JP2005221401A - 膜厚測定方法および装置 - Google Patents

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秦  直己
Atsushi Okazawa
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Abstract

【課題】測定対象の膜の膜厚を、膜面の撮像画像に基づいて面測定できる膜厚測定方法と装置を提供する。
【解決手段】発光スペクトル幅の狭い光源を使用する反射照明により測定対象の膜を撮像して反射画像を得る反射画像撮像過程と、前記反射画像から膜厚が等しい領域の面分布である等厚分布を演算する等厚分布演算過程と、透過照明により前記膜を撮像して透過画像を得る透過画像撮像過程と、前記透過画像から前記膜の厚薄の面分布である厚薄分布を演算する厚薄分布演算過程と、前記等厚分布と前記厚薄分布に基づいて膜厚分布を演算する膜厚分布演算過程とを有するようにした膜厚測定方法、およびその方法を適用した膜厚測定装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶カラー表示装置に使用されるカラーフィルタ、CCDカメラに使用される色分解フィルター、等のカラーフィルター着色膜の膜厚を測定する技術分野に属する。特に、反射と透過による撮像画像における干渉縞と透過率の面分布に基づいて膜厚分布を演算する膜厚測定方法および装置に関する。
たとえば、液晶カラーフィルターは、ガラス上にブラックマトリックスやRGB層がコーティングされた構造となっている。その中のRGB層はスピンコートやダイコート等で塗布した後、フォトリソグラフィー技術を適用したパターニングという工程において形成される。このRGB層の膜厚を管理することは、カラーフィルターに必要な光学性能を確保する上で重要である。
目視で膜厚を検査するときには、低圧ナトリウムランプまたはメタルハライドランプに緑フィルターを組み合わせたもの等、スペクトル幅の狭い照明を膜に照射する際に生じる干渉縞を利用することが行われている。干渉縞は膜厚の分布に応じて等高線状に観察される(図10参照)。また、液晶ディスプレイのバックライトは白色光であるため、白色光の透過照明による目視検査も行われている。膜厚により透過光量が変化するため透過光量のムラとして観察することができる。
膜厚不良の原因のほとんどは、スピンコートやダイコート等を使用する塗布工程において発生する塗布ムラである。塗布ムラが発生したときには塗布条件を変更する等により発生しないようにすることができる。したがって、塗布直後の早い段階で膜厚不良を発見し適切に対処することが材料や時間の損失を最小限とするために重要である。塗布直後に膜厚不良を発見するためには、膜厚不良を監視する装置を自動化して検査能率を高め、コーターの直後にインラインで設置するのが良い。
膜厚の測定を自動で行う装置の提案は多数存在する。たとえば、分光干渉法を適用した装置がある。分光干渉法は、測定対象の膜の所定波長域における透過光量を、分光器を使用して測定して得たスペクトラムに基づいて膜厚を演算する方法である。そのスペクトラムには膜の表裏面で反射した光の干渉による極大極小の波形が表れる。この極大極小における波長の間隔から膜厚が演算される(特許文献1参照)。
特開2002−318106号公報
しかしながら、このような装置においては、測定箇所は1点であるため、塗布ムラを検査するためには膜面の複数箇所を測定しなければならない。そのため、複数箇所を同時測定しようとすれば装置が大掛かりとなり、測定箇所を変えながら測定しようとすれば時間が掛かり過ぎるという問題がある。
本発明の目的は、測定対象の膜の膜厚を、膜面の撮像画像に基づいて面測定できる膜厚測定方法と装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係る膜厚測定方法は、発光スペクトル幅の狭い光源を使用する反射照明により測定対象の膜を撮像して反射画像を得る反射画像撮像過程と、前記反射画像から膜厚が等しい領域の面分布である等厚分布を演算する等厚分布演算過程と、透過照明により前記膜を撮像して透過画像を得る透過画像撮像過程と、前記透過画像から前記膜の厚薄の面分布である厚薄分布を演算する厚薄分布演算過程と、前記等厚分布と前記厚薄分布に基づいて膜厚分布を演算する膜厚分布演算過程とを有するようにしたものである。
また本発明の請求項2に係る膜厚測定方法は、請求項1に係る膜厚測定方法において、前記反射照明には前記膜による光吸収率の小さい波長の光を使用し、前記透過照明には前記膜による光吸収率の大きい波長の光または補色光を使用するようにしたものである。
また本発明の請求項3に係る膜厚測定方法は、請求項1または2に係る膜厚測定方法において、前記等厚分布演算過程は前記反射画像における干渉縞の明暗の変化を前記反射照明光の半波長とみなして半波長単位の前記等厚分布を演算する過程であり、前記厚薄分布演算過程は前記透過画像における明暗が前記膜の厚薄の関数となることから前記厚薄分布を演算するようにしたものである。
また本発明の請求項4に係る膜厚測定方法は、請求項1〜3のいずれかに係る膜厚測定方法において、前記膜の面内の1点において測定した前記膜厚の絶対値に基づいて前記面分布としての前記膜厚の絶対値である膜厚絶対値分布を演算する膜厚絶対値分布演算過程を有するようにしたものである。
また本発明の請求項5に係る膜厚測定方法は、請求項1〜3のいずれかに係る膜厚測定方法において、前記測定対象の前記膜が形成されていない領域を基準として、前記面分布としての前記膜厚の絶対値である膜厚絶対値分布を演算する膜厚絶対値分布演算過程を有するようにしたものである。
