JP2006263643A - 塗布ムラ検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大面積の基材に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを効率的に検出する方法を提供すること。
【解決手段】黒色の部位11を有する基材上に、一定方向に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを検出する方法で、黒色部位を、透明樹脂の塗布方向(m方向)及びこれに直交する方向(n方向)に分割して多数の小領域(m,n)とし、これら小領域(m,n)の反射光強度rを測定し、塗布方向(m方向)に沿って積算した積算値Σrnを相互に比較して塗布ムラの可能性のある領域として抽出し、次に、このムラ候補領域を中心として、その近傍の領域を検査して塗布ムラを抽出する。塗布ムラは塗布方向に生じ易いから、黒色部位でムラ候補領域を精度良く推定し、この推定を基に効率的に塗布ムラを検査することができる
【選択図】図1

Description

本発明は、黒色部位とその他の部位を有する基材上に一定方向に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを検出する方法に関する。更に詳しくは、液晶ディスプレイの製造に用いられるフォトスぺーサー用の透明感光性樹脂被膜の塗布ムラを検出するのに好適な検出方法に関するものである。
液晶ディスプレイは、それぞれ電極を形成した2枚の電極板を、その間に間隙を設けて貼り合わせ、その間隙に液晶を封入して構成されている。そして、両電極板の間に、画素ごとに電圧を印加して液晶を駆動させ、液晶を透過する光の偏光面を制御することにより偏光膜の透過・不透過を制御して画面表示するものである。
前記間隙は、従来、一方の電極板に散布された球状ビーズの径によって保つのが通常であった。しかしながら、球状ビーズはその散布位置を制御することができず、このため、散布位置によっては表示ムラを引き起こすことがあった。
これを解決するため、近年、多数のフォトスペーサーによる前記間隙の制御が行われている。フォトスペーサーは、前記電極板のいずれか一方に設けられた柱状のスペーサーであって、一般に、その電極板に塗布された透明感光性樹脂を露光・現像して設けられている。カラー液晶表示装置の場合には、ガラス基板上に表示画面を区画する黒色の額縁と、この額縁内を各画素に区画する黒色の遮光膜(ブラックストライプまたはブラックマトリクス)と、前記遮光膜で区画された各画素に設けられ、表示光を着色する着色膜とが設けられ、これら黒色の額縁、遮光膜および着色膜を被覆して透明感光性樹脂被膜が塗布される。そして、この方法によれば、フォトスペーサーの位置は露光マスクによって特定できるので、従来球状ビーズによって引き起こされていた表示ムラのおそれはない。
しかしながら、これら柱状フォトスペーサーの高さは塗布された感光性樹脂被膜の膜厚で決定されることから、この感光性樹脂被膜に塗布ムラがあると、これらフォトスペーサーの高さも不揃いとなって電極間距離が不安定となり、また液晶層の厚みが不安定となって、その表示品質に影響する。このため、感光性樹脂被膜は均一な膜厚に塗布される必要があり、他方、塗布ムラのある感光性樹脂被膜は露光・現像前に検出し、この被膜を剥離除去する必要がある。仮に塗布ムラのある感光性樹脂被膜を露光・現像してフォトスペーサーを形成したとすると、そのフォトスペーサーの高さのムラを検出することは困難であり、また、電極板から剥離除去することも困難だからである。
一般に、透明被膜に光を照射すると、塗布ムラがある部位(ムラ部)では、その周囲(正常部)と異なる強度の反射光が観察されることになる。例えば、黒色の部位上に塗布ムラがあった場合には、この塗布ムラは周囲に比較して明るく見える。また、無色透明の部位に塗布ムラがあった場合には、塗布ムラは周囲に比較して暗く見える。このため、塗布ムラは肉眼で観察することができる。
前記反射光の強度をカメラなどで測定することで塗布ムラを検出することも可能である。しかしながら、カメラなどの感度は肉眼に比較して低く、正常部とムラ部の区別が困難である。
