JP2007170961A - 検査装置及び検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明な大型平板状製品の欠陥を容易に検査する。
【解決手段】検査対象の平板状透明製品15を挟んで配置される一対の偏光子1,2と、一方の偏光子1を通して検査対象15を照明する照明光源4と、一方の偏光子1と検査対象15との間に配置される位相子3と、照明光源4から照明光が照射され一対の偏光子の他方の偏光子2から出射する透過光を検出する検出手段8と、検査対象15を保持すると共に検査対象15を平行移動させる移動手段50と、検出手段8が検出した透過光データから評価値を算出し該評価値が増大する方向に偏光子1の光学軸の角度θ1と位相子3の光学軸の角度θ2とを独立に制御する演算手段10とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】検査対象の平板状透明製品15を挟んで配置される一対の偏光子1,2と、一方の偏光子1を通して検査対象15を照明する照明光源4と、一方の偏光子1と検査対象15との間に配置される位相子3と、照明光源4から照明光が照射され一対の偏光子の他方の偏光子2から出射する透過光を検出する検出手段8と、検査対象15を保持すると共に検査対象15を平行移動させる移動手段50と、検出手段8が検出した透過光データから評価値を算出し該評価値が増大する方向に偏光子1の光学軸の角度θ1と位相子3の光学軸の角度θ2とを独立に制御する演算手段10とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、光学フイルムや液晶パネル等の透明な平板状製品の欠陥を検査する検査装置及び検査方法に関する。
フラットディスプレイ装置の発展と共に様々な種類の光学フイルムが開発され、例えば、液晶ディスプレイの視野角を拡大するために液晶ディスプレイの表示画面に光学補償フイルムを貼り付けることが行われている。
この様な光学フイルムを製造する場合、フイルム全面を均一に製造しなければならず、このため、光学フイルムの出荷前に、光学フイルムに欠陥があるか否かを検査している。同様に、液晶パネル自体も2枚の透明基板間に液晶を封入した平板状透明製品であり、全面が均一に製造されている必要があるため、出荷前に検査を行う。
下記の特許文献1には、検査対象のフイルムと平行に配置される一対の偏光子と、一対の偏光子のうちの一方の偏光子の外側から偏光子を介して検査対象フイルムを照明する照明手段と、他方の偏光子の外側に配置され検査対象フイルムを透過した透過光を偏光子を介して受光する受光手段と、検査対象フイルムと一対の偏光子の一方との間に検査対象フイルムと平行に配置された光学補償フィルタとを備える欠陥検査装置が記載されており、受光手段が受光する検査対象フイルムの輝度信号から欠陥の有無を検出している。
また、下記の特許文献2には、検査対象フイルムのフイルム面の両側に平行に配置された一対の偏光子と、一方の偏光子を介して検査対象フイルムを照明する照明手段と、検査対象フイルムと他方の偏光子とを透過した透過光を受光する受光手段と、検査対象フイルムの光入射側に平行に挿入する補正フイルムとを備える欠陥検査装置が記載されており、受光手段が受光する検査対象フイルムの輝度信号から欠陥の有無を検出している。そして、この欠陥検査装置では、補正フイルムとして、その複屈折特性が、検査対象フイルムの光学的欠陥の無い部分の複屈折特性と略同一のものを用いている。
液晶画面等に貼り付けて視野角を改善する光学補償フイルム等の光学フイルムや、液晶パネル自体等の平板状の透明製品の欠陥検査には、一般的に、液晶テレビバックライトのような拡散光光源を使用し、検査を行っている。
最近、液晶ディスプレイパネルなどの大型化に伴い、光学補償フイルム等の光学フイルムや、液晶パネル自体等の平板状の透明製品が大型となる傾向がある。一方、平行光を生成するために不可欠な高精度のレンズの大きさ(直径)には限界があり、容易に入手可能な大きさは、10cm程度である。勿論、大型サイズのレンズ製作も可能ではあるが、大型化した平板状透明製品の全領域を同時にカバー可能な大サイズのレンズは、製作し難く、高価となる問題があった。
また、平板状透明製品などの検査対象の大きさに比較して小型のレンズを用いて、即ち、小さい照射領域で大きな検査対象を検査すると、検査対象を部分的にしか検査することができず、ムラの全体分布が把握し難い。従って、広い範囲を同時に検査して検査精度を向上させたいという要望があった。
本発明の目的は、比較的大型の透明な平板状製品の欠陥検査を容易に行うことができる検査装置を提供することにある。
本発明の検査装置は、検査対象の平板状透明製品を挟んで配置される一対の偏光子と、該偏光子の一方を通して前記検査対象を照明する照明光源と、前記一方の偏光子と前記検査対象との間に配置される位相子と、前記照明光源から照明光が照射され前記一対の偏光子の他方の偏光子から出射する透過光を検出する検出手段と、前記検査対象を保持すると共に前記検査対象を平行移動させる移動手段と、前記検出手段が検出した透過光データから評価値を算出し該評価値が所定の方向に向かう様に前記一方の偏光子の光学軸の角度と前記位相子の光学軸の角度とを独立に制御する演算手段とを備えることを特徴とする。
本発明の検査装置は、前記演算手段が、前記移動手段が前記検査対象を平行移動させながら前記検査対象を分割した複数の分割エリアに前記照明光を照射して、前記検出手段により検出された複数の分割透過光データを1つの透過光データに統合するデータ統合手段を更に備えることを特徴とする。
本発明の検査装置は、前記検査対象が透明基板と該透明基板に挟まれた液晶とでなることを特徴とする。
本発明の検査装置は、前記検査対象が光学フイルムであることを特徴とする。
本発明の検査装置は、前記制御が終了した時点における前記検出手段の検出値を利用して前記検査対象のランク付けを行う手段を備えることを特徴とする。
本発明の検査装置は、前記検出値がは前記検査対象の透過光画像データであることを特徴とする。
