JP4081100B2 - 三相dcブラシレスモータ及び巻線方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は、三相DCブラシレスモータへの通電電流波形を示している。ここで、図5の1、2、3、4、5、6の非通電相に発生するPWM駆動による誘導電圧のDCオフセット成分をそれぞれ、Eu↓、Ew↑、Ev↓、Eu↑、Ew↓、Ev↑とすると、
Eu↓=Mvu*(dIv/dt)+Mwu*(dIw/dt) ―――――― (式1)
と表す事が出来る。
ここで、MvuはV相からU相への相互インダクタンス、MwuはW相からU相への相互インダクタンスである。
一つは、分割された自相から自相へコイルを巻く際の、コイルの渡し方について、もう一つは、三相間のターン数の差についてである。この時、(式1)は、
Eu↓=Eu↓(渡し)+ Eu↓(ターン数)と表す事が出来る。
図5からIw=−Ivであり、さらにdIv/dt=−1と規格化すると、
(式1)は、
Eu↓(渡し)=―Mvu+Mwu
同様に
Ev↓(渡し)=―Mwv+Muv
Ew↓(渡し)=―Muw+Mvw となる。ここでは、Eu↓、Ev↓、Ew↓のみ記載したが、
Eu↑、Ev↑、Ew↑も全く同じである。
さらに、MvuとMuvは等しいため、上式をMuv、Mvw、Mwuを用いて書き直すと
Eu↓(渡し)=―Muv+Mwu
Ev↓(渡し)=―Mvw+Muv
Ew↓(渡し)=―Mwu+Mvw となる。
図2の場合、Muvは、U1、V2、U2、V3、U3、V4で相互インダクタンスの影響があり、
Muv=[n*(-1/2)]+[-1/2*n]+[n*(-1/2)]+[-1/2*n]+[n*(-1/2)]+[-1/2*n]=-3*n
同様に、
Mvw=-3*n
Mwu=-3*n となる。よって、
Eu↓(渡し)=Ev↓(渡し)=Ew↓(渡し)=0 となる。
(式1)は
Eu↓(ターン数)=-1/2*[M*(dIv/dt)+M*(dIw/dt)] となる。
同様に、
Ev↓(ターン数)=-1/2*[M*(dIw/dt)+M*(dIu/dt)]
Ew↓(ターン数)=-1/2*[M*(dIu/dt)+M*(dIv/dt)] となる。
ここで、各ステータに対するコイル巻き数をnとすると、図2の場合、ターン数の差は三相共に全く無いため
Eu↓(ターン数)=Ev↓(ターン数)=Ew↓(ターン数)=0となる。
よって、
Eu↓=Eu↓(渡し)+ Eu↓(ターン数)=0
Ev↓=Ew↓=0となる。
同様にして、Eu↑=Ev↑=Ew↑=0である。
これにより、誘導電圧のDCオフセット成分は全く発生しないため、PWMセンサレス駆動方式でも安定した起動を行う事が出来る。
以下、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明の実施の形態2に係る三相DCブラシレスモータのコイルの巻き方を示したものである。図3も、実施の形態1と同様、図1のW相ステータ202、V相ステータ203、U相ステータ204を平面的に展開したものである。
このように2つのステータ間から中点を引き出す理由は、モータコイルがたるむことなく中点を取り出す事ができる様にするためである。このため、最終のステータが巻かれた後の終端部分は余分な正方向のターンが加わるが、負方向(時計回りとも言う)のターンも加えることにより、相互インダクタンスの影響を相殺することができる。
V相のコイル巻線LVは、中点の取り出し位置Comで終端部分が第1面から第2面に向かって引き出されているので、実施の形態1と全く同様の巻き方となる。
U相の巻線LUは、U相の最終のステータU4に所定数巻かれた後、隣にあるW相の先頭のステータW1に反時計方向(正方向)に余分に1巻きした後、ステータU4の上側(第1面)を通って中点の取り出し位置である位置Comから引き出す。
W相の巻線LWは、W相の最終のステータW4に所定数巻かれた後、ステータV4の第2面を通ってU相の最終のステータU4に時計方向(負方向)に余分に1巻きした後、中点の取り出し位置である位置Comから引き出す。
第1の実施形態と全く同様に図3の場合、Muvは、U1、V2、U2、V3、U3、V4で相互インダクタンスの影響があり、
Muv=[n*(-1/2)]+[-1/2*n]+[n*(-1/2)]+[-1/2*n]+[n*(-1/2)]+[-1/2*n]=-3*n
