JP2005126601A - 繊維強化樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 引張り破断強度、曲げ強度、衝撃強度等の強度の低下が無く、押出機やダイスを腐蝕させない繊維強化樹脂組成物及びその成形品を提供する。
【解決手段】 下記成分(A)〜(D)を下記組成で含む繊維強化樹脂組成物。
[成分]
(A)ポリオレフィン樹脂
(B)不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂
(C)表面に官能基を有する強化繊維
(D)炭酸化合物
[組成]
[(A)+(B)+(C)]:(D)=100質量部:0.01〜1質量部
[(A)+(B)]:(C)=20〜95質量%:80〜5質量%
【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維強化樹脂組成物及びその成形品に関する。
ポリオレフィン樹脂には重合触媒残分(ハロゲン成分等)が含まれており、例えば、樹脂内に遊離塩素は塩酸として存在する。この塩酸は、ポリオレフィン樹脂の劣化、繊維強化樹脂組成物の劣化、押出機やダイスの腐蝕を招くので、取り除く必要性がある。このようなポリオレフィン樹脂の劣化(着色、熱安定性)防止や腐蝕防止するために、ポリオレフィン樹脂の製造時に金属石鹸を添加し、残塩素イオンを中和する方法が広く一般的に使われている(例えば、非特許文献1、特許文献1)。また、顔料・フィラー等の分散性の向上、流動性や離型性の調整等の理由で金属石鹸が追加されていることも多い。
新版脂肪酸化学(幸書房、昭和56年9月5日初版)p142 特開昭52−47885公報
発明者は、金属石鹸等が添加されていないポリプロピレン樹脂を使用し、強化繊維を配合した繊維強化樹脂組成物に対する金属石鹸の添加効果を検討した。その結果、金属石鹸の添加量を増やしていくと、引張り破断強度、曲げ強度、衝撃強度が低下していくことが明らかになった。
従って、本発明は、このような強度の低下が無く、押出機やダイスを腐蝕させない繊維強化樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とする。
発明者は、金属石鹸による繊維強化樹脂組成物の強度低下のメカニズムを鋭意研究した結果、明確ではないが以下のように推定した。即ち、下記反応式に示されるように、通常ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸は塩酸(残塩素イオンは塩酸として存在する)と反応(中和)し、ステアリン酸を生成する。
(CH(CH16COO)Ca+2HCl
→2CH(CH16COOH+CaCl
繊維強化樹脂組成物を製造する際は、ガラス繊維等の強化繊維の表面はアミノシラン等で処理しアミノ基を導入し、ポリプレピレン等のポリオレフィン樹脂には無水マレイン酸等の酸変性樹脂を併用し、アミノ基と無水マレイン酸を反応させて結合を作り、強化繊維とポリオレフィン樹脂の界面の接着性を向上させている。
金属石鹸から生成したステアリン酸等のカルボン酸は、それ自身がアミノ基と反応し、アミノ基と無水マレイン酸の反応を阻害する可能性がある。そのため強化繊維とポリオレフィン樹脂との界面は弱くなり、結果、繊維強化樹脂組成物の強度は弱くなったものと考えられる。
金属石鹸を入れないポリプロピレンを使用した繊維強化樹脂組成物の強度が、金属石鹸を入れたものと比較し強度が高いのは、遊離の塩酸は、無水マレイン酸の加水分解等に作用する(触媒作用する)ので、かえってアミノ基と無水マレイン酸の反応を促進し、ポリオレフィン樹脂と強化繊維の界面形成を阻害することがなく、強度を十分に発現するものと考える。
発明者は、さらに、強度を低下させないで遊離塩素を除く方法を研究した結果、炭酸化合物を用いて中和させることを見出し本発明を完成させた。
本発明の第一の態様によれば、下記成分(A)〜(D)を下記組成で含む繊維強化樹脂組成物が提供される。
[成分]
(A)ポリオレフィン樹脂
(B)不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂
(C)表面に官能基を有する強化繊維
(D)炭酸化合物
[組成]
[(A)+(B)+(C)]:(D)=100質量部:0.01〜1質量部
[(A)+(B)]:(C)=20〜95質量%:80〜5質量%
本発明の第二の態様によれば、上記の繊維強化樹脂組成物からなり、強化繊維(C)が互いにほぼ平行に並んでいるペレットが提供される。
本発明の第三の態様によれば、上記の繊維強化樹脂組成物を成形した成形品が提供される。
本発明の組成物では、炭酸化合物で中和しているため、ポリオレフィン樹脂の残留触媒のハロゲン成分(遊離塩素)による劣化がない。さらに、炭酸化合物による強度低下もない。従って、引張り破断強度、曲げ強度、衝撃強度等の強度の低下が無く、押出機やダイスを腐蝕させない繊維強化樹脂組成物及びその成形品を提供できる。
