JP2003166941A - 膜厚むら検査装置、膜厚むら検査方法および膜厚むら検査プログラム - Google Patents

膜厚むら検査装置、膜厚むら検査方法および膜厚むら検査プログラム

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JP2003166941A
JP2003166941A JP2001364482A JP2001364482A JP2003166941A JP 2003166941 A JP2003166941 A JP 2003166941A JP 2001364482 A JP2001364482 A JP 2001364482A JP 2001364482 A JP2001364482 A JP 2001364482A JP 2003166941 A JP2003166941 A JP 2003166941A
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color signal
thickness unevenness
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JP2001364482A
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English (en)
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Shunsaku Riko
俊策 利弘
Yoshiyuki Sonda
嘉之 尊田
Satoshi Shiratori
聡 白鳥
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産工程中の薄膜の膜厚管理を行う際に、オ
ンラインで全面を高精度に測定可能な膜厚むら測定装
置、膜厚むら測定方法および膜厚むら測定プログラムを
提供すること。 【解決手段】 試料を撮像してRGBの各信号を取得
(S201)し、膜幅方向の画素毎にR信号とB信号の
レベル差を求める(S203)。次いで、搬送方向に射
影演算(S205)を行った後、射影演算値の移動平均
値を求める(S207)。次に、膜幅方向に微分(S2
09)を行い、所定区間における微分値の最大値と最小
値の差を演算(S211)して得られた値に基づいて、
膜厚むらの有無を判定(S213)する。最後に、測定
が試料の全面で行われたか否かを判定(S215)し
て、全面測定されるまで上記ステップを続ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単層または多層構
造を有する薄膜の膜厚むら検査装置、膜厚むら検査方法
および外方法を実行させるためのプログラムに係り、特
に、試料からの反射光に基づいて演算を行うことにより
膜厚むらを検査する膜厚むら検査装置、膜厚むら検査方
法および膜厚むら検査プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイやプラズマディ
スプレイ等のフラットパネルディスプレイがパソコンの
表示装置や携帯電話のディスプレイ、テレビ等に広く普
及してきている。薄膜は、これらディスプレイの表示部
を保護したり、外光の反射を防止して画面を見やすくす
るなど重要な機能を果たしている。薄膜は単層の樹脂
体、または基材上に樹脂を積層した構成を有しており、
膜厚の精度と均一性は、ディスプレイに表示される画像
の解像度、輝度、色調、色むら、スジ等を決定付ける要
素として極めて重要である。このため、従来から薄膜の
成膜工程および組立工程において厳重な膜厚管理が必要
とされてきた。
【0003】従来、薄膜の膜厚むらの検査方法として
は、例えば、蝕針によって直接膜厚を測定する機械的方
法や、誘電体の膜厚によって静電容量が変化することを
検知する電気的方法、さらに分光反射率(または分光透
過率)が膜厚によって変化することを利用した光学的方
法等が知られている。また、特開平7−311020号
公報には、光学的に膜厚を測定するために、膜表面にお
ける反射光を2色の電気信号に変換し、そのレベルを所
定の相関式に代入して膜厚に換算する膜厚測定方法が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の膜
