JPH09220045A - 蒸散装置及び方法 - Google Patents

蒸散装置及び方法

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JPH09220045A
JPH09220045A JP30815596A JP30815596A JPH09220045A JP H09220045 A JPH09220045 A JP H09220045A JP 30815596 A JP30815596 A JP 30815596A JP 30815596 A JP30815596 A JP 30815596A JP H09220045 A JPH09220045 A JP H09220045A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学反応により発生する熱を利用して薬剤の
蒸散(散布)、食品等の加熱を効率よく行う発熱・蒸散
装置、及びその方法を提供すること。 【解決手段】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段と、水
と反応して発熱する物質を含む第2発熱手段と、被加熱
物(食品;殺虫剤、殺菌剤、忌避剤、殺鼠剤、消臭剤、
芳香剤、香料等)とを含み、第1発熱手段が発生した水
蒸気が、第2発熱手段の、水と反応して発熱する物質と
反応して発熱し、この熱により被加熱物を加熱せしめる
ように構成してなる加熱装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学反応により発
生する熱を利用して薬剤の蒸散(散布)、食品等の加熱
を行うことを目的とした発熱・蒸散装置、及びその方法
に関する。さらに詳細には、水蒸気により発熱反応を起
こす物質に水蒸気を供給し、発生した熱により食品を短
時間に加熱し、又は蒸散性薬剤を短時間に蒸散させ、部
屋その他の限定空間内の農業用害虫、衛生害虫、菌、臭
気等の防除、芳香剤、香料の蒸散(散布)等を行う装置
及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、殺虫剤等の薬剤を短時間に発
散させ害虫の駆除等を行う方法としては、薬剤と燃焼
剤を混合して燃焼剤の燃焼熱及び発煙により薬剤を発散
させる所謂燻煙剤を用いる方法、薬剤に有機発泡剤を
混合してなる製剤を、酸化カルシウムと水との反応熱に
より、間接に加熱して有機発泡剤を分解させ、発生する
気体と反応熱により発散を行う方法(特公昭59−49
201号公報、特公昭60−55481号公報)などが
ある。
【0003】上記の燻煙剤を用いる方法では以下のよ
うな問題がある。即ち多量の燻煙用薬剤を速かに蒸散さ
せるためには、燃焼剤の燃焼を必要とするが、この燃焼
の際に発生するガスは、動物や植物に対して有毒ないし
好ましくない影響を有する他、火災の危険もある。また
燃焼熱による薬剤の熱分解、それに伴う薬剤の有効揮散
率の低下(即ち薬剤のロスによる効果の減少)がある。
さらに、燻煙剤を製造する際に危険を伴うこともあり、
その工程も煩雑である。
【0004】上記の薬剤と有機発泡剤を含有してなる
製剤を、酸化カルシウムと水との反応熱により、間接に
加熱して有機発泡剤を分解し、発生する気体と反応熱に
より薬剤を発散させる方法では以下のような問題があ
る。即ち有機発泡剤の分解時に発生する気体量が少な
く、薬剤を発散させるのに必要な拡散用気体の量が不充
分であるため、農業用のハウス等の広い空間で使用する
場合には多量の蒸散剤を必要とする。また、有機発泡剤
の熱分解により発生する気体は異臭を有するものが多
い。さらに、酸化カルシウムと水との発熱反応を利用し
ているため、発熱温度が約260℃より高くはならな
い。従って、蒸散温度の高い薬剤の蒸散には使用できな
い。また、所定の発熱温度を実現するためには、発熱開
始時に、一定量の酸化カルシウムに正確に一定量の水を
供給する必要があり、その制御が困難ないし煩雑であ
る。このため、完全な薬剤の蒸散がしばしば不可能ない
し困難になる。またの方法と同様に、製剤の製造の際
に危険を伴うこともあり、その工程も煩雑である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題のない発熱装置、蒸散装置及び方法を提供すること
である。具体的には、化学反応により発生する熱を利用
して薬剤の蒸散(散布)、食品等の加熱を行う発熱・蒸
散装置、及びその方法を提供することである。さらに具
体的には、多種の薬剤を、その分解を伴うことなく、短
時間に広範囲に亘り拡散せしめ、しかも発煙を実質的に
伴うことがなく、従ってこれによる毒性や薬害や異臭等
の問題を発生させず、蒸散性薬剤に出来るだけ加工を加
えずに蒸散を可能ならしむる装置及び方法を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水蒸気を発生
し得る第1発熱手段と、水と反応して発熱する物質を含
む第2発熱手段を有し、第1発熱手段が発生した水蒸気
が、第2発熱手段の、水と反応して発熱する物質と反応
して発熱するように、第1及び第2発熱手段を配置して
なる発熱装置を提供するものである。本発明はまた、水
蒸気を発生し得る第1発熱手段と、水と反応して発熱す
る物質を含む第2発熱手段と、被加熱物とを含み、第1
発熱手段が発生した水蒸気が、第2発熱手段の、水と反
応して発熱する物質と反応して発熱し、この熱により被
加熱物を加熱せしめるように構成してなる加熱装置を提
供するものである。さらに本発明は、水蒸気を発生し得
る第1発熱手段と、水と反応して発熱する物質を含む第
2発熱手段と、被加熱物とを含む装置を使用し、水蒸気
を発生し得る第1発熱手段により水蒸気を発生させ、こ
の水蒸気を第2発熱手段の、水と反応して発熱する物質
と接触させて発熱させ、この熱により被加熱物を加熱す
