JP2003166290A - ユニット式建物 - Google Patents

ユニット式建物

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JP2003166290A
JP2003166290A JP2001365300A JP2001365300A JP2003166290A JP 2003166290 A JP2003166290 A JP 2003166290A JP 2001365300 A JP2001365300 A JP 2001365300A JP 2001365300 A JP2001365300 A JP 2001365300A JP 2003166290 A JP2003166290 A JP 2003166290A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同じ建物ユニットを利用して、多くの費用を
かけずに、できるだけ広い床面積を確保することのでき
るユニット式建物を提供する。 【解決手段】 ユニット式建物1が、柱梁を有するフレ
ームを備えて箱状に形成され、かつその角隅部を近接配
置された複数の第1〜第6建物ユニット2A〜2Fを備
え、建物ユニット2A〜2Fのうち水平方向の少なくと
も2つの建物ユニット2B、2Cは、互いに水平方向に
所定間隔L2をおいて配置される。そのため、所定間隔
を居室等の延長として利用することができ、これによ
り、同じ建物ユニットを利用して、できるだけ広い床面
積を確保することができる。その結果、単位床面積当た
りの施行コストを削減でき、多くの費用をかけずにす
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の箱状の建物
ユニットを備えたユニット式建物に関する。
【0002】
【背景技術】柱、天井梁および床梁を有する箱形の建物
ユニットを複数組み合わせて建てられるユニット式建物
が知られている(特開平6−272317号公報)。こ
のようなユニット式建物は、各建物ユニットの角隅部を
寄せ合わせて建てられている。そのため、互いに隣接す
る建物ユニットの柱、天井梁および床梁同士はほぼ当接
している。そして、このとき、ユニット式建物の床面積
は、複数の建物ユニットの総和に略一致している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
なユニット式建物の床面積を広くするためには、建物ユ
ニットの数を増やすか、大きさの異なる建物ユニットの
うち、大きなものを組み合わせて建てるしかない。しか
し、建物ユニットの数を増やす場合、増やした建物ユニ
ットの分だけ床面積が増えるため、敷地内に理想的に納
まらないという問題が生じる。また、大きな建物ユニッ
トを組み合わせる場合も、建物ユニットの基本寸法(モ
ジュール;M)1Mが、例えば910mm程度と決まっ
ており、一つ一つの建物ユニットのサイズの違いは、1
M程度なので、かなりの大きさとなり、建物ユニットの
数を増やす場合と同様に、敷地内に理想的に納まらない
ことがある。また、両方とも、費用も多くかかるという
問題が生じている。
【0004】本発明の目的は、同じ建物ユニットを利用
して、多くの費用をかけずに、できるだけ広い床面積を
確保することのできるユニット式建物を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、図面を参照して説明すると、図2に示すように、柱
梁を有するフレームを備えて箱状に形成され、かつその
角隅部を近接配置された複数の建物ユニット2A〜2F
を備えたユニット式建物1であって、建物ユニット2A
〜2Fのうち水平方向の少なくとも2つの建物ユニット
2B、2Cは、互いに水平方向に所定間隔L2をおいて
配置されていることを特徴とするユニット式建物であ
る。
【0006】このような本発明によれば、少なくとも2
つの建物ユニット間の所定間隔を居室等の延長として利
用することができ、これにより、同じ建物ユニットを利
用して、できるだけ広い床面積を確保することができ
る。その結果、単位床面積当たりの施行コストを削減で
き、多くの費用をかけずにすむ。以上の本発明におい
て、建物ユニットの水平方向の間隔は、建物ユニットの
長辺方向間、短辺方向間のいずれに設けられていてもよ
く、あるいは両方に間隔がおかれていてもよい。また、
所定間隔の寸法は限定されない。ただし、目的を達成す
るためには、あまりに小さな寸法では適さず、また、間
隔が広すぎると、ユニット式建物の強度が弱くなるの
で、補強が必要となるので、いずれの条件をも満たすこ
とができる間隔とすることが好ましい。そして、所定間
