JP2006113022A - 反射防止フィルムの欠陥検出装置および方法 - Google Patents

反射防止フィルムの欠陥検出装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反射防止フィルムの欠陥検出を自動的に行う装置および方法を実現する。
【解決手段】本発明によれば、反射防止フィルム40の被検部位に少なくとも可視光領域を含む検査光a,bを照射する光源部1と、検査光が被検部位で反射してなる反射光eから、フィルム面の法線方向に対して平行に進む平行光成分fを抽出する光学系13と、平行光成分を複数の波長成分光に分光する色分解プリズム14と、分光された各波長成分光をそれぞれ撮像する撮像デバイス20〜24と、各撮像デバイスによって撮像された撮像データから被検部位における各波長成分光の光強度と波長との相関曲線を求め、相関曲線において、被検部位のフィルム厚の変動に対する光強度の感度が大きな波長における光強度と、予め知られている良品の被検部位に対応する部位の相関曲線から得られる当該波長における光強度との差に基づいて、被検部位のフィルム厚を求める処理部4とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反射防止フィルムの欠陥を検出する装置および方法に関する。
近年、CRTや液晶などの表示デバイスでは、画面の表面に反射防止膜を貼り、反射を防止または軽減させる対策がなされている。表示デバイスでは、「見易さ」は最も重要な品質特性の一つであり、表示する上で障害となる後方からの照明光の写り込みを防止する反射防止膜の需要が年々高まっている。
反射防止膜は、大きく分類すると、AR(Anti-Reflection)とLR(Low-Reflection)の2種類が存在する。ARは、多層膜で形成され、比較的高価であるが、反射防止効果は最も高い。一般にAR表面での反射率は、可視光範囲の平均で0.5〜1.0%程度である。一方、LRは、単層膜で形成されており、ARと比較して反射防止効果はやや劣るものの安価である。一般にLR表面での反射率は、可視光範囲の平均で1.0〜2.0%である。
ARは、基材フィルム上に光学干渉膜を多層蒸着した反射防止フィルム、LRは、基材フィルム上に光学干渉膜を塗布した反射防止フィルムとして製品化されている。このような反射防止フィルムを表示デバイスの表面に気泡が入らないように密着した状態で貼り付けることにより、反射防止膜としての効果を発揮するようになる。
特開2003−172707号公報
しかしながら、このような従来の反射防止フィルムでは、以下のような問題がある。
すなわち、この種の反射防止フィルムは、光学干渉効果を利用するために、光学干渉膜の膜厚の誤差がその性能にもたらす影響が大きい。一般に、膜厚は可視光の1/4波長前後の厚みとなり、膜厚により干渉波長が決定される。したがって、反射防止フィルム面上で局所的に膜厚が微少変動すると、その部位のみ、透過されてくる像が歪んだり、僅かに色相が変化したりする。これが、反射防止フィルムにおける主な欠陥である。その他の欠陥としては、フィルム表面の傷や擦れなどによるものがある。また、基材フィルム自体の傷、凹み、段上のムラ等による欠陥もある。
上述したような膜厚が変動する要因は多々あるが、代表的な要因は異物混入である。光学干渉膜を蒸着(塗布)する前、あるいは蒸着(塗布)中に異物が付着することにより、異物付着部におけるフィルム面にピンホール状の突起が生じる。加えて、異物付着部を頂点として、その周辺部に裾野の如く膜厚が変動するような現象が生じている。この異物は、非常に微少な物体であり、黒色であったり透明色であったりと一定の色相を有していない。
にも関わらず、例えば上記特許文献1のように、現在入手可能な反射防止フィルム欠陥検出装置では、異物が大きく、かつ黒色である場合は識別できるものの、それ以外の場合は全く識別することができないという問題がある。
また、膜厚変動は、熟練者をもってしても目視確認することは容易ではなく、自動検査することは更に困難である。したがって、表示デバイスの低コスト化、大画面化に伴い、反射防止フィルムも比較的安価で量産できるようになってきたものの、欠陥検出を全製品を対象に行うことは実質的に不可能であるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、反射防止フィルムの欠陥検出を自動的に行うことが可能な装置および方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
すなわち、本発明は、反射防止フィルムの欠陥を検出する装置および方法であって、所定の検査位置に配置された被検体である反射防止フィルムの被検部位に少なくとも可視光領域を含む検査光を照射する。次に、検査光が被検部位で反射してなる反射光から、反射防止フィルムのフィルム面の法線方向に対して平行に進む平行光成分を抽出する。そして、平行光成分を複数(例えば少なくとも3つ)の波長成分光に分光し、分光された各波長成分光をそれぞれ撮像する。更に、撮像された撮像データから、被検部位における各波長成分光の光強度と波長との相関曲線を求め、相関曲線において、予め知られている良品の各波長成分光の光強度と、被検部位の各波長成分光の光強度との差に基づいて、被検部位のフィルム厚を求める。
ここで、検査光は、可視光に加えて紫外線光、あるいは更に赤外線光を含んでおり、複数の波長成分光は、可視光に加えて紫外線光、あるいは更に赤外線光を含んでおり、相関曲線は、紫外線光と可視光、あるいは更に赤外線光を含む各波長成分光の光強度と波長とに基づいて求められるようにしても良い。
更には、被検部位の相関曲線から得られる紫外線領域の光強度と、予め知られている良品の被検部位に対応する部位の相関曲線から得られる紫外線領域の光強度との差に基づいて、被検部位の欠陥の有無を判定するようにすることも可能である。そして、ここで、欠陥有りと判定された場合には、求められた被検部位のフィルム厚と、被検部位に対応する良品の部位の予め知られているフィルム厚との差に基づいて、撮像データのコントラストを強調するようにしても良い。
なお、検査光の照射は、同軸落射方式、あるいはそれに加えて拡散照明方式で行うようにしても良い。
一方、ある被検部位の撮像データが撮像されると、被検体である反射防止フィルムを所定長さ巻き取ることによって、次の被検部位を検査位置に配置するために巻取手段を用いるようにしても良い。この場合、巻取手段によって巻き取られることによって被検体にかかる張力によって被検部位に生じる光学的偏光方向に直交する偏光方向を有する偏向素子によって、反射光を偏光することを、分光することよりも先に行うようにする。これによって、欠陥でない光学的偏光をキャンセルすることができ、欠陥有無に関する誤判定の可能性を低減することが可能となる。
更に、被検体である反射防止フィルムを、紫外線吸収能力の高い物質からなる基材上に配置された状態で、所定の検査位置に配置する。これによって、反射防止フィルムの底面からの反射光に紫外線成分が含まれないようにすることができ、欠陥有無に関する誤判定の可能性を低減することが可能となる。
欠陥有りと判定された場合には、更に、以下のように、欠陥の内容をより詳細に把握することも可能である。
すなわち、欠陥有りと判定された場合であって、更に、被検部位の相関曲線から得られる紫外線領域の光強度が、予め定めた光強度しきい値を越えている場合には、この欠陥を傷または擦れによるものと判定するようにしている。
また、欠陥有りと判定され、更に、被検部位のフィルム厚と、被検部位に対応する良品の部位の予め知られたフィルム厚との差が、予め定めたフィルム厚しきい値を越えている場合には、被検部位の表面に異常があるものと判定するようにしている。
一方、欠陥無しと判定された場合であっても、被検部位のフィルム厚と、被検部位に対応する良品の部位の予め知られたフィルム厚との差が、予め定めたフィルム厚しきい値を越えている場合には、被検部位の内層側に異常があるものと判定するようにしている。これによって、より詳細な欠陥有無判定を行うことができる。
