JP2003165301A - ホイールキャップ及びその製造方法 - Google Patents
ホイールキャップ及びその製造方法Info
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Abstract
でかつ外観が好適、特に、ウェルド部が目立たないホイ
ールキャップ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性
された熱可塑性樹脂(A)と、不飽和カルボン酸又はそ
の誘導体で変性された熱可塑性エラストマー(B)とか
らなる組成物(C)で被覆されたガラス繊維(D)を1
〜25重量%、ポリプロピレン(E)を75〜99重量
%の割合で含む樹脂組成物(F)を射出成形してなるホ
イールキャップにおいて、ガラス繊維(D)の長さは、
2〜10mmであることを特徴とするホイールキャップ
である。
Description
リプロピレン樹脂組成物で射出成形したホイールキャッ
プ及びその製造方法に関する。
は、近年では、低コスト化及び外観向上の観点からガラ
ス繊維強化ポリプロピレンの射出成形品となってきてい
る。そして、従来のホイールキャップを構成するガラス
繊維強化ポリプロピレンには、長さ20〜100μmの
ガラス繊維が含有されていた。
ホイールキャップの軽量化が求められており、そのため
に、ガラス繊維の含有率を高くして強度アップを図り、
ホイールキャップの肉厚を薄くする研究開発が行われて
いる。
44号公報に記載されているもののように、ガラス繊維
を35重量%程度を含むホイールキャップでは、比重が
大きくなりすぎて、軽量化を図れない。また、強度アッ
プを図るための方法として、ガラス繊維の繊維長を長く
することが一般に知られているが、繊維長を長くすると
混練性が低下するので、如何にガラス繊維の表面処理を
行って、樹脂との相溶性を向上させるかが問題になる。
り、ホイールキャップの外観に影響がでる。即ち、溶融
状態で樹脂成形用の金型内に充填されたガラス繊維強化
ポリプロピレンは、金型内で幾方向かに分かれて流れ、
最終的に溶融樹脂同士がぶつかってウェルド部が形成さ
れる。ここで、溶融状態のガラス繊維強化ポリプロピレ
ンは、所謂、ファウンテンフローという流れ方をして、
流れの先頭部分で短繊維(20〜100μm)のガラス
繊維が、流れ方向に直交する方向を向く。このため、ウ
ェルド部では、ガラス繊維がホイールキャップの厚さ方
向に配向された状態になり、ポリプロピレンとガラス繊
維との熱収縮の相違により、ウェルド部に突条のライン
ができる。そして、ガラス繊維の含有率が高いと、ウェ
ルド部の突条の高さ、即ち、ウェルド高さが大きくな
り、ホイールキャップの外観を損ねることになる。
で、強度、剛性、耐衝撃性に優れると共に、軽量でかつ
外観が好適、特に、ウェルド部が目立たないホイールキ
ャップ及びその製造方法の提供を目的とする。
レンにガラス繊維を含有する樹脂組成物を用いた良好な
ホイールキャップ及びその製造方法を開発すべく、鋭意
研究してきたところ、以下の見知を見いだし、本発明を
完成するに至った。即ち、ガラス繊維を長繊維化しかつ
樹脂との相溶性を向上させることで、従来のものと同等
の強度を担保しつつ、ホイールキャップにおけるガラス
繊維の含有量の削減を測り、ホイールキャップの軽量化
及び外観を向上させることが可能な本発明に完成するに
至った。本発明は、次のホイールキャップ及びその製造
方法である。
変性された熱可塑性樹脂(A)と、不飽和カルボン酸又
はその誘導体で変性された熱可塑性エラストマー(B)
とからなる組成物(C)で被覆された長さ2〜20mm
のガラス繊維(D)を1〜25重量%、ポリプロピレン
(E)を75〜99重量%の割合で含む樹脂組成物
(F)を射出成形してなるホイールキャップ。
ホイールキャップ全体に対し、3重量%以上20重量%
未満である上記(1)記載のホイールキャップ。
全体」とは、付属部品等を除いたホイールキャップ成形
品その物のみを意味することを念のために記載する。
レイン酸又は無水フタル酸変性ポリプロピレン系樹脂で
あり、前記熱可塑性エラストマー(B)は、無水マレイ
ン酸変性エチレン−プロピレン共重合エラストマーであ
る上記(1)又は(2)に記載のホイールキャップ。
