JP3650012B2 - 圧縮機制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機に用いられる圧縮機制御装置に関するものであり、特に、永久磁石を有する回転子と複数相の巻線を有する固定子とを備える圧縮機を、前記複数相の巻線に発生する端子電圧に基づく比較信号により駆動する圧縮機制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の圧縮機制御装置について説明する。図11は、インバータ制御装置を搭載した、従来の冷凍サイクルの圧縮機制御装置の構成を示す図である。図11において、1は商用電源であり、2は商用電源1を直流電圧(母線電圧Vdc)に変換するコンバータ回路(交流直流変換器)であり、3は直流を交流に変換するインバータ回路(直流交流変換器)であり、4は、回転子およびU相,V相,W相の巻線を持つ固定子を備えたDCブラシレスモータ、および圧縮要素、で構成され、この構成を用いて冷凍サイクル(冷媒を加圧し循環させる処理)を実行する圧縮機であり、5は冷媒と室外空気の熱交換を行う室外熱交換器であり、6は冷媒の絞り量を調整する電磁膨張弁であり、7は冷媒と室内空気の熱交換を行う室内熱交換器であり、8は圧縮機4の巻線U相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを検出する電圧検出部であり、9は母線電圧Vdcの2分の1(Vdc/2)に対応する電圧値である基準信号を生成する基準信号発生部であり、10は基準信号と端子電圧Vu,Vv,Vwとを比較して比較信号を得る比較部であり、11は比較信号をもとに圧縮機の回転速度を算出してインバータ駆動信号を出力するインバータ制御部である。
【0003】
つぎに、上記圧縮機制御装置の動作について説明する。まず、コンバータ回路2が、商用電源1から得られる交流電圧を直流電圧(母線電圧Vdc)に変換する。つぎに、インバータ回路3が、インバータ制御部11からのインバータ駆動信号にしたがって、コンバータ回路2の出力する母線電圧Vdcから任意電圧を出力し、圧縮機4を運転する。
【0004】
圧縮機4の運転が開始されると、冷媒が高温高圧に圧縮され、配管を通って室外熱交換器5を流れる。ここで、室外熱交換器5が、室外空気との熱交換を行い、冷媒を冷却する。つぎに、冷却された冷媒は、電磁膨張弁6で絞られ、さらに、低圧となって室内熱交換器7に流れ、ここで、室内熱交換器7が、室内空気との熱交換を行い、室内空気を冷却する。
【0005】
つぎに、圧縮機4の回転位置検出方法について説明する。図12は、基準信号(Vdc/2)と誘起電圧のゼロクロスポイントを示す図である。比較部10には、電圧検出部8で検出された圧縮機4のU相,V相,W相の各相端子電圧が随時入力される。そして、図12に示すように、この端子電圧に現れるU相、V相、W相の巻線の誘起電圧と基準信号(Vdc/2)とを比較する。この基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差する時点をゼロクロスポイントといい、ゼロクロスポイントは、圧縮機回転子の回転位置と対応している。そのため、ゼロクロスポイントを回転位置検出タイミングとして利用でき、このゼロクロスポイントで比較部10の出力する比較信号のレベルが変化する。インバータ制御部11では、この比較信号のレベル変化により、圧縮機4の回転位置を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、従来の圧縮機制御装置においては、以下に示すような問題点があった。
【0007】
たとえば、DCブラシレスモータを備えた圧縮機の特性として、印加する電圧によって回転速度が一義的に定まるため、圧縮機の回転数は、母線電圧Vdcと、インバータ回路の出力する印加電圧のPWMデューティ比と、圧縮負荷トルクによって定まる。また、空気調和機の母線電圧Vdcは、商用電源電圧および素子の耐圧等により上限が定まるため、PWMデューティ比が飽和した場合には、それ以上圧縮機の回転速度を上昇させることはできない。
【0008】
圧縮機の中には、高効率かつ高回転で駆動するために、インバータ印加電圧位相を圧縮機の誘起電圧位相より進めた位置で通電することが必要な圧縮機が存在する。しかしながら、圧縮機の回転位置は、図12に示すとおりに、巻線に通電が行われていない通電休止区間内に現れるU相、V相、W相の誘起電圧を観測し、そのゼロクロスポイントから判断されため、この方法では、ゼロクロスポイントよりも転流タイミングを早めることができない、という問題があった。
【0009】
また、ゼロクロスポイントが通電休止区間外に存在するときは、圧縮機の回転位置を検出できないため、ゼロクロスポイントは、常に通電休止区間内に存在しなければならない。そのため、インバータ印加電圧位相を、ゼロクロスポイントを超えて進めることができない、という問題があった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、インバータ印加電圧位相をゼロクロスポイントより進めることよって圧縮機の高効率運転および高回転を実現するとともに、最大能力を向上させることが可能な圧縮機制御回路を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる圧縮機制御装置にあっては、永久磁石を有する回転子と複数相の巻線を有する固定子とを備えた圧縮機を駆動する構成として、たとえば、商用電源からの入力を直流電圧(母線電圧)に変換する電圧変換手段(後述する実施の形態のコンバータ回路2に相当)と、前記直流電圧を交流電圧に変換して前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動手段(インバータ回路3に相当)と、前記複数相の巻線に発生する電圧(端子電圧)を検出する電圧検出手段(電圧検出部8に相当)と、前記母線電圧の1/2に対応する電圧値を中心とした振幅を持つ方形波の基準信号を発生する基準信号発生手段(基準信号発生部9aに相当)と、前記圧縮機の回転位置を検出するために、前記検出した端子電圧と前記基準信号とを比較する比較手段(比較部10に相当)と、前記比較結果として得られた比較信号に応じて、前記圧縮機を駆動するための駆動信号を生成する制御手段(インバータ制御部11aに相当)と、を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、インバータ印加電圧の位相を、従来の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差する時点(ゼロクロスポイント)より進めることができる。