本発明の繊維強化樹脂組成物は、下記成分(A)〜(D)を下記組成で含む。
[成分]
(A)ポリオレフィン樹脂
(B)不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂
(C)表面に官能基を有する強化繊維
(D)炭酸化合物
[組成]
[(A)+(B)+(C)]:(D)=100質量部:0.01〜1質量部
[(A)+(B)]:(C)=20〜95質量%:80〜5質量%
上記繊維強化樹脂組成物は、遊離塩酸を除くため炭酸化合物を添加している。しかし、本発明の繊維強化樹脂組成物は、金属石鹸のように強度が低下しない。これは、下記一般反応式に示すように、金属石鹸と異なり、遊離塩酸が炭酸化合物で中和される際に、カルボン酸が生成されないため、強度が落ちないと考えられる。
RCO+2HCl→RCl+HO+CO
本発明の組成物に用いるポリオレフィン樹脂(A)として、ポリエチレン樹脂(LDPE、エチレン−α−オレフィン共重合体)、ポリプロピレン樹脂、さらにこれらの樹脂と熱可塑性エラストマーとの混合物等が使用できる。
好ましくは、ポリプロピレン樹脂及びポリプロピレン樹脂と熱可塑性エラストマーとの混合物である。
ポリプロピレン樹脂には、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体等が含まれる。
ポリプロピレン樹脂のMFRは、通常1〜300g/10分、好ましくは10〜250g/10分、さらに好ましくは20〜200g/10分である。
MFRが1g/10分以下であると成形体中の強化繊維の分散性が低下し、成形体の外観不良が見られることがあり、MFRが300g/10分より大きいと衝撃強度に劣り好ましくない。
上記のポリプロピレン樹脂のMFRは、JIS K 7210−1999に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した値である。
ポリプロピレン樹脂は、特開平5−32723号公報、特開平11−71431号公報、特開2002−249624号公報に記載の方法等により製造できる。
即ち、ポリプロピレン樹脂は、重合用触媒を用いてプロピレン等をスラリー重合、気相重合、又は液層塊状重合することにより製造でき、このようなプロピレン重合体を製造する重合方式としては、バッチ重合、連続重合のどちらの方式も使用することができる。
ポリプロピレン樹脂の重合時の分子量は、特開2002−226510号公報に記載されているように水素量等で調整できる。
エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、通常900〜940kg/mである。MFR(190℃、2.16kg)は、通常0.1〜100g/10分、好ましくは0.1〜40g/10分、さらに好ましくは0.5〜20分/10分である。
コモノマーとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等が使用でき、ブテン−1、オクテン−1が好ましく、オクテン−1がより好ましい。
チーグラー・ナッタ触媒を使用して重合した共重合体、メタロセン系触媒を使用し重合した共重合体、いずれも使用できる。
さらに、ポリオレフィン樹脂(A)として、ポリプロピレン樹脂と熱可塑性エラストマーとの混合物が使用できるが、この場合のポリプロピレン樹脂は上述した通りである。
熱可塑性エラストマーの例として、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(EPR)、エチレン・ブテン−1共重合体エラストマー(EBM)、エチレン・オクテン−1共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体エラストマー(EPDM)、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体エラストマー、軟質ポリプロピレン、軟質ポリプロピレン系共重合体等のオレフィン系エラストマーを使用できる。
エチレン系エラストマーの場合のエチレン含有量は、通常40〜98重量%である。尚、ポリオレフィン系エラストマーのムーニー粘度(ML1+4 100)は、通常5〜100であるが、10〜60のものを用いることが好ましい。
また、スチレン系エラストマーも使用でき、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体エラストマー、スチレン・イソプレン共重合体エラストマー、スチレン・ブタジエン・イソプレン共重合体エラストマー、又はこれら共重合体の完全又は部分水添してなるスチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体エラストマー(SEPS)等を使用できる。
水添系スチレン系エラストマーは、水添率が90%以上が好ましく、特に98%以上が好ましい。
