JP2002101691A - 圧縮機制御装置 - Google Patents
圧縮機制御装置Info
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Abstract
とともに、最大能力を向上させることが可能な圧縮機制
御回路を得ること。 【解決手段】 永久磁石を有する回転子と複数相の巻線
を有する固定子とを備えた圧縮機を駆動する構成とし
て、たとえば、商用電源からの入力を直流電圧(母線電
圧)に変換するコンバータ回路2と、前記直流電圧を交
流電圧に変換して前記圧縮機を駆動するインバータ回路
3と、前記複数相の巻線に発生する電圧(端子電圧)を
検出する電圧検出部8と、前記母線電圧の1/2に対応
する電圧値を中心とした振幅を持つ方形波の基準信号を
発生する基準信号発生部9aと、前記圧縮機の回転位置
を検出するために、前記検出した端子電圧と前記基準信
号とを比較する比較部10と、前記比較結果として得ら
れた比較信号に応じて、前記圧縮機を駆動するための駆
動信号を生成するインバータ制御部11aと、を備える
ことを特徴とする。
Description
られる圧縮機制御装置に関するものであり、特に、永久
磁石を有する回転子と複数相の巻線を有する固定子とを
備える圧縮機を、前記複数相の巻線に発生する端子電圧
に基づく比較信号により駆動する圧縮機制御装置に関す
るものである。
明する。図11は、インバータ制御装置を搭載した、従
来の冷凍サイクルの圧縮機制御装置の構成を示す図であ
る。図11において、1は商用電源であり、2は商用電
源1を直流電圧(母線電圧Vdc)に変換するコンバー
タ回路(交流直流変換器)であり、3は直流を交流に変
換するインバータ回路(直流交流変換器)であり、4
は、回転子およびU相,V相,W相の巻線を持つ固定子
を備えたDCブラシレスモータ、および圧縮要素、で構
成され、この構成を用いて冷凍サイクル(冷媒を加圧し
循環させる処理)を実行する圧縮機であり、5は冷媒と
室外空気の熱交換を行う室外熱交換器であり、6は冷媒
の絞り量を調整する電磁膨張弁であり、7は冷媒と室内
空気の熱交換を行う室内熱交換器であり、8は圧縮機4
の巻線U相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを
検出する電圧検出部であり、9は母線電圧Vdcの2分
の1(Vdc/2)に対応する電圧値である基準信号を
生成する基準信号発生部であり、10は基準信号と端子
電圧Vu,Vv,Vwとを比較して比較信号を得る比較
部であり、11は比較信号をもとに圧縮機の回転速度を
算出してインバータ駆動信号を出力するインバータ制御
部である。
て説明する。まず、コンバータ回路2が、商用電源1か
ら得られる交流電圧を直流電圧(母線電圧Vdc)に変
換する。つぎに、インバータ回路3が、インバータ制御
部11からのインバータ駆動信号にしたがって、コンバ
ータ回路2の出力する母線電圧Vdcから任意電圧を出
力し、圧縮機4を運転する。
温高圧に圧縮され、配管を通って室外熱交換器5を流れ
る。ここで、室外熱交換器5が、室外空気との熱交換を
行い、冷媒を冷却する。つぎに、冷却された冷媒は、電
磁膨張弁6で絞られ、さらに、低圧となって室内熱交換
器7に流れ、ここで、室内熱交換器7が、室内空気との
熱交換を行い、室内空気を冷却する。
いて説明する。図12は、基準信号(Vdc/2)と誘
起電圧のゼロクロスポイントを示す図である。比較部1
0には、電圧検出部8で検出された圧縮機4のU相,V
相,W相の各相端子電圧が随時入力される。そして、図
12に示すように、この端子電圧に現れるU相、V相、
W相の巻線の誘起電圧と基準信号(Vdc/2)とを比
較する。この基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差
する時点をゼロクロスポイントといい、ゼロクロスポイ
ントは、圧縮機回転子の回転位置と対応している。その
ため、ゼロクロスポイントを回転位置検出タイミングと
して利用でき、このゼロクロスポイントで比較部10の
出力する比較信号のレベルが変化する。インバータ制御
部11では、この比較信号のレベル変化により、圧縮機
4の回転位置を検出している。
従来の圧縮機制御装置においては、以下に示すような問
題点があった。
圧縮機の特性として、印加する電圧によって回転速度が
一義的に定まるため、圧縮機の回転数は、母線電圧Vd
cと、インバータ回路の出力する印加電圧のPWMデュ
ーティ比と、圧縮負荷トルクによって定まる。また、空
気調和機の母線電圧Vdcは、商用電源電圧および素子
の耐圧等により上限が定まるため、PWMデューティ比