本発明の反射防止フィルムの欠陥検出装置および方法によれば、異物および膜厚変動を識別することができ、反射防止フィルムの欠陥検出を自動的に行うことが可能となる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る反射防止フィルムの欠陥検出方法を適用した反射防止フィルム欠陥検出装置の一例を示す構成図である。
すなわち、同実施の形態に係る反射防止フィルム欠陥検出装置は、光源部1と、光学系部2と、撮像部3と、処理部4とから構成しており、被検体である反射防止フィルム40の被検部位は、背面板6の上に配置されることによって、所定の検査位置に配置されるようにしている。そして、この被検部位の検査が終わると、図示しないフィルム巻取手段によって反射防止フィルム40が所定長さ搬送されることによって、図中に示す方向Fに沿って移動し、次の被検部位が検査位置に配置されるようにしている。このような検査、搬送を繰り返し行うことによって連続的に検査がなされるようにしている。
光源部1は、被検部位に対して検査光を照射するための機能を備えており、同軸落射方式で検査光を照射するための光源電源7、光源8、および偏光フィルタ9と、拡散照明方式で検査光を照射するための円筒形状の拡散照明部10とを備えている。
検査光としては、紫外領域から赤外領域までの可視領域を完全に含む広範囲の波長域をカバーする光を用いる。そのため、光源8としては、この波長域に発光強度分布を持つメタルハライドランプ等が好適である。光源電源7は、このような光源8に対して電源を供給する。光源8から発せられた検査光aは、偏光フィルタ9によって偏光された後に、光学系部2に備えられたハーフミラー11によって反射されることによって、検査位置に配置された反射防止フィルム40のフィルム面の法線方向と平行な光路を通って検査部位を照射するようにしている。なお、偏光フィルタ9の機能の詳細については後述する。
拡散照明部10は、検査位置に配置された反射防止フィルム40のフィルム面に対して、斜め方向から拡散光からなる検査光bを照射する。このような拡散照明部10は、可視領域に発光強度分布を持つ光源でもよいが、例えば、紫外領域に発光強度を持つ円筒形状のブラックライトが好適である。ただし、反射防止フィルム40の膜厚変動により、拡散照明部10からの正反射光が光学系部2に入り込まないように、十分な照明角度42を確保する必要がある。更に、拡散照明部10からの直接光が光学系部2に混入しないように、拡散照明部10の図中上部側に図示しない光遮蔽板を設けておくことが望ましい。
光学系部2は、ハーフミラー11と、偏光フィルタ12と、テレセントリック光学系13とを備えた鏡筒からなり、その内面を艶消し黒塗装、もしくは黒毛を使用したブラシ構造にするなど迷光処理を施している。
ハーフミラー11は、偏光フィルタ9を介してきた検査光aを、検査位置に配置された反射防止フィルム40のフィルム面に対する法線方向に反射させ、検査位置に配置された反射防止フィルム40を照射させる。また、検査光aが、検査位置に配置された反射防止フィルム40によって反射してなる正反射光cと、検査光bが、検査位置に配置された反射防止フィルム40によって散乱してなる散乱光dとが合成されてなる合成光eを透過して、偏光フィルタ12へと導く。この合成光eは、偏光フィルタ12によって偏光された後に、テレセントリック光学系13に導かれるようにしている。なお、偏光フィルタ12の機能の詳細については後述する。
テレセントリック光学系13は、この合成光eのうち、検査位置に配置された反射防止フィルム40のフィルム面の法線方向と平行な平行光成分fのみを取り出す。この光成分fは、撮像部3に送られるようにしている。
撮像部3は、5波長型色分解プリズム14と、結像レンズ15〜19と、撮像デバイス20〜24と、撮像回路25とを備えている。
5波長型色分解プリズム14は、テレセントリック光学系13から導かれた平行光成分fを、紫外領域、青領域、緑領域、赤領域、および赤外領域の5つの波長成分光に分光する。ここで、紫外領域は波長300〜380nm(1nmとは1×10−9m)、青領域は波長380〜500nm、緑領域は波長500〜600nm、赤領域は波長600〜780nm、および赤外領域は波長780nm以上である。ただし、上述した範囲は、おおよその値であり、実際には、隣接する波長領域はそれぞれその一部がオーバラップしている。
そして、結像レンズ15と撮像デバイス20、結像レンズ16と撮像デバイス21、結像レンズ17と撮像デバイス22、結像レンズ18と撮像デバイス23、結像レンズ19と撮像デバイス24からそれぞれなる5板式の撮像装置を形成している。
反射防止フィルム40は、人間の目視感度を持つ可視領域(380〜780nm)で評価されるのは当然のことであり、事実、この評価値が反射防止フィルム40の品質指標となっている。一方、多板式の撮像装置といえば、一般には、青領域、緑領域、および赤領域の3板式(カラー)のことを指す。この事実を踏まえた上で、敢えて上述したような5板式の撮像装置を適用している理由を以下に示す。
光学干渉を利用する反射防止フィルムなどでは、可視光領域(380〜780nm)では殆ど変化しないが、紫外領域では、光吸収特性が著しく変化する特性を持つ材料を使用することが多い。このような場合、反射防止フィルムの基材部や、レンズのコーティング時に使用する銀や銅も、紫外領域では、光吸収率が急激に増加する。このため、透明の被検体からの反射光を撮像する場合に問題となる裏面からの透過光を低減でき、反射光のコントラストを上げることができるため、高品位の撮像を得やすくなるというメリットが生じる。したがって、基材部には、紫外線吸収能力の高い物質を意図的に用いるようにしても良い。
赤外領域では、紫外領域における光強度差よりは少ないものの、反射防止フィルム40は、可視領域と比較して反射率が増加する傾向にあることが多い。このため、反射防止フィルム40の材質的特性上、紫外光を長時間照射することに問題がある場合などは赤外光で代用することもできる。また、紫外領域、あるいは赤外領域において、どちらか一方の領域で他方の領域の特性をカバーできる場合には、5波長にする必要は必ずしも無く、例えば4波長であっても良い。
さて、5波長型色分解プリズム14は、図2にその構成概念を示すように、5個のダイクロックミラー51〜55を接合することによって形成している。隣接するダイクロックミラー同士を接着している接合稜57〜60には、特定の波長領域の光を反射する蒸着膜が塗布されており、これによってバンドトラップフィルタとして機能するようにしている。例えば、接合稜57には紫外領域の光のみを反射する、接合稜58には青領域よりも波長の低い光のみを反射する、接合稜59には緑領域よりも波長の低い光のみを反射する、接合稜60には赤領域よりも波長の低い光のみを反射する光学蒸着膜をそれぞれ塗布している。
これによって、入力稜50から入射された平行光成分fは、ダイクロックミラー51の中を直進し、接合稜57において、直進光と、反射光とに分離されるようにしている。ここで直進光は、紫外領域以外の波長の光成分となって更にダイクロックミラー52に入射し、その中を直進する一方、反射光は紫外領域光gとなる。この紫外領域光gは、入力稜50において全反射(ブリュースタ角未満の入射角で光を入射させること)した後、結像レンズ15に導かれ、この結像レンズ15によって撮像デバイス20上に撮像されるようにしている。
ダイクロックミラー52の中を直進する直進光は、接合稜58において、更に直進光と、反射光とに分離されるようにしている。この反射光は、青領域光hとなり、接合稜57において全反射した後、結像レンズ16に導かれ、この結像レンズ16によって撮像デバイス21上に撮像されるようにしている。一方、この直進光は、緑領域以上の波長領域の光成分となってダイクロックミラー53に入射し、その中を直進する。