これを改善して、正常部とムラ部との間のS/N比を高め、塗布ムラを精度良く検出する試みも行われている。例えば、検査する領域を画素状に分割し、波長の異なる2種類の
光を照射し、各画素ごとに、かつ、波長ごとに反射光強度を測定し、次に波長に基づく反射光強度の差を算出すると共に、第1方向の所定長さ分の前記差を累積し、この累積値を第1方向に微分し、第2方向の所定区間間における微分値の最大値から最小値を引いた微分差を算出し、この微分差を閾値と比較して、塗布ムラを検出する方法である(特許文献1参照)。
特開2003−166941号公報 しかしながら、近年、液晶ディスプレイは市場競争のために低価格化の傾向が著しく、これに対処するため、大面積のガラス板に多面付けして電極板を製造している。また、液晶ディスプレイの表示画面自体が大画面化しているため、これに使用するガラス板はますます大面積化の傾向が強い。
このような大面積のガラス板に塗布された透明感光性樹脂被膜の塗布ムラを前記方法で検出しようとすると、その広い面積の全範囲について反射光強度を測定しなければならなず、極めて煩雑であり、膨大な検出時間を要することになり、非現実的である。
本発明は、以上のような事情の下でなされたもので、大面積の基材に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを効率的に検出する方法を提供することを目的とするものである。
ところで、基材上の透明樹脂膜に光を照射し、その反射光強度から膜厚を測定する場合には、基材表面が黒色であることが望ましい。透明樹脂膜を透過した光が黒色表面に吸収されてノイズ光が生じないから、その反射光強度が精度良く測定できるのである。
また、液晶ディスプレイのフォトスペーサに用いられる透明感光性樹脂は、大面積の基板上に均一に塗布する必要があることから、ダイコーターにより一定方向に向けて塗布されている。このように一定方向に向けて塗布された透明樹脂膜には、直線状に塗布ムラが生じることが多い。例えば、このダイコーターで塗布する際に、透明感光性樹脂を押し出すスリットの幅が部分的に変動した場合には、その塗布方向に沿って直線状に塗布ムラが発生する。また、ダイコーターの送り精度が変動した場合には、塗布方向に直交する方向に直線状の塗布ムラが発生する。
そこで、本発明者は、カラー液晶ディスプレイの電極板に設けられた黒色の額縁を利用して精度良く反射光強度を測定すると共に、直線状に生じ易いという塗布ムラの性質を利用すると、大面積の基材上において塗布ムラの可能性のある領域(ムラ候補領域)を精度良く推定することができ、この推定を基に効率的に塗布ムラを検査することができることを発見した。
すなわち、請求項1に係る発明は、少なくとも一部に黒色の部位を有する基材上に、一定方向に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを検出する方法であって、
前記黒色の部位を、透明樹脂の塗布方向及びこれに直交する方向に分割して多数の小領域とし、これら小領域に光を照射してその反射光強度を、小領域ごとに測定する反射光強度測定工程と、
塗布方向または塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を積算してその積算値を算出する積算値算出工程と、
前記積算方向に直交する方向(積算直交方向)ごとに算出された前記積算値を相互に比較して、周囲の積算値に比べて前記積算値が大きいまたは小さい部位を塗布ムラの可能性のある領域として抽出するムラ候補領域抽出工程と、
前記ムラ候補領域抽出工程で抽出されたムラ候補領域を中心として、その近傍の領域を
検査して塗布ムラを抽出するムラ抽出工程と、
を備えることを特徴とする塗布ムラ検出方法である。
この方法によれば、塗布方向または塗布方向に直交する方向を積算方向として、積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を積算してその積算値を算出するから、積算方向に沿って線状の塗布ムラがあった場合には、この線状ムラ部の積算値と正常部の積算値の差は、単一の小領域の反射光強度同士の差より大きくなり、検出精度の向上を図ることができる。