が飽和した場合には、それ以上圧縮機の回転速度を上昇
させることはできない。
するために、インバータ印加電圧位相を圧縮機の誘起電
圧位相より進めた位置で通電することが必要な圧縮機が
存在する。しかしながら、圧縮機の回転位置は、図12
に示すとおりに、巻線に通電が行われていない通電休止
区間内に現れるU相、V相、W相の誘起電圧を観測し、
そのゼロクロスポイントから判断されため、この方法で
は、ゼロクロスポイントよりも転流タイミングを早める
ことができない、という問題があった。
外に存在するときは、圧縮機の回転位置を検出できない
ため、ゼロクロスポイントは、常に通電休止区間内に存
在しなければならない。そのため、インバータ印加電圧
位相を、ゼロクロスポイントを超えて進めることができ
ない、という問題があった。
って、インバータ印加電圧位相をゼロクロスポイントよ
り進めることよって圧縮機の高効率運転および高回転を
実現するとともに、最大能力を向上させることが可能な
圧縮機制御回路を得ることを目的とする。
目的を達成するために、本発明にかかる圧縮機制御装置
にあっては、永久磁石を有する回転子と複数相の巻線を
有する固定子とを備えた圧縮機を駆動する構成として、
たとえば、商用電源からの入力を直流電圧(母線電圧)
に変換する電圧変換手段(後述する実施の形態のコンバ
ータ回路2に相当)と、前記直流電圧を交流電圧に変換
して前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動手段(インバータ
回路3に相当)と、前記複数相の巻線に発生する電圧
(端子電圧)を検出する電圧検出手段(電圧検出部8に
相当)と、前記母線電圧の1/2に対応する電圧値を中
心とした振幅を持つ方形波の基準信号を発生する基準信
号発生手段(基準信号発生部9aに相当)と、前記圧縮
機の回転位置を検出するために、前記検出した端子電圧
と前記基準信号とを比較する比較手段(比較部10に相
当)と、前記比較結果として得られた比較信号に応じ
て、前記圧縮機を駆動するための駆動信号を生成する制
御手段(インバータ制御部11aに相当)と、を備える
ことを特徴とする。
位相を、従来の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交
差する時点(ゼロクロスポイント)より進めることがで
きる。
て、前記電圧検出手段は、前記圧縮機の複数相の巻線に
発生する端子電圧を個別に検出することを特徴とする。
に発生する端子電圧を個別に検出し、従来の基準信号
(Vdc/2)と誘起電圧の交差する時点よりも転流タ
イミングを進める。
て、前記基準信号発生手段は、前記制御手段がパルス幅
変調方式を採用する場合、PWMデューティ比(振幅を
変化させるための条件)に応じて基準信号の振幅を変化
させることを特徴とする。
応じて基準信号の振幅を変化させることで、PWMデュ
ーティ比に対する最適なタイミングで転流を行う。
て、前記基準信号発生手段は、前記インバータの出力周
波数(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信号
の振幅を変化させることを特徴とする。
数に応じて基準信号の振幅を変化させることで、インバ
ータの出力周波数に対する最適なタイミングで転流を行
う。
て、前記比較信号に基づいて前記圧縮機の回転速度を検
出する場合、前記基準信号発生手段は、当該圧縮機の回
転速度(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信
号の振幅を変化させることを特徴とする。
じて基準信号の振幅を変化させることで、圧縮機の回転
速度に対する最適なタイミングで転流を行う。
て、前記圧縮機駆動手段の入力電流を検出する場合、前
記基準信号発生手段は、前記圧縮機駆動手段の入力電流
(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信号の振
幅を変化させることを特徴とする。
電流に応じて基準信号の振幅を変化させることで、圧縮
機駆動手段の入力電流に対する最適なタイミングで転流
を行う。
て、空気調和機の入力電流を検出する場合、前記基準信
号発生手段は、前記空気調和機の入力電流(振幅を変化
させるための条件)に応じて基準信号の振幅を変化させ
ることを特徴とする。
に応じて基準信号の振幅を変化させることで、空気調和
機の入力電流に対する最適なタイミングで転流を行う。
て、前記基準信号発生手段は、前記振幅を変化させるた
めの条件が所定値以上となった場合に、前記基準信号の
振幅を変化させることを特徴とする。
の条件が所定値以上となった場合に基準信号の振幅を変