厚むら測定方法のうち、機械的方法は蝕針を対象物に接
触させて測定を行うので、測定に多大な時間を要すると
いう問題点があった。また、薄膜の厚さを静電容量に換
算して測定する電気的方法は、ある面積の平均的な膜厚
しか測定できず、キズ等による小さな膜厚むらを検出で
きないという問題点があった。また、分光反射率が膜厚
によって変化することを利用した光学的方法は、分光器
により光の波長を連続的または断続的に変化させるため
測定に時間を要する。したがって、走行しながら成膜さ
れる薄膜全面の膜厚を連続して測定するオンライン測定
には適していないという問題点があった。
【0005】さらに、特開平7−311020号公報に
開示された測定方法は、薄膜の一点について測定を行っ
ているため、当該測定を高速に行っても生産工程中に試
料全面を連続して測定することは困難である。すなわ
ち、当該公報に開示されている膜厚測定方法は、生産工
程中の膜厚管理を行うにあたってのオンラインでの全面
測定には適していなかった。
【0006】本発明は、上記従来の問題点および事情に
鑑みてなされたものであって、生産工程中の薄膜の膜厚
管理を行う際に、オンラインで全面を高精度に検査可能
な膜厚むら検査装置、膜厚むら検査方法および膜厚むら
検査プログラムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る膜厚むら検査装置は、薄膜に光を照射
し、前記薄膜からの反射光に基づいて膜厚むらを検査す
る膜厚むら検査装置であって、前記薄膜に光を照射する
ことによって得られた反射光のうち、1以上の光波長域
からなる第1の色信号と、前記第1の色信号に含まれな
い光波長域からなる第2の色信号とを画素毎に取得する
色信号取得手段と、薄膜上における第1方向の画素毎
に、前記第1の色信号と前記第2の色信号のレベル差を
計算する色信号レベル差計算手段と、前記第1方向の所
定長さ分の前記色信号レベル差計算手段で得られた前記
色信号のレベル差を画素毎に累積した射影演算値を求め
る射影演算手段と、前記射影演算手段で得られた射影演
算値を前記第1方向に微分する微分演算手段と、前記微
分演算手段で得られた微分値の前記第1方向と直交する
第2方向の所定区間における最大値から最小値を差し引
いた微分値差を計算する微分値差計算手段と、前記微分
値差計算手段で得られた微分値差を所定のしきい値と比
較した結果に基づいて、前記薄膜における膜厚むらの有
無を判定する膜厚むら判定手段と、を備えている。
【0008】このように、射影演算手段が第1方向の所
定長さ分の第1の色信号と第2の色信号のレベル差を累
積するといった射影演算を行っているため、ノイズが減
殺されることによってSN比が向上し、膜厚むらが存在
する場合、該膜厚むらが強調されることになる。また、
射影演算値を微分しているため射影演算値の変化率を得
ることができ、急激な変化を示す箇所、すなわち膜厚む
らが存在する位置が強調され、さらに微分値の第2方向
の所定区間における最大値と最小値の差によって得られ
た値をしきい値と比較することによって、膜厚むらを高
精度に検査することができる。さらに、各手段が行う処
理は簡単な演算によって実行することができるため、膜
厚むら検査装置は特に高い性能を備えたものでなくても
高速に判定結果を得ることができる。したがって、生産
工程中の薄膜の膜厚管理を行う際に、オンラインで全面
を高精度に検査することができる。
【0009】また、本発明に係る膜厚むら検査装置にお
いて、前記射影演算手段は、前記色信号のレベル差が画
素毎に累積された結果を前記第1方向の所定長さ分の画
素数で平均化して前記射影演算値を求める。
【0010】また、本発明に係る膜厚むら検査装置は、
前記射影演算手段で得られた射影演算値を前記第2方向
の所定区間で画素毎に平均化した移動平均値を求める移
動平均手段を備え、前記微分演算手段は、前記移動平均
手段で得られた移動平均値を前記第1方向に微分する。
したがって、第2方向のノイズ(高周波成分)が除去さ
れるため、さらにSN比が向上する。
【0011】また、本発明に係る膜厚むら検査装置にお
いて、前記膜厚むら判定手段は、前記微分値差が前記し
きい値を超えた部分を膜厚むらと判定する。
【0012】また、本発明に係る膜厚むら検査装置にお
