JP2011188550A - インバーター駆動装置、並びに、これを搭載した空気調和機及びハンドドライヤー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】整合シフト手段12aは、M点の電圧レベルVmに対し、所定量の電圧シフト量Δxを減算してレベルシフトを実施し、基準電圧Vm1(=Vm−Δx)として出力する。
【選択図】図2
Description
(インバーター駆動装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係るインバーター駆動装置の構成図である。
図1で示されるように、本実施の形態に係るインバーター駆動装置は、直流電源1、制御信号に基づいて動作する複数のスイッチング素子(後述)を有し、直流電源1からの直流電圧を高周波の交流電圧に変換するインバーター2、複数の巻線を有する固定子及び永久磁石を有する回転子によって構成され、インバーター2から供給される交流電圧によって駆動するDCブラシレスモーター3、インバーター2に対してインバーター2の駆動を制御する制御信号を出力するインバーター制御手段6、及び、DCブラシレスモーター3から各相の端子電圧Vun、Vvn及びVwnを入力して基準電圧と比較し、DCブラシレスモーター3の回転子の位置を検出する位置検出手段7を備えている。
図2で示されるように、位置検出手段7は、少なくとも、DCブラシレスモーター3の各相の端子電圧、及び、誘起電圧におけるゼロクロス点を検出するための基準電圧を得るための分圧・電圧合成手段16、26及び36、この分圧・電圧合成手段16、26及び36の出力段の各相の端子電圧を平均した電圧レベルVmについてインピーダンス整合を実施し、さらに基準電圧レベルのシフトを実施する整合シフト手段12a及び12b、及び、この整合シフト手段12a及び12bによってそれぞれレベルシフトされた基準電圧Vm1及びVm2と、各相の端子電圧Vun、Vvn及びVwnのレベルシフト値(以下、これらをそれぞれ単に「端子電圧Va、Vb及びVc」という)とを比較する比較器11a、11b、21a、21b、31a及び31b、及び、この各比較器の論理出力Co1〜Co6、及び、インバーター制御手段6から出力される通電モード情報Stgに基づいて、インバーター制御手段6への最終的な出力である出力信号So1〜So3を生成する位置検出信号出力手段15、25及び35によって構成されている。
次に、本実施の形態に係るインバーター駆動装置の動作について説明する。本実施の形態のインバーター駆動装置におけるインバーター制御手段6は、パルス幅変調を実施し、インバーター2に対する制御信号としてPWM駆動信号を出力する。
本実施の形態におけるDCブラシレスモーター3においては、上アームスイッチング素子4a〜4cのいずれかがオンすると共に、下アームスイッチング素子4d〜4fのうち、オンした上アームスイッチング素子とは異なる相の1つがオンする。そして、上アームスイッチング素子4a〜4c及び下アームスイッチング素子4d〜4fの各スイッチング素子が120度区間でオンし、次の240度区間でオフするといった周期でスイッチング動作を実施する。これによって、DCブラシレスモーター3の各相巻線が互いに120度区間の位相差をもって、順次繰り返し通電され、図5で示されるように、各相の端子電圧(各相電圧−母線N側間電圧)が現れる。すなわち、通電位相における1周期360度内に60度毎に異なった6つの通電モード(以下、本文において、通電位相及び通電相の各組み合わせに対応する通電モード番号を図4で示される通りに定義する。)があることになる。
また、図6で示される整合シフト手段12a及び12bは、基準電圧の電圧レベルをシフトするシフト量として、1つの電圧シフト量Δxのみを有するものとしているが、これに限定されるものではなく、複数の電圧シフト量を有し、それぞれの電圧シフト量によって基準電圧の電圧レベルをシフトできる構成としてもよく、または、その基準電圧に対する電圧シフト量を連続的に変化させることができる構成としてもよい。
さらに、上記のように整合シフト手段12a及び12bは、それぞれ別個に設置されている構成としているが、これに限定されるものではなく、1つの整合シフト手段として構成されているものとしてもよい。この場合、この1つの整合シフト手段は、基準電圧を電圧シフト量Δxだけ高くシフトさせる機能と、電圧シフト量Δxだけ低くシフトさせる機能を備えるものとすればよい。