化させることで、振幅を変化させるための条件に対する
最適なタイミングで転流を行う。
て、前記基準信号発生手段は、前記振幅を変化させるた
めの条件が所定値以上となった場合に、基準信号を、前
記母線電圧の1/2の電圧値から、前記方形波に切り替
えることを特徴とする。
の条件が所定値以上となった場合に、基準信号を、前記
母線電圧の1/2の電圧値から前記方形波に切り替える
ことにより、最適なタイミングで転流を行う。
て、前記電圧検出手段(電圧検出部8aに相当)は、前
記圧縮機の複数相の巻線に発生する端子電圧を合成し、
当該合成電圧を検出することを特徴とする。
相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを合成電圧
VUVWに合成することで、回路素子数を抑える。
ては、前記基準信号を、前記母線電圧の1/2より高い
一定の電圧値からなる第1の基準信号と、前記母線電圧
の1/2より低い一定の電圧値からなる第2の基準信号
と、で構成することを特徴とする。
はなく、電圧値Vdc/2より高い電圧値の第1の基準
信号および電圧値Vdc/2より低い電圧値の第2の基
準信号とすることで、インバータ印加電圧の位相を従来
の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差する時点よ
り進める。
御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるもの
ではない。
縮機制御装置を持つ空気調和機の、実施の形態1の構成
を示す図である。図1において、1は商用電源であり、
2は商用電源1を直流電圧(母線電圧Vdc)に変換す
るコンバータ回路(交流直流変換器)であり、3は直流
を交流に変換するインバータ回路(直流交流変換器)で
あり、4は、回転子およびU相,V相,W相の巻線を持
つ固定子を備えたDCブラシレスモータ、および圧縮要
素、で構成され、この構成を用いて冷凍サイクル(冷媒
を加圧し循環させる処理)を実行する圧縮機であり、5
は冷媒と室外空気の熱交換を行う室外熱交換器であり、
6は冷媒の絞り量を調整する電磁膨張弁であり、7は冷
媒と室内空気の熱交換を行う室内熱交換器であり、8は
圧縮機4の巻線U相,V相,W相の端子電圧Vu,V
v,Vwを検出する電圧検出部であり、9aは内部で生
成した方形波と母線電圧の2分の1(Vdc/2)に対
応する電圧とを重畳して基準信号を生成する基準信号発
生部であり、10は基準信号と端子電圧Vu,Vv,V
wとを比較して比較信号を得る比較部であり、11aは
比較信号をもとに圧縮機の回転速度を算出してインバー
タ駆動信号を出力し、さらに基準信号発生部9aに通電
モード情報と基準信号振幅ΔVthとを出力するインバ
ータ制御部である。
ンバータ回路3と電圧検出部8と基準信号発生部9aと
比較部10とインバータ制御部11aで、圧縮機制御装
置を構成する。
2,13,14は上アームスイッチング素子であり、1
3,14,15は下アームスイッチング素子である。
て説明する。まず、コンバータ回路2が、商用電源1か
ら得られる交流電圧を直流電圧(母線電圧Vdc)に変
換する。つぎに、インバータ回路3が、制御部11aか
らのインバータ駆動信号にしたがって、コンバータ回路
2の出力する母線電圧Vdcから任意電圧を出力し、圧
縮機4を運転する。圧縮機4が運転されると、冷媒が高
温高圧に圧縮され、配管を通って室外熱交換器5を流れ
る。ここで、室外熱交換器5が、室外空気との熱交換を
行い、冷媒を冷却する。つぎに、冷却された冷媒は、電
磁膨張弁6で絞られさらに、低圧となって室内熱交換器
7に流れ、ここで、室内熱交換器7が、室内空気との熱
交換を行い、室内空気を冷却する。
いて説明する。図1中のインバータ制御部11aでは、
インバータ回路3に対してインバータ駆動信号を出力す
ると同時に、基準信号発生部9aに対して通電モード情
報を出力する。通電モード情報とは、インバータ回路3
から圧縮機4内のU相,V相,W相の各相巻線にどのよ
うな交流電流が出力されているかを表すものである。
する。図2は、U相,V相,W相の端子電圧と通電モー
ドとの関係を示す図である。たとえば、3相DCブラシ
レスモータの場合、上アームスイッチング素子12〜1
4のいずれか1つがオンするとともに、下アームスイッ
チング素子15〜17の上アームスイッチング素子とは
異なる相の1つがオンをする。そして、各スイッチング
素子12〜17が、120 [deg]オン→240[deg]オ
フのオンオフ周期で制御される。これにより、圧縮機4
の巻線U相,V相,W相が、互いに120[deg]の位相
差をもって順次繰り返し通電/駆動され、図2に示した
