JP2016037527A - 粉体塗料組成物および粉体塗料用含フッ素レベリング剤 - Google Patents

粉体塗料組成物および粉体塗料用含フッ素レベリング剤 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のフッ素樹脂を含む粉体塗料と比べて、高い平滑性を有する粉体塗料の提供。また、当該粉体塗料に用いるのに好適な、含フッ素レベリング剤の提供。【解決手段】フルオロオレフィンから導かれる構成単位を有する含フッ素重合体(A1)と、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するフルオロ(メタ)アクリレートから導かれる構成単位と炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位とを有する含フッ素共重合体(B)からなる含フッ素レベリング剤を含有する粉体塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は粉体塗料用組成物、および該粉体塗料用組成物に用いる含フッ素レベリング剤に関する。
粉体塗料は、従来の溶剤系塗料に比べ大気中への揮発性有機化合物(VOC)の排出を著しく低減させるため、環境保護という観点から、近年使用量が増えてきている。中でも、例えば、フルオロオレフィン単位を含有する含フッ素樹脂は、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等に比べて耐候性に優れ長期間に渡り美観を保つため、塗り替え等のメンテナンスコストが抑えられ経済性に優れるという利点があり、ビル、橋梁、鉄塔、タンク及びモニュメント等の建造物や、自動車、新幹線および航空機等車輌の外装等多岐に渡り使用されている(特許文献1、2および3参照)。
粉体塗料は一般の塗料と比べると、その塗膜の平滑性が悪い。そのため、現状において平滑性を有する塗膜を得るためにはレベリング剤を使用する必要がある。平滑性が高い塗膜を得るためには、塗料の溶融段階での被塗物への濡れ性を向上させることが必要であるが、その方法として、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系の粉体塗料用レベリング剤が知られている(特許文献4および5参照)。
近年、パーフルオロオクタン酸(PFOA)の生体および環境への蓄積性が注目され、2003年3月、米国環境保護庁(USEPA)は、PFOAの安全性に関する予備リスク調査報告書を公開し、さらに2006年1月、PFOAとその類縁物質およびこれらの前駆体物質の環境中への排出削減と製品中の含有量削減計画への参加をフッ素樹脂メーカー等に提唱した。鎖長8以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物は入手ならびに使用が困難になりつつある。
したがって原料の入手性や安全性という点から炭素鎖長6以下のパーフルオロアルキル基を使用することが望ましいにも関わらず、前記文献4、5では炭素鎖長8のパーフルオロアルキル基を有する化合物しか検討されていなかった。さらに、含フッ素粉体塗料樹脂への適用の記載が無く、そのレベリング剤の前記文献1〜3に記載されたような含フッ素粉体塗料樹脂への適用性は明らかとはなっていない。
特開平01−103670号公報 国際公開第2007/132736号 特開2003−096377号公報 特開平06−240201号公報 特開2008−081527号公報
本発明は、従来のフッ素樹脂を含む粉体塗料と比べて、高い平滑性を有する粉体塗料を提供することを目的とする。また、当該粉体塗料に用いるのに好適な、含フッ素レベリング剤を提供することも目的とする。
本発明の粉体塗料組成物は、
フルオロオレフィンから導かれる構成単位を有する含フッ素重合体(A1)と、
炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するフルオロ(メタ)アクリレートから導かれる構成単位と炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位とを有する含フッ素共重合体(B)からなる含フッ素レベリング剤を含有する。
前記含フッ素重合体(A1)は、架橋性官能基を有することが好ましい。
前記含フッ素重合体(A1)が有する架橋性官能基は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、活性ハロゲン基、およびイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記粉体塗料組成物は、非フッ素系樹脂(A2)を更に含むことも好ましい。
前記非フッ素系樹脂(A2)の含有量は、前記含フッ素重合体(A1)および非フッ素系樹脂(A2)との合計100質量部に対して、10〜90質量部であることが好ましい。
前記非フッ素系樹脂(A2)は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびシリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記含フッ素共重合体(B)は、下記式(β1)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b1)と、下記式(β2)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b2)を含有することが好ましい。
CH=CR−COO−Q−Rf (β1)
CH=CR−COO−R (β2)
(ただし、式中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Qは単結合または2価の連結基であり、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基である。)
前記含フッ素共重合体(B)は、下記式(β11)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b11)と、下記式(β21)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b21)を含有することがより好ましい。
CH=CR−COO−(CH−Rf (β11)
CH=CR−COO−R31 (β21)
(ただし、式中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、R31は炭素数1〜20のアルキル基であり、pは0〜6の整数である。)
本発明の粉体塗料用含フッ素レベリング剤は、
全構成単位を100質量%としたときに、下記式(β11)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b11)を3〜30質量%、下記式(β21)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b21)を70〜97質量%含有する含フッ素共重合体からなることが好ましい。
CH=CR−COO−(CH−Rf (β11)
CH=CR−COO−R31 (β21)
(ただし、式中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、pは0〜6の整数である。)
本発明の粉体塗料組成物は、特定の含フッ素レベリング剤を含むことにより、平滑性が高い塗膜を形成することができる。また、本発明の粉体塗料用含フッ素レベリング剤は、フッ素樹脂を含有する粉体塗料のレベリング性を改善し、塗膜の平滑性を高めることができる。
