JP2001008490A - 永久磁石式同期電動機の制御装置、及び制御方法 - Google Patents

永久磁石式同期電動機の制御装置、及び制御方法

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JP2001008490A
JP2001008490A JP11176220A JP17622099A JP2001008490A JP 2001008490 A JP2001008490 A JP 2001008490A JP 11176220 A JP11176220 A JP 11176220A JP 17622099 A JP17622099 A JP 17622099A JP 2001008490 A JP2001008490 A JP 2001008490A
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stator
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winding
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Kazunari Akiyama
和成 秋山
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電動機にロータ位置検出器を設けることなくロ
ータを起動し、所定の負荷に適合した回転数にまでその
回転数を適合させることができる永久磁石式同期電動機
の制御装置、及び制御方法を提供すること 【解決手段】ステータ8の巻線9,10,11の予め定
めた巻線に停止しているロータ7が回転しない程度の微
小電流を通電し、ステータ8の微小電流を通電しない巻
線に発生した誘起電圧を検出してステータに対するロー
タの位置を検出する停止時位相ロータ位置検出回路6
と、ロータ7の引き込み励磁制御を行なうに際してし
て、引き込み電流を次第に増加していき、投入した電流
で得られるトルクが負荷トルクより大きくなった時点で
の投入電流を起動電流とし、回転周波数を増加していく
モードに入り、位相検出回路5でロータの回転と位相を
検出できるようになったときにスイッチング回路2への
スイッチング信号発生を行なう制御装置4を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石式同期電
動機の制御装置、及び制御方法に係り、特に電動機にロ
ータ位置検出用の検出器を備えることなく、ロータがス
テータに対して任意の位置に停止した状態でも、所定の
方向に、負荷に対応した適正な起動力で起動させること
ができる制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、永久磁石式同期電動機は永久磁
石で構成されたロータの周囲に複数相の巻線を備えたス
テータが配置され、該電動機を電動機運転させるには、
ロータの周囲に配置されるステータとロータの位相を検
出して、ステータの各巻線に電圧を印加して励磁するタ
イミングを決定する必要がある。
【0003】通常、ロータのステータに対する位相を検
出する方法として以下の方法がある。一つは、電動機に
ロータ位置検出器、即ちロータリーエンコーダーやホー
ル素子等を取り付け、ロータのステータに対する絶対的
な位置すなわち位相を検出する方法である。
【0004】他の方法は、ローターが回転している時に
ステータの巻線に発生する誘起電圧を測定してステータ
に対するロータの位置を検出する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した電
動機にロータ位置検出器を取り付ける方法は、位置検出
器を取付けるだけコストが嵩み、また位置検出器の取付
スペースが必要となるため電動機の容積と質量とが増加
することとなる。
【0006】さらに、電動機にロータ位置検出器を取付
けた場合には、ロータが高速で回転する場合の信頼性の
低下、及び高速応答性に対応するためのコストアップが
懸念される。また、これらの検出器への配線が増えるこ