【0013】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置において、前記電圧検出手段は、前記圧縮機の複数相の巻線に発生する端子電圧を個別に検出することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、圧縮機の複数相の巻線に発生する端子電圧を個別に検出し、従来の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差する時点よりも転流タイミングを進める。
【0015】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置において、前記基準信号発生手段は、前記制御手段がパルス幅変調方式を採用する場合、PWMデューティ比(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信号の振幅を変化させることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、PWMデューティ比に応じて基準信号の振幅を変化させることで、PWMデューティ比に対する最適なタイミングで転流を行う。
【0017】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置において、前記基準信号発生手段は、前記インバータの出力周波数(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信号の振幅を変化させることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、インバータの出力周波数に応じて基準信号の振幅を変化させることで、インバータの出力周波数に対する最適なタイミングで転流を行う。
【0019】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置において、前記比較信号に基づいて前記圧縮機の回転速度を検出する場合、前記基準信号発生手段は、当該圧縮機の回転速度(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信号の振幅を変化させることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、圧縮機の回転速度に応じて基準信号の振幅を変化させることで、圧縮機の回転速度に対する最適なタイミングで転流を行う。
【0021】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置において、前記圧縮機駆動手段の入力電流を検出する場合、前記基準信号発生手段は、前記圧縮機駆動手段の入力電流(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信号の振幅を変化させることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、圧縮機駆動手段の入力電流に応じて基準信号の振幅を変化させることで、圧縮機駆動手段の入力電流に対する最適なタイミングで転流を行う。
【0023】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置において、空気調和機の入力電流を検出する場合、前記基準信号発生手段は、前記空気調和機の入力電流(振幅を変化させるための条件)に応じて基準信号の振幅を変化させることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、空気調和機の入力電流に応じて基準信号の振幅を変化させることで、空気調和機の入力電流に対する最適なタイミングで転流を行う。
【0025】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置において、前記基準信号発生手段は、前記振幅を変化させるための条件が所定値以上となった場合に、前記基準信号の振幅を変化させることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、振幅を変化させるための条件が所定値以上となった場合に基準信号の振幅を変化させることで、振幅を変化させるための条件に対する最適なタイミングで転流を行う。
【0027】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置において、前記基準信号発生手段は、前記振幅を変化させるための条件が所定値以上となった場合に、基準信号を、前記母線電圧の1/2の電圧値から、前記方形波に切り替えることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、振幅を変化させるための条件が所定値以上となった場合に、基準信号を、前記母線電圧の1/2の電圧値から前記方形波に切り替えることにより、最適なタイミングで転流を行う。
