JP2003163132A - 磁器コンデンサ - Google Patents

磁器コンデンサ

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JP2003163132A
JP2003163132A JP2001362220A JP2001362220A JP2003163132A JP 2003163132 A JP2003163132 A JP 2003163132A JP 2001362220 A JP2001362220 A JP 2001362220A JP 2001362220 A JP2001362220 A JP 2001362220A JP 2003163132 A JP2003163132 A JP 2003163132A
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JP
Japan
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srtio
porcelain
pbtio
conductive film
dielectric
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JP2001362220A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Kimoto
光昭 木本
Masanori Fujimura
正紀 藤村
Tokuji Nishino
徳次 西野
Masuhiro Yamamoto
益裕 山本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高電圧の使用条件下においても自
己発熱温度を抑制し、低損失である磁器コンデンサを提
供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、SrTiO3−PbTiO3
Bi2/3TiO3、または、SrTiO3−PbTiO3
Bi2/3TiO3−CaTiO3を主成分とする誘電体磁
器と、誘電体磁器の対向表面に形成されたZnを主体と
する電極とを備えた構成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶バックライト
インバーターのバラスト回路、スイッチング電源の1
次、2次スナバー回路、テレビ・CRTディスプレイな
どの水平共振回路、インバーター蛍光灯、電子機器の高
圧・パルス回路、通信用モデムの対サージ回路等として
広く使用される磁器コンデンサに関し、特に、高周波
数、高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制
し、低損失である磁器コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CRTディスプレイの大型化、高
画質化、液晶ディスプレイの大型化、高画質化、更に
は、スイッチング電源回路の小型軽量化の傾向が強まっ
ており、これに伴って、使用される重要な受動部品の1
つである磁器コンデンサの使用条件も高周波数化、高電
圧化の傾向にある。
【0003】更に、これら高周波数化、高電圧化と言う
従来に比して厳しい使用条件に加え、スイッチング電源
回路やDC−DCコンバータ回路の小型化軽量化が進
み、磁器コンデンサの小型化が要求されている。
【0004】また、これら磁器コンデンサの一例とし
て、円板型の誘電体磁器の両主表面に電極を形成し、こ
の電極にそれぞれリード線を接合し、これらを外装材で
埋設した形態の磁器コンデンサがあげられるが、磁器コ
ンデンサの電極としては、従来からAg(銀)が使用さ
れてきた。しかし、Ag(銀)電極は自己発熱温度が高
い上、エレクトロマイグレーションを発生すると言う問
題がある。
【0005】近年、磁器コンデンサの電極に、Ag
(銀)に換わって、安価なCu(銅)やNi(ニッケ
ル)等の卑金属電極が使用されるようになった。
【0006】銅等の卑金属電極の形成には、酸化防止の
ため中性又は還元雰囲気中で焼付を要する。そこで、誘
電体磁器自体が還元雰囲気によって還元されないように
するため、焼き付け方法を改良したり、誘電体磁器組成
物に特別な複合添加物を添加する等の改良がなされてい
る。
【0007】例えば、特公平6−70944号公報に開
示されているように、SrTiO3を30.0〜70.