とにより、システム全体としての信頼性が低下する恐れ
があり、この信頼性を保持するため及び部品の取り付け
工数が増すために製造コストが増すという問題がある。
【0007】他方、ロータの回転時にステータの誘起電
圧を検出する方法は、ロータが停止した状態では、ステ
ータに誘起電圧が発生しないため、ロータのステータに
対する絶対的な位置を検出することができない。
【0008】従って、永久磁石式同期電動機は、ロータ
位置検出器を取り付け、この位置検出器によってロータ
のステータに対する絶対的な位置すなわち位相を検出
し、その位相に適応したステータの各巻線に電圧を印加
して励磁するタイミングを決定し、起動するものとして
いた。
【0009】このように、永久磁石式同期電動機にあっ
ては、その後、ロータが一定の回転速度に達したのち、
ステータの巻線に発生する誘起電圧を測定してロータの
位置を検出して、ロータが定常回転を成すよう検出した
位置情報にもとづきステータの所定の巻線へパルス電圧
の接続/断絶を行い、ロータが所定回転数になるよう
に、制御回路で制御していた。
【0010】このように、永久磁石同期電動機を起動時
から所定の定常回転に到るまで制御する為には、電動機
に位置検出器をとりつけなければならないという問題が
あった。
【0011】そこで、本発明は、電動機にロータ位置検
出器を設けることなくロータを起動し、所定の負荷に適
合した回転数にさせることができる永久磁石式同期電動
機の制御装置、及び制御方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本出
願の請求項1に記載の発明は、永久磁石で構成されたロ
ータ7と、該ロータ7の周囲に配置され、励磁用の巻線
9,10,11が配置されたステータ8とを備えた永久
磁石式同期電動機1を制御する装置であって、ステータ
8の巻線9,10,11に印加する電流を接続/断絶す
るスイッチング回路2と、前記ステータ8の巻線9,1
0,11に誘起される電圧を検出する位相検出回路5,
6と、上記位相検出回路5,6の検出信号に基づいて上
記スイッチング回路2を駆動するスイッチング信号を発
生する制御回路4とを備え、さらに、上記ロータ7が停
止状態にあるとき前記ステータ8の巻線9,10,11
のうち予め定めた巻線にロータ7が回転しない程度の微
小電流を通電し、このときステータ8の前記微小電流を
通電しない巻線に発生した誘起電圧を検出して上記ステ
ータ8に対するロータ7の位置を検出するロータ位置検
出回路5,6と、この検出されたロータ7の位置から、
ロータ7の引き込み励磁制御を行なうに際して、引き込
み電流を次第に増加していき、投入した電流で得られる
トルクが負荷トルクより大きくなった時点での投入電流
を起動電流とし、得られた起動電流により回転周波数を
増加していくモードに入り、上記誘起電圧検出装置でロ
ータの回転が検出できるようになったときに通常運転モ
ードに入る制御を行う制御回路4を備えた永久磁石式同
期電動機の制御装置である。
【0013】また、本出願において、請求項2に記載の
発明は、永久磁石で構成されたロータ7と、該ロータ7
の周囲に配置され、励磁用の巻線9,10,11が配置
されたステータ8とを備えた永久磁石式同期電動機1を
起動する方法であって、ステータ8の巻線9,10,1
1に印加する電流を接続/断絶するスイッチング回路2
と、前記ステータ8の巻線9,10,11に誘起される
電圧を検出する検出回路7と、上記検出回路7の検出信
号に基づいて上記スイッチング回路2を駆動するスイッ
チング信号の発生する制御回路4とを備え、上記ロータ
7が停止状態にあるとき前記ステータ8の巻線9,1
0,11のうち予め定めた巻線にロータ7が回転しない
程度の微小電流を通電し、このときステータ8の前記微
小電流を通電しない巻線に発生した誘起電圧を検出して
上記ステータに対するロータの位置を検出し、この検出
されたロータ7の位置から、ロータ7の引き込み励磁制
御を行なうに際して、引き込み電流を次第に増加してい
き、投入した電流で得られるトルクが負荷トルクより大
きくなった時点での投入電流を起動電流とし、得られた
起動電流により回転周波数を増加していくモードに入