いて、前記第1の色信号は光の三原色のうちの1以上の
光波長域からなる色信号であり、前記第2の色信号は前
記第1の色信号に含まれない光波長域からなる色信号で
ある。ここで、膜厚が設計値より厚ければ短波長側の分
光反射率が上がり、膜厚が設計値より薄ければ長波長側
の分光反射率が上がるといった性質から、前記第1の色
信号は青色の波長域の色信号、前記第2の色信号は赤色
の波長域の色信号であることが好ましく、このような波
長域の色信号を用いることにより、色信号レベル差手段
によって得られる膜厚むら部分の色信号のレベル差を正
確に認識することができる。なお、前記の青色および赤
色とは、実質的にそれぞれ下記の波長域に感度を有する
撮像手段によって認識し得る色であることが好ましい。 青色:420〜520nm 赤色:550〜700nm
【0013】また、本発明に係る膜厚むら検査方法は、
薄膜に光を照射し、前記薄膜からの反射光に基づいて膜
厚むらを検査する膜厚むら検査方法であって、前記薄膜
からの反射光のうち、1以上の光波長域からなる第1の
色信号と、前記第1の色信号に含まれない光波長域から
なる第2の色信号とを画素毎に取得する色信号取得ステ
ップと、薄膜状における第1方向の画素毎に、前記第1
の色信号と前記第2の色信号のレベル差を計算する色信
号レベル差計算ステップと、前記第1方向の所定長さ分
の前記色信号レベル差計算ステップで求められた前記色
信号のレベル差を画素毎に累積した射影演算値を求める
射影演算ステップと、前記射影演算ステップで求めた射
影演算値を前記第1方向に微分する微分ステップと、前
記微分ステップで求められた微分値の前記第1方向と直
交する第2方向の所定区間における最大値から最小値を
差し引いた微分値差を計算する微分値差計算ステップ
と、前記微分値差計算ステップによって求められた微分
値差を所定のしきい値と比較した結果に基づいて、前記
薄膜における膜厚むらの有無を判定する膜厚むら判定ス
テップと、を有する。
【0014】また、本発明に係る膜厚むら検査方法にお
いて、前記射影演算ステップは、前記色信号のレベル差
が画素毎に累積された結果を前記第1方向の所定長さ分
の画素数で平均化して前記射影演算値を求める。
【0015】また、本発明に係る膜厚むら検査方法は、
前記射影演算ステップで求められた射影演算値を前記第
2方向の所定区間で画素毎に平均化した移動平均値を求
める移動平均ステップを有し、前記微分ステップは、前
記移動平均ステップで求められた移動平均値を前記第1
方向に微分する。
【0016】また、本発明に係る膜厚むら検査方法にお
いて、前記膜厚むら判定ステップは、前記微分値差が前
記しきい値を超えた部分を膜厚むらと判定する。
【0017】また、本発明に係る膜厚むら検査方法は、
前記第1の色信号は光の三原色のうち青色の波長域の色
信号であり、前記第2の色信号は光の三原色のうち赤色
の波長域の色信号である。
【0018】さらに、本発明に係る膜厚むら検査プログ
ラムは、請求項6、7、8、9または10に記載の膜厚
むら検査方法をコンピュータに実行させるためのもので
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係る膜厚むら検査装置、
膜厚むら検査方法および膜厚むら検査プログラムは、薄
膜の分光反射率が膜厚に依存していることに着目してな
されたものである。すなわち、膜厚が設計値より厚けれ
ば短波長側の分光反射率が上がり、、膜厚が設計値より
薄ければ長波長側の分光反射率が上がるという性質を利
用している。
【0020】以下、本発明に係る膜厚むら検査装置、膜
厚むら検査方法および膜厚むら検査プログラムの実施の
形態について、ポリウレタン樹脂フィルムの基材上に特
定の反射防止膜を塗工することによって形成される低反
射フィルムに適用した例を、図1〜図6を用いて説明す
る。なお、本発明に係る膜厚むら検査プログラムは、膜
厚むら検査方法を実行させるためのプログラムであるこ
とから、その説明は以下の膜厚むら検査方法の説明に含
まれる。
【0021】図1は、本発明の一実施形態に係る膜厚む
ら検査装置の構成を示す説明図である。同図に示すよう
に、本実施形態の膜厚むら検査装置は、搬送されている
生産工程中の低反射フィルム(以下「試料」という。)
101に光を照射する光源103と、試料101を撮像