ダイクロックミラー53の中を直進する直進光は、接合稜59において、更に直進光と、反射光とに分離されるようにしている。この反射光は、緑領域光iとなり、接合稜58において全反射した後、結像レンズ17に導かれ、この結像レンズ17によって撮像デバイス22上に撮像されるようにしている。一方、この直進光は、赤領域以上の波長領域の光成分となってダイクロックミラー54に入射し、その中を直進する。
ダイクロックミラー54の中を直進する直進光は、接合稜60において、更に直進光と、反射光とに分離されるようにしている。この反射光は、赤領域光jとなり、接合稜59において全反射した後、結像レンズ18に導かれ、この結像レンズ18によって撮像デバイス23上に撮像されるようにしている。一方、この直進光は、赤外領域光kとなってダイクロックミラー55に入射し、出力稜56を通過した後、結像レンズ19に導かれ、この結像レンズ19によって撮像デバイス24上に撮像されるようにしている。
このような機能を有する5波長型色分解プリズム14の代わりに、例えばファブリベロの間隔を調整することによりバンドトラップフィルタ(ノッチフィルタ)を形成するようにしても良い。また、波長選択プリズム型ビームスプリッタは、比較的構造が簡単であり、同様のセパレート効果が期待されるが、プリズム1段あたり光強度が約1/2になる。このため、本発明の実施の形態のように、5波長を分解する場合、最終段では光強度が1/32になってしまうため、5波長型色分解プリズム14の方が適している。
各撮像デバイス20〜24は、例えばラインCCDからなり、それぞれ対応する結像レンズ15〜19によって結像された光の強度に応じた電荷に変換する。このような撮像デバイスとしては、被検部位の有効範囲が比較的小さく、周期性のある場合には、2次元撮像デバイスを用いる。また、周期性がなく、連続している場合には、1次元デバイスを用いるのが有利である。なお、1次元デバイスを用いた場合には、被検部位に対する1軸方向の移動機構が必要となる。
撮像回路25は、各撮像デバイス20〜24によって変換された電荷をサンプリングし、デジタル化し、その値を各撮像デバイス20〜24に関連付けて処理部4へと出力する。
次に、反射防止フィルム40の構造と特性とについて、図3を用いて説明する。図3に示す反射防止フィルムは、LR型の反射防止フィルム(以下、「LR反射防止フィルム」と称する)であり、入射光64が入射した場合の光学的作用を示す断面図である。
LR反射防止フィルム41は、厚さ数μm程度の基材フィルム62上にLR層61が塗布されてなる。LR層61の膜厚は、検査光の1/4波長近辺にするために、およそ数十〜数百nmになる。LR層61の屈折率n1は、低屈折率の方が望ましく、複合材料により1.2〜1.4前後となる(波長特性を持ち、紫外光では屈折率が大きくなる傾向がある)。基材フィルム62の屈折率n2は、一般にLR層61の屈折率n1に対して、その2乗値にすることが多い。
以上が、LR反射防止フィルム41としての完成品の一例であるが、LR反射防止フィルム41は屈折率界面77の部分で、反射光(反射率)を落とすべきターゲット媒質32と密着接合することにより、LR反射防止フィルム41としての効力を発揮する。
次に、LR反射防止フィルム41に入射光64を、入射光光軸63に対して、入射角65(θ1)の角度で照射した場合における干渉現象について説明する。この場合、先ず屈折率界面75により、入射光64は、LR表面反射光66とLR入射光67とに分離する。両者の方向は以下の(1)式に示すスネル(デカルト)の法則に従う。但し、n0は、LR層61の表面を覆っている媒質の屈折率(空気の場合1.0)であり、θ2は、屈折角68である。
n0×sin(θ1)=n1×sin(θ2) ・・・・(1)式
また、以下の(2)式および(3)式が成り立つ。
Rp=Ip×((n1−n0)/(n1+n0))^2 ・・・・(2)式
Tp=Ip−Rp−Ap−Dp ・・・(3)式
ここで、Ipは入射光強度、Rpは反射光強度、Tpは透過光強度、ApはLR反射防止フィルム41の内面における光吸収成分強度、Dpは光散乱成分強度である。
LR入射光67はLR層61を通過し、屈折率界面76により、LR裏面反射光69と基材入射光71とに分離される。なお、屈折と反射とは界面に衝突する度に再屈折し、1〜n次光を生じる。図3では、2次光である2次反射光70を図示しているが、説明を簡略化するために、1次光成分のみについて考えるものとする。
反射防止効果は、LR表面反射光66とLR裏面反射光69との干渉により発生する。ここで、LR層61の膜厚をdとすると、LR層61の光学的膜厚Dは、以下に示す(4)式の通り表される。
D=n1×d/cos(θ1) ・・・(4)式
ここで、θ1を十分に小さく取り、 D=n1×d ・・・(4’)式 と近似する。
いま、入射光の波長λと、自然数mとを用い、以下に示す(5)式が成立する場合、反射光は干渉により弱め合う。
D=(2m−1)×λ/4 ・・・(5)式
そして、このときの反射率Rminは、以下に示す(6)式の通りである。
Rmin=((n2×n0−n1)/(n2×n0+n1))^2 ・・・(6)式
一方、以下に示す(7)式が成立する場合には、反射光は干渉により強め合う。
D=(2m)×λ/4 ・・・(7)式
そして、このときの反射率Rmaxは、以下に示す(8)式の通りである。
Rmax=((n2−n0)/(n2+n0))^2 ・・・(8)式
上記(4’)〜(8)式において、n1=1.3、n2=1.69、d=100(nm)とすると、波長λ(nm)=520、173、104、・・・の光に対して、反射率R=0.017(1.7%)まで弱めあい、波長λ(nm)=260、130、75、・・・の光に対して、反射率R=0.066(6.6%)まで強めあう。
このようなLR反射防止フィルム41と接合するターゲット媒質32の屈折率npを用いると、このターゲット媒質32自体の反射率R0は、以下に示す(9)式の通り表される。
R0=((np−n0)/(np+n0))^2 ・・・(9)式
このとき、np=1.5とすると、R0=0.04(4%)となり、光学的膜厚Dの値を選択してRminの値を取るようにすれば、反射率を約1/2.4に改善することが可能となる。通常、波長λは人間の最大比視感度である550nmを基準に取ることが多い。
上述した反射率の範囲Rmin〜Rmaxを撮像部3で撮像する場合、フィルム透過光73がLR反射防止フィルム41の下の媒体面78に反射することにより生じるフィルム裏面透過光74の影響を受けることを考慮しなければならない。すなわち、撮像される光成分には、反射光であるLR表面反射光66とLR裏面反射光69との干渉光の他に、フィルム裏面透過光74が含まれている。以降、フィルム裏面透過光74の光成分を抑制する方法について説明する。
フィルム裏面透過光74の光成分を抑制するため、先ず第1に、LR反射防止フィルム41の光吸収特性を利用する。LR反射防止フィルム41は、可視領域では吸収は殆ど無いが、紫外領域での吸収率A(f)は著しく大きい傾向にある。フィルム裏面透過光74は、LR反射防止フィルム41を2度透過するため、光強度が(1−A(f)^2)倍に減衰する。これが、本発明の実施の形態において紫外領域に対する撮像デバイス20を設けている最大の理由である。
第2に、LR反射防止フィルム41の偏光特性を利用する。一般に基材フィルム62は張力をかけることにより、張力方向に偏光を生じることが多い。ここで、一例であるが、LR反射防止フィルム41を構成する基材フィルム62をある一定の張力で引き延ばした状態でLR層61を塗布すると、基材フィルム62のみが偏光特性をもつLR反射防止フィルム41を製造することができる。また、フィルム巻取手段によって巻き取られる場合にも、方向Fに沿って張力が与えられることから、同様な偏光特性を持つことができる。
