とし、基準電圧がVrefおよびVre
f’であったときのU相誘起電圧立ち上がりゼロクロス
エッジ検出時刻をT,T’と表記している。同図にて明
らかなように基準電圧がVref’からVrefへと変
化すると、ゼロクロスエッジ検出時刻がT’からTへと
変化する。すなわち、前回より進み位相のタイミングで
位置検出が行われる。従って位置検出手段4の出力を用
いて位置を演算する位置速度検出手段23の出力位相θ
も進み位相となる。
【0036】さらには、出力位相θを元にインバータ2
の制御信号を発生する駆動制御信号発生手段22の信号
も進み位相となり、結果としてインバータ2からは前回
速度制御した際よりも進んだ位相の電圧が出力されるこ
ととなる。進み位相の電圧がDCブラシレスモータの固
定子3aに印加されると、巻線に流れる電流の位相が進
む。同時に固定子が発生する磁束も進み位相となる。さ
らに固定子磁束の進み成分は、回転子永久磁石の磁束を
弱めるように作用する。このため固定子巻線に誘起され
る誘起電圧が減少、誘起電圧が減少した分だけ、トルク
を発生するための電圧が増加し、結果DCブラシレスモ
ータ3の速度が加速することとなる。
【0037】なお、上記固定子磁束の進み成分−Φds
(一般に永久磁石の磁束の方向を正とするため、固定子
磁束の進み成分は負極性として表記)は下式にて表され
る。 Φds=Ld*Id ここでLdはd軸インダクタンス、Idはd軸方向の固
定子電流である。なおd軸方向とは一般に、回転子と同
期して回転する回転座標における永久磁石の磁束が最大
となるベクトルを意味する。上式より明らかなように、
d軸インダクタンスLdが大きいほど磁束を弱めるため
の電流が少なくてすみ、あるいは同一電流値ではより磁
束を弱めることができる。
【0038】なおd軸インダクタンスは前記d軸方向の
磁気的ギャップの大きさやギャップと軸中心との距離に
依存し、d軸のギャップが小さいほど、またギャップと
軸中心との距離が近いほどLdが大きくなる性質があ
る。d軸の磁気的ギャップは主に永久磁石の厚さで決ま
ることから、例えば希土類などの高磁力材料を用い磁石
の厚みを薄くすることで、Ldを大きくすることがで
き,結果、効率よく永久磁石の磁束を弱めることができ
るため、高効率・広運転範囲のシステムが実現できる。
同様に、回転子3bの永久磁石を回転子内部に埋め込ん
だ構造(一般にIPM構造という。IPMはInterior P
ermanent Magnetの略称)とすると前記同様Ldが大き
くなり、高効率・広運転範囲のシステムが実現できる
(図6,7参照)。
【0039】なお上記説明の前提条件で説明において、
出力dutyが最大値に飽和している条件と示したが、
具体的な場面としては、より高い回転数まで回転する必
要がある場合や、誘起電圧定数の大きなモータを使用し
た場合や、あるいは直流電源1の出力する電圧が低下し
た場合などがある。即ち、本発明によれば、これらの場
合においても良好な速度制御範囲特性が得られる。
【0040】また、上記実施の形態では、誘起電圧のゼ
ロクロス検出エッジを立ち上がりエッジのみとしたが、
立ち下がりエッジで基準電圧を例えば基準値Vdc/2
より高くすることでもよい。
【0041】また、上記実施の形態では、誘起電圧のゼ
ロクロス検出エッジを立ち上がりエッジまたは立ち下が
りエッジのみとしたが、これは基準電圧Vrefの発生
手段の構成を簡単にするために行ったものである。以下
にこの説明を行う。基準電圧を例えば基準値Vdc/2
より低くした場合、誘起電圧の立ち上がりエッジは進み
位相となるが、また立ち下がりエッジは遅れ位相とな
る。このような状況で立ち下がり・立ち上がりエッジの
全てを用いて印加電圧のタイミングを決定すると、電圧
印加タイミングを進み位相にできないどころかインバー
タが不安定になることは明らかである。
【0042】また、立ち上がりエッジ検出期間はVre
fをΔVth分低くし、立ち下がりエッジ検出期間はV
refをΔVth分高くすれば、全てのエッジ検出が進
み位相になるので、制御が可能であるが、一方、基準電
圧をエッジ検出の極性に合わせて交流的に変化させる必
要があるので、回路が複雑化ないしは制御負荷が大きく
なる。即ち、本実施の形態による構成は、前記説明した
構成より安価に実現が可能な方法である。
【0043】また、上記実施の形態では、PWMdut
yが飽和(100%の状態)している際に、基準電圧の
変化量ΔVthを発生するようにしたが,これは、最も
高回転まで制御可能な構成としたことによる。インバー
タ2からの印加電圧はPWMdutyによって決まり、
またDCブラシレスモータは印加電圧が高いほど高回転
な運転が可能となることによる。また、PWMduty
が高いほどモータの高周波鉄損が小さくなることも知ら
