JP2003171658A - 加水発熱剤の発熱制御方法及び発熱制御された組成物 - Google Patents
加水発熱剤の発熱制御方法及び発熱制御された組成物Info
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Abstract
用される加水発熱剤の発熱制御方法及び発熱制御された
組成物を提供する。 【解決手段】 加水発熱剤に、無機塩及び/又は有機酸
塩を含有する水溶液を添加することを特徴とする加水発
熱剤の発熱制御方法。また、発熱制御された組成物は、
加水発熱剤と、無機塩及び/又は有機酸塩を含有する水
溶液とからなることを特徴とする。加水発熱剤に無機塩
を混合することを特徴とする加水発熱剤の発熱制御方
法。また、発熱制御された組成物は、加水発熱剤及び無
機塩からなることを特徴とする。 【効果】 加水発熱剤の反応性を容易に制御でき、臭気
もなく、本来の蒸気性状を低下させずに加水発熱剤の発
熱を制御することができる。
Description
害虫駆除、食品加熱等に使用される加水発熱剤の発熱制
御方法及び発熱制御された組成物に関する。
する加水発熱剤は、種々のものが知られており、害虫駆
除、食品加熱等に多用されている。この加水発熱剤は、
反応性が高く加水すると即反応したり、高温になり過ぎ
たりする場合には、用途に応じて、その反応性を制御す
るため、疎水性の油剤で加水発熱剤の表面を被覆する等
の方法が施されている。
水発熱剤を油剤で事前に処理する必要があり、加水時に
も、油剤の臭気が気になるなどの課題がある。また、被
覆の程度により、著しく遅延して反応性が著しく低下
し、コントロールしにくいなどの課題がある。
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、発
熱性となる反応性を容易に制御すると共に、臭気もな
い、加水発熱剤の発熱制御方法及び発熱制御された組成
物を提供することを目的とする。
の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、加水発熱剤に、特
定の水溶液を添加等すること、あるいは、加水発熱剤に
無機塩を混合することにより上記目的の加水発熱剤の発
熱制御方法及び発熱制御された組成物が得られることを
見い出し、本発明を完成するに至ったのである。すなわ
ち、本発明は次の(1)〜(4)に存する。 (1) 加水発熱剤に、無機塩及び/又は有機酸塩を含有す
る水溶液を添加することを特徴とする加水発熱剤の発熱
制御方法。 (2) 加水発熱剤と、無機塩及び/又は有機酸塩を含有す
る水溶液とからなることを特徴とする発熱制御された組
成物。 (3) 加水発熱剤に無機塩を混合することを特徴とする加
水発熱剤の発熱制御方法。 (4) 加水発熱剤及び無機塩からなることを特徴とする発
熱制御された組成物。
しく説明する。本発明の第1発明は、加水発熱剤に、無
機塩及び/又は有機酸塩を含有する水溶液を添加するこ
とを特徴とする加水発熱剤の発熱制御方法であり、第2
発明は、加水発熱剤に無機塩を混合することを特徴とす
る加水発熱剤の発熱制御方法である。また、本発明の第
3発明は、加水発熱剤と、無機塩及び/又は有機酸塩を
含有する水溶液とからなることを特徴とする発熱制御さ
れた組成物であり、第4発明は、加水発熱剤及び無機塩
からなることを特徴とする発熱制御された組成物であ
る。
発熱剤としては、水を加えると発熱する物質(加水発熱
剤)からなるものであれば、特に限定されるものでない
が、安価でかつ発熱性に優れ、食品の加熱、揮散成分の
加熱蒸散剤として使用されている、酸化カルシウムが好
ましい。この酸化カルシウムは、天然の石灰石を焼成し
て得られるものであり、焼成温度、焼成時間によって水
を添加してから蒸気が出るまでの時間や、発熱温度など
の反応性が変わるものである。
は、好ましくは、使用性、保存性などの面から発熱温度
に対して耐熱性を有し、通気性及び耐久性を有する容器
や繊維又は不織布からなる袋体内に上記加水発熱剤を収
容した形態のものが望ましい。
び/又は有機酸塩を含有する水溶液は、加水発熱剤の発
熱速度を制御するものであり、少なくとも無機塩及び/
又は有機酸塩と水(イオン交換水、精製水、純水など)
とを含有したものからなるものである。
きる無機塩、有機酸塩は、特に限定されるものでない
が、本発明の効果の点から、無機塩としては、硫酸マグ
ネシウム、硫酸ナトリウムなど、また、有機酸塩として
は、安息香酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムなど
を用いることが望ましい。これらは、1種又は2種以上
を混合して用いることができる。
酸塩の含有量は、質量比で、加水発熱剤:無機塩及び/
又は有機酸塩が0.5:1〜100:1、好ましくは、
0.5:1〜50:1とすることが望ましい。上記質量
比が100:1未満であると、本発明の効果である発熱
制御効果が得られず、また、0.5:1を越えても効果
は変わらないがコスト的にも不経済となる。
る水、すなわち、本第1発明又は第3発明における無機
塩及び/又は有機酸塩を含有する水溶液及び本第2発明
又は第4発明における添加水には、更に、香料、精油を
含有することが好ましい。香料、精油は、特に限定され
ないが、各種の合成品、天然品及びこれらの組成物を構
成する各成分の他、揮発して芳香を発するもの、消臭作
用のあるもの、抗菌・抗カビ作用のあるもの、漂白作用
のあるもの、防虫、防ダニ作用、生物に対する忌避作用