隔を設定する場合、建物ユニットの基本寸法に基づいて
設定することが好ましい。
【0007】請求項2に記載の発明は、図2に示すよう
に、請求項1に記載の所定間隔L2は、建物ユニットの
基本単位長さ(モジュール;M)の3/8であることを
特徴とするものである。このような本発明によれば、1
Mが、例えば910mmに設定されているとき、所定間
隔L2が341.25mmとなり、床面積を広げること
ができ、大きすぎて強度が弱くなることもなく、最適な
間隔とすることができる。
【0008】請求項3に記載の発明は、図4に示すよう
に、請求項1または請求項2に記載のユニット式建物に
おいて、互いに所定間隔をおいて配置された2つの建物
ユニット2E、2Fの互いに隣接する柱10の上下いず
れかの端部同士を連結するプレート部材30を備えてい
ることを特徴とするものである。このような本発明によ
れば、プレート部材で、2つの建物ユニットを連結する
ので、ユニット式建物全体の強度を大きくすることがで
きる。
【0009】請求項4に記載の発明は、図5に示すよう
に、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のユニッ
ト式建物において、前記所定間隔L2をおいて配置され
た少なくとも2つの建物ユニット2E、2Fの互いに隣
接する柱のうちの少なくとも1本は省略されていること
を特徴とするものである。このような本発明では、角部
を近接配置される例えば4つの建物ユニットにおけるそ
れぞれの隅部の柱を全部省略することができ、その場
合、大空間を形成できるので、快適な居住空間を得るこ
とができる。また、所定間隔をおいて建物ユニットが設
けられているので、柱の取り外し作業が容易である。
【0010】請求項5に記載の発明は、図4に示すよう
に、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のユニッ
ト式建物において、前記互いに所定間隔をおいて配置さ
れた2つの建物ユニット2E、2Fの互いに隣接する梁
11Aの間にこれら梁11Aを補強する補強梁20を備
え、この補強梁20は、その端部で柱10に支持され、
その中間部で前記梁に接続されていることを特徴とする
ものである。このような本発明では、梁間に隙間がある
ので、補強梁を容易に設置できるとともに、補強梁によ
り建物ユニットの梁が補強されるので、中間部における
建物ユニットの柱を省略することができる。
【0011】請求項6に記載の発明は、図8に示すよう
に、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のユニッ
ト式建物において、前記互いに所定間隔をおいて配置さ
れた2つの建物ユニット2A、2Bおよび2D、2Eの
互いに隣接する側面にそれぞれ壁51,53を備え、こ
れらの壁51,53の間は、設備スペース50とされて
いることを特徴とするものである。このような本発明で
は、隣り合う建物ユニットの柱、梁に壁を設けるだけで
設置スペースとすることができるので、設置スペースの
設置が容易である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1には、ユニット式建物1の
全体が示されており、このユニット式建物1は、下階建
物ユニット2と、これらの下階建物ユニット2の上に載
置される上階建物ユニット3と、これらの下階建物ユニ
ット2および上階建物ユニット3上に設けられる傾斜屋
根4とを備えて構成されている。下階建物ユニット2
は、図2に示すように、第1〜第6建物ユニット2A〜
2Fで構成され、このうち、第1〜第3建物ユニット2
A〜2Cと、第4〜第6建物ユニット2D〜2Fとは全
体の長さが異なった建物ユニットが使用されている。ま
た、上階建物ユニット3は、互いに長さの異なる第1建
物ユニット3A、第2建物ユニット3Bで構成されてい
る。
【0013】下階建物ユニット2および上階建物ユニッ
ト3は、図3に示すように、箱状に形成されている。す
なわち、各建物ユニット2,3は、四隅に立設される4
本の柱10と、これらの柱10の上端間同士および下端
間同士を仕口6を介して結合する各4本の天井梁11、
床梁12とで構成されるフレーム(骨組み)13を備え
ている。天井梁11は、各2本ずつの長辺天井梁11
A、短辺天井梁11Bで形成され、長辺天井梁11A間
には、多数本の天井小梁14が架けわたされ、これらの
天井小梁14に所定の天井材16(図5,6参照)を取
り付けて天井が形成されるようになっている。また、床
梁12は、各2本ずつの長辺床梁12A、短辺床梁12
Bで形成され、長辺床梁12Aには多数本の根太15が
架けわたされ、これらの根太15に所定の床材18(図