また、前記反射光強度は、基材が黒色の部位で測定しているため、基材の色に基づくノイズ光がなく、検出精度の向上を図ることができる。
そして、前述のように、塗布ムラは一般に直線状に生じるから、基材が黒色の部位で塗布ムラを測定してその他の部位の測定を省略しているにも拘わらず、全面の塗布ムラの存否を推定できるのである。
また、塗布ムラが検出された場合には、この領域をムラ候補領域としてその近傍を検査すると共に、塗布ムラが検出されなかった部位については、その周囲の領域の検査を省略できるから、全体として、検査速度が速くなり、また、検査工程が簡略化できる。
次に、請求項2に係る発明は、予め前記積算値に閾値を設け、この閾値より大きいまたは小さい積算値を示す部位を塗布ムラの可能性のある領域として抽出することを特徴とする請求項1に記載の塗布ムラ検出方法である。
他方、請求項3に係る発明は、目視によってムラ部を検出する方法に関するものである。すなわち、請求項3に係る発明は、前記積算直交方向に沿って順序を付与し、この順序を変数、前記積算値を関数として、これら変数と関数とを直交座標上に表示して、目視により塗布ムラの可能性のある領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の塗布ムラ検出方法である。
次に、請求項4に記載の発明は、測定された反射光強度にノイズが多い場合に対処することを目的とするもので、前記積算値に代えて、この積算値の大小に実質的に影響しない変換処理を施して得られる変換積算値を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布ムラ検出方法である。
一般に、ノイズの多いデータは、その大小が急激に変化するから、これらデータに平滑化処理を施すことで、そのノイズによる影響を抑制することができる。また、特定のデータにその周囲のデータを加算してその加算値で前記特定のデータを置換することにより、データ同士の差を増幅することができる。請求項4に記載の発明においては、これら平滑化処理や増幅処理など、この積算値の大小に実質的に影響しない変換処理を施して得られる変換積算値を使用するから、ノイズの影響を防止したり、検査精度を向上したりすることが可能となる。
本発明によれば、黒色の部位で、しかも、塗布方向または塗布方向に直交する方向を積算方向とし、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を積算してその積算値を算出してムラ候補領域を推定し、この推定を基に検査しているため、基材を全面に渡って検査する必要がなく、しかも、精度良く塗布ムラの検出が可能となるという効果を奏する。
本発明に係る基材は、その一部または全部に黒色の部位を有するものである。透明被膜を透過した光が基材の黒色表面で吸収されるため、ノイズ光の発生が抑制されるからである。
また、本発明に係る透明樹脂被膜は一定の方向に塗布されたものである必要がある。塗布ムラは一般に塗布方向または塗布方向に直交する方向に沿って線状に生じ、後述するように、この線状に沿って積算することにより、ムラ部と正常部とのS/N比を増大させることができるからである。
例えば、液晶ディスプレイの電極板の製造に適用される中間製品を基材とし、この基材上にダイコーターで塗布された透明感光性樹脂被膜を透明樹脂被膜として、本発明を利用することができる。
図1は、この中間製品1とその表面に塗布された透明感光性樹脂とを示す説明用平面図で、説明に不要な点については図示を省略してある。
すなわち、この中間製品1は、ガラス基板の上に、表示画面12を区画する黒色の額縁11と、この額縁11内を各画素に区画するブラックマトリクス(図示せず)と、このブラックマトリクスで区画された各画素に設けられ、表示光を着色する着色膜(図示せず)とが設けられたものである。なお、一枚のガラス基板上に表示画面が多面付けされていることが普通であるが、図では一の表示画面だけを示している。