【0029】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置において、前記電圧検出手段(電圧検出部8aに相当)は、前記圧縮機の複数相の巻線に発生する端子電圧を合成し、当該合成電圧を検出することを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、たとえば、圧縮機のU相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを合成電圧VUVWに合成することで、回路素子数を抑える。
【0031】
つぎの発明にかかる圧縮機制御装置にあっては、前記基準信号を、前記母線電圧の1/2より高い一定の電圧値からなる第1の基準信号と、前記母線電圧の1/2より低い一定の電圧値からなる第2の基準信号と、で構成することを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、基準信号を、方形波ではなく、電圧値Vdc/2より高い電圧値の第1の基準信号および電圧値Vdc/2より低い電圧値の第2の基準信号とすることで、インバータ印加電圧の位相を従来の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差する時点より進める。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる圧縮機制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0034】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる圧縮機制御装置を持つ空気調和機の、実施の形態1の構成を示す図である。図1において、1は商用電源であり、2は商用電源1を直流電圧(母線電圧Vdc)に変換するコンバータ回路(交流直流変換器)であり、3は直流を交流に変換するインバータ回路(直流交流変換器)であり、4は、回転子およびU相,V相,W相の巻線を持つ固定子を備えたDCブラシレスモータ、および圧縮要素、で構成され、この構成を用いて冷凍サイクル(冷媒を加圧し循環させる処理)を実行する圧縮機であり、5は冷媒と室外空気の熱交換を行う室外熱交換器であり、6は冷媒の絞り量を調整する電磁膨張弁であり、7は冷媒と室内空気の熱交換を行う室内熱交換器であり、8は圧縮機4の巻線U相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを検出する電圧検出部であり、9aは内部で生成した方形波と母線電圧の2分の1(Vdc/2)に対応する電圧とを重畳して基準信号を生成する基準信号発生部であり、10は基準信号と端子電圧Vu,Vv,Vwとを比較して比較信号を得る比較部であり、11aは比較信号をもとに圧縮機の回転速度を算出してインバータ駆動信号を出力し、さらに基準信号発生部9aに通電モード情報と基準信号振幅ΔVthとを出力するインバータ制御部である。
【0035】
本実施の形態では、コンバータ回路2とインバータ回路3と電圧検出部8と基準信号発生部9aと比較部10とインバータ制御部11aで、圧縮機制御装置を構成する。
【0036】
また、上記インバータ回路3において、12,13,14は上アームスイッチング素子であり、13,14,15は下アームスイッチング素子である。
【0037】
つぎに、上記空気調和機の基本動作について説明する。まず、コンバータ回路2が、商用電源1から得られる交流電圧を直流電圧(母線電圧Vdc)に変換する。つぎに、インバータ回路3が、制御部11aからのインバータ駆動信号にしたがって、コンバータ回路2の出力する母線電圧Vdcから任意電圧を出力し、圧縮機4を運転する。圧縮機4が運転されると、冷媒が高温高圧に圧縮され、配管を通って室外熱交換器5を流れる。ここで、室外熱交換器5が、室外空気との熱交換を行い、冷媒を冷却する。つぎに、冷却された冷媒は、電磁膨張弁6で絞られさらに、低圧となって室内熱交換器7に流れ、ここで、室内熱交換器7が、室内空気との熱交換を行い、室内空気を冷却する。
【0038】
つぎに、圧縮機4の回転位置検出方法について説明する。図1中のインバータ制御部11aでは、インバータ回路3に対してインバータ駆動信号を出力すると同時に、基準信号発生部9aに対して通電モード情報を出力する。通電モード情報とは、インバータ回路3から圧縮機4内のU相,V相,W相の各相巻線にどのような交流電流が出力されているかを表すものである。
【0039】
ここで、上記通電モード情報について説明する。図2は、U相,V相,W相の端子電圧と通電モードとの関係を示す図である。たとえば、3相DCブラシレスモータの場合、上アームスイッチング素子12〜14のいずれか1つがオンするとともに、下アームスイッチング素子15〜17の上アームスイッチング素子とは異なる相の1つがオンをする。そして、各スイッチング素子12〜17が、120 [deg]オン→240[deg]オフのオンオフ周期で制御される。これにより、圧縮機4の巻線U相,V相,W相が、互いに120[deg]の位相差をもって順次繰り返し通電/駆動され、図2に示したような端子電圧波形が現れる。すなわち、1周期360[deg] 内に60[deg]毎に異なった6つの通電モードがあることになる。
【0040】
つぎに、基準信号発生部9aでは、インバータ制御部11aからの通電モード情報に基づいて、図2に示すように、通電モードが奇数の時は方形波High、通電モードが偶数の時は方形波Lowとなるように、方形波の交流電圧パターンが作成される。この方形波は、誘起電圧が立ち上がるときにLowレベル、立ち下がるときにHighレベル、となるように作成される。次にこの方形波を用いて作成された基準信号について図3を用いて説明する。
【0041】
図3は、基準信号と端子電圧波形とを示す図である。基準信号発生部9aでは、作成した方形波の交流電圧パターンを、母線電圧の2分の1(Vdc/2)に対応する電圧と重畳し、方形波の振幅の中心値が母線電圧の2分の1(Vdc/2)に対応する電圧になるように、基準信号を生成する。