0重量%、PbTiO3を0.0〜40.0重量%、B
2 3を8.0〜40.0重量%、TiO2を3.0〜
20.0重量%、MgOを1.0〜10.0重量%配合
してなる組成100部に対して添加物CuOを0.05
〜0.7重量%、CoO、CeOを各々0.05〜3
0.0重量%添加配合した磁器誘電体組成物の対向表面
にCuを主体とする焼付電極を形成した低損失磁器コン
デンサが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のCu(銅)などの卑金属電極を用いた磁器コンデ
ンサは、電極形成に酸化防止のため中性又は還元雰囲気
中で焼付を要するため、中性又は還元雰囲気の厳密な管
理が必要となり、生産性が悪いと言う問題がある。
【0009】更に、Cu(銅)などの卑金属電極の酸化
が発生した場合には、単に歩留まりが低下するというだ
けでなく、非破壊検査による選別は困難であり、著しい
生産性の低下を来すと言う問題があった。
【0010】また、誘電体磁器組成物に特別な複合添加
物を添加する必要もあり、誘電体磁器組成物の組成比の
管理を要する上、コストが高くなると言う問題もある。
【0011】いずれにせよ、従来の磁器コンデンサは、
自己発熱温度が高いと言う課題を有しているが、安価で
有効な対策は未だなされていない。
【0012】そこで本発明は以上の様な課題を解決し、
高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制し、
低損失である磁器コンデンサを提供することを目的とし
ている。
【0013】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3、また
は、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3−Ca
TiO3を主成分とする誘電体磁器と、誘電体磁器の対
向表面に形成されたZnを主体とする電極とを備えた構
成としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3、また
は、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3−Ca
TiO3を主成分とする誘電体磁器と、誘電体磁器の対
向表面に形成されたZnを主体とする電極とを備えたこ
とを特徴とする磁器コンデンサであって、高周波数、高
電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制するこ
とができる。
【0015】請求項2に記載の発明は、SrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、SrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3を主成分と
する誘電体磁器と、誘電体磁器の対向表面に形成された
Znを主体とする第1層の電極と、第1層の電極上に形
成されたCu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少
なくとも一つの金属を主体とする第2層の電極を備えた
ことを特徴とする磁器コンデンサであって、高周波数、
高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制する
ことができると共に、第1層電極のZnとの密着性が良
好であり、リード線、或いは、リード端子との半田接合
強度を向上させることができる。
【0016】請求項3に記載の発明は、SrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、SrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3を主成分と
する誘電体磁器基板と、誘電体磁器基板の両主表面に形
成されたZnを主体とする第1層の電極と、第1層の電
極上に形成されたCu,Ni,Ag,Pd,Alから選
ばれる少なくとも一つの金属を主体とする第2層の電極
と、第2層の電極に接続されたリード線と、誘電体磁器
基板、第1層及び第2層の電極、リード線の一部を埋設
する外装材とを備えたことを特徴とする磁器コンデンサ
であって、高周波数、高電圧の使用条件下においても自
己発熱温度を抑制することができると共に、第1層電極
のZnとの密着性が良好であり、リード線との半田接合
強度を向上させることができる。
【0017】請求項4に記載の発明は、SrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、SrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3を主成分と
