JP5494325B2 - 風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物および風力発電機のブレードの製造方法 - Google Patents

風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物および風力発電機のブレードの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物および風力発電機のブレードの製造方法に関する。
風力発電機は、クリーンなエネルギーが得られることから各地に普及されてきている。このような風力発電機は、強い風が長時間吹く場所に設置されるのが一般的であり、特に周辺に高い建築物や木等がない海岸線に設置されることが多い。風力発電機としては、例えば、図2に示すように、塔体110と、塔体110上に設けられた塔頂回動部120と、塔頂回動部120に回動支持部を介して取り付けられたブレード130とを有する風力発電機101が挙げられる。塔頂回動部120は、風向きに応じて回動し、ブレード130を風が吹いている方に向けられるようになっている。ブレード130としては、例えば、木材からなる翼状の板片の表面が繊維強化プラスチック(FRP)により補強されたブレード等が用いられる。
ブレード130は、高速回転しているために雨滴、虫、鳥等の衝突による衝撃が強く、劣化しやすい。最近の1500kW級の風力発電機は、ブレード130の回転軸が70m上空にあり、ブレード130の全長は30mを超えることから、クレーン作業を考慮しても補修等の作業は困難である。そこで、ブレード130の劣化を抑制する方法として、ブレード基体の表面に、ウレタン系塗料(特許文献1、2)、フッ素系塗料(特許文献3)等で塗膜を形成する方法が示されている。
特開平10−310740号公報 国際公開第2002/092945号 米国特許出願公開第2009/0220795号明細書
ウレタン系塗料により形成した塗膜は、柔軟性に優れる。そのため、風力発電機のブレードは高速回転して大きく撓んでも、塗膜がその変形に追従でき、剥離し難い。しかし、ウレタン系塗料により形成した塗膜は耐候性が充分に得られず、塗膜自体の劣化によりその保護効果が低下する。
一方、特許文献3のフッ素系塗料により形成した塗膜は、耐候性に優れるが、柔軟性に劣り変形し難い。そのため、フッ素系塗料により形成した塗膜はブレードの撓みに対する追従性が低く、ブレード基体から剥離しやすい。
本発明は、耐候性に優れ、かつブレード基体への追従性に優れた剥離し難い塗膜を風力発電機のブレード表面に形成できる、風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物の提供を目的とする。
また、本発明は、耐候性に優れ、かつブレード基体への追従性に優れた剥離し難い塗膜を有する風力発電機のブレードの製造方法の提供を目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]水酸基価が110〜250mgKOH/g−樹脂である含フッ素重合体(A)、水酸基価が100〜300mgKOH/g−樹脂であるポリエステル重合体(B)、非ブロック化ポリイソシアネート系硬化剤(C)、および溶剤(D)を含有する塗料組成物であって、前記含フッ素重合体(A)と前記ポリエステル重合体(B)の質量比(A/B)が45/55〜95/5であり、前記含フッ素重合体(A)と前記ポリエステル重合体(B)中の水酸基1モルに対して、前記非ブロック化ポリイソシアネート系硬化剤(C)のイソシアネート基が0.5〜1.5倍モルであり、前記塗料組成物中の前記溶剤(D)の含有量が5〜60質量%である、風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物。
[2]前記ポリエステル重合体(B)が、水酸基を1分子中に平均3個以上有し、かつ、数平均分子量が500〜5000である前記[1]に記載の風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物。
[3]前記非ブロック化ポリイソシアネート系硬化剤(C)の含有量が、前記含フッ素重合体(A)とポリエステル重合体(B)の合計100質量部に対して10〜100質量部である前記[1]または[2]に記載の風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物
[4]顔料成分(E)し、前記顔料成分(E)の含有量が、前記塗料組成物中における前記顔料成分(E)以外の固形分100質量部に対して、50〜500質量部である前記[1]〜[]のいずれかに記載の風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物。
]風力発電機のブレード基体表面に、前記[1]〜[]のいずれかに記載の塗料組成物を塗布して塗布層を形成した後、溶剤(D)を除去して塗膜を形成させる風力発電機のブレードの製造方法。