り、上記誘起電圧検出装置でロータの回転が検出できる
ようになったときに通常運転モードに入る制御回路4の
制御を行う永久磁石式同期電動機の制御方法である。
【0014】〔作用〕 (停止位置の検出)ロータ7が停止状態にあるとき前記
ステータ8の巻線9,10,11のうち予め定めた巻線
にロータ7が回転しない程度の微小電流を通電し、この
ときステータ8の前記微小電流を通電しない巻線に発生
した誘起電圧を検出して上記ステータに対するロータの
位置を検出する。即ち、ステータ8の特定の巻線(例え
ば+U相9,−V相10間)にロータ7が起動しない程
度の微小電流を流す。その時に、電流を流していない相
(例えばW相11−中点間)に発生する誘起電圧を検出
してロータ7の位置を検出する。ここで、ロータ7の位
置を検出することができるのは、電流を流さないステー
タの巻線11に発生する電圧は、ステータ8とロータ7
の位置により巻線10、9のインダクタンス値が変化し
て特有の値を持つことに基づく。
【0015】(ロータの引き込み励磁及び起動)次に、
この検出されたロータ7の位置から、ロータ7の引き込
み励磁制御を行なう。この引き込み励磁は同期電動機で
は一般的に用いられている手法である。
【0016】本発明では、この引き込み励磁に際してロ
ータ7の引き込み電流を次第に増加していき、投入した
電流で得られるトルクが負荷トルクより大きくなった時
点での投入電流を起動電流とする。
【0017】そして、モータを起動するに際して、得ら
れた起動電流により回転周波数を増加していくモードに
入り、上記誘起電圧検出装置でロータの回転が検出でき
るようになったときに制御回路での通常の電動機動作制
御を行う。
【0018】これらの一連の制御により、ローターが起
動した瞬間の電流を検出し、負荷に対応した投入電流を
得ることができる。尚、引込み励磁を行う時はPWM制
御を行うことが好適であり、この場合徐々に電流値を上
昇させる必要がある。
【0019】
【発明実施の形態】以下本発明の実施の形態に係る永久
磁石式同期電動機の制御装置、及び制御方法について説
明する。
【0020】図1乃至図11は本発明に係る永久磁石式
同期電動機の制御装置、及び制御方法の実施の形態を示
すものである。本例は、永久磁石式同期電動機として、
ロータ7に2極タイプのものを、またステータ8に3相
の巻線(U相,V相,W相)のものを例として説明す
る。
【0021】(永久磁石式同期電動機の制御装置の構
成)図1は本発明に係る永久磁石式同期電動機の制御装
置の全体の構成を示すものである。本例は永久磁石式同
期電動機1は、車両の駆動用のものであり、内燃機関
(図示していない)で駆動される交流発電機31と整流
回路32と平滑用コンデンサー33とからなる電源装置
から電力を得るものとしている。
【0022】同図において、1は永久磁石式同期電動機
であり、同電動機1のうち7は2極(N極/S極それぞ
れ1極ずつ)の永久磁石で構成されたロータ、8はこの
ロータ7を囲い、各巻線9,10,11に駆動電流が印
加され上記ロータ8を回転させるステータを示してい
る。
【0023】また、2は上記電動機1のステータ8の各
巻線9,10,11に順次駆動電流を接続/断絶するス
イッチング回路、4は制御回路、22は巻線9,10,
11に印加され、又は誘起される電圧を低下して分圧U
4,V4,W4を出力する分圧回路を示している。
【0024】スイッチング回路2は、巻線9,10,1
1に電力を接続/断絶するスイッチング素子12〜17
と、これらのスイッチング素子12〜17の接続/断絶
動作を制御回路4からの電気的に絶縁して信号を伝送す
る絶縁ドライブ回路3とからなる。
【0025】本例では、上記制御回路4は永久磁石式同
期電動機1が定常状態で回転している場合には、誘起電
圧によって位相検出回路5が検出した位相信号により、
ロータ7のステータ8に対する位相を検出するものとす
ることができる。
【0026】また、この制御回路4は永久磁石式同期電
動機1が停止している場合には、ロータには誘起電圧が
発生しないため、位相検出回路5により位相を検出する
ことができないため、上記制御回路4は永久磁石式同期
