JP2003172868A - 自動合焦機構を備えた撮影機能付観察光学装置 - Google Patents

自動合焦機構を備えた撮影機能付観察光学装置

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JP2003172868A JP2002014099A JP2002014099A JP2003172868A JP 2003172868 A JP2003172868 A JP 2003172868A JP 2002014099 A JP2002014099 A JP 2002014099A JP 2002014099 A JP2002014099 A JP 2002014099A JP 2003172868 A JP2003172868 A JP 2003172868A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観察光学系と撮影光学系とから成る撮影機能
付観察光学装置であって、観察中に適正な合焦状態が迅
速に得られるように構成された撮影機能付観察光学装置
を提供する。 【解決手段】 撮影機能付観察光学装置は、観察光学系
(12R、12L)と、この観察光学系に隣接して設け
られる軸筒54と、この軸筒内に設置された撮影光学系
(68、70)と、観察光学系を合焦させるべく軸筒の
回転運動を該観察光学系の合焦動作に変換させる第1の
合焦機構(60、62)と、撮影光学系を合焦させるべ
く軸筒の回転運動を該撮影光学系の直線運動に変換させ
る第2の合焦機構とを具備する。撮影機能付観察光学装
置には、更に、軸筒を回転駆動させるための回転駆動手
段100と、撮影光学系によって得られる被写体像を合
焦させるように回転駆動手段を制御する合焦制御手段
(114、126)とが設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラを搭載した撮
影機能付観察光学装置、例えばカメラを搭載した双眼鏡
或いは単眼鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、双眼鏡や単眼鏡等の観察
光学装置は例えばスポーツ観戦や野鳥観察等に利用され
る。このような場合、観戦者及び観察者は写真として記
録したい場面に屡々遭遇するが、しかし双眼鏡をカメラ
に持ち替える間にシャッタチャンスを逃すことは容易に
想像し得る。そこで、双眼鏡で観戦或いは観察中にシャ
ッタチャンスを逃すことなく直ちに撮影を行えるよう
に、双眼鏡にカメラを搭載した撮影機能付双眼鏡が既に
提案されている。
【0003】例えば、実開平6-2330号公報には双眼鏡の
上部にカメラ部を搭載したタイプの撮影機能付双眼鏡が
開示されている。しかしながら、そのような撮影機能付
双眼鏡は単に双眼鏡にカメラ部を附加した構成となって
いるためにその分だけ嵩張った構造となる。また、上記
公開公報には、双眼鏡で観察される観察対象物を被写体
としてカメラ部によって撮影されるとき、該被写体像を
カメラ部でどのように合焦させるかについては何等開示
されていない。即ち、双眼鏡の一対の観察光学系とカメ
ラ部の撮影光学系とは互いに独立しているために、双眼
鏡で合焦された前景観察対象物がカメラ部で前景被写体
として撮影されるとき、その前景被写体像がカメラ部で
必ずしも合焦されているとは限らない。従って、上記公
開公報に開示された撮影機能付双眼鏡は使い勝手の面で
実用化し難いものと言わざるを得ない。
【0004】また、撮影機能付双眼鏡での観察中に観察
対象物を最良のシャッタチャンスで被写体像として撮影
しようとするとき、撮影機能付双眼鏡では常に適正な合
焦状態に維持させることが必要であるが、しかし合焦動
作を手動で行う場合には観察対象物像に対する適正な合
焦を迅速に得ることはできない。
【0005】一方、一般的に、双眼鏡や単眼鏡等の観察
光学系においては、その対物レンズ系の後側焦点と接眼
レンズ系の前側焦点とがほぼ一致したとき、観察光学系
によって無限遠の観察対象物が合焦状態で観察できるよ
うになっている。従って、無限遠より近距離の観察対象
物を合焦状態で観察するためには、対物レンズ系と接眼
レンズ系とを無限遠の観察対象物に対する合焦状態から
引き離して、近距離の観察対象物を合焦させるための合
焦操作が必要となる。そこで、観察光学系にはその対物
レンズ系と接眼レンズ系とを相対的に移動させてその間
の距離を調節するための合焦機構が組み込まれている。
より具体的には、このような合焦機構は、観察光学系に
隣接して配置された転輪と、この転輪の回転運動を対物
レンズと接眼レンズとの相対的な直線運動に変換させる
運動変換手段とから成る。
【0006】上記公開公報に開示されているような撮影
機能付双眼鏡では、撮影時には一対の観察光学系はファ
インダ光学系として機能することになり、その観察対象
物が被写体像として撮影光学系によって捉えられること
になる。上記公開公報には、双眼鏡で観察される観察対
象物を被写体像としてカメラ部の撮影光学系によって撮
影されるとき、その被写体像に対して撮影光学系をどの
ように合焦させるかについては何等言及されていない。
【0007】米国特許第4,067,027号明細書には別のタ
イプの撮影機能付双眼鏡が開示され、この撮影機能付双
眼鏡にも一対の観察光学系と撮影光学系が設けられる。
この撮影機能付双眼鏡にあっては、一対の観察光学系の
合焦機構には撮影光学系の合焦を行わせる機構も与えら
れる。即ち、合焦機構の転輪が手動操作により回転させ
られたとき、一対の観察光学系の対物レンズ系と接眼レ
ンズ系との相対移動に連動して、撮影光学系が銀塩フィ
ルム面に対して移動させられ、これにより一対の観察光
学系と撮影光学系との双方の合焦操作が行われるように
なっている。要するに、一対の観察光学系により観察対
象物が合焦状態で観察されているとき、その観察対象物
は撮影光学系によっても合焦状態で捉えられるようにな
っている。従って、一対の観察光学系で観察対象物を合
焦状態で観察されているときに、撮影を行えば、該観察
対象物は被写体像として銀塩フィルム面に合焦状態で結
像されることになる。
【0008】一般的に撮影装置の合焦機構は、主に使用
する感光材料で決まる許容錯乱円直径δ以内にボケが収
まるように、主要被写体に対して光学系のピントを合わ
せることが必要である。許容錯乱円直径δは例えば35mm
判の銀塩写真系では出来上がったプリントを人間の目で
観察するとして目の分解能から像面上で感光材料の対角
線長の約1/1000或いは約30μmといわれている。許容錯
乱円直径が決まると撮影光学系のエフナンバーFから焦
点深度が求まる。即ち、焦点深度は幾何学的に計算さ
れ、焦点深度=2×δ×Fとなる。この焦点深度内に充分
にピントが収まるようにピント合わせができなければピ
ンぼけとして認められることになる。従って、撮影装置
においては、使用する感光材料とその許容錯乱円直径
δ、撮影光学系のエフナンバーFと、どのような精度を
持つ合焦方法でピントを合わせるか等を適切に選択、設
定しなければならない。
【0009】双眼鏡或いは単眼鏡等の観察光学装置に固
体撮像素子例えばCCD(charge-coupled device)撮像
素子を用いたカメラを組み込んで撮影機能付観察光学装
置を構成する場合には、その撮影光学系の設計について
は、上述したような光学上の問題が配慮されなければな
らないが、更に固体撮像素子を用いるカメラの撮影光学
系の設計にはそれに適した許容錯乱円直径などを用いる
ことに加えて、該固体撮像素子の特性から新たに考慮さ
れるべき条件が存在し、それらを最適にバランスさせて
観察光学系、撮影光学系が設計されなければ実際的には
使い難いものになってしまうことが分かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、観察光学系と撮影光学系とから成る撮影機能付観察
光学装置であって、観察中に適正な合焦状態が迅速に得
られるように構成された撮影機能付観察光学装置を提供
することである。
【0011】本発明の別の目的は、上述したような撮影
機能付観察光学装置であって、その撮影光学系にCCD
撮像素子等の固体撮像素子を組み合わせた場合に適正で
かつ迅速な合焦状態を得るための光学的条件を備えた撮
影機能付観察光学装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面によ
る撮影機能付観察光学装置は、対物光学系、正立光学系
及び接眼光学系を含む観察光学系と、この観察光学系に
隣接して設けられる軸筒と、この軸筒内に設置された撮
影光学系と、観察光学系を合焦させるべく軸筒の回転運
動を該観察光学系の対物光学系と正立光学系及び接眼光
学系との間の相対的直線運動に変換させる第1の合焦機
構と、撮影光学系を合焦させるべく軸筒の回転運動を該
撮影光学系の直線運動に変換させる第2の合焦機構とを
具備して成る。本発明の第1の局面によれば、このよう
な撮影機能付観察光学装置において、軸筒を回転駆動さ
せるための回転駆動手段と、撮影光学系によって得られ
る被写体像を合焦させるように該回転駆動手段を制御す
る合焦制御手段とが設けられる。
【0013】このような撮影機能付観察光学装置におい
ては、撮影光学系に固体撮像素子を組み合わせることが
可能であり、固体撮像素子は撮影光学系の後方側から所
定距離だけ離れて該撮影光学系と整列させられ、撮影光
学系の合焦点が固体撮像素子の受光面とされる。このよ
うに固体撮像素子が撮影光学系に組み合わせられた場合
には、撮影機能付観察光学装置については以下の式を満
足することが好ましい。 y2/(1000×PF(ω/T)2)>80かつF<6 但し、上記式において、Fは撮影光学系のエフナンバ
ー、yは固体撮像素子の最大像高(mm)、ωは観察光
学系の半視界(rad)、Tは観察光学系の撮影範囲に
対する視野率、Pは固体撮像素子の画素ピッチ(mm)
である。
【0014】本発明の第2の局面による撮影機能付観察
光学装置は、観察光学系と、固体撮像素子と、この固体
撮像素子の受光面に被写体を結像させる撮影光学系と、
この撮影光学系をその光軸に沿って移動させる合焦機構
と、この合焦機構の駆動を自動的に制御して被写体を固
体撮像素子の受光面に被写体像として合焦させる自動合
焦制御手段とを具備して成る。本発明の第2の局面によ
れば、撮影機能付観察光学装置は以下の条件式を満足す
る。 y2/(1000×PF(ω/T)2)>80かつF<6 但し、上記式において、Fは撮影光学系のエフナンバ
ー、yは固体撮像素子の最大像高(mm)、ωは観察光
学系の半視界(rad)、Tは観察光学系の撮影範囲に
対する視野率、Pは固体撮像素子の画素ピッチ(mm)
である。
【0015】本発明の第3の局面による撮影機能付観察
光学装置は撮影機能付双眼鏡として構成され、この撮影
機能付双眼鏡は、一対の観察光学系を具備し、各観察光
学系にはその光軸に沿って対物光学系、正立光学系及び
接眼光学系が含まれ、しかも対物光学系と正立光学系及
び接眼光学系とは該観察光学系の光軸に沿って互いに相
対的に移動可能とされる。撮影機能付双眼鏡は、更に、
各観察光学系を合焦させるべく軸筒の回転運動を該観察
光学系の対物光学系と正立光学系及び接眼光学系との間
の相対的直線運動に変換させる第1の合焦機構と、一対
の観察光学系の間に配置された軸筒と、この軸筒の後方
側に配置された固体撮像素子と、この固体撮像素子の受
光面に被写体を結像させるべく軸筒内に設置された撮影
光学系と、この撮影光学系をその光軸に沿って移動させ
る第2の合焦機構と、この第2の合焦機構の駆動を自動
的に制御して被写体を固体撮像素子の受光面に被写体像
として合焦させる自動合焦制御手段とを具備して成る。
本発明の第3の局面によれば、撮影機能付双眼鏡は以下
の式を満足する。 y2/(1000×PF(ω/T)2)>80かつF<6 但し、上記式において、Fは撮影光学系のエフナンバ
ー、yは固体撮像素子の最大像高(mm)、ωは観察光
学系の半視界(rad)、Tは観察光学系の撮影範囲に
対する視野率、Pは固体撮像素子の画素ピッチ(mm)
である。
【0016】本発明の第1、第2及び第3の局面におい
て、合焦制御手段については、回転駆動手段によって軸