のあるもの、森林浴効果などの有効な作用のあるもの、
人を鎮静させる作用のあるもの、眠気を覚ましたりする
覚醒作用のあるもの等が挙げられる。
素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素
類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族ア
ルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エ
ーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類
のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テ
ルペン系のアルデヒド、水素化芳香族アルデヒド、チオ
アルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪
族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪
族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケト
ン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノー
ル類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カル
ボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等
の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクト
ン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香
族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系
カルボン酸族エステル、脂肪族環状カルボン酸エステ
ル、シクロヘキシルカルボン酸族エステル、テルペン系
カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエ
ステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジ
ン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化
合物等々の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天
然香料及び/又は合成香料を含む調合香料の1種又は2
種以上を混合して使用することができる。例えば、合成
香料としては、1996年化学工業日報社刊印藤元一著
「合成香料 化学と商品知識」、1969年MONTC
LAIR,N.J.刊ステファン・アークタンダー(S
TEFFEN ARCTANDER)著「パヒューム
アンド フレーバー ケミカルズ(Perfume a
ndFlavor Chemicals)」等に記載の
香料が使用できる。天然香料としては、「香りの百科」
日本香料協会編に記載の香料が使用できる。
ドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセ
トフェノン、アセチルアセドレン、アドキサール、アリ
ルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオ
ネート、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマス
コン、アンプレットリッド、アンプロキサン、アミルシ
ンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド
ジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサ
リシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシ
レート、オウランチオール、アセチルユゲノール、バグ
ダノール、べンジルアセテート、べンジルアルコール、
べンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボル
ニルアセテート、ブチルブチレート、p−t−ブチルシ
クロヘキサノール、p−t−ブチルシクロヘキシルアセ
テート、o−t−ブチルシクロヘキサノール、o−t−
ブチルシクロヘキシルアセテート、ベンツアルデヒド、
ベンジルフォーメート、カリオフィレン、カシュメラ
ン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、
セドロール、セレストリッド、シンナミックアルコー
ル、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラ
ール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、
シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテ
ート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリ
ル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロ
ップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、δ
−C6〜C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノー
ル、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒド
ロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェ
ニルオキサイド、エチルワニリン、オイゲノール、フル
イテート、フェンチールアルコール、フェニルエチルフ
ェニルアセテート、ガラキソリッド、γ−C6〜C13ラ
クトン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ミルセ
ン、β−カリオフィレン、ゲラニオール、ゲラニルアセ
テート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、ヘ
ディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis−3
−ヘキサノール、cis−3−ヘキセニールアセテー
ト、cis−3−ヘキセニールサリシレ−ト、トリプラ
−ル、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリ
シレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロト
ロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、イン
ドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシク
ロシトラール、イソEスーパー、イソユゲノール、イソ
ノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマー
ル、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアポン、
リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リナ
ロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、
リラール、マンザネート、マイヨール、メンサニールア
セテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メ
チルユゲノール、メントール、α−メチルイオノン、β
−メチルイオノン、γ−メチルイオノン、メチルイソユ
ゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレー
ト、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM−II、
ムスク781、ムスクC14、ムスコン、シベトン、シク
ロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペン
タデカノリド、アンブレッドリド、シクロヘキサデカノ
リド、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘ
キサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、エチ
レンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、オキ
サヘキサデセンー2−オン、14−メチル−ヘキサデセ
ノリド、14−メチル−ヘキサデカノリド、ムスクケト
ン、ムスクチベチン、ノピルアルコール、ノピルアセテ
ート、ネリルアセテート、ネロール、メチルフェニルア
セテート、ミラックアルデヒド、ネオベルガメート、オ
ークモスNo.1、オリボン、オキシフェニロン、パラク
レジールメチルエーテル、ペンタリッド、フェニルエチ
ルアルコール、フェニルエチルアセテート、ルバフラ
ン、ローズフェノン、ローズオキサイド、サンダロア、
サンデラ、サンタレックス、スチラリールアセテート、
スチラリールプロピオネート、ターピネオール、ターピ
ニルアセテート、テトラハイドロリナロール、テトラハ
イドロリナリールアセテート、テトラハイドロゲラニオ
ール、テトラハイドロゲラニールアセテート、トナリッ
ド、トラセオライド、トリプラール、チモール、ワニリ
ン、ベルドックス、ヤラヤラ、アニス油、べイ油、ボア
ドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シ
ダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリ
ン油、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ
油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネ
ル油、カルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジ
ャスミン油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、
レモングラス油、ライム油、マンダリン油、ネロリ油、
オークモス油、オコチア油、パチュリ油、ペパーミント