する誘電体磁器基板と、誘電体磁器基板の両主表面に形
成されたZnを主体とする第1層の電極と、第1層の電
極上に形成されたCu,Ni,Ag,Pd,Alから選
ばれる少なくとも一つの金属を主体とする第2層の電極
と、第2層の電極に接続され、互いに異なる方向に配設
されたリード端子と、誘電体磁器基板、第1層及び第2
層の電極、リード端子の一部を埋設する外装材と、外装
材の側面から外部に突き出されたリード端子の外部端子
形成部とを備えたことを特徴とする磁器コンデンサであ
って、高周波数、高電圧の使用条件下においても自己発
熱温度を抑制することができると共に、第1層電極のZ
nとの密着性が良好であり、リード端子との半田接合強
度を向上させることができる。
【0018】請求項5に記載の発明は、両端に端子部
と、端子部よりも外周に亘って凹んだ軸芯部とを備え、
SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、
SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTi
3を主成分とする誘電体磁器で構成された基体と、基
体の表面に形成されたZnを主体とする導電膜と、軸芯
部で導電膜を分離する間隙とを備えたことを特徴とする
磁器コンデンサであって、高周波数、高電圧の使用条件
下においても自己発熱温度を抑制することができると共
に、気泡の発生を抑制して外装材を充填することができ
る。
【0019】請求項6に記載の発明は、両端に端子部
と、端子部よりも外周に亘って凹んだ軸芯部とを備え、
SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、
SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTi
3を主成分とする誘電体磁器で構成された基体と、軸
芯部の対向する一対の面に形成され、一対の面で互いに
異なる端子部と間隙を介し、一対の面で互いに異なる端
子部に引き出されたZnを主体とする導電膜とを備えた
ことを特徴とする磁器コンデンサであって、高周波数、
高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制する
ことができると共に、大きな静電容量を得ることができ
る。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項5,6に
おいて、軸芯部と端子部の間に傾斜部を備えたことを特
徴とする磁器コンデンサであって、気泡の発生を抑制し
て外装材を充填することができる。
【0021】請求項8に記載の発明は、請求項7におい
て、軸芯部と傾斜部のなす角度が、90度〜150度で
あることを特徴とする磁器コンデンサであって、気泡の
発生を確実に抑制して外装材を充填することができる。
【0022】請求項9に記載の発明は、請求項5〜8に
おいて、基体の端子部の高さと軸芯部の高さの比が、
1:0.5〜0.85であることを特徴とする磁器コン
デンサであって、基体の強度を確保できる。
【0023】請求項10に記載の発明は、請求項5〜9
において、両端の端子部間に、軸芯部を覆う外装材を備
えたことを特徴とする磁器コンデンサであって、耐湿性
及び耐電圧特性を向上させることができる。
【0024】請求項11に記載の発明は、請求項10に
おいて、外装材と両端の端子部が、略面一であることを
特徴とする磁器コンデンサであって、確実に基板に接合
することができ、実装性に優れる。
【0025】請求項12に記載の発明は、請求項5〜1
1において、端子部の導電膜の上に、端子電極を備えた
ことを特徴とする磁器コンデンサであって、導電膜を保
護することができると共に、基板への接合が容易であ
る。
【0026】請求項13に記載の発明は、両端に端子部
を備え、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3
または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3
CaTiO3を主成分とする誘電体磁器で構成された略
直方体の基体と、基体の対向する一対の側面にそれぞれ
形成された凹部と、対向する凹部にそれぞれ形成され、
対向する凹部で互いに異なる端子部と間隙を介し、対向
する凹部で互いに異なる端子部に引き出されたZnを主
体とする導電膜とを備えたことを特徴とする磁器コンデ
ンサであって、高周波数、高電圧の使用条件下において
も自己発熱温度を抑制することができると共に、大きな
静電容量を得ることができ、機械的強度を維持すること
ができる。
