JP2003171038A - 巻取装置およびシートの製造方法 - Google Patents

巻取装置およびシートの製造方法

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JP2003171038A
JP2003171038A JP2002138414A JP2002138414A JP2003171038A JP 2003171038 A JP2003171038 A JP 2003171038A JP 2002138414 A JP2002138414 A JP 2002138414A JP 2002138414 A JP2002138414 A JP 2002138414A JP 2003171038 A JP2003171038 A JP 2003171038A
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Daisuke Masuwa
大介 増輪
Yoshihiko Iinuma
良彦 飯沼
Yoshiaki Onishi
嘉昭 大西
Hiroki Nakajima
博樹 中嶋
Ikuo Hagiwara
郁夫 萩原
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 巻き始めから巻き終わりまで帯電が少ないシートを製造
することができるシートの巻取装置およびシートの製造
方法を提供することにある。 【課題】 【解決手段】巻取装置の巻取部に近接して静電気除去装
置を設けたシートの巻取装置であって、巻取部に巻き取
られたシートの巻取量から除電能力を演算する手段と、
静電気除去装置の除電能力を変化させる手段とを備えた
ことを特徴とする巻取装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシートの巻取装置お
よびシートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルム、プラスチックシ
ート等の絶縁性シートを巻取る巻取装置、たとえば、広
幅の絶縁性シートを巻取る製膜最終工程の巻取装置や、
前記広幅の絶縁性シートを巻戻し、所定の狭幅の絶縁性
シートに切断して巻取るスリッタにおいては、絶縁性シ
ート巻取中に静電気が発生し、巻取シートが帯電する。
巻取シートが帯電すると、後の加工工程において、蒸着
金属はじきなどの問題が発生するため、絶縁性シートの
巻取装置の巻取部に近接して、静電気を除去する静電気
除去装置を設置することが行なわれている。静電気除去
装置は、大別すると接触式と非接触式とに分かれるが、
巻取製品の表面品質を保持するために、一般的には非接
触式が多く用いられている。非接触式の静電気除去装置
としては、たとえば針状電極に高電圧を印加し、針状電
極とアース電極間でコロナ放電により、正および負のイ
オンを発生させるものがよく知られている。また、前記
非接触式の静電気除去装置にブロアを連結し、発生した
イオンを目的物に向けエアとともに吹き付けるように構
成された装置も、一般的に市販されている。
【0003】しかし、従来の巻取装置に設置されている
静電気除去装置は、巻取部近傍の一定の位置に固定して
設置されている。このため巻取シートの巻取量に対応し
て除電能力の最適値が変化した場合、巻取シートを十分
に除電することが困難となる。たとえば従来の静電気除
去装置は、巻取シートの巻径の増大による、巻取シート
表層と静電気除去装置との干渉を避けるため、ある程度
離れた位置に設けざるを得ず、巻始めでは巻取シート表
層と静電気除去装置との距離が遠くなり除電能力不足と
なる場合がある。逆に除電能力不足を解消するために、
静電気除去装置の除電能力を高く設定した場合、巻取シ
ートの巻径の増大により、巻取シート表層と静電気除去
装置との距離が近くなった際に、除電能力過多となり巻
取シートを帯電させてしまう場合がある。
【0004】このような問題を解決するため、特開昭6
2−55900号公報に記載の静電気除去装置は、巻取
シート表層と静電気除去装置との距離が常に一定となる
よう保持されている。しかし、本発明者らの知見によれ
ば、このような方法を用いても、巻取シートの巻取量が
増大するにつれて、巻取シートの表面電位の絶対値が増
大していく場合があり、十分な除電を行なうことは困難
であった。特に、磁気記録媒体用フィルムなどの用途で