ることを特徴とする加熱方法を提供するものである。さ
らにまた本発明は、水蒸気を発生し得る第1発熱手段
と、水と反応して発熱する物質を含む第2発熱手段と、
蒸散性物質とを含む装置を使用し、水蒸気を発生し得る
第1発熱手段により水蒸気を発生させ、この水蒸気を第
2発熱手段の、水と反応して発熱する物質と接触させて
発熱させ、この熱又はこの熱及び水蒸気により蒸散性物
質を蒸散させることを特徴とする蒸散方法を提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される「水と反応して発熱する物質」とし
ては、酸化カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシ
ウム、塩化アルミニウム、塩化鉄、金属アルミニウム、
鉄よりイオン化傾向が大きい金属と鉄よりイオン化傾向
が小さい金属のハロゲン化物との混合物(特願昭48−
143939)、金属アルミニウムとアルカリ金属硝酸
塩との混合物、アルミニウム粉と水酸化カルシウムとア
ルミン酸塩との混合物、アルミニウム粉と水酸化カルシ
ウムと酸化カルシウムとの混合物(特願昭62−199
494)、金属と重硫酸塩との混合物等が例示できる。
【0008】本発明の、水蒸気を発生し得る第1発熱手
段は、好ましくは、毎分約2リットル以上の水蒸気(又
は水蒸気と水素のような他の気体の混合物)の発生が可
能なものが好ましい。本発明の、水蒸気を発生し得る第
1発熱手段の具体例としては、上記「水と反応して発熱
する物質」と水との組合せが挙げられる。この場合、
「水と反応して発熱する物質」と反応させる水に、「水
と反応して発熱する物質」の少なくとも1種を溶解させ
ておいてもよい。上記手段の内、有害気体の発生又は異
臭の発生、水蒸気発生組成物の単位重量当りの水蒸気発
生量、水と接触してからの水蒸気の発生するまでの時
間、水蒸気の発生から止まるまでの時間、水蒸気の発生
の強弱の調整などの点から、アルミニウム粉と水酸化カ
ルシウムとアルミン酸塩との混合物に水を接触させる方
法、アルミニウム粉と水酸化カルシウムと酸化カルシウ
ムとの混合物に水を接触させる方法、酸化カルシウムに
塩化カルシウムの水溶液を接触させる方法、酸化カルシ
ウムに塩化カルシウムをコーティングしたものに水を接
触させる方法、塩化カルシウムを、エチルアルコール等
の酸化カルシウムと反応しない溶剤に溶解し酸化カルシ
ウムに吸着、乾燥したものに水を接触させる方法などが
特に有用である。これらの方法の内、「水と反応して発
熱する物質」が金属アルミニウムを含有する場合には、
水との反応により水蒸気と水素が発生する。また、「水
と反応して発熱する物質」又はこれと接触させる水又は
水溶液には、糖類やグリセリン等の反応抑止物質を添加
してもよい。その添加量は通常「水と反応して発熱する
物質」に対して0.1〜3.0重量%程度である。
【0009】第1発熱手段に用いる水と反応して発熱す
る物質は、水と反応して短時間に多量の水蒸気(及び場
合によっては水素のような他の気体)を発生するよう
に、比表面積の大きい形態が好ましく、種類、用途によ
っても異なるが、通常は、平均粒径0.05〜5.0mm(又
は270〜4メッシュ)、好ましくは平均粒径0.1〜1.
6mm(又は150〜10メッシュ)程度の粉末又は顆粒
の形態が適当である。さらに具体的な例としては以下の
ものが挙げられる。 粉状炭酸カルシウム(平均粒径0.05〜0.15mm)
5.0〜7.0重量部、粉状アルミニウム(平均粒径0.07
〜0.29mm)2.0〜3.0重量部、粉状活性炭(0.07〜
0.29mm)(0.5〜2.0重量部)を混合し、水ガラスの
水溶液(10重量%)(1.0〜2.5重量部)と混練し、
押し出し造粒(ダイス穴径2mm)し、950℃以上で約
3時間加熱焼成したもの(粒径2.38〜4.76mm)。こ
れは水と反応して、水蒸気と水素ガスを発生する。 粉状アルミニウム(平均粒径0.07〜0.29mm)
(2.0〜3.0重量部)、粉状水酸化カルシウム(平均粒
径0.05〜0.15mm)(1.0〜3.0重量部)、粉状酸化
カルシウム(平均粒径0.07〜0.3mm)(1.0〜2.0重
量部)、粒状酸化カルシウム(2.38mm以下)(1.0〜
2.0重量部)を混合し、通気性、通水性を有する不織布
(例えばポリプロピレン製、ユニセル(株)より入手可
能)製の袋に任意量(例えば、40〜100g)を充填
したもの。これは水と反応して、水蒸気と水素ガスを発
生する。 粒状酸化カルシウム(粒径2.38〜1.41mm)(6.
0〜8.0重量部)に、エチルセルロースのエチルアルコ
ール溶液(10重量%)(1.0〜2.0重量部)を加え混
合し、均一になったら直ちに粉状アルミニウム(0.07
〜0.29mm)(1.0〜3.0重量部)を加えて混合し、
粒状酸化カルシウムの表面に付着させ、乾燥したもの。
これは水と反応して、水蒸気と水素ガスを発生する。
【0010】 粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜4.
76mm)(7.0〜9.0重量部)に、エチルセルロースの
エチルアルコール溶液(10重量%)(2.0〜3.0重量
部)を加え混合し、均一になったら直ちに無水の粉状塩
化カルシウム(平均粒径0.1〜0.29mm)(0.2〜2.0
重量部)を加えて混合し、粒状酸化カルシウムの表面に
付着させ、乾燥したもの。これは水と反応して、水蒸気
を発生するが、水素は発生しない。 粉状アルミニウム(平均粒径0.07〜0.29mm)
(2.0〜3.0重量部)、粉状水酸化カルシウム(平均粒
径0.05〜0.15mm)(1.0〜3.0重量部)、粒状酸化
カルシウム(粒径2.38mm以下)(1.0〜2.0重量
部)、炭酸水素ナトリウム(平均粒径0.3mm以下)(1.
0〜2.0重量部)、粉状酒石酸(0.1〜0.29mm)(1.