筒を回転駆動させつつ固体撮像素子の受光面に結像され
た被写体像の少なくとも一部の領域で互いに隣接する画
素間の輝度差を演算して該領域のコントラストを評価す
るコントラスト評価手段と、このコントラスト評価手段
によって該領域のコントラストが最も大きいと判断され
たとき回転駆動手段を停止させる停止手段とから構成さ
れ得る。また、合焦制御手段については、被写体までの
距離を検出する測距センサと、撮影光学系の直線運動方
向に沿う位置を検知する位置検知手段と、測距センサに
よって被写体までの距離が検出されたとき、撮影光学系
を該距離に対応した所定位置に向けて回転駆動手段を始
動させる始動手段と、位置検知手段によって撮影光学系
が該所定位置まで移動したことが検知されたとき、回転
駆動手段を停止させる停止手段とから構成されてもよ
い。
【0017】本発明による撮影機能付観察光学装置が撮
影機能付双眼鏡として構成される場合には、一対の観察
光学系を収容するためのケーシングが設けられ得る。こ
の場合、ケーシングは互いに相対的に移動可能な2つの
ケーシング部分から成り、一方のケーシング部分には一
対の観察光学系の一方が収容され、他方のケーシング部
分に一対の観察光学系の他方が収容され、2つのケーシ
ング部分の一方をその他方のケーシング部分に対して相
対的に移動させることにより眼幅調節が行われる。好ま
しくは、2つのケーシング部分の一方がその他方のケー
シング部分に摺動自在に収容され、これらケーシング部
分の相対的移動時に一対の観察光学系の光軸がその眼幅
調節のために常に同じ平面内で移動させられる。
【0018】また、撮影機能付双眼鏡では、一対の観察
光学系のそれぞれを収容する一対のレンズ鏡筒が設けら
れてもよく、この場合には一対のレンズ鏡筒は眼幅調整
のために軸筒の中心軸線の回りで回動自在とされる。こ
のような撮影機能付双眼鏡にあっては、一対の観察光学
系のいずれか一方の対物光学系が撮影光学系の一部を成
してもよく、このとき対物光学系に入射した光の一部が
撮影光学系に導かれることになる。
【0019】本発明の好適な実施形態においては、観察
光学系によって捉えられた観察対象物像を合焦させるべ
く該観察光学系には合焦機構が組み込まれ、自動合焦制
御手段による撮影光学系の合焦機構の駆動が観察光学系
の合焦機構の駆動に連動させられ、この場合には、勿
論、観察光学系の観察対象物像の合焦も自動的に行われ
ることになる。
【0020】本発明による撮影機能付観察装置では、撮
影光学系の合焦機構については回転運動を該撮影光学系
の直線運動に線型関係で変換する運動変換機構として構
成され得るが、好ましくは、回転運動を該撮影光学系の
直線運動に非線型関係で変換する運動変換機構として構
成される。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、添付図面の図1ないし図7
を参照して、本発明による撮影機能付観察光学装置の第
1の実施形態について説明する。
【0022】本実施形態では、撮影機能付観察光学装置
は撮影機能付双眼鏡として構成される。先ず、図1を参
照すると、本発明による撮影機能付双眼鏡の内部構造が
示され、図2を参照すると、図1のII-II線に沿う断面
図が示されている。本実施形態では、撮影機能付双眼鏡
は略直方形を呈するケーシング10を具備し、このケー
シング10はケーシング本体部分10Aと可動ケーシン
グ部分10Bとから成る。
【0023】ケーシング10内には一対の観察光学系1
2R及び12Lが設けられ、この一対の観察光学系12
R及び12Lは左右対象な構成を有し、それぞれ右眼観
察用及び左眼観察用として使用される。右側観察光学系
12Rはケーシング本体部分10Aに組み込まれ、この
右側観察光学系12Rには対物レンズ系14R、正立プ
リズム系16R及び接眼レンズ系18Rが含まれる。ケ
ーシング本体部分10Aの前方壁には観察窓19Rが形
成され、この観察窓19Rは右側観察光学系12Rの対
物レンズ系14Rと整列させられる。また、左側観察光
学系12Lは可動ケーシング部分10B側に組み込ま
れ、この左側観察光学系12Lには対物レンズ系14
L、正立プリズム系16L及び接眼レンズ系18Lが含
まれる。可動ケーシング部分10Bの前方壁には観察窓
19Lが形成され、この観察窓19Lは左側観察光学系
12Lの対物レンズ系14Lと整列させられる。
【0024】なお、以下の記載では、説明の便宜上、前
方側及び後方側とはそれぞれ撮影機能付双眼鏡の観察光
学系(12R、12L)に対して対物側及び接眼側とし
て定義される。
【0025】可動ケーシング部分10Bはケーシング本
体部分10Aから左方側に引き出し得るように該ケーシ
ング本体部分10Aに対して摺動自在に係合させられ
る。即ち、可動ケーシング部分10Bは図2に示す収納
位置と図3に示す最大引出し位置との間で左右方向に移
動自在とされる。可動ケーシング部分10Bとケーシン
グ本体部分10Aとの間の摺動係合面には或る程度の摩
擦力が働くようになっており、このためケーシング本体
部分10Aに対して可動ケーシング部分10Bを移動さ
せる際には双方の部分10A及び10B間に所定以上の
引出し力或いは押込み力を及ぼすことが必要となる。要
するに、可動ケーシング部分10Bはその収納位置(図
2)と最大引出し位置(図3)との間の任意の位置で摩
擦力で留めておくことが可能である。
【0026】図2及び図3の比較から明らかなように、
可動ケーシング部分10Bがケーシング本体部分10A
から引き出されたとき、左側観察光学系12Lは可動ケ
ーシング部分10Bと共に移動するが、しかし右側観察
光学系12Rはケーシング本体部分10A側に留められ
る。即ち、可動ケーシング部分10Bをケーシング本体
部分10Aに対して任意の引出し位置に位置決めするこ
とにより、右側観察光学系12Rの接眼レンズ系18R
と左側観察光学系12Lの接眼レンズ系18Lとの光軸
間距離即ち眼幅を調節することが可能である。
【0027】本実施形態においては、右側観察光学系1
2Rの対物レンズ系14Rはケーシング本体部分10A
に対して固定位置に設置されるが、その正立プリズム系
16R及び接眼レンズ系18Rは対物レンズ系14Rに
対して前後方向に移動可能であり、これにより右側観察
光学系12Rの合焦(フォーカシング)が行われる。同
様に、左側観察光学系12Lの対物レンズ系14Lは可
動ケーシング部分10Bに対して固定位置に設置される
が、その正立プリズム系16L及び接眼レンズ系18L
は対物レンズ系14Lに対して前後方向に移動可能であ
り、これにより左側観察光学系12Lの合焦(フォーカ
シング)が行われる。
【0028】以上で述べたような眼幅調節及び合焦動作
を行わせるために、ケーシング10の底部側には図4に
示すような支持板構造体20が設けられる。なお、図1
では、図示の複雑化を避けるために支持板構造体20は
省かれている。
【0029】支持板構造体20は、ケーシング本体部分
10Aに対して適宜固定された矩形状固定板20Aと、
この矩形状固定板20A上に摺動自在に配置されかつ可
動ケーシング部分10Bに対して適宜固定されたスライ
ド板20Bとから成る。スライド板20Bは矩形状固定
板20Aの前後方向の幅にほぼ等しい幅を持つ矩形状部
22と、この矩形状部22から右方側に一体的に延在し
た延在部24とから成る。右側観察光学系12Rの対物
レンズ系14Rは矩形状固定板20A上の所定位置に固
定設置され、左側観察光学系12Lの対物レンズ系14
Lはスライド板20B上の所定位置に固定設置させられ
る。
【0030】スライド板20Bの矩形状部22には一対
の案内スロット26が形成され、またその延在部24に
は案内スロット27が形成される。一方、矩形状固定板
20Aには、一対の案内スロット26に摺動自在に受け
入れるようになった一対の案内ピン26′と、案内スロ
ット27に摺動自在に受け入れるようになった案内ピン
27′とが植設される。各案内スロット(26、27)
は左右方向に同じ長さだけ延び、その長さはケーシング
本体部分10Aに対する可動ケーシング部分10Bの移
動距離、即ち可動ケーシング部分10Bの収納位置(図
2)と可動ケーシング部分10Bの最大引出し位置(図
3)との間の距離に対応する。
【0031】図2及び図3から明らかなように、支持板
構造体20はケーシング10内にその底部から適当な間
隔を空けて設置され、このとき矩形状固定板20Aはケ
ーシング本体部分10A側に適宜固定され、またスライ
ド板20Bは可動ケーシング部分10B側に適宜固定さ
れる。なお、図示の実施形態では、可動ケーシング部分
10Bに対するスライド板20Bの固定のために、その
矩形状部22の左辺縁の一部に沿って取付片28が設け
られ、この取付片28が可動ケーシング部分10Bの仕
切り壁29に適宜固着される。
【0032】図5を参照すると、右側観察光学系12R
の正立プリズム系16Rを搭載するための右側マウント
板30Rと、左側観察光学系12Lの正立プリズム系1
6Lを搭載するための左側マウント板30Lが示され
る。図5及び図6から明らかなように、右側マウント板
30R及び左側マウント板30Lのそれぞれの後方側縁
辺に沿って直立板32R及び32Lが設けられる。図1
に示すように、右側直立板32Rは右側接眼レンズ系1
8Rの取付座として用いられ、左側直立板32Lは左側
接眼レンズ系18Lの取付座として用いられる。
【0033】図6に示すように、右側マウント板30R
の底面にはその右側縁辺のほぼ中央に沿って案内シュー
34Rが固着され、この案内シュー34Rには図2及び
図3に示すように矩形状固定板20Aの右側端縁を摺動
自在に受け入れる溝36Rが形成される。また、右側マ
ウント板30Rの左側縁辺に沿って側壁38Rが設けら
れ、この側壁38Rの底部側は肥大部40Rとして形成
され、この肥大部40Rには案内ロッド42Rを摺動自
在に挿通させるボアが形成される。案内ロッド42Rの
両端は矩形状固定板20Aの前方側縁辺及び後方側縁辺
にそれぞれ一体的に形成された一対の対向直立支持片4
4Rに形成された孔に挿通させられて適宜固定される。
【0034】一方、左側マウント板30Lの底面にはそ
の左側縁辺のほぼ中央に沿って案内シュー34Lが固着
され、この案内シュー34Lには図2及び図3に示すよ
うにスライド板20Bの左側端縁を摺動自在に受け入れ
る溝36Lが形成される。また、左側マウント板30L
の右側縁辺に沿って側壁38Lが設けられ、この側壁3
8Lの底部側は肥大部40Lとして形成され、この肥大
部40Lには案内ロッド42Lを摺動自在に挿通させる
ボアが形成される。案内ロッド42Lの両端はスライド
板20Bの前方側縁辺及び後方側縁辺にそれぞれ一体的
に形成された一対の対向直立支持片44Lに形成された
孔に挿通させられて適宜固定される。
【0035】なお、上述したように、支持板構造体20
は図1では省かれているが、一対の対向直立支持片44
Rと一対の対向直立支持片44Lとについては図示され
ている。
【0036】以上述べたような構成により、可動ケーシ
ング部分10Bがケーシング本体部分10Aから左方側
に引き出されたとき、左側観察光学系12Lは可動ケー
シング部分10Bと共に移動するので、右側観察光学系
12Rの接眼レンズ系18Rと左側観察光学系12Lの
接眼レンズ系18Lとの光軸間距離(即ち、眼幅)の調
節が可能となる。
【0037】また、右側観察光学系12Rの対物レンズ
系14Rは右側マウント板30Rの前方側に配置されて
いるので、右側マウント板30Rを案内ロッド42Rに
沿って前後に移動させることにより、対物レンズ系14
Rと正立プリズム系16Rとの距離が調節させられ、こ
のため右側観察光学系12Rの合焦動作が行われること
になる。同様に、左側観察光学系12Lの対物レンズ系
14Lは左側マウント板30Lの前方側に配置されてい
るので、左側マウント板30Lを案内ロッド42Lに沿
って前後に移動させることにより、対物レンズ系14L
と正立プリズム系16Lとの距離が調節させられ、この
ため左側観察光学系12Lの合焦動作が行われることに
なる。
【0038】右側マウント板30R及び左側マウント板
30Lをそれぞれの案内ロッド42R及び42Lに沿っ