本発明の検査装置は、前記他方の偏光子から出射した透過光を集光するレンズと、該レンズの透過光を投影するスクリーンとを前記他方の偏光子と前記検出手段との間に配置し、該検出手段は前記スクリーンに投影された画像を検出することを特徴とする。
本発明の検査装置は、前記レンズは前記スクリーンへの投影画像を拡大縮小することができるレンズであることを特徴とする。
本発明の検査装置の前記評価値は、前記透過光のうちの高輝度部分と低輝度部分との間の輝度差であることを特徴とする。
本発明の検査装置の前記演算手段は、前記輝度差を人間の視感度データに基づき人間の視感度で該輝度差が増大する方向に前記制御を進めることを特徴とする。
本発明の検査装置の前記演算手段は、前記検査対象の平均輝度または前記低輝度部分の輝度が最小となるように前記制御を進めることを特徴とする。
本発明の検査装置の前記演算手段は、前記検査対象の前記低輝度部分の輝度が指定輝度となるように、或いは、前記低輝度部分の輝度と指定輝度との差が最小となるように前記制御を進めることを特徴とする。
本発明の検査装置の前記演算手段は、前記検査対象の前記低輝度部分の三刺激値が指定三刺激値となるように、或いは、前記低輝度部分の三刺激値と指定三刺激値との差が最小となるように前記制御を進めることを特徴とする。
本発明の検査方法は、検査対象の平板状透明製品を挟んで配置される一対の偏光子と、該偏光子の一方を通して前記検査対象を照明する照明光源と、前記一方の偏光子と前記検査対象との間に配置される位相子と、前記照明光源から照明光が照射され前記一対の偏光子の他方の偏光子から出射する透過光を検出する検出手段と、前記検査対象を保持すると共に前記照明光の光軸に垂直な平面内で前記検査対象を平行移動させる移動手段と、を備える検査装置の検査方法において、前記移動手段が前記検査対象を平行移動させながら前記検査対象を分割した複数の分割エリアに前記照明光を照射して得られた複数の分割透過光データを1つの透過光データに統合し、更に、該透過光データから評価値を求め該評価値が所定の方向に向かう様に前記一方の偏光子の光学軸の角度と前記位相子の光学軸の角度とを独立に制御し、該制御が終了した時点における前記検出手段が検出した前記被検査対象の画像に基づいて該検査対象のランク付けを行うことを特徴とする。
本発明の検査方法は、検査対象の平板状透明製品を挟んで配置される一対の偏光子と、該偏光子の一方を通して前記検査対象を照明する照明光源と、前記一方の偏光子と前記検査対象との間に配置される位相子と、前記照明光源から照明光が照射され前記一対の偏光子の他方の偏光子から出射する透過光を検出する検出手段と、前記検査対象を保持すると共に前記検査対象を平行移動させる移動手段と、を備える検査装置の検査方法において、前記移動手段が前記検査対象を平行移動させながら前記検査対象を分割した複数の分割エリアに前記照明光を照射して得られた複数の分割透過光データを1つの透過光データに統合し、更に、該透過光データから評価値を求め該評価値が所定の方向に向かう様に前記一方の偏光子の光学軸の角度と前記位相子の光学軸の角度とを独立に制御し、該制御が終了した時点における前記検出手段が検出した前記被検査対象の画像に基づいて該検査対象の欠陥の有無を判定することを特徴とする。
本発明によれば、比較的大型の透明な平板状製品の欠陥を容易且つ確実に検出することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る検査装置の構成図、図2は検査対象を平行移動させる移動手段の正面図である。この実施形態の検査装置は、検査対象として光学補償フイルムを検査するが、これに限るものではなく、他の平板状の透明製品の欠陥検査も同様に行うことができる。
図1に示すように、本実施形態の検査装置は、一対の偏光子1,2と、偏光子1,2と平行且つ偏光子1と偏光子2との間に置かれる広帯域λ/4フイルム(λ/4位相子)3と、偏光子1の外側に配置されたハロゲン光源4と、このハロゲン光源4からの光を平行光にして偏光子1に入射する平行光照射手段5と、ハロゲン光源4から偏光子1に入射され偏光子2から出射された光を集光するレンズ6と、レンズ6の透過光が投影されるスクリーン7と、被検査フイルム15を一対の偏光子1,2と平行に保持すると共に平行光の光軸に対して垂直な平面内で平行移動させる移動手段50と、を備える。
本実施形態の検査装置は、更に、スクリーン7の背面に設置されスクリーン7に投影された像を検出する検出手段8と、人間の視感度データを格納したメモリ9と、検出手段8の検出値に基づいて後述する様に制御を進める演算装置10と、演算装置10の求めた評価値に基づいて偏光子1の光学軸の回転角θ1(照明光の光軸に垂直な面内での回転角)と広帯域λ/4フイルム3の光学軸の回転角θ2(照明光の光軸に垂直な面内での回転角)とを駆動する回転駆動装置11とを備える。検出手段8としては、本実施形態では、二次元輝度計を用いるが、これに限定されるものではない。
本実施形態の検査装置では、被検査フイルム15を広帯域λ/4フイルム3と偏光子2との間に挿入し、欠陥検査を行うが、被検査フイルム15のフイルム面は、偏光子1,2や広帯域λ/4フイルム3の面と平行に配置する。また、被検査フイルム15のフイルム面内光学軸は、偏光子2の透過軸と45°で交わるようにし、レンズ6は、その透過光が被検査フイルム15に観察焦点を合わせる様に位置調整される。
図2に示すように、移動手段50は、その長手方向をY軸方向に向けて配設されたY軸ガイドレール51と、Y軸ガイドレール51に案内されてY軸方向に移動可能なX軸ガイドレール52と、X軸ガイドレール52に案内されてY軸方向と直交するX軸方向に移動可能な枠状の被検査フイルム保持枠53と、を備える。被検査フイルム保持枠53は、被検査フイルム15を保持して平行光照射手段5からの平行光の光軸に対して垂直な平面内で平行移動させる。