本発明の風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物は、風力発電機のブレード表面に、耐候性に優れ、かつブレード基体への追従性に優れた剥離し難い塗膜を形成できる。
また、本発明の風力発電機のブレードの製造方法によれば、耐候性に優れ、かつブレード基体への追従性に優れた剥離し難い塗膜を有する風力発電機のブレードが得られる。
本発明の風力発電機のブレードの製造工程を示した部分断面図である。 風力発電機の一例を示した模式図である。
本明細書においては、単量体が重合することで直接形成される繰り返し単位と、単量体の重合によって形成される繰り返し単位の一部を化学変換することで得られる繰り返し単位とを総称して「重合単位」という。また、(メタ)アクリル酸の記載は、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方を表す。
[風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物]
本発明の風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物(以下、「塗料組成物」という。)は、水酸基価が110〜250mgKOH/g−樹脂である含フッ素重合体(A)(以下、単に「含フッ素重合体(A)」という。)、水酸基価が100〜300mgKOH/g−樹脂であるポリエステル重合体(B)(以下、単に「ポリエステル重合体(B)」という。)、非ブロック化ポリイソシアネート系硬化剤(C)(以下、「硬化剤(C)」という。)、および溶剤(D)を必須成分として含む組成物である。
(含フッ素重合体(A))
含フッ素重合体(A)は、耐候性と、形成される塗膜のブレード基体への密着性を向上させる役割を果たす。
塗膜のブレード基体への密着性の点から、含フッ素重合体(A)の水酸基価は、110mgKOH/g−樹脂以上であり、130mgKOH/g−樹脂以上が好ましい。また、塗膜がもろくなって耐衝撃性等の機械特性が低下することを抑制する点から、含フッ素重合体(A)の水酸基価は、250mgKOH/g−樹脂以下であり、200mgKOH/g−樹脂以下が好ましい。
含フッ素重合体(A)のテトラヒドロフラン中30℃で測定される固有粘度は、0.02〜0.1dl/gが好ましく、0.02〜0.07dl/gがより好ましく、0.02dl/g以上0.05dl/g未満がさらに好ましい。固有粘度がこの範囲内であれば、塗膜の機械的強度が向上し、また、塗料組成物における溶剤(D)の使用量を低減して塗膜の形成を容易にすることができる。
含フッ素重合体(A)の前記固有粘度は、含フッ素重合体(A)の数平均分子量を調節することにより調節できる。含フッ素重合体(A)の数平均分子量は、2000〜30000が好ましく、3000〜20000がより好ましい。
含フッ素重合体(A)としては、溶剤(D)に対する溶解性、塗膜の耐候性、塗装作業性等の点から、フルオロオレフィンに基づく重合単位(a1)、水酸基を有する単量体に基づく重合単位(a2)、およびフルオロオレフィン、水酸基を有する単量体以外の他の単量体(以下、「他の単量体」という。)に基づく重合単位(a3)を有する含フッ素重合体(以下、「含フッ素重合体(A1)」という。)が好ましい。
重合単位(a1)を形成するフルオロオレフィンとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン等の炭素数2または3のフルオロオレフィンが挙げられる。なかでも、他の単量体との交互共重合性が良好であることから、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンが好ましく、クロロトリフルオロエチレンがより好ましい。
含フッ素重合体(A1)に含有される重合単位(a1)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
重合単位(a2)は、水酸基を有する単量体に基づく重合単位である。重合単位(a2)は、水酸基を有する単量体を用いて重合を行うことにより形成することが好ましい。
水酸基を有する単量体としては、例えば、水酸基と重合性の二重結合を有する単量体が挙げられる。具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル等のエチレングリコールモノビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類;2−ヒドロキシエチルビニルエステル、4−ヒドロキシブチルビニルエステル等のヒドロキシアルキルビニルエステル類;ヒドロキシエチルアリルエステル、ヒドロキシブチルアリルエステル等のヒドロキシアルキルアリルエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類等が挙げられる。