て同期して移動させると共に右側マウント板30Rに対
する左側マウント板30Lの左右方向の移動を許容させ
るために、図5に最もよく示すように、右側マウント板
30R及び左側マウント板30Lは伸縮自在の連結手段
46によって互いに連結させられる。
【0039】詳述すると、本実施形態では、連結手段4
6は、右側マウント板30Rの側壁40Rの肥大部42
Rの前方端部から左方側に延びた横断面矩形状のロッド
部材46Aと、このロッド部材46Aを摺動自在に受け
入れる二股部材46Bとから成る。ロッド部材46A及
び二股部材46Bの長さについては、可動ケーシング部
分10Bが収納位置(図2)から最大引出し位置(図
3)まで引き出された際にもロッド部材46Aと二股部
材46Bとの摺動係合が維持され得るものとされる。か
くして、可動ケーシング部分10Bがケーシング本体部
分10Aに対してどのような引出し位置にあっても、右
側マウント板30R及び左側マウント板30Lはそれぞ
れの案内ロッド42R及び42Lに沿って同期して移動
することができる。なお、ロッド部材46Aには横断面
矩形状の孔47が形成されるが、この孔47の機能につ
いては後で説明する。
【0040】図7を参照すると、図1のVII-VII線に沿
って切断された縦断面図が示される。図1及び図7から
明らかなように、ケーシング本体部分10Aの前方壁面
には円形開口部48が形成され、この円形開口部48は
可動ケーシング部分10Bがケーシング本体部分10A
に対して収納位置に置かれているときケーシング10の
前方壁の中央に位置させられる。
【0041】ケーシング本体部分10Aの前方側壁の内
側壁面からは円形開口部48を取り囲むように前方スリ
ーブ部材50が一体的に突出させられ、この前方スリー
ブ部材50の頂部側は図7に示すようにケーシング本体
部分10Aと一体化させられる。一方、前方スリーブ部
材50から後方側に所定の間隔を置いて後方スリーブ部
材52が配置させられ、この後方スリーブ部材52はケ
ーシング本体部分10Aの頂部壁の内側壁面から吊下す
るような態様で一体成形される。
【0042】前方スリーブ部材50と後方スリーブ部材
52とは互いに整列させられ、その間には軸筒54が回
転自在に適宜保持される。軸筒54には転輪部56が後
方スリーブ部材52に接近して一体的に形成され、この
転輪部56の一部はケーシング本体部分10Aの頂部壁
に形成された矩形開口部58を通して外部に露出させら
れる。なお、一対の観察光学系12R及び12Lの合焦
動作時、転輪部56の露出部分は本発明による撮影機能
付双眼鏡の観察者の例えば人指し指によって回転させら
れるようになっている。
【0043】軸筒54にはその前方端と転輪部56との
間に雄ねじ60が形成され、この雄ねじ60には環状体
62が螺着される。図2、図4及び図7から明らかなよ
うに、環状体62には半径方向外側に突出する突起部6
4が形成され、この突起部64の先端は連結手段46の
ロッド部材46Aに形成された横断面矩形状の孔47に
嵌入させられる。従って、転輪部56が回転させられる
と、環状体62は軸筒54の雄ねじ60と螺着されてい
るためにその長手軸線方向に沿って移動させられ、その
移動方向は転輪部56の回転方向に依存する。要する
に、軸筒54と環状体62とは軸筒54の回転運動を環
状体62の直線運動に変換させる運動変換機構を形成す
る。
【0044】環状体62の突起部64の先端は連結手段
46のロッド部材46Aの孔47に嵌入されているの
で、環状体62の移動に伴い、右マウント板30R及び
左マウント板30Lも移動させられる。要するに、転輪
部56の回転により、対物レンズ系14R及び14Lの
それぞれに対する正立プリズム系16R及び16Lの距
離が調整され、このため一対の観察光学系12R及び1
2Lの合焦動作が行われることになる。
【0045】本実施形態では、一対の観察光学系12R
及び12Lについては、例えば、対物レンズ系14R及
び14Lのそれぞれに対する正立プリズム系16R及び
16Lの距離が最も短いときに無限遠の観察対象物の合
焦が得られるようなレンズ設計とされ、より近距離の観
察対象物を観察するとき、軸筒54の回転により正立プ
リズム系16R及び16Lをそれぞれ対物レンズ系14
R及び14Lから引き離して観察対象物像の合焦が行わ
れる。勿論、正立プリズム系16R及び16Lがそれぞ
れ対物レンズ系14R及び14Lから最大距離まで引き
離されたとき、設計上最も近距離の観察対象物像の合焦
が得られることになる。
【0046】軸筒54内にはレンズ鏡筒66が設置させ
られ、このレンズ鏡筒66内には第1レンズ群68と第
2レンズ群70とから成る撮影光学系が保持される。一
方、ケーシング本体部分10Aの後方側壁の内側壁面に
は直立回路基板72が取り付けられ、この直立回路基板
72上には固体撮像素子例えばCCD(charge-coupled
device)撮像素子74が搭載され、このCCD撮像素子
74はその受光面が撮影光学系(68、70)と整列す
るように配置される。後方スリーブ部材52の後方端面
側には内側フランジ部が形成され、その内側フランジ部
には光学的ローパスフィルタ76が支持される。要する
に、本実施形態では、撮影機能付双眼鏡には所謂デジタ
ルカメラとしての撮影機能が与えられ、被写体は撮影光
学系(68、70)によって光学的ローパスフィルタ7
6を通してCCD撮像素子74の受光面に結像させられ
る。
【0047】本発明による撮影機能付双眼鏡を通常のカ
メラの場合と同様に、例えば1メートル先の被写体につ
いて撮影し得るようにするためには、レンズ鏡筒66に
も合焦機構を組み込むことが必要となり、しかもその合
焦機構については一対の観察光学系12R及び12Lの
合焦機構と連動させることが好ましい。即ち、撮影光学
系(68、70)について、近距離の被写体については
撮影光学系(68、70)を移動させて合焦することが
好ましい。
【0048】そこで、本実施形態では、軸筒54の内周
壁面には雌ねじが形成され、一方レンズ鏡筒66の外周
壁面には雄ねじが形成され、これによりレンズ鏡筒66
は軸筒54内で螺着される。レンズ鏡筒66の前方端部
は前方スリーブ部材50内に挿入させられ、該前方端部
には図7に示すように一対のキー溝78が直径方向に形
成され、各キー溝78はレンズ鏡筒66の前方端縁から
その長手軸線方向に沿って所定長さだけ延びる。一方、
前方スリーブ部材50の後方側端面に接近した箇所には
一対のボアが直径方向に形成され、各ボアにはキー溝7
8に係合するようになったピン要素80が植設される。
要するに、キー溝78とピン要素80との係合により、
レンズ鏡筒66の回転が阻止される。
【0049】かくして、軸筒54がその転輪部56の操
作により回転させられると、レンズ鏡筒66はその光軸
に沿って移動させられる。即ち、軸筒54の内周壁面に
形成された雌ねじとレンズ鏡筒66の外周壁面に形成さ
れた雄ねじとは該軸筒54の回転運動をレンズ鏡筒66
の直線運動に変換するための運動変換機能を形成し、こ
の運動変換機構はレンズ鏡筒66の合焦機構として機能
させられる。
【0050】軸筒54の外周壁面に形成される雄ねじ6
0とその内周壁面に形成される雌ねじとは互いに逆向き
とされ、このため軸筒54が正立プリズム系16R及び
16Lをそれぞれ対物レンズ系14R及び14Lから引
き離すように回転させられたとき、レンズ鏡筒66はC
CD撮像素子74から遠のくように移動させられ、かく
して被写体についてはCCD撮像素子74の受光面に合
焦された状態で結像されることができる。勿論、軸筒5
4の外周壁面の雄ねじピッチ及びその内周壁面の雌ねじ
ピッチのそれぞれについては、一対の観察光学系12R
及び12Lの光学特性及び撮影光学系(68、70)の
光学特性に応じて異なったものとされる。
【0051】図2、図3及び図7に示すように、ケーシ
ング本体部分10Aの底部壁の下側壁面には三脚の雲台
の雄ねじと螺着するようになった雌ねじ孔81が形成さ
れる。図2から明らかなように、可動ケーシング部分1
0Bがケーシング本体部分10Aに対して収納位置にあ
るとき、雌ねじ孔81はケーシング10の左右長のほぼ
中央に位置し、その位置は撮影光学系(68、70)の
光軸の直下となる。また、図7から明らかなように、雌
ねじ孔81はケーシング本体部分10Aの前方側縁辺に
近接して配置される。
【0052】図1、図2及び図3に示すように、ケーシ
ング本体部分10Aの右側端部内には電源回路基板82
が設けられ、この電源回路基板82はケーシング本体部
分10Aに対して適宜保持される。また、図2及び図3
に示すように、ケーシング本体部分10Aの底部壁と支
持板構造体20との間には主制御回路基板84が設けら
れ、この主制御回路基板84はケーシング本体部分10
Aの底部壁によって適宜支持される。主制御回路基板8
4にはマイクロコンピュータやメモリ等の電子部品が搭
載され、CCD搭載用回路基板72及び電源回路基板8
2は平坦なフレキシブル配線コード(図示されない)を
介して主制御回路基板84に適宜接続される。
【0053】本実施形態では、図2、図3及び図7に示
すように、ケーシング本体部分10Aの頂部壁の外面に
はLCD(liquid crystal display)表示器86が配置さ
れ、このLCD表示器86は図7に示すように該頂部壁
の前方側縁に沿って設けた回動軸88に回動自在に装着
される。LCD表示器86は通常は図7に実線で示す収
納位置に置かれ、このときLCD表示器86の液晶表示
面はケーシング本体部分10Aの頂部壁側に向いている
ので、その液晶表示面を観察することはできない。CC
D撮像素子74によって撮影作動が行われるとき、LC
D表示器86はその収納位置から図7で破線で部分的に
示すような表示位置まで手動操作により回動させられ、
このときLCD表示器装置86の液晶表示面が接眼レン
ズ系18R及び18Lの側から観察され得るようになっ
ている。
【0054】図1、図2及び図3から明らかなように、
可動ケーシング部分10Bの左側端部内は仕切り壁29
によって仕切られ、その内部はバッテリー充填室90と
して郭成される。バッテリー充填室90には二本のバッ
テリー92が充填され、電源回路基板82は給電配線コ
ード(図示されない)を介してバッテリー92から給電
を受け、CCD搭載用回路基板72上のCCD撮像素
子、主制御回路基板84上のマイクロコンピュータやメ
モリ等の電子部品及びLCD表示器86は電源回路基板
82から給電される。
【0055】図2及び図3に最もよく示すように、電源
回路基板82には2つの接続コネクタ、即ちビデオ出力
端子コネクタ出力94とUSB出力端子コネクタ95と
が上下方向に並んで搭載され、これら接続コネクタ94
及び95は例えば画像処理コンピュータ(図示されな
い)との接続ために用いられる。電源回路基板82は接
続コネクタ94及び95と共にシールドカバー96によ
って覆われ、シールドカバー96については適当な導体
材料例えば適当な厚さの鋼板から形成することができ
る。
【0056】また、図2及び図3に示すように、主制御
回路基板84の下側にはCF(Compact Flash)カードホ
ルダ97が設けられ、このCFカードホルダ97にはC
Fカードがメモリカードとして抜差し自在に挿入し得る
ようになっている。
【0057】ところで、撮影光学系(68、70)の焦
点深度が浅い場合には、その焦点深度に見合う精度の距
離検出手段無しに合焦を行うことは非常に難しくなる。
これに対して、一対の観察光学系(12R、12L)の
合焦機構については撮影光学系(68、70)の合焦機
構よりも高精度に構成する必要はなく、観察対象物像の
合焦は転輪部56の手動操作により十分得られる。とい
うのは、一対の観察光学系(12R、12L)による観
察対象物像の合焦については観察者が十分合焦している
と見えるように手動操作で合焦を行えるからである。人
間の目は±0.5ディオプター程度まで合焦すれば合焦し
ていると認識し、その程度の精度で合焦操作ができるこ
とが経験的に知られている。
【0058】かくして、本実施形態にあっては、非撮影
時には、一対の観察光学系(12R、12L)の合焦機
構については転輪部56の手動操作により駆動し得る
が、撮影時には、撮影光学系(68、70)の合焦機構