【0042】
比較部10では、電圧検出部8で検出された圧縮機4のU相,V相,W相の端子電圧を随時受け取り、この誘起電圧と基準信号とを、図3のように比較する。ここでは、この端子電圧に現れるU相,V相,W相の巻線の誘起電圧と基準信号とが交差する時点(ゼロクロスポイント)で、比較信号のHigh−Lowが逆転する。その結果、従来のように母線電圧の1/2(Vdc/2)に対応する基準信号で誘起電圧と比較した場合よりも、本実施の形態のように方形波の基準信号を用いて比較した方が、ゼロクロスポイントが時間的にΔtだけ早いことがわかる(図3の拡大図参照)。このゼロクロスポイントは、圧縮機回転子の回転位置と対応した位置検出タイミングであるため、比較部10では、このタイミングに基づいて生成された比較信号を、インバータ制御部11aに対して出力する。
【0043】
また、図3の拡大図から、基準信号振幅ΔVthを制御することによって、Δtを制御できることもわかる。そこで、本実施の形態においては、インバータ制御部11aが、圧縮機4の回転速度に応じて運転効率が最大となるように、あらかじめ記憶している基準信号振幅ΔVthを、基準信号発生部9aに対して出力し、Δtを制御する。
【0044】
このように、本実施の形態の圧縮機制御装置では、図3のように、基準信号を方形波にすることにより、誘起電圧とVdc/2との交点よりもΔtだけゼロクロスポイントを進めることができ、この進んだ時間分だけ、転流開始タイミングを進めることができる。また、基準信号の振幅ΔVthを変化させることで、より広い範囲でゼロクロスポイントを制御することができる。すなわち、図3中のa点−b点の間であれば、自由にゼロクロスポイントを制御することができる。
【0045】
したがって、本実施の形態の圧縮機制御装置では、誘起電圧とVdc/2との交点より位相を進めたインバータ印加電圧を、圧縮機4の固定子に印加できる。
【0046】
その結果、圧縮機4では、巻線に流れる電流の位相がすすみ、同時に固定子が発生する磁束も進み位相となり、さらに、磁束の進み成分が回転子の永久磁石の磁束を弱めるように作用し、固定子巻線に誘起される誘起電圧が減少する。そして、誘起電圧が減少した分だけ、トルクを発生するために用いられる電圧が増加し、回転速度が加速することとなる。
【0047】
このように、本実施の形態においては、インバータ印加電圧位相を従来のゼロクロスポイントより進める構成としたため、圧縮機の高速回転範囲の拡大および運転効率の改善を実現でき、ひいては空気調和機の高性能化かつ高効率化を実現できる。
【0048】
実施の形態2.
図4は、本発明にかかる圧縮機制御装置を持つ空気調和機の、実施の形態2の構成を示す図である。図4において、18は、母線電圧Vdcの電圧値を検出し、後述するインバータ制御部11bへ母線電圧値を出力する母線電圧検出部であり、11bは、比較信号から算出された圧縮機回転速度と母線電圧検出部18から得られた母線電圧値からインバータ駆動信号を出力し、それと同時に、基準信号発生部9aに通電モード情報と基準信号振幅ΔVthとを出力するインバータ制御部である。なお、前述の実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、上記空気調和機の基本動作についても前述の実施の形態1と同様のためその説明を省略する。
【0049】
本実施の形態では、コンバータ回路2とインバータ回路3と電圧検出部8と基準信号発生部9aと比較部10とインバータ制御部11bと母線電圧検出部18で、圧縮機制御装置を構成する。
【0050】
また、図5は、上記インバータ制御部11bの構成を示す図である。図5において、21は比較部8の出力する比較信号から圧縮機4内の回転子位置を認識し、位置信号θを出力する位置検出部であり、22は比較部8の出力する比較信号から圧縮機4の回転速度を検出し、速度信号fを出力する速度検出部であり、23は母線電圧検出部18の出力する母線電圧値と速度検出部22の出力する速度信号をもとに、PWM(パルス幅変調方式)デューティ比と基準信号の振幅変化量ΔVthとを生成/出力する演算部であり、24は演算部23の出力するPWMデューティ比と位置検出部21の出力する位置信号θをもとに、インバータ駆動信号と通電モード情報とを生成/出力する駆動信号発生部である。
【0051】
つぎに、圧縮機4の回転位置検出方法について説明する。まず、母線電圧検出部18では、母線電圧Vdcを受け取り、検出した母線電圧値をインバータ制御部11bに対して出力する。また、基準信号発生部9aでは、基準信号を得るために母線電圧値を受け取る。
【0052】
比較部10では、電圧検出部8で検出された圧縮機4のU相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを随時受け取り、この誘起電圧と基準信号発生部9aから出力された基準信号とを図3のように比較し、その結果である比較信号をインバータ制御部11bに対して出力する。
【0053】
インバータ制御部11bでは、受け取った比較信号と母線電圧値に基づいて、インバータ駆動信号と通電モード情報とを生成し、当該インバータ駆動信号をインバータ回路3内のスイッチング素子に対して出力し、通電モード情報を基準信号発生部9aに対して出力する。なお、インバータ制御部11b内部で計算されたPWMデューティ比が90%を超える場合には、後述する基準信号の振幅ΔVthを基準信号発生部9aに対して出力する。
【0054】
基準信号発生部9aでは、図2に示すように、インバータ制御部11bからの通電モード情報に基づいて、通電モードが奇数のときに方形波High、通電モードが偶数のときに方形波Lowとなるように、方形波の交流電圧パターンを作成する。そして、基準信号発生部9aでは、この方形波と電圧Vdc/2とを重畳し、基準信号を生成する。なお、上記インバータ制御部11bから振幅ΔVthを受け取った場合には、振幅ΔVthの基準信号を生成する。
