JP4961777B2 - 塗布ムラ検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材上に一定方向に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを検出する塗布ムラ検査方法に関する。更に詳しくは、例えば液晶ディスプレイの製造に用いられるフォトスペーサー用の透明感光性樹脂被膜の塗布ムラを検出するのに好適な塗布ムラ検査方法に関する。
液晶ディスプレイは、それぞれ電極を形成した2枚の電極板をその間に間隙を設けて貼り合わせ、その間隙に液晶を封入して構成されている。そして、その両電極間に画素毎に電圧を印加して液晶を駆動させ、液晶を通過する光の偏光面を制御することにより偏光膜の透過・不透過を制御して画面表示するものである。
従来、前記間隙は一方の電極板に散布された球状ビーズの径によって保つのが通常であった。しかしながら、球状ビーズはその散布位置を制御することができず、このため散布位置によっては表示ムラを引き起こすことがあった。
これを解決するため、近年多数のフォトスペーサーによる前記間隙の制御が行なわれている。フォトスペーサーは、前記電極板のいずれか一方に設けられた柱状のスペーサーであって、一般にその電極板に塗布された透明感光性樹脂を露光、現像して設けられている。カラー液晶表示装置の場合には、ガラス基板上に表示画面を区画する黒色の額縁とこの額縁内を各画素に区画する黒色の遮光膜(ブラックストライプ又はブラックマトリクス)と、前記遮光膜で区画された各画素に設けられ、表示光を着色する着色膜とが設けられ、これら黒色の額縁、遮光膜及び着色膜を被覆して透明感光性樹脂被膜が塗布される。そして、この方法によれば、フォトスペーサーの位置は露光マスクによって特定できるので、従来球状ビーズによって引き起こされていた表示ムラの恐れはない。
しかしながら、これら柱状のフォトスペーサーの高さは、塗布された感光性樹脂被膜の膜厚で決定されることから、この感光性樹脂被膜に塗布ムラがあると、これらフォトスペーサーの高さも不揃いとなって電極間距離が不安定となり、また液晶層の厚みが不安定となって、その表示品質に影響する。このため、感光性樹脂被膜は均一な膜厚に塗布される必要があり、他方、塗布ムラのある感光性樹脂被膜は露光、現像前に検出し、この被膜を剥離除去する必要がある。仮に塗布ムラのある感光性樹脂被膜を露光、現像してフォトスペーサーを形成したとすると、そのフォトススペーサーの高さのムラを検出することは困難であり、また電極板から剥離除去することも困難だからである。
また、近年、液晶ディスプレイは市場競争のために低価格化の傾向が著しく、これに対処するため、大面積のガラス板に多面付けして電極板を製造している。また、液晶ディスプレイの表示画面自体が大画面化しているため、これに使用するガラス基板は益々大面積化の傾向が強くなり、フォトスペーサーの再形成は、液晶ディスプレイの製造原価低減に必要な課題となりつつある。
通常、液晶ディスプレイのフォトスペーサーに用いられる透明感光性樹脂は、大面積の基板上に均一に塗布する必要があることから、ダイコーターにより一定方向に向けて塗布されている。このように一定方向に向けて塗布された透明感光性樹脂には、直線状に塗布ムラが生じることが多い。例えば、このダイコーターで塗布する際に、透明感光性樹脂を押し出すスリット幅が部分的に変動した場合には、その塗布方向に沿って直線状に塗布ムラが発生する。また、ダイコーターの送り精度が変動した場合には、塗布方向に直交する方向に直線状の塗布ムラが発生する。
また、ダイコーターステージとガラス基板間に異物が存在した場合にも膜厚が変動するため丸状や不定形状のムラが発生したり、ガラス基板を支えている支持ピンとガラス基板との温度差から乾燥性のピンムラが生じたりすることもある。
一般に、透明被膜に光を照射すると、塗布ムラがある部位(ムラ部)では、その周囲(正常部)と異なる強度の反射光が観察されることになる。例えば、干渉光を使って観察した場合、光の波長λと膜厚との関係により膜厚の変化で反射光の強弱が発生する。膜厚と波長λの位相が合えば強め合い、膜厚が変化して位相がずれると干渉光は弱くなる。このため、塗布ムラは肉眼で観察することができる。