ような端子電圧波形が現れる。すなわち、1周期360
[deg] 内に60[deg]毎に異なった6つの通電モードが
あることになる。
ータ制御部11aからの通電モード情報に基づいて、図
2に示すように、通電モードが奇数の時は方形波Hig
h、通電モードが偶数の時は方形波Lowとなるよう
に、方形波の交流電圧パターンが作成される。この方形
波は、誘起電圧が立ち上がるときにLowレベル、立ち
下がるときにHighレベル、となるように作成され
る。次にこの方形波を用いて作成された基準信号につい
て図3を用いて説明する。
図である。基準信号発生部9aでは、作成した方形波の
交流電圧パターンを、母線電圧の2分の1(Vdc/
2)に対応する電圧と重畳し、方形波の振幅の中心値が
母線電圧の2分の1(Vdc/2)に対応する電圧にな
るように、基準信号を生成する。
た圧縮機4のU相,V相,W相の端子電圧を随時受け取
り、この誘起電圧と基準信号とを、図3のように比較す
る。ここでは、この端子電圧に現れるU相,V相,W相
の巻線の誘起電圧と基準信号とが交差する時点(ゼロク
ロスポイント)で、比較信号のHigh−Lowが逆転
する。その結果、従来のように母線電圧の1/2(Vd
c/2)に対応する基準信号で誘起電圧と比較した場合
よりも、本実施の形態のように方形波の基準信号を用い
て比較した方が、ゼロクロスポイントが時間的にΔtだ
け早いことがわかる(図3の拡大図参照)。このゼロク
ロスポイントは、圧縮機回転子の回転位置と対応した位
置検出タイミングであるため、比較部10では、このタ
イミングに基づいて生成された比較信号を、インバータ
制御部11aに対して出力する。
Vthを制御することによって、Δtを制御できること
もわかる。そこで、本実施の形態においては、インバー
タ制御部11aが、圧縮機4の回転速度に応じて運転効
率が最大となるように、あらかじめ記憶している基準信
号振幅ΔVthを、基準信号発生部9aに対して出力
し、Δtを制御する。
置では、図3のように、基準信号を方形波にすることに
より、誘起電圧とVdc/2との交点よりもΔtだけゼ
ロクロスポイントを進めることができ、この進んだ時間
分だけ、転流開始タイミングを進めることができる。ま
た、基準信号の振幅ΔVthを変化させることで、より
広い範囲でゼロクロスポイントを制御することができ
る。すなわち、図3中のa点−b点の間であれば、自由
にゼロクロスポイントを制御することができる。
置では、誘起電圧とVdc/2との交点より位相を進め
たインバータ印加電圧を、圧縮機4の固定子に印加でき
る。
流の位相がすすみ、同時に固定子が発生する磁束も進み
位相となり、さらに、磁束の進み成分が回転子の永久磁
石の磁束を弱めるように作用し、固定子巻線に誘起され
る誘起電圧が減少する。そして、誘起電圧が減少した分
だけ、トルクを発生するために用いられる電圧が増加
し、回転速度が加速することとなる。
ンバータ印加電圧位相を従来のゼロクロスポイントより
進める構成としたため、圧縮機の高速回転範囲の拡大お
よび運転効率の改善を実現でき、ひいては空気調和機の
高性能化かつ高効率化を実現できる。
縮機制御装置を持つ空気調和機の、実施の形態2の構成
を示す図である。図4において、18は、母線電圧Vd
cの電圧値を検出し、後述するインバータ制御部11b
へ母線電圧値を出力する母線電圧検出部であり、11b
は、比較信号から算出された圧縮機回転速度と母線電圧
検出部18から得られた母線電圧値からインバータ駆動
信号を出力し、それと同時に、基準信号発生部9aに通
電モード情報と基準信号振幅ΔVthとを出力するイン
バータ制御部である。なお、前述の実施の形態1と同様
の構成については、同一の符号を付してその説明を省略
する。また、上記空気調和機の基本動作についても前述
の実施の形態1と同様のためその説明を省略する。
ンバータ回路3と電圧検出部8と基準信号発生部9aと
比較部10とインバータ制御部11bと母線電圧検出部
18で、圧縮機制御装置を構成する。
bの構成を示す図である。図5において、21は比較部
8の出力する比較信号から圧縮機4内の回転子位置を認
識し、位置信号θを出力する位置検出部であり、22は
比較部8の出力する比較信号から圧縮機4の回転速度を
検出し、速度信号fを出力する速度検出部であり、23
は母線電圧検出部18の出力する母線電圧値と速度検出
部22の出力する速度信号をもとに、PWM(パルス幅
変調方式)デューティ比と基準信号の振幅変化量ΔVt
hとを生成/出力する演算部であり、24は演算部23
の出力するPWMデューティ比と位置検出部21の出力
する位置信号θをもとに、インバータ駆動信号と通電モ