は自動合焦制御手段によって自動的に駆動させられ、こ
のとき一対の観察光学系(12R、12L)の合焦機構
も撮影光学系(68、70)の合焦機構の駆動に連動し
て自動的に駆動させられることになる。
【0059】一対の観察光学系12R及び12Lと撮影
光学系(68、70)との合焦機構を自動的に駆動させ
るために、転輪部56には図7に最もよく図示するよう
にその外周壁に沿って歯車98が形成される。一方、支
持板構造体20の矩形状固定板20A上には駆動モータ
例えばステップモータ100が取り付けられ、その出力
シャフトは適当なクラッチ例えば電磁クラッチ102に
接続され、電磁クラッチ102の出力シャフトには転輪
部56の歯車98と噛み合う出力歯車104が取り付け
られる。電磁クラッチ102がオフ状態にあるとき、転
輪部56は指操作により回転させられ、これにより合焦
動作が行われる。電磁クラッチ102がオン状態にある
とき、転輪部56はステップモータ100によって回転
させられ、これにより自動合焦動作(AF)が後述する
ような態様で行われる。
【0060】本実施形態では、撮影光学系(68、7
0)については、無限遠から該撮影光学系の前方約1メ
ートルまでの被写体像について合焦が得られるようにさ
れる。このような条件下で撮影光学系(68、70)の
無限遠から例えばその手前1メートルまでの範囲即ち被
合焦範囲内の被写体について所望の合焦精度(ピント精
度)が得られるようにすることが必要となる。所望の合
焦精度を得るためには、撮影光学系(68、70)の被
写体側深度が関係し、この被写体側深度については、主
に、撮影光学系(68、70)の焦点距離f、そのエフ
ナンバーF、CCD撮像素子74の許容錯乱円径δ等の
パラメータによって決まる。
【0061】δについては、銀塩カメラの場合には銀塩
フィルムの対角線の1000分の1程度の値とされている
が、CCD撮像素子74等の固体撮像素子を用いる所謂
デジタルカメラの場合にはその画素ピッチPで決まる。
そこで、許容錯乱円径δについては、以下のように決め
ることができる。 δ=aP ここで、aは適当な定数であり、許容錯乱円径δを単純
にCCD撮像素子74の画素サイズとする場合には、a
=1とすることができる。なお、本実施形態では、被写
体側の周期的特性即ち空間周波数がCCD撮像素子74
の画素配列ピッチに一致した際に生じ得るモアレを排除
するために光学的ローパスフィルタ76が設けられてい
るので、定数aに必ずしも1を与える必要はなく、例え
ば1.4ないし3程度の値を与え得る。
【0062】かくして、撮影光学系(68、70)の被
写体側深度をDoとすると、Doは以下のように求ま
る。 Do=f2/Di=f2/aPF 但し、Diは撮影光学系(68、70)の像側深度であ
り、Di=aPFとなる。
【0063】一方、撮影光学系(68、70)の焦点距
離fについては、半画角θとすると、以下の式によって
求められる。 f=y/tanθ=y/tan(ω/T) ここで、yはCCD撮像素子74の最大像高(mm)で
あり、その受光面の対角線の半分の距離、ωは観察光学
系(12R、12L)の半視界(rad)、Tは観察光
学系(12R、12L)の撮影範囲に対する視野率、即
ち撮影光学系(68、70)の半画角に対する観察光学
系(12R、12L)の半視界ωの比である(T=ω/
θ)。
【0064】従って、撮影光学系(68、70)の被写
体側深度Doは以下のように表すことができる。 Do=y2/(tan2(ω/T)aPF)
【0065】観察光学系(12R、12L)は遠景を拡
大して観察する所謂望遠鏡としての機能を持つものであ
り、その実視界は狭くなるので、tanω≒ωとして見
做すことができる。また、定数aについてはCCD撮像
素子74で得られる画像データをどのように処理するか
によって変動する値であるので省略する。即ち、撮影像
がLCD表示器86で表示されるのか或いはプリンタで
出力されるのかによって、定数aは異なった値に設定さ
れるので、ここではあえて定めず、省略することができ
る。かくして、上記条件式は以下のように書き換え得
る。 Do∝y2/((ω/T)2×PF)
【0066】要するに、上記条件式は撮影光学系(6
8、70)の無限遠合焦時の深度を示す目安となる。上
述したように、撮影光学系(68、70)がその前方の
被写体について合焦が得られるとする際の距離表示につ
いては通常はメートルが使用されるので、上記式を1000
で除すると、以下のようになる。 y2/(1000×PF(ω/T)2)
【0067】従って、上記条件式が所定の下限値80を上
回るように、上記条件式中の各種パラメータが決められ
れば、その撮像光学系の合焦機構については、自動合焦
制御によって合焦を行わせるのに適したものとなり得
る。即ち、上記条件式の数値が大きくなればなる程、結
像側焦点深度は一層浅くなり、上記下限値80を超えたと
き、その撮影光学系の合焦機構は手動操作で動作させる
ことは難しく、自動制御による動作が必要となる。な
お、上記下限値80は過去の撮影光学系のレンズ設計の積
重ねに基づく経験的な数値であり、この下限値80につい
ては、多少の変動はあるが、撮影光学系の合焦を自動合
焦(AF)とするか手動合焦とするかの境界の目安とな
る数値である。
【0068】上記式中の各種パラメータを決定するため
には、以下のことが考慮されなくてはならない。
【0069】先ず、画素ピッチPは使用されるCCD撮
像素子74によって決まり、画素ピッチPは感度にも影
響し、このため撮影光学系(68、70)のエフナンバ
ーFにも影響を与える。CCD撮像素子74の感度を上
げるためには、画素ピッチPを大きくしてCCD撮像素
子74の画素数を小さくするか、或いはCCD撮像素子
74の最大像高yを大きくすることがことが必要であ
る。最大像高yを一定にして画素数を減らせば、撮影像
の画質が劣化することになり、最大像高yを一定の儘で
画素数を増やせば、一画素当たりの面積が小さくなり感
度は低下することになる。感度を上げるためには所定の
画素数で最大像高yを大きくすればよいが、しかしその
場合には、CCD撮像素子74の全体が大型化し、それ
に伴って撮影光学系(68、70)の画角も一定に保つ
と焦点距離fが大きくなり大型するという点が問題とな
る。また、一般的に、CCD撮像素子74の感度は銀塩
フィルム感材の感度に比べて低い。そこで、撮影光学系
(68、70)のエフナンバーFについては6よりも小
さな値を与えることが必要である(F<6)。
【0070】また、上記条件式が限界値80を超えるため
には、y/(ω/T)を小さくするか、画素ピッチPを
大きくするか、エフナンバーFを大きくするかのいずれ
かである。y/(ω/T)を小さくるためには、最大像
高yを小さくするか、視野率Tを小さくすることが必要
となる。上述したように、画素数を減らさずに最大像高
yを小さくすれば、感度が低下し、また感度を維持する
ために画素数を減らせば、撮像像の画質が低下する。一
方、視野率Tを大きくすると、撮影光学系(68、7
0)の撮影範囲が観察光学系(12R、12L)よりも
大きくなって観察光学系がファインダとしての機能が果
たせなくなる。一方、画素ピッチP及びエフナンバーF
をそれぞれ単に大きくした場合の問題については既に述
べた通りである。
【0071】以上の点を配慮して、上記条件式中の各種
パラメータについては、例えば、次のように設定するこ
とができる。 例1:1/3インチ型CCD撮像素子を用いた場合 y=2.98mm ω=0.06231rad(3.5°) P=0.0047mm(4.7μm) T=0.78 F=2.8 このようにパラメータが設定されると、上記条件式の数
値は106となる。
【0072】例2:1/2.7インチ型CCD撮像素子を用
いた場合 y=3.32mm ω=0.06231rad(3.57°) P=0.0042mm(4.2μm) T=0.70 F=2.8 このようにパラメータが設定されると、上記条件式=11
8となる。
【0073】図8は図7と同様な縦断面図であって、上
述した第1の実施形態の変形実施形態を示す図である。
図8に示す変形実施形態では、軸筒54の回転運動を環
状体62の直線運動に変換するための運動変換機構と軸
筒54の回転運動をレンズ鏡筒66の直線運動に変換す
るための運動変換機構とが上述した第1の実施形態の場
合とは異なり、この点を除けば図8の撮影機能付双眼鏡
は図1ないし図7に示した撮影機能付双眼鏡と実質的に
同じものである。なお、図8では、図7に示した構成要
素と同様な構成要素については同じ参照符号が用いられ
る。
【0074】詳述すると、図8に示す変形実施形態で
は、軸筒54の外周壁面にはカム溝106(図8では、
カム溝106が平面上に展開された状態で破線によって
示される)が形成され、このカム溝106には環状体6
2の内側壁面からカムフォロワとして突出した短軸10
8が摺動係合させられ、このようなカム溝106と短軸
108との係合により、軸筒54の回転運動を環状体6
2の直線運動に変換するための運動変換機構が形成され
る。一方、軸筒54の内周壁面にはカム溝110(図8
では、カム溝110が平面上に展開された状態で破線に
よって示される)が形成され、このカム溝110にはレ
ンズ鏡筒66の外側壁面からカムフォロワとして突出し
た短軸112が摺動係合させられ、このようなカム溝1
10と短軸112との係合により、軸筒54の回転運動
をレンズ鏡筒66の直線運動に変換するための運動変換
機構が形成される。
【0075】図1ないし図7に示す第1の実施形態のよ
うに、運動変換機構が雄ねじと雌ねじとの螺着により形
成される場合、軸筒54の回転量は環状体62或いはレ
ンズ鏡筒66の直線運動量に対して線型関係となる。し
かしながら、一対の観察光学系12R及び12L或いは
撮影光学系(68、70)の合焦位置については、対物
光学系14R及び14Lに対する正立プリズム系16R
及び16Lとの距離或いはCCD撮像素子74の受光面
に対する撮影光学系(68、70)に対する距離に対し
て必ずしも線型関係とはならない。
【0076】従って、一対の観察光学系12R及び12
L或いは撮影光学系(68、70)について正確な合焦
位置を得るためには、図8に示すような変形実施形態の
場合のように、運動変換機構についてはカム溝(10
6、110)と短軸(108、112)との係合により
形成することが好ましい。というのは、勿論、軸筒54
の回転量と環状体62或いはレンズ鏡筒66の直線運動
量との関係を容易に非線型とすることが可能であり、そ
の結果として、一対の観察光学系12R及び12L或い
は撮影光学系(68、70)について正確な合焦位置が
得られるからである。しかしながら、実際には、一対の
観察光学系12R及び12Lについても或いは撮影光学
系(68、70)についても或る程度の焦点深度が得ら
れるので、図1ないし図7に示す第1の実施形態のよう
に、運動変換機構を雄ねじと雌ねじとの螺着により形成
しても特に差し支えはない。
【0077】しかしながら、一般的に、一対の観察光学
系12R及び12L或いは撮影光学系(68、70)の
合焦位置と、対物レンズ系14R及び14Lに対する正
立プリズム系16R及び16Lとの距離或いはCCD撮
像素子74の受光面に対する撮影光学系(68、70)
に対する距離とが線型関係で近似された場合には、合焦
可能な観察像或いは被写体像が一対の観察光学系12R
及び12L或いは撮影光学系(68、70)に近づけば
近づく程、観察光学系と撮影光学系の近軸配置が異なる
ため、それぞれの光学系の所謂ボケ量の違いが増大する
こととなり無視できなくなるので、撮影光学系(68、
70)に接近した被写体、例えば撮影光学系(68、7
0)の約1メートル先の被写体についても、十分にピン
トの合った撮影像を得るような場合には、上述した運動
変換機構についてはカム溝(106、110)と短軸
(108、112)とにより形成し、軸筒54の回転量
と環状体62或いはレンズ鏡筒66の直線運動量との関
係を非線型として、一対の観察光学系12R及び12L
或いは撮影光学系(68、70)について適正な合焦位
置が得られるようにされるべきである。
【0078】なお、図1ないし図7に示す実施形態にお