前記反射光の強度をカメラなどで観察・測定することで塗布ムラを検出することも可能である。しかしながら、カメラ等の感度は肉眼に比較して低く、正常部とムラ部の区別が困難である。また、目視ではほとんど問題になることがなく許容範囲に属する微小な膜厚変動に起因し、基板全面に亘って変動する明るさ変動(モヤムラ)の影響や、目視ではほとんど注意することがない透明感光性樹脂被膜の下層に存在する格子(ブラックマトリクス)等の影響が画像内に顕在化してくる。この影響があると2値化処理やフィルタリング処理等の単純な画像処理手段によってムラ部を簡便に検出することはできない。
これを改善して、正常部とムラ部との間のS/Nを高め、塗布ムラを精度良く検出する試みも行なわれている。例えば、検査する領域を画素状に分割し、波長の異なる2種類の光を照射し、各画素毎に、かつ波長毎に反射光強度を測定し、次に波長に基づく反射光強度の差を算出すると共に、第一方向の所定長さ分の前記差を累積し、この累積値を第一方向に微分し、第二方向の所定区間における微分値の最大値から最小値を引いた微分差を算出し、この微分差を閾値と比較して、塗布ムラを検出する方法がある(特許文献1参照)。
特開2003−166941号公報
ところで、上記のような従来の塗布ムラ検査方法では、前述のモヤムラや下層に存在する格子等の影響を加味したムラ検査が困難であるという課題があった。
また、2種類の光信号を検出処理する点で処理スピードにおいても満足できるものではないという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、透明樹脂被膜の塗布ムラを効率的に検出する塗布ムラ検査方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の塗布ムラ検査方法は、測定に影響する下層が存在する基材上に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを検査する方法であって、透明樹脂の塗布方向及びこれに直交する方向に分割して多数の小領域とし、これら小領域に光を照射してその反射光強度を小領域毎に測定する反射光強度測定工程と、塗布方向又は塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を基準エリア内で積算処理して基準積算値を算出する基準積算値算出工程と、塗布方向又は塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を前記基準エリア内に設定された走査エリア内で積算処理して積算値を算出する積算値算出工程と、前記基準積算値及び積算値から所定区間内で分散を算出する分散算出工程と、前記基準エリア及び走査エリアの分散値との比較演算により塗布ムラを抽出するムラ抽出工程とを備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の塗布ムラ検査方法は、測定に影響する下層が存在する基材上に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを検査する方法であって、透明樹脂の塗布方向及びこれに直交する方向に分割して多数の小領域とし、これら小領域に光を照射してその反射光強度を小領域毎に測定する反射光強度測定工程と、塗布方向又は塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を基準エリア内で積算処理して基準積算値を算出する基準積算値算出工程と、塗布方向又は塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を前記基準エリア内に設定された走査エリア内で積算処理して積算値を算出する積算値算出工程と、前記基準積算値及び積算値から所定区間内で移動平均してその移動平均値を算出する移動平均値算出工程と、前記基準エリア及び走査エリアの移動平均値との比較演算により塗布ムラを抽出するムラ抽出工程とを備えることを特徴とする。