【0055】
比較部10では、受け取った基準信号と誘起電圧とを比較し、前述の実施の形態と同様の処理で比較信号を生成し、当該比較信号をインバータ制御部11bに対して出力する。
【0056】
つぎに、インバータ制御部11bの動作について説明する。まず、位置検出部21では、比較部10から得られる比較信号に基づいて、圧縮機4の回転子の現在位置を確定し、駆動信号発生部24に対して位置信号θを出力する。また、速度検出部22では、比較部10から得られる比較信号に基づいて、圧縮機回転速度fを算出し、演算部23に対して圧縮機回転速度を出力する。
【0057】
演算部23では、母線電圧検出部18から得られた母線電圧値と圧縮機回転速度fに基づいて、目標の圧縮機回転速度を実現するために必要な印加電圧を算出する。そして、算出された必要電圧からPWMデューティ比を計算し、駆動信号発生手段24に対して出力する。ただし、計算されたPWMデューティ比が90%を超えていた場合には、当該PWMデューティ比に応じてあらかじめ設定しておいた基準信号の振幅ΔVthを、基準信号発生部9aに対して出力する。
【0058】
駆動信号発生部24では、受け取った位置信号θとPWMデューティ比に基づいて駆動信号を生成し、インバータ回路3に対して出力する。また、同時に、通電モード情報を生成し、基準信号発生部9aに対して出力する。
【0059】
このように、本実施の形態においては、前記インバータ回路の出力電圧を制御するインバータ制御部11bがパルス幅変調方式(PWM)を採用する場合に、PWMデューティ比に応じて基準信号の振幅を変化させる構成としたため、PWMデューティ比に対する最適なタイミングで転流が行える。これにより、圧縮機の高回転化および高効率化を実現でき、さらには空気調和機の能力を改善することができる。
【0060】
なお、本実施の形態においては、PWMデューティ比を用いて振幅ΔVthを定めているが、PWMデューティ比の代わりに、たとえば、インバータ回路3の出力周波数、圧縮機4の回転速度、インバータ回路3の入力電流、または空気調和機の入力電流を用いて、振幅ΔVthを定めることとしてもよい。
【0061】
また、本実施の形態においては、上記インバータの出力周波数、DCブラシレスモータの回転速度、インバータの入力電流、または空気調和機の入力電流が、所定値以上となった場合に、上記基準信号の振幅を変化させることとしてもよい。
【0062】
また、上記PWMデューティ比、インバータの出力周波数、DCブラシレスモータの回転速度、インバータの入力電流、または空気調和機の入力電流が、所定値以上となった場合に、たとえば、電圧値Vdc/2に対応する基準信号から、上記方形波の基準信号に変更することとしてもよい。
【0063】
実施の形態3.
図6は、本発明にかかる圧縮機制御装置を持つ空気調和機の、実施の形態3の構成を示す図である。図6において、8aは圧縮機4の巻線U相,V相,W相の端子電圧を合成した合成電圧VUVWを検出する電圧検出部であり、10aは基準信号と合成電圧VUVWとを比較して比較信号を得る比較部である。なお、前述の実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、上記空気調和機の基本動作についても前述の実施の形態1および2と同様のためその説明を省略する。
【0064】
本実施の形態では、コンバータ回路2とインバータ回路3と電圧検出部8aと基準信号発生部9aと比較部10aとインバータ制御部11aで、圧縮機制御装置を構成する。
【0065】
以下、前述までの実施の形態と異なる部分について説明する。まず、誘起電圧の検出方法について説明する。図7は、U相,V相,W相の端子電圧とその合成電圧VUVWとの関係を示す図である。電圧検出部8aでは、圧縮機4のU相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを随時受け取る。そして、本実施の形態においては、ここでU相,V相,W相の端子電圧を一つの波形に合成する。その合成波形が図示の合成電圧VUVWに相当する。端子電圧Vu,Vv,Vwと合成電圧VUVWを比較すると、端子電圧Vu,Vv,Vwに現れている誘起電圧波形が、合成電圧VUVWにも現れており、この合成電圧VUVWを用いた場合においても、前述同様、誘起電圧を観測できることがわかる。
【0066】
つぎに、合成電圧VUVWと基準信号との比較方法について説明する。図8は、基準信号と合成電圧VUVWのゼロクロスポイントを示す図である。比較部10aでは、合成電圧VUVWと基準信号発生部9aから出力された基準信号とを図8のように比較する。ここでは、端子電圧Vu,Vv,Vwに現れる誘起電圧が、合成電圧VUVWにも同様に現れていることから、基準信号とのゼロクロスポイントを位置検出タイミングとすることができる。また、比較信号は、前述同様、ゼロクロスポイントでHigh−Lowが逆転するようになっている。
【0067】
このように、本実施の形態においては、前述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、圧縮機4のU相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを合成電圧VUVWに合成する構成としたため、回路素子数が抑えられ、低コスト化が実現できる。
【0068】
なお、上記の説明では、実施の形態1の構成に電圧検出部8aおよび比較部10aを適用した場合について説明したが、これに限らず、本実施の形態の特徴となる電圧検出部8aおよび比較部10aについては、実施の形態2の構成にも適用可能である。この場合、実施の形態2の電圧検出部8と本実施の形態の電圧検出部8aを置き換え、さらに、実施の形態2の比較部10と本実施の形態の比較部10aを置き換える。
【0069】
実施の形態4.