そして、この中間製品上に、透明感光性樹脂がダイコーターで塗布されている。透明感光性樹脂は、ガラス基板端面13から塗布を開始し、図示の方向に基材を搬送することにより均一な膜厚に塗布されている。図中、14は塗布領域を示し、15は塗布ムラを示している。図示の塗布ムラは、ダイコーターのスリットダイと基材との間のギャップのムラに起因するもので、図示のように、塗布方向(m方向)に沿って直線状に生じている。
そして、本発明は、例えば、図2に示すような装置を用いて実施することができる。図2の装置を用いて実施する際には、まず、ガントリー4を備えるステージ上に、透明樹脂が塗布されたガラス基板1を載置・固定する。
ステージとしては任意のもので良いが、黒色額縁のない部位においてステージ表面からの反射ノイズ光を防ぐため、表面黒色のステージを用いることが望ましい。例えば、表面をアルマイト処理して黒色としたアルミニウム製のステージである。
また、ガラス基板1の載置・固定は、例えば、ステージの上面に真空吸着機構を設けて、この機構によって吸着することによって載置・固定することが可能である。また、リフタを使用してステージ上方の中空位置に固定しても良いし、クランプによってガラス基板1の端面を把持することによりステージ上方の中空位置に固定することも可能である。このように中空位置に固定することによって、ステージ表面からの反射ノイズ光を防ぐことができる。
次に、図2の装置においては、ガントリー4に、複数の光源2と、この光源2から照射された光が透明樹脂被膜にて反射された反射光を受光するカメラ3とが装着されている。
カメラ3としては、カラーカメラが好ましく利用できるが、白黒のカメラであっても良い。また、カメラ4は、エリアカメラとラインカメラのいずれであっても良い。なお、10bit以上の高感度カメラを使用することが好ましい。
このカメラ3は、その測定感度の点から、その光軸が、基板1の法線に対し40〜60度の角度をなすように配置されていることが望ましい。より望ましくは、50度である。また、このカメラ3の角度に対応して、光源2も、照射光が、基板1の法線に対し40〜60度の角度で入射するように配置されていることが望ましい。
そして、前記光源2から光を照射し、基板2の黒色部位上の透明被膜で反射された光の強度をカメラ2によって測定する。ガントリー4を移動させて、反射光強度を測定することにより、黒色部位の全領域について、その反射光強度を測定することが可能である。なお、測定範囲が広い場合には、ガントリーの間欠的移動と反射光強度の測定とを繰り返すことにより、その全範囲について測定することが可能である。なお、別の装置のインライン上に検査装置を配置する場合など、配置スペースに余裕がない場合には、基材2そのもを移動させ、ガントリー4を停止させた状態で全範囲の反射光強度の測定を行っても良い。
なお、反射光強度は、透明樹脂の塗布方向(m方向)及びこれに直交する方向(n方向)に分割して多数の小領域(m,n)とし、これら小領域(m,n)に光を照射してその反射光強度rを、小領域(m,n)ごとに測定する必要がある。図2の装置においては、ガントリー4の移動方向を塗布方向(m方向)としたが、ガントリー4の移動方向を塗布方向(m方向)に直交する方向(n方向)となるように配置しても良い。
前記小領域(m,n)は、カメラ3の各画素に対応する領域であって良い。このため、カメラ3の分解能が高いほど、感光性樹脂被膜の表面は細かい小領域に分割され、精度良く測定することが可能となる。また、カメラ3の画素の複数個をまとめて小領域(m,n)に対応させることも可能である。後述する実施例において、塗布方向(m方向)に直交する方向(n方向)に並んだ5個分の画素を、前記小領域(m,n)に対応させた場合についても説明する。
次に、本発明において膜厚ムラの検査に使用する光は、任意の波長の光で良いが、透明樹脂被膜が感光性を有する場合には、その透明感光性樹脂被膜に感受性のない波長の光を用いることが望ましい。一般に、感光性樹脂は紫外線などの短波長の光に感受性を有するから、本発明において膜厚ムラの検査に使用する光として、500〜570nmの波長域に属する緑色光、あるいは、580〜630nmの波長域に属する赤色光が好適に使用できる。なお、これら光は狭帯域の光線であることが望ましい。好ましくは、半値幅20nm以下の単色光である。