また本発明の請求項6に係る膜厚測定方法は、請求項1〜5のいずれかに係る膜厚測定方法において、前記反射照明の光源に白色光を使用し、前記膜の透過率が高い波長領域を透過するバンドパスフィルターを介して前記反射画像の前記撮像を行うようにしたものである。
また本発明の請求項7に係る膜厚測定方法は、請求項1〜5のいずれかに記載の膜厚測定方法において、前記透過照明の光源に白色光を使用し、前記膜による光吸収率の大きい波長の光または補色光だけを透過するバンドパスフィルターを介して前記透過画像の前記撮像を行うようにしたものである。
また本発明の請求項8に係る膜厚測定方法は、請求項6または7に係る膜厚測定方法において、前記白色光は三波長蛍光管を光源として使用し、前記反射画像の撮像に使用するバンドパスフィルターは前記三波長の各々における発光波長のピークを透過するバンドパスフィルターであるようにしたものである。
また本発明の請求項9に係る膜厚測定方法は、請求項6〜8のいずれかに係る膜厚測定方法において、短波長カットフィルターを使用して前記光源の短波長領域をカットするようにしたものである。
また本発明の請求項10に係る膜厚測定装置は、発光スペクトル幅の狭い光源を使用する反射照明により測定対象の膜を撮像して反射画像を得る反射画像撮像手段と、前記反射画像から膜厚が等しい領域の面分布である等厚分布を演算する等厚分布演算手段と、透過照明により前記膜を撮像して透過画像を得る透過画像撮像手段と、前記透過画像から前記膜の厚薄の面分布である厚薄分布を演算する厚薄分布演算手段と、前記等厚分布と前記厚薄分布に基づいて膜厚分布を演算する膜厚分布演算手段とを具備するようにしたものである。
本発明の請求項1に係る膜厚測定方法によれば、発光スペクトル幅の狭い光源を使用する反射照明にる撮像画像から等厚分布が演算され、透過照明による撮像画像から厚薄分布が演算され、それら等厚分布と厚薄分布に基づいて膜厚分布が演算される。すなわち等厚分布により分布における差分が解り、厚薄分布により分布の傾向(差分の正負)が解るから、演算により膜厚分布が解る。したがって、測定対象の膜の膜厚を、膜面の撮像画像に基づいて面測定できる膜厚測定方法が提供される。
また本発明の請求項2に係る膜厚測定方法によれば、反射照明には膜による光吸収率の小さい波長の光が使用され、透過照明には膜による光吸収率の大きい波長の光または補色光が使用される。したがって、高いコントラストの画像が得られるからS/Nの良い測定を行うことができる。
また本発明の請求項3に係る膜厚測定方法によれば、反射画像における干渉縞の明暗の変化を反射照明光の半波長とみなして半波長単位の等厚分布が演算され、透過画像における明暗が膜の厚薄の関数(単調関数)となることから厚薄分布が演算される。したがって、演算が簡易化されるから高い処理速度が得られる。
また本発明の請求項4に係る膜厚測定方法によれば、膜の面内の1点において測定した膜厚の絶対値に基づいて面分布としての膜厚の絶対値である膜厚絶対値分布が演算される。したがって、1点を絶対値測定すれば膜厚絶対値分布が得られる。
また本発明の請求項5に係る膜厚測定方法によれば、測定対象の膜が形成されていない領域を基準として、面分布としての膜厚の絶対値である膜厚絶対値分布が演算される。したがって、膜の無い領域を絶対値測定すれば膜厚絶対値分布が得られる。
また本発明の請求項6に係る膜厚測定方法によれば、反射照明の光源に白色光が使用され、膜の透過率が高い波長領域を透過するバンドパスフィルターを介して反射画像の撮像が行われる。したがって、バンドパスフィルターを交換するだけで膜色に適合する反射画像が得られる。
また本発明の請求項7に係る膜厚測定方法によれば、透過照明の光源に白色光を使用し、膜による光吸収率の大きい波長の光または補色光だけを透過するバンドパスフィルターを介して透過画像の撮像が行われる。したがって、バンドパスフィルターを交換するだけで膜色に適合する透過画像が得られる。
また本発明の請求項8に係る膜厚測定方法によれば、白色光は三波長蛍光管が光源として使用され、反射画像の撮像に使用するバンドパスフィルターは三波長の各々における発光波長のピークを透過するバンドパスフィルターである。したがって、光の利用効率が良くなるため高い測定精度が得られる。
また本発明の請求項9に係る膜厚測定方法によれば、短波長カットフィルターが使用されて光源の短波長領域がカットされる。したがって、光源の光によるカラーレジストの感光を防ぐことができる。
また本発明の請求項10に係る膜厚測定装置によれば、発光スペクトル幅の狭い光源を使用する反射照明にる撮像画像から等厚分布が演算され、透過照明による撮像画像から厚薄分布が演算され、それら等厚分布と厚薄分布に基づいて膜厚分布が演算される。すなわち等厚分布により分布における差分が解り、厚薄分布により分布の傾向(差分の正負)が解るから、演算により膜厚分布が解る。したがって、測定対象の膜の膜厚を、膜面の撮像画像に基づいて面測定できる膜厚測定装置が提供される。
本発明の膜厚測定方法と膜厚測定装置の構成と動作について図1、図2を参照して説明する。図1に示すように、本発明の膜厚測定装置は反射照明撮像部1、透過照明撮像部2、膜厚測定部3、メインPC4を有する。メインPC4は、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置であって、反射照明撮像部1、透過照明撮像部2、膜厚測定部3とのデータ通信を行う機能と、入力したデータを処理する機能を有する。勿論、その機能はデータ処理装置のハードウェアとソフトウェアによって実現される。図1における矢印は測定対象の搬送方向を示している。すなわち、測定対象は反射照明撮像部1、透過照明撮像部2、膜厚測定部3の順番に各々の箇所で各々の測定項目について測定が行われる。そして、それらの測定によって得られたデータはメインPC4によって入力が行われる。