本発明の塗布ムラ検査方法によれば、全基板上において反射光強度を精度良く測定し、この反射光強度から透明樹脂被膜の下層に存在する格子影響等の外乱要因を顕在化すると共に塗布ムラの可能性のある領域(ムラ候補領域)を精度良く推定することができ、精度の良い塗布ムラの検出が可能になる効果を奏する。
以下、本発明の塗布ムラ検査方法の一実施の形態について説明する。
本実施の形態では、液晶ディスプレイの電極板の製造に適用される中間製品を基材とし、この基材上にダイコーターで塗布された透明感光性樹脂被膜を透明樹脂被膜として、本発明を適用することができる。
図1は、中間製品であるガラス基板1とその表面に塗布された透明感光性樹脂とを示す平面図である。この平面図では、説明に不要な点については図示を省略してある。
すなわち、この中間製品は、ガラス基板1上に、表示画面12を区画する黒色の額縁11と、この額縁11内を各画素に区画するブラックマトリクス(図示せず)と、このブラックマトリクスで区画された各画素に設けられ表示光を着色する着色膜(図示せず)とが構成されたものである。尚、一枚のガラス基板1上に表示画面が多面付けされていることが普通であるが、図では一表示画面だけを示している。
そして、この中間製品上に透明感光性樹脂がダイコーターで塗布されている。透明感光性樹脂は、ガラス基板1の端面13から塗布を開始し、図示の方向にダイコーターのスリットダイを搬送するかガラス基板1を搬送することにより均一な膜厚に塗布されている。符号14は塗布領域を示し、符号15は塗布ムラを示している。塗布ムラ15は、異物起因のピンムラ及びダイコーターのスリットダイと基材との間のギャップのムラに起因するもので前者は任意箇所に丸状及び不定形状、後者は塗布方向又は塗布直交方向に沿って直線状に生じる。
図2は、この塗布ムラ検査方法が適用される塗布ムラ検査装置の概要を示す模式図である。図2に示す塗布ムラ検査装置では、先ずガントリー4を備えるステージ上に、透明感光性樹脂が塗布されたガラス基板1を載置、固定する。
前記ステージとしては任意のもので良いが、ステージ表面からの反射ノイズ光を防ぐため、表面黒色のステージを用いることが望ましい。例えば、表面をアルマイト処理して黒色としたアルミニウム製のステージである。または、撮像ポイント部におけるガラス基板1の下部だけを表面黒色部材としても良い。
また、ガラス基板1の載置、固定は、例えば、ステージの上面に真空吸着機構を設けて、この機構によって吸着することによって載置、固定することが可能である。また、リフターを使用してステージ上方の中空位置に固定しても良いし、クランプによってガラス基板1の端面を把持することによりステージ上方の中空位置に固定することも可能である。このように中空位置に固定することによって、ステージ表面からの反射ノイズ光を防ぐことができる。
次に、この塗布ムラ検査装置においては、ガントリー4に、複数の光源2と、この光源2から照射された光が透明樹脂被膜にて反射された反射光を受光するカメラ3とが装着されている。
カメラ3としては白黒カメラが好ましく利用できるが、カラーカメラであっても良い。また、カメラ3はラインカメラあるいはエリアカメラのいずれであっても良い。尚、10bit以上の高感度カメラを使用することが好ましい。
カメラ3は、その測定感度の点から、その光軸が、ガラス基板1の法線に対し40〜60°の角度をなすように配置されていることが望ましい。より望ましくは50°である。また、このカメラ3の光軸の角度に対応し、光源2も照射光がガラス基板1の法線に対し40〜60°の角度で入射するように配置されていることが望ましい。
そして、光源2からの光を照射し、ガラス基板1の透明感光性被膜で反射された光の強度をカメラ3によって測定する。ガントリー4を移動させて反射光強度を測定することにより、測定対象全領域についてその反射光強度を測定することが可能である。尚、測定範囲が広い場合には、ガントリー4の間欠移動と反射光強度の測定を繰り返したり、又はインライン上に具備させるとき等設置スペースに余裕が無い場合には、ガラス基板1そのものを移動させ、ガントリー4を停止させた状態で、全範囲の反射光強度測定を行なっても良い。