なかでも、入手が容易なことから、水酸基を有する単量体としては、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類が好ましく、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルがより好ましく、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルがさらに好ましい。
また、重合単位(a2)は、水酸基を有しない単量体を用いて重合を行った後、得られた重合体の重合単位の一部を化学変換して水酸基を導入する方法により形成してもよい。
例えば、水酸基以外の官能基を有する単量体を用いて重合を行った後、得られた重合体に、前記官能基と反応する官能基と水酸基とを有する化合物を反応させ、重合単位の一部(官能基)を化学変換して形成してもよい。具体例としては、カルボキシ基を有する単量体を用いて重合を行った後、得られた重合体に、ジオール化合物を反応させる方法等が挙げられる。
含フッ素重合体(A1)に含有される重合単位(a2)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
重合単位(a3)は、重合単位(a1)を形成するフルオロオレフィン、および重合単位(a2)を形成する単量体と共重合可能な他の単量体に基づく重合単位である。含フッ素重合体(A1)が重合単位(a3)を有していれば、溶剤(D)に対する溶解性の点で有利である。
前記他の単量体としては、例えば、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、イソプロペニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類、カルボン酸アリルエステル類、カルボン酸イソプロペニルエステル類、メタリルエーテル類、カルボン酸メタリルエステル類、α−オレフィン類、(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えば、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のアルキルビニルエーテル類が挙げられる。
アリルエーテル類としては、例えば、エチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類が挙げられる。
イソプロペニルエーテル類としては、例えば、メチルイソプロペニルエーテル等のアルキルイソプペニルエーテル類が挙げられる。
カルボン酸ビニルエステル類としては、例えば、分岐状のアルキル基を有する脂肪酸ビニルエステルであるベオバー10(商品名、シェル化学(株)製)、酪酸ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類が挙げられる。
カルボン酸アリルエステル類としては、例えば、プロピオン酸アリル、酢酸アリル等の脂肪酸アリルエステル類が挙げられる。
α−オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル等が挙げられる。
他の単量体としては、フルオロオレフィンとの共重合性に優れる点から、ビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類、アリルエーテル類、カルボン酸アリルエステル類が好ましく、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または脂環状のアルキル基を有するアルキルビニルエーテル類、脂肪酸ビニルエステル類がより好ましい。
含フッ素重合体(A1)に含有される重合単位(a3)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
含フッ素重合体(A1)中の全重合単位における重合単位(a1)の割合は、30〜70モル%が好ましく、40〜60モル%がより好ましい。重合単位(a1)の割合がこの範囲内であれば、塗膜の耐候性が向上し、また、含フッ素重合体(A1)の溶剤(D)への溶解性、光沢、顔料分散性等が向上する。
含フッ素重合体(A1)中の全重合単位における重合単位(a2)の割合は、1〜50モル%が好ましく、3〜40モル%がより好ましい。重合単位(a2)の割合がこの範囲内であれば、塗膜のブレード基体への密着性が向上し、また、塗膜がもろくなって耐衝撃性等の機械特性が低下することを抑制しやすい。
含フッ素重合体(A1)中の全重合単位における重合単位(a3)の割合は、1〜50モル%が好ましく、3〜40モル%がより好ましい。重合単位(a3)の割合がこの範囲内であれば、含フッ素重合体(A1)の溶剤(D)に対する溶解性が向上し、また、塗膜の耐候性およびブレード基体への密着性が得られやすい。
含フッ素重合体(A)は、前記含フッ素重合体(A1)以外の水酸基を有する含フッ素重合体を使用してもよい。例えば、重合単位(a1)と重合単位(a2)を有し、重合単位(a3)を有しない含フッ素重合体を使用してもよい。
本発明において使用する含フッ素重合体(A) は、1種を単独で使用してもよく 、2種以上を併用し てもよい。