図2は、その測定の過程を示すフロー図である。まず、ステップS1において、測定対象は反射照明撮像部1に搬送される。反射照明撮像部1は、発光スペクトル幅の狭い光源を使用する反射照明によりその測定対象の膜を撮像して反射画像を得る。その反射画像はメインPC4によって入力される。
次に、ステップS2において、測定対象は透過照明撮像部2に搬送される。透過照明撮像部2は透過照明によりその測定対象の膜を撮像して透過画像を得る。その透過画像はメインPC4に入力される。
により撮像画像を
次に、ステップS3において、測定対象は膜厚測定部3に搬送される。膜厚測定部3はその測定対象の膜を膜面における所定の箇所(微小領域)において測定した膜厚を得る。その膜厚はメインPC4に入力される。
次に、ステップS4において、メインPC4は入力した反射画像から膜厚が等しい領域の面分布である等厚分布を演算する等厚分布演算処理を行う。また、メインPC4は入力した透過画像から膜の厚薄の面分布である厚薄分布を演算する厚薄分布演算処理を行う。また、メインPC4はそれら等厚分布と厚薄分布に基づいて膜厚分布を演算する膜厚分布演算処理を行う。また、メインPC4はその膜厚分布と入力した膜厚の絶対値に基づいて面分布としての膜厚の絶対値である膜厚絶対値分布を演算する膜厚絶対値分布演算処理を行う。
次に、ステップS5において、メインPC4はその膜厚絶対値分布が許容範囲内であるか否かによって測定対象が良品であるか否かを判定する不良判定処理を行う。
以上、本発明の膜厚測定方法と膜厚測定装置の構成と動作について全体像を説明した。次に、図1に示す膜厚測定装置の構成における個々の部分についてさらに詳しく説明する。本発明の膜厚測定装置における反射照明撮像部1の構成の一例を図3、図4に示す。図3は反射照明撮像部1の構成を絵図として示す図である。図4は反射照明撮像部1の構成をブロック図として示す図である。図3、図4において、11はラインセンサ、12は駆動装置、13は高周波点灯電源、14は低圧ナトリウムランプ、15はコロコンベヤ、16はシーケンサ、17はPC、18はディスプレイ、100は測定対象である。
ラインセンサ11、駆動装置12、結像レンズ、等からラインセンサカメラが構成される。ラインセンサ11は受光素子を一次元に配列したセンサでありCCD(charge coupled device)、MOS(metal oxide semiconductor)等の半導体集積回路で構成される。ラインセンサ11は駆動装置12によって駆動されており、ラインセンサ11からは信号増幅器を通してライン形状の撮像領域における明暗(輝度)に対応する撮像信号がPC17に対して出力される。また、駆動装置12からは走査開始、駆動クロック、等の同期信号がラインセンサ11に対して出力される。
高周波点灯電源13は低圧ナトリウムランプ14に電力を供給して点灯させるための電源である。高周波点灯電源13はPC17によって電力供給(オンオフ、電圧値、電流値、等)が操作される。低圧ナトリウムランプ14は反射照明に適用される発光スペクトル幅の狭い光源である。高周波点灯電源13は高周波の交流電源であるため低圧ナトリウムランプ14の輝度は安定化される。これによりラインセンサカメラの撮像信号は光源による変調を受けず、測定対象100の反射特性だけを反映する。ラインセンサカメラの線状の撮像領域を均一に照明するために、低圧ナトリウムランプ14の形状は直管形状のものが好適である。
なお、低圧ナトリウムランプ14は一例である。一般的には、反射照明には膜による光吸収率の小さい波長の光を使用する。光源の発光スペクトルの幅が広いときにはナローバンドパスフィルターを併用すると好適である。
コロコンベヤ15は測定対象100を搬送するためのコロコンベヤである。シーケンサ16はコロコンベヤ15の制御装置である。その制御によって、たとえば、コロコンベヤ15が測定対象100を搬送する速度は、測定対象100が反射照明撮像部1に送給されるとき、反射照明撮像部1において撮像が行われるとき、反射照明撮像部1から排出されるとき、等において適正な速度とすることができる。シーケンサ16はPC17に対して制御状況(たとえば、搬送距離、搬送速度、等)を出力するとともに、測定対象100の種類に対応して制御プログラムを設定変更する司令をPC17から入力する。
PC17はパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置である。ディスプレイ18はPC17のディスプレイである。PC17には画像入力ボードが実装されており、画像入力ボードは上述したラインセンサカメラの撮像信号と同期信号を入力し、同期信号と同期させながら撮像信号をA/D(analog to digital)変換してバッファメモリに記憶する。一時的に画像入力ボードのバッファメモリに記憶されているデータはPC17にデータ転送され、通常はPC17のRAM(メインメモリ)等に反射画像として記憶される。さらに、PC17はメインPC4にその反射画像をデータ転送する。
反射画像の撮像は、ラインセンサカメラによる主走査と測定対象100の搬送による副走査によって行われる。主走査方向と副走査方向とは普通はほぼ直角とする。したがって、主走査の同期だけでなく副走査の同期も取った上でバッファメモリへ記憶する必要性がある。たとえば、コロコンベヤ15による測定対象100の搬送速度に応じた所定時間間隔でバッファメモリへの記憶を行う。またはコロコンベヤ15の駆動軸等に取付けたロータリーエンコーダの出力信号から測定対象100の搬送量を検出して副走査の同期を取ることができる。またはコロコンベヤ15の駆動にパルスモータを使用し、その駆動パルスから測定対象100の搬送量を検出して副走査の同期を取ることができる。