また、スチレン含有量は、5〜60重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%である。
スチレン系エラストマーのMFR(JIS K7210に準拠し、200℃、荷重5kgで測定)は、好ましくは0.1〜120g/10分であり、より好ましくは8〜100g/10分である。
その他、ポリエステル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、アクリレート系エラストマー、ウレタン系エラストマー等も使用することができる。
これら熱可塑性エラストマーの中で、好ましいエラストマーは、ポリオレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーである。
配合量は、ポリプロピレン樹脂に対し、通常5質量%〜40質量%、好ましくは10質量%〜30質量%である。
水添スチレンブタジエンラバー(HSBR)としては、JSR(株)ダイナロン1320P、1321Pがある。スチレン・エチレンブチレン・オレフィン結晶コポリマー(SEBC)としては、JSR(株)ダイナロン4600Pがある。オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー(CEBC)としては、JSR(株)ダイナロン6200Pがある。水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)としては、旭化成(株)タフテックH1031、H1041、H1043、H1051、H1052、H1053、H1062、H1141、H1221、H1272、M1911、M1913、M1943、P1000、P2000がある。
不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂(B)(変性ポリオレフィン樹脂)は、ポリオレフィン樹脂中にカルボキシル基、無水カルボン酸基有するものである。好ましくは、ポリオレフィン樹脂を不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性したものである。変性されるポリオレフィン樹脂の例として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(A)としてポリプロピレン樹脂又はその混合物を使用する場合は、変性ポリオレフィン樹脂(B)として変性ポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。
尚、変性ポリプロピレン樹脂には、上述のポリプロピレン樹脂(A)と同様に、変性されたプロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体等を含む。
変性方法は、グラフト変性や共重合化を使用できる。
変性に用いる不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ナジック酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、ソルビン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸等が挙げられる。また、その誘導体としては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩等があり、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ナジック酸、アクリル酸メチル、メタクル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、マレイン酸モノエチルエステル、アクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、不飽和ジカルボン酸及びその誘導体が好ましく、特に無水マレイン酸又は無水フタル酸が好適である。
変性ポリプロピレン樹脂のMFR(温度230℃、荷重2.16kg)は、好ましくは5〜800g/10分である。MFRが低すぎると分散不良を起こしやすく、800g/10分より大きいと衝撃強度の低下を招く場合がある。
変性ポリプロピレン樹脂の結晶化温度(Tc)は、通常105〜125℃、好ましくは110〜120℃である。極限粘度は、通常0.4〜1.6dl/g、好ましくは0.5〜0.8dl/gである。
変性ポリプロピレン樹脂の好適なカルボン酸付加量は、0.1〜14重量%であり、より好ましくは0.8〜8重量%である。酸付加量は、樹脂のIRスペクトルを測定し、1670cm−1〜1810cm−1のピークの面積から決定する。
ポリプロピレン樹脂の変性化は、樹脂組成物の製造に先立って予め行ってもよいし、樹脂組成物製造の際の溶融混練過程において行ってもよい。