被検査フイルム15のフイルム面は、任意の角度へ変更可能であり、任意の視角からフイルム15を検査できる様になっている。また、偏光子1に入射される照明光がもともと直線偏光している場合には、照明される側に配置してある偏光子1をλ/2位相子で代用してもよい。照明光が被検査フイルム15のフイルム面上で一様な偏光を持つためには、照明光は拡散光ではなく平行光であることが望ましく、本実施形態では、平行光照射手段5を用いて平行光にしているが、平行光にする具体的手段は何でもよい。このように、平行光を照明光として用いることで、検出手段8の配置位置に依存する視角依存性が少なくなり、照明領域内輝度信号を一様にすることができるという効果も得られる。
斯かる構成の検査装置では、被検査フイルム15に対して偏光子1,位相子(広帯域λ/4フイルム)3を通して平行な照明光が入射され、被検査フイルム15の透過光が偏光子2を透過し、レンズ6で集光され、スクリーン7に投影される。この投影画像を検出手段8が検出し、検出データを演算装置10に出力する。
平行光の照射領域に対して被検査フイルム15の検査領域が大きい場合、移動手段50によって被検査フイルム15を平行光の光軸に対して垂直な平面内で平行移動(ステップ移動)させ、被検査フイルム15の検査領域を分割した複数の分割エリアに順次、平行光を照射して検出手段8により複数の分割透過光データを得る。演算装置10は、これらの分割透過光データを統合して1つの透過光データを得る。
以下に、直径10cmの平行光を用いてA4サイズの被検査フイルム15を検査する場合を例にとって説明する。図3は被検査フイルム15をX方向に移動させながら平行光を照射する状態を示す説明図、図4(a)はこのようにして得られた9分割された分割透過光データのイメージ図、(b)は図4(a)に示す9つの分割透過光データを1つに統合した透過光データのイメージ図である。尚、図4においては、理解を容易にするために透過光データは、複数の同心円および放射線とからなるパターンとして示す。また、図5は2つの分割透過光データを統合処理するモザイクの説明図、図6はモザイク処理の手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、移動手段50によって被検査フイルム15をX方向およびY方向に2.5cmずつステップ移動させながら平行光を照射し、検出手段8によりそれぞれの分割エリアにおける9つの分割透過光データD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9を得る(図4(a)参照)。データ統合手段は、得られた9つの分割透過光データD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9にモザイク処理を施し、1つの透過光データDに統合して検出データとする(図4(b)参照)。
モザイク処理は、隣接する画像の重複部分のデータを利用して画像を接合する処理であり、横方向、縦方向、縦横両方向、および斜め方向に隣接する画像を接合して1つの画像とする。基本的な処理方法は、どの方向のモザイク処理も同じであるので、図5に示すように、横方向に隣接する2つの画像(画像L、R)のモザイク処理について説明する。モザイク処理は、図6に示すフローチャートに従って処理される。
先ず、以後の処理を容易とするため、画像ごとに異なる濃淡や色調を一致させる。濃淡や色調の相違には、系統的に補正が可能なものと、不可能なものがあるので、補正可能であるかどうかを判別し(ステップS11)、補正可能であれば濃淡および色調を補正する(ステップS12)。次に、位置合わせおよび座標系の統一が行われる(ステップS13)。位置合わせおよび座標系の統一は、一方の画像の座標系に他方の画像の座標系を合わせて座標変換する相対座標系と、それぞれの画像を統一された座標系に座標変換する絶対座標系とがあるが、いずれの方法も可能である。図5は、画像Lと画像Rの重複部分が重ねられて位置合わせされた状態を示している。
次に、系統的に補正することが不可能な画像間の濃淡や色調の差を補正する(ステップS14、15)。系統的な補正が不可能な濃淡や色調の補正方法しては、隣接する画像の重複部分のヒストグラムが一致するように一方の画像の濃淡レベルを変換するヒストグラム一致法と、重複部分の濃淡レベルに線形変換が成立するものとして補正する線形濃淡変換法と、があるが、いずれかの補正方法が適宜選択される。
濃淡や色調の差が補正された画像は、接合線が目立たない接合位置が決定され(ステップS16)、更に、接合の境界線における色調の不連続がないように接合位置周辺の濃淡レベルが平滑化される(ステップS17)。接合位置の決定は、隣接する画像間の濃淡レベルの差が小さい点、或いは濃淡レベルが急激に変化する点が考慮される。上記したように、9つの分割透過光データD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9(図4(a)参照)は、データ統合手段により1つの透過光データDに統合されて検出データが得られる(図4(b)参照)。
演算装置10は、検出データを用いて評価値を算出する。本実施形態では、検出データのうちの高輝度部分と低輝度部分との輝度差を評価値として算出する。この輝度差は、偏光子1の光学軸の回転角θ1を変えると変化し、また、広帯域λ/4フイルム3の光学軸の回転角θ2を変えると変化する。このため、演算装置10は、θ1とθ2とを独立に制御し、評価値(輝度差)が増大する方向にこの制御を進め、制御が終了した時点(これ以上、輝度差が大きくならなくなった時点)での評価値を、その被検査フイルム15の評価値とする。
斯かる評価値を求めるために、演算装置10は、背景輝度Ybと、背景輝度Ybと異なる輝度部分すなわち欠陥部位の輝度Yoとを識別する。そして、△Y=|Yb−Yo|とし、△YminをYbに対する輝度差弁別閾値としたとき、C=△Y/YbがCmin=△Ymin/Ybより大きく、Cが最大値となるように、偏光子1の光学軸角θ1と、広帯域λ/4フイルム3の光学軸角θ2とを制御する。
演算装置10は、このθ1,θ2を演算するとき、人間の視感度データを用いて演算を行う。本実施形態の演算装置10が人間の視感度データを用いるのは、次の理由による。