は、高品質化の要求がますます高まっており、巻き始め
から巻き終わりまで一定して帯電の少ないフィルムを製
造できる装置が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解消し、巻き始めから巻き終わりま
で帯電が少ないシートを製造することができるシートの
巻取装置およびシートの製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、以下の通りである。 (1)巻取装置の巻取部に近接して静電気除去装置を設
けたシートの巻取装置であって、巻取部に巻き取られた
シートの巻取量から除電能力を演算する手段と、静電気
除去装置の除電能力を変化させる手段とを備えたことを
特徴とする巻取装置。 (2)巻取量から除電能力を演算する手段は、巻き取ら
れたシートの巻径から除電能力を演算する手段、巻き取
られたシートの巻長から除電能力を演算する手段、およ
び巻き取られたシートの静電容量から除電能力を演算す
る手段から選ばれた1つ以上の手段を含む(1)に記載
の巻取装置。 (3)除電能力を変化させる手段は、静電気除去装置の
印加電圧を変化させる手段、静電気除去装置に風を送る
ブロアの風量もしくは風速を変化させる手段、および静
電気除去装置と巻き取られたシート表層との距離を変化
させる手段から選ばれた1つ以上の手段である(1)に
記載の巻取装置。 (4)静電気除去装置が放電電極とエアブローノズルを
備え、放電電極で発生したイオンを、ブロアから送られ
たエアとともに、エアブローノズルを通じて、シートに
向け吹き付けるものであって、前記静電気除去装置と前
記シートの表面との間で所定の位置関係を保つよう前記
静電気除去装置を支持し移動させる静電気除去装置支持
手段を備え、かつ、除電能力を変化させる手段は、前記
吹き付けられるイオンの量を制御するものである(1)
に記載の巻取装置。 (5)(1)ないし(4)のいずれかに記載の巻取装置
を用いてシートを製造するシートの製造方法。 (6)シートを静電気除去装置で除電しながら巻き取っ
て巻取シートとなすに際し、該静電気除去装置の除電能
力を前記巻取シートの巻取量に基づいて制御することを
特徴とするシートの製造方法。 (7)静電気除去装置が放電電極とエアブローノズルを
備え、放電電極で発生したイオンを、ブロアから送られ
たエアとともに、エアブローノズルを通じて、シートに
向け吹き付けるものであって、該静電気除去装置の除電
能力を前記吹き付けられるイオンの量を変化させること
によって制御する(6)に記載のシートの製造方法。 (8)前記巻取シートの巻取量が増大するにつれてイオ
ンの吹き付け量を減少させる(7)に記載の巻シートの
製造方法。 (9)前記静電気除去装置と前記シートの表面との距離
を一定に保つよう静電気除去装置を移動させる(6)な
いし(8)のいずれかに記載のシートの製造方法。 (10)(5)ないし(9)のいずれかに記載のシート
の製造方法により製造された表面電位の絶対値が1kV
以下のシート。
【0007】
【発明の実施の形態】ここでのシートとは、フィルム、
不織布、布綿などである。本発明は、特にプラスチック
フィルムなどの熱可塑性樹脂フィルムに好適に用いるこ
とができる。
【0008】次に本発明の実施の形態例を図面に基づい
て詳述する。なお、本発明はこの実施の形態例に限るも
のではない。
【0009】図1は本発明の構成の一例を示している。
図においてプラスチックフィルムなどのシート1は、搬
送ロール2を経て、コンタクトロール3により面圧を付
与しながら巻取シート4として巻取られる。この巻取装
置の巻取部に近接して、静電気除去装置5が設けられて
いる。静電気除去装置5は、放電電極とエアブローノズ
ルを備えている。放電電極は、針電極とアース電極から
なり、放電針電極に高電圧を印加して、針とアース電極
間でのコロナ放電により正および負のイオンを発生させ
るものである。静電気除去装置5には、電極に高電圧を
供給するための高電圧電源6、および、エアを供給する
ためのブロア7が、それぞれ連結されている。発生した
イオンは、ブロア7から送られたエアとともに、エアブ
ローノズルを通じて、巻取シート4に向け吹き付けられ
る。静電気除去装置5は、図の左右の巻取シート4にそ
れぞれ対向させて設けられており、支持手段8により巻
取シート4とは非接触状態にて支持されている。支持手