本明細書において式(1)で表される化合物を化合物(1)とも記す。他の式で表される化合物も同様に表記することがある。また、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方またはどちらか一方を意味する。
<含フッ素重合体(A1)>
含フッ素重合体(A1)は、フルオロオレフィンから導かれる構成単位を有する含フッ素重合体である。含フッ素重合体(A1)は、1種のフルオロオレフィンから導かれる構成単位のみからなる単独重合体でもよく、2種以上のフルオロオレフィンから導かれる構成単位を有する共重合体や、他の構成単位を含有する共重合体でもよい。該共重合体としては、特許文献1〜3に記載された共重合体が挙げられる。
フルオロオレフィンとしては、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロブチレン、ペンタフルオロブチレン等のフッ素原子を含む炭素数2〜4程度のフルオロオレフィンが好ましく、中でもクロロトリフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレンが好ましい。なお、フッ素原子とともに、塩素原子等の他のハロゲン原子を含んでいてもよい。
含フッ素重合体(A1)が1種のフルオロオレフィンから導かれる構成単位のみからなる単独重合体である場合、フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニリデンが好ましい。
含フッ素重合体(A1)は、架橋性官能基を有するのも好ましい。架橋性官能基を、含フッ素重合体(A1)に導入する方法としては、該架橋性官能基を有する単量体を、フルオロオレフィンと共重合する方法が好ましい。この場合、フルオロオレフィンの使用量は、含フッ素重合体(A1)の合成に使用する全単量体の合計(すなわち、含フッ素共重合体(A1)の合成に用いられる単量体混合物の全体。以下同様。)に対して45〜55モル%が好ましく、48〜52モル%がより好ましい。45モル%以上であると、含フッ素重合体(A1)による耐候性能が良好となる。55モル%以下であると、含フッ素重合体(A1)中におけるフルオロオレフィンのホモポリマー量が少なくて結晶性が抑えられるため、塗膜の透明性が向上するほか、フルオロオレフィンと他のモノマーとの交互共重合性が良好であり、塗膜の耐候性能が良好となる。
含フッ素重合体(A1)が含有する架橋性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミド基、アミノ基、グリシジル基、活性ハロゲン基、およびイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、上記架橋性官能基を有する単量体としては、フルオロオレフィンとの共重合性から特に、ビニル系あるいはアリル系の化合物を採用することが好ましい。
ヒドロキシ基含有単量体としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピオン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキシ吉草酸ビニル、ヒドロキシイソ酪酸ビニル、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸ビニル等のヒドロキシアルキルカルボン酸とビニルアルコールとのエステル類、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、ヒドロキシイソブチルアリルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類、ヒドロキシエチルアリルエステル、ヒドロキシプロピルアリルエステル、ヒドロキシブチルアリルエステル、ヒドロキシイソブチルアリルエステル、ヒドロキシシクロヘキシルアリルエステル等のヒドロキシアリルエステル類、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類などや、また、これらの部分的にフッ素置換された化合物などが挙げられる。
ヒドロキシ基含有単位の原料としては、これのうちの1種または2種以上を選択して使用してもよい。また、フルオロオレフィンとの共重合性から、ビニル系あるいはアリル系化合物を採用することが望ましい。
カルボキシ基を有する前記単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシルアルキルアリルエーテルなどが挙げられる。
アミド基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
アミノ基を有する単量体としては、例えば、アミノアルキルビニルエーテル、アミノアルキルアリルエーテルなどが挙げられる。
グリシジル基を有する単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテルなどが挙げられる。
活性ハロゲン基を有する単量体としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。
イソシアネート基を有する、単量体としては、例えばビニルイソシアネート、イソシアネートエチルアクリレートなどが挙げられる。
架橋性官能基を有する単量体は、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋性官能基を有する単量体の使用量は、含フッ素重合体(A1)の合成に使用する全単量体に対して5〜20モル%が好ましく、5〜15モル%がより好ましい。5モル%以上であると、塗膜中に充分な架橋部位が形成されて塗膜の物性が良好となる。一方、架橋性官能基を有する単量体が20モル%以下であると、架橋部位が適度となり塗膜が硬くなりすぎず、靭性が低下しにくい。
なお、架橋性官能基は、目的とする架橋性官能基を有する単量体とフルオロオレフィンを共重合させる方法だけでなく、例えば、共重合体の一部を分解せしめる方法、共重合体の官能基に架橋性反応基を与える化合物を反応せしめる方法なども手段も挙げられる。
共重合体の一部を分解せしめる方法としては、重合後加水分解可能なエステル基を有する単量体を共重合せしめた後、共重合体を加水分解することにより、共重合体中にカルボキシル基を生成せしめる方法が例示される。
また、このようにエステル加水分解を行わずに直接硬化反応において、エステル交換反応で架橋結合を形成させることもできる。
共重合体に架橋性反応基を与える化合物を反応せしめる方法としては、水酸基含有共重合体に無水コハク酸などの二価カルボン酸無水物を反応させることによりカルボキシル基を導入する方法などが好適に採用することができる。
また、本発明に用いる含フッ素重合体(A1)は、上記の単位の他に含フッ素重合体(A1)の融点またはガラス転移点を下げ、塗装作業性をさらに向上せしめる。また、塗膜に適当な硬度、可とう性、光沢等の物性を付与するなどの目的に応じ、上記の成分と共重合可能な共単量体を共重合することができる。