また、上記のように、比較器11a、11b及び位置検出信号出力手段15がそれぞれ独立に設置された構成となっているが、これに限定されるものではなく、1つの装置として構成するものとしてもよい。この場合、例えば、論理出力Co1及びCo2の選択処理は、その装置の内部で処理するものとすればよい。これについては、比較器21a、21b及び位置検出信号出力手段25、並びに、比較器31a、31b及び位置検出信号出力手段35についても同様である。
さらに、比較器11a、11b、21a、21b、31a及び31b、並びに、位置検出信号出力手段15、25及び35が、1つの装置として構成されているものとしてもよい。この場合、インバーター制御手段6から出力される通電モード情報に基づいて、論理出力Co1〜Co6の選択処理等を、その装置の内部で処理するものとすればよい。
図6で示される整合シフト手段12aの回路構成、及び、これと同様の構成を有する整合シフト手段12bの回路構成のように、補助電源を分けて、レベルシフトした基準電圧を得るものとしてよいが、電源作成においてコストを低減するために、図7で示されるように補助電源V21を共通化してもよい。
以上の構成及び動作によって、直流母線電圧の1/2レベルを誘導電圧のゼロクロス点の検出のための基準電圧として用いずに、各相の端子電圧の平均値を基準電圧として用いることによって、直流母線電圧の電圧リプルの影響を低減し、シフト量による各相の端子電圧への影響を少なくしつつ、ゼロクロス点の検出位相を進め、誘導電圧位相に対する印加電圧位相の進み角を大きくとることができる。
また、本実施の形態のように、各相の端子電圧の平均値を基準電圧として用いる方式において、電圧シフト量Δx分だけ基準電圧をシフトすることが可能となり、このシフト量分だけ転流タイミングを早めることができる。その結果、巻線に流れる電流位相が進み、さらに磁束の進み成分が回転子の永久磁石の磁束を弱めるように作用し、固定子巻線に誘起される誘起電圧が減少する。そして、誘起電圧が減少した分だけトルクを発生するために用いられる電圧が増加し、回転子速度が加速することとなり、高効率運転及び高回転運転を実現することができる。
また、本実施の形態に係るインバーター駆動装置は、空気調和機における圧縮機のモーター等、又は、ハンドドライヤーのモーターの駆動に適用してもよく、これによって、上記の効果を有する空気調和機及びハンドドライヤーを得ることができる。
本実施の形態に係るインバーター駆動装置は、実施の形態1に係るインバーター駆動装置と同様の構成であり、その動作において相違する点を中心に説明する。
図8は、本発明の実施の形態2に係るインバーター駆動装置における運転領域と基準電圧のレベルシフト動作との関係の例を示す図である。
インバーター駆動装置が設置されるシステム又はその使用環境によっては、基準電圧についてレベルシフトさせるか否かを運転領域によって分ける必要がある場合がある。図8で示されるように、本実施の形態に係るインバーター駆動装置において、運転開始からの経過時間Txにおいてインバーター2がDCブラシレスモーター3に対して出力する高周波電圧の周波数が運転周波数fxに到達した時点で、インバーター制御手段6は、端子接続切替信号SW_SIGによって、整合シフト手段12aにおけるシフト動作切替用スイッチSW1aの共通端子Zに接続されている切替端子をX側からY側に切り替える。以上の動作によって、DCブラシレスモーター3の低速域においては基準電圧についてレベルシフトさせない状態で運転し、高速域においては基準電圧をレベルシフトさせる状態で運転する。
以上の動作によって、実施の形態1に係るインバーター駆動装置が備える効果を有するのは言うまでもなく、運転周波数に応じた最適運転の実施が可能となる。
本実施の形態に係るインバーター駆動装置は、実施の形態1に係るインバーター駆動装置と同様の構成であり、その動作において相違する点を中心に説明する。
図9は、本発明の実施の形態3に係るインバーター駆動装置における端子電圧と基準電圧との関係、及び、位置検出手段7によって出力される位置検出信号を示す図である。
インバーター駆動装置が設置されるシステム又はその使用環境によっては、ノイズ耐力又は動作安定性を考慮して、各相の誘起電圧のゼロクロス点の検出動作を、立上り時のみ、又は立下り時のみ実施し、もう片側のゼロクロス点のタイミングに伴う転流処理は、インバーター制御手段6の時間カウントによって自動的に実施する構成とするのが望ましい場合がある。図9は、各相の誘導電圧の立上り時のみ、又は立下り時のみゼロクロス点を検出する場合の位置検出手段7の位置検出信号を示している。
以上の動作によって、実施の形態1に係るインバーター駆動装置が備える効果を有するのは言うまでもなく、インバーター駆動装置が設置されるシステム又はその使用環境に対して、比較的簡易に各相の誘導電圧のゼロクロス点の検出の対応が可能となる。
Claims (13)