段8は、軸9に固定され、軸9まわりに回転可能に支持
されている。軸9は、軸9の回転角を制御可能なモータ
10に連結されている。
【0010】一方、巻取装置の巻取部には、巻取制御手
段11が設けられている。巻取制御手段11は、たとえ
ばシート1の搬送速度や、シートの厚み、巻取シートの
コア径などの巻取条件に応じて、搬送ロール2の搬送速
度や巻取シート4の回転速度を制御する手段である。
【0011】この巻取制御手段11から出力されたデー
タを巻取量演算手段12に入力し、巻取量を計算するこ
ともできる。ここで、巻取量とは、巻取部に巻き取られ
たシートの長さ(巻長)または直径(巻径)をいう。
【0012】巻長M[m]は、たとえばシート1の搬送
速度をv[m/min]、巻取時間をt[min]とし
たとき、次の式で計算することができる。
【0013】M=v×t[m] ・・・ 式1 また巻長は、巻取量演算手段12で求めるのではなく、
測長器などを用いて検出してもよい。
【0014】巻径D[m]は、たとえばシート1の搬送
速度をv[m/min]、巻取軸の回転速度をN[rp
m]としたとき、次の近似式で計算することができる。
【0015】D=v/π×N[m] ・・・ 式2 また巻径は、巻取量演算手段12で求めるのではなく、
距離センサなどを用いて検出してもよい。
【0016】除電能力演算手段13は、あらかじめ設定
された巻取量と除電能力の最適値の関係に基づいて、巻
取量から除電能力を演算する手段である。具体的には、
例えば、図2中に示すグラフのように、巻径D、巻長
M、および静電容量Cから選ばれたパラメータと除電能
力Iとの関係を記録手段に記録し、入力された巻取量に
対応する除電能力を出力する。ここで静電容量C[F/
2]は、巻径をD[m]、コア径をD0[m]、シート
1の誘電率をε[F/m]としたとき、次の式で求めら
れる。
【0017】 C=ε/(D−D0)[F/m2] ・・・式3 除電能力とは、対象物の静電気を除去する能力のことで
あり、電極に高電圧を印加して正および負のイオンを発
生させるタイプの静電気除去装置においては、静電気除
去装置からシートへ付与される正および負のイオンの量
である。これは単位面積当たりのイオン電流[μA/m
2]として表される。この除電能力の最適値は、巻取シ
ートの巻径、巻長、静電容量などの巻取量に対応して変
化する。ある巻取量における除電能力の最適値より、実
際の除電能力が低い場合、除電能力不足となり巻取シー
トが帯電する。逆にある巻取量における除電能力の最適
値より、実際の除電能力が高い場合、除電能力過多とな
り発生したイオンで巻取シートが帯電する。よって、静
電気除去装置を巻取部に設けた巻取装置にて、巻取シー
トを除電しながら巻取る場合、除電能力の最適値が巻取
り量に対して変化するため、静電気除去装置の除電能力
を変化させる必要がある。
【0018】シート1の電荷密度をQ[C/m2]、巻
取シート4の静電容量をC[F/m2]、巻取シート4
最表面の表面電位をV’[V]としたとき、Q[C/m
2]は、次の関数式で表される。
【0019】 Q=C×V’[C/m2] ・・・ 式4 またCは上記式3で表される。
【0020】よってシート1の電荷密度Qが常に一定で
あると仮定すると、巻取の初期で、巻取シート4の巻径
Dが小さい場合では、静電容量Cが大きいため、表面電
位V’が低く見える。そのため、巻径Dが小さい場合で
は、静電気除去装置5にて発生したイオンが引き付けら
れにくい。そこで図7に示す通り、巻取量が少ない場
合、すなわち巻取シート4の巻径Dが小さい場合では、
除電能力を大きくすることが好ましい。巻取量の増大、
すなわち巻取シート4の巻径Dの増大に伴い、静電容量
Cが小さくなるため、表面電位V’が高く見えてくる。
そのため、静電気除去装置5にてにて発生したイオンが
引き付けられやすくなる。そこで、巻取量が多い場合、
すなわち巻取シート4の巻径Dが大きい場合には、除電
能力を小さくすることが好ましい。
【0021】除電能力可変手段14は、除電能力演算手
段13で演算された除電能力の最適値を受け、静電気除
去装置5の除電能力を変化させる手段である。除電能力
を変化させる手段としては、具体的には、静電気除去装
置の印加電圧を変化させる手段、静電気除去装置5に風
を送るブロア7の風量または風速を変化させる手段、お
よび巻取シート4の表層と静電気除去装置5との距離を
変化させる手段が挙げられる。