5,6参照)を取り付けて床が形成されるようになって
いる。
【0014】図2に示すように、このようなユニット式
建物1において、第1建物ユニット2Aおよび第4建物
ユニット2Dと、第2建物ユニット2Bおよび第5建物
ユニット2Eとは、所定間隔L1をおいて配置されてお
り、また、第2建物ユニット2Bおよび第5建物ユニッ
ト2Eと、第3建物ユニット2Cおよび第6建物ユニッ
ト2Fとは、所定間隔L2をおいて配置されている。そ
して、上階建物ユニット3の第1建物ユニット3A、第
2建物ユニット3Bは、それぞれ同じ大きさに形成され
ている下階建物ユニット2の第2建物ユニット2Bおよ
び第5建物ユニット2Eの上に載置されている。
【0015】所定間隔L1およびL2は、本実施形態で
は同じ寸法とされており、例えば、建物ユニットの基本
単位長さ(モジュール;M)の3/8に設定されてい
る。ここで、1Mは、例えば910mmとされており、
従って、所定間隔L1およびL2の3/8Mは、34
1.25mmとなっている。
【0016】前記所定間隔L2には、補強梁20が設け
られる。補強梁20は、図4,5に詳細が示されるよう
に、断面矩形状の角パイプで形成されており、建物ユニ
ット2Bと2Cから建物ユニット2Eと2Fにわたる長
さに形成され、かつ、所定間隔L2内に納まる幅寸法に
形成されている。
【0017】補強梁20の両端部には、当該補強梁20
の厚さ方向のほぼ中央部に所定長さ寸法の水平な差込み
溝20Aが形成され、この差込み溝20Aにプレート部
材である柱頭接合プレート30が差し込まれ、かつ溶接
等により固定されている。この柱頭接合プレート30に
おいて補強梁20から外側に突出した接合部31は、所
定間隔L2をおいて設けられている第5建物ユニット2
E、第6建物ユニット2Fのそれぞれの仕口6の上面を
覆う大きさに形成されている。
【0018】柱頭接合プレート30の接合部31には、
ボルト穴31A、位置決め穴31Bおよび下方に向いて
設けられた位置決めピン32が設けられ、ボルト穴31
Aは、仕口6のボルト穴6Aに対応し、位置決め穴31
Bは仕口6に立設された位置決めピン7に対応し、位置
決めピン32は、仕口6にあけられた位置決め穴6Bに
対応している。そして、接合部31と仕口6とを位置決
めした後、ボルト穴31Aからボルト8を仕口6のボル
ト穴6Aに差し込み、仕口6の裏側でナットと螺合させ
て、柱頭接合プレート30、言い換えれば補強梁20の
一端部を、第5建物ユニット2E、第6建物ユニット2
Fに結合させるようになっている。なお、補強梁20他
端部も上記一端部と同じように、第2建物ユニット2
B、第3建物ユニット2Cに結合させるようになってい
る。
【0019】図2に示すように、補強梁20の中央部、
つまり、第2、第3、第5、第6建物ユニット2B、2
C、2E、2Fの各1つの角部に対応する部位には、中
央柱頭接合プレート40が設けられている。この中央柱
頭接合プレート40は、前記柱頭接合プレート30の長
さ(所定間隔L2方向)と同じ長さ、かつ、幅寸法は、
上記各1つの角部の仕口を覆える幅に形成されている。
【0020】中央柱頭接合プレート40の補強梁20か
ら突出した部位にも、図5に示すように、前記柱頭接合
プレート30と同様に接合部41が設けられ、この接合
部41には、図示しないが、ボルト穴、位置決め穴およ
び下方に向いて設けられた位置決めピンが設けられ、ボ
ルト穴は、仕口のボルト穴に対応し、位置決め穴は仕口
に立設された位置決めピンに対応し、位置決めピンは、
仕口にあけられた位置決め穴に対応しており、接合部4
1と仕口とを位置決めした後、ボルトで補強梁20の接
合部41を第2、第3、第5、第6建物ユニット2B、
2C、2E、2Fに結合するようになっている。このよ
うに、補強梁20で隣接する第2、第3、第5、第6建
物ユニット2B、2C、2E、2Fの天井梁11同士を
結合しているので、強度が大きくなり、そのため、第
2、第3、第5、第6建物ユニット2B、2C、2E、
2Fにおける1つの角部のそれぞれの柱は省略されてい
る。
【0021】所定間隔L2において、第2、第3、第
5、第6建物ユニット2B、2C、2E、2Fの天井梁
11間には、接合天井材17が現場で取り付けられ、床
梁12間には、接合床材19が現場で取り付けられる。
【0022】これに対して、所定間隔L1において、第
1、第4建物ユニット2A、2Dと、第2、第5建物ユ
ニット2B、2Eとの接合は、図2,6に示すような構
造となっている。すなわち、それぞれのユニット2A、
2Bと、2D、2Eとの外側の柱頭は、所定間隔L1を
含む対向する仕口6を覆える大きさ、つまり、前記柱頭
接合プレート30と同様の長さに形成された外側柱頭接