かかる共単量体としては、フルオロオレフィンと共重合可能な程度に活性な不飽和基を有し、塗膜の耐候性を著しく損わないものが採用され、通常エチレン性不飽和化合物、例えば、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等のアルキルカルボン酸とビニルアルコールとのエステル類、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のエルキルアリルエーテル類、エチルアリルエステル、プロピルアリルエステル、ブチルアリルエステル、イソブチルアリルエステル、シクロヘキシルアリルエステル等のアルキルアリルエステル類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のアルケン類、アクリル酸、メタクリル酸又はエチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のエステル類など、またこれらの部分的にフッ素置換された化合物などが挙げられる。かかる共単量体は、1種または2種以上を選択して使用してもよい。これら共単量体としては、フルオロオレフィンとの共重合性の優れるビニル系、アリル系化合物またはアルケン類が好ましく採用される。
また、ビニル系、アリル系のアルキルエステルあるいはアルキルエーテルを採用する場合、アルキル基は炭素数2〜10程度の直鎖状、分岐状または脂環状のアルキル基を好適に使用することができる。
本発明の粉体塗料組成物における含フッ素重合体(A1)の含有量は、組成物全体を100質量%としたときに、10〜80質量%が好ましく、10〜60質量%であるのがより好ましい。なお、後述する非フッ素系樹脂(A2)を更に含む場合は、含フッ素重合体(A1)の含有量は、組成物全体を100質量%としたときに、10〜50質量%が好ましい。
<含フッ素レベリング剤>
本発明の含フッ素レベリング剤は、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するフルオロ(メタ)アクリレートから導かれる構成単位と炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位とを有する含フッ素共重合体(B)からなるものである。
該含フッ素レベリング剤は、炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有しながらも、炭素数8以上のパーフルオロアルキル基含有の含フッ素レベリング剤と同等のレベリング性を有するため、環境負荷が小さいという利点を有する。
炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基は、直鎖構造または分岐構造のいずれであってもよい。なお、パーフルオロアルキル基の炭素数は、分岐構造の場合は分岐構造も含めた数である。
直鎖構造としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、それぞれの水素原子が全てフッ素原子で置換された基が挙げられる。分岐構造としては、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、3−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、それぞれの水素原子が全てフッ素原子で置換された基が挙げられる。
パーフルオロアルキル基は直鎖構造または分岐構造のいずれであってもよいが、レベリング性が良好になることから、直鎖構造が好ましい。同様の理由から、分岐構造である場合には、分岐部分がパーフルオロアルキル基の末端部分に存在する場合が好ましい。
パーフルオロアルキル基は、レベリング性により優れるという観点から、直鎖状の−C13、−Cであるのが好ましい。
炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートの脂肪族炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基が挙げられ、中でもアルキル基が好ましい。また、アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、いずれの構造でもよい。
直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、等が挙げられる。
分岐状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、等が挙げられる。
環状アルキル基としては、シクロヘキシル基、イソボルニル基、アダマンチル基、等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、中でも、メチル基、2−エチルヘキシル基が好ましい。
また、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記含フッ素共重合体(B)は、前記化合物(β1)から導かれる構成単位(b1)と、前記化合物(β2)から導かれる構成単位(b2)を含有するものが好ましい。
なお、化合物(β1)の炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、化合物(β2)の炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基の定義および好適な態様は、前記のとおりである。
化合物(β1)および化合物(β2)において、Rは水素原子またはメチル基である。Rは水素原子でもメチル基でもどちらでも構わない。
化合物(β1)において、Qは単結合または2価の連結基である。Qは単結合または2価の連結基であれば適宜選択可能であり、これらに限定されるものではない。
2価の連結基としては、炭素数が1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基または炭素数が2〜10のアルケニレン基、−(CO)−、−(CO)−(ここでのpおよびqはそれぞれ独立して1〜10(平均))、6員環芳香族基、4〜6員環の飽和もしくは不飽和の脂肪族基、5〜6員環の複素環基、または下記式(u1)で表される2価の連結基が挙げられる。これら2価の連結基は組み合わされていても良く、環基は縮合していてもよい。
−Y−Z− (u1)
式中の記号は以下の意味を示す。
Y:炭素数が1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、6員環芳香族基、4〜6員環の飽和もしくは不飽和の脂肪族基、5〜6員環の複素環基、またはこれらの縮合した環基。
Z:−O−、−S−、−CO−、−COO−、−COS−、−N(R)−、−SO−、−PO−、−N(R)−COO−、−N(R)−CO−、−N(R)−SO−、−N(R)−PO−。
R:水素原子、炭素数1〜3のアルキル基。
ただしZの向きは逆でも構わない。
2価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ、オクチルオキシ、メトキシエトキシなど)、アリーロキシ基(フェノキシなど)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオなど)、アシル基(アセチル、プロピオニル、ベンゾイルなど)、スルホニル基(メタンスルホニル、ベンゼンスルホニルなど)、アシルオキシ基(アセトキシ、ベンゾイルオキシなど)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシなど)、ホスホニル基(ジエチルホスホニルなど)、アミド基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなど)、カルバモイル基(N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイルなど)、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチルなど)、アリール基(フェニル、トルイルなど)、複素環基(ピリジル、イミダゾリル、フラニルなど)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニルなど)、アルコキシアシルオキシ基(アセチルオキシなど)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)および重合性基(ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、シリル基、桂皮酸残基など)などが挙げられる。