検出手段8は、CCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサで構成されるが、これらのイメージセンサの感度は、人間が目視により検出できる感度とは異なる。人間の目は、例えば、「新編 色彩化学ハンドブック 第2版」東京大学出版会日本色彩学会編の第54頁に記載されている様に、背景輝度に対して識別できる輝度差が背景輝度の大きさによって異なっている。このため、スクリーン7の背面側で投影画像すなわち被検査フイルム15の輝度画像を検査員が目視したとき、欠陥が有るか否かを容易に判断できるθ1,θ2の値は、人間の目の感度に合わせた最適値に制御する必要があるからである。
次に、演算装置10が行う評価値の算出、および最適角度θ1,θ2を求める演算処理の詳細について説明する。
(1)被検査フイルム15がセットされ透過光が投影されたスクリーン7上の輝度が検出手段8により測定されると、演算装置10は、高輝度部分(欠陥部分)を除いた低輝度部分の平均輝度を背景輝度Yb1とし、欠陥部分との輝度差ΔY1を求める。そして、偏光子1の角度θの原点をθ1とし、広帯域λ/4フイルム3の角度θの原点をθ2として、背景輝度Yb1と輝度差ΔY1とを求める。予めコンピュータ内のメモリ9に記憶されている人間の視感度データの背景輝度Ybに対する輝度差ΔYのデータより輝度差弁別閾値ΔY1minを求め、Z1=ΔY1−ΔY1minを計算する。
(1)被検査フイルム15がセットされ透過光が投影されたスクリーン7上の輝度が検出手段8により測定されると、演算装置10は、高輝度部分(欠陥部分)を除いた低輝度部分の平均輝度を背景輝度Yb1とし、欠陥部分との輝度差ΔY1を求める。そして、偏光子1の角度θの原点をθ1とし、広帯域λ/4フイルム3の角度θの原点をθ2として、背景輝度Yb1と輝度差ΔY1とを求める。予めコンピュータ内のメモリ9に記憶されている人間の視感度データの背景輝度Ybに対する輝度差ΔYのデータより輝度差弁別閾値ΔY1minを求め、Z1=ΔY1−ΔY1minを計算する。
(2)次に、偏光子1の角度θを+4°変更してθ1とし、広帯域λ/4フイルム3の角度θの原点をθ2として、背景輝度Yb2と輝度差ΔY2とを求める。その後、−2°変更して、上述の(1)の状態に戻す。(1)と同様に、予めコンピュータ内のメモリに記憶されている背景輝度Yb2に対するΔYのデータより輝度差弁別閾値ΔY2minを求め、Z2=ΔY2−ΔY2minを計算する。
(3)次に、偏光子1の角度θ1を+2°変更してθ1とし、広帯域λ/4フイルム3の角度θを+4°変更してθ2とし、背景輝度Yb3と輝度差ΔY3とを求める。(1)と同様に予めコンピュータ内のメモリに記憶されている背景輝度Yb3に対するΔYのデータより輝度差弁別閾値ΔY3minを求め、この後(1)の状態に戻し、Z3=ΔY3−ΔY3minを計算する。
(4)上記の(1)(2)(3)より、X軸をθ1、Y軸をθ2、Z軸にZの3次元表記を考えると、次のようになる。(1)と(2)と(3)の条件を比較して、max{Z1,Z2,Z3}を求め、例えば最大値がZ1ならば(2)と(3)のθ1,θ2の条件を対称に(1)のθ1,θ2の条件を折り返し、(4)の条件とする。
同様に(2)と(3)と(4)の条件を比較してmax{Z2,Z3,Z4}を求め、例えば最大値がZ3ならば、(2)と(4)のθ1,θ2の条件を対称に(3)のθ1,θ2を折り返し、(5)の条件とする。これを模式的に示した図が図7である。以下同様の手順を返すことにより、背景輝度Ybに対する輝度差弁別閾値ΔYminを計算し、ΔYminより大きな欠陥輝度と背景輝度の差|Yo−Yb|の最大値を探す。即ち、偏光子1と広帯域λ/4フイルム3の夫々の最適な角度θ1,θ2を決定する。尚、演算装置10の演算結果に基づいて検査対象フイルム15にあおり角θ3をフィードバックするようにしてもよい。
これにより、検査員が目視で検査対象フイルム15を観察する場合、人間の視感度にあったθ1,θ2に制御されるため、検査員はスクリーン7を見ることで、フイルム15の欠陥の有無を自身の目で確認することができる。
そして、演算装置10も、|Yo−Yb|>ΔYminなる輝度部分が存在すれば、その被検査フイルム15は欠陥フイルムであると判定することができ、存在しなければ、良品フイルムと判定することができる。
尚、上記の例では、θの角度のステップを4°としたが、これに限定されるものではない。通常、大きな値で収束させ、繰り返し回数が増えるにつれステップを小さくする方法が望ましい。
このような最急降下法の一つであるシンプレックス法は、例えば、文献「“科学計測におけるデータ処理技法”南茂夫監修、河田聡偏著、P138〜151」に記述されている。
この例はシンプレックス法であるが、その他の最適化手法を使用してもよい。例えば、ニュートンラプソン法、モンテカルロ法、シミュレーテドアニーリング法、ヤコビ法などである。また、真の最適値を確実に求めたい場合は、多少最適化の時間が長くても全ての変数を変化させて最適値を求める方法がより望ましい。
例えば、偏光子の透過軸角度θ1,λ/4位相子3の遅相軸角度θ2に対して、反時計回りに45°遅相軸の傾いている被検査フイルム15の透過光量Iの関係は次の数1で示す様になる。
この数1より求まる被検査フイルム15の平均の複屈折位相差(リタデーション)が光量I(数2)になり背景輝度Ybとなる。
更に、被検査フイルム15の欠陥部分のリタデーションの差により、光量Iが変化してその差がΔYとなる。
この数2において、a,bに対して透過光量Iをプロットすると、図8に示す様に、光強度の極小点つまり背景輝度が最小になる軸角度が存在することが分かる。図8では、Δ=2π(30nm/550nm)としている。aとbの組み合わせで、図9に示す様に、ポアンカレ球上の偏光状態は網羅できる。