このようなLR反射防止フィルム41に対して、偏光フィルタ9によって偏光された検査光a、あるいは偏光フィルタ9を使用しない無偏光の検査光aを照射すると、LR表面反射光66とLR裏面反射光69とは偏光されないが、フィルム裏面透過光74は張力方向の直線偏光を生じる。
この直線偏光された光は、それと直角方向の向きを持つ偏光フィルタ12により、大半は通過できない。それに対して、LR表面反射光66とLR裏面反射光69とは、前記直角方向と平行な光成分を持つために、この成分が通過する。これにより、フィルム裏面透過光74のコントラストを落とすことが可能となる。これを図4を用いて説明する。
図4(a)は図3にその断面図を示すようなLR反射防止フィルム41の斜視図であり、図4(b)は入射光64の進行方向に直交する面81における電界強度分布82の例を示す図であり、図4(c)はLR表面反射光66の進行方向に直交する面83における電界強度分布84の例を示す図であり、図4(d)はLR裏面反射光69の進行方向に直交する面85における電界強度分布86の例を示す図であり、図4(e)はフィルム裏面透過光74の進行方向に直交する面87における電界強度分布88の例を示す図である。また、図4(f)、図4(g)、および図4(h)は、偏光フィルタ12の偏光方向を示す図である。
更に、図4(i)は、偏光フィルタ12を通過した後のLR表面反射光66の進行方向に直交する面83における電界強度分布84’の例、図4(j)は、偏光フィルタ12を通過した後のLR裏面反射光69の進行方向に直交する面85における電界強度分布86’の例、図4(k)は、偏光フィルタ12を通過した後のフィルム裏面透過光74の進行方向に直交する面87における電界強度分布88’の例をそれぞれ示す図である。図4(i)および図4(j)に示すように、LR表面反射光66およびLR裏面反射光69については、偏光フィルタ12によってy方向に偏光されている。一方、フィルム裏面透過光74については、図4(e)に示すように、元々張力方向に偏光されているので、図4(k)に示すように、偏光フィルタ12を通過できる成分は殆ど無い。
次に、反射防止フィルムの欠陥について、図5を用いて説明する。この欠陥は、大別して、図5(a)に示すようなLR層61の欠陥であるカテゴリAと、図5(b)に示すような基材フィルム62の欠陥であるカテゴリBとがある。それぞれについて、欠陥のパターンをモデル化することによって、合計10の欠陥パターンを示している。更に、説明のために、高さ方向を引き伸ばして強調して表示している。
まず、カテゴリAとして、LR層61の高低の変化として表れる欠陥の例について説明する。欠陥91は、基材フィルム62の凹部110がそのままLR層61に表れた欠陥パターンである。欠陥92は、基材フィルム62には問題ないが、LR層61に凹部が生じた欠陥パターンである。欠陥93は、基材フィルム62の凸部111がそのままLR層61に表れた欠陥パターンである。欠陥94は、基材フィルム62には問題ないが、LR層61に凸部が生じた欠陥パターンである。欠陥95は、基材フィルム62には問題ないが、異物112が混入した結果、LR層61に凸部が生じた欠陥パターンである。欠陥96は、LR層61上に傷や擦れが生じている欠陥パターンである。
次に、カテゴリBとして、基材フィルム62に欠陥があるが、LR層61の高低の変化として表れない欠陥の例について説明する。欠陥97は、基材フィルム62上に異物112が混入しているが、LR層61上に凹凸が生じていない欠陥パターンである。欠陥98は、基材フィルム62に凹部110が生じているが、LR層61上に凹凸が生じていない欠陥パターンである。欠陥99は、基材フィルム62に凸部111が生じているが、LR層61上に凹凸が生じていない欠陥パターンである。欠陥100は、基材フィルム62上に傷や擦れが生じているが、LR層61上に凹凸が生じていない欠陥パターンである。
欠陥95の形状の一例を図6乃至図8に示す。図6は平面図であって、図7および図8は図6に示すX−X線に沿った断面図である。この場合、異物112による欠陥は非常に小さく、欠陥範囲113において相対的に膜厚が大きく変化する傾向にある。ただし、図8に示すように、異物112は、滑らかな形状をしているのは希であって、図7に示すように、不規則な形状になっていることが多い。このため、この部分で散乱が生じたり、予期せぬ角度で正反射したり、反射光の光路予測が困難になる。また、異物112による欠陥周辺部では、比較的大きな欠陥範囲113で相対的に微少な膜厚変化(高さ方向における変化)を引き起こしている。これが図6中で等高線で示す裾野を形成している。
欠陥93,94に対する光学作用の一例を図9を用いて説明する。図9は、LR層61の欠陥93,94における光の反射作用を示すLR層61の立断面図である。120は、欠陥のない場合におけるLR層61の上面を示している。欠陥93,94では、LR層61の表面方向に対して傾斜角Δθ(x,y)を有しており、これによって、LR層61の上面は121の通りとなり、非常に緩やかな裾野を形成している。なお、欠陥93,94がLR層61の表面に対して凸部であるのに対し、欠陥91,92部は、LR層61の表面に対して凹部であり、LR層61の厚み方向に対して裾野を形成する方向が逆であるだけである。また、図9に示すような光の作用は、欠陥95に対しても適用されるものである。
すなわち、欠陥91〜95は、図9に示すように、LR層61の表面方向に対してΔθ(x,y)の微少な角度変化125を生じている。そのため、正反射光124は光軸122、または照射光123に対して2Δθ(x,y)の角度126をなす。背面板6は、このような正反射124の成分を最小限に抑えるために、表面を黒色にするとともに、その表面に更に艶消しコーティングを施している。
なお、図示していないが、背面板6は、反射防止フィルム40が弛まないように固定する固定手段を備えている。また、図1に示すような平面形状の背面板6に代えて、ローラ形状のものを用いるようにしても良い。このローラもまた、背面板6と同様の材質、機能を備え、かつ十分な平面度や軸芯精度を持つものとする。
上述したように、正反射光124は光軸122、または照射光123に対して2Δθ(x,y)の角度126をなすので、テレセントリック光学系13の絞り角を2Δθ(x,y)以下にすることにより、正反射光124は結像しなくなる。一方、欠陥が無く、LR層61が平面である場合の正反射光124の強度は、LR反射防止フィルム41の反射率に比例する。LR反射防止フィルム41は、光の干渉現象を利用して可視領域における反射率を下げることを目的とするものであり、中心波長λから大きくずれた紫外領域や赤外領域では、干渉効果が低くなるために、反射率は可視領域と比較して高くなる傾向にある。このため、欠陥をコントラスト良く撮像するためには、可視領域を使用するよりも、紫外領域、または赤外領域かのいずれかの反射率の高い方の領域を使用すればよい。
欠陥96は、上述した欠陥91〜95と同様にして強調可能となる。傷や擦れは、何らかの物質がフィルム面に圧力接触することにより生じるため、欠陥中心部でのLR層61の膜厚が不定形となり、光拡散面の様相を呈することが多い。このため、円筒形状の拡散照明部10を設けることにより、拡散照明部10からの検査光bに対する散乱角を生じやすく、より欠陥のコントラストを改善できる。
欠陥97は、異物112の持つ色により撮像原理が異なる。異物112が高輝度色(白色)を有する場合には、この部分により反射する正反射光の強度は、欠陥のない場合と比較して大きくなる。異物112が低輝度色(黒色)を有する場合、および異物112が透明である場合には、光学的膜厚Dが変化し、干渉波長がシフトすることにより、青領域、緑領域、および赤領域のバランスが崩れる。このバランスの崩れを強調することにより、欠陥のコントラストを改善する。ここで注意すべきは、異物112は透明色であっても、LR層61と屈折率が異なるため反射を生じる。このため、干渉波長がずれることである。