電動機1が停止しているものと判断する。
【0027】さらに、制御回路4は、永久磁石式同期電
動機1が停止していると判断した場合に、外部から永久
磁石式同期電動機1を起動する電動機運転の指令があっ
たときには、ロータ7のステータ8に対する位相を検出
し、次に、検出したロータ7のステータ8の位相に基づ
き、ローター7の位置をステータ8の決められた巻線位
置まで引き込むための引き込み励磁制御を行なうもので
ある。
【0028】そして、制御回路4は、引き込み励磁に際
してロータ7の引き込み電流を次第に増加していき、投
入した電流で得られるトルクが負荷トルクより大きくな
った時点での投入電流を起動電流とし、得られた起動電
流により回転周波数を増加していき、位相検出回路5で
ロータ7の回転が検出できる状態、即ち、ロータ7の回
転数が上昇し、永久磁石式同期電動機1からの誘起電圧
が所定レベル以上になり、位相検出回路5でロータ7の
位相が検出できる状態になったとき、スイッチング回路
2のスイッチングタイミングを位相検出回路5により検
出される位置情報に基づいて発生して、電動機1を定常
回転させるものとしている。
【0029】図2は、図1に示した制御回路4の構成を
示すものである。図2において21は、外部から指令さ
れる停止起動ON−OFF信号に基づいてラッチ信号S
Sと、停止起動モード指定信号LSと停止位置検出パル
スを出力するタイミング発生回路であり、また23,2
4は位相検出回路5からの信号(U3,V3,W3)及
び停止時位相検出回路6からの信号(Wfn,Wz)を
制御回路4との間で電気的にを絶縁して信号を伝える絶
縁回路を示している。
【0030】さらに、図2において、18はロータ7の
引き込み動作を行うための信号Wfn1 ,Wz1 を発生
する疑似回転信号発生回路、19は上記停止起動モード
指定信号に従って上記絶縁回路23からの位置信号(U
2,V2,W2)、又は上記疑似回転信号発生回路18
からの疑似回転信号(UP,VP,WP)を切り換え
て、回転信号(U1,V1,W1)を出力する信号選択
回路、20は上記信号選択回路19からの出力信号に基
づいてパルス信号(+U1,+V1,+W1,−U1,
−V1,−W1)を発生する6ステップ発生回路を示し
ている。
【0031】また、図2において、25は上記6ステッ
プ発生回路20からのステップ信号(+U1,+V1,
+W1,−U1,−V1,−W1)に対して、PWM信
号や停止位置検出パルスを論理合成し信号条件に基づい
て絶縁ドライブ回路3を介してスイッチング回路2に伝
達する論理回路を示している。
【0032】この論理回路25は、上記PWM信号と上
記ステップ信号(+U1,+V1,+W1,−U1,−
V1,−W1)の論理積を出力する6つの論理積素子2
51〜256、及び上記タイミング発生回路21からの
停止位置検出パルスと上記論理積素子251〜256の
うち2つの論理積素子251,255の出力との論理積
を出力する論理和素子257,258からなる。ここ
で、論理和素子257,258は、+U相及び−V相に
タイミング発生回路21からの停止位置検出パルスに基
づいて停止位置検出スイッチングパルスを発生させる。
【0033】この論理回路25から制御出力(+U,+
V,+W,−U,−V,−W)が上記絶縁ドライブ回路
3に入力されることにより、スイッチング回路2が永久
磁石式同期電動機の駆動信号を出力する。
【0034】次に、疑似回転信号発生回路18について
説明する。図3は図2の制御回路2に配置した疑似回転
信号発生回路18の構成を示すものである。
【0035】同図において81は、上記位相検出回路5
からのゼロクロス信号及び停止時位相検出回路6からの
正/負信号を受け正負論理判定信号を発生する正負論理
判定回路である。
【0036】82は、上記タイミング発生回路21から
のラッチ信号を受けラッチタイミング信号及び初期カウ
ンター値セット信号を発生するラッチタイミング発生回
路である。
【0037】83は、上記正負論理判定回路81及びラ
ッチタイミング信号発生回路82からのラッチタイミン
グ信号を受けラッチタイミング信号の前半部分を検出し