は単結合または2価の連結基であれば適宜選択可能であるが、中でも単結合、炭素数が1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基が好ましく、炭素数が1〜10の直鎖状のアルキレン基が特に好ましい。
前記含フッ素共重合体(B)において、構成単位(b1)が3〜30質量であり、構成単位(b2)が70〜97質量%であることが好ましい。各構成単位がこの範囲であると、粉体塗料のレベリング性が良好になるとともに、含フッ素共重合体(A1)との相溶性も良好となる。また、例えば化合物(β2)を2種類以上使用して、構成単位(b2)が2種類以上ある場合は、それらの合計が前記範囲に入ることが好ましい。化合物(β1)においても同様である。
なお、含フッ素共重合体(B)において、重合体における各構成単位の含有量は、重合に使用した単量体がすべて構成単位を構成するとみなして求められる。したがって、たとえば構成単位(b1)の含有量が質量比率(全構成単位質量に対する、そこに含まれる構成単位(b1)の質量の百分率)で示される場合には、実質的に、重合に使用した化合物(β1)質量の、重合に使用した全単量体の質量の合計に対する割合として求められる。重合体における他の構成単位の質量比率も同様に求められる。なお、構成単位(b1)の含有量とは、複数種の構成単位(b1)が存在する場合は、構成単位(b1)としての合計量である。
なお、前記含フッ素共重合体(B)としては、前記構成単位(b1)および構成単位(b2)以外に、他の化合物(β3)から導かれる構成単位(b3)を含んでいてもよい。
前記化合物(β3)としては、下記化合物(β31)、化合物(β32)および化合物(β33)が挙げられる。
化合物(β31)としては、下記式で表わされる(メタ)アクリレートが挙げられる。
CH=C(Rβ311)−COO−Qβ31−Rβ312
式中、Rβ311:水素原子またはメチル基であり、Qβ31:単結合または2価の連結基であり、Rβ312:−OH、−Si(OAk)(Akは炭素数1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基)、−CH、−CHCHN(CH、−CH−C(CH−OCO−Ph、−CHPh、−CHCHOPh、−CH(CHCl、−(CHCHO)CH(m=2〜20)、−(CH−NCO、
である。
また、Qβ31の二価の連結基としては、前記Qと同様の構造が挙げられる。Qβ31としては、単結合、直鎖状または分岐状のアルキレン基が好ましい。
化合物(β31)としては、さらに、アクリル酸ジエステル等の(メタ)アクリル酸のポリエステルおよび下記式で表わされる化合物なども挙げられる。
CH=C(Rβ313)−CONRβ314−Qβ32−Rβ315
式中、Rβ313:水素原子またはメチル基であり、Rβ314:−C2m+1(m=2〜20)または−Hであり、Qβ32:単結合または2価の連結基であり、Rβ315:−H、−OH、−COOH、−CH、−CHCHN(CH、−(CHH(m=2〜20)、−CH(CH、−C(CH、−C(CHSOH、−CH(CHClまたは−Phである。
上記(β32)としては、下記式で表わされるスチレン系化合物が挙げられる。
式中、Rβ32:−H、CH、−Cl、−CHO、−COOH、−CHCl、−CHNH、−CHN(CH、−CH(CHCl、−CHCl、−CHCN、−CHCOOH、−CHN(CHCOOH)、−CHSH、−CHSONaまたは−CHOCOCHである。
さらに他の重合性化合物(β33)としては、上記(β31)および(β32)以外のビニル化合物、たとえば塩化ビニル(CH=CHCl)、アクリロニトリル(CH=CHCN)などが挙げられる。
また、重合性化合物(β33)としては、以下のようなエポキシ基を有する化合物も挙げられる。
本発明の含フッ素共重合体(B)において、構成単位(b3)の含有量は0〜95質量%あることが好ましく、0〜70質量%であることがより好ましい。含フッ素共重合体(B)における構成単位(b3)の含有量が上記範囲内であると、含フッ素共重合体(B)を含む粉体塗料組成物のレベリング性が良好になるからである。
含フッ素共重合体(B)において、構成単位(b3)は、一種でも二種以上であってもよい。構成単位(b3)を二種以上含む場合は、その合計量が上記範囲内であると好ましい。
前記化合物(β1)としては、前記化合物(β11)が好ましい。また、前記化合物(β2)としては、前記化合物(β21)が好ましい。
化合物(β11)において、入手が容易で反応性が良好であることから、pは1〜3が好ましい。
化合物(β21)において、入手が容易で反応性が良好であることから、R31は炭素数1〜18のアルキル基が好ましい。また、炭素数の異なる化合物(β21)を2種以上用いるのも好ましい。
含フッ素共重合体(B)からなるレベリング剤は、含フッ素共重合体(B)の1種のみからなるものでもよく、2種以上からなるものでもよい。具体的には、パーフルオロアルキル基の鎖長の異なるもの同士の組み合わせや、構成単位(b2)で脂肪族炭化水素基の構造の異なるもの同士の組み合わせなどが挙げられる。
本発明の粉体塗料組成物における、含フッ素共重合体(B)からなるレベリング剤の含有量は、粉体塗料組成物全体を100質量%としたときに、0.5〜20質量%含有することが好ましく、1〜10質量%含有することがより好ましい。上記範囲内であると、粉体塗料組成物のレベリング性が良好となる。
本発明の粉体塗料組成物は、含フッ素重合体(A1)だけでなく、非フッ素系樹脂(A2)を含んでいてもよい。
<非フッ素系樹脂(A2)>
非フッ素系樹脂(A2)としては、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、粉体塗料の溶融、硬化過程において含フッ素重合体(A1)と相溶することなく、層分離できるものが好ましい。熱硬化性樹脂としては、熱硬化性を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂が好ましく、基材への密着性に優れる点、含フッ素重合体(A1)が他の樹脂層にコンタミしにくい点から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂がより好ましく、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
<ポリエステル樹脂>
ポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸化合物に由来する単位と多価アルコール化合物に由来する単位とを有し、必要に応じてこれら2種の単位以外の単位(たとえば、ヒドロキシカルボン酸化合物に由来する単位等)を有するものが挙げられる。