【0022】除電能力可変手段14として、静電気除去
装置の印加電圧を変化させる手段を用いた場合は、除電
能力を高めたい場合は印加電圧を高くし、除電能力を弱
めたい場合は、印加電圧を低くすればよい。
【0023】除電能力可変手段14として、ブロアの風
量または風速を変化させる手段を用いた場合は、除電能
力を高めたい場合は風量または風速を大きくし、除電能
力を弱めたい場合は、風量または風速を小さくすればよ
い。
【0024】除電能力可変手段14として、巻取シート
4の表層と静電気除去装置との距離を変化させる手段を
用いた場合は、静電気除去装置5を支持する支持手段を
移動させて、除電能力を高めたい場合は距離を近くし、
除電能力を弱めたい場合は、距離を遠くすればよい。
【0025】静電気除去装置が、前記のような放電電極
とエアブローノズルを備え、放電電極で発生したイオン
を、ブロアから送られたエアとともに、エアブローノズ
ルを通じて、シートに向け吹き付けるものである場合
は、これらの手段によって、シートに吹き付けられるイ
オンの量が変化することにより、除電能力が変化する。
【0026】これらの手段のうち一つを選択して用いて
も良いし、2つ以上を組み合わせて用いても良い。静電
気除去装置とシートの表面との距離を一定に保つよう静
電気除去装置を移動させるとともに、電極への印加電圧
またはブロアの風量もしくは風速を変化させることによ
りシートに吹き付けられるイオンの量を制御するように
すると、調整可能な電荷量の範囲が広く、かつ、安定に
除電できるため特に好ましい。
【0027】また本発明において、静電気除去装置5
が、ブロアを用いない構造の静電気除去装置であっても
よい。その場合は、除電能力可変手段14としては、印
加電圧可変手段や距離可変手段を用いることができる。
また、静電気除去装置5が、電圧印加なしの静電気除去
装置であって、除電能力可変手段14が、距離可変手段
等であっても良い。
【0028】
【実施例】実施例1 以下に本発明の実施例を示す。静電気除去装置5とし
て、放電針電極に電圧(9kV、60Hz)を印加し
て、正および負のイオンを発生させ、エアとともに吹き
付けるように構成された春日電機株式会社製除電器NI
−01ノズル式(ノズル80[個]/幅4[m])を用
いた。シート1の表面電位の測定器15としてシムコ製
表面電位計Model523、シート1として厚さ6
[μm]の熱可塑性樹脂シートであるポリエチレンテレ
フタレートを使用した。
【0029】本実施例において、巻取中随時、巻取量演
算手段にて、巻取制御手段11から出力された搬送速度
v[m/min]、巻取時間t[min]の信号から式
1を用いて、巻取シート4の巻長M[m]を演算した。
搬送速度vは100[m/min]、巻取時間tは30
[min]と設定した。また巻取には直径0.3[m]
の金属コアを使用した。ブロアの風速を2[m/s]、
静電気除去装置5と巻取シート4の表層との距離を50
[mm]と一定になるように設定した。
【0030】あらかじめ、上記の条件における巻長Mと
除電能力Iの最適値との関係を表すパターンを作成し、
除電能力演算手段13である計算機に入力した。作成し
たパターンを図4に示す。このパターンに基づいて、印
加電圧可変手段である計算機にて、入力された巻長Mに
対応する印加電圧Vを計算し、高電圧電源7の電圧を該
印加電圧Vに変化させる印可電圧指令を、除電能力可変
手段14から高電圧電源7に随時出力し、高電圧電源7
の設定値(すなわち、放電針電極の印加電圧)を変化さ
せることで、巻長に対応して除電能力を変化させた。
【0031】図5に巻取シート4の巻長Mと高電圧電源
7の設定値Vとの関係を示す。
【0032】巻取後、巻取シート4を巻出し、絶縁性シ
ート1の表面電位を測定した。図3に、シート1の表面
電位を測定した方法を示す。シート1上部30[mm]
での表面電位を測定した。図6中の(1)に示す通り、
表層から巻芯まで表面電位絶対値で1[kV]以下の非
常に帯電量が少ないシート1が得られた。
【0033】比較例1 図7に示すように、巻取シート4の巻長Mにかかわら
ず、高電圧電源7の設定値Vを9[kV]と一定にし、
静電気除去装置5を固定して用いた以外は、実施例1と
同様にして、シートの巻取を行なった。
【0034】巻取シート4の表層と静電気除去装置5と
の距離は、巻始め時250[mm]、巻終り時50[m
m]であった。
【0035】巻取後、実施例1と同様に、巻取シート4