する3CCDカメラ(以下、単に「カメラ」という。)
105と、試料101を撮像することによって得られた
画像信号を演算処理して膜厚むらを算出する演算装置1
07とを備えて構成されている。
【0022】光源103は、発光と測定とのタイミング
がずれないように高周波点灯する白色蛍光灯が望ましい
が、比較的光波長域の広い他の光源、すなわち3波長蛍
光体を使用した蛍光灯や冷陰極放電管、ハロゲンランプ
等を用いても良い。
【0023】また、カメラ105は、図示しない光学系
によって結像された試料101の反射像に対して光電変
換を行い、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各光
強度を表す信号を出力するものである。但し、カメラ1
05はその撮像領域が限られるため、試料101の搬送
方向に対して垂直な方向(以下「膜幅方向」という。)
に複数設けられていても、1台のカメラ105を膜幅方
向に移動させても良い。また、3CCD搭載のラインセ
ンサカメラであっても良い。なお、搬送方向は特許請求
の範囲の第1方向に該当し、膜幅方向は第2方向に該当
する。
【0024】また、演算装置107はパーソナルコンピ
ュータによって実現可能であり、カメラ105から得ら
れたRGBの各光強度を示す信号に対して以下に説明す
る処理を施すことによって、試料101の膜厚むらやス
ジ(以下、まとめて「膜厚むら」という。)を測定また
は検出するものである。なお、演算装置107は、特許
請求の範囲の色信号取得手段、色信号レベル差計算手
段、射影演算手段、移動平均手段、微分演算手段、微分
値差計算手段および膜厚むら判定手段の全ての構成要素
に該当する。
【0025】次に、本実施形態の膜厚むら検査方法につ
いて、図2を参照して説明する。図2は、本発明の一実
施形態に係る膜厚むら検査方法を説明するフローチャー
トである。なお、同図に示す各ステップは、本実施形態
の膜厚むら検査装置が有する演算装置107で行われ
る。
【0026】まず、ステップS201において、演算装
置107は、カメラ105によって撮像された試料10
1の所定領域のRGB各光強度を表す色信号を取得す
る。演算装置107は、これを一旦図示しないメモリに
記憶し、ステップS203以下の処理に備える。次に、
ステップS203ではメモリからB信号とR信号を読み
出し、画素毎にこれら信号のレベル差を計算する。な
お、本実施形態では、青信号レベル−赤信号レベル(B
−R)の場合について説明しているが、R−Bのレベル
差を演算しても良い。したがって、当該レベル差はB−
Rの絶対値(|B−R|)である。
【0027】また、3原色であるRGBのうちBとRを
用いるのは、各色の波長域がRGまたはGBと比較して
より離れているためである。膜厚にむらがある場合、分
光反射率が長波長側または短波長側にシフトすることに
より、一方の光波長域の色信号レベルは大きくなり、他
方の光波長域の色信号レベルは小さくなるため、両信号
の差分が大きくなる。したがって、膜厚にむらのある位
置が顕著に現れることとなる。
【0028】次に、ステップS205では、ステップS
203で得られた色信号のレベル差の射影演算を行う。
射影演算とは、射影操作を示す図3に示すように、搬送
方向の所定長さ分のステップS203で得られた色信号
の各レベル差を画素毎に累積(加算)し、前記所定長さ
分の画素数で平均化した値(以下「射影演算値」とい
う。)を求める処理である。したがって、ノイズが減殺
されるためSN比が向上し、膜厚むらやスジ(以下、ま
とめて「膜厚むら」という。)が強調される。なお、当
該ステップにおいて、色信号の各レベル差を累積した値
を平均化せずに、前記累積した値を射影演算値としても
良い。
【0029】図4は、一例として、試料101にスジの
ような膜厚むらがある場合における射影演算を行った結
果を示す説明図である。膜厚が厚くなっている部分のB
信号レベルは大きく、R信号レベルは小さくなる。逆
に、膜厚が薄くなっている部分のB信号レベルは小さ
く、R信号レベルは大きくなる。したがって、試料10
1に膜厚むらがある場合、試料101の当該色信号の各
レベル差に対して当該射影演算を行うと前記膜厚むらの
ある位置では図4に示すように射影演算値が高くなる。
【0030】次に、ステップS207では、ステップS