欠陥98,99はともに光学的膜厚Dが変化し、干渉波長がシフトすることにより、青領域、緑領域、および赤領域のバランスが崩れる。このバランスの崩れを強調することにより、欠陥のコントラストを改善する。欠陥99は、青色方向に偏移する。この様子を図10に示す。
図10において横軸は波長、縦軸は正反射光強度、131は光学的膜厚Dが設計値を取る場合、132は光学的膜厚Dが設計値よりも厚い場合、133は光学的膜厚Dが設計値よりも薄い場合である。設計値に対して光学的膜厚Dが厚くなると、正反射光強度は設計値よりも、紫外領域側では大きくなり、赤外領域側では小さくなる一方、設計値に対して光学的膜厚Dが薄くなると、紫外領域側では小さくなり、赤外領域側では大きくなる。この差は、設計値と光学的膜厚Dの乖離量に比例している。
したがって、良品である反射防止フィルム40について予め図10に示すような波長と正反射光強度との相関関係を取得しておく。そして、各撮像デバイス20〜24を用いて被検体の各波長における撮像データを取得し、その撮像データを用いて例えば2次曲線近似することにより図10に示すような相関関係を把握し、良品の相関関係と比較する。そして、この比較の結果、両者に、ある一定値以上の乖離が見られる場合には、該被検部位のフィルム厚は、許容値以上異なっている、すなわち欠陥があるものと判定することができる。上述したように、光学的膜厚Dの変動に対する正反射光強度の感度は、可視領域よりもむしろ紫外領域や赤外領域の方が大きいので、紫外領域または赤外領域の正反射光強度についてある閾値を設け、該被検部位において得られた正反射光強度が、この閾値を越えている場合には、欠陥があるものと判定する。
欠陥100は欠陥96とほぼ同様であるが、角度126を、屈折率界面75に対するブリュースタ角以上にする必要がある。なお、検査光aによる同軸落射照明と、検査光bによる拡散光照明とを点灯制御することにより、時間的制約がない限り、時系列に個別点灯して各々撮像するほうが、より高精度に欠陥を検出できる。
ここで、撮像部3の分解能を決定する上での重要なポイントを付記しておく。非透明で色を有する任意輝度の異物112のサイズは、一例であるが10〜100μmである。一方、異物112を形成する欠陥範囲113のサイズは、その6〜10倍になることが多い。10μmサイズの異物112を確実に検出するには、例えばラインCCDからなる撮像デバイス20〜24において、1ピクセルあたりの幅方向分解能が最低でも3.3μm以下にしなければならない。この条件で、フィルム幅1000mmを越える反射防止フィルム40の全幅を検査するためには、 1000mm/3.3μm=33万ピクセル ものピクセルを配列する必要がある。これは、4000画素ラインのCCDで単純換算すると84台に相当する。また、1ピクセルあたりのフィルム流れ方向分解能は、反射防止フィルム40の走行速度に依存する。例えば、この走行速度が10m/分で、80MHz駆動の4000画素ラインCCDを使用する場合、流れ方向分解能は17μmである。つまり、このようなCCDを使用することはできず、より高速でかつより少ない画素数のCCDを選択しなければならない。加えて、撮像デバイスのレイアウトの困難さ、かかるコスト面からも現実性に乏しい。
一般に市場におけるフィルム検査技術では、透過照明方式で有色性の異物112を検査する方法を採用している場合が多いが、前記条件とはほど遠く、数10μm前後に幅方向分解能を設定するのが現実的であり、より大きいサイズの異物112しか検出できていない。一方、異物112の形成する欠陥範囲113は、撮像すること自体は困難であるが、異物112より十分にサイズが大きい。したがって、同実施の形態では、欠陥範囲113を検出することを目的としている。10μmサイズの異物112における欠陥範囲113の大きさは約60μmであり、この異物112を確実に検出するのに必要な分解能は20μmで済む。前記条件と同一の条件では、4000画素ラインCCDで単純換算すると13台に相当し、該条件で流れ方向分解能も20μmを実現することができる。これが同実施の形態で奏される一つの効果である。更に、異物112が透明無色であっても、有色性の異物112と同様に検出できることも同実施の形態で奏されるもう一つの効果である。
次に、撮像デバイス20〜24によって撮像された撮像データに対して、処理部4で行う欠陥部をより高いコントラストで表示する方法について説明する。処理部4は、撮像データ制御インタフェース部26と、撮像データ蓄積部27と、コントラスト改善部28と、画像表示部29と、相関曲線判定部30とを備えている。
撮像データ制御インタフェース部26は、撮像デバイス20〜24によって撮像された撮像データを撮像回路25を介してそれぞれ取得すると、撮像タイミングや露光タイミング等、各撮像デバイス20〜24のタイミングを生成し、取得した撮像データを撮像データ蓄積部27に蓄積させる。
撮像データ蓄積部27は、反射防止フィルム40が検査位置に配置されていない状態で検査光aおよび検査光bを照射し、各撮像デバイス20〜24によって撮像された撮像データを、被検部位および撮像元の撮像デバイス20〜24に関連付けて記憶している。また、撮像データ制御インタフェース部26から送られた撮像データを、撮像元の撮像デバイス20〜24に関連付けて記憶している。更に、良品の反射防止フィルム40について、各撮像デバイス20〜24によって撮像された撮像データを、部位および撮像元の撮像デバイス20〜24に関連付けて記憶している。
相関曲線判定部30は、撮像データ蓄積部27に記憶された被検体の反射防止フィルム40の撮像データに基づいて、例えば2次曲線近似することによって図10に示すような相関曲線を把握する。更に、撮像データ蓄積部27に記憶された良品の反射防止フィルム40の同一部位の撮像データに基づいて、例えば2次曲線近似することによって図10の131に示すような相関曲線を把握する。そして、両相関曲線を比較し、両者の正反射光強度に、ある一定値以上の乖離が見られる場合には、該被検体の被検部位のフィルム厚は、許容値以上異なっている、すなわち欠陥があるものと判定する。図10に示すように、光学的膜厚Dの変動に対する正反射光強度の感度は、可視領域よりもむしろ紫外領域や赤外領域の方が大きいので、紫外領域または赤外領域の正反射光強度について設計値の値に対してある閾値を設け、正反射光強度が、この閾値を越えている場合には、欠陥があるものと判定する。また、この正反射光強度の乖離量と光学的膜厚Dとの相関関係を把握しておき、乖離量からフィルム膜厚を求める。
コントラスト改善部28は、撮像データ蓄積部27に記憶された撮像データを、欠陥部を強調した画像に変換する。画像表示部29は、コントラスト改善部28によって変換された画像を表示する。以下に、コントラスト改善部28においてなされる処理の具体例について図11を用いて説明する。
すなわち、図11は、コントラスト改善部28が、撮像データ蓄積部27に蓄積された紫外領域における(撮像デバイス20によって撮像された)撮像データ151、赤外領域における(撮像デバイス24によって撮像された)撮像データ152、青領域における(撮像デバイス21によって撮像された)撮像データ153、緑領域における(撮像デバイス22によって撮像された)撮像データ154、および赤領域における(撮像デバイス23によって撮像された)撮像データ155の5種類の撮像データに対する処理の流れを示す図である。ここで、背面撮像データ156〜160は、反射防止フィルム40が検査位置に配置されていない状態で検査光aおよび検査光bを照射し、各撮像デバイス20〜24によって撮像された撮像データ(以下、「背面撮像データ」と称する)であって、156が紫外領域における背面撮像データ、157が赤外領域における背面撮像データ、158が青領域における背面撮像データ、159が緑領域における背面撮像データ、160が赤領域における背面撮像データである。これら背面撮像データ156〜160は、背景である背面板6からの反射光や散乱光をキャンセルするために用いる。