ード情報とを生成/出力する駆動信号発生部である。
いて説明する。まず、母線電圧検出部18では、母線電
圧Vdcを受け取り、検出した母線電圧値をインバータ
制御部11bに対して出力する。また、基準信号発生部
9aでは、基準信号を得るために母線電圧値を受け取
る。
た圧縮機4のU相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,
Vwを随時受け取り、この誘起電圧と基準信号発生部9
aから出力された基準信号とを図3のように比較し、そ
の結果である比較信号をインバータ制御部11bに対し
て出力する。
比較信号と母線電圧値に基づいて、インバータ駆動信号
と通電モード情報とを生成し、当該インバータ駆動信号
をインバータ回路3内のスイッチング素子に対して出力
し、通電モード情報を基準信号発生部9aに対して出力
する。なお、インバータ制御部11b内部で計算された
PWMデューティ比が90%を超える場合には、後述す
る基準信号の振幅ΔVthを基準信号発生部9aに対し
て出力する。
に、インバータ制御部11bからの通電モード情報に基
づいて、通電モードが奇数のときに方形波High、通
電モードが偶数のときに方形波Lowとなるように、方
形波の交流電圧パターンを作成する。そして、基準信号
発生部9aでは、この方形波と電圧Vdc/2とを重畳
し、基準信号を生成する。なお、上記インバータ制御部
11bから振幅ΔVthを受け取った場合には、振幅Δ
Vthの基準信号を生成する。
起電圧とを比較し、前述の実施の形態と同様の処理で比
較信号を生成し、当該比較信号をインバータ制御部11
bに対して出力する。
ついて説明する。まず、位置検出部21では、比較部7
から得られる比較信号に基づいて、圧縮機4の回転子の
現在位置を確定し、駆動信号発生部24に対して位置信
号θを出力する。また、速度検出部22では、比較部7
から得られる比較信号に基づいて、圧縮機回転速度fを
算出し、演算部23に対して圧縮機回転速度を出力す
る。
得られた母線電圧値と圧縮機回転速度fに基づいて、目
標の圧縮機回転速度を実現するために必要な印加電圧を
算出する。そして、算出された必要電圧からPWMデュ
ーティ比を計算し、駆動信号発生手段24に対して出力
する。ただし、計算されたPWMデューティ比が90%
を超えていた場合には、当該PWMデューティ比に応じ
てあらかじめ設定しておいた基準信号の振幅ΔVth
を、基準信号発生部9aに対して出力する。
信号θとPWMデューティ比に基づいて駆動信号を生成
し、インバータ回路3に対して出力する。また、同時
に、通電モード情報を生成し、基準信号発生部9aに対
して出力する。
記インバータ回路の出力電圧を制御するインバータ制御
部11bがパルス幅変調方式(PWM)を採用する場合
に、PWMデューティ比に応じて基準信号の振幅を変化
させる構成としたため、PWMデューティ比に対する最
適なタイミングで転流が行える。これにより、圧縮機の
高回転化および高効率化を実現でき、さらには空気調和
機の能力を改善することができる。
ューティ比を用いて振幅ΔVthを定めているが、PW
Mデューティ比の代わりに、たとえば、インバータ回路
3の出力周波数、圧縮機4の回転速度、インバータ回路
3の入力電流、または空気調和機の入力電流を用いて、
振幅ΔVthを定めることとしてもよい。
バータの出力周波数、DCブラシレスモータの回転速
度、インバータの入力電流、または空気調和機の入力電
流が、所定値以上となった場合に、上記基準信号の振幅
を変化させることとしてもよい。
タの出力周波数、DCブラシレスモータの回転速度、イ
ンバータの入力電流、または空気調和機の入力電流が、
所定値以上となった場合に、たとえば、電圧値Vdc/
2に対応する基準信号から、上記方形波の基準信号に変
更することとしてもよい。
縮機制御装置を持つ空気調和機の、実施の形態3の構成
を示す図である。図6において、8aは圧縮機4の巻線
U相,V相,W相の端子電圧を合成した合成電圧VUVW
を検出する電圧検出部であり、10aは基準信号と合成
電圧VUVWとを比較して比較信号を得る比較部である。
なお、前述の実施の形態1と同様の構成については、同
一の符号を付してその説明を省略する。また、上記空気
調和機の基本動作についても前述の実施の形態1および
2と同様のためその説明を省略する。
ンバータ回路3と電圧検出部8aと基準信号発生部9a
と比較部10aとインバータ制御部11aで、圧縮機制
御装置を構成する。
について説明する。まず、誘起電圧の検出方法について
説明する。図7は、U相,V相,W相の端子電圧とその
合成電圧VUVWとの関係を示す図である。電圧検出部8
aでは、圧縮機4のU相,V相,W相の端子電圧Vu,