以上の様にして、本実施形態の検査装置では、検査対象フイルム15毎の評価値(θ1,θ2の制御が終了した時点の評価値)が求まるが、演算装置10は、その評価値の大きさによって検査対象フイルムのランク付けを行い、そのランクを出力するのが良く、検査員はこのランクを参考にして目視検査を行うことが可能となる。また、評価値が所定値の範囲から外れたとき、その検査対象フイルムを欠陥品と判定して判定結果を出力する構成とすることも可能である。また、制御後、改めて検出された二次元輝度データより、例えば特願2004―249830号に記載されている様な方法(下記の第2実施形態の方法)を用いて定量値を算出し、その値の大小により被検査フイルムをランク付けすることもできる。
また、本実施形態の検査装置によれば、被検査フイルム15を平行光の光軸に対して垂直な平面内で平行移動(ステップ移動)させながら、被検査フイルム15を分割した分割エリアの複数の分割透過光データD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9を検出手段8により検出し、データ統合手段によりこれらの分割透過光データD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9を1つの透過光データDに統合して評価値を算出するようにしたので、小さなレンズを用いて大きな被検査フイルム15を検査することができる。このように、広い範囲を統合して観察することによりムラの検出が容易となるので、より正確な評価指標が得られる。
更に、複数の分割透過光データD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9を1つの透過光データDにモザイク処理する際、重ね合わされる部分で積算効果が作用するので、ノイズが1/√Nとなり、偏光子1,2や位相子3の面状が多少悪くても、被検査フイルム15の面状を正確に撮影することができる。ここで、Nは重ね合わされる画像の枚数である。
(第2の実施形態)
(第2の実施形態)
本実施形態の検査装置の基本構成は、図1の構成と同じであるのでその説明は省略するが、本実施形態では、検出手段8として、カラー画像撮像用のイメージセンサを用い、また、光源4として白色光光源を用いる。図10は、本実施形態の演算装置10の機能ブロック図であり、この演算装置10は、画像入力部10aと、画像データ変換部10bと、視覚特性適合部10cと、画像品質評価値算出部10dとを備える。
画像入力部10aは、検出手段8から出力される検出データすなわちスクリーン7に投影された2次元カラー画像データを読み取り、画像データ変換部10bは、2次元カラー画像データを反対色空間の刺激値データに変換し、視覚特性適合部10cは、刺激値データをフーリエ変換してパワースペクトルを求めてこのパワースペクトルに人間の視覚特性を表す関数を重畳し更に逆フーリエ変換する。画像品質評価値算出部10dは、刺激値データに基づき画像品質評価値を求めるよう動作する。
尚、平行光の照射領域に対して被検査フイルム15の検査領域が大きい場合、移動手段50によって被検査フイルム15を平行光の光軸に対して垂直な平面内で平行移動(ステップ移動)させながら、被検査フイルム15の検査領域を分割した複数の分割エリアに順次、平行光を照射して検出手段8により複数の分割透過光データを得て、これらの分割透過光データを1つの透過光データに統合して検出データとする手順は、第1の実施形態の検査装置で既に説明しているので省略する。
図11は、被検査フイルム15が欠陥品の場合に観察されるスジやムラの例を示す図であり、図示の例では3例を示している。これらのスジやムラがスクリーン7の投影画像に現れたとき画像品質定量評価の対象となる。スジやムラとしては、図11(a)の一本スジ、図11(b)の周期的ムラ、図11(c)のランダムなムラなどがある。
図12は、本実施形態の画像品質定量評価の処理手順を示すフローチャートである。先ず、画像入力部10aは、検出手段8から出力される検出データ(二次元カラー画像データ)を取り込み(ステップS21)、この二次元カラー画像データを画像データ変換部10bに送る。スジやムラを含んだ二次元カラー画像データは、画像入力部10aによって読取られた後、A/D変換により濃度レベルに数値化され、この濃度値と空間位置との情報からなるデジタル値の画像データ(赤色濃度値R,緑色濃度値G,青色濃度値B等)として、画像データ変換部10bに送られる。
次に、画像データ変換部10bは、デジタル化された画像データから、予め記憶されている特性パラメータに基づき、次の数3によってマトリクス変換が行われ、三刺激値に変換される(ステップS22)。具体的には、画像データの色特性値(R,G,B)と、これらを標準化した画面輝度との関係に基づいて、三刺激値(X,Y,Z)へ変換する。ここで、数3中のKは変換マトリクスである。
カラー画像の画像情報には濃淡情報と色度情報が存在する。スジやムラの画像評価では主に濃淡情報のみ用いるが、本実施形態の画像品質定量評価では、色度情報をも用いて画像を評価する。しかしながら、人間の視覚特性は各色毎に異なり、各色成分を一元的に評価することはできない。そのため、各色毎の人間の視覚特性を、画像の各色成分それぞれにフィルタリング補正して評価するようにしている。
また、本実施形態においては、反対色空間を用いて処理することで、人間の主観評価とよく対応のとれた結果が得られるようになる。具体的には、数3により得られた三刺激値(X ,Y ,Z)を、数4による行列演算により3組(White-Black(K), Red-Green, Blue-Yellow)の反対色空間の刺激値へ変換する(ステップS23)。
次に、スジやムラの主な出現方向を設定する。図13は反対色刺激値データの空間位置におけるスジ,ムラの出現方向を決定する様子を模式的に示した説明図である。このスジ,ムラの出現方向を示す特定の方向は、次のようにして設定する。
まず、撮像した2次元画像データ21を、図13に示すように、画像の任意の方向から所定角度ごとに設定した複数の方向に沿ってそれぞれ加算(投影)し、複数の1次元プロファイル23a,23b,23c,…を求める。そして、この1次元プロファイルの最大値と最小値との差δを最大とする方向を特定の方向として設定する。このような画素を投影する1次元平均化(ステップS24)は、画像処理により高速に行われる。