変性された熱可塑性樹脂(A)と、不飽和カルボン酸又
はその誘導体で変性された熱可塑性エラストマー(B)
とからなる組成物(C)で被覆されたガラス繊維(D)
を1〜25重量%、ポリプロピレン(E)を75〜99
重量%の割合で含む樹脂組成物(F)を射出成形してホ
イールキャップを製造する方法であって、前記ポリプロ
ピレン(E)と、前記熱可塑性樹脂(A)と、前記熱可
塑性エラストマー(B)との合計含有量を95〜25重
量%、前記ガラス繊維(D)を互いに平行に配列した長
さ2〜20mmのガラス繊維束(G)を5〜75重量の
割合で含む長さ2〜20mmのガラス繊維強化ポリプロ
ピレンペレット(H)を、ホイールキャップ全体に対し
て1.5重量%以上含めて射出成形を行うホイールキャ
ップの製造方法。
ペレット(H)は、前記熱可塑性樹脂(A)を0.1〜
10重量%、前記熱可塑性エラストマー(B)を0.1
〜10重量%、ポリプロピレン(E)と必要に応じて加
える他の熱可塑性樹脂及び/又は他の熱可塑性エラスト
マーとの合計含有量を94.8〜5重量%、前記ガラス
繊維束(G)を5〜75重量の割合で含む上記(4)記
載のホイールキャップの製造方法。
ホイールキャップ全体に対し、3重量%以上20重量%
未満である上記(4)又は(5)に記載のホイールキャ
ップの製造方法。
レイン酸又は無水フタル酸変性ポリプロピレン系樹脂で
あり、前記熱可塑性エラストマー(B)は、無水マレイ
ン酸変性エチレン−プロピレン共重合エラストマーであ
ることを特徴とする上記(4)乃至(6)の何れかに記
載のホイールキャップの製造方法。
おける熱可塑性樹脂(A)は、公知の熱可塑性樹脂を、
不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性したものであ
り、変性方法としては、通常グラフト変性であるが、共
重合体であってもよい。
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、ソルビ
ン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸等が挙げられる。
ステル、アミド、イミド、金属塩等があり、例えば、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、マレイン酸モノエチルエステ
ル、アクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイミ
ド、N−ブチルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メ
タクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中で
も、不飽和ジカルボン酸、及びその誘導体が好ましく、
特に、無水マレイン酸又は無水フタル酸が好適である。
即ち、熱可塑性樹脂(A)としては、無水マレイン酸又
は無水フタル酸変性熱可塑性樹脂を採用することが好ま
しく、特に、無水マレイン酸又は無水フタル酸変性ポリ
プロピレンが好ましい。
ボン酸又はその誘導体の付加量は、熱可塑性樹脂(A)
全体に対して、0.01〜20重量%が好ましく、より
好ましくは、0.02〜10重量%である。また、不飽
和カルボン酸又はその誘導体の付加量が、0.01重量
%未満では、ガラス繊維と樹脂との相溶性が悪くなり、
ホイールキャップの耐衝撃性及び剛性の低下が懸念さ
れ、熱可塑性樹脂(A)の添加量を増やす必要が生じ
る。一方、不飽和カルボン酸又はその誘導体の付加量
が、20重量%を超えると、剛性が低下する。
おける熱可塑性エラストマー(B)は、公知の熱可塑性
エラストマーを不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性
したものであり、その変性方法、不飽和カルボン酸及び
その誘導体の種類と変性方法、変性部の付加量について
は、前述した熱可塑性樹脂(A)と同様である。
としては、特に制限はなく、エチレン・プロピレン共重
合体エラストマー(EPR)、エチレン・ブテン−1共
重合体エラストマー、エチレン・オクテン−1共重合体
エラストマー、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重