いて、運動変換機構が雄ねじと雌ねじとの螺着により形
成される場合であっても、その雄ねじと雌ねじが所謂ヘ
リコイドねじとして構成される場合には、軸筒54の回
転量と環状体62或いはレンズ鏡筒66の直線運動量と
の関係を非線型とすることが可能である。
【0079】図9を参照すると、上述した第1の実施形
態の制御ブロック図が示される。同図においては、主制
御回路基板84上に搭載されたマイクロコンピュータが
参照符号114で示され、マイクロコンピュータ114
は中央処理ユニット(CPU)114A、種々のルーチ
ンを実行するためのプログラム、マップ、定数等を格納
する読出し専用メモリ(ROM)114B、データ等を
一時的に格納する書込み/読出し自在なメモリ(RA
M)114C及び入出力インターフェース(I/O)1
14Dを包含し、撮影機能付双眼鏡の作動全般を制御す
る。
【0080】撮影機能付双眼鏡にはケーシング本体部分
10Aの頂部壁の外側に種々のスイッチが適宜設けられ
るが、本発明に特に関係のあるスイッチとして、図9に
はAFモード選択スイッチ116、レリーズスイッチ1
18及び被写体像表示スイッチ120が示され、各スイ
ッチがオンされたとき、そのオン信号はI/O114D
を介してマイクロコンピュータ114に取り込まれる。
なお、レリーズスイッチ118は2つのスイッチ素子を
含み、一方のスイッチ素子はレリーズスイッチ118の
操作釦を半押ししたときオンされ、他方のスイッチ素子
は該操作釦を全押ししたときにオンされる。
【0081】また、図9では、CCD撮像素子74、L
CD表示器86、ステップモータ100及び電磁クラッ
チ102がそれぞれブロックとして示される。CCD撮
像素子74はCCD駆動回路122を介してI/O11
4Dに接続され、CCD駆動回路122はマイクロコン
ピュータ114の制御下で動作させられ、これによりC
CD撮像素子74から画像信号の読出しが行われる。L
CD表示器86はLCD駆動回路124を介してI/O
114Dに接続され、LCD駆動回路124はマイクロ
コンピュータ114の制御下で動作させられ、これによ
りLCD表示器86の表示作動が制御される。ステップ
モータ100はモータ駆動回路126を介してI/O1
14Dに接続され、モータ駆動回路126はマイクロコ
ンピュータ114の制御下で動作させられ、これにより
ステップモータ100の駆動が制御される。電磁クラッ
チ102はクラッチ駆動回路128を介してI/O11
4Dに接続され、クラッチ駆動回路128はマイクロコ
ンピュータ114の制御下で動作させられ、これにより
電磁クラッチ102の駆動が制御される。
【0082】電源スイッチ(図示されない)がオンさ
れ、かつ被写体像表示スイッチ120がオンされると、
CCD撮像素子74の受光面に結像された被写体像は一
フレーム分の画像信号に光電変換され、その一フレーム
分の画像信号は所定の時間間隔でCCD駆動回路122
によって順次読み出されて適宜画像処理された後に一フ
レーム分のデジタル画像データに変換される。次いで、
一フレーム分の画像データは主制御回路基板84上のフ
レームメモリに一旦書き込まれ、そのフレームメモリか
らデジタルビデオ信号として読み出される。続いて、デ
ジタルビデオ信号はアナログビデオ信号に変換された後
に適宜画像処理されてLCD表示器86に送られ、これ
によりLCD表示器86の液晶表示画面には被写体像が
動画として再現表示される。
【0083】レリーズスイッチ118が全押しされる
と、上述のフレームメモリに書き込まれた一フレーム分
の画像データが静止画像データとして読み出されて、主
制御回路基板84上のマイクロコンピュータ114内の
RAM114Cに一時的に取り込まれ、そこで適宜画像
処理された後にCFカード97に所定のフォーマットに
従って書き込まれる。CFカード97は適宜CFカード
ホルダ97から取り出され、例えば画像処理コンピュー
タのCFカード用ドライバに装填され、そこで一フレー
ム分の画像データは適宜処理された後に例えばプリンタ
によって撮影画像として出力される。一方、撮影機能付
双眼鏡が接続コネクタ94或いは95を介して画像処理
コンピュータに接続されている場合には、CFカードを
CFカードホルダ97に装填された儘でその画像データ
を画像処理コンピュータに転送することも可能である。
【0084】AFモード選択スイッチ116がオフ状態
にあるとき、電磁クラッチ102はオフ状態とされ、こ
のとき一対の観察光学系12R及び12Lと撮影光学系
(68、70)の合焦作動は転輪部56を指で操作する
ことにより行われる。
【0085】AFモード選択スイッチ116がオンされ
ると、電磁クラッチ102はクラッチ駆動回路128に
よって通電させられ、これにより電磁クラッチ102は
オフ状態からオン状態に移行し、かくして電磁クラッチ
102はステップモータ100の回転駆動力を出力歯車
104に伝達することが可能となる。
【0086】AFモード選択スイッチがオン状態にある
とき、レリーズスイッチ118が半押しされると、マイ
クロコンピュータ114では、図10に示すようなAF
作動ルーチンが実行され、これにより一対の観察光学系
12R及び12Lと撮影光学系(68、70)の合焦作
動が自動的に行われることになる。
【0087】図10のAF作動ルーチンにおいて、先
ず、ステップ1001では、レンズ鏡筒66が最後方位
置に向かって移動するように、ステップモータ100が
駆動される。勿論、このとき一対の観察光学系12R及
び12Lでは、正立プリズム系16R及び接眼レンズ系
18Rと正立プリズム系16L及び接眼レンズ系18L
とはそれぞれ最前方位置に向かって移動させられる。
【0088】ステップ1002では、レンズ鏡筒66が
最後方位置まで到達したか否かが監視される。レンズ鏡
筒66が最後方位置に到達したことが確認されると、ス
テップ1003に進み、そこでステップモータ100の
駆動は逆転させられ、これによりレンズ鏡筒66は前方
に向かって移動させられる。勿論、このとき一対の観察
光学系12R及び12Lでは、正立プリズム系16R及
び接眼レンズ系18Rと正立プリズム系16L及び接眼
レンズ系18Lとはそれぞれ後方に向かって移動させら
れる。
【0089】ステップ1004では、変数iに“1”が
設定され、次いでステップ1005でCCD撮像素子7
4から得られた一フレーム分のうちの少なくとも一部領
域の画像データが取り込まれる。続いて、ステップ10
06では、その画像データについてコントラスト演算が
実行され、その演算結果ΣBi得る。なお、コントラス
ト演算とは、先ず、互いに隣接する2つの画素間の輝度
値の差(Bi)を算出し、次いでそれらの差を総計する
演算である(ΣBi)。
【0090】ステップ1007では、変数iが“1”以
外であるか否かが判断される。もし変数iが“1”であ
るとき(即ち、コントラスト演算が初回の1回だけ行わ
れているとき)、ステップ1008に進み、そこで変数
iがインクレメントされる。次いで、ステップ1005
に戻り、再びステップ1005及び1006が実行され
る。
【0091】初回のコントラスト演算が終了した後で
は、i≠1となるので、ステップ1007からステップ
1009に進み、そこで最新のコントラスト演算結果Σ
iが前回の演算結果ΣB(i-1)と比較され、ΣB(i-1)
<ΣBiであれば、ステップ1008に進み、そこで変
数iをインクレメントした後にステップ1005に戻
る。即ち、最新のコントラスト演算結果ΣBiが前回の
演算結果ΣB(i-1)よりも大きいということは、CCD
撮像素子74の受光面に結像された被写体像が未だ適正
に合焦されていないということを意味し、かくしてレン
ズ鏡筒66の前方への移動は続けられる。
【0092】ステップ1009でΣB(i-1)≧ΣBiであ
ると判断されたとき、即ちコントラスト演算結果が最大
になったと判断されたとき、ステップ1010に進み、
そこでステップモータ100の駆動が停止され、これに
よりレンズ鏡筒66内の撮影光学系(68、70)はC
CD撮像素子74の受光面に対して適正な合焦位置を取
ることになる。なお、図10のAF作動ルーチンの実行
中、レリーズスイッチ118の半押し状態が解消される
と、AF作動ルーチンの実行は中断され、このときレン
ズ鏡筒66は最後方位置まで戻されてステップモータ1
00の駆動は停止される。
【0093】図11を参照すると、本発明による撮影機
能付光学観測装置の第2の実施形態が示され、この第2
の実施形態でも、撮影機能付観察光学装置は撮影機能付
双眼鏡として構成される。図11は図1と同様な水平断
面図であり、第2の実施形態の全体構成は第1の実施形
態とほぼ同様なものであり、図2ないし図8を参照して
説明した内容は第2の実施形態に対しても言えることで
ある。なお、図11では、図1と同様な構成要素につい
ては同じ参照符号が用いられる。
【0094】第2の実施形態にあっては、一対の観察光
学系12R及び12Lと撮影光学系(68、70)を自
動的に合焦させるために、測距センサ130が電源回路
基板82に搭載される。測距センサ130は一本のライ
ンセンサ上に一対の半球状結像レンズが隣接して配置さ
れたものとして構成される。右側観察光学系12Rには
ハーフミラー132が設けられ、このハーフミラー13
2は対物レンズ系16Rと正立プリズム系18Rとの間
で矩形状固定板20A上に設置される。図11に示すよ
うに、ハーフミラー132は右側観察光学系12Rの光
軸に対して45°の角度で配置される。対物光学系14R
に入射した光の一部はハーフミラー132を通して正立
プリズム系16Rに進み、その他の部分はハーフミラー
132によって反射させられて測距センサ130に向か
わせられる。
【0095】図11から明らかなように、測距センサ1
30の一方の半球状結像レンズには対物光学系14Rの
半分の領域を経た光が入射し、測距センサ130の他方
の半球状結像レンズには対物光学系14Rの他の半分の
領域を経た光が入射し構成とされる。かくして、測距セ
ンサ130内のラインセンサ上には2つの観察対象物
(即ち、被写体)が結像され、このときラインセンサ上
の2つの観察対象物の相対的結像位置を検出することに
より、観察対象物までの距離が測定されることになる。
【0096】実際には、測距センサ130内のラインセ
ンサ上の観察対象物の相対的結像位置と被写体までの距
離との対応関係については予めキャリブレートされ、そ
のデータはマイクロコンピュータ114のROM114
Bに結像位置/距離マップとして格納されている。従っ
て、測距センサ130から得られた結像位置データを結
像位置/距離マップに参照することにより、観察対象物
までの距離が求められる。
【0097】なお、図11では、正立プリズム系16R
及び接眼レンズ系18Rが最前方位置まで移動させよう
とすると、ハーフミラー132の存在が障害となるが、
これは図11の作図のために図1を流用したことに起因
することであり、実際には、ケーシング10の前後方向
の寸法を拡大して対物レンズ系(14R、14L)及び
ハーフミラー132を更に前方側に移動させると共にそ
れに伴って一対の観察光学系12R及び12Lのレンズ
設計の変更することが必要となる。
【0098】図12を参照すると、上述した第2の実施
形態の制御ブロック図が示される。第2の実施形態の制
御ブロック図も図9に示した第1の実施形態の制御ブロ
ックと同様なものであって、図9のブロック図に測距セ
ンサ130及び位置検出センサ134を加えたものに対
応する。なお、図12では、図9に示した構成要素と同
様な構成要素については同じ参照符号が用いられる。
【0099】図12のブロック図において、位置検出セ
ンサ134はレンズ鏡筒66に取り付けられるものであ
って、レンズ鏡筒66の移動経路に沿う位置を検知する
位置検知手段として機能するものである。詳述すると、
位置検出センサ134はレンズ鏡筒66の移動経路に沿
って配置されたリニアスケールの目盛を電子的に読み取
るように構成され、これによりレンズ鏡筒66の移動位
置が検知される。観察対象物(即ち、被写体)までの距
離データに対する撮影光学系54の適正な合焦位置デー
タ即ちリニアスケール上の目盛データについては予めキ
ャリブレートされ、そのデータはマイクロコンピュータ