本発明の塗料組成物における含フッ素重合体(A)の含有量 は、10 〜90質量% が好ましく、20 〜80質量% がより 好ましい。含フッ素重合体(A)の含有量がこの範囲内であれば、塗膜の耐候性、密着性、および基体への追従性が向上する。
( ポリエステル重合体( B))
ポリエステル重合体( B) は、 硬化剤(C) を介して含 フッ素重合体( A) と架橋されることが好ましい 。
ポリエステル重合体( B)の塗膜からのブリードアウトを抑制する点、および耐汚染性の点から、 ポリエステル重合体( B)の水酸基価は、100mgKOH/g−樹脂以上であり、150 mgKOH/g−樹脂以上が好ましい。 また、ゲル化を抑制する点から、 ポリエステル重合体( B)の水酸基価は、300 mgKOH/g−樹脂以下であり、250mgKOH/g−樹脂以下が好ましい。また、 ポリエステル重合体( B)の水酸基価が前記範囲内であれば、含フッ素重合体(A)との相溶性が向上する。
ポリエステル重合体(B)の数平均分子量は、500〜5000が好ましく、500〜3000がより好ましい。数平均分子量がこの範囲内であれば、塗膜の機械的強度が向上するとともに、ゲル化を抑制しやすく、また塗料組成物における溶剤(D)の使用量を低減して塗膜を容易に形成することができる。
ポリエステル重合体(B)が1分子中に有する平均の水酸基数は、3個以上が好ましく、4〜40個がより好ましい。
より好ましいポリエステル重合体(B)は、水酸基を1分子中に平均3個以上有し、かつ数平均分子量が500〜5000のポリエステル重合体である。
ポリエステル重合体(B)としては、多価カルボン酸と多価アルコールを重合して得られる、水酸基を有するポリエステル重合体が好ましい。多価カルボン酸の価数は2価または3価であることが好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2−ヘキサヒドロフタル酸、メチル−1,2−ヘキサヒドロフタル酸、1,2−テトラヒドロキシフタル酸、メチルテトラヒドロキシフタル酸、およびそれらの酸無水物が挙げられる。また、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸、フマル酸、セバシン酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,3−ヘキサヒドロフタル酸、メチル−1,3−ヘキサヒドロフタル酸、1,3−テトラヒドロキシフタル酸、1,4−ヘキサヒドロフタル酸、メチル−1,4−ヘキサヒドロフタル酸、1,4−テトラヒドロキシフタル酸等も使用できる。
これら多価カルボン酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチルプロパンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキシビバリルヒドロキシビバレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
ポリエステル重合体(B)の製造に用いる多価アルコールは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル重合体(B)には、前記多価カルボン酸と多価アルコールの他に、1分子中にカルボキシ基と水酸基を有する化合物やその環化物、例えばε−カプロラクトン等を必要に応じて使用してもよい。
ポリエステル重合体(B)は、水酸基以外の他の官能基を有していてもよい。他の官能基としては、塗膜の耐候性、機械特性、耐油性、硬化反応性等の点から、カルボキシ基、アミノ基、アセトアセチル基、エポキシ基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。
これらの官能基を導入する方法としては、これらの官能基と重合性の二重結合を有する単量体を共重合させる方法や、ポリエステル(B)中の水酸基に、これらの官能基とともに水酸基と反応する官能基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。
カルボキシ基は、前述した多価カルボン酸を用いた重合によりポリエステル重合体(B)に導入できる。また、アミノ基、アセトアセチル基、エポキシ基の導入は、例えば、ポリエステル重合体(B)の製造中もしくは製造後に、水酸基またはカルボキシ基と反応する官能基と、アミノ基、アセトアセチル基、エポキシ基のうちの少なくとも一つとを有する化合物を反応させることにより行える。
本発明において使用するポリエステル重合体(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル重合体(B)は市販品を使用してもよい。例えば、ニッポラン125P、ニッポラン131、ニッポラン133EP、ニッポラン139、ニッポラン179、ニッポラン800、ニッポラン1100(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、デスモフェン650、デスモフェン651、デスモフェン670、デスモフェン800(以上、住友バイエルウレタン(株)製)、バーノック11−408、バーノックD−210−80、バーノックD−161(以上、大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。