Mvwは、V1、W2、V2、W3、V3、W4、V4で相互インダクタンスの影響があり、
Mvw=[n*(-1/2)]+[-1/2*n]+[n*(-1/2)]+[-1/2*n]+[n*(-1/2)]+[-1/2*n]+[n*(-1/2)]=-3.5*n
Mwuは、U1、W2、U2、W3、U3、W4、U4、W1で相互インダクタンスの影響があり、
Mwu=[-1/2*n]+[n*(-1/2)]+[-1/2*n]+[n*(-1/2)]+[-1/2*n]+[n*(-1/2)]+[n*(-1)]+[1*n]=-3*n となる。
よって、
Eu↓(渡し)=0
Ev↓(渡し)=0.5*n
Ew↓(渡し)=-0.5*n となる。
Eu↓(ターン数)=-1/2*[M*(dIv/dt)+M*(dIw/dt)]
Ev↓(ターン数)=-1/2*[M*(dIw/dt)+M*(dIu/dt)]
Ew↓(ターン数)=-1/2*[M*(dIu/dt)+M*(dIv/dt)] となる。
ここでは、Eu↓、Ev↓、Ew↓のみ記載したが、Eu↑、Ev↑、Ew↑も全く同じである。
図3の場合、ターン数の差はW1、U4に発生しておりW1には、U相のコイルが1巻きされており、U4にはU相のコイルが0.5巻きとW相のコイルが逆向きに1巻きされている。
さらに、図5にからdIv/dt=-(dIw/dt)=1、dIw/dt=-(dIu/dt)=1、
dIu/dt=-(dIv/dt)=1
と規格化すると
Eu↓(ターン数)=-1/2*[{n*(1-0.5)*(-1)}+{n*(-0.5)*(1)}]=0.5*n
Ev↓(ターン数)=-1/2*[{n*(-1)*(-1)}+{n*(1-0.5)*(1)}]=-0.75*n
Ew↓(ターン数)=-1/2*[{n*(-0.5)*(-1)}+{n*(-1)*(1)}]=0.25*n
となる。
よって、
Eu↓=0.5*n
Ev↓=-0.25*n
Ew↓=-0.25*n
となる。
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施の形態を示す。
図4の実施の形態3が図3の実施の形態2と異なる点は、中点である終端は、ステータV4とステータW4の間の位置Comから引き出されている点である。
W相のコイル巻線LWは、最終のステータW4に所定数巻かれた後、そのまま終端部分が再び第1面を通って、ステータW4とステータV4にある中点の取り出し位置Comから引き出される。
U相のコイル巻線LUは、最終のステータU4に所定数巻かれた後、最終のステータV4の上側(第1面)を通って中点の取り出し位置Comから引き出す。これにより、U相のコイル巻線LUは、V相の最終のステータV4に対して時計方向(負方向)に0.5巻き余分に巻いたことになる。
このように巻くことにより、U相とV相の相互インダクタンスは0.5巻き分相殺される事となり誘導電圧のオフセットは低減する事が出来る。
(モータ駆動装置)
以下、本発明で利用するモータ駆動装置について、図面を参照しながら説明する。
また、この時のモータコイル電流波形は図5のようになる。
1はロータ位置検出部、2は電気角信号生成部、4は通電切替部、5はトルク指令制御部、6は電流検出部、7は比較部、8は通電合成部、9は実施の形態1及び2で説明の三相DCブラシレスモータ、10は外部トルク指令入力端子、11は通電制御部、12は起動部、13は切替制御部を示している。
通電切替部4に入力された電気角60度信号は、電気角60度毎に通電を切替える通電切り替え信号となる。モータ駆動電流の1周期は電気角360度であるので、電気角60度信号の6区間分がモータ駆動電流1周期となる。
次に、通電制御部11に入力された電気角60度信号について説明する。
前記目標指令値信号とモータに流れた駆動電流を検出する電流検出部6の検出値が比較部7に入力され、コイル電流が目標値に到達すれば通電を止める通電信号を生成する。その後、所定の周期にて通電を開始し、モータ駆動電流が目標値に到達すれば再び通電を止めるPWM制御を繰り返す。
前記に述べた構成と制御方法により、台形波状の目標指令値信号を生成し、PWM制御にてモータ駆動電流を所望の台形波状になるように制御している。
V V相モータコイル出力端
W W相モータコイル出力端
COM モータ中点
U1〜U4 U相ステータ
V1〜V4 V相ステータ