114のROM114Bに距離/合焦位置マップとして
格納されている。従って、観察対象物までの距離データ
が測距センサ130によって判明すれば、その距離デー
タを該距離/合焦位置マップに参照することにより、撮
影光学系(68、70)の適正な合焦位置データ即ちリ
ニアスケール上の目盛データが得られる。
【0100】第1の実施形態の場合と同様に、第2の実
施形態でも、AFモード選択スイッチ116がオフ状態
にあるとき、電磁クラッチ102はオフ状態とされ、こ
のとき一対の観察光学系12R及び12Lと撮影光学系
(68、70)の合焦作動は転輪部56を指で操作する
ことにより行われる。
【0101】AFモード選択スイッチ116がオンされ
ると、電磁クラッチ102はクラッチ駆動回路128に
よって通電させられ、これにより電磁クラッチ102は
オフ状態からオン状態に移行し、かくして電磁クラッチ
102はステップモータ100の回転駆動力を出力歯車
104に伝達することが可能となる。
【0102】第2の実施形態では、AFモード選択スイ
ッチがオン状態にあるとき、レリーズスイッチ118が
半押しされると、マイクロコンピュータ114では、図
13に示すようなAF作動ルーチンが実行され、これに
より一対の観察光学系12R及び12Lと撮影光学系
(68、70)の合焦作動が自動的に行われることにな
る。
【0103】図13のAF作動ルーチンにおいて、先
ず、ステップ1301では、測距センサ130から観察
対象物の結像位置データが取り込まれ、このとき結像位
置データを上述の結像位置/距離マップに参照すること
により、観察対象物までの距離データが求められ、次い
でその距離データを上述の距離/合焦位置マップを参照
することにより、合焦位置データが求められる。上述し
たように、このようにして求められた合焦位置データは
リニアスケールの所定の目盛位置に対応するものであ
る。
【0104】ステップ1302では、レンズ鏡筒66が
リニアスケール上の所定の目盛位置に向かって移動する
ように、ステップモータ100が駆動される。次いで、
ステップ1303では、位置検出センサ134により所
定の目盛位置が検知されたか否かが監視される。ステッ
プ1303で所定の目盛位置が検知されると、ステップ
1304に進み、そこでステップモータ100が停止さ
れ、これによりレンズ鏡筒66内の撮影光学系(68、
70)はCCD撮像素子74の受光面に対して適正な合
焦位置を取ることになる。なお、図10のAF作動ルー
チンの場合と同様に、図13のAF作動ルーチンの実行
中、レリーズスイッチ118の半押し状態が解消される
と、AF作動ルーチンの実行は中断され、このときレン
ズ鏡筒66は最後方位置まで戻されてステップモータ1
00の駆動は停止される。
【0105】位置検出センサ134に代わる他の位置検
知手段としては、マイクロコンピュータ114内のカウ
ンタを利用してもよい。詳述すると、レンズ鏡筒66の
原点位置を例えばその最後方位置として、その最後方位
置から最前方位置に向かって移動する間にモータ駆動回
路126からステップモータ100に出力される駆動パ
ルスがマイクロコンピュータ114内のカウンタによっ
てカウントされる。この場合には、合焦位置データは駆
動パルス数データとされ、観察対象物までの距離データ
と駆動パルス数データとが予めキャリブレートされ、そ
のデータがマイクロコンピュータ114のROM114
Bに距離/駆動パルス数マップとして格納される。かく
して、レンズ鏡筒66の移動中に駆動パルス数をカウン
トすることにより、レンズ鏡筒66の位置を検知するこ
とが可能である。なお、このような位置検知手段を用い
て自動合焦作動を行う場合には、先ず、レンズ鏡筒66
をその原点位置例えば最後方位置に移動させることが必
要となる。
【0106】図14を参照すると、図11に示した第2
の実施形態の変形実施形態が示される。図14の変形実
施形態では、測距センサは一対の検出素子136から成
り、この一対の検出素子136はケーシング本体部分1
0Aの前方側壁の円形開口部48に隣接してその左右の
直径方向に設置される。各検出素子136はラインセン
サ上に半球状結像レンズを配置したものとして構成され
る。各検出素子136のラインセンサ上には撮像光学系
(68、70)によって捉えられる被写体がその半球状
結像レンズにより結像され、双方の検出素子136のラ
インセンサ上の結像位置から被写体までの距離が計測さ
れる。このような計測原理は上述した測距センサ130
と同様であるが、一対の検出素子136間の距離が測距
センサ130一対の半球状結像レンズ間の距離に比べて
大巾に大きいので、測距精度はその分だけ高くなる。こ
のような一対の検出素子136から成る測距センサを用
いるAF作動ルーチンも図13に示したものと実質的に
同じである。
【0107】図15を参照すると、本発明による撮影機
能付光学観測装置の第3の実施形態が示され、この第3
の実施形態でも、撮影機能付光学観測装置は撮影機能付
双眼鏡として構成される。撮影機能付双眼鏡は一対の観
察用レンズ鏡筒138R及び138Lを含み、観察用レ
ンズ鏡筒138Rは右側観察用とされ、観察用レンズ鏡
筒138Lは左側観察用とされる。
【0108】右側観察用レンズ鏡筒138Rはレンズ鏡
筒本体部分140Rと可動レンズ鏡筒部分142Rとか
ら成り、同様に左側観察用レンズ鏡筒138Lはレンズ
鏡筒本体部分140Lと可動レンズ鏡筒部分142Lと
から成る。右側観察用レンズ鏡筒138Rは右側観察光
学系を収容するために使用され、左側観察用レンズ鏡筒
138Lは左側観察光学系を収容するために使用され
る。
【0109】右側観察光学系は対物レンズ系144R、
正立プリズム系146R及び接眼レンズ系148Rから
成り、対物レンズ系144R及び正立プリズム系146
Rはレンズ鏡筒本体部分140Rに収容され、接眼レン
ズ系148Rは視度調整枠体150Rに保持されて可動
レンズ鏡筒部分142R内に収容される。レンズ鏡筒本
体部分140Rの後方端部の内側周囲壁面にはヘリコイ
ドねじ152Rが形成され、一方可動レンズ鏡筒部分1
42Rの前方側半分の外側周囲壁面にはヘリコイドねじ
152Rと螺着されたヘリコイドねじ154Rが形成さ
れる。かくして、可動レンズ鏡筒部分142Rが回転さ
せられると、可動レンズ鏡筒部部142Rは対物レンズ
系144R及び正立プリズム系146Rに対して前後方
向に右側観察光学系の光軸に沿って移動させられ、これ
により右側観察光学系の合焦が行われる。
【0110】同様に、左側観察光学系は対物レンズ系1
44L、正立プリズム系146L及び接眼レンズ系14
8Lから成り、対物レンズ系144L及び正立プリズム
系146Lはレンズ鏡筒本体部分140Lに収容され、
接眼レンズ系148Lは視度調整枠体150Lに保持さ
れて可動レンズ鏡筒部分142L内に収容される。レン
ズ鏡筒本体部分140Lの後方端部の内側周囲壁面には
ヘリコイドねじ152Lが形成され、一方可動レンズ鏡
筒部分142Lの前方側半分の外側周囲壁面にはヘリコ
イドねじ152Lと螺着されたヘリコイドねじ154L
が形成される。かくして、可動レンズ鏡筒部分142L
が回転させられると、可動レンズ鏡筒部部142Lは対
物レンズ系144L及び正立プリズム系146Lに対し
て前後方向に右側観察光学系の光軸に沿って移動させら
れ、これにより左側観察光学系の合焦が行われる。
【0111】なお、右側観察用レンズ鏡筒138R側の
ヘリコイドねじ152R及び154Rは左側観察用レン
ズ鏡筒138L側のヘリコイドねじ152L及び154
Lに対して逆向きとされるが、そのねじピッチは等しく
されている。
【0112】可動レンズ鏡筒部分142R及び142L
の双方を同期して回転させるために、一対の観察用レン
ズ鏡筒138R及び138Lの間には軸筒156が配置
され、この軸筒156の後方端部の外側周囲壁面には歯
車158が形成される。一方、可動レンズ鏡筒部分14
2R及び142Lの後方側半分の外側周囲壁面のそれぞ
れにも歯車160R及び160Lが形成され、双方の歯
車160R及び160Lはそれぞれ連係歯車162R及
び162Lを介して歯車158と係合させられる。かく
して、軸筒156が回転させられると、可動レンズ鏡筒
部分142R及び142Lの双方は互いに同期して回転
しつつそれぞれのレンズ鏡筒本体部分140R及び14
0Lに対して前後方向に移動することになる。
【0113】なお、軸筒156の回転により、可動レン
ズ鏡筒部分142R及び142Lは互いに逆方向に回転
させられることになるが、ヘリコイドねじ152R及び
154Rとヘリコイドねじ152L及び154Lとは逆
向きになっているために、可動レンズ鏡筒部分142R
及び142Lは互いに同期して前後方向に移動すること
が可能である。
【0114】図示の複雑化を避けるために、図15には
図示されていないが、レンズ鏡筒本体部分140R及び
140Lのそれぞれは軸筒156と共軸となった回転軸
の回りで回転自在となった右側フレーム枠及び左側フレ
ーム枠によって保持され、該回転軸は右側フレーム枠と
左側フレーム枠との間に配置される中央フレーム枠によ
って適宜支持され、連係歯車162Rは該右側フレーム
枠に回転自在に軸支され、連係歯車162Lは該左側フ
レーム枠に回転自在に軸支される。かくして、右側観察
用レンズ鏡筒138Rと左側観察用レンズ鏡筒138L
とが互いに眼幅調整のために回動させられたとき、連係
歯車162Rは歯車158及び160Rと噛合い係合を
維持した状態で遊星歯車の態様で転動させられ、同時に
連係歯車162Lも歯車158及び160Lと噛合い係
合を維持した状態で遊星歯車の態様で転動させられるこ
とになる。なお、軸筒は上述の中央フレーム枠によって
回転自在に支持される。
【0115】なお、視度調整枠体150R及び150L
はそれぞれ可動レンズ鏡筒部分142R及び142Lに
対して独立して前後方向に移動設定することが可能であ
り、視度調整枠体150Rは観察者の右眼の視力に応じ
て可動レンズ鏡筒部分142Rに対して適当な位置に設
定され、視度調整枠体150Lは観察者の左眼の視力に
応じて可動レンズ鏡筒部分142Lに対して適当な位置
に設定される。
【0116】軸筒156のほぼ中央には転輪部164が
大径部として形成され、この転輪部164は観察者の例
えば指によって回転操作され、これにより軸筒156が
回転させられ、これにより右側観察光学系及び左側観察
光学系の合焦が指操作により行われる。また、軸筒15
6の内側にはレンズ鏡筒保持枠166が設置され、この
レンズ鏡筒保持枠166は軸筒156に対して固定され
て該軸筒156と共に回転するようになっている。
【0117】レンズ鏡筒保持枠166には軸筒156の
回転軸線と共軸となった中心軸線を持つ円筒形ボアが形
成され、この円筒形ボア内にはレンズ鏡筒168が摺動
自在に収容される。レンズ鏡筒168内には撮影光学系
が保持され、この撮影光学系は第1レンズ群170及び
第2レンズ群172から構成される。レンズ鏡筒168
の外側外周壁面にはカム溝が形成され、このカム溝には
レンズ鏡筒保持枠166から突出したピン要素174が
カムフォロワとして係合させられる。
【0118】図16に示すように、レンズ鏡筒保持枠1
66の前方側端部の内側壁面には一対のキー溝176が
直径方向に形成され、各キー溝176はレンズ鏡筒保持
枠166の前方端縁からその長手軸線方向に沿って所定
長さだけ延びる。一方、レンズ鏡筒168の前方端縁側
には一対のピン要素178が半径方向外方に突出させら
れて一対のキー溝176に摺動自在に係合させられ、こ
のためレンズ鏡筒168はレンズ鏡筒保持枠166内で
その長手軸線方向に沿って摺動自在とされるが、しかし
キー溝176とピン要素178との係合により該レンズ
鏡筒保持枠体166での回転運動は阻止される。
【0119】ピン要素174がカムフォロワとして係合
するカム溝については、可動レンズ鏡筒部分142R及
び142Lがそれぞれ正立プリズム系146R及び14
6Lに向かって前方側に向かって移動するように軸筒1
56が回転させられた際にレンズ鏡筒168が後方側に
向かって移動するに形成される。即ち、可動レンズ鏡筒
部分142R及び142Lがそれぞれ右側観察光学系及