樹脂組成物の製造に先立って予め行う場合は、繊維強化樹脂ペレットを作製するときに、熱可塑性樹脂に酸変性した熱可塑性樹脂を適量添加する。反応性官能基を有する熱可塑性樹脂を3〜50重量%、より好ましくは5〜25重量%添加するのが好ましい。
溶融混練過程で行う際は、熱可塑性樹脂と不飽和カルボン酸を有機過酸化物を用いて押出機中で混練することにより、不飽和カルボン酸をグラフト共重合し変性化する。上記有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド等を挙げることができる。
強化繊維(C)としては、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、シリコン繊維、シリコン・チタン・炭素繊維、ボロン繊維、鉄、チタン等の金属繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ビニロン等の有機合成繊維、絹、綿、麻等の天然繊維等、公知のものを幅広く用いることができる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。補強効果及び入手の容易性からガラス繊維が好ましい。
強化繊維の繊維径は、好ましくは3〜30μmであり、さらに好ましくは8〜20μmである。繊維径が過小であると、繊維が破損しやすいため、強化繊維束の生産性が低下することがあり、またペレットを連続製造するときに、繊維を多数本束ねなければならなくなり、繊維束をつなぐ手間が煩雑となり生産性が低下するため好ましくない。また、ペレット長が決まっている場合は繊維径が過大であると、繊維のアスペクト比が低下することとなり、補強効果が充分発揮されなくなることがあることから好ましくない。アスペクト比は100〜200が好ましい。アスペクト比が下がると強度が低下し、大きすぎると成形性が低下する恐れがある。
ガラス繊維としては、Eガラス(Electrical glass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス(Alkali glass)、Sガラス(High strength glass)及び耐アルカリガラス等のガラスを溶融紡糸してフィラメント状の繊維にしたものを挙げることができる。
ガラス長繊維の原料としては、連続状ガラス繊維束が用いられ、これはガラスロービングとして市販されている。通常、その平均繊維径は4〜30μm、フィラメント集束本数は400〜10,000本及びテックス番手は300〜20,000g/kmである。好ましくは平均繊維径9〜23μm、集束本数1,000〜6,000本である。
他に、ガラス繊維として、ガラスチョップドストランドを用いることもできる。このチョップドストランドの長さは、通常3〜50mm、繊維の径は3〜25μm程度、好ましくは8〜14μmのものである。
樹脂組成物中のガラス繊維の繊維長は、通常1.5〜60mm、好ましくは3〜50mmである。
強化繊維表面は、電解処理や収束剤処理等、様々な表面処理方法で官能基を持たせることができる。表面処理としては、収束剤を用いることが好ましく、カップリング剤を含む収束剤を用いることが特に好ましい。このように処理された強化繊維を用いると、樹脂との接着性が付与され、強度と外観が良好な成形体が得られる。
収束剤の例として、特開2003−253563号公報に記載されているようなカップリング剤を含むものが挙げられる。
収束剤には、カップリング剤の他に取り扱いを容易にするために樹脂エマルジョンを含むものも好ましい。
カップリング剤としては、いわゆるシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤として従来から知られているカップリング剤から適宜選択することができる。
シラン系化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(2,4−エポキシシクロヘキシル)エトキシメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが使用できる。特に、アミノ系シラン化合物を使用するのが好ましい。
収束剤に含まれる樹脂エマルジョンとしては、ウレタン系、オレフィン系、アクリル系、ブタジエン系及びエポキシ系等が使用でき、これらのうち、ウレタン系あるいはオレフィン系を使用することが好ましい。ここで、ウレタン系収束剤は、通常、ジイソシアネート化合物と多価アルコールとの重付加反応により得られるポリイソシアネートを50重量%以上の割合で含有するものであれば、油変性型、湿気硬化型及びブロック型等の一液タイプ、触媒硬化型及びポリオール硬化型等の二液タイプのいずれもが使用できる。ボンディクシリーズやハイドランシリーズ(共に大日本インキ化学製)等が代表的なものである。一方、オレフィン系収束剤としては、水性ウレタン、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性ポリオレフィン樹脂が使用できる。