205で得られた射影演算値を膜幅方向の所定区間で画
素毎に平均化した値(以下「移動平均値」という。)を
求める。当該ステップS207では、所定区間を膜幅方
向に順次ずらしながら画素毎に移動平均値を算出する。
【0031】次に、ステップS209では、ステップS
207で得られた移動平均値を膜幅方向に微分する。人
間による色むらの知覚の難易は、色の変化率の大小と相
関が高いことが明らかにされているため、本実施形態の
膜厚むら検査装置および膜厚むら検査方法では、膜幅方
向の画素毎に移動平均値の勾配を求めることによって微
分値を計算している。なお、当該ステップS209にお
いて、移動平均値を微分せずに、ステップS205で得
られた射影演算値を微分しても良い。図5は、当該ステ
ップS209によって、図4に示した射影演算値の移動
平均値を微分した結果を示す説明図である。
【0032】次に、ステップS211では、ステップS
209で得られた微分値の膜幅方向の所定区間における
最大値と最小値を求め、“最大値−最小値(以下「微分
値差」という。)”を計算する。前記所定区間は実験的
に定められ、当該ステップS211では所定区間を膜幅
方向に順次ずらしながら画素毎に微分値差を求める。図
6は、当該ステップS211によって、図5に示した微
分値の所定区間における微分値差を計算した結果を示す
説明図である。同図に示すように、搬送方向の膜厚むら
の部分(円内部分)では他の部分よりも微分値差が大き
く、その差が顕著に現れているので、正確に膜厚むらを
認識することが可能となる。
【0033】さらに、ステップS211で求められた各
画素の微分値差を所定のしきい値と比較して、試料10
1の膜厚むらの有無を判定するステップS213を設
け、この判定結果に基づいて、必要に応じ製造設備の制
御情報の変更を行うことが可能である。
【0034】次に、ステップS213では、試料101
の全面において上記ステップS201〜S213の各処
理を終了したかを判定する。当該ステップにおいて全面
終了と判断されば本実施形態の膜厚むら検査方法に係る
一連の処理をするが、全面終了と判断されなければステ
ップS201に戻る。
【0035】以上説明したように、本実施形態の膜厚む
ら検査装置および膜厚むら検査方法によれば、試料10
1に膜厚むらが生じた位置を高精度に検査できるよう、
膜厚が設計値より厚ければ短波長側の分光反射率が上が
り、薄ければ長波長側の分光反射率が下がるという性質
をを利用しており、特に試料101を撮像して得られた
RGB(赤緑青)の各信号のうち波長域が互いに離れた
R信号とB信号のレベル差(|B−R|)を用いて画像
の解析を行っている。
【0036】また、搬送方向の所定長さで前記レベル差
を累積して平均値を求めるといった射影演算を行ってい
るため、SN比が向上し、人間の肉眼では認識困難な膜
厚むらが強調されることとなる。また、射影演算値の膜
幅方向の所定区間における移動平均値を求めているた
め、膜幅方向のノイズ(高周波成分)が除去されてさら
にSN比が向上する。
【0037】また、移動平均値を微分しているため光源
からの光の照射むら等に起因する緩やかな色相変化(グ
ラデーション)による誤認を解消するとともに膜厚むら
のみが強調され、微分値の膜幅方向の所定区間における
最大値と最小値の差によって得られた値をしきい値と比
較することによって、試料101の膜厚むらを高精度に
検査することができる。さらに、各ステップにおける処
理は簡単な演算によって実行することができるため、特
に高性能な演算装置107を用いなくても高速に検査結
果を得ることができる。
【0038】したがって、試料101の一部をサンプリ
ング採取して検査を行うことができるのは勿論のこと、
製造ライン中における試料101の成膜工程において、
試料101を搬送しながら膜厚むらをオンラインで検査
することができる。したがって、検査結果を製造ライン
にフィードバックすることにより膜厚むらの発生を未然
に防止して、製品(試料101)の品質向上を図ること
ができる。
【0039】なお、本実施形態では、膜幅方向の膜厚変
化による膜厚むらの検査について説明したが、搬送方向
の膜厚変化による膜厚むらの検査に用いることもでき
る。この場合、本実施形態の膜厚むら検査装置が有する
演算装置107は、ステップS205において膜幅方向