び左側観察光学系の光軸に沿って移動する向きはレンズ
鏡筒168が撮影光学系(170、172)の光軸に沿
って移動向きに対して逆となる。
【0120】図15に示すように、右側観察光学系には
ハーフミラー180が含まれ、このハーフミラー180
はレンズ鏡筒本体部分140R内で対物レンズ系144
Rと正立プリズム系146Rとの間で右側観察光学系の
光軸に対して45°の角度で配置される。また、図15に
示すように、レンズ鏡筒本体部分140Rの壁部にはハ
ーフミラー180に臨むように開口部182が形成さ
れ、この開口部182の外側には全反射ミラー184が
該開口部182を介してハーフミラー180と対峙させ
られる。図15から明らかなように、全反射ミラー18
4は撮影光学系の光軸に対して45°の角度を成すように
しかもハーフミラー180と平行となるように配置され
る。即ち、全反射ミラー184はその反射面が撮像光学
系の第1レンズ群170とハーフミラー180との双方
臨むように配置される。なお、全反射ミラー184は上
述した中央フレーム枠によって適宜支持される。
【0121】右側観察光学系の対物レンズ系144Rに
入射した光の一部はハーフミラー180を通して正立プ
リズム系146側に向けられ、該光の他の部分は開口部
182を通して全反射ミラー184に向けられ、そこで
反射された後に撮像光学系(170、172)の第1レ
ンズ群170に入射させられる。要するに、右側観察光
学系の対物レンズ系144Rは撮影光学系(170、1
72)の一部を成すことになる。
【0122】図15及び図16に示すように、軸筒の後
方端面から所定距離だけ間隔を空けてCCD撮像素子1
86が配置され、このCCD撮像素子186は撮像光学
系(170、172)と一直線上で整列させられる。か
くして、右側観察光学系で捉えられた観察対象物は撮影
光学系(170、172)によって被写体像としてCC
D撮像素子186の受光面に結像される。なお、CCD
撮像素子186は上述した中央フレーム枠によって適宜
支持される。
【0123】図16に示すように、上述した第1の実施
形態の場合と同様に、一対の観察光学系と撮影光学系
(170、172)との合焦動作を自動的に行わせるた
めに、転輪部164にはその外周壁に沿って歯車188
が形成される。一方、転輪部164に隣接してステップ
モータ190が配置され、その出力シャフトは適当なク
ラッチ例えば電磁クラッチ192に接続され、電磁クラ
ッチ192の出力シャフトには転輪部164の歯車18
8と噛み合う出力歯車194が取り付けられる。電磁ク
ラッチ192がオフ状態にあるとき、転輪部164は指
操作により回転させられ、これにより合焦動作が行われ
る。電磁クラッチ192がオン状態にあるとき、転輪部
164はステップモータ190によって回転させられ、
これにより自動合焦動作(AF)が行われ、このような
自動合焦動作については第1の実施形態の場合と同様に
図10に示すようなAF作動ルーチンに従って行い得
る。なお、ステップモータ190及び電磁クラッチ19
2は共に上述した中央フレーム枠によって適宜支持され
る。
【0124】第3の実施形態においても、撮影光学系
(170、172)のレンズ設計については第1の実施
形態の場合と同様な条件を満足するように設計され得
る。即ち、撮影光学系(170、172)が以下の式を
満足するようにされる。 y2/(1000×PF(ω/T)2)>80かつF<6 なお、上記式中のパラメータは既に説明された通りのも
のである。
【0125】以上で述べた種々の実施形態においては、
一対の観察光学系(12R、12L;138R、138
L)の合焦機構と撮影光学系(68、70;170、1
72)の合焦機構とは互いに連動して駆動されるように
なっているが、双方の合焦機構は互いに独立して駆動さ
せるようにしてもよい。即ち、一対の観察光学系の合焦
機構については手動操作だけで駆動し、撮影光学系の合
焦機構についてだけ自動制御下で駆動するようにしても
よい。一方、一対の観察光学系の合焦も常に自動的に行
うようにしてもよく、この場合には軸筒54から転輪部
56をは省くことができる。
【0126】上述の実施形態では、撮影機能付観察光学
装置は撮影機能付双眼鏡として構成されているが、勿
論、撮影機能付単眼鏡としても構成され得る。また、上
述の実施形態では、撮影機能付双眼鏡の全体構成をコン
パクトにするために、撮影光学系が軸筒内に設置されて
いるが、しかし口径の大きな撮影光学系と必要とするよ
うな場合には、撮影光学系を軸筒内に設置する必要はな
い。
【0127】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
による撮影機能付観察光学装置にあっては、固体撮像素
子と撮影光学系とから成る所謂デジタルカメラが使用さ
れ、しかもその撮影光学系のレンズ設計については自動
合焦制御に適した構成とされるので、撮影機能付観察光
学装置での観察中にその観察対象物について最良のシャ
ッタチャンスを逃すことなく適正な合焦状態で撮影する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮影機能付双眼鏡の第1の実施形
態を示す水平断面図である。
【図2】図1のII-II線に沿う断面図であって、撮影機
能付双眼鏡の可動ケーシング部分を収納位置で示す図で
ある。
【図3】図2の同様な断面図であって、撮影機能付双眼
鏡の可動ケーシング部分を最大引出し位置で示す図であ
る。
【図4】撮影機能付双眼鏡のケーシング内に設けられる
支持板構造体の平面図である。
【図5】図4に示す支持板構造体上に設置される右側マ
ウント板及び左側マウント板の平面図である。
【図6】図5のVI-VI線に沿う矢視図である。
【図7】図1のVII-VII線に沿う縦断面図である。
【図8】図7と同様な縦断面図であって、本発明による
撮影機能付双眼鏡の第1の実施形態の変形実施形態を示
す図である。
【図9】本発明による撮影機能付双眼鏡の第1の実施形
態の制御ブロック図である。
【図10】図9の制御ブロック図のマイクロコンピュー
タで実行されるAF作動ルーチンのフローチャートであ
る。
【図11】本発明による撮影機能付双眼鏡の第2の実施
形態を示す水平断面図である。
【図12】本発明による撮影機能付双眼鏡の第2の実施
形態の制御ブロック図である。
【図13】図12の制御ブロック図のマイクロコンピュ
ータで実行されるAF作動ルーチンのフローチャートで
ある。
【図14】図11と同様な水平断面図であって、本発明
による撮影機能付双眼鏡の第2の実施形態の変形実施形
態を示す図である。
【図15】本発明による撮影機能付双眼鏡の第3の実施
形態を示す水平断面図である。
【図16】図15のXVI-XVI線に沿う拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
10 ケーシング 10A ケーシング本体部分 10B 可動ケーシング部分 12R 右側観察光学系 12L 左側観察光学系 20 支持板構造体 20A 矩形状固定板 20B スライド板 30R 右側マウント板 30L 左側マウント板 46 連結手段 46A ロッド部材 46B 二股部材 50 前方スリーブ部材 52 後方スリーブ部材 54 軸筒 56 転輪部 62 環状体 66 レンズ鏡筒 68 第1レンズ群 70 第2レンズ群 74 CCD撮像素子 76 光学的ローパスフィルタ 86 LCD表示器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/08 G02B 7/12 5C022 7/12 23/06 7/36 G03B 17/48 23/06 H04N 5/225 D G03B 3/10 5/232 A 13/34 G02B 7/11 P 13/36 G03B 3/00 A 17/48 G02B 7/11 D H04N 5/225 G03B 3/10 5/232 G02B 7/04 A Fターム(参考) 2H011 AA01 AA06 BA23 BA31 BB01 EA10 EA13 FA02 FA05 FA11 2H039 AA05 AA06 AB22 AB55 2H044 CA02 CA05 DA01 DB03 DC02 DD01 DE04 DE06 HA01 HA02 2H051 AA01 AA12 BA04 BA45 CA10 CB08 CB20 CB22 EA02 EA10 FA04 FA12 FA48 FA75 FA76 2H104 AA01 5C022 AA00 AB23 AB27 AB44 AC02 AC09 AC54 AC69 AC74 CA00

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物光学系、正立光学系及び接眼光学系
    を含む観察光学系と、この観察光学系に隣接して設けら
    れる軸筒と、この軸筒内に設置された撮影光学系と、前
    記観察光学系を合焦させるべく前記軸筒の回転運動を該
    観察光学系の対物光学系と正立光学系及び接眼光学系と
    の間の相対的直線運動に変換させる第1の合焦機構と、
    前記撮影光学系を合焦させるべく前記軸筒の回転運動を
    該撮影光学系の直線運動に変換させる第2の合焦機構と
    を具備して成る撮影機能付観察光学装置において、 前記軸筒を回転駆動させるための回転駆動手段と、前記
    撮影光学系によって得られる被写体像を合焦させるよう
    に前記回転駆動手段を制御する合焦制御手段とが設けら
    れることを特徴とする撮影機能付観察光学装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撮影機能付観察光学装
    置において、前記撮影光学系の後方側から所定距離だけ
    離れて該撮影光学系と整列された固体撮像素子が設けら
    れ、前記撮影光学系の合焦点が前記固体撮像素子の受光
    面とされることを特徴とする撮影機能付観察光学装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の撮影機能付観察光学装
    置において、以下の式を満足することを特徴とする撮影
    機能付観察光学装置。 y2/(1000×PF(ω/T)2)>80かつF<6 但し、上記式において、 Fは撮影光学系のエフナンバー yは固体撮像素子の最大像高(mm) ωは観察光学系の半視界(rad) Tは観察光学系の撮影範囲に対する視野率 Pは固体撮像素子の画素ピッチ(mm)
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の撮影機能付観
    察光学装置において、前記合焦制御手段が前記回転駆動
    手段によって前記軸筒を回転駆動させつつ前記固体撮像
    素子の受光面に結像された被写体像の少なくとも一部の
    領域で互いに隣接する画素間の輝度差を演算して該領域
    のコントラストを評価するコントラスト評価手段と、こ
    のコントラスト評価手段によって前記領域のコントラス
    トが最も大きいと判断されたとき前記回転駆動手段を停
    止させる停止手段とから成ることを特徴とする撮影機能
    付観察光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項2または3に記載の撮影機能付観
    察光学装置において、前記合焦制御手段が被写体までの
    距離を検出する測距センサと、前記撮影光学系の直線運
    動方向に沿う位置を検知する位置検知手段と、前記測距
    センサによって被写体までの距離が検出されたとき、前
    記撮影光学系を該距離に対応した所定位置に向けて前記
    回転駆動手段を始動させる始動手段と、前記位置検知手
    段によって前記撮影光学系が該所定位置まで移動したこ
    とが検知されたとき、前記回転駆動手段を停止させる停
    止手段とから成ることを特徴とする撮像機能付観察光学
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれか1項に記
    載の撮影機能付観察光学装置において、前記観察光学系