合プレート25で接合され、中央の柱頭は、前記中央柱
頭接合プレート40と同様の長さに形成された中央柱頭
接合プレート26で接合されている。これらのプレート
25,26も、位置決めピン、位置決め穴等を有し、ボ
ルトで結合されるようになっている。また、所定間隔L
1においても、前記同様、接合天井材17が現場で取り
付けられ、床梁12間には、接合床材19が現場で取り
付けられている。
【0023】このようなユニット式建物1の下階の平面
が図7に示されている。第1建物ユニット2Aと第2建
物ユニット2Bとの間の所定間隔L1は、玄関70に続
く玄関ホール71および洗面所72の一部とされ、その
他、第1建物ユニット2Aには、トイレ73、階段74
が設けられている。第4建物ユニット2Dと第5建物ユ
ニット2Eとの間の所定間隔L1は、前記洗面所72、
台所75の一部とされ、洗面所72の近傍には浴室76
が設けられている。第2建物ユニット2Bと第3建物ユ
ニット2Cとの間、および第5建物ユニット2Eと第6
建物ユニット2Fとの間の所定間隔L2は、居間・食堂
77の一部とされている。これらの建物ユニット2B、
2C、2E、2Fの1つの角部が集まる部位Aでは柱が
省略されており、広い居間・食堂77が形成されてい
る。
【0024】次に、本実施形態の作用を説明する。予め
工場で生産した下階建物ユニット2および上階建物ユニ
ット3をトラックで建設現場に搬送し、基礎上に下階建
物ユニット2を順次載置、固定する。この際、水平方向
に隣り合う第1建物ユニット2Aと第2建物ユニット2
B、および第4建物ユニット2Dと第5建物ユニット2
Eとを所定間隔L1をおいて配置するとともに、水平方
向に隣り合う第2建物ユニット2Bと第3建物ユニット
2C、および第5建物ユニット2Eと第6建物ユニット
2Fとを所定間隔L2をおいて配置する。
【0025】所定間隔L1においては、外側柱頭接合プ
レート25および中央柱頭接合プレート26で、第1建
物ユニット2Aと第2建物ユニット2B、および第4建
物ユニット2Dと第5建物ユニット2Eとを接合し、第
1建物ユニット2Aと第4建物ユニット2Dとを外側柱
頭接合プレート27で接合する。また、接合天井梁17
および接合床梁19をそれぞれ取り付ける。
【0026】所定間隔L2においては、補強梁20の下
半分を差し込み、補強梁20の端部を第2建物ユニット
2Bと第3建物ユニット2C、および第5建物ユニット
2Eと第6建物ユニット2Fの外側の柱頭部に取付ける
とともに、補強梁20の中央部を上記建物ユニット2B
と2C、および2Eと2Fの角部が集まる部位の仕口に
取付けて、補強梁20と、各建物ユニット2B、2C、
2E、および2Fとを結合する。また、第3建物ユニッ
ト2Cと第6建物ユニット2Fの外側を、前記外側柱頭
接合プレート27で接合する。また、接合天井梁17お
よび接合床梁19をそれぞれ取り付ける。
【0027】このような実施形態によれば、次のような
効果がある。 (1) 第1建物ユニット2Aと第4建物ユニット2D、お
よび第2建物ユニット2Bと第5建物ユニット2E間に
所定間隔L1が、第2建物ユニット2Bと第5建物ユニ
ット2E、および第3建物ユニット2Cと第6建物ユニ
ット2F間に所定間隔L2が設けられており、これらの
所定間隔L1、L2を、居室等の延長として利用するこ
とができる。従って、同じ建物ユニットを利用して、で
きるだけ広い床面積を確保することができる。その結
果、単位床面積当たりの施行コストを削減でき、多くの
費用をかけずにすむ。
【0028】(2) 建物ユニットの基本寸法1Mが、例え
ば910mmに設定されており、所定間隔L1、L2が
3/8となっているので、所定間隔L1、L2は、34
1.25mmとなる。従って、この幅で建物ユニット2
B等から、2E等までの長さの空間が、ユニット式建物
1において2箇所に得られるので、ユニット式建物1の
床面積を広げることができる。また、341.25mm
の寸法は、大きすぎて強度が弱くなることもなく、小さ
すぎて床面積を広げることができないということもな
く、最適な間隔とすることができる。
【0029】(3) 柱頭接合プレート30、中央柱頭接合
プレート40等で、2つの建物ユニット2Bと2C、お
よび2Eと2Fとを連結するので、ユニット式建物1全
体の強度を大きくすることができる。 (4) 補強梁20で隣接する第2、第3、第5、第6建物
ユニット2B、2C、2E、2Fの天井梁11同士を結
合しているので、強度が大きくなり、そのため、1つの
角部の第2、第3、第5、第6建物ユニット2B、2
C、2E、2Fの柱を省略することができる。従って、
大空間を形成できるので、快適な居住空間を得ることが