0〜2.0重量部)を加えて混合し、通気性、通水性を有
する不織布(例えばポリプロピレン製、ユニセル(株)
より入手可能)製の袋に任意な量(例えば、40〜80
g)充填したもの。これは水と反応して、水蒸気、水素
ガス及び炭酸ガスを発生する。
【0011】水蒸気を発生し得る第1発熱手段の他の例
として、熱源(例えば、ヒーターや燃料ヒーター)と水
の組合せが挙げられる。具体的には、水収容容器に隣接
して熱源、例えばニクロム線等の電熱線、シート状ヒー
ター、半導体を利用するヒーター等を配置し、通電し水
蒸気を水収容容器より発生させる。毎分2リットル以上
の水蒸気を発生させるためには、電熱ヒーターの容量は
100〜300ワット程度が好ましい。
【0012】水蒸気を発生し得る第1発熱手段と、水と
反応して発熱する物質を含む第2発熱手段は、第1発熱
手段が発生した水蒸気が、第2発熱手段の、水と反応し
て発熱する物質と反応して発熱するように配置される。
通常は、第1発熱手段の上方に、難燃性又は不燃性材料
で作られた通気性の隔壁材料により分離された第2発熱
手段が配置され、第1発熱手段が発生した水蒸気が、自
然に又は該水蒸気により加圧されて上昇し、上方に配置
された第2発熱手段の、水と反応して発熱する物質と反
応して発熱する。配置方法はこれらに限定されるもので
はなく、例えば水蒸気を発生し得る第1発熱手段を、第
2発熱手段の上方に配置させることもできる。
【0013】通気性を有する難燃材または不燃材で作ら
れた隔壁(3)としては、第1発熱手段より発生する水
蒸気(及び他の気体)がこれを容易に通過し、第2発熱
手段内の「水と反応して発熱する物質」と接触すること
ができる程度の通気性を有し、高温、例えば約400
℃、好ましくは約500℃の温度に耐えることができ、
且つ第1手段に供給された水(液体の水)が第2手段内
の「水と反応して発熱する物質」と直接に接触するのを
防止できるようなものであれば、いかなるものでもよ
い。例えば、ガラス繊維製の綿、ガラス繊維製の布、金
属の網、多孔板(例えば、セラミック、金属(例えば、
鉄、ステンレス)等の板(厚み0.01〜2.0mm)に直径
約1mmから2mmの穴を任意の数(例えば、3〜10個/
cm2 )設けたもの)、不燃処理を施した不織布(例え
ば、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の不織布)、
不熱処理を施した段ボール板に直径約1mmから2mmの穴
を任意の数(例えば、3〜10個/cm2 )設けたもの、
等が利用できる。
【0014】第2発熱手段に使用するのに特に適した
「水と反応して発熱する物質」としては、水蒸気(水)
と反応し発熱する物質であればよく、また水蒸気(又は
水蒸気と水素のような他の気体の混合物)が容易に通過
できる粒度を有していればよい。具体例としては以下の
ものが挙げられる。 粒状酸化カルシウム(平均粒径0.5〜5.0mm)。 粉状炭酸カルシウム(平均粒径0.05〜0.15mm)
5.0〜7.0重量部、粉状アルミニウム(平均粒径0.07
〜0.29mm)2.0〜3.0重量部、粉状活性炭(0.07〜
0.29mm)0.5〜2.0重量部を混合し、水ガラスの水溶
液(10重量%)1.0〜2.5重量部と混練し、押し出し
造粒(ダイス穴径2mm)し、950℃以上で約3時間加
熱焼成したもの(粒径2.38〜4.76mm)。 粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜4.76mm)6.0
〜8.0重量部に、エチルセルロースのエチルアルコール
溶液(10重量%)1.0〜2.0重量部を加え混合し、均
一になったら直ちに粉状アルミニウム(0.07〜0.29
mm)1.0〜3.0重量部を加えて混合し、粒状酸化カルシ
ウムの表面に付着させ、乾燥したもの。 粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜4.76mm)8.0
〜9.5重量部に、エチルセルロースのエチルアルコール
溶液(10重量%)1.0〜2.0重量部を加え混合し、均
一になったら直ちに無水の粉状塩化カルシウム(平均粒
径0.1〜0.29mm)0.2〜2.0重量部を加えて混合し、
粒状酸化カルシウムの表面に付着させ、乾燥したもの。 粒状酸化カルシウム(平均粒径1.4〜4.7mm)に有
機発泡剤(アゾジカーボンアミド等)を混合又はコーテ
ィングしたもの。これは水蒸気と反応して、窒素、一酸
化炭素、及び二酸化炭素を発生する。
【0015】本発明はさらに、水蒸気を発生し得る第1
発熱手段と、水と反応して発熱する物質を含む第2発熱
手段と、被加熱物とを含み、第1発熱手段が発生した水
蒸気が、第2発熱手段の「水と反応して発熱する物質」
と反応して発熱し、この熱により被加熱物を加熱せしめ
るように構成した加熱装置を提供するものである。この
加熱装置においても、第1発熱手段の上方に、難燃性又
は不燃性材料で作られた通気性の隔壁材料により分離さ
れた第2発熱手段を配置し、さらに第2発熱手段の上方
に被加熱物(蒸散性薬剤や食品)を配置しておくことに
より、第1発熱手段が発生した水蒸気が、自然に又は水
蒸気により加圧されて上昇し、上方に配置された第2発
熱手段の「水と反応して発熱する物質」と反応して発熱
する。
【0016】被加熱物としては、食品(例えば、インス
タント食品、茶、コーヒー、酒等の飲料品)や、蒸散性
物質(例えば、殺虫剤、殺菌剤、忌避剤、殺鼠剤、消臭
剤、芳香剤、香料)が挙げられる。具体的には、水蒸気
発生手段(1)と、水と反応して発熱する物質(2)を
難燃性又は不燃性材料で作られた容器(10)内に通気
性を有する難燃材又は不燃材で作られた隔壁(3)を介
して収容し、物質(2)の上方に被加熱物(4)を載置
する。被加熱物(4)は、包装材料、例えば合成樹脂フ
イルム(例えば、熱収縮性合成樹脂フイルム)製の袋等
に収容したり、ゼラチン等で作られたカプセルに収容
し、あるいはまた、活性炭、ケイソウ土、ゼオライト等
の吸着剤に吸着させたのち、上記包装材料で包装し、物
質(2)の上方に載置する。水蒸気発生手段(1)に、