以上の構成において、次に反射照明撮像部1における動作について説明する。測定対象100はシーケンサ16によって制御されたコンベヤ15によって搬送されラインセンサカメラの撮像領域に達する。測定対象100が撮像領域に達したことは、光電センサ等(図示せず)により検出する。この検出信号を入力してPC17は撮像を開始する。またこの検出信号を入力してシーケンサ16はコンベヤ15を速度制御し検出後における適正な搬送とする。測定対象100は、すくなくとも撮像領域において高周波点灯電源13から電力供給を受ける低圧ナトリウムランプ14によって照明が行われている。その結果、結像レンズを通してラインセンサ11に光像が結像している。
撮像を開始したラインセンサ11は駆動装置12によって駆動され1ライン分の主走査を行い、その光像の1ライン分が電気信号に変換される。測定対象100の搬送による副走査と同期する所定の主走査による1ライン分の電気信号は、PC17の画像入力ボードにおいてA/D変換される。そのA/D変換によって得られたデジタル信号は画像入力ボードのバッファメモリに記憶される。その同期した撮像過程は、測定対象100がコンベヤ15によって搬送されラインセンサカメラの撮像領域の外に出るまで繰り返される。そして、その繰返しによる複数ライン分のデジタル信号が順次バッファメモリに追加記憶され、バッファメモリには画像が記憶されることになる。測定対象100が撮像領域の外に出たことは、前述の光電センサ等により検出される。
撮像過程が終了するとバッファメモリには測定対象100の反射画像が記憶されているから、PC17はその反射画像を読み取ってメインPC4にデータ転送する。反射照明に適用される低圧ナトリウムランプ14は発光スペクトル幅が狭い光源であるから、測定対象100に形成された膜の一方の界面で反射した光と他方の界面で反射した光は干渉する。したがって反射画像としては等膜厚の箇所を示す干渉縞の画像(図10参照)が得られることになる。
以上、本発明の膜厚測定装置における反射照明撮像部1の構成について説明した。次に、透過照明撮像部2について説明する。本発明の膜厚測定装置における透過照明撮像部2の構成の一例を図5、図6に示す。図5は透過照明撮像部2の構成を絵図として示す図である。図6は透過照明撮像部2の構成をブロック図として示す図である。図5、図6において、21はラインセンサ、22は駆動装置、23は高周波点灯電源、24は蛍光灯、25はコロコンベヤ、26はシーケンサ、27はPC、28はディスプレイ、29はシアンフィルター、100は測定対象である。
ラインセンサ21はラインセンサ11と、駆動装置22は駆動装置12と、コロコンベヤ25はコロコンベヤ15と、シーケンサ26はシーケンサ16と、PC27はPC17と、ディスプレイ28はディスプレイ18と同様であるから説明を省略する。
高周波点灯電源23は蛍光灯24に電力を供給して点灯させるための電源である。高周波点灯電源23はPC27によって電力供給(オンオフ、電圧値、電流値、等)が操作される。蛍光灯24は透過照明に適用される高輝度・高演色性の三波長管である。三波長管は発光スペクトラムのピークがRGB(red,green,blue)の三波長に存在する。高周波点灯電源23は高周波の交流電源であるため蛍光灯24の輝度は蛍光材料の残光特性等により安定化される。これによりラインセンサカメラの撮像信号は不安定な光源に起因する変調を受けることがなくなり、測定対象100の透過特性だけを反映する。ラインセンサカメラの線状の撮像領域を均一に照明するために、蛍光灯24の形状は直管形状のものが好適である。
なお、蛍光灯24は一例である。一般的には、透過照明には膜による光吸収率の大きい波長の光または補色光を使用する。光源の発光スペクトルの幅が広いときには補色フィルターを併用すると好適である。
シアンフィルターはR(red)色に対する補色フィルターである。したがって、測定対象100の膜がR色ときにシアンフィルターを介して撮像することにより高いコントラストで濃淡を撮像することができる。図5に示すシアンフィルターは一例であって、測定対象100の膜がG(green)色のときにはマゼンタフィルターを介して、測定対象100の膜がB(blue)色のときにイエローフィルターを介して撮像することにより高いコントラストで濃淡を撮像することができる。
補色フィルターを使用する代わりに、透過光源の発光色を測定対象100の膜による光吸収率の大きい波長の光または補色に合わせてもよい。すなわち、測定対象100の膜がR色のときには発光色がG色および/またはB色の透過光源を適用し、測定対象100の膜がG色のときには発光色がB色および/またはR色の透過光源を適用し、測定対象100の膜がB色のときには発光色がR色および/またはG色の透過光源を適用して撮像することにより高いコントラストで濃淡を撮像することができる。
以上の構成において、次に透過照明撮像部2における動作について説明する。測定対象100はシーケンサ26によって制御されたコンベヤ25によって搬送されラインセンサカメラの撮像領域に達する。測定対象100が撮像領域に達したことは、光電センサ等(図示せず)により検出する。この検出信号を入力してPC27は撮像を開始する。またこの検出信号を入力してシーケンサ26はコンベヤ25を速度制御し検出後における適正な搬送とする。測定対象100は、すくなくとも撮像領域において高周波点灯電源23から電力供給を受ける蛍光灯24によって照明が行われている。その結果、シアンフィルター29と結像レンズを通してラインセンサ21に光像が結像している。