Vv,Vwを随時受け取る。そして、本実施の形態にお
いては、ここでU相,V相,W相の端子電圧を一つの波
形に合成する。その合成波形が図示の合成電圧VUVWに
相当する。端子電圧Vu,Vv,Vwと合成電圧VUVW
を比較すると、端子電圧Vu,Vv,Vwに現れている
誘起電圧波形が、合成電圧VUVWにも現れており、この
合成電圧VUVWを用いた場合においても、前述同様、誘
起電圧を観測できることがわかる。
較方法について説明する。図8は、基準信号と合成電圧
VUVWのゼロクロスポイントを示す図である。比較部1
0aでは、合成電圧VUVWと基準信号発生部9aから出
力された基準信号とを図8のように比較する。ここで
は、端子電圧Vu,Vv,Vwに現れる誘起電圧が、合
成電圧VUVWにも同様に現れていることから、基準信号
とのゼロクロスポイントを位置検出タイミングとするこ
とができる。また、比較信号は、前述同様、ゼロクロス
ポイントでHigh−Lowが逆転するようになってい
る。
述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さ
らに、圧縮機4のU相,V相,W相の端子電圧Vu,V
v,Vwを合成電圧VUVWに合成する構成としたため、
回路素子数が抑えられ、低コスト化が実現できる。
成に電圧検出部8aおよび比較部10aを適用した場合
について説明したが、これに限らず、本実施の形態の特
徴となる電圧検出部8aおよび比較部10aについて
は、実施の形態2の構成にも適用可能である。この場
合、実施の形態2の電圧検出部8と本実施の形態の電圧
検出部8aを置き換え、さらに、実施の形態2の比較部
10と本実施の形態の比較部10aを置き換える。
縮機制御装置を持つ空気調和機の、実施の形態4の構成
を示す図である。図9において、9bはVdc/2より
高い一定電圧値をもつ第1の基準信号とVdc/2より
低い一定電圧値をもつ第2の基準信号とを生成する基準
信号発生部であり、10bは前記第1および第2の基準
信号と合成電圧VUVWとを比較して比較信号を得る比較
部である。なお、前述の実施の形態1、2または3と同
様の構成については、同一の符号を付してその説明を省
略する。また、上記空気調和機の基本動作についても前
述の実施の形態1と同様のためその説明を省略する。ま
た、本実施の形態の特徴的な構成については、前述のす
べての実施の形態に適用可能である。
ンバータ回路3と電圧検出部8aと基準信号発生部9b
と比較部10aとインバータ制御部11aで、圧縮機制
御装置を構成する。
について説明する。ここでは、前述の実施の形態1〜3
と異なる基準信号について説明する。図10は、第1お
よび第2の基準信号と合成電圧VUVWとの関係を示す図
である。基準信号発生部9bでは、基準信号として、前
述までの実施の形態の方形波の代わりに、第1および第
2の基準信号を作成する。第1と第2の基準電圧は、母
線電圧の2分の1(Vdc/2)に対応する電圧値から
等電位だけ高低に異なった値をもつ。すなわち、基準信
号発生部9bでは、電圧値Vdc/2よりΔvthだけ
高い第1の基準信号と、電圧値Vdc/2よりΔvth
だけ低い第2の基準信号を生成する。
にて合成された合成電圧VUVWと、上記第1および第2
の基準信号と、を比較し、比較信号を出力する。ただ
し、比較信号は、合成電圧VUVWに現れるU相,V相,
W相の巻線の誘起電圧と、第1および第2の基準信号
と、が最初に交差する時点(ゼロクロスポイント)で、
High−Lowが逆転する。すなわち、誘起電圧が立
ち下がるときは第1の基準信号との交差する時点、立ち
上がるときは第2の基準信号との交差する時点、をゼロ
クロスポイントとする。
準信号を、前述までの方形波ではなく、電圧値Vdc/
2より高い電圧値の第1の基準信号および電圧値Vdc
/2より低い電圧値の第2の基準信号を用いたが、ここ
でも、誘起電圧と電圧値Vdc/2との交点よりも転流
タイミングを進めることができるため、実施の形態1〜
3と同様の効果を得ることができる。
ば、インバータ印加電圧の位相を、従来の基準信号(V
dc/2)と誘起電圧の交差する時点(ゼロクロスポイ
ント)より進める構成としたため、圧縮機の高速回転範
囲の拡大および運転効率の改善を実現することができ、
ひいては空気調和機の高性能化かつ高効率化を実現する
ことが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、とい
う効果を奏する。
線に発生する端子電圧を個別に検出する構成とした。こ
れにより、従来の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の