【0027】請求項14に記載の発明は、請求項13に
おいて、対向するそれぞれの凹部に、外装材を充填した
ことを特徴とする磁器コンデンサであって、耐湿性及び
耐電圧特性を向上させることができる。
【0028】請求項15に記載の発明は、請求項13,
14において、端面の導電膜の上に、端子電極を備えた
ことを特徴とする磁器コンデンサであって、導電膜を保
護することができると共に、基板への接合が容易であ
る。
【0029】請求項16に記載の発明は、SrTiO3
−PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、SrTiO3
−PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3を主成分
とする誘電体磁器で構成された基体と、基体の表面に形
成されたZnを主体とする導電膜と、導電膜を分離する
間隙とを備えたことを特徴とする磁器コンデンサであっ
て、高周波数、高電圧の使用条件下においても自己発熱
温度を抑制することができる。
【0030】請求項17に記載の発明は、SrTiO3
−PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、SrTiO3
−PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3を主成分
とする誘電体磁器で構成された略直方体の基体と、基体
の対向する一対の側面に形成され、一対の側面で互いに
異なる端面と間隙を介し、一対の側面で互いに異なる端
面に引き出されたZnを主体とする導電膜とを備えたこ
とを特徴とする磁器コンデンサであって、高周波数、高
電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制するこ
とができると共に、大きな静電容量を得ることができ
る。
【0031】まず、本発明の磁器コンデンサを構成する
誘電体磁器について説明する。
【0032】誘電体磁器は、SrTiO3−PbTiO3
−Bi2/3TiO3、または、SrTiO3−PbTiO3
−Bi2/3TiO3−CaTiO3系の誘電体組成物が使
用される。
【0033】具体的には、SrTiO3−PbTiO3
Bi2/3TiO3、または、SrTiO3−PbTiO3
Bi2/3TiO3−CaTiO3粉末を主成分とし、添加
剤兼焼結助剤成分であるNd23、CeO2、Nb
25、MgO、SnO2、Cu2O、ZrO2、MnO2
SiO2の中から選ばれた少なくとも1つ以上を添加し
て、焼成することによって得ることができる。
【0034】また、この誘電体磁器の対向電極として形
成される第1層の電極は、Zn(亜鉛)を主体とする。
【0035】この第1層電極に用いられるZnは、微量
のガラス成分あるいは不純物を含んでいてもよく、純度
95%以上であることが好ましい。更に、Zn合金であ
ってもよく、Znの含有量として90%以上であること
が好ましい。
【0036】そして、第1層電極として用いられるZn
は、上述の誘電体磁器との協調によって自己発熱温度を
抑制するものである。
【0037】更に、第1層電極の上に形成される第2層
の電極は、Cu(銅),Ni(ニッケル),Ag
(銀),Pd(パラジウム),Al(アルミニウム)か
ら選ばれる少なくとも一つの金属を主体とする。
【0038】第2層電極に用いられるCu,Ni,A
g,Pd,Alは、それぞれ、微量の不純物を含んでい
てもよく、純度80%以上であることが好ましい。更
に、合金であってもよく、Cu,Ni,Al,Pd,A
lそれぞれの含有量として80%以上であることが好ま
しい。
【0039】そして、第2層電極として用いられるC
u,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも一
つの金属は、第1層電極のZnとの密着性が良好である
と共に、リード線、或いは、リード端子との半田接合強
度を向上させるものである。
【0040】以下、本発明の磁器コンデンサについて、
図面を参照して更に詳しく説明する。
【0041】(実施の形態1)図1(a)は本発明の実
施の形態1における磁器コンデンサを示す透視側面図で
あり、図1(b)は本発明の実施の形態1における磁器
コンデンサを示す透視正面図である。そして、図1
(a),(b)において、1は誘電体磁器基板、2は第
1層電極、3は第2層電極、4,5はリード線、6は外
装材である。また、100は磁器コンデンサを示してい
る。
【0042】図1(a),(b)に示すように、磁器コ
ンデンサ100は、円板型の誘電体磁器基板1の両主表
面に、それぞれ第1層電極2、第2層電極3が形成さ
れ、更に、第2層電極3に、それぞれ一対のリード線