図9は、本発明にかかる圧縮機制御装置を持つ空気調和機の、実施の形態4の構成を示す図である。図9において、9bはVdc/2より高い一定電圧値をもつ第1の基準信号とVdc/2より低い一定電圧値をもつ第2の基準信号とを生成する基準信号発生部であり、10bは前記第1および第2の基準信号と合成電圧VUVWとを比較して比較信号を得る比較部である。なお、前述の実施の形態1、2または3と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、上記空気調和機の基本動作についても前述の実施の形態1と同様のためその説明を省略する。また、本実施の形態の特徴的な構成については、前述のすべての実施の形態に適用可能である。
【0070】
本実施の形態では、コンバータ回路2とインバータ回路3と電圧検出部8aと基準信号発生部9bと比較部10aとインバータ制御部11aで、圧縮機制御装置を構成する。
【0071】
以下、前述までの実施の形態と異なる部分について説明する。ここでは、前述の実施の形態1〜3と異なる基準信号について説明する。図10は、第1および第2の基準信号と合成電圧VUVWとの関係を示す図である。基準信号発生部9bでは、基準信号として、前述までの実施の形態の方形波の代わりに、第1および第2の基準信号を作成する。第1と第2の基準電圧は、母線電圧の2分の1(Vdc/2)に対応する電圧値から等電位だけ高低に異なった値をもつ。すなわち、基準信号発生部9bでは、電圧値Vdc/2よりΔvthだけ高い第1の基準信号と、電圧値Vdc/2よりΔvthだけ低い第2の基準信号を生成する。
【0072】
また、比較部10bでは、電圧検出部8aにて合成された合成電圧VUVWと、上記第1および第2の基準信号と、を比較し、比較信号を出力する。ただし、比較信号は、合成電圧VUVWに現れるU相,V相,W相の巻線の誘起電圧と、第1および第2の基準信号と、が最初に交差する時点(ゼロクロスポイント)で、High−Lowが逆転する。すなわち、誘起電圧が立ち下がるときは第1の基準信号との交差する時点、立ち上がるときは第2の基準信号との交差する時点、をゼロクロスポイントとする。
【0073】
このように、本実施の形態においては、基準信号を、前述までの方形波ではなく、電圧値Vdc/2より高い電圧値の第1の基準信号および電圧値Vdc/2より低い電圧値の第2の基準信号を用いたが、ここでも、誘起電圧と電圧値Vdc/2との交点よりも転流タイミングを進めることができるため、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、インバータ印加電圧の位相を、従来の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差する時点(ゼロクロスポイント)より進める構成としたため、圧縮機の高速回転範囲の拡大および運転効率の改善を実現することができ、ひいては空気調和機の高性能化かつ高効率化を実現することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0075】
つぎの発明によれば、圧縮機の複数相の巻線に発生する端子電圧を個別に検出する構成とした。これにより、従来の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差する時点よりも転流タイミングを進めることができるため、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0076】
つぎの発明によれば、PWMデューティ比に応じて基準信号の振幅を変化させる構成とした。これにより、PWMデューティ比に対する最適なタイミングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0077】
つぎの発明によれば、インバータの出力周波数に応じて基準信号の振幅を変化させる構成とした。これにより、インバータの出力周波数に対する最適なタイミングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0078】
つぎの発明によれば、圧縮機の回転速度に応じて基準信号の振幅を変化させる構成とした。これにより、圧縮機の回転速度に対する最適なタイミングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0079】
つぎの発明によれば、圧縮機駆動手段の入力電流に応じて基準信号の振幅を変化させる構成とした。これにより、圧縮機駆動手段の入力電流に対する最適なタイミングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0080】
つぎの発明によれば、空気調和機の入力電流に応じて基準信号の振幅を変化させる構成とした。これにより、空気調和機の入力電流に対する最適なタイミングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0081】
つぎの発明によれば、振幅を変化させるための条件が所定値以上となった場合に、前記基準信号の振幅を変化させる構成とした。これにより、振幅を変化させるための条件に対する最適なタイミングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0082】