ポリエステル樹脂の重合鎖の末端は1価の単位であり、末端単位が多価カルボン酸化合物に由来する単位である場合はその末端単位はカルボキシ基を有し、末端単位が多価アルコール化合物に由来する単位である場合はその末端単位は水酸基を有する。
末端単位以外の単位は2価以上の単位からなり、線状重合体では、末端単位を除き、2価の単位のみからなる。すなわち、線状のポリエステル樹脂は、末端単位を除き、多価カルボン酸化合物に由来する2価の単位、多価アルコール化合物に由来する2価の単位等の2価の単位のみからなる。分岐状のポリエステル樹脂は少なくとも1個の3価以上の単位を有し、その3価以上の単位と末端単位以外は実質的に2価の単位のみからなる。3価以上の単位としては、3価以上の多価カルボン酸化合物の3個以上のカルボキシ基からそれぞれ水酸基を除いた単位、3価以上の多価アルコール化合物の3個以上の水酸基からそれぞれ水素原子を除いた単位、等が挙げられる。
以下、多価カルボン酸化合物に由来する単位を「多価カルボン酸単位」、多価アルコール化合物に由来する単位を「多価アルコール単位」とも記す。
ポリエステル樹脂としては、線状重合体、または少数の分岐を有する分岐重合体が好ましく、線状重合体が特に好ましい。分岐の多い分岐重合体は軟化点や溶融温度が高くなりやすいことから、ポリエステル樹脂が分岐重合体である場合、軟化点は200℃以下が好ましい。ポリエステル樹脂としては、常温で固体状であり、軟化点が100〜150℃であるものが好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量は、塗膜の溶融粘度を適度に低くできる点から、5,000以下が好ましい。ポリエステル樹脂の質量平均分子量は、塗膜の溶融粘度を適度に低くできる点から、2,000〜20,000が好ましく、2,000〜10,000がより好ましい。ポリエステル樹脂としては、数平均分子量が5,000以下であり、かつ質量平均分子量が2,000〜20,000であるものがさらに好ましく、数平均分子量が5,000以下であり、かつ質量平均分子量が2,000〜10,000であるものが特に好ましい。
ポリエステル樹脂は、硬化剤(D)と反応し得る反応性基を有する。ポリエステル樹脂の重合体鎖の末端単位の少なくとも一部は、1価の多価カルボン酸単位であるか1価の多価アルコール単位であることが好ましく、前者の場合はその単位が有するフリーのカルボキシ基が、後者の場合はその単位が有するフリーの水酸基が反応性基として機能する。反応性基を有する単位は末端単位以外の単位であってもよい。たとえば、3つ以上の水酸基を有する多価アルコール化合物に由来する2価の多価アルコール単位は、フリーの水酸基を有する単位であることから、ポリエステル樹脂は該反応性基を有する2価以上の単位を有していてもよい。
ポリエステル樹脂における反応性基としては、硬化膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性に優れる点から、水酸基が好ましい。ポリエステル樹脂は通常水酸基とカルボキシ基を有し、ポリエステル樹脂としては主として水酸基を有するものが好ましい。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、20〜100mgKOH/gが好ましく、20〜80mgKOH/gが特に好ましい。酸価は、1〜80mgKOH/gが好ましく、3〜50mgKOH/gが特に好ましい。
水酸基価および酸価は、JIS K 0070(1992年度版)に準じて測定される。
ポリエステル樹脂としては、硬化膜が2層構造の場合にフッ素樹脂層との密着性に優れる点、硬化膜の耐衝撃性に優れる点、顔料等の分散性に優れる点から、炭素数8〜15の芳香族多価カルボン酸化合物に由来する単位と炭素数2〜10の多価アルコール化合物に由来する単位とを有するポリエステル樹脂が好ましい。
多価カルボン酸単位としては、炭素数8〜15の芳香族多価カルボン酸化合物に由来する単位が好ましい。炭素数8〜15の芳香族多価カルボン酸化合物は、芳香環と2個以上のカルボキシ基を有する化合物であり、カルボキシ基は芳香環の炭素原子に結合している。また、2個のカルボキシル基が脱水した構造を有する無水物であってもよい。
芳香環としては、ベンゼン環またはナフタレン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。ベンゼン環の場合は1分子に2個存在していてもよい。
芳香族多価カルボン酸化合物におけるカルボキシ基の数は、2〜4個が好ましく、2個が特に好ましい。
炭素数8〜15の芳香族多価カルボン酸化合物としては、たとえば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、フタル酸無水物等が挙げられる。
多価カルボン酸単位としては、硬化膜の耐候性が優れる点から、イソフタル酸に由来する単位が好ましい。
多価アルコール単位としては、炭素数2〜10の多価アルコール化合物に由来する単位が好ましい。炭素数2〜10の多価アルコール化合物は、2個以上の水酸基を有する化合物である。多価アルコール化合物としては、脂肪族多価アルコール、脂環族多価アルコールが好ましく、脂肪族多価アルコールが特に好ましい。多価アルコール化合物における水酸基の数は、2〜4個が好ましく、2個が特に好ましい。
炭素数2〜10の多価アルコール化合物としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、スピログリコール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコール単位としては、基材との密着性に優れ、また、柔軟性に優れることで熱履歴(熱サイクル)がかかった場合でも、硬化膜が2層構造の場合にフッ素樹脂層との層間剥離がしにくい点から、炭素数3〜8の多価アルコールに由来する単位が好ましく、炭素数4〜6の多価アルコールに由来する単位が特に好ましい。
多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン等が好ましく、入手容易の点で、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンがより好ましい。
ポリエステル樹脂は、芳香族多価カルボン酸化合物と多価アルコール化合物とを原料とし、公知の粉体塗料用ポリエステル樹脂の製造方法によって製造できる。たとえば、原材料を200〜280℃でエステル化またはエステル交換反応させた後、減圧下で触媒を用い、230〜290℃で重縮合反応を行い、その後、アルコール成分で解重合反応を行ってポリエステル樹脂が得られる。
粉体塗料の溶融、硬化過程でフッ素樹脂層と他の樹脂層が層分離して2層構造の硬化膜を形成しやすくするためには、ポリエステル樹脂が適切なエステル基濃度と芳香環濃度を有することが好ましい。
エステル基濃度は、ポリエステル樹脂中のエステル基の含有割合を質量%で表したものであり、下式(1)から求めることができる。
エステル基濃度(質量%)=2m/[(a+b)×m+a] ・・・(1)
m:各単位の分子量の平均値とポリエステル樹脂の数平均分子量の値から算出される、ポリエステル樹脂中の単位個数の平均値。
a:多価アルコール単位の炭素原子数の平均値。
b:多価カルボン酸単位の炭素原子数の平均値。
ポリエステル樹脂のエステル基濃度は、20〜60質量%が好ましく、25〜50質量%がより好ましく、30〜40質量%が特に好ましい。