次に161〜164に示す各部位で前処理を行う。この前処理は、紫外領域の撮像データ151と背面撮像データ156、赤外領域の撮像データ152と背面撮像データ157、青領域の撮像データ153と背面撮像データ158、緑領域の撮像データ154と背面撮像データ159、および赤領域の撮像データ155と背面撮像データ160に対してそれぞれ行う共通の処理であるので、ここでは、紫外領域の撮像データ151と背面撮像データ156とに対して行う処理のみを代表的に説明する。
輝度補正部161では、撮像データ151に対して、必要に応じてコントラスト変換、またはγ補正などを行い、補正した撮像データ151aをシェーディング補正部162に送る。
シェーディング補正部162は、被検体である反射防止フィルム40をライン状またはエリア状に撮像した場合に必要となる処理を、撮像データ151aに対して行う。そして、処理を施した撮像データ151bをバックグランドキャンセル部163に送る。
バックグランドキャンセル部163は、撮像データ151bと背面撮像データ156とを用いて、以下の(1)式に示す画面間演算に従って変換処理を行い、変換処理後の撮像データ151cをバンドパスフィルタ164に送る。
Im’=FIX(Im(x、y)、Bk(x、y)) ・・・(1)式
ここで、Im’は変換処理後の撮像データ151c、Im(x、y)は変換処理前の撮像データ151b、Bk(x、y)は背面撮像データ156である。また、関数FIXは、以下に示す(2)式、(3)式の通りである。
FIX(A,B)=A−B (A≧B) ・・・(2)式
FIX(A,B)=0 (A<B) ・・・(3)式
バンドパスフィルタ164は、撮像データ151cのナイキスト周波数に近い周波数成分、および撮像データ151cのサグに相当する周波数成分を除去し、除去後の撮像データ151dを生成する。前者は折り返し歪みの防止のため、後者は人間の視覚特性上で確認不可能な緩い膜厚変動成分の除去のために行う。
以上が、各波長成分の撮像データおよび背面撮像データ毎に行われる前処理である。各バンドパスフィルタ164によって生成された撮像データ151d,152d,153d,154d,155dのうち、紫外領域の撮像データ151dと赤外領域の撮像データ152dとはマルチプレクサ165へ、可視領域の撮像データ153d,154d,155dは、それぞれRGB加算器166と色差強調部167とに送られる。
マルチプレクサ165は、紫外領域の撮像データ151dと赤外領域の撮像データ152dとのうち、前述したように特性をより代表できる方を選択し、選択した画像データ183を非反射トラッキング部168、自動閾値生成部170、散乱検出部171、およびマルチプレクサ177に出力する。
RGB加算器166は、可視領域の各撮像データ153d,154d,155dを加算し、加算した画像データ184を、非反射トラッキング部172、自動閾値生成部174、散乱検出部175、およびマルチプレクサ177に出力する。この加算処理時には、各撮像データ153d,154d,155dに対して適宜重み付け処理を施しても良い。
色差強調部167は、可視領域の各撮像データ153d,154d,155dに対して色差強調処理を施し、処理後の画像データ185をテクスチャ合成部179に送る。この色差強調処理として一番単純な方法は、
|(撮像データ153d)−(撮像データ155d)|
である。これは、反射防止フィルム40が干渉波長のシフトにより青領域と赤領域とでの光強度特性が逆(増加←→減少)になる特性を持つからである。視覚特性に重点をおく場合には、均等色空間であるL表色系(CIE Lab空間)に変換し、色相、彩度で評価することも可能としている。
非反射トラッキング部168,172は、それぞれ画像データ183,184に対して、正反射光が入射していない領域を検出する。正常な反射防止フィルム40では、光軸に対して垂直であるために、反射防止フィルム40の反射率特性に応じた正反射光が入射される。一方、反射防止フィルム40に欠陥があり、図9に示すように、LR層61の表面方向に対してΔθ(x,y)の微少な角度変化125を生じている場合には、その角度変化125ゆえに正反射光が入射しなくなる。非反射トラッキング部168,172は、この両者の光量差から欠陥を識別する。この処理は、非反射トラッキング部168が紫外領域と赤外領域に対して行い、非反射トラッキング部172が可視領域に対して行うが、前述したように、紫外領域または赤外領域に対して行った方が、反射防止フィルム40の反射率が高いために有利である。そして、処理後の画像データ183a,184aを、それぞれイロージョン/ダイレーション部169,173に送る。
イロージョン/ダイレーション部169,173は、画像データ183a,184aに対してそれぞれモフォロジー処理の一種であるイロージョン/ダイレーションの繰り返し処理を行うことにより、微小な非欠陥部を消去する。正反射光のない部分が抽出された画像データ183a,184aでは、欠陥の周辺部(欠陥範囲113)は、LR層61の表面方向に対してΔθ(x,y)の微少な角度変化125を生じているため、異物112は容易に検出される。しかしながら、異物112の中心部は傾斜を持たず平坦な形状となるために、欠陥として検出されない恐れがある。このため、異物112の形状としてはドーナツ状になる傾向がある。ここで行う処理は、このドーナツの内部の非欠陥部を埋めるための処理である。そして、イロージョン/ダイレーション部169は、このような処理の結果得られた画像データ183bをマルチプレクサ176に送り、イロージョン/ダイレーション部173は、このような処理の結果得られた画像データ183bをマルチプレクサ176、テクスチャ合成部179に送る。
自動閾値生成部170,174は、それぞれ画像データ183,184に基づいて、被検体から入射した光成分のうち、散乱光の成分を検出するための閾値を生成する。そして、生成した閾値186,187を散乱検出部171,175にそれぞれ送る。具体的な閾値の生成方法としては、入力された画像データをIm(x、y)とした場合、以下の(4)式に示すような移動平均を行った画像データを生成する方法が挙げられる。
Figure 2006113022
ここで、Im’(x、y)は生成された画像データ、Nは移動回数の平均値(奇数値を取る正の整数)、aijは加重係数である。
散乱検出部171,175は、それぞれ画像データ183,184に対して、バイナリゼーション処理を行う。このバイナリゼーション処理は、それぞれ画像データ183,184をIm(x、y)、それぞれ閾値186,187をTh(x、y)として以下の(5)式が成立する場合には処理結果Im’(x、y)=1、成立しない場合には処理結果Im’(x、y)=0とすることによってなされる。
Im(x、y)>Th(x、y)+α ・・・(5)式
ここで、αはオフセット値である。Im’(x、y)=1の場合、散乱光が生じていることを意味する。なお、散乱光は、正反射光と比較して大きな値を取る場合が多いため、オフセット値αも大きく取るほうが望ましい。そして、散乱検出部171は、このようなバイナリゼーションの処理結果188をマルチプレクサ178に送り、散乱検出部175は、同様にバイナリゼーションの処理結果189をマルチプレクサ178およびテクスチャ合成部179に送る。
マルチプレクサ176は、画像データ183bと画像データ184bとのうちの何れかを選択し、選択した画像データをローカルエリアコントラスト変換部180に送る。ここで行う選択は、LR層61の表面に影響が出る欠陥に対して、何れの画像データを用いるかの選択である。
マルチプレクサ177は、画像データ183と画像データ184とのうちの何れかを選択し、選択した画像データをローカルエリアコントラスト変換部180に送る。ここで行う選択は、画像表示部29から表示すべき画像データとして、何れの画像データを用いるかの選択である。
マルチプレクサ178は、処理結果188と処理結果189とのうちの何れかを選択し、選択した処理結果をローカルエリアコントラスト変換部180に送る。ここで行う選択は、散乱光を生じる欠陥に対して、何れの処理結果を用いるかの選択である。