合体エラストマー、エチレン・プロピレン・ジエン共重
合体エラストマー(EPDM)、エチレン・プロピレン
・エチリデンノルボルネン共重合体エラストマー、軟質
ポリプロピレン、軟質ポリプロピレン系共重合体等のオ
レフィン系エラストマーを採用することができる。これ
らの中で、エチレン系エラストマーの場合のエチレン含
有量は、通常、40〜98重量%である。なお、ポリオ
レフィン系エラストマーのムーニー粘度(ML1+41
00)は、通常、5〜100であるが、10〜60のも
のを用いることが好ましい。
して、スチレン系エラストマーも採用可能であり、例え
ば、スチレン・ブタジエン共重合体エラストマー、スチ
レン・イソプレン共重合体エラストマー、スチレン・ブ
タジエン・イソプレン共重合体エラストマー、又は、こ
れらの共重合体の完全或いは部分水添してなるスチレン
・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体エラストマー
(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチ
レン共重合体エラストマー(SEPS)などを採用する
ことができる。
にあっては、水添90%以上が好ましく、特に98%以
上が好ましい。また、スチレン含有量は、5〜60重量
%が好ましく、より好ましくは、10〜50重量%であ
る。
フローインデックス値(MI)[JIS K7210に
準拠し、200℃、荷重5Kgで測定]は、0.1〜1
20g/10分が好ましく、より好ましくは、8〜10
0g/10分である。
ー(B)としては、ベースレンジのポリプロピレンとの
相溶性、コストを考慮し、前述のポリオレフィン系エラ
ストマーを選択することが好ましいが、要求特性や目的
を考慮して、スチレン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、シリコーン系エラストマー、アルリレー
ト系エラストマー、ウレタン系エラストマー等を採用す
ることを否定するものではない。特に好ましい変性熱可
塑性エラストマー(B)としては、無水マレイン酸変性
エチレン−α−オレフィン共重合体であり、とりわけ無
水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体であ
る。
ポリプロピレン(E)としては、公知のホモポリプロピ
レン、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピ
レン・エチレンランダム共重合体が適用できる。耐衝撃
性、剛性の点からプロピレン・エチレンブロック共重合
体が好ましく、射出成形の容易さを考慮すると、230
℃−2.16Kg荷重におけるメルトフローインデック
ス値(MI)が、10〜80g/10分であることが好
ましい。また、プロピレン・エチレンランダム共重合体
の場合は、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー
(EPR)量が5〜30%、ホモ部の重量分率が、95
%以上であることが好ましい。
キャップ全体に対する含有量が99重量%を超えると、
ガラス繊維(D)による物性効果が期待できない。一
方、ポリプロピレン(E)の含有量が25重量%未満で
は、ガラス繊維(D)の含有率が高くなりすぎるため、
成形性が著しく悪化し、特に、射出成形、押出成形が困
難になると共に、成形品の外観も悪化する。従って、ポ
リプロピレン(E)は、ホイールキャップ全体に対し
て、75〜99重量%であることが好ましい。
ス繊維(D)は、公知のもので問題なく、例えば、E−
ガラス、または、S−ガラスのガラス繊維であって、そ
の平均繊維径が25μm以下のものが好ましく、より好
ましくは、平均繊維径が3〜20μmの範囲のものであ
る。ガラス繊維の繊維径が3μm未満であると、ペレッ
ト製造時にガラス繊維が樹脂になじまず、樹脂の含浸が
困難となる一方、20μmを超えると、溶融混練時に切
断、欠損が起こりやすくなる。
して1〜25重量%であり、好ましくは、3〜20重量
%、特に好ましくは、5〜15重量%である。ガラス繊
維が1重量%未満の場合、耐衝撃性、剛性不足等で実用