外部(または容器内部)より水を所定量供給すると、水
蒸気(及び他の気体)が発生する。発生した水蒸気(及
び他の気体)は自然に又は該水蒸気及び気体圧により隔
壁(3)を通過して物質(2)と反応し、発熱する。こ
の発熱により、被加熱物(4)が加熱される。被加熱物
が蒸散性薬剤である場合には、被加熱物の包装材料を熱
融解性、熱破壊性材料で構成しておくと、熱によって包
装材料が融解して容器が破壊され、内部の薬剤が物質
(2)上に拡がり加熱され、大気中に蒸散する。物質
(2)と水蒸気との反応により水蒸気が生成する場合に
は、一種の水蒸気蒸留のメカニズムによって、薬剤の蒸
散が、促進されるものと考えられる。また、薬剤の中に
任意の量の水と界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレ
ン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、ステアリン酸カルシウム)等を加え水和物として
おくことにより、発熱温度を調節し、発熱温度が高くな
りすぎて薬剤が熱分解するのを防止することができる。
また、十分な圧力(30kg/cm2)に耐える容器の中で物
質(1)と物質(2)、被加熱蒸散物を反応させ、容器
に備えたノズル(径約0.01〜2mm)付きの管より、放
出させることにより、物の隙間にも集中的に薬剤等の散
布をすることが可能となる。
【0017】
【作用】本発明は、「水と反応して発熱する物質」に水
蒸気を接触させると、「水と反応して発熱する物質」に
液体の水を接触させた場合と比較してはるかに高い発熱
温度が得られるという発見に基づいて完成されたもので
ある。このため、従来は困難であった、沸点の高い薬剤
の散布(蒸散)も可能となり、また従来の装置では不充
分であった食品の加熱を充分に行うことができる。食品
の加熱や薬剤の蒸散、特に薬剤の蒸散の際に、発熱温度
は、任意に制御できることが望ましい。本発明では、薬
剤に任意の量の水又は水と界面活性剤(例えば、ポリオ
キシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ステアリン酸カルシウム、アルキル
(C8〜C14)硫酸塩(Na)、ポリエチレングリコ
ール(分子量4000〜6000)、脂肪酸エステル、
カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム)等を加え
水和物としておくことにより、発熱温度を下げることが
でき、多種の薬剤の分解を防ぎながら、効率よく薬剤を
蒸散(散布)することができる。また発生する水蒸気は
蒸散(散布)を助けるように働き、さらに水蒸気ととも
に他の気体(例えば、水素)が発生する場合には、これ
らの気体は水蒸気とともに速やかに被加熱蒸散物を広く
広げるように働くとともに、容器内の圧力が上がり、よ
り速く薬剤を運ぶのに役立つものである。また、容器
(10)中の酸素(空気)を置換するため、酸素中の加
熱により分解しやすい薬剤の分解を抑制することができ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。 実施例1 図1は、難燃性又は不燃性材料からなる容器(10)と
して、鉄製の捩子込み式の上部の蓋(8)を有する丸型
の缶(直径70mm×高さ90mm)を用いた例を示す。該
容器(10)の底面の下部の蓋(9)に直径約3mmの穴
(6)を9箇所設け、反応に必要な水を外部より供給す
るための孔とする。該容器(10)の内部の底面の下部
の蓋(9)に通水性を有するビスコース・レーヨン製の
不織布(17)を、密着させ、その上に、水と反応して
水蒸気を発生する物質(1)60gを充填し、その上方
に、ガラス繊維綿(厚さ約10mm)(3)を被着した。
物質(1)として使用したものは以下のとおりである。
この明細書において、他に明記しない限り、「部」は重
量部を示す。 粉状炭酸カルシウム(平均粒径0.1mm)6部、粉状
アルミニウム(平均粒径0.1mm)3部、粉状活性炭(平
均粒径0.15mm)1部を混合し、水ガラスの水溶液(1
0%)3部と混練し、押し出し造粒(ダイス穴径2mm)
を行い粒状(平均粒径3.3mm)とし、炉に入れて950
℃以上で約3時間加熱後冷却したもの。 粉状アルミニウム(平均粒径0.15mm)4部、粉状
水酸化カルシウム(平均粒径0.1mm)3部、粉状酸化カ
ルシウム(平均粒径0.15mm)3部、粒状酸化カルシウ
ム(粒径2.38mm以下)3部を混合し、通気性、通水性
を有する不織布(ポリプロピレン製、ユニセル(株))
の袋(縦100mm×横90mm)に充填したもの。 粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜4.76mm)8部
に、エチルセルロースのエチルアルコール溶液(10
%)2部を加え混合し、均一になったら直ちに粉状アル
ミニウム(平均粒径0.15mm)2部を加え混合し、粒状
酸化カルシウムの表面に付着させ、その後エチルアルコ
ールを飛ばしたもの。 粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜4.76mm)9部
に、エチルセルロースのエチルアルコール溶液(10
%)2部を加え混合し、均一になったら直ちに無水の粉
状塩化カルシウム(平均粒径0.15mm)1部を加え混合
し、粒状酸化カルシウムの表面に付着させ、その後エチ
ルアルコールを飛ばしたもの。 粉状アルミニウム(平均粒径0.15mm)2部、粉状
水酸化カルシウム(平均粒径0.1mm)2部、粒状酸化カ
ルシウム(粒径2.38mm以下)2部、炭酸水素ナトリウ
ム(平均粒径0.3mm)1部、酒石酸(平均粒径0.3mm)
1部を混合し、通気性、通水性を有する不織布(ポリプ
ロピレン製、ユニセル(株))の袋(縦100mm×横9
0mm)に充填したもの。
【0019】また、「水と反応して発熱する物質」
(2)としては、の粒状酸化カルシウム(粒径1.41
〜4.76mm)60gを充填し、その上方に薬剤を収容し