    が一対設けられ、前記軸筒がその一対の観察光学系の間
    に配置されることを特徴とする撮影機能付観察光学装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の撮影機能付観察光学装
    置において、前記一対の観察光学系を収容するケーシン
    グが設けられ、このケーシングが互いに相対的に移動可
    能な2つのケーシング部分から成り、一方のケーシング
    部分には前記一対の観察光学系の一方が収容され、他方
    のケーシング部分に前記一対の観察光学系の他方が収容
    され、前記2つのケーシング部分の一方をその他方のケ
    ーシング部分に対して相対的に移動させることにより眼
    幅調節が行われることを特徴とする撮影機能付観察光学
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の撮影機能付観察光学装
    置において、前記2つのケーシング部分の一方がその他
    方のケーシング部分に摺動自在に収容され、これらケー
    シング部分の相対的移動時に前記一対の観察光学系の光
    軸がその眼幅調節のために常に同じ平面内で移動させら
    れることを特徴とする撮影機能付観察光学装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の撮影機能付観察光学装
    置において、前記一対の観察光学系のそれぞれを収容す
    る一対のレンズ鏡筒が設けられ、この一対のレンズ鏡筒
    が眼幅調整のために前記軸筒の中心軸線の回りで回動自
    在とされることを特徴とする撮影機能付観察光学装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の撮影機能付観察光学
    装置において、前記一対の観察光学系のいずれか一方の
    対物光学系が前記撮影光学系の一部を成し、前記対物光
    学系に入射した光の一部が前記撮影光学系に導かれるこ
    とを特徴とする撮影機能付観察光学装置。
  11. 【請求項11】 観察光学系と、固体撮像素子と、この
    固体撮像素子の受光面に被写体を結像させる撮影光学系
    と、この撮影光学系をその光軸に沿って移動させる合焦
    機構と、この合焦機構の駆動を自動的に制御して前記被
    写体を前記固体撮像素子の受光面に被写体像として合焦
    させる自動合焦制御手段とを具備して成り、以下の条件
    式を満足することを特徴とする撮影機能付観察光学装
    置。 y2/(1000×PF(ω/T)2)>80かつF<6 但し、上記式において、 Fは撮影光学系のエフナンバー yは固体撮像素子の最大像高(mm) ωは観察光学系の半視界(rad) Tは観察光学系の撮影範囲に対する視野率 Pは固体撮像素子の画素ピッチ(mm)
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の撮影機能付観察光
    学装置において、前記自動合焦制御手段が前記撮影光学
    系をその光軸に沿って移動させるべく前記合焦機構を駆
    動させる駆動手段と、前記撮影光学系の移動中に前記固
    体撮像素子の受光面に結像された被写体像の少なくとも
    一部の領域で互いに隣接する画素間の輝度差を演算して
    該領域のコントラストを評価するコントラスト評価手段
    と、このコントラスト評価手段によって前記領域のコン
    トラストが最も大きいと判断されたとき、前記駆動手段
    の駆動を止めて前記撮影光学系の移動を停止させる停止
    手段とを包含することを特徴とする撮影機能付観察光学
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の撮影機能付観察光
    学装置において、前記自動合焦制御手段が前記撮影光学
    系をその光軸に沿って移動させるべく前記合焦機構を駆
    動させる駆動手段と、前記撮影光学系から被写体までの
    距離を検出する測距センサと、前記撮影光学系の移動位
    置を検知する位置検知手段と、前記測距センサによって
    被写体までの距離が検出されたとき、前記撮影光学系を
    該距離に対応した所定位置に向けて移動させるべく前記
    駆動手段を始動させる始動手段と、前記位置検知手段に
    よって前記撮影光学系が該所定位置まで移動したことが
    検知されたとき、前記駆動手段の駆動を止めて前記撮影
    光学系の移動を停止させる停止手段とを包含することを
    特徴とする撮影機能付観察光学装置。
  14. 【請求項14】 請求項11から13までのいずれか1
    項に記載の撮影機能付観察光学装置において、前記観察
    光学系によって捉えられた観察対象物像を合焦させるべ
    く該観察光学系に組み込まれた合焦機構が設けられ、前
    記自動合焦制御手段による前記撮影光学系の合焦機構の
    駆動が前記観察光学系の合焦機構の駆動に連動させら
    れ、これにより前記観察光学系の観察対象物像の合焦が
    自動的に行われることを特徴とする撮影機能付観察光学
    装置。
  15. 【請求項15】 請求項11から14までのいずれか1
    項に記載の撮影機能付観察装置において、前記撮影光学
    系の合焦機構が回転運動を該撮影光学系の直線運動に線
    型関係で変換する運動変換機構として構成されることを
    特徴とする撮影機能付観察光学装置。
  16. 【請求項16】 請求項11から14までのいずれか1
    項に記載の撮影機能付観察装置において、前記撮影光学
    系の合焦機構が回転運動を該撮影光学系の直線運動に非
    線型関係で変換する運動変換機構として構成されること
    を特徴とする撮影機能付観察光学装置。
  17. 【請求項17】 一対の観察光学系を具備し、各観察光
    学系にはその光軸に沿って対物光学系、正立光学系及び
    接眼光学系が含まれ、しかも前記対物光学系と前記正立
    光学系及び接眼光学系とは該観察光学系の光軸に沿って
    互いに相対的に移動可能とされ、更に、前記各観察光学
    系を合焦させるべく前記軸筒の回転運動を該観察光学系
    の対物光学系と正立光学系及び接眼光学系との間の相対
    的直線運動に変換させる第1の合焦機構と、前記一対の
    観察光学系の間に配置された軸筒と、この軸筒の後方側
    に配置された固体撮像素子と、この固体撮像素子の受光
    面に被写体を結像させるべく前記軸筒内に設置された撮
    影光学系と、この撮影光学系をその光軸に沿って移動さ
    せる第2の合焦機構と、この第2の合焦機構の駆動を自
    動的に制御して前記被写体を前記固体撮像素子の受光面
    に被写体像として合焦させる自動合焦制御手段とを具備
    して成り、以下の式を満足することを特徴とする撮影機
    能付双眼鏡。 y2/(1000×PF(ω/T)2)>80かつF<6 但し、上記式において、 Fは撮影光学系のエフナンバー yは固体撮像素子の最大像高(mm) ωは観察光学系の半視界(rad) Tは観察光学系の撮影範囲に対する視野率 Pは固体撮像素子の画素ピッチ(mm)
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の撮影機能付双眼鏡
    において、前記自動合焦制御手段が前記撮影光学系をそ
    の光軸に沿って移動させるべく前記第2の合焦機構を駆
    動させる駆動手段と、前記撮影光学系の移動中に前記固
    体撮像素子の受光面に結像された被写体像の少なくとも
    一部の領域で互いに隣接する画素間の輝度差を演算して
    該領域のコントラストを評価するコントラスト評価手段
    と、このコントラスト評価手段によって前記領域のコン
    トラストが最も大きいと判断されたとき前記駆動手段の
    駆動を止めて前記撮影光学系の移動を停止させる停止手
    段とを包含することを特徴とする撮影機能付双眼鏡。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の撮影機能付双眼鏡
    において、前記自動合焦制御手段が前記撮影光学系をそ
    の光軸に沿って移動させるべく前記第2の合焦機構を駆
    動させる駆動手段と、前記撮影光学系から被写体までの
    距離を検出する測距センサと、前記撮影光学系の移動位
    置を検知する位置検知手段と、前記測距センサによって
    被写体までの距離が検出されたとき、前記撮影光学系を
    該距離に対応した所定位置に向けて移動させるべく前記
    駆動手段を始動させる始動手段と、前記位置検知手段に
    よって前記撮影光学系該所定位置まで移動したことが検
    知されたとき、前記駆動手段の駆動を止めて前記撮影光
    学系の移動を停止させる停止手段とから成ることを特徴
    とする撮像機能付双眼鏡。
  20. 【請求項20】 請求項17から19までのいずれか1
    項に記載の撮影機能付双眼鏡において、前記自動合焦制
    御手段による前記撮影光学系の第2の合焦機構の駆動が
    前記一対の観察光学系の第1の合焦機構の駆動に連動し
    て前記一対の観察光学系の観察対象物像の合焦が自動的
    に行われることを特徴とする撮影機能付双眼鏡。
  21. 【請求項21】 請求項17から20までのいずれか1
    項に記載の撮影機能付双眼鏡において、前記撮影光学系
    の第2の合焦機構が前記軸筒の回転運動を該撮影光学系
    の直線運動に線型関係で変換する運動変換機構として構
    成されることを特徴とする撮影機能付双眼鏡。
  22. 【請求項22】 請求項17から20までのいずれか1
    項に記載の撮影機能付双眼鏡において、前記撮影光学系
    の第2の合焦機構が軸筒の回転運動を該撮影光学系の直
    線運動に非線型関係で変換する運動変換機構として構成
    されることを特徴とする撮影機能付双眼鏡。
  23. 【請求項23】 請求項17から22までのいずれか1
    項に記載の撮影機能付双眼鏡において、前記一対の観察
    光学系を収容するケーシングが設けられ、このケーシン
    グが互いに相対的に移動可能な2つのケーシング部分か
    ら成り、一方のケーシング部分には前記一対の観察光学
    系の一方が収容され、他方のケーシング部分に前記一対
    の観察光学系の他方が収容され、前記2つのケーシング
    部分の一方をその他方のケーシング部分に対して相対的
    に移動させることにより眼幅調節が行われることを特徴
    とする撮影機能付双眼鏡。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載撮影機能付観察光学
    装置において、前記2つのケーシング部分の一方がその
    他方のケーシング部分に摺動自在に収容され、これらケ
    ーシング部分の相対的移動時に前記一対の観察光学系の
    光軸がその眼幅調節のために常に同じ平面内で移動させ
    られることを特徴とする撮影機能付観察光学装置。
  25. 【請求項25】 請求項17から22までのいずれか1
    項に記載の撮影機能付双眼鏡において、前記一対の観察
    光学系のそれぞれを収容する一対のレンズ鏡筒が設けら
    れ、この一対のレンズ鏡筒が眼幅調整のために前記軸筒
    の中心軸線の回りで回動自在とされることを特徴とする
    撮影機能付双眼鏡。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の撮影機能付双眼鏡
    において、前記一対の観察光学系のいずれか一方の対物
    光学系が前記撮影光学系の一部を成し、前記対物光学系
    に入射した光の一部が前記撮影光学系に導かれることを
    特徴とする撮影機能付双眼鏡。
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