本発明の組成物に使用する炭酸化合物(D)として、Li,Na,Mg,Al,K,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Rb,Sr,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,Cs,Ba,W,Au,Hg,Pb,Bi等の金属のイオンと炭酸イオン(CO 2−)からなる炭酸塩、前記金属のイオンと炭酸水素イオン(HCO )からなる炭酸水素塩、前記金属のイオンと炭酸イオン(CO 2−)、水酸化物イオン(OH)からなる炭酸塩と水酸化物塩の複合塩等が挙げられる。前記炭酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩と水酸化物塩の複合塩は結晶水を含んでいてもよい。また、天然に産出される鉱物を使用してもよい。
具体的な炭酸化合物には、炭酸亜鉛、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸鉄、炭酸銅、炭酸ナトリウム、炭酸鉛、炭酸ニッケル、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、炭酸リチウムがあり、この中で好ましいのは炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムである。この他、MgZnAl(OH)12CO・3HO、炭酸エステル(炭酸メチル、炭酸エチル等)、炭酸アンモニウムも使用できる。
さらに、下記一般式(I)で示される炭酸化合物が好ましい。
Al(OH)nx+3y−2CO・mHO (I)
式中、Mはn価のアルカリ金属又はアルカリ土類金属から選ばれる金属原子を示す。好ましくはアルカリ金属であり、より好ましくはLi、Na、Kである。xは1以上6以下の数、yは1以上10以下の数、mは0又は任意の正数、nは1又は2を表わす。
具体的な化合物としては、Mg4.3Al(OH)12.6CO・mHO、Mg4.5Al(OH)13CO・3HO、LiAl(OH)12CO、LiAl(OH)12CO・4HO、MgAl(OH)16CO・4HO等が挙げられる。
上記の成分(A)〜(D)の組成は、好ましくは、以下の通りである。
[(A)+(B)+(C)]:(D)=100質量部:0.01〜1質量部
[(A)+(B)]:(C)=20〜95質量%:80〜5質量%
より好ましくは、以下の通りである。
[(A)+(B)+(C)]:(D)=100質量部:0.02〜0.6質量部
[(A)+(B)]:(C)=30〜90質量%:70〜10質量%
[(A)+(B)+(C)]に対して(D)が多すぎると、コストが高くなり、またじん性が低下する恐れがあり、[(A)+(B)]に対して、(C)が多すぎると、比重が高くなり、外観も悪化する恐れがある。
ポリオレフィン樹脂(A)に対する変性ポリオレフィン樹脂(B)の配合量は、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。
本発明の組成物には、その他、用途に応じて様々な添加剤、例えば、分散剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、リン酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤)、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化促進剤(増核剤)、発泡剤、架橋剤、抗菌剤等の改質用添加剤、顔料、染料等の着色剤、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、アゾ顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー等の粒子状充填剤、ワラストナイト等の短繊維状充填剤、チタン酸カリウム等のウィスカー等を添加することができる。
これらの添加剤は、ペレット製造時に添加してペレット中に含有させるか、ペレットから成形体を製造するときに添加してもよい。
次に、本発明の繊維強化樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の繊維強化樹脂組成物は、短繊維強化樹脂ペレットの場合は、押出し機等に一部又は全部の成分を溶融混練して製造でき、長繊維強化樹脂ペレットの場合は、引き抜き法等公知の方法で製造できる。成分の一部を別途溶融混練した後、混合(ブレンド)してもよい。
長繊維強化樹脂ペレットは、組成物中の繊維のアスペクト比が大きくなり、強度が高い組成物を得やすいため、より顕著な効果が得られる。