上問題があり、25重量%を超えるとホイールキャップ
の重量が増え、従来の金属製ホイールキャップを、樹脂
製に変える意味が薄くなる。
ルキャップは、前述したポリプロピレン(E)、熱可塑
性樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)及びガラス
繊維(D)からなる樹脂組成物を射出成形してなる。こ
こで、ホイールキャップの形状、構造は特に制限がな
く、公知のものと同様で良い。
プロピレンとガラス繊維との樹脂組成物からなるホイー
ルキャップに比べ、少ないガラス繊維量で同等以上の耐
衝撃性、剛性を示し、かつ、外観が非常に優れ、軽量化
することができる。具体的には、ホイールキャップ全体
の平均比重が1.0以下、かつ、ホイールキャップの表
面、少なくともタイヤに装着したときに目視できる面に
あるウェルド高さが45μm以下にすることができる。
また、ホイールキャップの肉厚を0.5〜4mm程度に
することもできる。
くなり樹脂化するメリットが薄れ、ウェルド高さが45
μmを超えると、ウェルド部の突条ラインが目立ち商品
価値が落ちる。特に塗装しない場合は、その傾向が顕著
である。
本発明に係るホイールキャップの製造方法としては、例
えば、繊維長さ5〜10mmのガラス繊維、ポリプロピ
レン、熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性エラストマー
(B)を前述の範囲でドライブレンドした組成物、又
は、公知のガラス繊維強化ポリプロピレン、熱可塑性樹
脂(A)及び熱可塑性エラストマー(B)を前述の範囲
でドライブレンドした組成物を、L/Dが20未満、圧
縮比が2.0未満のスクリューで、射出成形を5m/分
以下、背圧をかけずに射出成形すれば、得ることができ
る。しかし、上述したようなスクリューは汎用的ではな
く、射出速度の通常レベルよりかなり遅いため生産性が
余り良くない。
(H)>そこで、本発明者らは、この点を鋭意検討した
結果、ポリプロピレン(E)、熱可塑性樹脂(A)及び
熱可塑性エラストマー(B)を95〜25重量%及び互
いに並行に配列された2〜20mmのガラス繊維束
(G)5〜75重量%を含んでなる、長さ2〜20mm
のガラス繊維強化ポリプロピレンペレット(H)を、ホ
イールキャップ全体に対して1.5重量%以上を含む樹
脂組成物を射出成形して、ホイールキャップを製造する
方法に想到した。
ト(H)は、ポリプロピレン(E)、熱可塑性樹脂
(A)及び熱可塑性エラストマー(B)を合わせて溶融
・混練した溶融樹脂組成物の中に、ガラス繊維束(G)
を通し、繊維に前記樹脂組成物を含浸させる方法、コー
ディング用ダイにガラス繊維束(G)を通して含浸させ
る方法、或いは、ダイで繊維の周りに付着した前記溶融
樹脂組成物を押し広げてガラス繊維束(G)に含浸させ
る方法等が採用できる。また、内部に複数本のロッドが
設けられたダイの内部に、張力が加えられたガラス繊維
束(G)を通して引き抜くことで、溶融樹脂をガラス繊
維束(G)に含浸させる引抜成形法を採用することが好
ましい(特開平3−183531号公報参照)。
(E)、熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性エラストマー
(B)を溶融・混練してなる溶融樹脂中に、ガラス繊維
束(G)を引き抜いて含浸させるための含浸槽と、この
含浸槽に、前記ガラス繊維束(G)の引き抜き方向と直
交して互いに平行配列された複数のロッドとがあり、前
記ロッドは、そのロッドの軸方向から見た際に千鳥型に
配列され、かつ、その千鳥型配置された各ロッドが前記
引き抜き方向に対して少なくとも20度以上、好ましく
は25度以上傾斜した状態とされ、前記ロッドに平均繊
維径が1〜30μmのガラス繊維束(G)を巻き付けた
後に、そのガラス繊維束(G)を引き抜くことで連続的
に含浸させてストランドを形成し、得られたストランド
を冷却した後、2〜20mmの長さに、長手方向に沿っ
て切断してペレットを得る方法を採用することが好まし
い。ここで、汎用的な射出成形機においては、ペレット
の長さが10mm以上になると、ペレットの取り込み又
は混練が困難になり得るので、ペレットの長さ及びペレ
ットに含まれるガラス繊維束(G)の長さは、2〜10