つまり、検出手段8が撮像した2次元カラー画像データ21を平面上で所定角度θで回転させる処理と、各画素値を所定方向に投影する処理がなされ、どの方向に現れるか不特定なスジ,ムラに対して、その出現方向が自動的に検出される。なお、この特定方向の設定は、2次元画像データ21以外にも、反対色空間の刺激値を用いて求めても良い。
次に、数4により反対色空間の刺激値(W/K,R/G,B/Y)に変換し、上記の特定方向に沿って加算(投影)した1次元刺激値データプロファイル25a,25b,25c,…(図14参照)のそれぞれを、1次元フーリエ変換し、このフーリエ変換結果のパワースペクトルを算出することにより空間周波数分布を求める。
図14は特定方向に投影した1次元刺激値データプロファイルを図11のスジ,ムラ(a)、(b)、(c)に対応させて表した説明図である。以降の説明では、W/Kチャンネルのデータを代表として説明するが、R/G,B/Yチャンネルに対しても同様の処理を行うものとする。また、図15は図14に示す1次元刺激値データプロファイルに対するフーリエ変換後のパワースペクトルを図11のスジ,ムラ(a)、(b)、(c)に対応させて表した説明図である。
1次元刺激値データプロファイル25a,25b,25c,…に対してフーリエ変換を施すことにより、図15に示すように周波数成分毎の強度分布を示すパワースペクトル27a,27b,27c,…が求められる(ステップS25)。そして、ステップS25で得られたパワースペクトルに対して、人間の視覚特性に適応した空間周波数特性(MTF)によりフィルタリング補正を行う(ステップS26)。なお、フーリエ変換には様々な手法があるが、ここでは計算の簡略化のためFFT(Fast Fourier Transform)を用いて行う。
図16は視覚特性のMTFであって、W/Kチャンネルのバンドパス形状を(a)、R/G、B/Yチャンネルのローパス形状を(b)に表した説明図である。
即ち、視覚特性適合部10cにて、前記観察条件に対応したMTF特性29a,29b,…を、フーリエ変換して得られた被評価画像のパワースペクトルに重畳するフィルタリング補正を施す。これにより、図16に示すように、人間が強く感応する周波数成分(W/K成分に対しては、約0.4cycle/mmが強くなる)に対してはより強調する一方、感応の弱い周波数成分(特には高周波成分)に対しては減衰させる。このため、人間の視覚特性に合致した空間周波数成分の感度に変換できる。また、上記のようなMTF特性の情報を、各観察条件毎に予め用意しておくことで、実際の観察条件に対応した適切な視覚系のMTFフィルタを適宜選択してフィルタリング補正でき、補正処理の効果と信頼性をより高めることができる。
図17はフィルタリング後のフーリエスペクトルを図11のスジ,ムラ(a)、(b)、(c)に対応させて表した説明図である。このようにして得られた図17に示すフィルタリング処理後の空間周波数分布31a,31b,31c,…に対し、フーリエ逆変換することにより、図18に示すように、反対色空間における刺激値33a,33b,33c,…を求める(ステップS27)。図18はフーリエ逆変換後の刺激値データプロファイルを図11のスジ,ムラ(a)、(b)、(c)に対応させて表した説明図である。このようにして、反対色空間における(W/K,R/G,B/Y)に対する各刺激値が再合成される。
その結果、フーリエ逆変換後の1次元プロファイルは、視覚特性に準じて、図18(a)においては一本スジの急峻な形状が鈍化し、図18(b)の周期的ムラ、及び図18(c)のランダムムラにおいては、その振幅が減少する。
次いで、フーリエ逆変換によって得られた結果から画像品質評価値算出部10dにて評価値を算出する(ステップS28)。画像品質評価値算出部10dは、概略的には、ステップS27にて戻された各1次元刺激値データプロファイルの位置(i)における各刺激値(W/Ki,R/Gi,B/Yi)に対する、刺激値データプロファイル全体の平均値(W/KAV,R/GAV,B/YAV)からの距離を表す差分値を求め、1次元刺激値データプロファイルの全位置に対する前記差分値に基づく値の総和を画像品質評価値として求める。
このようなスジ,ムラの定量評価値となる画像品質評価値Evは、具体的には次の数5により算出できる。
このようなスジ,ムラの定量評価値となる画像品質評価値Evは、具体的には次の数5により算出できる。
画像品質評価値Evは、重みfiと|ΔXi|(iは撮像画像の投影方向に直交する軸方向位置を表す指標)との積の総和として表される。なお、|ΔXi|は数6で表され、fiは数7で表され、スジ,ムラの良し悪しを判定する際は、スジ,ムラの発生している領域のみを観察しているという仮説に基づいて定式化した重み係数である。
ここで、図19を参照して説明する。前述のステップS27で得られる1次元の位置iに対する反対色の刺激値は、(W/Ki,R/Gi,B/Yi)の3つの刺激値が存在する。これら3つの刺激値のそれぞれに対して平均値(W/KAV,R/GAV,B/YAV)を求め、各位置iにおける反対色刺激値(W/Ki,R/Gi,B/Yi)とこれに対応する平均値(W/KAV,R/GAV,B/YAV )との差分値(W/Ki −W/KAV),(R/Gi−R/GAV),(B/Yi−B/YAV)を、3つの刺激値に対してそれぞれ求め、これら差分値の自乗和の平方根を数6に基づいて求めることで|ΔXi|が得られる。また、重みfiは、数7に示すように、|ΔXi|の平均値からの距離に比例した値で、Σfi=1となるように正規化したものである。
従って、評価値Ev は、3種類の各刺激値に対し、検出手段8が検出した二次元カラー画像データの明度情報(W/K)と色差情報(R/G,B/Y)の全体の平均値からの距離をそれぞれ求め、これら距離に対する自乗和の平方根に、重みfiを乗算して総和をとったものとなる。
従って、上記の画像品質定量評価によれば、反対色空間に変換して色差情報も考慮することで、人間の視覚特性に応じた変調処理がより正確に行われ、スジ,ムラを統一的に定量評価することができる。