に射影演算を行って、上記ステップS201〜S213
と同様の処理を行う。
【0040】また、本実施形態では、試料101をポリ
ウレタン樹脂フィルムの基材上に反射防止膜を塗工した
低反射フィルムとして説明したが、他に、単層の樹脂フ
ィルムや基材上に2層以上の薄膜を塗布またはその他の
方法によって形成した多重構造のフィルムについて適用
しても良い。
【0041】また、演算装置107が行う処理はソフト
ウェアによって実現されるものとして説明したが、ハー
ドウェアによって実現しても良い。さらに、パソコン等
の演算装置107に画像処理機能を向上させるグラフィ
ックボードを付加して上述の処理を分散化すれば、演算
装置107の負担を軽減することができるため、膜厚む
らを一層高速に測定または検出することができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る膜厚
むら検査装置、膜厚むら検査方法および膜厚むら検査プ
ログラムによれば、射影演算手段が第1方向の所定長さ
分の第1の色信号と第2の色信号のレベル差を累積する
といった射影演算を行っているため、ノイズが減殺され
ることによってSN比が向上し、膜厚むらが強調される
こととなる。また、射影演算値を微分しているため周囲
に比べて色相変化の大きい箇所、すなわち膜厚むらのみ
が強調され、微分値の第2方向の所定区間における最大
値と最小値の差によって得られた値をしきい値と比較す
ることによって、膜厚むらを正確に検査することができ
る。さらに、各手段が行う処理は簡単な演算によって実
行することができるため、膜厚むら検査装置は特に高性
能でなくても高速に判定結果を得ることができる。した
がって、生産工程中の薄膜の膜厚管理を行う際に、搬送
されている製品上の薄膜全面における膜厚むらを正確に
検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る膜厚むら検査装置の
構成を示す説明図
【図2】本発明の一実施形態に係る膜厚むら検査方法を
説明するフローチャート
【図3】射影操作を示す説明図
【図4】試料にスジのような膜厚むらがある場合におけ
る射影演算を行った結果を示す説明図
【図5】射影演算値の移動平均値を微分した結果を示す
説明図
【図6】微分値の所定区間における微分値差を算出した
結果を示す説明図
【符号の説明】
101 試料 103 光源 105 カメラ 107 演算装置
フロントページの続き (72)発明者 白鳥 聡 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 Fターム(参考) 2F065 AA30 BB15 BB17 CC02 CC25 CC31 DD04 DD06 FF04 GG03 JJ05 JJ08 JJ26 QQ08 QQ13 QQ15 QQ24 QQ25 2G051 AA41 AB20 BA08 BA20 CA03 CA04 CB01 DA01 DA06 EA08 EA14 EA17 EA25 EB01 EB02 EC03 EC06 ED07 5B057 AA01 BA02 DA03 DB02 DB06 DB09 DC19 DC25

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜に光を照射し、前記薄膜からの反射
    光に基づいて膜厚むらを検査する膜厚むら検査装置であ
    って、 前記薄膜に光を照射することによって得られた反射光の
    うち、1以上の光波長域からなる第1の色信号と、前記
    第1の色信号に含まれない光波長域からなる第2の色信
    号とを画素毎に取得する色信号取得手段と、 薄膜上における第1方向の画素毎に、前記第1の色信号
    と前記第2の色信号のレベル差を計算する色信号レベル
    差計算手段と、 前記第1方向の所定長さ分の前記色信号レベル差計算手
    段で得られた前記色信号のレベル差を画素毎に累積した
    射影演算値を求める射影演算手段と、 前記射影演算手段で得られた射影演算値を前記第1方向
    に微分する微分演算手段と、 前記微分演算手段で得られた微分値の前記第1方向と直
    交する第2方向の所定区間における最大値から最小値を