できる。また、所定間隔をおいて建物ユニット2B、2
C等が設けられているので、柱を省略する際の取り外し
作業が容易である。
【0030】(5) 第2、第3、第5、第6建物ユニット
2B、2C、2E、2Fの天井梁11同士間に、所定間
隔L2がおかれているので、補強梁20を容易に設置す
ることができる。 (6) 所定間隔L1において、第1、第2建物ユニット2
A、2B、および第4建物ユニット2D、第5建物ユニ
ット2E同士は、外側柱頭接合プレート25、中央柱頭
接合プレート26で接合されるので、それぞれの強度が
強くなる。
【0031】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できるものであれ
ば、次のような変形形態でもよいものである。例えば、
前記実施形態では、所定間隔L1、L2は、居室等の延
長、一部とされているが、図8に示すように、設備スペ
ース50としてもよい。すなわち、所定間隔L1におい
て、第1建物ユニット2Aと第2建物ユニット2Bとに
所定間隔L1を囲む壁51が形成され、この壁51に囲
まれた部分が、設備スペース50としての、例えば下駄
箱52となっている。下駄箱52の隣には玄関70が設
けられているので、下駄箱52の使い勝手がよくなる。
また、第4建物ユニット2Dと第5建物ユニット2Eと
の間には、設備スペース50として、例えば、浴室7
6、洗面所72、台所75およびトイレ73等の水回り
設備用配管を設置する配管スペース55が設けられてい
る。このような実施形態によれば、前記(1) 〜(6) と同
様の効果の他、(7) 隙間の有効活用を図ることができる
という効果がある。特に、浴室76等の水回り設備物の
近い位置に配管スペース55を設けることができ、外か
ら見えないので、室内がすっきりするとともに、配管が
短くてすむという効果がある。
【0032】また、前記実施形態では、所定間隔L1、
L2を、ユニット式建物1の長手方向に沿って設けた
が、図9に示すように、所定間隔L1、L2を設ける他
に、短辺方向に沿って、つまり、第1〜第3建物ユニッ
ト2A〜2Cと、第4〜第6建物ユニット2D〜2Fと
の間に所定間隔L3をあけ、このような所定間隔L3に
補強梁80を設けてもよい。そして、この間隔L3は、
間隔L1、L2とほぼ同じ寸法に形成され、従って、補
強梁80も前記補強梁20とほぼ同じ構造となってい
る。すなわち、補強梁80は、断面矩形状の角パイプの
両端に、前記柱頭接合プレート30を設けるとともに、
中央に中央柱頭接合プレート90を取り付けて形成され
ている。そして、このような補強梁80は、建物ユニッ
ト2B、2Cおよび2E、2Fの短辺方向にわたって設
けられている。また、間隔L1の建物ユニット2Aと2
Bの外側同士間、建物ユニット2Dと2Eの外側同士
間、間隔L2の建物ユニット2Bと2Cの外側同士間、
および建物ユニット2Eと2Fの外側同士間は、前記補
強梁20の端部を柱頭接合プレート30よりやや広い幅
に切断したのと同じような形状の、補強された柱頭接合
プレート28で接合されている。さらに、間隔L3の建
物ユニット2Aと2Dの短辺同士間も上記柱頭接合プレ
ート28で接合されている。このような実施形態によれ
ば、前記(1) 〜(6) と同様の効果の他、(8) 対向する短
辺間にも所定間隔L3を設けたので、さらに広い床面積
を確保することができる、という効果がある。
【0033】さらに、前記実施形態では、補強梁20の
両端部および中央部に柱頭接合プレート30および中央
柱頭接合プレート40を差し込み溝20A等に差し込ん
で設けたが、これに限らず、アングル状部材を補強梁2
0の側面に溶接等で取り付けてもよい。このようにすれ
ば、差し込み溝の加工の手間が省ける。
【0034】また、前記実施形態では、所定間隔L1、
L2の寸法を、基準寸法の3/8モジュールに設定され
ているが、これに限らず、これらのL1、L2寸法は、
それ以上あるいはそれ以下でもよい。ただし、あまりに
小さい間隔だと、床面積を広げるという目的を達成でき
ず、また、あまりに大きい間隔だと強度的に問題が生じ
るので、上記3/8モジュール前後の隙間に設定される
ことが好ましい。また、前記実施形態では、2箇所の所
定間隔L1、L2を設けたが、例えば所定間隔L1は設
けなくてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1の発明
によれば、少なくとも2つの建物ユニット間の所定間隔
を居室等の延長として利用することができるので、同じ
建物ユニットを利用して、できるだけ広い床面積を確保
することができる。その結果、単位床面積当たりの施行
コストを削減でき、多くの費用をかけずにすむ。