なお、反射光強度は、透明樹脂の塗布方向(m方向)及びこれに直交する方向(n方向)に分割して多数の小領域(n,m)とし、これら小領域(n,m)に光を照射してその反射光強度Rを、小領域(n,m)毎に測定する必要がある。図2に示す塗布ムラ検査装置においては、ガントリー4の移動方向又はガラス基板1の移動方向を塗布方向(m方向)としたが、ガントリー4の移動方向又はガラス基板1の移動方向を塗布方向(m方向)に直交する方向(n方向)となるように配置しても良い。
前記小領域(n,m)は、カメラ3の各画素に対応する領域であって良い。このため、カメラ3の分解能が高いほど透明感光性樹脂被膜の表面は細かい小領域に分割され、精度良く測定することが可能となる。また、カメラ3の画素を複数個にまとめて小領域(n,m)に対応させることも可能である。
次に、本実施の形態において膜厚ムラの検査に使用する光は任意の波長の光で良いが、透明感光性樹脂被膜が感光性を有する場合には、その透明感光性樹脂被膜に感受性の無い波長の光を用いることが望ましい。一般に、感光性樹脂は紫外線などの短波長の光に感受性を有することから、本実施の形態においては膜厚ムラの検査に使用する光として、500〜570nmの波長域に属する緑色光、あるいは580〜630nmの波長域に属する赤色光が好適である。尚、これらの光は狭帯域の光線であることが望ましい。好ましくは、半値幅20nm以下の単色光である。
500〜570nmの波長域に属する緑色の単色光は、例えば光源2としてハロゲンランプや高圧水銀ランプを使用し、その光をバンドパスフィルタを透過させることで得ることができる。また、赤色の単色光は、ハロゲンランプや低圧ナトリウムランプを光源2とし、その光をバンドパスフィルタを透過させることによって得ることができる。尚、バンドパスフィルタや雰囲気への熱対策には十分注意を払う必要がある。
尚、透明感光性樹脂に照射する照射光は、検査に使用する光の他、別の波長域に属する光を含むものであってもよい。この場合には、反射光をバンドパスフィルタを通過させることによって、検査に使用する光の反射光強度を測定することができる。また、カラーカメラで色光毎に反射光強度を測定した後、検査に使用する光の反射光強度をデータ上で抽出しても良い。
次に、塗布方向(m方向)又は塗布方向に直交する方向(n方向)に沿って並んだ小領域(n,m)の反射光強度R(n,m)から基準エリア内の基準積算値及び走査エリア内の積算値を算出する。そして、基準積算値及び積算値に対して画素ピッチ毎に分散値を算出し、基準エリア及び走査エリアから求めた分散値を比較演算することで塗布ムラ部を抽出する。
透明感光性樹脂の下層に存在する格子影響及び基板全面に亘って存在する明るさ変動(モヤムラ影響)を顕在化する手段として分散値を算出するが、好ましくはガラス基板1上に形成された画素ストライプと直交する方向が好適である。これは、画素ストライプと直交する方向では、透明感光樹脂下層に存在する格子影響が格子配置構造上顕著に生じ、基板全面に亘って生じるうねり(モヤムラ)がより的確に現れるため、ムラ部を抽出するのに適するからである。この画素ストライプの方向は、ガラス基板1上の面付け配置によって変わり、塗布方向(m方向)と同方向になる場合と、塗布方向に直交する方向(n方向)と同方向の場合の2種類があり、適時選択する。
以下、塗布方向(m方向)に並んだ小領域(n,m)の反射光強度R(n,m)から積算値及び分散値を算出する場合を例として説明する。なお、塗布方向(n方向)は画素ストライプと直交する方向とする。
図3は、基準エリア51と、この基準エリア51内に設置された走査エリア52とを示す説明図である。
図3に示すように、塗布方向(m方向)に並んだ小領域(n,m)の反射光強度R(n,m)から得られる基準エリア内(積算幅Mref)の基準積算値Sref=ΣR(n,m)、走査エリア内(積算幅M)の積算値S=ΣR(n,m)を求める。尚、この時、基準エリア積算幅>走査エリア積算幅とし、基準積算値SrefとSとの数値レベルを揃えるため新たに基準積算値Srefは、Sref=Sref×(M/Mref)と置換させておく。そして、基準積算値Sref及び積算値Sデータに対し、n方向で画素ピッチ幅で走査しながら分散値(標準偏差σ)、すなわちσref及びσを求め、走査エリア内の分散値と基準エリア内の分散値との差σ−σrefを求める。
