JP2003171598A - 含フッ素粉体塗料組成物 - Google Patents

含フッ素粉体塗料組成物

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JP2003171598A JP2002283551A JP2002283551A JP2003171598A JP 2003171598 A JP2003171598 A JP 2003171598A JP 2002283551 A JP2002283551 A JP 2002283551A JP 2002283551 A JP2002283551 A JP 2002283551A JP 2003171598 A JP2003171598 A JP 2003171598A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ブロッキング性と高度の耐衝撃性を有する
非ビニリデン系含フッ素粉体塗料を提供する。 【解決手段】 Tgが40℃を超える非ビニリデン系フ
ッ素樹脂と、Tgが0〜40℃の樹脂とを含有する含フ
ッ素粉体塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐ブロッキング性
と高度の耐衝撃性を有する非ビニリデン系含フッ素粉体
塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】架橋性官能基を有するフルオロオレフィ
ンとビニルエーテルまたはビニルエステルとの共重合体
を含有する溶剤可溶型硬化性フッ素樹脂塗料(例えば、
特許文献1、特許文献2参照)は、耐食性、耐久性、汚
れの落ち易さなどが優れた塗膜を与え、重防蝕用、建築
用、工業用等の分野で近年広く使用されている。しか
し、溶剤塗料は使用時に環境に有機溶剤を放出するため
環境汚染の一因にもなっており、年々深刻化する環境汚
染問題に対応するため、フッ素樹脂系粉体塗料が着目さ
れている。
【0003】通常、粉体塗料は、あらかじめ粉砕された
樹脂成分やその他の添加剤を配合した組成物を溶融混練
し、その後、例えばハンマーミル等で粉砕して製造さ
れ、あるいは溶媒に溶解した状態で他の添加剤と混合し
た後、噴霧乾燥により製造される。ポリフッ化ビニリデ
ン系樹脂を主成分とする粉体塗料は、その結晶性が高い
ため、200℃以上の高温で焼き付けることが必要であ
り、さらには、充分な光沢を有する塗膜が得られ難く、
用途が制限されるという問題がある。
【0004】また、架橋性官能基を有するフルオロオレ
フィンとビニルエーテルまたはビニルエステルとの共重
合体を含有する粉体塗料の提案もある。(例えば、特許
文献3参照)ここにはこの共重合体のガラス転移温度
(Tg)の記載はないが、Tgが40℃以下のものは、
Tgが低くなればなるほど耐ブロッキング性が低下す
る。ここで、耐ブロッキング性とは、粉体塗料貯蔵時に
粒子同士の融着を防ぐ性質を言う。また、粉体塗料製造
時に低温で粉砕する必要があり、粉砕だけのために低温
エネルギーを使用するのでコスト高になる。
【0005】
【特許文献1】特開昭59−102962号公報
【特許文献2】特開昭61−57609号公報
【特許文献3】特開平2−60968号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、Tgが40℃を
超える非ビニリデン系フッ素樹脂を主原料とする粉体塗
料は、粉砕時の粉砕のし易さ、得られた粉体の耐ブロッ
キング性に優れるが、従来より高度の耐衝撃性が要求さ
れる場合には、その要望に応えがたいという問題があっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、鋭意検討した結果、耐候性、耐蝕性に優
れ、しかも室温で粉砕可能で、得られた粉体の耐ブロッ
キング性に優れ、更に従来より高度の耐衝撃性の要求に
応えることのできる非ビニリデン系含フッ素粉体塗料を
見出し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、T
gが40℃を超える非ビニリデン系フッ素樹脂と、Tg
が10〜40℃の樹脂とを含有する含フッ素粉体塗料組
成物にある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の含フッ素粉体塗料組成物
は、少なくとも、Tgが40℃を超える非ビニリデン系
フッ素樹脂を含有する。本発明における非ビニリデン系
フッ素樹脂とは、フルオロオレフィン単位と、フルオロ
オレフィンと共重合可能な単量体単位を含み、好ましく
は架橋性反応基を有するものであり、フルオロオレフィ
ン単位の原料としては、例えば、テトラフルオロエチレ
ン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTF
E)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン(HFP)、ペンタフルオロプロピレンなどのような
ものを使用でき、少量であればフッ化ビニリデンも使用
できるが、フッ化ビニリデンを主体とする樹脂は除かれ
る。
【0009】フルオロオレフィンと共重合可能な単量体
としては、塗膜の耐候性を著しく損なわないものが使用
され、通常、エチレン性不飽和化合物、例えば、エチル
ビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、(イソ)ブ
チルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニル
エーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(イ
ソ)酪酸ビニル、吉草酸ビニル、シクロヘキサンカルボ
ン酸ビニル等のアルキルカルボン酸とビニルアルコール
のエステル類;安息香酸ビニルなどの芳香族カルボン酸
とビニルアルコールのエステル類;エチルアリルエーテ
ル、プロピルアリルエーテル、(イソ)ブチルアリルエ
ーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルア
リルエーテル類;、エチルアリルエステル、プロピルア
リルエステル、(イソ)ブチルアリルエステル等のアル
キルアリルエステル類、エチレン、プロピレン、(イ
ソ)ブチレン等のアルケン類;メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、(イソ)ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリル酸エステル類等を挙げることができ、これらの
単量体は、1種または2種以上を使用することができ
る。
【0010】架橋性反応基としては、水酸基、カルボキ
シル基、アミド基、アミノ基、メルカプト基、グリシジ
ル基、臭素、沃素等の活性ハロゲン、イソシアネート
基、加水分解性シリル基等を挙げることができる。非ビ
ニリデン系フッ素樹脂への架橋性反応基の導入方法は、
架橋性反応基を有する単量体を共重合せしめる方法、共
重合体の一部を分解せしめる方法、共重合体の官能基に
架橋性反応基を与える化合物を反応せしめる方法等を挙
げることができる。架橋性反応基を有する単量体として
は、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、メ
ルカプト基、グリシジル基、またはイソシアネート基、
加水分解性シリル基を有する単量体を例示できる。例え
ば水酸基を有する単量体として、ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒド
ロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシ
ルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテ
ル類;ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピオン酸
ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキシシクロヘキ
サンカルボン酸ビニル等のヒドロキシアルキルカルボン
酸とビニルアルコールとのエステル類;ヒドロキシエチ
ルアリルエーテル、ヒドロキシプロピルアリルエーテ
ル、ヒドロキシブチルアリルエーテル等のヒドロキシア
ルキルアリルエーテル類;ヒドロキシエチルアリルエス
テル、ヒドロキシプロピルアリルエステル、ヒドロキシ
ブチルアリルエステル等のヒドロキシアルキルアリルエ
ステル類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト類等や、これらが部分的にフッ素置換された化合物等
を挙げることができる。
【0011】カルボキシル基を有する単量体としては、
例えば、ウンデシレン酸、(メタ)アクリル酸、カルボ
キシルアルキルアリルエーテル等を挙げることができ
る。アミド基を有する単量体としては、例えば、(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等
を挙げることができる。アミノ基を有する単量体として
は、例えば、アミノアルキルビニルエーテル、アミノア
ルキルアリルエーテル等を挙げることができる。
【0012】又、グリシジル基を有する単量体として
は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシ
ジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル等を挙
げることができる。イソシアネート基を有する単量体と
しては、例えば、ビニルイソシアネート、イソシアネー
トエチルアクリレート等を挙げることができる。上記架
橋部位を与える単量体としては、フルオロオレフィンと
の共重合性から、ビニル系或いはアリル系の化合物が好
ましく用いられる。
【0013】非ビニリデン系フッ素樹脂の架橋性反応基
と反応して架橋結合を形成する硬化剤としては、架橋部
位が水酸基である場合は、硬化剤として、例えば、イソ
シアネート基、カルボキシル基、等を有する化合物やメ
ラミン樹脂が用いられる。架橋部位がカルボキシル基で
ある場合は、硬化剤として、例えば、水酸基、アミノ
基、イソシアネート基、グリシジル基等を有する化合物
が用いられる。架橋部位がアミノ基である場合は、硬化
剤として、例えば、カルボキシル基、グリシジル基、イ
ソシアネート基等を有する化合物が用いられる。架橋部
位がグリシジル基である場合は、硬化剤として、例え
ば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネー
ト基、ヒドラジド基等を有する化合物が用いられる。架
橋部位がイソシアネート基である場合は、硬化剤とし
て、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を有
する化合物が用いられる。
【0014】イソシアネート基を有する化合物として
は、ブロックイソシアネート化合物、例えば、イソホロ
ンジソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
ポリイソシアネート化合物や、これらの二量体、三量体
やトリメチロールプロパン等の多価アルコールで変性し
たポリイソシアネート化合物等のイソシアネート化合物
のイソシアネート基をε−カプロラクタム、フェノー
ル、ベンジルアルコール、メチルエチルケトンオキシム
等のブロック化剤でブロックした化合物が挙げられる。
【0015】カルボキシル基を有する化合物としては、
フマル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸等の脂肪族二塩基酸、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸無
水物、酸価を有するポリエステル樹脂やアクリル樹脂等
が挙げられる。グリシジル基を有する化合物としては、
テレフタル酸ジグリシジルエステル、パラオキシ安息香
酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアネー
ト、スピログリコールジグリシジルエーテル、脂環式エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。水酸基を有する化合物とし
ては、1,4−ビス−2’−ヒドロキシエトキシベンゼ
ン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、スチレン・
アリルアルコール共重合体、スピログリコール、水酸基
価を有するポリエステルやアクリル樹脂等が挙げられ
る。その他、ジシアンジアミド及びジシアンジアミド誘
導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、二塩基酸
ジヒドラジド、ジアミノジフェニルメタン、環状アミジ
ン、ヒダントイン化合物等も用いられる。
【0016】Tgが40℃を超える非ビニリデン系フッ
素樹脂は、フルオロオレフィンの種類、フルオロオレフ
ィンと共重合する単量体の種類、架橋反応性官能基を有
する単量体の種類及びこれらの組成比を適宜選択するこ
とにより得ることができる。
【0017】本発明の含フッ素粉体塗料組成物は、更に
Tgが0〜40℃の樹脂をも含有する。この樹脂として
は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、非ビニリデン系
フッ素樹脂などを用いることができる。アクリル樹脂と
してはメタクリル酸メチルと、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリ
ル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタ
クリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸2−エチルヘキシル等との共重合体を例示できる。ポ
リエステルは、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合
体であり、カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸を主体とし、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸等
の脂肪族ジカルボン酸;脂環式ジカルボン酸等を例示で
きる。また、カルボン酸成分として、3価以上のカルボ
ン酸を少量含んでもよい。アルコール成分としては、2
価アルコールとして、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,2−プロパンジオール、3価アルコー
ルとして、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールな
どを例示でき、4価以上のアルコールを用いることもで
きる。
【0018】非ビニリデン系フッ素樹脂としてはTgが
40℃を超える非ビニリデン系フッ素樹脂の場合と同様
のフルオロオレフィン単位と、フルオロオレフィンと共
重合可能な単量体単位からなるものを用いることができ
る。
【0019】このTgが0〜40℃の樹脂は、架橋性反
応基を有していなくてもよいが、水酸基、カルボキシル
基、アミド基、アミノ基、メルカプト基、グリシジル
基、イソシアネート基等の架橋性反応基を有しているこ
とが好ましいこの架橋性反応基の導入法としては、Tg
が0〜40℃の樹脂が非ビニリデン系フッ素樹脂の場合
は、Tgが40℃を超える非ビニリデン系フッ素樹脂で
用いた架橋性反応基を有する単量体を共重合する方法を
採用することができる。Tgが0〜40℃の樹脂がアク
リル樹脂の場合は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸類;2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート等のヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;グリシジル