ポリエステル重合体(B)は優れた柔軟性を有しているため、本発明の塗料組成物により形成される塗膜の柔軟性が向上し、ブレード基体への優れた追従性が得られる。そのため、風力発電機のブレードが高速回転してブレード基体が大きく撓んでも剥離し難い塗膜が形成される。また、柔軟性に富んだ塗膜が形成されるため、ブレードが高速回転することで雨滴等の衝突速度が速くても、衝撃を吸収するので塗膜に傷が付き難い。
また、ポリエステル重合体は柔軟性に優れる一方で、一般的に、塗膜の表面硬度が低いことから、耐汚染性が劣っている。しかし、本発明の塗料組成物では、前述した所定の水酸基価の含フッ素重合体(A)とポリエステル重合体(B)を用い、それらを硬化剤(C)によって架橋することで優れた耐汚染性も達成される。さらに、含フッ素重合体(A)とポリエステル重合体(B)が硬化剤(C)によって架橋されるため、形成される塗膜からポリエステル重合体(B)がブリードアウトすることも抑制されるので、長期間安定して効果が得られる。
本発明の塗料組成物におけるポリエステル重合体(B)の含有量は、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。ポリエステル重合体(B)の含有量が前記下限値以上であれば、塗膜のブレード基体への追従性が向上する。ポリエステル重合体(B)の含有量が前記上限値以下であれば、相対的に含フッ素重合体(A)の量を増加させることができ、塗膜の耐候性および密着性が向上する。
本発明の塗料組成物における含フッ素重合体(A)とポリエステル重合体(B)との質量比(A/B)は、45/55〜95/5が好ましく、50/50〜90/10がより好ましい。前記質量比(A/B)がこの範囲内であれば、塗膜の耐候性が向上するとともに、塗膜の柔軟性が向上し、ブレード基体への追従性が向上する。
(硬化剤(C))
硬化剤(C)は、ブロック化されていないポリイソシアネート系硬化剤である。すなわち、保護基で保護されていないイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート系硬化剤である。硬化剤(C)は、含フッ素重合体(A)およびポリエステル重合体(B)と架橋反応する。
硬化剤(C)としては、例えば、多価イソシアネート化合物が挙げられる。多価イソシアネート化合物とは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。多価イソシアネート化合物の1分子に含まれるイソシアネート基は、2〜4個が好ましく、2または3個がより好ましい。
多価イソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族多価イソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン等の脂環族多価イソシアネート化合物;m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート等の無黄変性芳香族イソシアネート化合物等が挙げられる。
硬化剤(C)としては、多価イソシアネート化合物の変性体も使用できる。
多価イソシアネート化合物の変性体としては、例えば、ウレタン変性体、ウレア変性体、イソシアヌレート変性体、ビューレット変性体、アロファネート変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。なかでも、イソシアヌレート変性体、ビューレット変性体、ウレタン変性体が好ましく、イソシアヌレート変性体、ビューレット変性体がより好ましい。
硬化剤(C)としては、前記したものの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の無黄変性の多価イソシアネート化合物、またはそれらのイソシアヌレート変性体もしくはビューレット変性体が好ましい。
硬化剤(C)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の塗料組成物における硬化剤(C)の配合は、風力発電機のブレード基体に塗料組成物を塗布する直前に行う。
本発明の塗料組成物における硬化剤(C)の含有量は、含フッ素重合体(A)とポリエステル重合体(B)中の水酸基1モルに対して、イソシアネート基が0.5倍モル〜1.5倍モルになるように硬化剤(C)を配合することが好ましい。硬化剤(C)の含有量が前記下限値以上であれば、含フッ素重合体(A)とポリエステル重合体(B)を充分に架橋しやすい。硬化剤(C)の含有量が前記上限値以下であれば、未反応の硬化剤(C)が塗膜に残留し、塗膜の性能に影響することを抑制しやすい。
(溶剤(D))