た容器(4)を載置した。この容器(4)は、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ナイロンより作られたラミネー
トフイルム製の袋(縦3cm×横5cm)であり、内部に、
薬剤として、cyphenothrin (Gokilaht) 3g、水5g、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル1gを良く
混合したものを充填し、シールした。
【0020】次いで、排気孔(5)を有する上部の蓋
(8)をした。穴(6)より水の供給を行うための容器
(12)の中央に容器(10)を配置し、容器(12)
に水を60ml供給した。穴(6)より容器(10)内に
侵入した水と物質(1)が反応して水蒸気が発生し、こ
の水蒸気は隔壁(3)を通過して物質(2)と反応し、
発熱するとともに水蒸気を発生した。気体の発生が確認
されてから約10分後に気体の発生が認められなくなり
薬剤の蒸散(散布)を終了した。水を供給してから約3
分後に排気孔(5)より薬剤の含まれた混合気体が発生
し始めた。その際の物質(2)の中心温度を測定した。
また比較試験として、粒状酸化カルシウム(粒径1.41
〜4.76mm)60gに水25mlを添加して反応させた際
の発熱温度(中心温度を測定)を調べた。結果を以下に
示す。
【0021】
【0022】以上の結果は、粒状酸化カルシウムに水を
接触させ発熱させる場合、液体の水を使用するよりも水
蒸気(高温の水蒸気)を使用した方が、発熱温度を著し
く高くすることができること、上記の例では、最高温度
で約224℃の温度差があることを示している。
【0023】実施例2 図2は、難燃性又は不燃性材料製の容器(10)として
鉄製の捩子込み式の上部の蓋(8)を有する丸型の缶
(直径70mm×高さ90mm)を用い、下部の蓋(9)に
は孔の無い物を使用した例を示す。物質(1)、物質
(2)、隔壁(3)、薬剤収容容器(4)は実施例1と
同一のものを使用した。この実施例では、物質(1)と
隔壁(3)との間に、反応に必要な水を収容して成る水
収容容器(7)が配置されており、容器(7)を破壊す
ることにより、外部より水の供給を受けることなく、発
熱反応に必要な水を供給することができる。水収容容器
(7)の例としては、合成樹脂又はそのフイルムにより
作られた容器又は袋に水を収容したものが挙げられ、こ
れを物質(1)と隔壁(3)の間に配置し、使用時に、
破袋用針(13)(図5参照)を排気孔(5)の中央に
ある孔より垂直に突刺して破袋し、水を供給する。また
図6の姿図に示されているように、合成樹脂フイルム製
の水収容容器に破袋用の糸(14)を結合しておき、使
用時に、この糸(14)を引っ張ることにより破袋させ
てもよい。この実施例では、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ナイロンよりなるラミネートフイルム製の袋(縦
10cm×横10cm)に、水を60ml収容した容器(7)
を使用し、針(13)で破袋させて水を供給し薬剤の蒸
散(散布)を行った。実施例1と同様の結果が得られ
た。
【0024】実施例3 図3は、液状食品の加熱用に使用される本発明の発熱装
置を示す。この容器(10)は、鉄製の丸型の缶(直径
9cm、高さ15cm)で上部は捩子込み式の上部の蓋
(8)を有し、下部の蓋(9)は容器(10)に冠着さ
れず直径約3mmの穴(6)が9箇所設けられている。蓋
(9)には、通水性を有する不織布(17)が密着さ
れ、容器(10)内の上方部分に、食品収容容器(1
1)(容積320ml)が設けられている。食品を収容し
た容器(11)に蓋(8)をし、容器(10)内に挿入
した後、容器全体を逆さにして、排気孔(5)が完全に
隠れるまで断熱材(16)(ガラス繊維綿)を充填し、
水と反応して発熱する物質(2)として、粒状酸化カル
シウム(粒径1.41〜4.76mm)100gを充填した。
次いで隔壁(3)(厚さ約10mmの硝子綿)を被着し、
物質(1)として、粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜
4.76mm)9部に、エチルセルロースのエチルアルコー
ル溶液(10%)2部を加え、混合し均一になったら直
ちに無水の粉状塩化カルシウム1部を加え混合して、粒
状酸化カルシウムの表面に付着させ、その後エチルアル
コールを飛ばしたもの100gを充填し、不織布(1
7)及び下部の蓋(9)を冠着した。これを、外部より
水の供給を行う為の容器(12)の中央に上部の蓋
(8)が上になるように配置し、容器(12)に水を6
0ml供給した。食品収容容器(11)内には水300ml
を入れた。容器(12)に給水してから約1分後より発
熱が始まり、食品収容容器(11)内の水の温度は5分
後に17℃から93℃まで上昇した。この結果は、液状
食品の加熱が充分にできることを示している。
【0025】実施例4 図4は、図3と同様な液状食品の加熱に供される発熱装
置を示す。この容器(10)は、鉄製の丸型の缶(直径
9cm、高さ15cm)で上部は捩子込み式の上部の蓋
(8)を有し、下部の蓋(9)は容器(10)に冠着さ
れず、また水供給用の穴(孔)は設けられていない。容
器(10)内の上方部分に、食品収容容器(11)(容
積320ml)が設けられている。食品を収容した容器
(11)に蓋(8)をし、容器(10)内に挿入した
後、容器全体を逆さにして、排気孔(5)が完全に隠れ
るまで断熱材(16)(硝子綿)を充填し、水と反応し
て発熱する物質(2)として、粒状酸化カルシウム(粒
径1.41〜4.76mm)100gを充填した。次いで隔壁
(3)(厚さ約10mmの硝子綿)を被着し、さらに反応
に必要な水を収容した水収容容器(7)を載置した。こ
の容器(7)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイ
ロンより作られたラミネートフイルム製の袋(縦10cm
×横10cm)に水60mlを収容したものであり、この袋
(7)を段ボール板製の水袋固定用基盤(15)に固定
し、袋(7)のシール部の一部に切り込みを入れ、その
部分に糸(14)を結合し、糸(14)を引く事により