    差し引いた微分値差を計算する微分値差計算手段と、 前記微分値差計算手段で得られた微分値差を所定のしき
    い値と比較した結果に基づいて、前記薄膜における膜厚
    むらの有無を判定する膜厚むら判定手段と、を備えたこ
    とを特徴とする膜厚むら検査装置。
  2. 【請求項2】 前記射影演算手段は、 前記色信号のレベル差が画素毎に累積された結果を前記
    第1方向の所定長さ分の画素数で平均化して前記射影演
    算値を求めることを特徴とする請求項1記載の膜厚むら
    検査装置。
  3. 【請求項3】 前記射影演算手段で得られた射影演算値
    を前記第2方向の所定区間で画素毎に平均化した移動平
    均値を求める移動平均手段を備え、 前記微分演算手段は、前記移動平均手段で得られた移動
    平均値を前記第1方向に微分することを特徴とする請求
    項1または2記載の膜厚むら検査装置。
  4. 【請求項4】 前記膜厚むら判定手段は、 前記微分値差が前記しきい値を超えた部分を膜厚むらと
    判定することを特徴とする請求項1、2または3記載の
    膜厚むら検査装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の色信号は光の三原色のうち青
    色の波長域の色信号であり、 前記第2の色信号は光の三原色のうち赤色の波長域の色
    信号であることを特徴とする請求項1、2、3または4
    記載の膜厚むら検査装置。
  6. 【請求項6】 薄膜に光を照射し、前記薄膜からの反射
    光に基づいて膜厚むらを検査する膜厚むら検査方法であ
    って、 前記薄膜からの反射光のうち、1以上の光波長域からな
    る第1の色信号と、前記第1の色信号に含まれない光波
    長域からなる第2の色信号とを画素毎に取得する色信号
    取得ステップと、 薄膜上における第1方向の画素毎に、前記第1の色信号
    と前記第2の色信号のレベル差を計算する色信号レベル
    差計算ステップと、 前記第1方向の所定長さ分の前記色信号レベル差計算ス
    テップで求められた前記色信号のレベル差を画素毎に累
    積した射影演算値を求める射影演算ステップと、 前記射影演算ステップで求めた射影演算値を前記第1方
    向に微分する微分ステップと、 前記微分ステップで求められた微分値の前記第1方向と
    直交する第2方向の所定区間における最大値から最小値
    を差し引いた微分値差を計算する微分値差計算ステップ
    と、 前記微分値差計算ステップによって求められた微分値差
    を所定のしきい値と比較した結果に基づいて、前記薄膜
    における膜厚むらの有無を判定する膜厚むら判定ステッ
    プと、を有することを特徴とする膜厚むら検査方法。
  7. 【請求項7】 前記射影演算ステップは、 前記色信号のレベル差が画素毎に累積された結果を前記
    第1方向の所定長さ分の画素数で平均化して前記射影演
    算値を求めることを特徴とする請求項6記載の膜厚むら
    検査方法。
  8. 【請求項8】 前記射影演算ステップで求められた射影
    演算値を前記第2方向の所定区間で画素毎に平均化した
    移動平均値を求める移動平均ステップを有し、 前記微分ステップは、前記移動平均ステップで求められ
    た移動平均値を前記第1方向に微分することを特徴とす
    る請求項6または7記載の膜厚むら検査方法。
  9. 【請求項9】 前記膜厚むら判定ステップは、 前記微分値差が前記しきい値を超えた部分を膜厚むらと
    判定することを特徴とする請求項6、7または8記載の
    膜厚むら検査方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の色信号は光の三原色のうち
    青色の波長域の色信号であり、 前記第2の色信号は光の三原色のうち赤色の波長域の色
    信号であることを特徴とする請求項6、7、8または9
    記載の膜厚むら検査方法。
  11. 【請求項11】 請求項6、7、8、9または10に記
    載の膜厚むら検査方法をコンピュータに実行させるため
    の膜厚むら検査プログラム。
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