mmにすることがより好ましい。
ストマー(B)を、各0.1〜10重量部、ポリプロピ
レン(E)及び必要に応じて加える他の熱可塑性樹脂及
び熱可塑性エラストマーとの総重量94.8〜5重量部
の配合比で溶融状態にある樹脂組成物中から、ガラス繊
維束(G)を引き抜くことで、熱可塑性樹脂(A)及び
熱可塑性エラストマー(B)各0.1〜10重量部、ポ
リプロピレン(E)、及び必要に応じて加える他の熱可
塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーとの総重量94.8
〜5重量部及びガラス繊維束(G)が5〜75重量部か
らなるガラス繊維強化ポリプロピレンペレット(H)が
得られる。
(G)は、前述のE−ガラス又はS−ガラスのガラス繊
維を、カップリング剤で表面処理した後、収束剤によ
り、100〜10000本、好ましくは、150〜50
00本の範囲で束ねておくことが好ましい。
カップリング剤、チタン系カップリング剤として従来か
らあるものの中から、適宜選択することができる。例え
ば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが採用
できる。特に前記アミノ系シラン化合物を採用すること
が好ましい。
レフィン系、アクリル系、ブタジエン系及びエポキシ系
等が採用でき、これらのうち、ウレタン系及びオレフィ
ン系を採用することが好ましい。
ソシアネート化合物と多価アルコールとの重付加反応に
より得られるポリイソシアネートを50重量%以上の割
合で含有するものであれば、油変性型、湿気硬化型及び
ブロック型等の一液タイプ、触媒硬化型及びポリオール
硬化型等の二液タイプの何れもが採用可能である。
和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性ポリオレ
フィン系樹脂が採用される。
ホイールキャップは、ガラス繊維量がホイールキャップ
全体に対し、1〜25重量%であるため、前記ガラス繊
維強化ポリプロピレンペレット(H)をポリプロピレ
ン、好ましくはエチレン−プロピレンブロック共重合体
で、前記ガラス繊維強化ポリプロピレンペレット(H)
含量が1.5重量%以上になるように希釈して用いる。
ンペレット(H)中のガラス繊維束(G)が5重量%未
満では、ガラスマスターバッチとして用いる効果がなく
なり、75重量%を超えると、引き抜き成形でのペレッ
ト化が困難になる虞がある。ペレット化できたとして
も、ガラス繊維束(G)を構成する各ガラス繊維の分散
性が低下し、組成物の外観悪化の原因になり易く、ま
た、ガラス繊維が破損し易く、結果として、強度の低
下、外観不良となる場合がある。好ましくは、前記ガラ
ス繊維強化ポリプロピレンペレット(H)中のガラス繊
維束(G)が10〜65重量%である。これにより、本
発明のホイールキャップを、より効率良く射出成形する
ことができる。なお、長さ2〜20mmであったガラス
繊維束(G)は、射出成形機内で混練されて、分散しか
つ一部が折れて長さが0.1〜20mm(平均長さが3
mm)のガラス繊維となり、ホイールキャップ内に含ま
れる。
ラストマー(B)のどちらかでも、0.1重量%未満の
場合には、最終的な組成物の耐衝撃性改良効果が小さく
なる虞があり、一方、どちらかでも、10重量%を超え
ると、最終的な組成物の耐熱性、剛性が低下する虞があ
る。熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性エラストマー
(B)の含有量としては、それぞれ0.5〜10重量%
がより好ましく、1〜10重量%がより一層好ましい。
また熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(B)
との併用比は、特に限定しないが、例えば、熱可塑性樹
脂(A)/熱可塑性エラストマー(B)比が1/50〜
50/1が好ましく、1/10〜10/1がより好まし
く、1/4〜4/1がより一層好ましい。
て本発明をより具体的に説明する。 [比較例で使用する材料]まず、各実施例及び比較例で
使用する材料を以下に示す。 ポリプロピレン:エチレン−プロピレンブロックポリプ
ロピレン(MI=60g/10min(230℃−2.