てラッチ信号を発生する前半ラッチ回路、84は、上記
正負論理判定回路81及びラッチタイミング信号発生回
路82からのラッチタイミング信号を受けラッチタイミ
ング信号の後半部分を検出してラッチ信号を発生する後
半ラッチ回路である。
【0038】85は、上記前半ラッチ回路83と後半ラ
ッチ回路84からのラッチ信号と、ラッチングタイミン
グ信号によって、ロータ7がどの位相に停止しているか
(図5参照)を判定して、位相信号(位相1,4信号、
位相2,5信号、位相3,6信号)を発生する停止位置
判定回路である。
【0039】86は、上記位相信号と外部から指令され
る正/逆回転指示信号(CW/CCW)に基づいて初期
励磁位置を決定する初期励磁位置決定回路である。
【0040】87は、上記初期励磁位置決定回路86か
らの信号と、上記ラッチタイミング発生回路82からの
初期値カウンタ値セット信号と、外部から指定される停
止起動モード信号と、上記ラッチタイミング信号と疑似
回転クロック信号との論理積(論理積素子89で演算さ
れる)とに基づいてロータ7が停止している可能性があ
る6個所の位置(ポジション1〜ポジション6(図6参
照))に対応し、初期カウント値を上記停止位相に基づ
いて決定するステップ信号を発生する6進カウンタ回路
である。
【0041】88は、上記6進カウンタからのステップ
信号に基づいて、ロータ7を引き込み制御するための回
転信号(UP,VP,WP)を出力するUVW相回転信
号変換回路である。
【0042】(永久磁石式同期電動機の制御装置の制御
動作)以下上記例に係る永久磁石式同期電動機の制御装
置の動作について説明する。尚、起動動作終了後の電動
機の動作については、通常の永久磁石式同期電動機と同
様であるのでその説明は省略する。
【0043】〔停止時でのロータ位相の検出〕まず、電
動機1の停止時において、ロータ7のステータ8に対す
る位相を検出する。
【0044】本例では、制御回路4が巻線U相9とV相
10に一定時間電流を流すために、図1に示すようにス
イツチング素子十U相12と−V相15とをONにして
スイッチングパルスを発生する。
【0045】このとき、巻線のうちコイルのW相11に
発生する電圧は、図4に示すように、停止位相検出回路
6で検出できる。即ち、巻線U相及び巻線V相に図4に
示した電流を流すとき、ロータ7の位置により、ステー
タ8のW相の巻線11に発生する誘起電圧が異なること
となるためである。
【0046】この状態で、図5に示すように、ロータ7
がどのような位相(ポジション1〜ポジション6)であ
ったとしても、図4に示したように、ステータ8のW相
11にはそれぞれ異なった固有の波形の誘起電圧が発生
し、ロータ7の位置を検出することができる。
【0047】〔電動機の起動〕停止時から電動機を起動
する場合は、まず検出されたロータ7の位相情報により
引込み励磁制御を行う。この例は、ロータ7がポジショ
ン1(図5,図6参照)にあり、このロータ7を時計回
転方向(CW,図7参照)に駆動する場合に付いて説明
する。
【0048】この場合、引き込み励磁制御により、ロー
タ7が検出された位置に基づき、ロータ7の位置をステ
ータ8の決められた巻線位置まで引き込む動作を行な
う。
【0049】本例では、疑似回転信号発生回路18によ
り、疑似回転信号(UP,VP,WP)を発生し、疑似
回転信号(UP,VP,WP)によって図7に示すよう
に、引込み動作を行なう。
【0050】この例では、ロータ7を図8(1)に示
すように、逆回転させ、その後回転励磁動作をおこなう
(図8(1))。この時の引込み励磁制御は、PWM
制御により電流を徐々にアップしていくようにするもの
とする。
【0051】そして、投入電流により得られるトルクが
負荷トルクより大きくなった時点で、モーターが起動し
て(ロータが回転して)引込み励磁位置になる(図8
(1))。
【0052】この図6に示した例は、ロータ7が図5に
示したポジション1の場合であり、ロータ7が他のポジ
ションである場合、即ちポジション2〜ポジション6に
ある場合にも同様に制御できる。
【0053】そして、この時、ロータを時計回転方向