溶剤(D)は、含フッ素重合体(A)、ポリエステル(B)および硬化剤(C)を溶解または分散できるものであれば特に限定されず、キシレン、トルエン等の芳香族化合物;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のカルボニル化合物;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類等が挙げられる。
溶剤(D)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の塗料組成物における溶剤(D)の含有量は、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。溶剤(D)の含有量がこの範囲内であれば、塗料組成物の粘度がより低くなり、塗布作業が容易になるとともに、溶剤(D)を除去して塗膜を形成するのが容易になる。
(顔料成分(E))
本発明の塗料組成物は、防錆、着色、補強等を目的として、顔料成分(E)を含有することが好ましい。
顔料成分(E)としては、防錆顔料、着色顔料および体質顔料からなる群から選ばれる1種以上の顔料が好ましい。
防錆顔料は、ブレード基体の腐食や変質を防止するための顔料である。環境への負荷が少ない点から無鉛防錆顔料が好ましい。無鉛防錆顔料としては、シアナミド亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸カルシウムマグネシウム、モリブデン酸亜鉛、ホウ酸バリウム、シアナミド亜鉛カルシウム等が挙げられる。
着色顔料は、塗膜を着色するための顔料である。着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等が挙げられる。酸化チタン顔料を使用する場合には、塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で、顔料表面に光触媒作用を抑制するための処理が施されたものが好ましい。D918(商品名、堺化学社製)、PFC105(商品名、石原産業社製)が特に推奨できる。
体質顔料は、塗膜の硬度を向上させ、かつ、厚みを増すための顔料である。体質顔料としては、タルク、硫酸バリウム、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
顔料成分(E)としては、耐候性に優れる点から、酸化チタンが特に好ましい。
本発明の塗料組成物に顔料を含有させる場合には、塗料組成物中の顔料成分(E)の含有量は、塗料組成物における顔料以外の固形分100質量部に対して、50〜500質量部が好ましく、100〜400質量部がより好ましい。顔料成分(E)の含有量がこの範囲内であれば、顔料成分(E)の機能を損なうことなく、塗膜が雨滴の衝突等によって傷付き難くなり、また塗膜の耐候性が向上する。
(他の成分)
本発明の塗料組成物は、前述した各成分以外の他の成分を含んでいてもよい。例えば、本発明の塗料組成物は、硬化触媒を含有してもよい。硬化触媒を含有することで、架橋反応を促進できる。特に、低温において短時間で硬化させる場合には、硬化触媒を含有することが好ましい。
硬化触媒としては、公知の硬化触媒が使用でき、例えば、硬化剤(C)として多価イソシアネート化合物を用いる場合、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。硬化触媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化触媒の添加量は、特に制限はなく、硬化剤(C)の100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましい。硬化触媒の含有量がこの範囲内であれば、触媒効果が充分に得られるとともに、硬化触媒が残存して塗膜に影響し、耐水性が低下することを抑制しやすい。
また、本発明の塗料用組成物には、目的に応じて、添加剤を適宜配合してもよい。添加剤としては、塗膜の密着性向上のためのシランカップリング剤;ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤;ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物等の有機系の紫外線吸収剤;酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機系の紫外線吸収剤;超微粉合成シリカ等のつや消し剤;ノニオン系、カチオン系、またはアニオン系の界面活性剤;レベリング剤;充填剤;熱安定剤;増粘剤;分散剤;帯電防止剤等が挙げられる。
本発明の塗料組成物に帯電防止剤を配合すれば、ブレード表面に導電性の塗膜を形成でき、雷撃による風力発電機のブレードの破損を抑制できる。
帯電防止剤としては、Li、Na、K等のカチオン成分と、Cl、Br、I、BF 、PF 、SCN、ClO 、CFSO 、(CFSO、(CFSO等のアニオン成分から構成されるアルカリ金属塩;アンチモンドープ二酸化錫、アルミドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化チタン等の非酸化金属がドープされた金属酸化物等が挙げられる。