つぎの発明によれば、振幅を変化させるための条件が所定値以上となった場合に、基準信号を、前記母線電圧の1/2の電圧値から、方形波に切り替える構成とした。これにより、最適なタイミングで転流が行え、圧縮機をより高回転かつ高効率に運転でき、さらには空気調和機の能力を改善することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0083】
つぎの発明によれば、たとえば、圧縮機のU相,V相,W相の端子電圧Vu,Vv,Vwを合成電圧VUVWに合成する構成とした。これにより、回路素子数を抑え、低コスト化を実現することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0084】
つぎの発明によれば、基準信号を、方形波ではなく、電圧値Vdc/2より高い電圧値の第1の基準信号および電圧値Vdc/2より低い電圧値の第2の基準信号とした。これにより、インバータ印加電圧の位相を、従来の基準信号(Vdc/2)と誘起電圧の交差する時点より進めることができるため、圧縮機の高速回転範囲の拡大および運転効率の改善を実現することができ、ひいては空気調和機の高性能化かつ高効率化を実現することが可能な圧縮機制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる圧縮機制御装置を持つ空気調和機の実施の形態1の構成を示す図である。
【図2】 U相,V相,W相の端子電圧と通電モードとの関係を示す図である。
【図3】 基準信号と端子電圧波形とを示す図である。
【図4】 本発明にかかる圧縮機制御装置を持つ空気調和機の実施の形態2の構成を示す図である。
【図5】 インバータ制御部の構成を示す図である。
【図6】 本発明にかかる圧縮機制御装置を持つ空気調和機の実施の形態3の構成を示す図である。
【図7】 U相,V相,W相の端子電圧とその合成電圧VUVWとの関係を示す図である。
【図8】 基準信号と合成電圧VUVWのゼロクロスポイントを示す図である。
【図9】 本発明にかかる圧縮機制御装置を持つ空気調和機の実施の形態4の構成を示す図である。
【図10】 第1および第2の基準信号と合成電圧VUVWとの関係を示す図である。
【図11】 従来の圧縮機制御装置の構成を示す図である。
【図12】 基準信号(Vdc/2)と誘起電圧のゼロクロスポイントを示す図である。
【符号の説明】
1 商用電源、2 コンバータ回路、3 インバータ回路、4 圧縮機、5 室外熱交換器、6 電磁膨張弁、7 室内熱交換器、8,8a 電圧検出部、9a、9b 基準信号発生部、10,10a,10b 比較部、11a,11b インバータ制御部、18 母線電圧検出部、21 位置検出部、22 速度検出部、23 演算部、24 駆動信号発生部。
Claims (9)
- 永久磁石を有する回転子と複数相の巻線を有する固定子とを備えた圧縮機を駆動する圧縮機制御装置において、
商用電源からの入力を直流電圧(母線電圧)に変換する電圧変換手段と、
前記直流電圧を交流電圧に変換して前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動手段と、
前記複数相の巻線に発生する電圧(端子電圧)を検出する電圧検出手段と、
前記母線電圧の1/2に対応する電圧値を中心とした振幅を持つ方形波の基準信号を発生する基準信号発生手段と、
前記圧縮機の回転位置を検出するために、前記検出した端子電圧と前記基準信号とを比較する比較手段と、
前記比較結果として得られた比較信号に応じて、前記圧縮機を駆動するための駆動信号を生成する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、パルス幅変調方式を採用する場合において、そのPWMデューティ比(振幅を変化させるための条件)が特定値を越える場合、当該PWMデューティ比に応じて基準信号の振幅を変化させる制御を行い、
前記基準信号発生手段は、前記制御手段の制御により指定された振幅の、方形波の基準信号を生成することを特徴とする圧縮機制御装置。 - 永久磁石を有する回転子と複数相の巻線を有する固定子とを備えた圧縮機を駆動する圧縮機制御装置において、
商用電源からの入力を直流電圧(母線電圧)に変換する電圧変換手段と、
前記直流電圧を交流電圧に変換して前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動手段と、
前記複数相の巻線に発生する電圧(端子電圧)を検出する電圧検出手段と、
前記母線電圧の1/2に対応する電圧値を中心とした振幅を持つ方形波の基準信号を発生する基準信号発生手段と、
前記圧縮機の回転位置を検出するために、前記検出した端子電圧と前記基準信号とを比較する比較手段と、
前記比較結果として得られた比較信号に応じて、前記圧縮機を駆動するための駆動信号を生成する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記圧縮機駆動手段の出力周波数(振幅を変化させるための条件)が特定値を越える場合、当該圧縮機駆動手段の出力周波数に応じて基準信号の振幅を変化させる制御を行い、