撮像を開始したラインセンサ21は駆動装置22によって駆動され1ライン分の主走査を行い、その光像の1ライン分が電気信号に変換される。測定対象100の搬送による副走査と同期する所定の主走査による1ライン分の電気信号は、PC27の画像入力ボードにおいてA/D変換される。そのA/D変換によって得られたデジタル信号は画像入力ボードのバッファメモリに記憶される。その同期した撮像過程は、測定対象100がコンベヤ25によって搬送されラインセンサカメラの撮像領域の外に出るまで繰り返される。そして、その繰返しによる複数ライン分のデジタル信号が順次バッファメモリに追加記憶され、バッファメモリには画像が記憶されることになる。測定対象100が撮像領域の外に出たことは、前述の光電センサ等により検出される。
撮像過程が終了するとバッファメモリには測定対象100の透過画像が記憶されているから、PC27はその透過画像を読み取ってメインPC4にデータ転送する。透過照明に測定対象100の膜によって吸収される波長の光源が適用されるか、またはRGB三波長の光源に膜の補色フィルターを介するかの方法で撮像が行われる。すなわち、測定対象100に形成された膜によって吸収されず、透過された光によって撮像が行われる。したがって、膜の領域によって透過率の面分布が存在すれば、透過画像としては透過率の大小によって決まる濃淡画像(後述する図12参照)が得られることになる。透過率の面分布は、測定対象100の膜における膜厚の面分布を反映している。
以上、本発明の膜厚測定装置における透過照明撮像部2の構成について説明した。次に、膜厚測定部3について説明する。本発明の膜厚測定装置における膜厚測定部3の構成の一例を図7、図8に示す。図7は膜厚測定部3の構成を絵図として示す図である。図8は膜厚測定部3の構成をブロック図として示す図である。図7、図8において、31は膜厚測定ヘッド、32は膜厚測定器本体、35はコロコンベヤ、36はシーケンサ、37はPC、38はディスプレイ、100は測定対象である。
膜厚測定ヘッド31は測定対象100の一箇所(スポット)の膜厚を測定するための膜厚測定ヘッドである。たとえば光学干渉膜厚計、単一波長エリプソメータ、分光波長エリプソメータ、等の方式による周知の膜厚測定ヘッドを適用することができる。図7においては投光受光一体型で示してあるが、投光受光分離型であってもよい。
膜厚測定器本体32は膜厚測定ヘッド31に対しては所定の動作をさせる出力と膜厚測定ヘッド31からの測定情報を入力する。また膜厚測定器本体32はPC37に対しては、そのインターフェースを介してPC37による測定動作の制御入力と測定情報を電気量として出力する。
膜厚測定ヘッド31と膜厚測定器本体32は、図に示すように、それらの複数個を並べ複数箇所を測定することにより適正な膜厚測定が行えるように構成することができる。
以上の構成において、次に膜厚測定部の動作について説明する。測定対象100はシーケンサ36によって制御されたコンベヤ35によって搬送され膜厚測定ヘッド31の測定箇所(スポット)に達する。測定対象100が測定箇所に達したことは、光電センサ等(図示せず)により検出する。この検出信号を入力してシーケンサ36はコンベヤ35を速度制御し、測定すべき測定対象100の被測定箇所と膜厚測定ヘッド31の測定箇所とが一致するところでコンベヤ35を停止させる。シーケンサ36からその停止信号を入力してPC37は膜厚測定を開始する制御出力を行う。
PC37の制御下において膜厚測定器本体32と膜厚測定ヘッド31は膜厚測定のために一連の動作を行い、膜厚測定器本体32はPC37に対して測定情報を電気量として出力する。PC37はその測定情報を入力して膜厚を演算する。PC37はその膜厚をPC4にデータ転送する。シーケンサ36はPC37から膜厚測定の終了信号を入力する。そしてシーケンサ36はコンベヤ35を所定の速度で動作させ、測定対象100を搬送する。
以上、本発明の膜厚測定装置における膜厚測定部3の構成について説明した。次に、前述した膜厚測定装置の構成における変形例について説明する。本発明の膜厚測定装置における反射照明撮像部1と透過照明撮像部2を統合した変形例を図9に示す。図9において、41a,41bはラインセンサ、441は白色蛍光灯、442は短波長カットフィルタ(感光防止)、45はコロコンベヤ、47はPC、48はディスプレイ、49aはレッドバンドパスフィルター、49bはシアンフィルター、100は測定対象である。
図9における反射照明撮像部1は、ラインセンサ41a、白色蛍光灯441、短波長カットフィルタ442、コロコンベヤ45、PC47、ディスプレイ48、レッドバンドパスフィルター49aを備える。図3と図9における反射照明撮像部1は、ラインセンサ41aとラインセンサ11、コロコンベヤ45とコロコンベヤ15、PC47とPC17、ディスプレイ48とディスプレイ18が対応し、構成、配置、動作、等においても共通している。
そして、低圧ナトリウムランプに代えて短波長カットフィルタ442付の白色蛍光灯441を配置したことと、レッドバンドパスフィルター49aをラインセンサ41aにおける撮像光学系の前に配置したことで相違している。レッドバンドパスフィルター49aは測定対象100の膜において生じる干渉縞を撮像することができるような幅の狭いナローバンドフィルターである。これにより低圧ナトリウムランプに代わる干渉縞を撮像するための撮像光学系が得られる。レッドバンドパスフィルター49aは一例である。一般的には、測定対象100の膜の色に合わせて、膜に対する光透過率の高い色の光を通過させるバンドフィルターを適用する。