芳香環濃度とは、ポリエステル樹脂中の芳香環の含有割合をmmol/gで表したものであり、下式(2)から求めることができる。
芳香環濃度(mmol/g)=[(ポリエステル樹脂を得るのに用いられた原料中の芳香環の総数(moL))/(ポリエステル樹脂を得るのに用いられた原料の総重量(g))]×1,000 ・・・(2)
ポリエステル樹脂の芳香環濃度は、20〜35mmol/gが好ましく、22〜34mmol/gがより好ましく、25〜33mmol/gが特に好ましい。
ポリエステル樹脂の市販品としては、ダイセル・オルネクス社製の「CRYLCOAT(登録商標) 4642−3」、「CRYLCOAT(登録商標) 4890−0」、日本ユピカ社製の「GV−250」、「GV−740」、「GV−175」等が挙げられる。
<アクリル樹脂>
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリレートに由来する単位を有する重合体であり、カルボキシ基、水酸基、スルホ基等の反応性基を有するものが挙げられる。該アクリル樹脂は、顔料の分散性に優れる。
アクリル樹脂のガラス転移温度は、30〜60℃が好ましい。ガラス転移温度が前記下限値以上であれば、ブロッキングしにくい。ガラス転移温度が前記上限値以下であれば、ると、硬化膜の表面平滑性に優れる。
アクリル樹脂の数平均分子量は、5,000〜10万が好ましく、3万〜10万が特に好ましい。アクリル樹脂の数平均分子量が前記下限値以上であれば、ブロッキングしにくい。アクリル樹脂の数平均分子量が前記上限値以下であれば、硬化膜の表面平滑性に優れる。
アクリル樹脂の質量平均分子量は、6,000〜15万が好ましく、4万〜15万がより好ましく、6万〜15万が特に好ましい。アクリル樹脂の質量平均分子量が前記下限値以上であれば、ブロッキングしにくい。アクリル樹脂の質量平均分子量が前記上限値以下であれば、硬化膜の表面平滑性に優れる。
アクリル樹脂がカルボキシ基を有する場合、アクリル樹脂の酸価は、150〜400mgKOH/gが好ましい。アクリル樹脂の酸価が前記下限値以上であれば、顔料の分散性向上効果がある。アクリル樹脂の酸価が前記上限値以下であれば、硬化膜が耐湿性に優れる。
アクリル樹脂の市販品としては、DIC社製の「ファインディック(登録商標) A−249」、「ファインディック(登録商標) A−251」、「ファインディック(登録商標) A−266」、三井化学社製の「アルマテックス(登録商標) PD6200」、「アルマテックス(登録商標) PD7310」、三洋化成工業社製の「サンペックス PA−55」等が挙げられる。
<エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂の市販品としては、三菱化学社製の「エピコート(登録商標) 1001」、「エピコート(登録商標) 1002」、「エピコート(登録商標) 4004P」、DIC社製の「エピクロン(登録商標) 1050」、「エピクロン(登録商標) 3050」、新日鉄住金化学社製の「エポトート(登録商標) YD−012」、「エポトート(登録商標) YD−014」、ナガセケムテックス社製の「デナコール(登録商標) EX−711」、ダイセル社製の「EHPE3150」等が挙げられる。
<ウレタン樹脂>
ウレタン樹脂としては、ポリオール(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、プロピレングリコール、プロピレンオキサイド等)と、イソシアナート化合物とを混合した混合物、または反応させた樹脂が挙げられる。粉体のポリオール(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール)と粉体のイソシアナート化合物からなる粉体塗料を用いることが好ましい。
<シリコーン樹脂>
シリコーン樹脂としては、分岐構造を有し、反応活性基としてシラノール基(Si−OH)を有しており、互いに脱水縮合することで硬化し、硬化後は三次元架橋構造の硬化膜を形成し得るものが挙げられる。また、比較的低分子量のシリコーン樹脂(変性用シリコーン樹脂中間体)と他の熱硬化性樹脂(アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等)とを併用してもよい。
シリコーン樹脂の市販品としては、JSR社製の「グラスカ HPC−7506」、カネカ社製の「ゼムラック(登録商標)」、エボニック社製の「SILIKOPON(登録商標) EF」、「SILIKOPON(登録商標) EW」、「SILIKOPON(登録商標) EC」、「SILIKOPON(登録商標) ED」等が挙げられる。
<硬化剤>
本発明の粉体塗料組成物は、硬化剤を含有することが好ましい。硬化剤は、含フッ素重合体(A1)中に架橋性官能基が存在する場合、該官能基と反応しうる化合物であればよい。
硬化剤としては、例えばポリイソシアネート硬化剤が好適である。ポリイソシアネート硬化剤の具体例としては、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体であって、イプシロンカプロラクタムやオキシム類でイソシアネート基が保護されることによって、特定の温度で保護基が解離して反応が開始するように構成されたブロックイソシアネート;イソシアネート基同士をカップリングさせて、特定の温度で解離して反応開始するように構成されたブロック剤フリーポリイソシアネート等が好ましく挙げられる。具体的な商品名として、エボニック社製のベスタゴンシリーズ、バイエル社製のクレランシリーズ、イーストマン社製のアルキュアシリーズ等が挙げられる。
また、ポリイソシアネート以外の硬化剤としては、β−ヒドロキシアルキルアミド基含有硬化剤(例えば、エムス・グリルテック社製、商品名:Primid XL−552)、グリコールウリア構造をもつメラミン硬化剤(例えば、日本サイテック・インダストリーズ社製、商品名:パウダーリンクシリーズ)が挙げられる。
またカルボキシル基を有するポリマーを硬化剤として用い、エステル交換触媒で縮合反応させる既知の方法も適用できる(例えば特許3716946号公報、特許第3711624号公報に開示されている)。
本発明の粉体塗料組成物における硬化剤の含有量は、含フッ素重合体(A1)中に架橋性官能基が存在する場合、該官能基のモル数を1とするときの、硬化剤中に存在する架橋反応基のモル数の比(INDEX)が、0.7〜1.3であることが好ましく、0.8〜1.2がより好ましい。
<その他の成分>
本発明の粉体塗料組成物には、必要に応じて、着色顔料、体質顔料、脱泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、表面調整剤、防腐剤、腐食防止剤、抗菌剤、硬化反応触媒、流動改質剤等の添加剤;ワックス等を含有させてもよい。
本発明の粉体塗料組成物におけるその他の成分の合計の含有量は45質量%以下が好ましく、30〜40質量%がより好ましい。
本発明の粉体塗料組成物は、例えば、含フッ素重合体(A1)、含フッ素共重合体(B)、必要に応じて、硬化剤、およびその他の成分を、固体状態で混合した後、溶融混練し、冷却して塊状とし、これを粉末状に粉砕する方法で製造できる。
各成分を固体状態で混合する工程は、高速ミキサー、V型ミキサー、反転ミキサー等の混合機を用いて行うことができる。各成分は粉末状で混合することが好ましい。
溶融混練工程は、1軸、2軸、遊星ギア等の各種形式の押し出し機を用いて行うことができる。各成分の混合物を加熱溶融状態で練り合わせて、各成分の均一化を図る。押し出された溶融混練物を冷却してペレット状とすることが好ましい。