また、本発明の塗料組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、アクリル重合体、エポキシ化合物、含フッ素重合体(A)以外の含フッ素重合体、ポリエステル重合体(B)以外のポリエステル重合体等を含有してもよい。
本発明の塗料組成物は、以下に示す組み合わせの組成物であることが好ましい。
(α)含フッ素重合体(A)として、含フッ素重合体(A1)を使用する。
(β)ポリエステル重合体(B)として、多価カルボン酸と多価アルコールを重合して得られる、水酸基を有するポリエステル重合体を使用する。
(γ)顔料成分(E)を使用する。
以上説明した本発明の塗料組成物を用いれば、風力発電機のブレードを保護する塗膜として、耐候性、かつブレード基体への追従性に優れた剥離し難い塗膜を形成できる。また、本発明の塗料組成物により形成される塗膜は、優れた柔軟性を有しているため雨滴等が衝突しても傷つき難く、耐汚染性も優れている。
[風力発電機のブレードの製造方法]
本発明の風力発電機のブレードの製造方法は、風力発電機のブレード基体表面に、前述した塗料組成物を塗布して塗布層を形成した後、該塗布層から溶剤(D)を除去して塗膜を形成させる方法である。以下、本発明の風力発電機のブレードの製造方法の一例を図1に基づいて説明する。
本実施形態では、図1に示すように、風力発電機のブレード基体11表面に、本発明の塗料組成物を塗布して塗布層12Aを形成する。
塗料組成物の塗布方法としては、刷毛、ローラ、スプレー、フローコータ、アプリケータ等を使用する方法が挙げられる。塗料組成物の塗布量は、目的とする乾燥膜厚に応じて適宜選定すればよい。
次いで、形成した塗布層12Aから、溶剤(D)を除去して塗膜12を形成し、風力発電機のブレード1を得る。溶剤(D)が除去されるにつれて、含フッ素重合体(A)およびポリエステル重合体(B)の水酸基と硬化剤(C)のイソシアネート基との接触効率が高くなり、硬化反応が進行しやすくなる。
溶剤(D)を除去する方法としては、加熱等により溶剤(D)を揮発させる方法が好ましい。塗布層12Aの加熱方法としては、例えば、塗布層12Aに熱風を当てる方法等が挙げられる。
溶剤(D)を除去する際の温度は、常温〜100℃が好ましく、常温〜80℃がより好ましい。前記温度が下限値以上であれば、溶剤(D)が除去されやすく、硬化剤(C)による硬化反応が進行しやすい。前記温度が上限値以下であれば、塗膜12に発泡跡が生じにくい。
形成する塗膜12の膜厚は、20〜100μmが好ましい。
ブレード基体11としては、風力発電機に通常用いられるブレード基体を採用でき、例えば、木材からなる翼状の板片の表面が繊維強化プラスチック(FRP)により補強されたブレード基体等が挙げられる。
ブレード基体は、ポリエステル樹脂を使用したハンドレイアップ法、エポキシ樹脂を使用した真空含浸法等により製造される。
ブレード基体11の形状および大きさは、特に限定されない。
以上説明した製造方法によれば、ブレード基体表面に、耐候性に優れ、かつブレード基体への追従性に優れた剥離し難い塗膜が形成された風力発電機のブレードが得られる。また、本発明の製造方法により得られるブレードの塗膜は、優れた柔軟性を有しているため雨滴等が衝突しても傷つき難く、耐汚染性にも優れる。
なお、本発明の製造方法は、前述した方法には限定されない。例えば、ブレード基体11と塗膜12の間に、別の層を形成してもよい。具体的には、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を使用して樹脂層を形成した後に、該樹脂層上に本発明の塗料組成物により塗膜を形成する方法、塗膜の密着性を向上させるためのシランカップリング剤からなる層を形成した後に、該層上に本発明の塗料組成物により塗膜を形成する方法等であってもよい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。また、以下の記載において「部」は「質量部」を意味する。
<含フッ素重合体(A)の製造>
[例1]
3−エトキシプロピオン酸エチルの600部、エタノールの170部、シクロへキシルビニルエーテル(CHVE)の60部、エチルビニルエーテル(EVE)の90部、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の400部、炭酸カリウムの5部、およびパーブチルPV(日油(株)製、有機過酸化物)の10部を、オートクレーブ内に入れ、密閉、脱気操作を行った後に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)の680部をオートクレーブ内に仕込み、75℃で17時間重合を行った。反応後、ろ過により炭酸カリウムを除去し、濃度調整を行うことで、含フッ素重合体A1の3−エトキシプロピオン酸エチル溶液(不揮発分70質量%)を得た。