図9における透過照明撮像部2は、ラインセンサ41b、白色蛍光灯441、短波長カットフィルタ442、コロコンベヤ45、PC47、ディスプレイ48、シアンフィルター49bを備える。図5と図9における透過照明撮像部1は、ラインセンサ41bとラインセンサ21、白色蛍光灯441と白色蛍光灯241、短波長カットフィルタ442と短波長カットフィルタ242、コロコンベヤ45とコロコンベヤ25、PC47とPC27、ディスプレイ48とディスプレイ28が対応し、構成、動作、等においても共通している。
ただし、図5と図9における透過照明撮像部2の部分を比較すると明らかなように、配置においては、測定対象100の表面に対して対称となっている。すなわち、図5においては、白色蛍光灯241はコロコンベヤ25の下方に配置されラインセンサ21はコロコンベヤ25の上方に配置されている。これに対し、図9においては、白色蛍光灯241はコロコンベヤ25の上方に配置されラインセンサ21はコロコンベヤ25の下方に配置されている。ラインセンサ21はコロコンベヤ25のコロとコロの間から測定対象100を覗くように配置される。
膜厚測定装置における反射照明撮像部1と透過照明撮像部2を統合した図9に示す変形例における動作は、前述の反射照明撮像部1における動作と前述の透過照明撮像部2における動作が同時進行する動作となる。すなわち、測定対象100がコロコンベヤ25によって搬送され、反射照明撮像部1と透過照明撮像部2の各々の撮像領域を一回だけ通過することによって反射画像と透過画像とを得ることができる。それら反射画像と透過画像はPC4にデータ転送される。
以上、膜厚測定装置の構成における変形例について説明した。次に、メインPC4について説明する。本発明の膜厚測定装置におけるメインPCにおいて行われるデータ処理について図を参照して説明する。反射画像(反射照明撮像部入力画像)の干渉縞から明部と暗部を抽出する処理の説明図を図10に示す。また反射画像の干渉縞における輝度から膜厚変化量を算出する処理の説明図を図11に示す。また透過画像(透過照明撮像部入力画像)における膜厚最大箇所を算出する処理の説明図を図12に示す。また透過画像における膜厚分布を算出する処理の説明図を図13〜図19に示す。
反射画像の干渉縞から明部と暗部を抽出する処理について図10を参照して説明する。PC4は反射照明撮像部1から反射画像を入力する。入力したままの反射画像は濃淡を有する多値画像である。図10には反射画像の模式図を示してある。反射画像には後述する閾値よりも暗い領域、閾値よりも明るい領域、膜以外の領域が存在する。
まず図10のステップS11において、入力した反射画像について前処理を行う。前処理は入力した反射画像に含まれている照明ムラ、撮像光学系におけるシェーディング等を補正し反射画像における画素値の最大値最小値を所定の値に規格化(正規化)する処理である。
次に、ステップS12において、膜以外の箇所をマスクする処理、すなわち以降の画像処理の対象領域から外す処理を行う。一例として示した模式図においては空白で示した周辺部分がマスクする部分である。
次に、ステップS13において、閾値を決定する。たとえば画素値(輝度に対応する)の最大値と最小値から平均値を演算しその平均値を閾値とする。条件によっては頻度分布から閾値を決める方法、中央値を閾値とする方法、等のその他の方法で閾値を決定してもよい。
次に、ステップS14において、閾値を適用して濃淡画像を2値化し、2値化反射画像を得る。2値化反射画像においては画素値が“0”の部分と“1”の部分が存在する。隣り合う画素の画素値が同一である画素の集合を1つの領域としてラベリングを行う。模式図においては明暗のリングパターンの各々は閉じた領域を形成し、その領域の各々についてラベリングを行う。すなわち、その閉じた領域に含まれるすべての画素に対して、その画素の属性値としてラベリングにおけるID番号を付与する処理を行う。
以上、反射画像の干渉縞から明部と暗部を抽出する処理について説明した。次に、反射画像の干渉縞における輝度から膜厚変化量を算出する処理について図11を参照して説明する。図11には膜の一方の面が大気と接触し、他方の面が基材と接触している一例が絵図として示されている。Tを膜厚、λを照明光の波長、nを膜の屈折率、θを入射角、θ'を屈折角とする。また、基材の屈折率が膜の屈折率より小さい場合にm=1,2,3、・・・、基材の屈折率が膜の屈折率より大きい場合にm=1/2,3/2,5/2、・・・、とする係数mを導入する。
このとき大気と膜との境界面における反射光と膜と基材との境界面における反射光が干渉して強め合う条件は、(2nT/cosθ')=mλ、θ'=sin-1((sinθ)/n)、の2つの数式が成立する条件である。
また、輝度が最大値から最小値へ変化した際の光路長の変化はλ/2である。
したがって、輝度が一階調(画素値が1つ)変化するときの膜厚変化量をδtとすると、δt=λ/(2A)=nT/(Acosθ')、A=(輝度最大画素値−輝度最小画素値)、となる。
なお、ここでは、輝度の変化に対する膜厚の変化は線形近似としたが、必要な精度が得られないときには数値計算により、輝度の変化を膜厚の変化に換算するルックアップテーブルを作成しておき、それを参照して輝度から膜厚を求めるようにする。
以上、反射画像の干渉縞における輝度から膜厚変化量を算出する処理について説明した。次に、透過画像における膜厚最大箇所を算出する処理について図12を参照して説明する。PC4は透過照明撮像部2から透過画像を入力する。入力したままの反射画像は連続的に濃淡が変化する多値画像である。図12には透過画像の模式図を示してある。透過画像には膜における暗い領域、明るい領域、膜以外の領域が存在する。
まず図12のステップS21において、入力した透過画像について前処理を行う。前処理は入力した透過画像に含まれている照明ムラ、撮像光学系におけるシェーディング等を補正する処理である。