500〜570nmの波長域に属する緑色の単色光は、例えば、光源2としてハロゲンランプや高圧水銀ランプを使用し、その光をバンドパスフィルタを透過させることで得ることができる。また、赤色の単色光は、ハロゲンランプや低圧ナトリウムランプを光源2とし、その光をバンドパスフィルタを透過させることによって得ることができる。
なお、感光性樹脂被膜に照射する照射光は、検査に使用する光の他、別の波長域に属する光を含むものであっても良い。この場合には、反射光をバンドパスフィルタを透過させることによって、検査に使用する光の反射光強度を測定することができる。また、カラーカメラで色光ごとに反射光強度を測定した後、検査に使用する光の反射光強度を、データ上で抽出しても良い。
次に、塗布方向(m方向)または塗布方向に直交する方向(n方向)に沿って並んだ小領域(m,n)の反射光強度r(m,n)を積算してその積算値Σを算出する。
塗布方向(m方向)に並んだ小領域(m,n)の反射光強度r(m,n)を積算した場
合には、この方向(m方向)に沿って直線状に生じた塗布ムラを検出できる。例えば、ダイコーターのスリットの幅が部分的に変動して生じた塗布ムラである。
また、塗布方向に直交する方向(n方向)に沿って並んだ小領域(m,n)の反射光強度r(m,n)を積算した場合には、この方向(n方向)に沿って直線状に生じた塗布ムラを検出できる。例えば、ダイコーターの送り精度が変動して生じた塗布ムラである。
また、塗布方向(m方向)に並んだ小領域(m,n)の反射光強度r(m,n)を積算すると共に、塗布方向に直交する方向(n方向)に沿って並んだ小領域(m,n)の反射光強度r(m,n)を積算した場合には、その両方向の塗布ムラが検出できる。
以下、塗布方向(m方向)に並んだ小領域(m,n)の反射光強度r(m,n)を積算する場合を例として説明する。
塗布方向(m方向)に並んだ小領域(m,n)の反射光強度r(m,n)を積算して得られた積算値Σrnは、例えば、n=1の場合、Σrn=Σr1=r(1,1)+r(2,1)+r(3,1)…で表わすことができる。n=2の場合には、Σr2=r(1,2)+r(2,2)+r(3,2)…である。
正常部からの反射光強度とムラ部からの反射光強度には、通常、差異がある。この差異が小さい場合には、そのままの数値から正常部とムラ部とを区別することは困難である。しかしながら、上述のように、ムラは一般に直線状に生ずるから、この直線に沿って並んだ小領域(m,n)の反射光強度r(m,n)を積算することにより、正常部とムラ部の差異を増幅することが可能となる。
例えば、幅2mmの黒色の額縁を有するカラーフィルタ基板の額縁について、その塗布方向の長さを0.1mmとする小領域に分割して測定した場合、Σr1=r(1,1)+r(2,1)+r(3,1)…+r(20,1)、となり、他方、Σr2=r(1,2)+r(2,2)+r(3,2)…+r(20,2)となる。この結果、両者の差異はおよそ20倍に増幅され、そのS/N比が増大している。
なお、このような積算は、図示しないコンピュータによって可能である。
次に、これら積算値Σrnを相互に比較して、周囲の積算値Σrnに比べて前記積算値Σrnが大きいまたは小さい部位を塗布ムラの可能性のある領域として抽出する。
例えば、前記直交方向(n方向)に沿って順序nを付与し、この順序nを変数、前記積算値Σrnを関数として、これら変数nと関数Σrnとを直交座標上に表示して、この直交座標上で目視により比較して、塗布ムラの可能性のある領域を抽出することが可能である。
また、予め前記積算値Σrnに閾値Σ0を設け、この閾値Σ0より大きいまたは小さい積算値Σrnを示す部位を塗布ムラの可能性のある領域として抽出することも可能である。
なお、積算値Σrnに代えて、この積算値Σrnに変換処理を加えて得られた変換積算値を使用することもできる。この変換処理は、積算値Σrnの大小に実質的に影響しない処理である必要がある。
例えば、積算値Σrnの値が急激かつランダムに変化している場合には、この積算値Σ
nがノイズを含んでいる可能性があるから、変換処理として平滑化処理を施すことができる。平滑化処理が施された平滑化積算値Σ‘rnを使用することで、そのノイズの影響を削減することができる。