油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ロ
ーズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、
サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダ
ー油、スターアニス油、タイム油、トンカ豆チンキ、テ
レピン油、ワニラ豆チンキ、ベチバー油、イランイラン
油、グレープフルーツ油、ゆず油、ベンゾイン、ペルー
バルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、ムスクチ
ンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバー
グリスチンキ等である。
ルフタレート、ジプロピレングリコール、ベンジルベン
ゾエート、イソプロピールミリステート、ハーコリン等
を使用することができる。
加する添加水組成物全量中に0.1〜20重量%、好ま
しくは、1〜8重量%の範囲から適宜選択して配合せし
めることができる。香料・精油の配合量が0.1重量%
未満では、芳香消臭等用に適度な効果が得られず、20
重量%を越えると、乳化や可溶化するのに困難となり、
好ましくない。
した場合には、袋体への水の浸透性を高めたり、水溶液
中で香料を分散させる目的で、無機塩及び/又は有機酸
塩を含有する水溶液中に、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸ポ
リエチレングリコール、アルキルアミンオキサイドなど
の界面活性剤を使用することもできる。
び第3発明の発熱抑制された組成物は、上述の如く、加
水発熱剤と、無機塩及び/又は有機酸塩を含有する水溶
液とから構成されるものであるが、本発明では、第2発
明の加水発熱剤の発熱制御方法及び第4発明の発熱抑制
された組成物として、上述の加水発熱剤に無機塩を混合
することにより構成することもできる。この第2及び第
4発明に用いることができる無機塩としては、炭酸塩、
硫酸塩、塩酸塩及び水酸化物塩から選ばれる少なくとも
1種(1種単独又は2種以上)が挙げられ、好ましく
は、本発明の効果の点から、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリ
ウム、水酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種を
用いることが望ましい。更に好ましくは、発熱温度の抑
制と蒸気の持続性との両立の点から炭酸カリウム及び/
又は炭酸ナトリウムと、塩化マグネシウム及び/又は硫
酸マグネシウムとを含むものからなるものが望ましい。
熱剤:無機塩が0.5:1〜100:1、好ましくは、
0.5:1〜10:1とすることが望ましい。上記質量
比が100:1未満であると、本発明の効果である発熱
制御効果が得られず、また、0.5:1を越えても効果
は変わらないがコスト的にも不経済となる。
ピー用品に適用した場合の一例を更に図面を参照して本
第1発明及び第3発明の場合を例に具体的に説明する。
図1は、加水発熱器(アロマテラピー用品)の垂直切断
端面図であり、図2は、図1の蓋体の平面図である。本
発明の実施の形態に使用する加水発熱器(アロマテラピ
ー用品)Aは、図1に示すように、カップ状の外装容器
1と、カップ状の容器本体3と、加水発熱剤に相当する
袋体5と、皿状の蓋体7とをもって構成されている。外
装容器1は、紙等からなり、略円筒形で上面が開口した
カップ状に形成されている。容器本体3は、耐熱PET
等からなり、略円筒形で上面が開口したカップ状に形成
されている。そして、容器本体3は、外装容器1の内周
側に上面開口部から着脱自在に嵌め込まれるように、外
装容器1に対応した大きさに形成されており、容器本体
3の上縁には、外側に突出した鍔状の被支持部3bが設
けられている。また、容器本体3の上部には、蓋体装着
用段差部3aが設けられている。
30kPa・s/m、本実施形態では0.05kPa・
s/m〕を有する耐熱性の不織布、本実施形態ではメタ
系アラミド不織布(デュポン社製スパンレース不織布)
からなり、不織布の周縁部を融着して袋状に形成されて
いる。また、袋体5は、容器本体3の内部に収容される
ように、容器本体3に対応した大きさに形成されてい
る。そして、袋体5の内部には、酸化カルシウム等の所
定量の加水発熱剤(本実施形態では酸化カルシウム20
g)6が充填されている。
筒形で上面が開口した偏平カップ状(皿状)に形成され
ている。そして、蓋体7は、容器本体3の段差部3aの
内周側に上面開口部から着脱自在に嵌め込まれるよう
に、容器本体3の段差部3aに対応した大きさに形成さ
れており、蓋体7の上縁には、外側に突出した鍔状の被
支持部7bが設けられている。そして、図1、2に示す
ように、蓋体7には、所定の孔面積を有する多数の滴下
孔7a、7a…が、底面全体に散らばって設けられてい
る。なお、滴下孔7aの孔面積は、0.03〜1cm2
(本実施形態では0.3cm2、孔面積は全てが同一)
からなるものであるが、孔面積は、全てが同一でなくて
もよい。また、滴下孔7a、7a…は、円形、角形など
種々の形状にすることができ、特に形状は限らない。更
に、蓋体7の空隙率、即ち、蓋体7の底面全体の面積に
対する全滴下孔7a、7a…の孔面積の総和の比率は、
5〜90%(本実施形態では40%)となっている。
テラピー用品)を使用する際には、外装容器1の内周側