4,5が半田接合された構成である。
【0043】そして、リード線4,5の一部と、誘電体
磁器基板1及び第1層電極2、第2層電極3を埋設する
外装材6が形成される。
【0044】誘電体磁器基板1としては、上述したSr
TiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、Sr
TiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3
系の誘電体組成物を主成分とする誘電体磁器が用いられ
る。
【0045】そして、同様に、第1層電極2としてZn
が用いられ、第2層電極3としてCu,Ni,Ag,P
d,Alから選ばれる少なくとも一つの金属が用いられ
る。
【0046】更に、リード線4,5としては、例えば、
JIS C3102で規定される電気用軟銅線を原料と
し、これに電気メッキ、又は、溶融半田を施した線材を
使用することができる。
【0047】また、外装材6としては、絶縁性を有する
材料が用いられ、ガラス、絶縁性樹脂等を用いることが
できる。この中でも、絶縁性樹脂が加工適正、低価格で
あり好ましく、熱硬化性樹脂が加工適正に優れより好ま
しく、更に、熱硬化型のエポキシ樹脂が強度、耐湿性に
優れているので特に好ましい。そして、オプトクレゾー
ルノボラック系,ビフェニール系,ペンタジエン系等の
エポキシ樹脂があげられる。
【0048】また、図1(a)に示すように、誘電体磁
器基板1の両主表面の第2層電極3に接合された一対の
リード線4,5は、誘電体磁器基板1を間に挟んで離間
し平行に延設されるが、折り曲げられて、最終的には、
誘電体磁器基板1の厚み方向で重なるように引き出され
ている。そして、一対のリード線4,5は、離間距離の
略半分の位置、即ち、誘電体磁器基板1の厚みを略半分
にする位置で重なっている。
【0049】更に、図1(b)に示すように、一対のリ
ード線4,5は、誘電体磁器基板1の表裏面でクロスす
るように第2層電極3にそれぞれ接合され、折り曲げら
れて、略平行になるように互いに離間して延設され、更
に折り曲げられて、双方の離間距離を狭めた状態で略平
行に延設されている。
【0050】そして、磁器コンデンサ100の一対のリ
ード線4,5は、回路基板のスルーホールに挿入され
て、回路基板の裏面で半田接合され実装されるが、図1
(b)に示すように、一対のリード線4,5が離間する
距離をスルーホールへの挿入部分で狭くすることによっ
て、外装材6から突出したリード線4,5の全ての部分
がスルーホールに入り込むこともない。
【0051】また、実装される磁器コンデンサ100の
外装材6の最下部と回路基板の間にはリード線4,5の
一部が必ず介在するので、半田接合時の熱の影響を受け
にくい上、半田フラックスも確実に排出できる。そし
て、半田接合時の熱の影響を受けにくいので、半田付け
温度の高いPb(鉛)フリー半田が使用可能となる。
【0052】次に、本発明の実施の形態1における磁器
コンデンサの製造方法について説明する。
【0053】まず、SrTiO3−PbTiO3−Bi
2/3TiO3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi
2/3TiO3−CaTiO3粉末を主成分とし、Nd
23、CeO2、Nb25、MgO、SnO2、Cu
2O、ZrO2、MnO2、SiO2の中から選ばれる少な
くとも1つ以上を配合し、通常の窯業的手法によって、
湿式混合或いは造粒を行い、円板型の形状に加圧成形し
た後、これを焼成する。
【0054】そして、得られた誘電体磁器基板1の両主
表面に、第1層電極2としてZn電極を印刷法によって
形成する。具体的には、亜鉛ペーストをスクリーン印刷
法によって誘電体磁器の両主表面に形成した後、約60
0℃で焼き付けを行う。この焼き付けは、中性又は還元
雰囲気中で行う必要はなく、大気雰囲気下で行うことが
できる。なお、Zn電極のその他の形成方法としては、
導電ペーストに浸積して塗布するいわゆるディップ塗装
や、電着法、鍍金法、蒸着法等の成膜方法を用いること
ができる。
【0055】更に、第1層電極2であるZn電極表面の
活性化処理を行う。この表面活性化処理は、Zn電極表
面の酸化物を除去するものである。これにより、積層さ
れる第2層電極3のCu,Ni,Ag,Pd,Alから
選ばれる少なくとも一つの金属を主体とする電極との密
着性を向上させ、Zn電極と例えばCu電極との間に不
安定な金属化合物を発生させることもない。Zn電極表
面活性化処理としては、化学的エッチングを用いること
ができ、酸を利用することによって行われる。具体的に
は、pH3程度の例えばりんご酸を用いて行う。他の方
法としては、表面を物理的に粗す等の物理的エッチング