W1〜W4 W相ステータ
Iu U相モータコイル電流
Iv V相モータコイル電流
Iw W相モータコイル電流
100 DCオフセットある場合の誘導電圧
101 DCオフセットない場合の誘導電圧
1 ロータ位置検出部
2 電気角信号生成部
3 通電制御合成部
4 通電切替部
5 トルク指令制御部
6 電流検出部
7 比較部
8 通電合成部
9 三相ブラシレスDCモータ
10 外部トルク指令制御部
11 通電制御部
12 起動部
13 切替制御部
201 ステータ(回転子)
202 W相ロータ(固定子)
203 V相ロータ(固定子)
204 U相ロータ(固定子)
205 N極永久磁石
206 S極永久磁石
Claims (4)
- 3N本(Nは、正の整数)の放射状に延びたステータと、
4N個の永久磁石をN極とS極を交互に配置したロータと、
3本目毎のステータに巻かれた第1相の巻線と、
次の3本目毎のステータに巻かれた第2相の巻線と、
更に次の3本目毎のステータに巻かれた第3相の巻線と、を有し、
第1相の巻線は、第1相の最終のステータに正方向に巻かれ、第3相の最終のステータに負方向に1回巻かれ、第2相の最終のステータと第3相の最終のステータとの間の所定の位置から引き出され、
第2相の巻線は、第2相の最終のステータに正方向に巻かれ、前記所定の位置から引き出され、
第3相の巻線は、第3相の最終のステータに正方向に巻かれ、第1相の先頭のステータに正方向に1回巻かれ、前記所定の位置から引き出されることを特徴とする3相DCブラシレスモータ。 - 3N本(Nは、正の整数)の放射状に延びたステータと、
4N個の永久磁石をN極とS極を交互に配置したロータと、
3本目毎のステータに巻かれた第1相の巻線と、
次の3本目毎のステータに巻かれた第2相の巻線と、
更に次の3本目毎のステータに巻かれた第3相の巻線と、を有し、
第1相の巻線は、第1相の最終のステータに正方向に巻かれた後、第1相の最終のステータと第2相の最終のステータとの間の所定の位置から引き出され、
第2相の巻線は、第2相の最終のステータに正方向に巻かれた後、さらに第3相の最終のステータに正方向に1回巻かれた後、前記所定の位置から引き出され、
第3相の巻線は、第3相の最終のステータに正方向に巻かれた後、さらに第2相の最終のステータに負方向に半回巻かれた後、前記所定の位置から引き出されることを特徴とする3相DCブラシレスモータ。 - 3N本(Nは、正の整数)の放射状に延びたステータと、
4N個の永久磁石をN極とS極を交互に配置したロータと、
3本目毎のステータに巻かれた第1相の巻線と、
次の3本目毎のステータに巻かれた第2相の巻線と、
更に次の3本目毎のステータに巻かれた第3相の巻線と、を有する3相DCブラシレスモータの巻線方法であって、
第1相の巻線は、第1相の最終のステータに正方向に巻かれた後、さらに第3相の最終のステータに負方向に1回巻かれ、第2相の最終のステータと第3相の最終のステータとの間の所定の位置から引き出し、
第2相の巻線は、第2相の最終のステータに正方向に巻かれた後、前記所定の位置から引き出し、
第3相の巻線は、第3相の最終のステータに正方向に巻かれた後、さらに第1相の先頭のステータに正方向に1回巻かれ、前記所定の位置から引き出すことを特徴とする3相DCブラシレスモータの巻線方法。 - 3N本(Nは、正の整数)の放射状に延びたステータと、
4N個の永久磁石をN極とS極を交互に配置したロータと、
3本目毎のステータに巻かれた第1相の巻線と、
次の3本目毎のステータに巻かれた第2相の巻線と、
更に次の3本目毎のステータに巻かれた第3相の巻線と、を有する3相DCブラシレスモータの巻線方法であって、
第1相の巻線は、第1相の最終のステータに正方向に巻かれた後、第1相の最終のステータと第2相の最終のステータとの間の所定の位置から引き出し、
第2相の巻線は、第2相の最終のステータに正方向に巻かれた後、さらに第3相の最終のステータに正方向に1回巻かれた後、前記所定の位置から引き出し、
第3相の巻線は、第3相の最終のステータに正方向に巻かれた後、さらに第2相の最終のステータに負方向に半回巻かれた後、前記所定の位置から引き出すことを特徴とする3相DCブラシレスモータの巻線方法。
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