袋(7)が破袋するようにしてある。容器(10)の側
壁に設けた孔より糸(14)の端部を容器(10)の外
部に引き出し、糸(14)の端部を容器(10)の外側
に粘着紙で止めた構造となっている。物質(1)とし
て、粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜4.76mm)9部
に、エチルセルロースのエチルアルコール溶液(10
%)2部を加え、混合し均一になったら直ちに無水の粉
状塩化カルシウム1部を加え混合して、粒状酸化カルシ
ウムの表面に付着させ、その後エチルアルコールを飛ば
したもの100gを充填し、下部の蓋(9)を冠着し
た。容器(10)の上部の蓋(8)が上になるように
し、粘着紙で止められている糸(14)の端部を引っ張
って破袋し、発熱を開始した。実施例3と同様の結果が
得られた。
【0026】
【実施例5】図7は、二重容器よりなる、発熱に必要な
水を外部容器蓋(20)を用いて容器上部より供給可能
ならしめた型の発熱装置である。内部容器(23)とし
て外部より水の供給を受ける孔を有する鉄製の丸型の缶
(直径53mm×高さ93mm)を用い、該内部容器(2
3)内の底部に通水性を有するビスコース・レーヨン製
の不織布(17)を密着させ、その上に水蒸気を発生す
る物質として、粉状塩化カルシウム(平均粒径0.15m
m) 10gを該不織布(17)面に広がるように充填
し、その上に粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜4.76
mm) 80gを充填し、その上に、隔壁(3)としてガラ
ス繊維紙(厚さ0.4mm) (オリベスト(株)製)を3枚
重ねて被着し、その上に水と反応して発熱する物質
(2)として、粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜4.7
6mm) 80gを充填しその上に穴を有する金属板(2
6)(鉄板、厚さ0.8mm、直径52.5mm、穴径1mm、ピ
ッチ1.2mm) を載置し、その上に実施例1と同一の薬剤
の収容容器(4)を載置し、金属板(26)と内部容器
蓋(22)間に、物質(1)及び物質(2)を固定し且
つ、それぞれの物質の発熱反応により発生する体積膨張
を吸収するためのスプリング(直径50mm×高さ30m
m) を弾設した。内部容器蓋は金属板より作られ、蓋の
中心に直径30mmの穴が開けられ、該穴に通気性を有し
且つ撥水性を有する板状物としてガラス繊維紙にシリコ
ーン処理を施したものを貼着し使用した。内部容器蓋
(22)は内部容器(23)にシーマー機により上部よ
り圧力を加えながら封をした。封をされた内部容器(2
3)を、底を有し容器内面が合成樹脂被膜を有する丸型
の紙管(直径75mm×高さ105mm) よりなる外部容器
(21)に通水性を有する断熱材(24)としてガラス
繊維紙を介し収容し、外部容器(21)に外部容器蓋
(20)が配置された物を用意した。実施にあたって
は、外部容器蓋(20)を外し、該外部容器蓋を用い蓋
に表示されている線まで水(約40ml) を入れ、それを
内部容器蓋(22)上部より供給し、該外部容器蓋を外
部容器(21)の下部に敷設し断熱材として使用した。
約2分後より発熱するとともに水蒸気を発生した。気体
の発生が確認されてから約8分後に気体の発生が認めら
れなくなり、薬剤の蒸散(散布)を終了した。
【0027】
【実施例6】図8は、発熱に必要な水が水収容容器
(7)に収容され、外部容器蓋(20)に配置収容され
た型の発熱装置である。水収容容器(7)としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ナイロンからなるフィル
ムをラミネートして作られたラミネートフィルムを使用
し袋(縦65mm×横65mm) を作り、水40mlを収容し
た物を用意した。該水収容容器(7)を外部容器蓋(2
0)の上部に収納し、合成樹脂にて作られた外部容器蓋
キャップ(28)を冠着した物である。実施にあたり、
物質(1)、物質(2)、外部容器(21)、外部容器
蓋(20)、内部容器(23)、内部容器蓋(22)、
通水性を有する断熱材(24)、スプリング(25)、
穴を有する金属板(26)、不織布(17)、通気性を
有する難燃材又は不燃材で作られた隔壁(3)、薬剤の
収容容器(4)は実施例5と同一のものを使用した。外
部容器蓋キャップ(28)を開け、水収容容器(7)を
取り出し、外部容器蓋(20)を外し、外部容器(2
1)の下部に敷設し、水収容容器(7)を指にて破袋
し、水を内部容器蓋(22)上部より供給し、薬剤の蒸
散(散布)を行った。実施例5と同様の結果が得られ
た。
【0028】
【実施例7】図9は、第1の容器に水蒸気を発生し得る
第1発熱手段の物質(1)が、及び第2の容器に水と反
応して発熱する物質(2)と被加熱物質が、別々に収容
せられてなり且つ、個々の容器の上蓋又は上蓋と下蓋を
開けるためのプルトップ式開封手段を有した型の発熱装
置である。物質(1)を収容してなる開封手段を有する
収容容器(29)は、鉄板よりなる直径75mm×高さ5
0mmの缶詰型容器であり、該容器に物質(1)として粉
状アルミニウム(平均粒径0.15mm)3部、粉状水酸化
カルシウム(平均粒径0.1mm) 4部、粉状酸化カルシウ
ム(平均粒径2.38mm) 3部を混合し、その80gを通
気性、通水性を有する不織布(ポリプロピレン製)の袋
(縦100mm×横90mm) に充填したものを収容し、缶
の周壁の上部には内向きのビート部(31)が形成され
ている。該ビート部に、穴を有する金属板(26)(鉄
板、厚さ0.8mm、直径73mm、穴径1mm、ピッチ1.2m
m) を載置し、開封手段を有する容器上蓋(33)をシ
ーマー機により開封手段を有する収容容器(29)の上
部に冠着したものを用意した。第2の容器として、物質
(2)及び被加熱物質を収容してなる容器(30)は、
鉄板よりなる直径75mm×高さ75mmの缶詰型容器であ
り、すでに開封手段を有する容器下蓋(34)と穴を有
する金属板(26)(鉄板、厚さ0.8mm、直径73mm、