によっても良い。
【0056】次に、第1層電極2であるZn電極の上
に、第2層電極3として、例えばCu電極を形成する。
第2層電極3であるCu電極の形成は、メッキ法によっ
て行う。このメッキは電解メッキ、或いは、無電解メッ
キのいずれの方法であってもよいが、無電解メッキがセ
ラミック素子特性を劣化させないと言う理由で好まし
い。
【0057】そして、第2層電極3であるCu電極の上
にリード線4,5を半田付けし、リード線4,5の一部
を除いて、絶縁性樹脂等でコーティングし、外装材6を
形成する。
【0058】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2におけるモールド型磁器コンデンサを示す断面図で
あり、図2において、7,8はリード端子であり、20
0はモールド型磁器コンデンサを示している。なお、実
施の形態1で説明したものと同様の部分には、同じ符号
を付している。
【0059】図2に示すように、モールド型磁器コンデ
ンサ200は、円板状の誘電体磁器基板1の両主表面
に、それぞれ第1層電極2、第2層電極3が形成され、
更に、第2層電極3に、それぞれ一対のリード端子7,
8が半田接合された構成である。
【0060】そして、外装材6によって、誘電体磁器基
板1、第1層及び第2層の電極2,3、リード端子7,
8の一部が埋設される。
【0061】また、リード端子7,8の外装材6から突
出した部分は、外部端子形成部を構成するものであり、
このリード端子7,8の外部端子形成部を介して回路基
板に表面実装できるようになっている。
【0062】誘電体磁器基板1としては、実施の形態1
で説明したように、SrTiO3−PbTiO3−Bi
2/3TiO3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi
2/3TiO3−CaTiO3系の誘電体組成物を主成分と
する誘電体磁器が用いられ、同様に、第1層電極2とし
てZnが用いられ、第2層電極3としてCu,Ni,A
g,Pd,Alから選ばれる少なくとも一つの金属が用
いられる。
【0063】また、外装材6としても、実施の形態1で
説明したものと同様であり、絶縁性を有する材料を用い
られ、ガラス、絶縁性樹脂等を用いることができ、絶縁
性樹脂が加工適正、低価格であり好ましく、熱硬化性樹
脂が加工適正に優れより好ましく、更に、オプトクレゾ
ールノボラック系,ビフェニール系,ペンタジエン系等
のエポキシ樹脂等に代表される熱硬化型のエポキシ樹脂
が強度、耐湿性に優れているので特に好ましい。
【0064】リード端子7,8としては、導電材料を用
いることができるが、Fe,Cu,Niの少なくとも一
つから選ばれるものが好適に選択される金属材料が好適
に用いられ、電気的特性や加工性の面で有利である。
【0065】次に、本発明の実施の形態2におけるモー
ルド型磁器コンデンサの製造方法は、実施の形態1で説
明したものと同様であるが、リード線4,5ではなく、
第2層電極3の上にリード端子7,8が半田付けされ、
リード端子7,8の一部を除いて、誘電体磁器基板1、
第1層電極2、第2層電極3を絶縁性樹脂等でコーティ
ングし、外装材6を形成し、モールド型磁器コンデンサ
200を得ることができる。
【0066】(実施の形態3)図3は、本発明の実施の
形態3におけるチップ型磁器コンデンサを示す透視斜視
図であり、図4は本発明の実施の形態3におけるチップ
型磁器コンデンサを示す断面図である。なお、図4は図
3のA−A線断面図である。
【0067】図3,図4において、1aは誘電体磁器で
構成された基体、2aは導電膜、6は外装材、9は端子
電極である。更に、10は間隙、11は軸芯部、12は
端子部、13は傾斜部であり、300はチップ型磁器コ
ンデンサを示している。なお、図4において、h1は端
子部12の高さ、h2は軸芯部11の高さであり、θは
軸芯部11と傾斜部13とがなす角度である。また、実
施の形態1,2で説明したものと同様の部分には、同じ
符号を付している。
【0068】図3,図4に示すように、チップ型磁器コ
ンデンサ300は、端子部12間に外装材6が充填さ
れ、外形が略直方体である。
【0069】更に、基体1aは、その両端に端子部1
2、中央に軸芯部11を備えた構成であり、軸芯部11
は端子部12よりも外周に亘って凹んでいる。そして、
この凹んだ部分に外装材6が充填される。
【0070】そして、基体1aは、その機械的強度、諸
特性を維持するために、端子部12の高さh1と、軸芯
部11の高さh2との寸法比は、h2/h1=0.5〜
0.85であること、即ち、端子部9の高さh1と、軸
芯部8の高さh2の比が、h1:h2=1:0.5〜
0.85の範囲にあることが好ましい。この値が0.5