- 制御信号に基づいてDCブラシレスモーター内の各相に通電を実施するインバーターと、
前記DCブラシレスモーターの各相の端子電圧を検出し、該端子電圧を合成して、それらの平均値をもとめて基準電圧とする電圧検出・合成手段と、
該電圧検出・合成手段によって出力された前記基準電圧に対してインピーダンス整合を実施するインピーダンス整合手段と、
該インピーダンス整合手段によってインピーダンス整合を実施された前記基準電圧に対して電圧レベルをシフトする電圧レベルシフト手段と、
該電圧レベルシフト手段から出力された前記基準電圧と、前記電圧検出・合成手段によって検出された前記端子電圧とを比較し、その比較結果に基づいて前記DCブラシレスモーターの回転位置を示す位置検出信号を出力する比較・位置検出手段と、
該比較・位置検出手段によって出力された前記位置検出信号に基づいて、前記制御信号を生成して前記インバーターをPWM制御するインバーター制御手段と、
を備えた
ことを特徴とするインバーター駆動装置。 - 前記電圧レベルシフト手段は、電圧レベルを電圧シフト量によってシフトさせた前記基準電圧と、電圧レベルをシフトさせない前記基準電圧とを切り替えて出力する
ことを特徴とする請求項1記載のインバーター駆動装置。 - 前記電圧レベルシフト手段は、前記基準電圧の電圧レベルをシフトさせる電圧シフト量を1つ以上有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインバーター駆動装置。 - 前記電圧レベルシフト手段は、前記基準電圧の電圧レベルをシフトさせる電圧シフト量を連続的に変化させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインバーター駆動装置。 - 前記電圧レベルシフト手段は、前記インバーターの出力周波数、又は負荷状態に応じて、電圧レベルを前記電圧シフト量によってシフトさせた前記基準電圧と、電圧レベルをシフトさせない前記基準電圧とを切り替えて出力する
ことを特徴とする請求項2記載のインバーター駆動装置。 - 前記電圧レベルシフト手段は、前記インバーターの出力周波数、又は負荷状態に応じて、前記電圧シフト量を切り替え、該電圧シフト量によって電圧レベルをシフトした前記基準電圧を出力する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載のインバーター駆動装置。 - 前記電圧レベルシフト手段は、前記DCブラシレスモーターの各相の誘導電圧に基づく前記端子電圧の立上りのゼロクロス点を検出する場合は、前記基準電圧を前記電圧シフト量によって低くなるようにシフトさせ、前記誘導電圧に基づく前記端子電圧の立下りのゼロクロス点を検出する場合は、前記基準電圧を前記電圧シフト量によって高くなるようにシフトさせる
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のインバーター駆動装置。 - 前記比較・位置検出手段は、前記基準電圧に基づいて、前記DCブラシレスモーターの各相の誘導電圧に基づく前記端子電圧の立上り及び立下りの双方のゼロクロス点を検出して、前記位置検出信号を出力する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のインバーター駆動装置。 - 前記比較・位置検出手段は、前記基準電圧に基づいて、前記DCブラシレスモーターの各相に誘導電圧に基づく前記端子電圧の立上り又は立下りのいずれかのゼロクロス点を検出して、前記位置検出信号を出力する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のインバーター駆動装置。 - 前記インピーダンス整合手段は、少なくとも1つの増幅器を有する
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のインバーター駆動装置。 - 前記電圧レベルシフト手段は、少なくとも1つの補助電源、及び、少なくとも該補助電源の電圧を分圧する1つの分圧抵抗を有する
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載のインバーター駆動装置。 - 請求項1〜請求項11のいずれかに記載のインバーター駆動装置を搭載した
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1〜請求項11のいずれかに記載のインバーター駆動装置を搭載した
ことを特徴とするハンドドライヤー。
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