得られた含フッ素重合体A1の組成は、CTFEに基づく重合単位/CHVEに基づく重合単位/EVEに基づく重合単位/HBVEに基づく重合単位(モル%)=50/5/10/35であった。また、含フッ素重合体A1は、水酸基価が160mgKOH/g−樹脂であり、数平均分子量は5000であった。
<塗料組成物の製造>
[例2]
例1で得られた含フッ素重合体A1の3−エトキシプロピオン酸エチル溶液(不揮発分70質量%)の23.8gに、ポリエステル重合体(B)である商品名「ニッポラン800」(1分子中の官能基の平均数4、水酸基価290mgKOH/g−樹脂、カルボキシ基価9mgKOH/g−樹脂、数平均分子量700)の10.0g(質量比(A/B)=17/10)と、硬化剤(C)である商品名「コロネートHX」の20.6gと、溶剤(D)である酢酸ブチルの32.3gと、硬化触媒であるジブチルスズジラウレートの0.0005gとを加え、ペイントシェーカーで30分撹拌した。撹拌後、ろ過を行うことで、塗料組成物Iを得た。
<塗料組成物により形成した塗膜(硬化塗膜)の評価>
[例3]
クロメート処理したアルミニウム板の表面に、例2で得られた塗料組成物Iを、乾燥塗膜の膜厚が30μmとなるように塗布して塗布層を形成し、25℃の恒温室中で、1週間養生させた。
得られた試験板について、塗料組成物Iにより形成した塗膜の硬度、耐衝撃性、クロメート処理したアルミニウム板との初期密着性、高温高湿条件下(85℃×85%RH)で1ヶ月放置した後のクロメート処理したアルミニウム板との密着性、促進耐候性を評価している。
[評価方法]
例3で得られた試験板の塗料組成物Iにより形成した塗膜を以下の方法で評価した。
(硬度)
JIS K 5600−5−4(2009)に準拠した方法で塗膜の硬度を測定した。
(耐衝撃性)
JIS K 5600−5−3(2009)に準拠した方法で塗膜の耐衝撃性試験を行い、以下の基準に従って評価した。おもり落下としては、デュポン式を採用し、おもり質量500g、高さ50cmの条件で実施した。
「○」:塗膜に割れ、損傷等が確認されなかった。
「×」:塗膜に割れ、損傷等が確認された。
(密着性)
JIS K 5600−6−1(2009)に準拠した方法でクロメート処理したアルミニウム板との密着性を測定した。評価は、JIS K 5600−6−1(2009)の「表1.試験結果の分類」に従って、評価した。
(促進耐候性)
サンシャインウェザーメーター(スガ試験機社製)を用いて、促進耐候性評価を実施し、5000時間暴露後と初期とを比較して耐候性を評価した。評価は、以下の基準に従って耐候性を評価した。
「○」:光沢保持率が80%以上であった。
「△」:光沢保持率が60%以上80%未満であった。
「×」:光沢保持率が60%未満であった。
例3の塗膜の評価結果を以下に示す。
硬度:B、密着性:0、耐衝撃性:○、耐候性:○
1 風力発電機のブレード 11 ブレード基体 12 塗膜 12A 塗布層

Claims (5)

  1. 水酸基価が110〜250mgKOH/g−樹脂である含フッ素重合体(A)、水酸基価が100〜300mgKOH/g−樹脂であるポリエステル重合体(B)、非ブロック化ポリイソシアネート系硬化剤(C)、および溶剤(D)を含有する塗料組成物であって、
    前記含フッ素重合体(A)と前記ポリエステル重合体(B)の質量比(A/B)が45/55〜95/5であり、
    前記含フッ素重合体(A)と前記ポリエステル重合体(B)中の水酸基1モルに対して、前記非ブロック化ポリイソシアネート系硬化剤(C)のイソシアネート基が0.5〜1.5倍モルであり、
    前記塗料組成物中の前記溶剤(D)の含有量が5〜60質量%である、風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物。
  2. 前記ポリエステル重合体(B)が、水酸基を1分子中に平均3個以上有し、かつ、数平均分子量が500〜5000である請求項1に記載の風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物。
  3. 前記非ブロック化ポリイソシアネート系硬化剤(C)の含有量が、前記含フッ素重合体(A)とポリエステル重合体(B)の合計100質量部に対して10〜100質量部である請求項1または2に記載の風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物。
  4. 顔料成分(E)を含有し、前記顔料成分(E)の含有量が、前記塗料組成物中における前記顔料成分(E)以外の固形分100質量部に対して、50〜500質量部である請求項1〜のいずれか一項に記載の風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物。
  5. 風力発電機のブレード基体表面に、請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料組成物を塗布して塗布層を形成した後、溶剤(D)を除去して塗膜を形成させる風力発電機のブレードの製造方法。
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