また、検出手段8の撮像した二次元カラー画像データに対する投影処理を所定角度θ毎に回転させて実施するので、検査対象フイルム15の不特定な方向に発生するスジ,ムラの方向を自動的に特定することができる。
さらに、検出手段8の撮像した二次元カラー画像データを反対色空間へ変換(画像データ変換ステップ)して、特定方向の投影処理を行った後に視覚特性適合化ステップを実施するので、視覚特性適合化処理をデータ量の削減された1次元の状態で処理でき、計算負担が軽減してより高速な処理が可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第2の実施形態の画像品質定量評価の別の実施形態を第3の実施形態として説明する。この実施形態においては、検出手段8が撮像した二次元カラー画像データから反対色空間の刺激値を求め、2次元データのまま視覚特性適合化処理を実施し、その後に1次元への投影処理を行って画像品質評価値を求めている。
次に、第2の実施形態の画像品質定量評価の別の実施形態を第3の実施形態として説明する。この実施形態においては、検出手段8が撮像した二次元カラー画像データから反対色空間の刺激値を求め、2次元データのまま視覚特性適合化処理を実施し、その後に1次元への投影処理を行って画像品質評価値を求めている。
図20は、本実施形態の画像品質定量評価手順を示すフローチャートであり、図21は、2次元刺激値データに対する視覚特性適合化処理を概略的に表す説明図である。
本実施形態においては、検出手段8が撮像した二次元カラー画像データを画像入力部10aが読み取り(ステップS31)、その2次元画像データ(R,G,B)を、画像データ変換部10bが三刺激値に変換し(ステップS32)、図21(b)に示すように、反対色空間の刺激値データ(W/K,R/G,B/Y)に変換する(ステップS33)。
変換された反対色空間の刺激値データ(W/K,R/G,B/Y)は、視覚特性適合部10cによって、図21(c)に示すように、2次元フーリエ変換され、2次元のパワースペクトル41a,41b,41cが求められる(ステップS34)。次いで、図21(d)に示すように、このパワースペクトル41a,41b,41cに対し、それぞれ人間の視覚特性を表すMTF43a,43b,43cを重畳し(ステップS35)、さらに2次元フーリエ逆変換することで、図21(e)に示すように、スジ,ムラが視覚特性に準じて変調された反対色の刺激値データが得られる(ステップS36)。
そして、本実施形態では、図21(c)〜(e)の視覚特性適合化処理の後に図21(f)に示す1次元平均化処理がなされる(ステップS37)。つまり、反対色空間における2次元刺激値データに対して、2次元のままスジ,ムラが視覚特性に準じて変調され、その後に1次元への投影処理が実施される。
以降の処理は第2の実施形態と同様であり、画像品質評価値算出部10dによって、反対色空間の刺激値データの各位置における刺激値と、この刺激値データ全体の平均値との差分値をそれぞれ求め、これらの差分値に重み関数を乗じた値を全位置に対して求め、その総和を画像品質評価値Evとする。
本実施形態の画像品質定量評価によれば、視覚特性適合化処理を2次元のデータのままで行うことにより、投影処理により1次元データ化してから行う場合と比較して、検出手段8が撮像した検査対象フイルム15の二次元画像内に分布するスジ,ムラがより正確に強調されるため、スジ,ムラの検出精度が向上する。つまり、スジ,ムラが強調されてから投影処理するため、投影結果のSN比が向上して縞とノイズとの分離が容易となる。
尚、上述した各実施形態により求められる画像品質評価値Evの対数値をとり、これを定量評価値とすることで、人間の視覚評価との線形性を一層良好にすることが可能となる。
また、第2,第3の実施形態も第1の実施形態と同様に、求められた検査対象物の評価値の大きさによって検査対象物をランク付けしその結果を出力するのが好ましく、また、評価値が所定値の範囲を超えたとき欠陥品として結果を出力するのが良い。
更に、第2,第3の実施形態では、白色光を光源4として検査対象物の透過カラー画像データを演算処理に用いたが、単色光の光源4を用いて同じ演算処理を行っても良い。
また、第1の実施形態では、ハロゲン光源4からの照明光を平行光にしたが、液晶バックライトを平行光の光源とした場合、液晶パネルから部分偏光が発生していても、背景輝度Ybの上昇と、C(=ΔY/Yb)の低下に寄与するので、欠陥の見えやすい状態となるので問題はない。
更に、図1に示すレンズ6として、拡大縮小が可能なレンズを用いるのがより好ましい。拡大縮小可能なレンズを用いることで、被検査フイルムの二次元輝度分布から求めた空間周波数と、人間の視感度データとから、人間の目の感度が良い領域に対応してスクリーン7上の投影画像の拡大縮小ができるからである。
また、被検査フイルムの大きさが平行光の照射領域より小さい場合、或いは、被検査フイルムの特定の一部分を検査する場合には、データ統合手段により複数の分割透過光データを1つの透過光データに統合する必要はなく、得られた検査データを直接処理して検査対象物の評価値を算出できることは言うまでもない。
本発明に係る検査装置は、透明物体の欠陥を容易に検査できるため、位相差フイルムや視野角改善用の光学補償フイルム、液晶パネル等のディスプレイ製品などの検査に適用すると有用である。
1,2 偏光子
3 広帯域λ/4フイルム(λ/4位相子)
4 光源
5 平行光照射手段
6 集光レンズ
7 スクリーン
8 検出手段
9 人間の視感度データ等を格納したメモリ
10 演算装置(データ統合手段)
11 回転駆動装置
15 検査対象(平板状透明製品)
50 移動手段
θ1 偏光子の光学軸の角度
θ2 位相子の光学軸の角度
3 広帯域λ/4フイルム(λ/4位相子)
4 光源
5 平行光照射手段
6 集光レンズ
7 スクリーン
8 検出手段
9 人間の視感度データ等を格納したメモリ
10 演算装置(データ統合手段)