平滑化処理は、例えば、互いに隣接する積算値ΣrnとΣrn+1との平均を算出することで実施することができる。例えば、(Σr1+Σr2)/2,(Σr2+Σr3)/2,…などである。もちろん、互いに隣接する2つの積算値Σrnに限らず、互いに連続する3以上の積算値Σrnの平均を平滑化積算値Σ’rnとして利用することも可能である。平滑化処理として、フーリエ変換後、高周波成分を除去し、逆変換する処理を利用することも可能である。
また、前記変換処理として、積算値Σrnや積算値Σrn同士の差を増幅する増幅処理を施すこともできる。この増幅処理は、例えば、積算値Σrnに対して、その前後の積算値Σrn-1と積算値Σrn+1とを加算した増幅積算値Σ‘’rn=Σrn-1+Σrn+Σrn+1で積算値Σrnを置換して得られる。もちろん、前後2個づつの積算値Σrn-2,Σrn-1,Σrn+1,Σrn+2を加算した増幅積算値Σ‘’rn=Σrn-2+Σrn-1+Σrn+Σrn+1+Σrn+2を使用しても良い。
また、これら平滑化処理や増幅処理を複数回繰り返して得られた値を変換積算値として使用することも可能である。
次に、前述の工程にて検出された領域、すなわち、塗布ムラの可能性のある領域を中心として、その近傍の領域を検査して塗布ムラを抽出する。検査方法は定法によって可能である。また、検査領域の広さは、積算値Σrnや変換積算値の大小などに応じて適宜設定することができるが、いずれにしても、透明樹脂被膜の一部について検査すれば良い。このため、透明樹脂被膜の全面を検査する場合に比較して、著しく効率化することが可能となる。
本実施例で使用した基板1の概要は、図1に示したとおりである。黒色額縁の幅は2mmである。また、透明樹脂被膜は、青色光に感受性のある透明感光性樹脂を、ダイコーターを使用して、一方向に向かって塗布形成したもので、その一部に塗布方向に沿ってスジ状の塗布ムラを設けてある。
次に、本実施例で利用した装置の概要は、図2に示したとおりである。光源としてはハロゲンランプを使用し、このハロゲンランプと基板1の間に590nmバンドパスフィルタ(半値幅10nm)を挿入した。そして、ハロゲンランプの中心軸が基材表面の法線に対し50度になるように配置した。
また、カメラ3としては、白黒のラインカメラを使用し、これを、その光軸が基材表面の法線に対し50度をなすように配置した。なお、カメラ3の画素は、基板1の70μm×70μmの小領域に対応させた。額縁の幅が2mmであるため、塗布方向(m方向)に沿って約30の小領域が並んでいることになる。
次に、ガントリー4を移動させて、黒色部位の全領域について、その反射光強度rを測定した。そして、塗布方向(m方向)に並んだ約30の小領域の反射光強度を積算して、積算値Σrnを算出した。
次に、互いに隣接する積算値ΣrnとΣrn+1との平均を算出して平滑化積算値Σ‘rnを求めた。
小領域に、直交方向(n方向)に沿って順序nを付与し、この順序nを変数、前記積算値Σrnを関数として、これら変数nと関数Σrnとを直交座標上に表示した。また、平滑化積算値Σ‘rnを関数として、これら変数nと関数Σ’rnとを直交座標上に表示した。これらを図3に示す。なお、図3において、実線が積算値Σrnを示し、破線が平滑化積算値Σ‘rnを示す。
この図3から、ムラ候補領域では、その周囲に比較して、積算値Σrn及び平滑化積算値Σ‘rnがピーク状に突出しており、目視によってその差が明確に認識できることが分かる。なお、積算値Σrnを使用した場合には、その値が不規則に凹凸状に変化しており、平滑化積算値Σ‘rnを利用した場合には、この不規則な凹凸が消滅してなだらかな曲線を示しており、そのノイズの影響を低下させていることが分かる。
また、平滑化積算値Σ‘rnに対して、その前後2個づつの平滑化積算値Σ’rn-2,Σ‘rn-1,Σ’rn+1,Σ‘rn+2を加算した増幅積算値Σ‘’rn=Σ‘rn-2+Σ’rn-1+Σ‘rn+Σ’rn+1+Σ‘rn+2を求めた。この結果を、変数nを横軸、増幅積算値Σ‘’rnを縦軸として、図4に示す。なお、説明の便宜のため、縦軸を圧縮して図示した。