(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アク
リレートを共重合する方法を採用できる。このTgが0
〜40℃の非ビニリデン系フッ素樹脂は、Tgが40℃
を超える非ビニリデン系フッ素樹脂を硬化させる硬化剤
で硬化可能であることが好ましい。
【0020】上述のTgが0〜40℃の樹脂の中では、
塗膜の耐候性、耐溶剤性、Tgが40℃を超える非ビニ
リデン系フッ素樹脂との相溶性の観点から、非ビニリデ
ン系フッ素樹脂であることが好ましく、この非ビニリデ
ン系フッ素樹脂が架橋性反応基を有するものであること
がより好ましく、Tgが0〜40℃の非ビニリデン系フ
ッ素樹脂が、Tgが40℃を超える非ビニリデン系フッ
素樹脂を硬化させる硬化剤で硬化可能であることが塗膜
の耐汚染性、耐溶剤性が更に向上することから、更に好
ましい。
【0021】Tgが40℃を超える非ビニリデン系フッ
素樹脂とTgが0〜40℃の樹脂を配合することによ
り、Tgが40℃を超える非ビニリデン系フッ素樹脂の
有する特徴である粉砕時の粉砕のし易さ、得られた粉体
の耐ブロッキング性、非ビニリデン系フッ素樹脂の特徴
である耐候性、耐溶剤性、耐汚染性等を維持したまま、
耐衝撃性を向上させることができる。Tgが40℃を超
える非ビニリデン系フッ素樹脂/Tgが0〜40℃の樹
脂の配合比率(質量比)は95/5〜30/70である
ことが好ましく、80/20〜50/50であることが
より好ましい。この配合比率とすることにより、上記各
特性をバランスよく高度に維持できる。
【0022】
【実施例】以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳
しく説明する。なお、以下の合成例、実施例、比較例に
おいて、部、%は、他に規定のない限り、質量部、質量
%を示す。 (合成例1)内容積300mLのステンレス製攪拌機付
き耐圧反応器(耐圧5.0MPa)に、キシレン100
g、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)35
g、エチルビニルエーテル(EVE)5g、4−ヒドロ
キシブチルビニルエーテル(HBVE)10g、炭酸カ
ルシウム1g及びパーブチルパーピバレート(PBP
V)0.07gを仕込み、液体窒素による固化・脱気に
より液中の溶存酸素を除去した。次いで、クロロトリフ
ルオロエチレン(CTFE)50gを導入して徐々に昇
温し、温度65℃に維持しながら反応を続けた。10時
間後、反応器を水冷して反応を停止した。この反応液を
室温まで冷却した後、未反応モノマーをパージし、得ら
れた反応液を珪藻土でろ過して固形物を除去して固形分
濃度50%の含フッ素共重合体溶液を得た。この溶液か
らエバポレーターにてキシレン及び液状未反応モノマー
を除去後、減圧乾燥することにより、Tg55℃の含フ
ッ素共重合体A−1を得た。
【0023】(合成例2〜5)表1に記載のモノマー組
成とした以外は合成例1と同様にして、含フッ素共重合
体A−2〜5を得た。
【0024】
【表1】
【0025】表1中、CTFE:クロロトリフルオロエ
チレン VdF :フッ化ビニリデン TFE :テトラフルオロエチレン HFP :ヘキサフルオロプロピレン CHVE:シクロヘキシルビニルエーテル EVE :エチルビニルエーテル HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル Veova10:アルキルビニルエステル を示す。
【0026】(合成例6)内容積300mlのステンレ
ス製攪拌機付き反応器に、キシレン100g、メチルメ
タクリレート(MMA)60g、n−ブチルメタクリレ
ート(nBMA)30g、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート(HEMA)10g、パーブチルピバレート
(PBPV)0.07gを仕込み、液体窒素による固化
・脱気により液中の溶存酸素を除去した。この溶液を昇
温し、温度70℃に維持し、攪拌しながら反応を続け
た。5時間後、反応器を水冷して反応を停止した。この
反応液を室温まで冷却して、固形分濃度約50%のアク
リル共重合体溶液を得た。この溶液からエバポレーター
にてキシレン及び未反応モノマーを除去後、減圧乾燥す
ることにより、Tg15℃のアクリル共重合体A−6を
得た。
【0027】(合成例7)表2に記載のモノマー組成と
した以外は合成例6と同様にして、アクリル共重合体A
−7を得た。
【0028】
【表2】
【0029】(実施例1)含フッ素共重合体A−1を5
0部、A−2を47部、、硬化剤としてアダクトB−1
530(ヒュルス社製、ε−カプロラクタムブロックイ
ソシアネート、固形分100%)を20部と、添加剤と
してモダフロー(モンサント社製レベリング剤)0.5
部、ベンゾイン0.5部、二酸化チタン30部、酸化安
定剤としてトリデシルフォスファイト0.1部を高速ミ
キサーで混合し、120℃に加温した2軸押出機で溶融
混練をおこなった。その後、ピンミルを用いて溶融混練
物の粉砕を行い、180メッシュの篩で分級を行い、5
0%体積平均粒子径約40μmの粉体塗料を得た。得ら