本発明の組成物が(A)成分にエチレン−α−オレフィン系エラストマーを含む場合は、ポリオレフィン樹脂(変性ポリプロピレン樹脂を含む)とガラス繊維からなるペレットと、エチレン−α−オレフィン系エラストマーのペレットをドライブレンドするか又は別々にホッパーに入れることにより、組成物を作製する。水添エラストマーを含む場合は、ポリオレフィン樹脂(変性ポリプロピレン樹脂を含む)とガラス繊維のペレットに含ませるか、別途ペレットをドライブレンドするか、直接ホッパーに投入する。
繊維強化樹脂ペレットの形状は、パウダー状、フレーク状、ペレット状のいずれでも構わない。
長繊維強化樹脂ペレットのペレット長は通常2〜200mmである。ペレット長が短すぎると、剛性、耐熱性及び衝撃強度の改善効果が低く、反り変形も大きくなる場合があり、また、ペレット長が長すぎると成形が困難となる場合がある。好ましくはペレット長は3〜100mmであり、さらに好ましくは3〜50mmであり、特に好ましくは6〜25mmである。
ペレット中の繊維は互いにほぼ平行な状態で配列しているのが好ましい。
長繊維強化樹脂ペレットは、数千本からなる強化繊維のロービングを含浸ダイスに導き、フィラメント間に溶融した熱可塑性樹脂を均一に含浸させた後、必要な長さ(2〜200mm)に切断することにより容易に得ることができる。
例えば、押出機先端に設けられた含浸ダイス中に、押出機より溶融樹脂を供給する一方、連続状ガラス繊維束を通過させ、このガラス繊維束に溶融樹脂を含浸させたのちノズルを通して引抜き、2〜50mmの長さにペレタイズする方法がとられる。熱可塑性樹脂等、不飽和カルボン酸又はその無水物、有機過酸化物をドライブレンドして押出機のホッパーに投入し、変性も同時に行いながら供給する方法も取り得る。
含浸させるための方法としては、特に制限はなく、ロービングを樹脂粉体流動床に通した後、樹脂の融点以上に加熱する方法(特公昭52−3985号公報)、強化繊維のロービングを熱可塑性樹脂粉体流動層中に通して、これに熱可塑性樹脂粉体を付着させた後、熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して熱可塑性樹脂を含浸させる方法(特公昭52−3985号公報)、クロスヘッドダイを用いて強化繊維のロービングに溶融させた熱可塑性樹脂を含浸させる方法(特開昭62−60625号公報、特開昭63−132036号公報、特開昭63−264326号公報、特開平1−208118号公報)、樹脂繊維と強化繊維のロービングとを混繊した後、樹脂の融点以上に加熱して樹脂を含浸させる方法(特開昭61−118235号公報)、ダイ内部に複数のロッドを配置し、これにロービングをジグザグ状に巻き掛けて開繊させ、溶融樹脂を含浸させる方法(特開平10−264152号公報)等、何れの方法も用いることができる。
樹脂を溶融する過程において、2以上のフィード部を持つ押出機を使用し、トップフィードから、樹脂と樹脂の分解剤(ポリプロピレン樹脂の場合、有機過酸化物が好ましい)、サイドフィードから別の樹脂を投入してもよい。
また、2台以上の押出機(押出し部)を使用し、そのうち1台以上の押出機には樹脂と樹脂の分解剤(ポリプロピレン樹脂の場合、有機過酸化物が好ましい)を投入してもよい。
さらに、押出機の少なくとも1個所に樹脂、不飽和カルボン酸及びその誘導体、分解剤(ポリプロピレン樹脂の場合、有機過酸化物が好ましい)を投入してもよい。
短繊維強化樹脂ペレットは、各成分を所定の割合にてロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー等でよく混練分散して製造できる。タンブラー式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー等でドライブレンドしてもよい。一軸押出機、二軸押出機等で混練してペレット状の成形材料とする。
さらに、本発明の繊維強化樹脂組成物を成形して各種成形品を製造できる。
成形方法は、射出成形法、押出成形法、中空成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法、ガス注入射出成形又は発泡射出成形等の公知の成形法をなんら制限なく適用できる。特に射出成形法、圧縮成形法及び射出圧縮成形法が好ましい。
繊維強化樹脂ペレットと、繊維強化ペレットと同じ熱可塑性樹脂等の希釈材との配合は、ドライブレンド方式でかまわない。むしろ、組成物中の繊維長を保持し、より高い剛性、耐衝撃性、耐久性の改良効果を得るためには、ドライブレンド後は押出機を通さず、直接射出成形機等の成形機に供する方が好ましい。希釈材の配合比率については、繊維強化樹脂組ペレットの強化繊維含有量と、最終成形品に求められる強化繊維含有量とによって決まるが、剛性、耐衝撃性、耐久性の改良効果の点から20〜85重量%である。
成形後に残存する補強繊維の重量平均繊維長は、通常1mm以上、好ましくは2mm以上である。