ペレット状の組成物を粉砕する工程は、ピンミル、ハンマーミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて行うことができる。粉砕後、必要な粒子径を得るため分級工程を行うことが好ましい。
こうして得られる粉体塗料組成物の粒子径は、一般的な粉体塗料の粒子径と同等とすることができる。例えば、50%平均体積粒度分布で25〜50μm程度が好ましい。粉体塗料の粒子径の測定は、通常、細孔通過時の電位変化を捉える形式、レーザー回折方式、画像判断形式、沈降速度測定方式等の粒子径測定機を用いて行われる。
本発明の粉体塗料組成物は、静電塗装機、流動浸漬塗装機、摩擦帯電塗装機、クラウド塗装機、ブラシ型塗装機等の塗装手段を用いて被塗物に塗装される。
被塗物の材質としては、アルミニウム、鉄、マグネシウム等の金属被塗物が好適である。
塗装後、所定の温度で焼付けされることにより、塗膜が形成される。焼付け温度は、使用する硬化剤の反応温度に応じて設定される。例えば、ポリイソシアネート硬化剤を用いる場合の焼付け温度は、通常170〜250℃程度である。
塗膜の厚さは、特に制限されないが、一般的に100μm以下である。
本発明の粉体塗料組成物を用いて形成された塗膜は、平滑性に優れ、良好な光沢を有し、外観が良好である。また塗膜成分が含フッ素重合体であるので耐候性能にも優れる。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
[測定方法、評価方法]
測定方法および評価方法を以下に示す。
[粉体塗料の塗膜評価]
(塗膜の平滑性)
塗膜表面平滑性の状態を目視で観察し、米国粉体塗装協会(PCI)の粉体塗料外観標準板(番号1〜番号10の10枚の標準板、番号1が最も表面平滑性が悪く、番号10が最も表面平滑性が良い)の中から外観が最も近い基準板を選び、その標準板の番号を塗膜の平滑性の数値とした。数値が高いほど塗膜の平滑性が良好であることを示す。
(塗膜のはじき)
塗膜表面の状態を目視し、以下の基準で判定した。
○(良好):はじきが確認されなかった。
×(不良):はじきの不良等が確認された。
(光沢度)
光沢計(日本電色工業社製、PG−1M)を用い、JIS K 5600−4−7:1999(ISO 2813:1994)に準拠して塗膜の表面の60度鏡面光沢度を測定した。
[製造例1]
(含フッ素重合体(A1−1)の製造)
撹拌機を備えた内容積250mLのステンレス鋼製オートクレーブに、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の51.2g、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の13.3g、キシレンの55.8g、エタノールの15.7g、炭酸カリウムの1.1g、tert−ブチルペルオキシピバレートの50質量%キシレン溶液の0.7g、およびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)の63gを導入した。次いで徐々に昇温し、55℃に達した後、20時間保持した。その後65℃に昇温し5時間保持した。その後冷却し、ろ過を行って残渣を除去した。
こうして得られた含フッ素重合体のキシレン溶液を薄膜蒸発し、固形分濃度99%以上になるまで乾燥を行い、含フッ素重合体(A1−1)を得た。含フッ素重合体(A1−1)のガラス転移温度は54℃であり、数平均分子量は12,000であった。
[製造例2]
(含フッ素重合体(A1−2)の製造)
撹拌機を備えた内容積250mLのステンレス鋼製オートクレーブに、tert−ブチルビニルエーテル(t−BuVE)の36.5gと、エチルビニルエーテル(EVE)の3.8gと、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の13.7gとの単量体混合物、キシレンの57.5g、エタノールの16.2g、炭酸カリウムの1.1g、tert−ブチルパーオキシピバレート(PBPV)の50質量%キシレン溶液の0.7g、およびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)の65gを導入した。次いで徐々に昇温し、55℃に達した後、20時間保持した。その後65℃に昇温し5時間保持した。その後冷却し、ろ過を行って残渣を除去した。
こうして得られた含フッ素共重合体のキシレン溶液を薄膜蒸発し、固形分濃度99質量%以上になるまで乾燥を行い、含フッ素重合体(A1−2)を得た。含フッ素重合体(A1−2)のガラス転移温度は54℃であり、数平均分子量(Mn)は18,000であった。
[製造例3]
(非フッ素系樹脂(A2−2)の製造)
冷却管と温度計を備えた内容量1Lの4つ口フラスコに、脱イオン水の200mL、反応性乳化剤(三洋化成工業社製、エレミノール(登録商標) JS−2、コハク酸エステル誘導体)の2g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキシド10モル付加)の2gを導入した。窒素気流下において温浴中で80℃に達したところで、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液の20mLを添加した。メタクリル酸メチルの140.2gと、メタクリル酸エチルの80.0gと、連鎖移動剤としてのn−ラウリルメルカプタンの0.2gとの混合物を1時間かけて滴下した。直後に過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液の2mLを添加し反応を開始した。3時間後に、フラスコ内の温度を85℃に上げ、1時間保持した後、300メッシュの金網でろ過して青白色の水性分散液を得た。水性分散液を−25℃で凍結凝析し、脱水洗浄した後、80℃で真空乾燥し、白色粉末状のアクリル樹脂である非フッ素系樹脂(A2−2)を得た。非フッ素系樹脂(A2−2)のガラス転移温度は56.6℃であり、数平均分子量は43,000であった。
[製造例4]
(含フッ素共重合体(B−1)の製造)
内容積500mLのガラス製ねじ口瓶に、パーフルオロヘキシルエチルメタクリレートの20.4g、アクリル酸2―エチルヘキシルの43.5g、アクリル酸メチルの48.9g、オクタンチオールの9.65g、プロピレングリコールモノメチルエーテルの326g、V−601(和光純薬工業株式会社製ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオナート))の0.85gを導入した。次いで窒素バブリングを行い、蓋をして密閉した。その後、振盪機を用いて70℃で、16時間重合反応を行った。反応後、得られた溶液をロータリーエバポレータで、固形分濃度99%以上になるまで乾燥を行い、無色粘性液体として含フッ素共重合体(B−1)を得た。含フッ素共重合体の数平均分子量は1,700であった。
[製造例5]
(共重合体(C−1)の製造)
用いる化合物を、アクリル酸2―エチルヘキシルの32.3g、アクリル酸メチルの36.8g、アクリル酸の20.2g、オクタンチオールの10.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルの351g、V−601の0.87gとした以外は前記製造例4と同様にして行い、無色粘性液体として共重合体(C−1)を得た。共重合体(C−1)の数平均分子量は1,600であった。
[製造例6]
(共重合体(C−2)の製造)