れた粉体塗料をリン酸亜鉛処理鋼板に静電塗装し、18
0℃のオーブン中で20分硬化させて塗膜を得た。得ら
れた塗膜について物性を評価した。その結果を表3に示
す。物性は以下のようにして評価した。
【0030】<耐衝撃性>デュポン衝撃(1/2イン
チ、加重1kg、高さ50cm)試験で、外観変化を調
べた。 ○:塗膜のわれ、はがれを全く認めない △:塗膜のわれ、はがれが発生したものが一部に認めら
れる ×:塗膜のわれ、はがれが発生したものが認められる
【0031】<耐ブロッキング性>40℃で7日間貯蔵
した後の粉体塗料につき、以下の基準で評価した。 ○:全く塊が見られない △:塊があっても指でつかめない ×:指でつかむことのできる塊がある
【0032】<耐候性>サンシャインカーボンウェザー
メータ3000時間後の、塗膜外観を目視で評価した。 ○:塗膜の表面劣化がほとんど認められない △:塗膜の表面劣化が認められる ×:著しい表面劣化、及びチョーキングが認められる
【0033】<塗膜外観(平滑性)>塗膜の表面状体
(ブツの生成状況)を目視により評価した。 ○:何ら異常が認められない △:少しブツが認められる ×:相当量のブツが認められる
【0034】<耐汚染性>川崎市において、南向き45
°で3ヶ月間屋外暴露した後の、塗膜の汚れを目視で評
価した。 ○:表面の汚れを拭き取りで簡単に除去可能 △:表面の汚れを洗浄により除去可能 ×:表面に著しい汚れが付着し、洗浄しても除去できな
【0035】また、上記と同様の組成物を、噴霧乾燥す
る代わりに、減圧乾燥し、溶融混練機で溶融混練後、放
冷し、室温でハンマーミルにより粉砕したところ、容易
に粉砕できた。
【0036】(実施例2、3、比較例1、2、4)表3
に記載の成分を用いた以外は実施例1と同様にして粉体
塗料(50%体積平均粒子径約40μm)を得、これら
を用いた以外は実施例1と同様にして静電塗装して、得
られた塗膜の物性を評価した。
【0037】(実施例4、比較例3)表3に記載の成分
を用い実施例1と同様に溶融混練を行った後、液体窒素
と共にピンミルを用いた冷凍粉砕を行い、粉体塗料(5
0%体積平均粒子径約30μm)を得、これらを用いた
以外は実施例1と同様にして静電塗装して、得られた塗
膜の物性を評価した。これら結果を実施例1の結果とと
もに表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】以上から明らかなように、Tgが40℃を
超える非ビニリデン系フッ素樹脂同士や、Tgが40℃
を超える非ビニリデン系フッ素樹脂と、同様のアクリル
樹脂を配合しても耐衝撃性は改善されず、Tgが40度
以下の非ビニリデン系フッ素樹脂では耐ブロッキング性
に劣るのに対し、本願発明のTgが40℃を超える非ビ
ニリデン系フッ素樹脂と、Tgが0〜40℃の樹脂とを
含有する含フッ素粉体塗料組成物は、高度の耐衝撃性を
備え、更に、耐ブロッキング性にも優れることがわか
る。特に、実施例1〜4のように、Tgが0〜40℃の
樹脂が、Tgが40℃を超える非ビニリデン系フッ素樹
脂を硬化させる硬化剤で硬化可能である場合は、耐衝撃
性、耐ブロッキング性、耐候性、塗装外観、耐汚染性の
いずれもが優れていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、耐候性、耐蝕性に優
れ、しかも室温で粉砕可能で、得られた粉体の耐ブロッ
キング性に優れ、更に従来より高度の耐衝撃性の要求に
応えることのできる非ビニリデン系含フッ素粉体塗料を
得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CD091 CD092 CD121 CD122 CD131 CD132 CE012 CG141 CG142 DA162 DB262 DB272 DD051 DD052 DG191 DG192 EA011 EA012 GA03 GA06 GA07 GA09 GA11 GA12 GA13 GA15 JA20 JA39 JA75 JB07 JB17 JB23 JB25 JB32 KA03 MA02 MA13 NA03 NA10 NA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tgが40℃を超える非ビニリデン系フ
    ッ素樹脂と、Tgが0〜40℃の樹脂とを含有する含フ
    ッ素粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】 非ビニリデン系フッ素樹脂が架橋性反応
    基を有し、含フッ素粉体塗料組成物が該架橋性反応基と
    反応して架橋を形成しうる硬化剤を含有していることを
    特徴とする請求項1記載の含フッ素粉体塗料組成物。
  3. 【請求項3】 Tgが0〜40℃の樹脂が非ビニリデン
    系フッ素樹脂であることを特徴とする請求項2記載の含
    フッ素粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】 Tgが0〜40℃の非ビニリデン系フッ
    素樹脂が、Tgが40℃を超える非ビニリデン系フッ素
    樹脂を硬化させる硬化剤で硬化可能であることを特徴と
    する請求項3記載の含フッ素粉体塗料組成物。
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