本発明の長繊維強化樹脂組成物から得られる成形品は、自動車部品(フロントエンド、ファンシェラウド、クーリングファン、エンジンアンダーカバー、エンジンカバー、ラジエターボックス、サイドドア、バックドアインナー、バックドアアウター、外板、ルーフレール、アシストグリップ、ドアハンドル、ラゲージボックス、ホイールカバー、オーナメント、ステップ、ハンドル、エアコクリーナー、ランプハウジング、ヒーターハウジング、ニープロテクター)、二輪・自転車部品(ラゲージボックス、ハンドル、ホイール、カウル)、住宅関連部品(温水洗浄便座部品、浴室部品、椅子の脚、バルブ類、メーターボックス、浴槽パン)、電化製品(電気ガマ・ジャー部品、洗濯機部品、洗濯機ドラム、食洗機部品、扇風機部品、エアコングリル、電子レンジ部品、ファン)、その他、電動工具部品、草刈り機ハンドル、ホースジョイント、ケミカルバルブ、耐熱コンテナー、農機具部品、農薬散布機ケーシング、紡績用ボビン、紙巻ボビン、ストレーナー、ケーブルエンクロージャー、水道部品、トレイ等に使用できる。
実施例及び比較例で使用した材料は以下の通りである。
(1)ポリオレフィン樹脂
ステンレス製オートクレーブ(内容積10リットル)に精製ヘプタン5リットルを投入し、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)5ml、TiCl触媒(ソルベー社製タイプ01)0.7gを投入する。次いでMFR=30g/10分になるように水素量を調整し、70℃、全圧8.0kg/cmGにおいて90分間プロピレンの重合を行った。その後、系内から反応ガスをパージし、ブチルアルコール50mlを加えて、70℃で30分間加熱攪拌後、スラリー中のポリマーを濾別し、減圧乾燥してポリプロピレンを得た。
(2)変性ポリオレフィン樹脂
マレイン酸変性ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、ポリタック H−1000P)を使用した。
MFRは800g/10分(230℃、2.16kg荷重)であり、変性率は酸付加量が4.1重量%であった。
(3)表面処理した強化繊維
短繊維ガラス繊維(GF チョップドストランド)として、旭ファイバーグラス(株)製、03 JA FT17を用いた。これは、アミノシランカップリング剤及びウレタン系エマルジョンで処理されていた。
長繊維ガラス繊維(GF ロービング)として、旭ファイバーグラス(株)製、ER2220(ガラス収束本数4000本)を用いた。これは、アミノシランカップリング剤及びポリオレフィン樹脂エマルジョンで処理されていた。
(4)炭酸化合物
Mg4.3Al(OH)12.6CO・mHO(協和化学工業製、DHT−4A)を用いた。
LiAl(OH)12CO(水沢化学工業製、ミズカラックH−1)を用いた。
(5)熱可塑性エラストマー
(i)エチレン系エラストマー:
モアテック 出光石油化学(株)製
エンゲージ デュポン・ダウ社製
タフマー 三井化学(株)製
(ii)スチレン系エラストマー:
タフテック H1052 旭化成(株)製
(iii)オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロック共重合体:
ダイナロン 6200P JSR(株)製
(6)金属石鹸
カルシュウムステアレートS(日本油脂(株)製)を用いた。
実施例1−8、比較例1
[短繊維を使用した場合]
二軸混練機(TEM−20、東芝機械製)を用い、トップフィード部に、表1に示すように、ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン及び炭酸化合物を投入した。さらに、サイドフィード部からガラス繊維を投入し、230℃で混練し、ストランドを水冷後、ペレタイザで切断しガラス繊維強化樹脂ペレットを得た。
尚、表1の配合量は質量部である。
得られたガラス繊維強化樹脂ペレットから、JIS K 7152−1−1999に準拠して、射出成形サンプル(多目的試験片A形)を作製した。
このサンプルを用いて、下記の物性項目を測定し評価した。評価結果を表1に示す。
(1)密度
JIS K 7112−1999に準拠し測定した。
(2)引張り破壊強度
JIS K 7162−1994に準拠し測定した。
(2)破断伸び、曲げ強度
JIS K 7171−1994に準拠し測定した。
(3)曲げ弾性率
JIS K 7171−1994に準拠し測定した。
(4)シャルピー衝撃強さ
JIS K 7111−1996に準拠し、23℃で測定した。
(5)ペレットの色相
以下の基準により評価した。
○:変色なし。
×:変色がややあるものが見られた。
(6)ダイの腐食
以下の基準により評価した。
○:ダイに曇りは見られなかった。
×:ダイに曇りがやや見られた。
Figure 2005126601
実施例9−11、比較例2
[長繊維を使用した場合]
図1に示すペレット製造装置を用いて長繊維強化樹脂ペレットを製造した。