用いる化合物を、アクリル酸2―エチルヘキシルの47.6g、アクリル酸メチルの53.4g、オクタンチオールの10.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルの338g、V−601の0.85gとした以外は前記製造例4と同様にして行い、無色粘性液体として共重合体(C−2)を得た。共重合体(C−2)の数平均分子量は1,700であった。
表1に、含フッ素共重合体(B−1)、共重合体(C−1)、共重合体(C−2)それぞれの、重合に使用した全単量体の質量の合計に対する、各単量体の質量の割合を記載した。なお、「C6FMA」はパーフルオロヘキシルエチルメタクリレートであり、「2−EHA」はアクリル酸2―エチルヘキシルを意味する。また、C6FMAは化合物(β1)に、アクリル酸メチルと2−EHAは化合物(β2)に、それぞれ該当する。なお、数値の単位は「質量%」である。
[粉体塗料組成物の調製に用いた各成分]
含フッ素重合体(A1−3):PVDF(SHENZHOU NEWMATERIAL社(東岳社)製、PVDF DS203、質量平均分子量:27万、数平均分子量:16万、融点:170℃)。
非フッ素系樹脂(A2−1):ポリエステル樹脂(ダイセル・オルネクス社製、CRYLCOAT(登録商標) 4890−0、質量平均分子量:4,400、数平均分子量:2,500、水酸基価:30mgKOH/g)。
硬化剤:ブロックイソシアネート(EVONIK社製、VESTAGON(登録商標) B 1530、カプロラクタムブロック型ポリイソシアネート)。
表面調整剤:粉体塗料用レベリング剤(ビックケミー社製、BYK(登録商標)−360P)。
脱泡剤:ベンゾイン。
顔料:酸化チタン(デュポン社製、TI−PURE(タイピュア)(登録商標) R960)。
硬化触媒:ジラウリン酸ジブチルすず(以後、DBTDLと表記)。
表2において、例1〜4、6、7は比較例であり、例5、8〜11は実施例である。
なお、表2の各原料の仕込み量の単位は「質量部」である。
[例1〜11]
表2に記載の各成分を、高速ミキサー(佑崎有限公司社製)を用いて、10〜30分程度混合し、粉末状の混合物を得た。該混合物を2軸押出機(サーモプリズム社製、16mm押出し機)を用いて、120℃のバレル設定温度にて溶融混練を行い、粉体塗料用組成物からなるペレットを得た。該ペレットを粉砕機(FRITSCH社製、ロータースピードミルP14)を用いて常温で粉砕し、目開き90μmの篩いによる分級を行い、平均粒子径が約40μmの粉体を得た。
得られた粉体を粉体塗料として用い、クロメート処理を行った厚さ1mmのアルミニウム板の一面に、静電塗装機(小野田セメント社製、GX3600C)にて静電塗装を行い、250℃雰囲気中で10分間保持した。放置して室温まで冷却し、塗膜が付いたアルミニウム板を得た(以下、塗膜付きアルミニウム板ともいう。)。得られた塗膜付きアルミニウム板を試験片として評価を行った。結果を表2に示す。
表2の結果から、含フッ素重合体(A1)に加えて、含フッ素共重合体(B1)を含む粉体塗料組成物を用いた例5、8〜11の塗膜は、含フッ素共重合体(B1)を含まない粉体塗料組成物を用いた例1〜4、6、7に比べて、平滑性が向上したことが分かった。

Claims (9)

  1. フルオロオレフィンから導かれる構成単位を有する含フッ素重合体(A1)と、
    炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するフルオロ(メタ)アクリレートから導かれる構成単位と炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位とを有する含フッ素共重合体(B)からなる含フッ素レベリング剤を含有する粉体塗料組成物。
  2. 前記含フッ素重合体(A1)が架橋性官能基を有する、請求項1に記載の粉体塗料組成物。
  3. 前記含フッ素重合体(A1)が有する架橋性官能基が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、活性ハロゲン基、およびイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の粉体塗料組成物。
  4. 非フッ素系樹脂(A2)を更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の粉体塗料組成物。
  5. 前記非フッ素系樹脂(A2)の含有量が、前記含フッ素重合体(A1)および非フッ素系樹脂(A2)との合計100質量部に対して、10〜90質量部である、請求項4に記載の粉体塗料組成物。
  6. 前記非フッ素系樹脂(A2)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびシリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4または5に記載の粉体塗料用組成物。
  7. 前記含フッ素共重合体(B)が、下記式(β1)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b1)と、下記式(β2)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b2)を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の粉体塗料組成物。
    CH=CR−COO−Q−Rf (β1)
    CH=CR−COO−R (β2)
    (ただし、式中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Qは単結合または2価の連結基であり、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、Rは炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基である。)
  8. 前記含フッ素共重合体(B)が、下記式(β11)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b11)と、下記式(β21)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b21)を含有する、請求項7に記載の粉体塗料組成物。
    CH=CR−COO−(CH−Rf (β11)
    CH=CR−COO−R31 (β21)
    (ただし、式中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、R31は炭素数1〜20のアルキル基であり、pは0〜6の整数である。)
  9. 全構成単位を100質量%としたときに、下記式(β11)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b11)を3〜30質量%、下記式(β21)で表わされる化合物から導かれる構成単位(b21)を70〜97質量%含有する含フッ素共重合体からなる粉体塗料用含フッ素レベリング剤。
    CH=CR−COO−(CH−Rf (β11)
    CH=CR−COO−R31 (β21)
    (ただし、式中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、pは0〜6の整数である。)
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