次に、ステップS22において、膜以外の箇所をマスクする処理、すなわち以降の画像処理の対象領域から外す処理を行う。一例としてしました模式図においては空白で示した周辺部分がマスクする部分である。
次に、ステップS23において、輝度が最小である(画素値が最小の)画素の位置を算出する。この画素の位置を膜厚が最も厚い位置であるとみなす。
以上、透過画像における膜厚最大箇所を算出する処理について説明した。次に、透過画像における膜厚分布を算出する処理について図13〜図19を参照して説明する。
まず、ステップS31(図13に示すステップ)において、前述の透過画像における輝度が最小である画素の位置に対応する画素を含む反射画像のラベリングした領域を特定する。そして、その特定された反射画像の領域を抽出する。
次に、ステップS32(図14、図15に示すステップ)において、抽出した領域内の膜厚分布を算出する。このとき前述した透過画像における輝度が最小である画素を基準として、領域内のすべての画素に対して、反射画像の輝度分布から膜厚変化量を算出する。ただし、図14に示すように、膜厚変化量を算出する順序はその輝度が最小である画素に隣接した4画素から行う。その次は、それらの画素に隣接した8画素について膜厚変化量を算出するというように、1画素ごと周囲に領域拡大させる順序で行う。その理由は、抽出した領域内に反射画像の干渉縞における極大値または極小値が含まれる場合と、抽出した領域内に膜厚の極大値または極小値が2つ以上ある場合に対応するためである。
膜厚変化量の算出式は図15に示すとおりである。すなわち、算出対象の画素の透過画像(前述のS2において得られた透過画像)の輝度値をYi、隣接した画素の透過画像(前述のS2において得られた透過画像)の輝度値をYi-1とする。また、算出対象の画素の膜厚変化量をΔTi、隣接した画素の膜厚変化量をΔTi-1、算出対象の画素の輝度(前述のS1において得られた反射画像)をXi、隣接した画素の輝度(前述のS1において得られた反射画像)をXi-1、輝度1階調変化時の膜厚変化量をδtとする。
膜厚変化量の算出式は、Yi<Yi-1のときには、ΔTi=ΔTi-1−|Xi−Xi-1|×δtとなる。
また、Yi>Yi-1のときには、ΔTi=ΔTi-1+|Xi−Xi-1|×δtとなる。
次に、ステップS33(図16に示すステップ)において、隣接した領域の膜厚大小判定を行う。前述のステップS31で特定した領域(ラベリングした領域)に隣接した領域を特定する。そして、その特定された反射画像の領域に対応する透過画像の領域を抽出する。これら2つのラベリングした領域の各々について平均輝度値を比較する。隣接した領域の平均輝度値が大きければ、膜厚分布を算出済みの領域よりも膜厚が小さい領域と判定する。反対に、隣接した領域の平均輝度値が小さければ、膜厚分布を算出済みの領域よりも膜厚が大きい領域と判定する。
次に、ステップS34(図17に示すステップ)において、隣接した領域の膜厚分布を算出する。算出済みの領域に隣接した画素から、ステップS32に示した式を適用して膜厚変化量を算出する。次に、この膜厚変化量の求まった画素に隣接した画素について、ステップ32と同様に膜厚変化量を算出する。以降、ステップ32と同様の処理を領域内のすべての画素について繰り返す。
次に、ステップS35(図示せず)において、上記ステップS33〜ステップS34の処理を透過画像の基板上におけるすべての測定対象の領域(ラベリングした領域)において順次行う。
次に、ステップS36(図18に示すステップ)において、上述のようにして得られた相対的な差異を示す膜厚値の分布から絶対的な膜厚値を得る。そのために、膜厚測定部3において測定した絶対的な膜厚値を適用する。すなわち膜厚測定部3の測定位置と同一の座標における膜厚分布が求まっているため、その膜厚値と膜厚測定部3で測定した膜厚値dの偏差αを算出する。算出対象の画素の膜厚変化量をΔTi、膜厚測定部3における測定領域に含まれる測定点の座標に含まれる反射画像における画素数をmとする。
偏差αは、下記の数1を適用することによって得られる。
この偏差αは面内のすべての点において同じとみなせるから、残りのすべての点について、Ti=ΔTi+αの数式を適用することにより各画素における膜厚Tiを得ることができる。
上述のステップS31とは異なる方法を適用することができる。図19に示すように、測定対象100における基材露出部を基準として膜厚分布を算出する。すなわち、基板周辺部の基材露出部の膜厚を0として、基板周辺部に隣接した領域から膜厚分布の絶対値を算出する。
基板周辺部に隣接した領域が反射画像(反射照明撮像部入力画像)の明部(図10参照)のときには、この領域における反射画像の輝度最大箇所の膜厚絶対値Tは、2nT/(cosθ')=λの関係がある。そこで、図11において算出した膜厚変化量との関係から、α=T−ΔTの数式を適用して偏差αを算出する。
この偏差αは反射画像の基板面ないのすべての画素において同じ値であるから、残りの領域すべての画素について、Ti=ΔTi+αの数式を適用して膜厚絶対値Tiを算出する。
基板周辺部に隣接した領域が反射画像(反射照明撮像部入力画像)の暗部(図10参照)のときには、この領域における反射画像の輝度最大箇所の膜厚絶対値Tは、2nT/(cosθ')=λ/2の関係がある。そこで、図11において算出した膜厚変化量との関係から、α=T−ΔTの数式を適用して偏差αを算出する。
この偏差αは反射画像の基板面ないのすべての画素において同じ値であるから、残りの領域すべての画素について、Ti=ΔTi+αの数式を適用して膜厚絶対値Tiを算出する。