尚、この図において、10はダイ、20はダイ10へ熱可塑性樹脂を供給する押出機、30は繊維束Fのロール、40はダイ10に引き込まれる繊維束Fに一定の張力を与えるテンションロール群、50はダイ10から引き出された溶融樹脂含浸繊維束を冷却する手段、60は繊維束の引き出しロール、70は引き出された溶融樹脂繊維束をカットして繊維強化樹脂ペレットとするペレタイザである。この装置では、三本のそれぞれ独立した繊維束Fに溶融樹脂を同時に含浸させている。
具体的な製造条件は、以下の通りであった。
ダイ:50mmφ押出機の先端に取り付け、含浸部に四本のロッドを直線状に配置。
繊維束:上記ガラス繊維
予熱温度:200℃
熱可塑性樹脂:上記ポリプロピレン
溶融温度:290℃
ロッド:四本、6mm(直径)、傾斜角度:25度
上記条件下において、テンションロール群で繊維束の量を調整しつつダイ内に送り込み含浸を行ない、その後、ダイから引き出して冷却し、ペレタイザでペレタイズし、ガラス繊維強化樹脂ペレットを作製した。
得られたペレットは、ペレット長8mm、ペレット短径1.9mm、ペレット長径2.1mmの楕円柱状のものであった。
ペレット中のガラス量は、30質量%であった。
得られたペレットを用いて、上記実施例と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
比較例3−5
表2に示すように、上記実施例において、炭酸化合物の代わりに金属石鹸を用いて、ガラス繊維強化樹脂ペレットを作製した。尚、表2の配合量は質量部である。
得られたペレットを用いて、上記実施例と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2005126601
実施例12−20
[熱可塑性エラストマーを添加した場合]
実施例9−11と同様にして、ダイス10の下流側のノズルの径を変えて、ペレット中のガラス繊維量が50質量%のガラス繊維強化樹脂ペレット(長繊維GFPPペレット)を製造した。表3に示すように、この長繊維GFPPペレットに、所定量の上記ポリプロピレン及び熱可塑性エラストマーをドライブレンドして、射出成形機(東芝機械製IS150E)のホッパーに投入し、評価用成形サンプルを作製した。尚、表3の配合量は質量部である。
このサンプルを用いて上記実施例と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2005126601
本発明の長繊維強化樹脂組成物から得られる成形品は、自動車部品、二輪・自転車部品、住宅関連部品、電化製品等に使用できる。
実施例で用いたペレット製造装置を示す図である。
符号の説明
10 ダイ
20 押出機
30 繊維束Fのロール
40 テンションロール群
50 冷却手段
60 引き出しロール
70 ペレタイザ

Claims (7)

  1. 下記成分(A)〜(D)を下記組成で含む繊維強化樹脂組成物。
    [成分]
    (A)ポリオレフィン樹脂
    (B)不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂
    (C)表面に官能基を有する強化繊維
    (D)炭酸化合物
    [組成]
    [(A)+(B)+(C)]:(D)=100質量部:0.01〜1質量部
    [(A)+(B)]:(C)=20〜95質量%:80〜5質量%
  2. 前記炭酸化合物(D)が、下記一般式(I)で示される化合物である請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
    Al(OH)nx+3y−2CO・mHO (I)
    (式中、Mはn価のアルカリ金属又はアルカリ土類金属から選ばれる金属原子を示し、xは1以上6以下の数、yは1以上10以下の数、mは0又は任意の正数、nは1又は2を表わす。)
  3. 前記ポリオレフィン樹脂(A)が、ポリプロピレン樹脂であり、
    前記変性されたポリオレフィン樹脂(B)が、変性されたポリプロピレン樹脂である請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂組成物。
  4. 前記ポリオレフィン樹脂(A)が、ポリプロピレン樹脂と熱可塑性エラストマーからなり、
    前記変性されたポリオレフィン樹脂(B)が、変性されたポリプロピレン樹脂である請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂組成物。
  5. 前記強化繊維(C)が、ガラス繊維である請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物からなり、前記強化繊維(C)が互いにほぼ平行に並んでいるペレット。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物又は請求項6に記載のペレットを成形した成形品。
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