に上面開口部から容器本体3を嵌め込み、容器本体3の
内部に袋体5を入れ、容器本体3の上部内周側に上面開
口部から蓋体7を嵌め込む。そして、精製水、精油・香
料、無機塩、有機酸塩、界面活性剤を主成分とする所定
量の添加液〔本実施形態では全液量20g(水14.5
g、精油・香料1g、硫酸マグネシウム4g、界面活性
剤(ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル)0.5
gからなる添加液)〕を蓋体7の上から注ぐと、添加液
が蓋体7の滴下孔7a、7a…から容器本体3内に滴下
し、滴下した添加液と袋体5内の加水発熱剤とが反応し
て発熱し、蒸気が発生すると共に、香料、精油が揮散す
る。この際、添加液が蓋体7の滴下孔7a、7a…によ
り容器本体3内に散らばって滴下するため、添加液と加
水発熱剤とが過不足なく反応する。
来の蒸気性状を低下させずに加水発熱剤の発熱速度を制
御することができるものとなる。また、界面活性剤を使
用しているため、特に、加水発熱剤を疎水性不織布の袋
体に収容した場合でも水の浸透性が良いという利点を有
する。更に、容器本体3の熱変形を防止することができ
る。従って、本第1発明及び第3発明の加水発熱剤の発
熱速度制御方法及び発熱抑制された組成物をアロマテラ
ピー用品として、安全、容易に利用することができる。
は、上述の如く、加水発熱剤及び無機塩及び/又は有機
酸塩を含有する水溶液を夫々別々の袋体等に収容した形
態のものを述べたが、図3に示すように、所定の通気抵
抗及び耐熱性を有する大きな袋体10に加水発熱剤等を
収容した加水発熱剤11と上述の無機塩及び/又は有機
酸塩を含有する水溶液12を収容した樹脂袋13とを収
容せしめたものであってもよい。なお、上記袋体10の
構成は、上述の実施の形態の袋体5の構成と同様のもの
である。この場合の使用態様としては、図1における容
器本体3内に収容した袋体5の代わりに上記構成の袋体
10を収容せしめた状態で針などの治具等により袋体1
0内の樹脂袋13を破り水溶液12と加水発熱剤11と
を過不足なく反応せしめることにより本発明を実施する
ことができる。
熱抑制された組成物の別の実施形態である。この実施形
態は、アルミ積層フィルムやアルミ蒸着フィルムを熱融
着して成形した、袋状容器(スタンディングパウチ様)
20に、加水発熱剤又は袋状の不織布に内包した加水発
熱剤21を中に収容し、上端を熱融着して密封したもの
である。使用時に、切り口部22から上部を切って開口
し、注入袋体23に収容された無機塩及び/又は有機酸
塩を含有する水溶液からなる添加液24を注ぎ込むこと
により添加液24と加水発熱剤21とを過不足なく反応
せしめることにより本発明を実施することができる。こ
の実施形態では、湿気を防ぐための包装と、使用性がよ
い容器とを兼ね、安価で、使い捨てにも優れたものとな
る。
に示すように、両側縁部から中央部付近までを更に熱融
着部25,25を設けた実施形態では、誤って使用時に
加水発熱剤21に触れることが起こり難くなり、容器内
での発熱剤の偏りを防ぐなどの点で好ましい。更に、図
6の実施形態は、アルミ積層フィルムやアルミ蒸着フィ
ルムを熱融着して成形した、袋状容器(三角錐タイプの
パック体様)26に加水発熱剤又は袋状の不織布に内包
した加水発熱剤27を中に収容し、熱融着して密封した
ものである。使用時に、三角錐の一端を切って開口し、
上述の注入袋体23に収容された無機塩及び/又は有機
酸塩を含有する水溶液からなる添加液24を注ぎ込むこ
とにより添加液24と加水発熱剤26とを過不足なく反
応せしめることにより本発明を実施することができる。
この実施形態においても、湿気を防ぐための包装と、使
用性がよい容器とを兼ね、安価で、使い捨てにも優れた
ものとなる。本第2発明又は第4発明の場合には、上記
実施形態において、無機塩及び/又は有機酸塩を水溶液
中に含有する形態でなく、加水発熱剤に無機塩、好まし
くは、炭酸塩、硫酸塩、塩酸塩及び水酸化物塩から選ば
れる少なくとも1種の無機塩、更に好ましくは、炭酸カ
リウム及び/又は炭酸ナトリウムと、塩化マグネシウム
及び/又は硫酸マグネシウムとを含むものを混合したも
のを用いると共に、添加液側に無機塩及び/又は有機酸
塩を含有せしめない水溶液を用いる。これにより、上述
と同様の本発明の効果を発揮せしめるものとなる。
が、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではな
く、下記〜の実施形態であってもよいものである。 上述の実施の形態では、加水発熱剤を袋体5に収容
した形態で述べたが、袋体に収容することなく、加水発
熱剤を容器本体3に直接収容した形態であってもよい。 上述の実施の形態では、無機塩及び/又は有機酸塩
を含有する水溶液中、または、無機塩及び/又は有機酸
塩を含有しない水溶液中に香料・精油を含有せしめた
が、該水溶液中に香料・精油を含有せしめることなく、
または該水溶液中に香料・精油を含有せしめた上で、上
述の香料・精油を特に香料・精油の液状物を珪酸カルシ
ウム、CD(サイクロデキストリン)、ゼオライト、鉱
物等の担持体に担持した担持剤を加水発熱剤と共に袋体
5又は袋体10に収容せしめて、香料等を発散せしめる
ものであってもよい。
ー用品に適用した場合について述べたが、上記水溶液中
に含有せしめた香料・精油の代え、または香料・精油と
共に、殺虫成分等の薬剤を含有せしめることにより、並
びに、上記担持体に担持した香料・精油の代え、または
香料・精油と共に、殺虫成分等の薬剤(液状薬剤)を担