次に、基準エリア内の走査エリアを塗布方向m方向にシフトさせ、同様に走査エリア内の分散値σm、σm−σrefを求める。尚、シフト量は対象とする塗布ムラの大きさに応じて1画素以上の適値とする。
この分散値を求めることで、反射光強度データ内に存在する高周波変動、すなわち透明感光性樹脂下層に存在する格子影響を顕在化させることで外乱影響を明確にし、塗布ムラの検出精度の向上を狙っている。
また、差分値σm−σrefに対し、閾値Thup(プラス方向)、Thdown(マイナス方向)を設け、この閾値より変化の大きい分散値を示す部位を塗布ムラとして可能性として抽出することが可能になる。さらに、その後抽出された部位(データ)を画像として再構成し、この画像に対してフィルタリング処理やラベリング処理等の画像処理を施すことにより、塗布ムラとして可能性のある領域抽出を行い、更に検査精度の向上を図ることもできる。
尚、このような演算は、図示しないコンピュータによって可能である。
また、次に、塗布方向(m方向)に並んだ小領域(m,n)の反射光強度R(n,m)から積算値及び移動平均値を算出する場合を例として説明する。なお、塗布方向(n方向)が画素ストライプと直交する方向とする。
図3に示すように、塗布方向(m方向)に並んだ小領域(n,m)の反射光強度R(n,m)から得られる基準エリア内(積算幅Mref)の基準積算値Sref=ΣR(n,m)、走査エリア内(積算幅M)の積算値S=ΣR(n,m)を求める。尚、この時、基準エリア積算幅>走査エリア積算幅とし、基準積算値SrefとSとの数値レベルを揃えるため新たに基準積算値Srefは、Sref=Sref×(M/Mref)と置換させておく。そして、積算値Sref及びSから得られる移動平均値は、例えば互いに隣接する積算値SnとSn+1との平均を算出することで実施することができる。例えば、(S1+S2)/2,(S2+S3)/2,・・・・などである。もちろん、互いに隣接する2つの積算値Snに限らず、互いに連続する3以上の積算値Snの平均を移動平均値として利用することも可能である。平滑化処理として、フーリエ変換後高周波成分を除去し、逆変換する処理を利用することも可能である。そして、走査エリア内の移動平均値Asと基準エリア内の移動平均値Arefとの差As−Arefを求める。
次に、基準エリア内の走査エリアを塗布方向m方向にシフトさせ、同様に走査エリア内の移動平均値Sm、走査エリア内の移動平均値と基準エリア内の移動平均値との差Am−Arefを求める。尚、シフト量は対象とする塗布ムラの大きさに応じて1画素以上の適値とする。
この移動平均処理を行うことで、人間の目で観察しているのと同様に反射光強度をなだらかなデータとして再形成することで求める塗布ムラの検出感度の向上を狙うと共に、反射光強度データ内に存在する高周波変動、すなわち透明感光性樹脂下層に存在する格子影響を軽減させることで外乱影響を除き、塗布ムラの検出精度の向上を狙っている。
また、差分値Am−Arefに対し、閾値Thup(プラス方向)、Thdown(マイナス方向)を設け、この閾値より変化の大きい値を示す部位を塗布ムラとして可能性として抽出することが可能になる。さらに、その後抽出された部位(データ)を画像として再構成し、この画像に対してフィルタリング処理やラベリング処理等の画像処理を施すことにより、塗布ムラとして可能性のある領域抽出を行い、更に検査精度の向上を図ることもできる。
尚、このような演算は、図示しないコンピュータによって可能である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、塗布方向又は塗布方向に直交する方向を分散算出方向として、分散算出方向に沿って並んだ小領域の反射光強度から積算値、分散値を算出し、積算値、分散値を求めることによって透明感光性樹脂被膜の下層に存在する格子影響及び基板全面に亘って存在する明るさ変動(モヤムラ影響)を顕在化することができ、検出精度の向上を図れる塗布ムラ検査方法を提供できる効果がある。