テクスチャ合成部179は、LR層61の表面欠陥の影響を受けないようにするため、画像データ184b,185,189をそれぞれ合成することにより、LR層61の表面に出てこない欠陥98,99のみを強調することにより基材層表面画像182を生成し、画像表示部29に出力する。中心波長のシフトを計測する場合、フィルムの傾斜や散乱が生じると計測が困難になる。このため、一番簡単な方法としては、画像データ184bおよび処理結果189のどちらか一方でも1である場合に色差強調部167からの画像データ185の値をキャンセルする方法がある。
ローカルエリアコントラスト変換部180は、マルチプレクサ177から送られた画像データに対して、マルチプレクサ176からの画像データ、またはマルチプレクサ178からの画像データのどちらか一方でも出力が1の場合に、この出力に応じて、対応する画像位置の部分のコントラストを強調し、LR層表面画像181を生成し、画像表示部29に出力する。例えば、最初にマルチプレクサ177から出力される画像データを中間階調にしておき、マルチプレクサ176の出力が1の場合は、高輝度側にコントラスト変換(N倍に輝度を引き上げる)しても良い。加えて、グラフィックカーソルを使用したマーキングなどの視認容易性を上げるための処理を追加しても良い。この部分は、いわゆる画像装飾の処理である。
画像表示部29は、LR層表面画像181と基材層表面画像182とを表示する。LR層表面画像181は、LR層61の表面の高低変化として現れる欠陥91〜95と、不定形の形状から散乱光を生じる欠陥96,100と、高輝度な異物112を有する欠陥97を表示する。基材層表面画像182は、LR層61の表面の膜厚変化として現れず、単なる膜厚変化として現れる欠陥98,99と、透明な異物112を有し、屈折率が変化する欠陥97を強調して表示する。なお、画像表示部29は、LR層表面画像181と基材層表面画像182とを同時に2つ表示するための2つの表示系統を備えているのが好ましいが、必ずしも2つの表示系統を備えていなくても1画面で表示したり、各領域単位で表示するようにしても良い。
上述したように、本発明の実施の形態に係る反射防止フィルムの欠陥検出方法を適用した反射防止フィルム欠陥検出装置においては、上記のような作用により、異物およびフィルム膜厚変動を識別することができ、反射防止フィルム40の欠陥検出を自動的に行うことが可能となる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の実施の形態に係る反射防止フィルムの欠陥検出方法を適用した反射防止フィルム欠陥検出装置の一例を示す構成図。 5波長型色分解プリズムの構成概念図。 LR反射防止フィルムに検査光が入射した場合の光学的作用を示す図。 LR反射防止フィルムの斜視図と入射光および反射光の電界強度分布を示す図。 欠陥パターンの例を示す模式図。 欠陥の周囲を含む領域の典型例を示す平面図。 図5に示すX−X線に沿った断面図の一例。 図5に示すX−X線に沿った断面図の別の一例。 欠陥における光の反射作用を示すLR層の立断面図。 光学的膜厚の変化により、正反射光強度の分布が変化する状態を示す図。 コントラスト改善部の構成例を示す機能ブロック図。
符号の説明
F…方向、a,b…検査光、c…正反射光、d…散乱光、e…合成光、f…平行光成分、g…紫外領域光、h…青領域光、i…緑領域光、j…赤領域光、k…赤外領域光、n…屈折率、R…反射率、1…光源部、2…光学系部、3…撮像部、4…処理部、6…背面板、7…光源電源、8…光源、9…偏光フィルタ、10…拡散照明部、11…ハーフミラー、12…偏光フィルタ、13…テレセントリック光学系、14…5波長型色分解プリズム、15〜19…結像レンズ、20〜24…撮像デバイス、25…撮像回路、26…撮像データ制御インタフェース部、27…撮像データ蓄積部、28…コントラスト改善部、29…画像表示部、32…ターゲット媒質、40…反射防止フィルム、41…LR反射防止フィルム、42…照明角度、50…入力稜、51〜55…ダイクロックミラー、56…出力稜、57〜60…接合稜、61…LR層、62…基材フィルム、63…入射光光軸、64…入射光、65…入射角、66…LR表面反射光、67…LR入射光、68…屈折角、69…LR裏面反射光、70…2次反射光、71…基材入射光、73…フィルム透過光、74…フィルム裏面透過光、75〜77…屈折率界面、78…媒体面、81,83,85,87…面、82,84,86,88…電界強度分布、91〜100…欠陥、110…凹部、111…凸部、112…異物、113…欠陥範囲、122…光軸、123…照射光、124…正反射光、125…角度変化、126…角度、151〜155…撮像データ、156〜160…背面撮像データ、161…輝度補正部、162…シェーディング補正部、163…バックグランドキャンセル部、164…バンドパスフィルタ、165…マルチプレクサ、166…RGB加算器、167…色差強調部、168,172…非反射トラッキング部、169,173…イロージョン/ダイレーション部、170,174…自動閾値生成部、171,175…散乱検出部、176〜178…マルチプレクサ、179…テクスチャ合成部、180…ローカルエリアコントラスト変換部、181…LR層表面画像、182…基材層表面画像、183〜185…画像データ

Claims (24)

  1. 反射防止フィルムの欠陥を検出する装置であって、
    所定の検査位置に配置された被検体である前記反射防止フィルムの被検部位に少なくとも可視光領域を含む検査光を照射する照射手段と、
    前記検査光が前記被検部位で反射してなる反射光から、前記反射防止フィルムのフィルム面の法線方向に対して平行に進む平行光成分を抽出する抽出手段と、
    前記平行光成分を複数の波長成分光に分光する分光手段と、
    前記分光手段によって分光された各波長成分光をそれぞれ撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段によって撮像された撮像データから、前記被検部位における前記各波長成分光の光強度と波長との相関曲線を求める相関曲線把握手段と、
    前記相関曲線において、予め知られている良品の各波長成分光の光強度と、前記被検部位の各波長成分光の光強度との差に基づいて、前記被検部位のフィルム厚を求めるフィルム厚把握手段と
    を備えた装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、
    前記検査光は紫外線光と赤外線光を含んでおり、
    前記複数の波長成分光は、可視光に加えて紫外線光と赤外線光を含んでおり、
    前記相関曲線把握手段は紫外線光、可視光、赤外線光を含む各波長成分光の光強度と波長とに基づいて前記相関曲線を求めるようにした装置。
  3. 請求項1に記載の装置において、
    前記検査光は紫外線光を含んでおり、
    前記複数の波長成分光は、可視光に加えて紫外線光を含んでおり、
    前記相関曲線把握手段は紫外線光、可視光を含む各波長成分光の光強度と波長とに基づいて前記相関曲線を求めるようにした装置。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の装置において、
    前記相関曲線把握手段によって求められた前記被検部位の相関曲線から得られる紫外線領域の光強度と、前記予め知られている良品の前記被検部位に対応する部位の相関曲線から得られる前記紫外線領域の光強度との差に基づいて、前記被検部位の欠陥の有無を判定する欠陥判定手段を更に備えた装置。
  5. 請求項4に記載の装置において、
    前記欠陥判定手段によって欠陥有りと判定された場合には、前記フィルム厚把握手段によって求められた前記被検部位のフィルム厚と、前記被検部位に対応する前記良品の部位の予め知られているフィルム厚との差に基づいて、前記撮像データのコントラストを強調する強調手段を更に備えた装置。