前記基準信号発生手段は、前記制御手段の制御により指定された振幅の、方形波の基準信号を生成することを特徴とする圧縮機制御装置。 - 永久磁石を有する回転子と複数相の巻線を有する固定子とを備えた圧縮機を駆動する圧縮機制御装置において、
商用電源からの入力を直流電圧(母線電圧)に変換する電圧変換手段と、
前記直流電圧を交流電圧に変換して前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動手段と、
前記複数相の巻線に発生する電圧(端子電圧)を検出する電圧検出手段と、
前記母線電圧の1/2に対応する電圧値を中心とした振幅を持つ方形波の基準信号を発生する基準信号発生手段と、
前記圧縮機の回転位置を検出するために、前記検出した端子電圧と前記基準信号とを比較する比較手段と、
前記比較結果として得られた比較信号に応じて、前記圧縮機を駆動するための駆動信号を生成する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記比較信号に基づいて前記圧縮機の回転速度を検出する場合において、当該圧縮機の回転速度(振幅を変化させるための条件)が特定値を越える場合、当該圧縮機の回転速度に応じて基準信号の振幅を変化させる制御を行い、
前記基準信号発生手段は、前記制御手段の制御により指定された振幅の、方形波の基準信号を生成することを特徴とする圧縮機制御装置。 - 永久磁石を有する回転子と複数相の巻線を有する固定子とを備えた圧縮機を駆動する圧縮機制御装置において、
商用電源からの入力を直流電圧(母線電圧)に変換する電圧変換手段と、
前記直流電圧を交流電圧に変換して前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動手段と、
前記複数相の巻線に発生する電圧(端子電圧)を検出する電圧検出手段と、
前記母線電圧の1/2に対応する電圧値を中心とした振幅を持つ方形波の基準信号を発生する基準信号発生手段と、
前記圧縮機の回転位置を検出するために、前記検出した端子電圧と前記基準信号とを比較する比較手段と、
前記比較結果として得られた比較信号に応じて、前記圧縮機を駆動するための駆動信号を生成する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記圧縮機駆動手段の入力電流を検出する場合において、当該圧縮機駆動手段の入力電流(振幅を変化させるための条件)が特定値を越える場合、当該圧縮機駆動手段の入力電流に応じて基準信号の振幅を変化させる制御を行い、
前記基準信号発生手段は、前記制御手段の制御により指定された振幅の、方形波の基準信号を生成することを特徴とする圧縮機制御装置。 - 永久磁石を有する回転子と複数相の巻線を有する固定子とを備えた圧縮機を駆動する圧縮機制御装置において、
商用電源からの入力を直流電圧(母線電圧)に変換する電圧変換手段と、
前記直流電圧を交流電圧に変換して前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動手段と、
前記複数相の巻線に発生する電圧(端子電圧)を検出する電圧検出手段と、
前記母線電圧の1/2に対応する電圧値を中心とした振幅を持つ方形波の基準信号を発生する基準信号発生手段と、
前記圧縮機の回転位置を検出するために、前記検出した端子電圧と前記基準信号とを比較する比較手段と、
前記比較結果として得られた比較信号に応じて、前記圧縮機を駆動するための駆動信号を生成する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、空気調和機の入力電流を検出する場合において、当該空気調和機の入力電流(振幅を変化させるための条件)が特定値を越える場合、当該空気調和機の入力電流に応じて基準信号の振幅を変化させる制御を行い、
前記基準信号発生手段は、前記制御手段の制御により指定された振幅の、方形波の基準信号を生成することを特徴とする圧縮機制御装置。 - 前記電圧検出手段は、前記圧縮機の複数相の巻線に発生する端子電圧を個別に検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧縮機制御装置。
- 前記基準信号発生手段は、前記振幅を変化させるための条件が所定値以上となった場合に、基準信号を、母線電圧の1/2の電圧値から、前記方形波に切り替えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧縮機制御装置。
- 前記電圧検出手段は、前記圧縮機の複数相の巻線に発生する端子電圧を合成し、当該合成電圧を検出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧縮機制御装置。
- 前記基準信号を、前記母線電圧の1/2より高い一定の電圧値からなる第1の基準信号と、前記母線電圧の1/2より低い一定の電圧値からなる第2の基準信号と、で構成することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧縮機制御装置。
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