また、本実施の形態によれば、塗布方向又は塗布方向に直交する方向を移動平均方向として、移動平均方向に沿って並んだ小領域の反射光強度から積算値及び移動平均値を算出し、積算値及び移動平均値を求めることによって透明感光性樹脂被膜の下層に存在する格子影響及び基板全面に亘って存在する明るさ変動(モヤムラ影響)を顕在化することができ、検出精度の向上を図れる塗布ムラ検査方法を提供できる効果がある。
また、本実施の形態によれば、異物起因等の円形及び不定形の塗布ムラの検出や直線状に生じた塗布ムラを精度よく検出できる塗布ムラ検査方法を提供できる効果がある。
本実施例1で使用したガラス基板1の概要は、図1に示した通りである。青色光に感受性のある透明感光性樹脂をダイコーターを使用して一方向に向かって塗布したもので、このガラス基板1上に丸状塗布ムラを設けてあり、本実施例1ではこの丸状のムラに関して説明することにする。
次に、本実施例1で利用した装置の概要は図2に示した通りである。光源2としては、低圧ナトリウムランプを照明ボックス内に具備し、照明ボックスの中心軸が基材表面の法線に対して50°となるように配置、拡散照射させて使用した。また、カメラ3としては、10bitデータ出力可能な白黒のラインカメラを使用し、これをその光軸が基材表面の法線に対し50°をなすように配置した。そして、ガラス基板1を移動させて、ガラス基板全領域についてその反射光強度Rを測定し、反射光強度Rから積算値S及び分散値σを求めた。
塗布方向の直交方向(n方向)に沿って順序nを付与し、この順序nを変数、前記基準積算値Snref、ムラの存在する走査エリア内の積算値Snを関数として、これら変数nと関数Snref、Snとを直交座標上に表示した。これらを図4に示す。
図4は、基準エリア内の基準積算値とムラのある走査エリア内の積算値を示した説明図である。
尚、この時の基準積算幅Mrefは400画素、積算幅Mは60画素、nは200画素とした。
図4から、積算値は大きなうねり(非周期変動)が存在している中で、下層格子影響を受けて細かく変動していることが分かる。前者はモヤムラ影響、後者はRGB画素等の下地影響に因るものである。そして、ムラ領域では、下地影響が乱れていることも確認できる。目視観察の際は、細かい周期変動は見えず大きなうねりの中から塗布ムラを指摘していることから、細かい周期変動の凹凸を固定ノイズとして顕在化することができれば正常部とムラ部との差が明確に認識できる。
そこで、次に基準エリア内の基準積算値及び走査エリア内の積算値に対し、塗布方向の直交方向(n方向)に沿って画素ピッチ幅(本実施例では5画素分)で走査しながら標準偏差を求め、走査エリア内の標準偏差σと基準エリア内の標準偏差σrefとの差を求めた。これを図5に示す。
図5は、基準エリア内基準積算値から求めた標準偏差σrefと走査エリア内積算値から求めた標準偏差σとの差を示す説明図である。
図5から、モヤムラと下地影響が固定ノイズとして存在していることが確認できると共に、塗布ムラ部ではその変化量以上に偏差が顕著になっていることが確認できる。また、この差分値に閾値を設けることで、ムラの存在する部位と正常の部位との弁別も可能となる。
次に、基準エリア内の基準積算値及び走査エリア内の積算値に対し、塗布方向の直交方向(n方向)に沿って移動平均処理(移動平均幅30画素)で走査しながら移動平均を求め、走査エリア内の移動平均値Aと基準エリア内の移動平均値Arefを求めた。これを図6に示す。
図6は、基準エリア内基準積算値から求めた移動平均値Arefとムラのある走査エリア内積算値から求めた移動平均値Aを示した説明図である。
そして、移動平均値Aと基準エリア内の移動平均値Arefとの差を求めた結果を図7に示す。
図7は、基準エリア内基準積算値から求めた移動平均値Arefとムラのある走査エリア内積算値から求めた移動平均値Aとの差を示す説明図である。