11 回転駆動装置
15 検査対象(平板状透明製品)
50 移動手段
θ1 偏光子の光学軸の角度
θ2 位相子の光学軸の角度
Claims (15)
- 検査対象の平板状透明製品を挟んで配置される一対の偏光子と、該偏光子の一方を通して前記検査対象を照明する照明光源と、前記一方の偏光子と前記検査対象との間に配置される位相子と、前記照明光源から照明光が照射され前記一対の偏光子の他方の偏光子から出射する透過光を検出する検出手段と、前記検査対象を保持すると共に前記検査対象を平行移動させる移動手段と、前記検出手段が検出した透過光データから評価値を算出し該評価値が所定の方向に向かう様に前記一方の偏光子の光学軸の角度と前記位相子の光学軸の角度とを独立に制御する演算手段とを備えることを特徴とする検査装置。
- 前記演算手段は、前記移動手段が前記検査対象を平行移動させながら前記検査対象を分割した複数の分割エリアに前記照明光を照射して、前記検出手段により検出された複数の分割透過光データを1つの透過光データに統合するデータ統合手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
- 前記検査対象が透明基板と該透明基板に挟まれた液晶とでなることを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
- 前記検査対象が光学フイルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明物体の検査装置。
- 前記制御が終了した時点における前記検出手段の検出値を利用して前記検査対象のランク付けを行う手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の検査装置。
- 前記検出値は前記検査対象の画像データであることを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
- 前記他方の偏光子から出射した透過光を集光するレンズと、該レンズの透過光を投影するスクリーンとを前記他方の偏光子と前記検出手段との間に配置し、該検出手段は前記スクリーンに投影された画像を検出することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の検査装置。
- 前記レンズは前記スクリーンへの投影画像を拡大縮小することができるレンズであることを特徴とする請求項7に記載の検査装置。
- 前記評価値は、前記透過光のうちの高輝度部分と低輝度部分との間の輝度差であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の検査装置。
- 前記演算手段は、前記輝度差を人間の視感度データに基づき人間の視感度で該輝度差が増大する方向に前記制御を進めることを特徴とする請求項9に記載の検査装置。
- 前記演算手段は、前記検査対象の平均輝度または前記低輝度部分の輝度が最小となるように前記制御を進めることを特徴とする請求項9又は10に記載の検査装置。
- 前記演算手段は、前記検査対象の前記低輝度部分の輝度が指定輝度となるように、或いは、前記低輝度部分の輝度と指定輝度との差が最小となるように前記制御を進めることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の検査装置。
- 前記演算手段は、前記検査対象の前記低輝度部分の三刺激値が指定三刺激値となるように、或いは、前記低輝度部分の三刺激値と指定三刺激値との差が最小となるように前記制御を進めることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の検査装置。
- 検査対象の平板状透明製品を挟んで配置される一対の偏光子と、該偏光子の一方を通して前記検査対象を照明する照明光源と、前記一方の偏光子と前記検査対象との間に配置される位相子と、前記照明光源から照明光が照射され前記一対の偏光子の他方の偏光子から出射する透過光を検出する検出手段と、前記検査対象を保持すると共に前記検査対象を平行移動させる移動手段と、を備える検査装置の検査方法において、
前記移動手段が前記検査対象を平行移動させながら前記検査対象を分割した複数の分割エリアに前記照明光を照射して得られた複数の分割透過光データを1つの透過光データに統合し、更に、該透過光データから評価値を求め該評価値が所定の方向に向かう様に前記一方の偏光子の光学軸の角度と前記位相子の光学軸の角度とを独立に制御し、該制御が終了した時点における前記検出手段が検出した前記被検査対象の画像に基づいて該検査対象のランク付けを行うことを特徴とする検査方法。 - 検査対象の平板状透明製品を挟んで配置される一対の偏光子と、該偏光子の一方を通して前記検査対象を照明する照明光源と、前記一方の偏光子と前記検査対象との間に配置される位相子と、前記照明光源から照明光が照射され前記一対の偏光子の他方の偏光子から出射する透過光を検出する検出手段と、前記検査対象を保持すると共に前記照明光の光軸に垂直な平面内で前記検査対象を平行移動させる移動手段と、を備える検査装置の検査方法において、
前記移動手段が前記検査対象を平行移動させながら前記検査対象を分割した複数の分割エリアに前記照明光を照射して得られた複数の分割透過光データを1つの透過光データに統合し、更に、該透過光データから評価値を求め該評価値が所定の方向に向かう様に前記一方の偏光子の光学軸の角度と前記位相子の光学軸の角度とを独立に制御し、該制御が終了した時点における前記検出手段が検出した前記被検査対象の画像に基づいて該検査対象の欠陥の有無を判定することを特徴とする検査方法。
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- 2005-12-21 JP JP2005368447A patent/JP2007170961A/ja active Pending
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