  6. 請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の装置において、
    前記照射手段は、同軸落射方式で前記検査光を前記被検部位に照射するようにした装置。
  7. 請求項6に記載の装置において、
    前記照射手段は、前記同軸落射方式に加えて、拡散照明方式でも前記検査光を前記被検部位に照射するようにした装置。
  8. 請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の装置において、
    前記分光手段は、前記平行光成分を少なくとも3つの波長光成分に分光し、
    前記撮像手段を、前記分光手段によって分光された波長光成分のそれぞれに対して備えた装置。
  9. 請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の装置において、
    前記被検部位の撮像データが撮像されると、前記被検体である反射防止フィルムを所定長さ巻き取ることによって、次の被検部位を前記検査位置に配置する巻取手段と、
    前記分光手段よりも前記検査位置側に備えられ、前記巻取手段によって巻き取られることによって前記被検体にかかる張力によって前記被検部位に生じる光学的偏光方向に直交する偏光方向を有する偏向素子と
    を更に備えた装置。
  10. 請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の装置において、
    前記被検体である反射防止フィルムは、紫外線吸収能力の高い物質からなる基材上に配置された状態で、前記所定の検査位置に配置されるようにした装置。
  11. 請求項4に記載の装置において、
    前記欠陥判定手段によって欠陥有りと判定され、前記フィルム厚把握手段によって求められた前記被検部位のフィルム厚と、前記被検部位に対応する前記良品の部位の予め知られたフィルム厚との差が、予め定めたフィルム厚しきい値を越えている場合には、前記被検部位の表面に異常があるものと判定し、前記欠陥判定手段によって欠陥無しと判定され、前記フィルム厚把握手段によって求められた前記被検部位のフィルム厚と、前記被検部位に対応する前記良品の部位の予め知られたフィルム厚との差が、予め定めたフィルム厚しきい値を越えている場合には、前記被検部位の内層側に異常があるものと判定する異常判定手段を更に備えた装置。
  12. 請求項4または請求項11に記載の装置において、
    前記照射手段は、前記法線方向以外の方向から前記被検部位に前記検査光を照射し、
    前記欠陥判定手段によって欠陥有りと判定された場合には、前記相関曲線把握手段によって求められた前記被検部位の相関曲線から得られる紫外線領域の光強度が、予め定めた光強度しきい値を越えている場合には、この欠陥を傷または擦れによるものと判定する傷擦れ判定手段を更に備えた装置。
  13. 反射防止フィルムの欠陥を検出する方法であって、
    所定の検査位置に配置された被検体である前記反射防止フィルムの被検部位に少なくとも可視光領域を含む検査光を照射することと、
    前記検査光が前記被検部位で反射してなる反射光から、前記反射防止フィルムのフィルム面の法線方向に対して平行に進む平行光成分を抽出することと、
    前記平行光成分を複数の波長成分光に分光することと、
    前記分光された各波長成分光をそれぞれ撮像することと、
    前記撮像された撮像データから、前記被検部位における前記各波長成分光の光強度と波長との相関曲線を求めることと、
    前記相関曲線において、予め知られている良品の各波長成分光の光強度と、前記被検部位の各波長成分光の光強度との差に基づいて、前記被検部位のフィルム厚を求めることと
    を備えた方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、
    前記検査光は、紫外線光と赤外線光を含んでおり、
    前記複数の波長成分光は、可視光に加えて紫外線光と赤外線光を含んでおり、
    前記相関曲線は、紫外線光、可視光、赤外線光を含む各波長成分光の光強度と波長とに基づいて求められるようにした方法。
  15. 請求項13に記載の方法において、
    前記検査光は、紫外線光を含んでおり、
    前記複数の波長成分光は、可視光に加えて紫外線光を含んでおり、
    前記相関曲線は、紫外線光、可視光を含む各波長成分光の光強度と波長とに基づいて求められるようにした方法。
  16. 請求項13乃至15のうちいずれか1項に記載の方法において、
    前記被検部位の相関曲線から得られる紫外線領域の光強度と、前記予め知られている良品の前記被検部位に対応する部位の相関曲線から得られる前記紫外線領域の光強度との差に基づいて、前記被検部位の欠陥の有無を判定することを更に備えた方法。
  17. 請求項16に記載の方法において、
    欠陥有りと判定された場合には、前記求められた前記被検部位のフィルム厚と、前記被検部位に対応する前記良品の部位の予め知られているフィルム厚との差に基づいて、前記撮像データのコントラストを強調することを更に備えた方法。
  18. 請求項13乃至17のうち何れか1項に記載の方法において、
    前記照射することは、同軸落射方式で前記検査光を前記被検部位に照射するようにした方法。
  19. 請求項18に記載の方法において、
    前記照射することは、前記同軸落射方式に加えて、拡散照明方式でも前記検査光を前記被検部位に照射するようにした方法。
  20. 請求項13乃至19のうち何れか1項に記載の方法において、
    前記分光することは、前記平行光成分を少なくとも3つの波長光成分に分光し、
    前記撮像は、前記分光された波長光成分を、それぞれ別の撮像系を用いて行うようにした方法。
  21. 請求項13乃至20のうち何れか1項に記載の方法において、
    前記被検部位の撮像データが撮像されると、前記被検体である反射防止フィルムを巻取手段によって所定長さ巻き取ることによって、次の被検部位を前記検査位置に配置することと、
    前記巻取手段によって巻き取られることによって前記被検体にかかる張力によって前記被検部位に生じる光学的偏光方向に直交する偏光方向を有する偏向素子によって、前記反射光を偏光することを、前記分光することよりも先に行うようにした方法。
  22. 請求項13乃至21のうち何れか1項に記載の方法において、
    前記被検体である反射防止フィルムは、紫外線吸収能力の高い物質からなる基材上に配置された状態で、前記所定の検査位置に配置されるようにした方法。
  23. 請求項16に記載の方法において、
    前記欠陥有りと判定され、前記求められた前記被検部位のフィルム厚と、前記被検部位に対応する前記良品の部位の予め知られたフィルム厚との差が、予め定めたフィルム厚しきい値を越えている場合には、前記被検部位の表面に異常があるものと判定し、前記欠陥無しと判定され、前記求められた前記被検部位のフィルム厚と、前記被検部位に対応する前記良品の部位の予め知られたフィルム厚との差が、予め定めたフィルム厚しきい値を越えている場合には、前記被検部位の内層側に異常があるものと判定することを更に備えた方法。
  24. 請求項16または請求項23に記載の方法において、
    前記照射することは、前記法線方向以外の方向から前記被検部位に前記検査光を照射し、
    前記欠陥有りと判定された場合には、前記求められた前記被検部位の相関曲線から得られる紫外線領域の光強度が、予め定めた光強度しきい値を越えている場合には、この欠陥を傷または擦れによるものと判定することに備えた方法。
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