これらの図から基準エリア内から求めた移動平均値と走査エリア内から求めた移動平均値との差を求めることで塗布ムラの存在を確認することができると共に、この差分値に閾値を設けることで、ムラの存在する部位と正常の部位との弁別も可能となる。
以上説明したように、本実施例1によれば、ガラス基板1全面の反射光強度から求める比較演算値から透明感光性樹脂の下層にある格子影響及び大きなうねり(モヤムラ)を軽減し、精度良く塗布ムラの可能性のある領域を抽出して、その検査を効率化できる塗布ムラ検査方法を提供できる効果がある。
中間製品であるガラス基板とその表面に塗布された透明感光性樹脂とを示す平面図である。 本発明の実施の形態の塗布ムラ検査方法が適用される塗布ムラ検査装置の概要を示す模式図である。 本発明の実施の形態の塗布ムラ検査方法における基準エリア51と走査エリア52とを示す説明図である。 本発明の実施例1における基準エリア内の基準積算値とムラのある走査エリア内の積算値を示した説明図である。 本発明の実施例1における基準エリア内基準積算値から求めた標準偏差σrefと走査エリア内積算値から求めた標準偏差σとの差を示す説明図である。 本発明の実施例1における基準エリア内基準積算値から求めた移動平均値Arefとムラのある走査エリア内積算値から求めた移動平均値Aを示した説明図である。 本発明の実施例1における基準エリア内基準積算値から求めた移動平均値Arefとムラのある走査エリア内積算値から求めた移動平均値Aとの差を示す説明図である。
1……ガラス基板、2……光源、3……カメラ、11……額縁、12……表示画面、13……端面、14……塗布領域、15……塗布ムラ、51……基準エリア、52……走査エリア。

Claims (2)

  1. 測定に影響する下層が存在する基材上に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを検査する方法であって、
    透明樹脂の塗布方向及びこれに直交する方向に分割して多数の小領域とし、これら小領域に光を照射してその反射光強度を小領域毎に測定する反射光強度測定工程と、
    塗布方向又は塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を基準エリア内で積算処理して基準積算値を算出する基準積算値算出工程と、
    塗布方向又は塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を前記基準エリア内に設定された走査エリア内で積算処理して積算値を算出する積算値算出工程と、
    前記基準積算値及び積算値から所定区間内で分散を算出する分散算出工程と、
    前記基準エリア及び走査エリアの分散値との比較演算により塗布ムラを抽出するムラ抽出工程と、
    を備えることを特徴とする塗布ムラ検査方法。
  2. 測定に影響する下層が存在する基材上に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを検査する方法であって、
    透明樹脂の塗布方向及びこれに直交する方向に分割して多数の小領域とし、これら小領域に光を照射してその反射光強度を小領域毎に測定する反射光強度測定工程と、
    塗布方向又は塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を基準エリア内で積算処理して基準積算値を算出する基準積算値算出工程と、
    塗布方向又は塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を前記基準エリア内に設定された走査エリア内で積算処理して積算値を算出する積算値算出工程と、
    前記基準積算値及び積算値から所定区間内で移動平均してその移動平均値を算出する移動平均値算出工程と、
    前記基準エリア及び走査エリアの移動平均値との比較演算により塗布ムラを抽出するムラ抽出工程と、
    を備えることを特徴とする塗布ムラ検査方法。
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