16Kg荷重)、非晶部量10%)
ポリプロピレン(トーヨータック、東洋化成工業株式会
社製、変性率=4%)
ン酸変性EPR(変性率=0.3%、メルトフローレー
ト=4.0g/10分(230℃−2.16Kg荷
重))
P,JSR株式会社製) ガラス繊維ストランド:平均繊維径16μmのガラス繊
維を1000本収束した繊維束 短繊維長ガラス繊維:CS03MAFT17(旭ファイ
バーグラス株式会社製)
製造方法 ペレット製造装置は、特開平3−18353の実施例1
で用いた装置と同様なものを用いた。
45重量部、無水マレイン酸変性EPR5重量部、無水
マレイン酸変性ポリプロピレン5重量部からなる組成物
を、クロスヘッドダイ(含浸槽)の側方から、ダイ内に
充満させた。
を通し、ダイ内を通過させた後、引き抜き方向に対して
25度の角度になるように配置させた4本のロッドに巻
き付け、10m/分で引き取り、連続的に含浸させてス
トランドを形成した。
し、10mmに切断して、ガラス繊維強化ポリプロピレ
ンペレット(H)を得た。ガラス繊維を50重量%含む
ガラス繊維強化ポリプロピレンペレット(H)であり、
これをペレット1とする。
リプロピレン45重量部、無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン5重量部からなる組成物を、クロスヘッドダイ
(含浸槽)の側方から、ダイ内に充満させた。その後、
ストランドの引き取り速度を10m/分にした以外は、
製造例1と同様に行い、ガラス繊維を50重量%含むガ
ラス繊維強化ポリプロピレンペレット(H)を得た。こ
れをペレット2とする。
1を10重量部、エチレンプロピレンブロックポリプロ
ピレン(MI=60、非結晶部10%)85重量部をド
ライブレンドし、物性試験用の試験片を射出成形した。
また、同じ材料で、ホイールキャップを射出成形した。
評価結果は、表1の通りであった。 [実施例2,3及び比較例1〜5]表1に記載の配合で
成形した以外は、実施例1と同様に成形し、評価した。
評価結果は、表1の通りであった。
ップの比重を1.0以下にするには、ガラス繊維の含有
量を20重量%より小さくする必要がある。しかしなが
ら、比較例4,5としての短繊維のガラス繊維を含むポ
リプロピレン樹脂組成物(表1において「短繊維GFP
P」)では、ガラス繊維の含有量を10重量%にする
と、製品試験が×になる。一方、長繊維のガラス繊維を
含むポリプロピレン樹脂組成物(表1において「長繊維
GFPP」)であっても、公知の長繊維ガラス繊維強化
ペレット(ペレット2)を用いた比較例1〜3では、製
品試験又は製品外観の少なくとも一方が×になる。これ
に対し、本発明に係る長繊維ガラス繊維強化ペレット
(ペレット1)を用いた実施例1〜3では、製品試験及
び製品外観が共に良好(○)であった。しかも、アイゾ
ット衝撃強度に関しては、実施例の方が比較例よりも優
れている。
熱可塑性エラストマー(B)とからなる組成物(C)で
被覆された繊維長2〜20mmのガラス繊維(D)を1
〜25重量%、ポリプロピレン(E)を75〜99重量
%の割合で含む樹脂組成物(F)を射出成形して、実用
性を満たし、軽量かつ良外観のホイールキャップが得ら
れる。
Claims (7)
- 【請求項1】 不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性
された熱可塑性樹脂(A)と、不飽和カルボン酸又はそ
の誘導体で変性された熱可塑性エラストマー(B)とか
らなる組成物(C)で被覆された長さ2〜20mmのガ
ラス繊維(D)を1〜25重量%、ポリプロピレン
(E)を75〜99重量%の割合で含む樹脂組成物
(F)を射出成形してなることを特徴とするホイールキ
ャップ。 - 【請求項2】 前記ガラス繊維(D)の含有量は、ホイ
ールキャップ全体に対し、3重量%以上20重量%未満
であることを特徴とする請求項1記載のホイールキャッ
プ。 - 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂(A)は、無水マレイ
ン酸又は無水フタル酸変性ポリプロピレン系樹脂であ