れており、高効率化にも寄与する。
【0044】また、ΔVthを速度制御の操作量(速度
制御手段の出力)とした。これによりDCブラシレスモ
ータ装置の回転速度指令やモータ負荷、電源電圧などが
変化しても、速度偏差がゼロとなるよう適切なΔVth
が印加されるので、安定性が高い装置構成となってい
る。
【0045】
【発明の効果】この発明に係るDCブラシレスモータ装
置は、誘起電圧位相に対する印加電圧位相の進み角をよ
り大きくとることができる。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】また、回転制御されるDCブラシレスモー
タの回転子をIPM構造としたことにより、装置の高回
転化・高効率化が実現できる。
【0052】また、回転制御されるDCブラシレスモー
タの回転子は、希土類磁石と電磁鋼板とを用いて構成さ
れるので、装置の高回転化・高効率化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を示す図で、DCブラシレスモ
ータの全体構成図である。
【図2】 実施の形態1を示す図で、制御手段の詳細を
示す図である。
【図3】 実施の形態1を示す図で、120度通電の電
圧波形を示す図である。
【図4】 実施の形態1を示す図で、動作を示すタイム
チャート図である。
【図5】 実施の形態1を示す図で、速度制御手段の動
作を示すフローチャート図である。
【図6】 実施の形態1を示す図で、IPM構造のDC
ブラシレスモータの概略図である。
【図7】 実施の形態1を示す図で、希土類磁石を使っ
たDCブラシレスモータの概略図である。
【図8】 従来のDCブラシレスモータ装置の構成を示
す図である。
【図9】 位相とスイッチングパターンの関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 直流電源、2 インバータ、3 DCブラシレスモ
ータ、3a 固定子、3b 回転子、4 位置検出手
段、5 制御手段、6 基準電圧発生手段、7D/Aコ
ンバータ、8 マイクロコンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−146685(JP,A) 特開 平7−170800(JP,A) 特開2000−50543(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/16 H02K 1/27 H02K 29/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータによって回転が制御される
    C(Direct Current)ブラシレスモータ
    装置において、 制御信号に基づいてDCブラシレスモータ内の各相に通
    電を行うインバータと、 前記DCブラシレスモータの誘起電圧と基準電圧との比
    較結果が論理反転するタイミングの中、立ち上がりタイ
    ミングか、立ち下がりタイミングのいずれかを用いて
    Cブラシレスモータの回転位置を検出し、位置情報を出
    力する位置検出手段と、この位置検出手段が出力する前記位置情報より回転位置
    及び回転速度を演算する位置速度演算手段と、 この回転速度情報、速度指令、直流電源の直流電圧に基
    づき前記インバータのPWM(Pulse Width
    Modulation)デューティ及び基準電圧の変
    化量を出力し、前記PWMデューティが飽和している場
    合は、前記基準電圧の変化量を変更する演算を行う速度
    制御手段と、 この新たに計算された基準電圧の変化量を基に基準電圧
    値を演算し、前記位置検出手段が前記立ち上がりタイミ
    ングを用いる場合は、前記基準電圧を基準値より低く
    し、前記立ち下がりタイミングを用いる場合は、前記基
    準電圧を基準値より高くする基準電圧発生手段と、 前記位置速度演算手段が出力する進み位相の出力位相を
    基に前記インバータの制御信号を発生する駆動制御発生
    手段と、 を備えたことを特徴とするDCブラシレスモータ装置。
  2. 【請求項2】 回転制御されるDCブラシレスモータの
    回転子をIPM構造としたことを特徴とする請求項1に
    記載のDCブラシレスモータ装置。
  3. 【請求項3】 回転制御されるDCブラシレスモータの
    回転子は、希土類磁石と電磁鋼板とを用いて構成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のDCブラシレ
    スモータ装置。
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