(CW)に回転させるには、ロータ7を図8(1)か
ら同に示すように引き込み励磁動作させ、ロータ7の
N極を図6のf位置まで移動させる。この状態から回転
励磁動作(図8(1))に示すように、引き込み励磁
に際してロータ7の引き込み電流を次第に増加してい
き、投入した電流で得られるトルクが負荷トルクより大
きくなった時点での投入電流を起動電流としてく。
【0054】その後、得られた起動電流により回転周波
数を増加していき、位相検出回路5でロータの回転が検
出できる状態、即ち、ロータ7の回転数が上昇し永久磁
石式同期電動機1から位相検出回路5で所定レベル以上
の誘起電圧を検出し、ロータ7の位相が検出できる状態
になったとき、スイッチング回路2のスイッチングタイ
ミングを位相検出回路5により検出される位置情報に基
づいて発生して、電動機1を定常回転させる。
【0055】また、永久磁石式同期電動機を反時計方向
(CCW)に駆動するときには、上述した制御に対応さ
せて、図9(1),(2)に停止位置検出、引き込み
励磁動作,回転励磁動作として示したように、制御
を行なうことができる。
【0056】〔6極タイプのロータを使用する永久磁石
式同期電動機の例〕上記例は2極のロータを使用する永
久磁石式同期電動機の起動について説明したが、図1
0、及び図11に示すようにロータに3対の磁極を備え
た6極のものを使用し、ステータにU、V、Wの巻線を
18個所に設けたものについても、本発明に係る永久磁
石式同期電動機の制御装置、及び制御方法を全く同様に
制御することができることは明らかである。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る永久
磁石式同期電動機の制御装置、及び制御方法によれば、
ロータの位置検出器を設けることなく電動機を所定回転
方向に適正な起動力で起動することができる。
【0058】また、ロータの位相検出に際して位置検出
器を必要としないので、位置検出器を配置するコストが
低減されるほか、位置検出器を配置するスペースを削減
でき、電動機を小型化でき、更に位置検出器を設けるこ
とによる信頼性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る永久磁石式同期電動機の制御装
置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示した永久磁石式同期電動機の制御装
置の制御回路を示すブロック図である。
【図3】 図2に示した制御装置の疑似回路信号発生回
路の構成を示すブロック図である。
【図4】 図5に示す各ロータポジションにおけるW相
電圧とスイッチング信号とを示す波形図である。
【図5】 実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の制
御装置、及び制御方法の電動機停止時のロータポジショ
ンの具体例を示す図である。
【図6】 ロータとステータの状態を示す図である。
【図7】 ステータの各コイルの状態を示す波形図であ
る。
【図8】 実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の制
御装置、及び制御方法の引込み励磁制御におけるロータ
の停止位置検出から回転励磁までのステータの励磁とロ
ータの一連の動作をロータの2つの停止位置から示す図
である。
【図9】 実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の制
御装置、及び制御方法の引込み励磁制御におけるロータ
の停止位置検出から引込み励磁までのステータの励磁と
ロータの一連の動作をロータの2つの停止位置から示す
図である。
【図10】 本発明に係る他の実施の形態に係る6極タ
イプの永久磁石式同期電動機の起動状態の停止時からの
励磁制御を示す図である。
【図11】 本発明に係る他の実施の形態に係る6極タ
イプの永久磁石式同期電動機の起動状態の他の停止位置
における停止時からの励磁制御を示す図である。
【符号の説明】