を巻出し、シート1の表面電位を測定した。図6中の
(2)に示す通り、表層付近は帯電量が少ないが、巻芯
付近では距離が遠く除電能力不足となるため、帯電量が
非常に多く、表面電位が−5[kV]と非常に高かっ
た。
【0036】比較例2 図7に示すように、巻取シート4の巻長Mにかかわら
ず、高電圧電源7の設定値Vを9[kV]と一定にした
以外は、実施例1と同様にして、シートの巻取を行なっ
た。静電気除去装置5と巻取シート4の表層との距離
は、実施例1と同様に、50[mm]と一定になるよう
に設定した。
【0037】図6中の(3)に示す通り、巻芯付近の帯
電量は少ないが、表層につれ巻取シート4の巻長の増大
により静電容量が小さくなるため、表層付近では除電過
多となり表面電位+4[kV]と逆極性に帯電した。
【0038】実施例2 以下に本発明の別の実施例を示す。静電気除去装置5、
及びシート1の表面電位の測定器15は、実施例1と同
型式のものを使用した。シート1として厚さ6[μm]
の熱可塑性樹脂シートであるポリエステルフィルムを使
用した。
【0039】本実施例において、巻取中随時、巻取量演
算手段にて、巻取制御手段11から出力された搬送速度
v[m/min]、回転数N[rpm]の信号から式2
を用いて、巻取シート4の巻径D[m]を演算した。搬
送速度vは280[m/min]、と設定した。回転数
N[rpm]はカウンタにて随時測定した。また巻取に
は直径0.3[m]の金属コアを使用した。静電気除去
装置5の印加電圧Vを6[kV]、静電気除去装置5と
巻取シート4の表層との距離を50[mm]と一定にな
るように設定した。
【0040】この実施例においては、あらかじめ、除電
能力可変手段14である計算機に、巻径Dに対するブロ
ア7の風量の変化をパターン化したデータを入力するこ
とで、ブロア風量可変指令を、除電能力可変手段14か
らブロア7に随時出力し、ブロア風量の設定値を変化さ
せることで、巻径Dに対応して除電能力を変化させた。
【0041】図8に巻取シート4の巻径Dとブロア7の
風量(ここでは風量を変えるためにエア元圧を変えてい
る)との関係を示す。図8に示すように巻取シート4が
巻太るに従い、静電除去装置5のエア元圧を段階的に減
少するようにパターン化した。この例は、巻取シート4
が巻き太るにつれて、エア圧を減少させることで、ブロ
ア風量を減少させ、静電除去装置5のイオンの吹きつけ
量も減少する構成となっている。
【0042】巻取中、巻取シート4の上部30[mm]
での表面電位を測定した。巻取シート4の巻径Dと巻取
シート4の表面電位の測定値との関係を表1に示す。
【0043】表1に示す通り、表層から巻芯まで表面電
位絶対値で1[kV]以下の非常に帯電量が少ない巻取
シート4が得られた。
【0044】比較例3 エア圧を0.25MPa一定としたことを除いて、実施
例2と同じ条件で実施した。このときの巻取シート4の
巻径Dと巻取シート4の表面電位の測定値との関係を表
2に示す。
【0045】表2に示す通り、巻取シート4の表面電位
は巻径Dが増大するにつれて増大していった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】なお、エア圧のパターンは本実施例に限る
ものではない。上記事例では、巻取径が増大するにつれ
てエア圧を減少させるパターンを利用したが、条件によ
っては、巻取径が増大するにつれてエア圧を増大させる
パターンのほうが好ましい場合もありうる。
【0049】
【発明の効果】本発明の巻取装置は、巻取シートの巻取
量に対して除電能力を変化できることにより、帯電が少
ないシートを製造することができる。本発明の巻取装置
でシートを製造することにより、巻き始めから巻き終わ
りまで表面電位が絶対値で1[kV]以下のシートを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様の構成を示すブロックダイ
アグラムである。
【図2】本発明の除電能力演算手段を示すブロックダイ
アグラムである。
【図3】シートの表面電位測定方法を示す模式図であ
る。
【図4】本発明の除電能力演算手段に入力されたパター
ンを示すグラフである。
【図5】実施例における巻長と高電圧電源の設定値との
関係を示すグラフである。
【図6】実施例および比較例の実験結果を示すグラフで
ある。
【図7】比較例における巻長と高電圧電源の設定値との