持した担持剤を加水発熱剤と共に袋体5又は袋体10に
収容せしめて、アロマテラピー用品以外の害虫駆除用品
に適用することもできる。また、本発明は、上記水溶液
中に香料等を含有せしめることなく、また、上記担持剤
を使用しなくとも、本発明の目的である発熱速度となる
反応速度を容易に遅延させるので、加水発熱剤を使用す
る食品加熱用等にも好適に適用することもできる。
に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。なお、表1〜表3の組成における配合量(単
位)は「g」である。
1〕内径直径8cm、高さ8cmのポリプロピレン製の
円筒状のカップに酸化カルシウム(硬焼生石灰)を20
g充填した後、下記表1に示す実施例1〜8及び比較例
1〜2の添加液を添加し添加終了してから蒸気の発生が
認められる時間(秒)を測定した。また、発熱剤表面の
温度変化を測定し、その推移の最大値を最高温度として
求めた。これらの試験法1の測定結果を下記表1に示
す。
明範囲となる実施例1〜8は、本発明の範囲外となる比
較例1〜2に較べて、蒸気の出るまでの時間及び最高温
度を低めに制御することができ、発熱反応を容易に制御
できることが判明した。
2〕下記表2に示す組成の酸化カルシウム(軟焼生石灰
・粉末)と無機塩をミキサーで均一に混合し、不織布
(PP/レーヨン=6/4)の下縁部と側縁部とをシー
ラーで熱融着した上縁部が開口した袋(5cm×5c
m)に充填した後、上縁部を熱融着して袋体状発熱剤を
作製した。一方、イオン交換水500部に、ユーカリプ
タスオイル20部と、ポリオキシエチレン2級アルキル
エーテル(平均付加モル数9モル)7部とを加え、30
分間攪拌して乳化させ、添加液を調製した。直径6.5
cmのガラスシャーレに上記袋体状発熱剤を置き、上記
添加液20gを添加して蒸気を発生させた。液を添加し
てから蒸気の発生が認められるまでの時間(秒)、蒸気
が発生している時間(秒)を測定した。同様に、シャー
レに袋体状発熱剤を置き、発熱剤の上部表面に温度セン
サーを設置した後、添加液10gを発熱剤に直接かから
ないようシャーレ壁面近くから静かに添加し蒸散を行っ
た。発熱剤表面の温度変化を測定し、その推移の最大値
を最高温度とした。更に、時間、温度の両測定とも、袋
体状発熱剤は、周縁部(熱融着部)が側面方向にある状
態でシャーレに置いて(横置き)測定した。これらの試
験法2の結果を下記表2に示す。
験法3〕下記表3に示す組成を用いて作製した袋体状発
熱剤を、何れかの周縁部(熱融着部)が下面を向いてシ
ャーレ底面に接した状態でシャーレに置き〔縦置き〕、
添加液20gを用いて最高温度を測定した以外は、上記
試験法2と同様に試験した。これらの試験法3の結果を
下記表3に示す。
に、本発明範囲となる実施例9〜20は、無機塩を混合
していない比較例3〜5に比べ、発熱の最高温度の抑制
や、蒸気の出始める時間の遅延効果があり、使用時の安
全性が増していることが判る。また、実施例9と、上記
表3の実施例15とから明らかなように、同組成であっ
ても発熱剤の置かれ方によって発熱性が異なり、縦置き
(実施例15)では、横置き(実施例9)よりも高温に
なっている。このように、発熱剤を利用する製品形態に
際し、発熱剤がより発熱しやすい置かれ方に設置される
場合には、実施例16のように混合する無機塩の量を増
やすことが好ましい。一方、実施例15、16から明ら
かなように、無機塩を混合していない比較例4に比べ、
最高温度の抑制や蒸気の出始める時間の遅延効果はある
が、蒸気の発生している時間が短くなってしまう場合が
ある。このような場合には複数種の無機塩を併用使用す
ることが好ましく、実施例18〜20のとおり、蒸気の
発生している時間を短くすることなく、或いは更に長時
間の蒸気発生を確保しながら、最高温度の抑制や蒸気の
出始める時間の遅延を達成できる。
は、無機塩及び/又は有機酸塩を含有する水溶液を含有
することで、または、加水発熱剤に無機塩を混合するこ
とで加水発熱剤の反応速度を容易に遅延でき、しかも、
臭気もなく、本来の蒸気性状を低下させずに加水発熱剤
の発熱を制御することができる。また、本発明の発熱抑
制された組成物は、加水発熱剤と、無機塩及び/又は有
機酸塩を含有する水溶液とからなるもの、または、加水
発熱剤に無機塩を混合したものからなるので、加水発熱
剤の反応速度を容易に遅延できるため、アロマテラピー
用、食品加熱用、害虫駆除用等として好適に利用するこ
とができる。
ロマテラピー用品)の一例を示す垂直切断端面図であ
る。
例を示す断面図であり。
組成物の実施形態の一例を示す使用前と使用中の断面図
である。
良した実施形態の一例を示す発熱抑制された組成物の断
面図である。
組成物の他の実施形態を示す使用前と使用中の断面図で
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 加水発熱剤に、無機塩及び/又は有機酸
塩を含有する水溶液を添加することを特徴とする加水発
熱剤の発熱制御方法。 - 【請求項2】 加水発熱剤と、無機塩及び/又は有機酸
塩を含有する水溶液とからなることを特徴とする発熱制
御された組成物。 - 【請求項3】 加水発熱剤に無機塩を混合することを特
徴とする加水発熱剤の発熱制御方法。 - 【請求項4】 加水発熱剤及び無機塩からなることを特
徴とする発熱制御された組成物。
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