1 永久磁石式同期電動機 2 スイッチング回路 3 絶縁ドライブ回路 4 制御回路 5 位相検出回路 6 停止時位相検出回路 7 ロータ 8 ステータ 9 巻線U相 10 巻線V相 11 巻線W相 12 スイッチング素子+U 13 スイッチング素子−U 14 スイッチング素子+V 15 スイッチング素子−V 16 スイッチング素子+W 17 スイッチング素子−W 18 疑似回転信号発生回路 19 信号選択回路 20 6ステップ発生回路 21 タイミング発生回路 22 分圧回路 23 絶縁回路 24 絶縁回路 25 論理回路 26 電流制御PWM発生回路 27 疑似回転クロック発生 31 交流発電機 32 整流回路 33 平滑用コンデンサー 34 電流センサー 81 正負論理判定回路 82 ラッチタイミング発生回路 83 前半ラッチ回路 84 後半ラッチ回路 85 停止位置判定回路 86 初期励磁位置決定回路 87 6進カウンター回路 88 UVW相回転信号変換回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】永久磁石で構成されたロータと、該ロータ
    の周囲に配置され、励磁用の巻線が配置されたステータ
    とを備えた永久磁石式同期電動機を制御する装置であっ
    て、 ステータの巻線に印加する電流を接続/断絶するスイッ
    チング回路と、 前記ステータの巻線に誘起される電圧からロータの位相
    を検出する位相検出回路と、 上記位相検出回路の検出信号に基づいて上記スイッチン
    グ回路を駆動するスイッチング信号の発生するスイッチ
    ング信号発生回路とを備え、 さらに、上記ロータが停止状態にあるとき前記ステータ
    の巻線のうち予め定めた巻線にロータが回転しない程度
    の微小電流を通電し、このときステータの前記微小電流
    を通電しない巻線に発生した誘導電圧を検出して上記ス
    テータに対するロータの位置を検出するロータ位置検出
    回路と、 この検出されたロータの位置から、ロータの引き込み励
    磁制御を行なうに際してして、引き込み電流を次第に増
    加していき、投入した電流で得られるトルクが負荷トル
    クより大きくなった時点での投入電流を起動電流とし、
    得られた起動電流により回転周波数を増加していくモー
    ドに入り、上記誘起電圧検出装置でロータの回転が検出
    できるようになったときに定常運転のモードに入りスイ
    ッチング信号発生回路の制御を行う制御回路を備えた永
    久磁石式同期電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】永久磁石で構成されたロータと、該ロータ
    の周囲に配置され、励磁用の巻線が配置されたステータ
    とを備えた永久磁石式同期電動機を制御する方法であっ
    て、 ステータの巻線に印加する電流を接続/断絶するスイッ
    チング回路と、 前記ステータの巻線に誘起される電圧を検出する位相検
    出回路と、 上記位相検出回路の検出信号に基づいて上記スイッチン
    グ回路を駆動するスイッチング信号の発生するスイッチ
    ング信号発生回路とを備えた永久磁石式同期電動機に適
    用され、 上記ロータが停止状態にあるとき前記ステータの巻線の
    うち予め定めた巻線にロータが回転しない程度の微小電
    流を通電し、 このときステータの前記微小電流を通電しない巻線に発
    生した誘導電圧を検出して上記ステータに対するロータ
    の位置を検出し、 この検出されたロータの位置から、ロータの引き込み励
    磁制御を行なうに際して、引き込み電流を次第に増加し
    ていき、投入した電流で得られるトルクが負荷トルクよ
    り大きくなった時点での投入電流を起動電流とし、 得られた起動電流により回転周波数を増加していくモー
    ドに入り、上記誘起電圧検出装置でロータの回転が検出
    できるようになったときに定常運転のモードに入りスイ
    ッチング信号発生回路の制御を行う永久磁石式同期電動
    機の制御方法。
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