り、前記熱可塑性エラストマー(B)は、無水マレイン
酸変性エチレン−プロピレン共重合エラストマーである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のホイールキャ
ップ。 - 【請求項4】 不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性
された熱可塑性樹脂(A)と、不飽和カルボン酸又はそ
の誘導体で変性された熱可塑性エラストマー(B)とか
らなる組成物(C)で被覆されたガラス繊維(D)を1
〜25重量%、ポリプロピレン(E)を75〜99重量
%の割合で含む樹脂組成物(F)を射出成形してホイー
ルキャップを製造する方法であって、 前記ポリプロピレン(E)と、前記熱可塑性樹脂(A)
と、前記熱可塑性エラストマー(B)との合計含有量を
95〜25重量%、前記ガラス繊維(D)を互いに平行
に配列した長さ2〜20mmのガラス繊維束(G)を5
〜75重量の割合で含む長さ2〜20mmのガラス繊維
強化ポリプロピレンペレット(H)を、ホイールキャッ
プ全体に対して1.5重量%以上含めて射出成形するこ
とを特徴とするホイールキャップの製造方法。 - 【請求項5】 前記ガラス繊維強化ポリプロピレンペレ
ット(H)は、 前記熱可塑性樹脂(A)を0.1〜10重量%、 前記熱可塑性エラストマー(B)を0.1〜10重量
%、 ポリプロピレン(E)と必要に応じて加える他の熱可塑
性樹脂及び/又は他の熱可塑性エラストマーとの合計含
有量を94.8〜5重量%、 前記ガラス繊維束(G)を5〜75重量の割合で含むこ
とを特徴とする請求項4記載のホイールキャップの製造
方法。 - 【請求項6】 前記ガラス繊維(D)の含有量は、ホイ
ールキャップ全体に対し、3重量%以上20重量%未満
であることを特徴とする請求項4又は5に記載のホイー
ルキャップの製造方法。 - 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂(A)は、無水マレイ
ン酸又は無水フタル酸変性ポリプロピレン系樹脂であ
り、前記熱可塑性エラストマー(B)は、無水マレイン
酸変性エチレン−プロピレン共重合エラストマーである
ことを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載のホイ
ールキャップの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001364343A JP2003165301A (ja) | 2001-11-29 | 2001-11-29 | ホイールキャップ及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001364343A JP2003165301A (ja) | 2001-11-29 | 2001-11-29 | ホイールキャップ及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101459951B1 (ko) * | 2013-09-27 | 2014-11-07 | 현대자동차주식회사 | 촉감 및 내스크래치성이 우수한 폴리프로필렌 복합 수지 조성물 |
JP2017107859A (ja) * | 2011-08-22 | 2017-06-15 | エンシンク,インコーポレーテッド | コモンDCバスに接続されたZnBrフローバッテリーのための反転可能な極性動作およびスイッチング方法 |
-
2001
- 2001-11-29 JP JP2001364343A patent/JP2003165301A/ja active Pending
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KR101459951B1 (ko) * | 2013-09-27 | 2014-11-07 | 현대자동차주식회사 | 촉감 및 내스크래치성이 우수한 폴리프로필렌 복합 수지 조성물 |
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