【0036】請求項2の発明によれば、1Mが、例えば
910mmに設定されているとき、所定間隔L2が34
1.25mmとなるので、床面積を広げることができ、
大きすぎて強度が弱くなることもなく、最適な間隔とす
ることができる。
【0037】請求項3の発明によれば、プレート部材
で、2つの建物ユニットを連結するので、ユニット式建
物全体の強度を大きくすることができる。
【0038】請求項4の発明によれば、角部を近接配置
される例えば4つの建物ユニットにおけるそれぞれの隅
部の柱を全部省略することができ、その場合、大空間を
形成できるので、快適な居住空間を得ることができる。
また、所定間隔をおいて建物ユニットが設けられている
ので、柱の取り外し作業が容易である。
【0039】請求項5の発明によれば、梁間に隙間があ
るので、補強梁を容易に設置できるとともに、補強梁に
より建物ユニットの梁が補強されるので、中間部におけ
る建物ユニットの柱を省略することができる。
【0040】請求項6の発明によれば、隣り合う建物ユ
ニットの柱、梁に壁を設けるだけで設置スペースとする
ことができるので、設置スペースの設置が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るユニット式建物の一実施形態を示
す全体斜視図である。
【図2】前記実施形態のユニット式建物の分解斜視図で
ある。
【図3】前記実施形態のユニット式建物を構成する建物
ユニットの骨組みを示す全体斜視図である。
【図4】前記実施形態の補強梁と隣り合う建物ユニット
との結合前の相互関係を示す分解斜視図である。
【図5】前記実施形態の補強梁と隣り合う建物ユニット
との結合前の相互関係を示す縦断面図である。
【図6】前記実施形態の柱頭接合プレートと隣り合う建
物ユニットとの結合前の相互関係を示す縦断面図であ
る。
【図7】前記実施形態のユニット式建物の間取りを示す
平面図である。
【図8】本発明の変形形態のユニット式建物の間取りを
示す平面図である。
【図9】本発明の他の変形形態のユニット式建物の分解
斜視図である。
【符号の説明】
1 ユニット式建物 2 下階建物ユニット 3 上階建物ユニット 10 柱 11 天井梁 13 骨組み 20 補強梁 30 柱頭接合プレート 31 接合部 40 中央柱頭接合プレート 80 補強梁 90 中央柱頭接合プレート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱梁を有するフレームを備えて箱状に形
    成され、かつその角隅部を近接配置された複数の建物ユ
    ニットを備えたユニット式建物であって、 前記建物ユニットのうち水平方向の少なくとも2つは、
    互いに水平方向に所定間隔をおいて配置されていること
    を特徴とするユニット式建物。
  2. 【請求項2】 請求項lに記載のユニット式建物におい
    て、 前記所定間隔は、前記建物ユニットの基本単位長さ(モ
    ジュール)の3/8であることを特徴とするユニット式
    建物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のユニッ
    ト式建物において、前記互いに所定間隔をおいて配置さ
    れた2つの建物ユニットの互いに隣接する柱の上下いず
    れかの端部同士を連結するプレート部材を備えているこ
    とを特徴とするユニット式建物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のユニット式建物において、前記所定間隔をおいて配
    置された少なくとも2つの建物ユニットの互いに隣接す
    る柱のうちの少なくとも1本は省略されていることを特
    徴とするユニット式建物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のユニット式建物において、前記互いに所定間隔をお
    いて配置された2つの建物ユニットの互いに隣接する梁
    の間にこれら梁を補強する補強梁を備え、この補強梁
    は、その端部で前記建物ユニットの柱に支持され、その
    中間部で前記梁に接続されていることを特徴とするユニ
    ット式建物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のユニット式建物において、前記互いに所定間隔をお
    いて配置された2つの建物ユニットの互いに隣接する側
    面にそれぞれ壁を備え、これらの壁の間は、設備スペー
    スとされていることを特徴とするユニット式建物。
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