交差する時点よりも転流タイミングを進めることができ
るため、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さ
らには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機
制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
に応じて基準信号の振幅を変化させる構成とした。これ
により、PWMデューティ比に対する最適なタイミング
で転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転で
き、さらには空気調和機の能力を改善することが可能な
圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏す
る。
波数に応じて基準信号の振幅を変化させる構成とした。
これにより、インバータの出力周波数に対する最適なタ
イミングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率
に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善すること
が可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効
果を奏する。
応じて基準信号の振幅を変化させる構成とした。これに
より、圧縮機の回転速度に対する最適なタイミングで転
流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、
さらには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮
機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
力電流に応じて基準信号の振幅を変化させる構成とし
た。これにより、圧縮機駆動手段の入力電流に対する最
適なタイミングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ
高効率に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善す
ることが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、と
いう効果を奏する。
流に応じて基準信号の振幅を変化させる構成とした。こ
れにより、空気調和機の入力電流に対する最適なタイミ
ングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運
転でき、さらには空気調和機の能力を改善することが可
能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を
奏する。
めの条件が所定値以上となった場合に、前記基準信号の
振幅を変化させる構成とした。これにより、振幅を変化
させるための条件に対する最適なタイミングで転流が行
え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらに
は空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御
装置を得ることができる、という効果を奏する。
めの条件が所定値以上となった場合に、基準信号を、前
記母線電圧の1/2の電圧値から、方形波に切り替える
構成とした。これにより、最適なタイミングで転流が行
え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらに
は空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御
装置を得ることができる、という効果を奏する。
U相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを合成電
圧VUVWに合成する構成とした。これにより、回路素子
数を抑え、低コスト化を実現することが可能な圧縮機制
御装置を得ることができる、という効果を奏する。
ではなく、電圧値Vdc/2より高い電圧値の第1の基
準信号および電圧値Vdc/2より低い電圧値の第2の
基準信号とした。これにより、インバータ印加電圧の位
相を、従来の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差
する時点より進めることができるため、圧縮機の高速回
転範囲の拡大および運転効率の改善を実現することがで