穴径1mm、ピッチ1.2mm) がそれぞれに配設せられたも
のを用意した。さらに、穴を有する金属板(26)の上
に粒状酸化カルシウム(粒径1.41〜4.76mm) 80g
を充填し、その上に穴を有する金属板(26)(鉄板、
厚さ0.8mm、直径73mm、穴径1mm、ピッチ1.2mm) を
載置し、その上に被加熱物質として実施例1と同一の薬
剤の収容容器(4)を載置し、金属板(26)と開封手
段を有する容器上蓋(33)間に、スプリング(直径7
3mm×高さ30mm) (25)を配置し、シーマー機によ
り上部より圧力を加えながら開封手段を有する容器上蓋
(33)を冠着したものを用意した。実施にあたって
は、第1容器の上部の蓋を開け、該容器の上部に、シリ
コーンゴム製の容器接続構造物(35)を第1容器の上
部に緊合し、次に第2容器の上蓋及び下蓋を開けて用意
し、シリコーンゴム製の容器接続構造物(35)を緊合
された第1容器の上部より水約80mlを供給し、蓋がす
でに開けられた第2容器の下部を容器接続構造物(3
5)の上部に緊合した。約3分後より発熱するとともに
水蒸気を発生した。気体の発生が確認されてから約7分
後に気体の発生が認められなくなり、薬剤の蒸散(散
布)を終了した。
【0029】
【実施例8】図12は、耐圧容器本体(36)と耐圧容
器蓋(37)よりなる耐圧容器を使用し、発生する水蒸
気及び気体を利用して加圧し、集中的に薬剤等の蒸散
(散布)を行う型の発熱装置である。耐圧容器本体(3
6)と耐圧容器蓋(37)と耐圧容器蓋取付け装置(3
8)よりなり、厚さ1.0mmのステンレス板より作られた
直径115mm、高さ245mmの底を有する円筒状の耐圧
容器本体(36)と、及び厚さ1.0mmのステンレス板よ
り作られた直径115mm、高さ40mmの耐圧容器蓋(3
7)、厚さ1.2mmのステンレス板より作られた耐圧容器
蓋取付け装置(38)よりなる装置を用意した。第1発
熱手段の物質として、実施例7で使用した物と同一の物
質を使用し、該袋を耐圧容器本体(36)の底部に充填
した。内面にネジ部を有し、且つ底部には穴(44)を
有する金属板が固着された円筒状の容器(45)(直径
60mm×高さ80mm) に実施例7と同一の第2発熱手段
の物質と、その上に実施例1と同一の薬剤の収容容器を
載置し、円筒状の容器(45)を耐圧容器蓋(37)に
あるネジ部に螺着し用意した。水約100mlを耐圧容器
本体(36)の底部にある第1発熱手段の物質上へ供給
し、直ちに耐圧容器蓋取付け装置(38)を使用し耐圧
容器蓋(37)を耐圧容器本体(36)にパッキングを
介して重合させ冠着した。約3分後より発熱が始まると
ともに圧力計の針が動き始め、約10分後に圧力計の針
は9.2kg/cm2を示した。その後コック(40)を開けて
蒸散(散布)を始めた約3分後にノズルよりの放出が弱
くなり停止し蒸散(散布)を終了した。
【0030】
【発明の効果】本発明は、水と反応して発熱する物質
に、液体の水ではなく、水蒸気を反応させて発熱させる
ことを特徴とするものであるが、こうすることによっ
て、液体の水を反応させた場合と比較して約200℃以
上も高い発熱温度が達成される。従って、沸点の高い薬
剤の蒸散(散布)を容易に行うことができ、またより多
量の薬剤を蒸散(散布)することができ、さらに、食品
加熱に使用した場合には、加熱時間を大幅に短縮するこ
とができる。また、薬剤に任意の量の水と任意の量の界
面活性剤とを加え良く混合し水和物としておくと、水蒸
気と薬剤が同時に蒸散し、発熱温度を低く抑えることが
でき、物質(2)の発熱最高温度よりはるかに低い温度
の沸点を有する薬剤も蒸散(散布)することができ、よ
り多種の薬剤を使用することができる。また、本発明の
装置では、発生する気体は、水素、一酸化炭素、二酸化
炭素、窒素、等であり、実施例1及び2では、さらに水
との反応で水蒸気と水素ガス(約1000ml)が発生す
る。このため、薬剤の含まれたガスを広範囲に素早く拡
散させることができる。また、酸素の存在下で加熱され
ると分解するような薬剤も分解されることなく安定に蒸
散(散布)できる。さらにまた、本発明は、水と反応し
て発熱する物質に、液体の水ではなく、水蒸気を反応さ
せて発熱させるため、被加熱物に対する液体の水の量を
正確に制御しなくても、高い発熱温度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】容器(10)の外部より反応に必要な水の供給
を受ける形式の薬剤の蒸散(散布)を行う発熱装置の縦
断面図である。
【図2】容器(10)の内部に反応に必要な水を収容し
てなる形式の薬剤の蒸散(散布)を行う発熱装置の縦断
面図である。
【図3】容器(10)の外部より反応に必要な水の供給
を受ける形式の液状食品加熱を行う発熱装置の縦断面図
である。
【図4】容器(10)の内部に反応に必要な水を収容し
てなる形式の液状食品加熱を行う発熱装置の縦断面図で
ある。
【図5】水袋を破袋するための針の縦断面図である。
【図6】水袋を破袋するための他の手段の使用状態を示
す図である。
【図7】容器上部より水を供給し発熱蒸散を始める、二
重構造容器の縦断面図である。
【図8】図7の容器内に、発熱蒸散に必要な水を包装し
た状態で収容させた容器の縦断面図である。
【図9】物質(1)、物質(2)と被加熱物を別々に収
容してなる容器の個々に開封手段を有する容器と、容器
接続構造物の縦断面図である。
【図10】図9の容器を容器接続構造物に配設した縦断
面図である。
【図11】開封手段を有する容器の上面図及び下面図で
ある。
【図12】加圧蒸散装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 水蒸気を発生し得る第1発熱手段、物質(1) 2 水と反応して発熱する物質(2) 3 通気性を有する難燃材又は不燃材で作られた隔壁 4 薬剤の収容容器 5 排気孔 6 外部より水の供給を受ける孔 7 水収容容器 8 上部の蓋 9 下部の蓋 10 難燃材又は不燃材で作られた容器 11 食品収容容器 12 外部より水の供給を行うための容器 13 水袋破袋用針 14 水袋破袋用引き糸 15 水袋固定用基板 16 断熱材 17 不織布 18 水収容袋 19 水袋密着部 20 外部容器蓋 21 外部容器 22 内部容器蓋 23 内部容器 24 通水性を有する断熱材 25 スプリング 26 穴を有する金属板 27 内部容器の下部 28 外部容器蓋用キャップ 29 物質(1)を収容してなる、開封手段を有する収