関係を示すグラフである。
【図8】実施例における巻径とブロアエア圧の設定値と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 絶縁性シート 2 搬送ロール 3 コンタクトロール 4 巻取シート 5 静電気除去装置 6 高電圧電源 7 ブロア 8 支持手段 9 軸 10 モータ 11 巻取制御手段 12 巻取量演算手段 13 除電能力演算手段 131 巻径除電能力演算手段 132 巻長除電能力演算手段 133 静電容量除電能力演算手段 14 除電能力可変手段 15 測定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 博樹 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 萩原 郁夫 岐阜県安八郡神戸町大字安次900番地の1 東レ株式会社岐阜工場内 Fターム(参考) 3F055 AA05 BA06 BA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取装置の巻取部に近接して静電気除去装
    置を設けたシートの巻取装置であって、巻取部に巻き取
    られたシートの巻取量から除電能力を演算する手段と、
    静電気除去装置の除電能力を変化させる手段とを備えた
    ことを特徴とする巻取装置。
  2. 【請求項2】巻取量から除電能力を演算する手段は、巻
    き取られたシートの巻径から除電能力を演算する手段、
    巻き取られたシートの巻長から除電能力を演算する手
    段、および巻き取られたシートの静電容量から除電能力
    を演算する手段から選ばれた1つ以上の手段を含む請求
    項1に記載の巻取装置。
  3. 【請求項3】除電能力を変化させる手段は、静電気除去
    装置の印加電圧を変化させる手段、静電気除去装置に風
    を送るブロアの風量もしくは風速を変化させる手段、お
    よび静電気除去装置と巻き取られたシート表層との距離
    を変化させる手段から選ばれた1つ以上の手段である請
    求項1に記載の巻取装置。
  4. 【請求項4】静電気除去装置が放電電極とエアブローノ
    ズルを備え、放電電極で発生したイオンを、ブロアから
    送られたエアとともに、エアブローノズルを通じて、シ
    ートに向け吹き付けるものであって、前記静電気除去装
    置と前記シートの表面との間で所定の位置関係を保つよ
    う前記静電気除去装置を支持し移動させる静電気除去装
    置支持手段を備え、かつ、除電能力を変化させる手段
    は、前記吹き付けられるイオンの量を制御するものであ
    る請求項1に記載の巻取装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の巻取
    装置を用いてシートを製造するシートの製造方法。
  6. 【請求項6】シートを静電気除去装置で除電しながら巻
    き取って巻取シートとなすに際し、該静電気除去装置の
    除電能力を前記巻取シートの巻取量に基づいて制御する
    ことを特徴とするシートの製造方法。
  7. 【請求項7】静電気除去装置が放電電極とエアブローノ
    ズルを備え、放電電極で発生したイオンを、ブロアから
    送られたエアとともに、エアブローノズルを通じて、シ
    ートに向け吹き付けるものであって、該静電気除去装置
    の除電能力を前記吹き付けられるイオンの量を変化させ
    ることによって制御する請求項6に記載のシートの製造
    方法。
  8. 【請求項8】前記巻取シートの巻取量が増大するにつれ
    てイオンの吹き付け量を減少させる請求項7に記載の巻
    シートの製造方法。
  9. 【請求項9】前記静電気除去装置と前記シートの表面と
    の距離を一定に保つよう静電気除去装置を移動させる請
    求項6ないし8のいずれかに記載のシートの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項5ないし9のいずれかに記載のシ
    ートの製造方法により製造された表面電位の絶対値が1
    kV以下のシート。
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