き、ひいては空気調和機の高性能化かつ高効率化を実現
することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、
という効果を奏する。
和機の実施の形態1の構成を示す図である。
の関係を示す図である。
和機の実施の形態2の構成を示す図である。
和機の実施の形態3の構成を示す図である。
VUVWとの関係を示す図である。
ントを示す図である。
和機の実施の形態4の構成を示す図である。
UVWとの関係を示す図である。
る。
クロスポイントを示す図である。
路、4 圧縮機、5室外熱交換器、6 電磁膨張弁、7
室内熱交換器、8,8a 電圧検出部、9a、9b
基準信号発生部、10,10a,10b 比較部、11
a,11bインバータ制御部、18 母線電圧検出部、
21 位置検出部、22 速度検出部、23 演算部、
24 駆動信号発生部。
Claims (11)
- 【請求項1】 永久磁石を有する回転子と複数相の巻線
を有する固定子とを備えた圧縮機を駆動する圧縮機制御
装置において、 商用電源からの入力を直流電圧(母線電圧)に変換する
電圧変換手段と、 前記直流電圧を交流電圧に変換して前記圧縮機を駆動す
る圧縮機駆動手段と、 前記複数相の巻線に発生する電圧(端子電圧)を検出す
る電圧検出手段と、 前記母線電圧の1/2に対応する電圧値を中心とした振
幅を持つ方形波の基準信号を発生する基準信号発生手段
と、 前記圧縮機の回転位置を検出するために、前記検出した
端子電圧と前記基準信号とを比較する比較手段と、 前記比較結果として得られた比較信号に応じて、前記圧
縮機を駆動するための駆動信号を生成する制御手段と、 を備えることを特徴とする圧縮機制御装置。 - 【請求項2】 前記電圧検出手段は、前記圧縮機の複数
相の巻線に発生する端子電圧を個別に検出することを特
徴とする請求項1に記載の圧縮機制御装置。 - 【請求項3】 前記基準信号発生手段は、前記制御手段
がパルス幅変調方式を採用する場合、PWMデューティ
比(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信号の
振幅を変化させることを特徴とする請求項1または2に
記載の圧縮機制御装置。 - 【請求項4】 前記基準信号発生手段は、前記インバー
タの出力周波数(振幅を変化させるための条件)に応じ
て基準信号の振幅を変化させることを特徴とする請求項
1または2に記載の圧縮機制御装置。 - 【請求項5】 前記比較信号に基づいて前記圧縮機の回
転速度を検出する場合、前記基準信号発生手段は、当該
圧縮機の回転速度(振幅を変化させるための条件)に応
じて基準信号の振幅を変化させることを特徴とする請求
項1または2に記載の圧縮機制御装置。 - 【請求項6】 前記圧縮機駆動手段の入力電流を検出す
る場合、前記基準信号発生手段は、前記圧縮機駆動手段
の入力電流(振幅を変化させるための条件)に応じて基
準信号の振幅を変化させることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の圧縮機制御装置。 - 【請求項7】 空気調和機の入力電流を検出する場合、
前記基準信号発生手段は、前記空気調和機の入力電流
(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信号の振
幅を変化させることを特徴とする請求項1または2に記
載の圧縮機制御装置。 - 【請求項8】 前記基準信号発生手段は、前記振幅を変
化させるための条件が所定値以上となった場合に、前記
基準信号の振幅を変化させることを特徴とする請求項3
〜7のいずれか一項に記載の圧縮機制御装置。 - 【請求項9】 前記基準信号発生手段は、前記振幅を変
化させるための条件が所定値以上となった場合に、基準
信号を、前記母線電圧の1/2の電圧値から、前記方形
波に切り替えることを特徴とする請求項3〜7のいずれ
か一項に記載の圧縮機制御装置。 - 【請求項10】 前記電圧検出手段は、前記圧縮機の複
数相の巻線に発生する端子電圧を合成し、当該合成電圧
を検出することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一
項に記載の圧縮機制御装置。 - 【請求項11】 前記基準信号を、前記母線電圧の1/
2より高い一定の電圧値からなる第1の基準信号と、前
記母線電圧の1/2より低い一定の電圧値からなる第2
の基準信号と、で構成することを特徴とする請求項1〜
10のいずれか一項に記載の圧縮機制御装置。
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