容容器 30 物質(2)及び4を収容してなる、開封手段を有
する収容容器 31 容器29、30のビード 32 開封手段 33 開封手段を有する容器上蓋 34 開封手段を有する容器下蓋 35 容器接続構造物 36 耐圧容器本体 37 耐圧容器蓋 38 耐圧容器蓋取付け装置 39 圧力計 40 コック 41 フレキシブル・パイプ 42 ノズル 43 ネジ部 44 水蒸気通過孔 45 物質(2)と4を収容する容器

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段と、水
    と反応して発熱する物質を含む第2発熱手段を有し、第
    1発熱手段が発生した水蒸気が、第2発熱手段の、水と
    反応して発熱する物質と反応して発熱するように、第1
    及び第2発熱手段を配置してなる発熱装置。
  2. 【請求項2】 水と反応して発熱する物質が、酸化カル
    シウム及び金属アルミニウムからなる群から選ばれる少
    なくとも1種の物質を含有する請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段が、水
    と反応して発熱する物質及び水を含む請求項1又は2記
    載の装置。
  4. 【請求項4】 水と反応して発熱する物質が、酸化カル
    シウム及び金属アルミニウムからなる群から選ばれる少
    なくとも1種の物質を含む請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段が、ヒ
    ーター及び水を含む請求項1又は2記載の装置。
  6. 【請求項6】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段と、水
    と反応して発熱する物質を含む第2発熱手段と、被加熱
    物とを含み、第1発熱手段が発生した水蒸気が、第2発
    熱手段の、水と反応して発熱する物質と反応して発熱
    し、この熱により被加熱物を加熱せしめるように構成し
    てなる加熱装置。
  7. 【請求項7】 被加熱物が、食品である請求項6記載の
    装置。
  8. 【請求項8】 被加熱物が、蒸散性物質である請求項6
    記載の装置。
  9. 【請求項9】 蒸散性物質が、殺虫剤、殺菌剤、忌避
    剤、殺鼠剤、消臭剤、芳香剤、及び香料からなる群から
    選ばれる少なくとも1種の物質を含む請求項8記載の装
    置。
  10. 【請求項10】 第2発熱手段の、水と反応して発熱す
    る物質が、酸化カルシウム及び金属アルミニウムからな
    る群から選ばれる少なくとも1種の物質を含む請求項6
    〜9のいずれか1項記載の装置。
  11. 【請求項11】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段が、
    水と反応して発熱する物質及び水を含む請求項6〜10
    のいずれか1項記載の装置。
  12. 【請求項12】 水と反応して発熱する物質が、酸化カ
    ルシウム及び金属アルミニウムからなる群から選ばれる
    少なくとも1種の物質を含む請求項11記載の装置。
  13. 【請求項13】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段が、
    ヒーター及び水を含む請求項6〜10のいずれか1項記
    載の装置。
  14. 【請求項14】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段と、
    水と反応して発熱する物質を含む第2発熱手段と、被加
    熱物とを含む装置を使用し、水蒸気を発生し得る第1発
    熱手段により水蒸気を発生させ、この水蒸気を第2発熱
    手段の、水と反応して発熱する物質と接触させて発熱さ
    せ、この熱により被加熱物を加熱することを特徴とする
    加熱方法。
  15. 【請求項15】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段と、
    水と反応して発熱する物質を含む第2発熱手段と、蒸散
    性物質とを含む装置を使用し、水蒸気を発生し得る第1
    発熱手段により水蒸気を発生させ、この水蒸気を第2発
    熱手段の、水と反応して発熱する物質と接触させて発熱
    させ、この熱により蒸散性物質を蒸散させることを特徴
    とする蒸散方法。
  16. 【請求項16】 蒸散性物質が、殺虫剤、殺菌剤、忌避
    剤、殺鼠剤、消臭剤、芳香剤、及び香料からなる群から
    選ばれる少なくとも1種の物質である請求項15記載の
    方法。
  17. 【請求項17】 水と反応して発熱する物質が、酸化カ
    ルシウム及び金属アルミニウムからなる群から選ばれる
    少なくとも1種の物質を含む請求項15又は16記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段が、
    水と反応して発熱する物質及び水を含む請求項15〜1
    7のいずれか1項記載の方法。
  19. 【請求項19】 水と反応して発熱する物質が、酸化カ
    ルシウム及び金属アルミニウムからなる群から選ばれる
    少なくとも1種の物質を含む請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 水蒸気を発生し得る第1発熱手段が、
    ヒーター及び水を含む請求項15〜17のいずれか1項
    記載の方法。
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