本発明の膜厚測定方法と膜厚測定装置における構成の一例を示す図である。 本発明の膜厚測定方法と膜厚測定装置における測定の過程を示すフロー図である。 反射照明撮像部の構成を絵図として示す図である。 反射照明撮像部の構成をブロック図として示す図である。 透過照明撮像部の構成を絵図として示す図である。 透過照明撮像部の構成をブロック図として示す図である。 膜厚測定部の構成を絵図として示す図である。 膜厚測定部の構成をブロック図として示す図である。 本発明の膜厚測定装置における反射照明撮像部と透過照明撮像部を統合した変形例を示す図である。 反射画像(反射照明撮像部入力画像)の干渉縞から明部と暗部を抽出する処理の説明図である。 反射画像の干渉縞における輝度から膜厚変化量を算出する処理の説明図である。 透過画像(透過照明撮像部入力画像)における膜厚最大箇所を算出する処理の説明図である。 反射画像における膜厚分布を算出する処理の説明図(ステップS31)である。 反射画像における膜厚分布を算出する処理の説明図(ステップS32その1)である。 反射画像における膜厚分布を算出する処理の説明図(ステップS32その2)である。 反射画像における膜厚分布を算出する処理の説明図(ステップS33)である。 反射画像における膜厚分布を算出する処理の説明図(ステップS34)である。 透過画像における膜厚分布を算出する処理の説明図(ステップS36その1)である。 透過画像における膜厚分布を算出する処理の説明図(ステップS36その2)である。
符号の説明
1 反射照明撮像部
2 透過照明撮像部
3 膜厚測定部
11,21,31,41a,41b ラインセンサ
12,22,32 駆動装置
13,23 高周波点灯電源
14 低圧ナトリウムランプ
15,25,35 コロコンベヤ
16,26,36 シーケンサ
17,27,37,47 PC
18,28,38,48 ディスプレイ
24 蛍光灯
49a レッドバンドパスフィルター
49b シアンフィルター
100 測定対象
241,441 白色蛍光灯
242,442 短波長カットフィルター(感光防止)

Claims (10)

  1. 発光スペクトル幅の狭い光源を使用する反射照明により測定対象の膜を撮像して反射画像を得る反射画像撮像過程と、
    前記反射画像から膜厚が等しい領域の面分布である等厚分布を演算する等厚分布演算過程と、
    透過照明により前記膜を撮像して透過画像を得る透過画像撮像過程と、
    前記透過画像から前記膜の厚薄の面分布である厚薄分布を演算する厚薄分布演算過程と、
    前記等厚分布と前記厚薄分布に基づいて膜厚分布を演算する膜厚分布演算過程と、
    を有することを特徴とする膜厚測定方法。
  2. 請求項1記載の膜厚測定方法において、前記反射照明には前記膜による光吸収率の小さい波長の光を使用し、前記透過照明には前記膜による光吸収率の大きい波長の光または補色光を使用することを特徴とする膜厚測定方法。
  3. 請求項1または2記載の膜厚測定方法において、前記等厚分布演算過程は前記反射画像における干渉縞の明暗の変化を前記反射照明光の半波長とみなして半波長単位の前記等厚分布を演算する過程であり、前記厚薄分布演算過程は前記透過画像における明暗が前記膜の厚薄の関数となることから前記厚薄分布を演算する過程であることを特徴とする膜厚測定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の膜厚測定方法において、前記膜の面内の1点において測定した前記膜厚の絶対値に基づいて前記面分布としての前記膜厚の絶対値である膜厚絶対値分布を演算する膜厚絶対値分布演算過程を有することを特徴とする膜厚測定方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の膜厚測定方法において、前記測定対象の前記膜が形成されていない領域を基準として、前記面分布としての前記膜厚の絶対値である膜厚絶対値分布を演算する膜厚絶対値分布演算過程を有することを特徴とする膜厚測定方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の膜厚測定方法において、前記反射照明の光源に白色光を使用し、前記膜の透過率が高い波長領域を透過するバンドパスフィルターを介して前記反射画像の前記撮像を行うことを特徴とする膜厚測定方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の膜厚測定方法において、前記透過照明の光源に白色光を使用し、前記膜による光吸収率の大きい波長の光または補色光だけを透過するバンドパスフィルターを介して前記透過画像の前記撮像を行うことを特徴とする膜厚測定方法。
  8. 請求項6または7記載の膜厚測定方法において、前記白色光は三波長蛍光管を光源として使用し、前記反射画像の撮像に使用するバンドパスフィルターは前記三波長の各々における発光波長のピークを透過するバンドパスフィルターであることを特徴とする膜厚測定方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の膜厚測定方法において、短波長カットフィルターを使用して前記光源の短波長領域をカットすることを特徴とする膜厚測定方法。
  10. 発光スペクトル幅の狭い光源を使用する反射照明により測定対象の膜を撮像して反射画像を得る反射画像撮像手段と、
    前記反射画像から膜厚が等しい領域の面分布である等厚分布を演算する等厚分布演算手段と、
    透過照明により前記膜を撮像して透過画像を得る透過画像撮像手段と、
    前記透過画像から前記膜の厚薄の面分布である厚薄分布を演算する厚薄分布演算手段と、
    前記等厚分布と前記厚薄分布に基づいて膜厚分布を演算する膜厚分布演算手段と、
    を具備することを特徴とする膜厚測定装置。

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