次に、こうして抽出されたムラ候補領域が塗布ムラを正確に反映しているか否かを確認するため、黒色額縁の上及び黒色額縁のない部位を含む前記基板1の全面について、検査した。この検査は、塗布方向(m方向)に黒色額縁の部位を越え、約42mmの長さに渡って実施した。なお、約42mmの長さは、カメラの画素に対応する小領域(70μm×70μm)が約600個並んだ長さである。
そして、この領域について、その反射光強度rを測定し、塗布方向(m方向)に並んだ約600の小領域の反射光強度を積算して、積算値Σrnを算出した。また、互いに隣接する積算値ΣrnとΣrn+1との平均を算出して平滑化積算値Σ‘rnを求めた。
この結果を図5に示す。図5において、実線が積算値Σrnを示し、破線が平滑化積算値Σ‘rnを示す。なお、この図5を図3と比較すると、その大小が逆転しており、図3ではピーク状に突出しているムラ候補領域が、図5では逆に大きくへこんでいる。これは、黒色額縁の部位ではムラ部の反射光強度が周囲に比較して大きいのに対し、その他の部位では、ムラ部の反射光強度が周囲に比較して小さいためである。
また、平滑化積算値Σ‘rnに対して、その前後2個づつの平滑化積算値Σ’rn-2,Σ‘rn-1,Σ’rn+1,Σ‘rn+2を加算した増幅積算値Σ‘’rn=Σ‘rn-2+Σ’rn-1+Σ‘rn+Σ’rn+1+Σ‘rn+2を求めた。この結果を、変数nを横軸、増幅積算値Σ‘’rnを縦軸として、図6に示す。なお、説明の便宜のため、縦軸を圧縮して図示した。
これらの結果から、抽出されたムラ候補領域が塗布ムラを正確に反映していることが確認できた。また、ムラ候補領域の他に、ムラが存在しないことも確認できた。
そして、このため、本発明によれば、精度良くムラの可能性のある領域を抽出して、その検査を効率化できることが分かった。
透明樹脂被膜を有する基板の説明用平面図 本発明に係る検出装置の説明用斜視図 本発明の実施例に係る積算値及び平滑化積算値を示すグラフ図 本発明の実施例に係る増幅積算値を示すグラフ図 基板全面の積算値及び平滑化積算値を示すグラフ図 基板全面の増幅積算値を示すグラフ図
符号の説明
1…透明感光性被膜を備える基材
11…黒色額縁
14…塗布領域
15…塗布ムラ
2…光源
3…カメラ

Claims (4)

  1. 少なくとも一部に黒色の部位を有する基材上に、一定方向に塗布された透明樹脂被膜の塗布ムラを検出する方法であって、
    前記黒色の部位を、透明樹脂の塗布方向及びこれに直交する方向に分割して多数の小領域とし、これら小領域に光を照射してその反射光強度を、小領域ごとに測定する反射光強度測定工程と、
    塗布方向または塗布方向に直交する方向を積算方向として、この積算方向に沿って並んだ小領域の反射光強度を積算してその積算値を算出する積算値算出工程と、
    前記積算方向に直交する方向(積算直交方向)ごとに算出された前記積算値を相互に比較して、周囲の積算値に比べて前記積算値が大きいまたは小さい部位を塗布ムラの可能性のある領域として抽出するムラ候補領域抽出工程と、
    前記ムラ候補領域抽出工程で抽出されたムラ候補領域を中心として、その近傍の領域を検査して塗布ムラを抽出するムラ抽出工程と、
    を備えることを特徴とする塗布ムラ検出方法。
  2. 予め前記積算値に閾値を設け、この閾値より大きいまたは小さい積算値を示す部位を塗布ムラの可能性のある領域として抽出することを特徴とする請求項1に記載の塗布ムラ検出方法。
  3. 前記積算直交方向に沿って順序を付与し、この順序を変数、前記積算値を関数として、これら変数と関数とを直交座標上に表示して、目視により塗布ムラの可能性のある領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の塗布ムラ検出方法。
  4. 前記積算値に代えて、この積算値の大小に実質的に影響しない変換処理を施して得られる変換積算値を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布ムラ検出方法。
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