未満であると、機械的強度が不足して、コンデンサ製品
として品質を維持することができない。また、この値が
0.85を超えると、充填される外装材6の厚みが不足
し、耐湿性の低下など、信頼性が悪くなる。
【0071】更に、基体1aにおいて、軸芯部11と、
両端の端子部12との間には、それぞれ傾斜部13が形
成されることが好ましい。この傾斜部13を備えること
によって、外装材6が確実かつ安定して充填でき、チッ
プ型磁器コンデンサ300は、外装材6と基体1aの間
には、気泡の抱き込みがほとんどない。また、この軸芯
部11と傾斜部13とがなす角度θは、90度〜150
度であることが好ましい。90度以下であると、気泡が
発生し、安定した外装材6の充填が困難である。また、
150度を超えると充填される外装材6が薄くなってし
まい、耐湿性の低下など、信頼性が悪くなる。
【0072】以上のような構成を有する基体1aの表面
には、導電膜2aが形成され、更に、軸芯部11におい
て導電膜2aは間隙10によって分離されている。そし
て、間隙10、軸芯部11及び傾斜部13に形成された
導電膜2aを覆うように外装材6が形成されている。
【0073】また、外装材6で被覆されていない端子部
12の導電膜2aの上には、導電膜2aを覆うように端
子電極9が形成されている。なお、端子電極9を設けず
に、端子部12で露出している導電膜2aをそのまま電
極として用いても良い。
【0074】また、外装材6と端子部12は略面一であ
り、外形が略直方体となり、チップコンデンサとしての
実装性に優れるものである。また、チップ型磁器コンデ
ンサ300の外形は略直方体であることが実装性に優れ
るので好ましいが、チップコンデンサとしての実装性を
阻害しない範囲で、円柱状、多角形状であってもよい。
【0075】更に、チップ型磁器コンデンサ300の各
構成について詳しく説明する。
【0076】まず、基体1aは、実施の形態1,2で説
明したように、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3
iO3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3
iO 3−CaTiO3系の誘電体組成物を主成分とする誘
電体磁器が用いられる。そして、導電膜2aはZnを主
体とするものである。
【0077】また、外装材6としても、実施の形態1、
2で説明したものと同様である。
【0078】また、端子電極9は、実装時の半田付け性
を向上させ、導電膜2aを保護することができる。この
端子電極9としては、Ni,Sn,半田の中から選ばれ
る少なくとも1種以上の材料を用いることができる。こ
の中でも、Ni層上にSnまたは半田を形成した電極
は、半田付性および耐熱性が向上すると言う理由で特に
好ましい。
【0079】また、導電膜2aと端子電極9との間に、
実施の形態1、2における第2層の電極として説明した
Cu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも
一つの金属を用いてもよい。
【0080】次に、本発明の実施の形態3におけるチッ
プ型磁器コンデンサの製造方法について説明する。
【0081】まず、実施の形態1,2と同様に、SrT
iO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、SrT
iO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3
末を主成分とし、添加剤兼焼結助剤成分であるNd
23、CeO2、Nb25、MgO、SnO2、Cu
2O、ZrO2、MnO2、SiO2の中から選ばれた少な
くとも1つ以上を配合して、これら誘電体材料を金型に
装填し加圧成形した後焼成する。
【0082】そして、焼成された略直方体のベース基体
1aの中央を外周に亘って削ることによって、両端の端
子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11を形
成する。なお、両端の端子部12よりも外周に亘って凹
んでいる軸芯部11を備えるように予め金型を形成し、
この金型で誘電体材料を加圧成形し、これを焼成して基
体1aを形成してもよい。このように形成することで、
基体1aを削る工程を無くすことができる。
【0083】次に、この基体1aに感光性樹脂を塗布
し、露光及び現像を行って、所定幅の間隙10に相当す
る導電膜2aを形成しない部分を基体1aの外周に亘っ
てマスクする。
【0084】そして、このマスク部分以外の基体1a表
面にZnを主体とする導電膜2aを形成する。導電膜2
aの形成方法としては、導電ペーストに浸積して塗布す
るいわゆるディップ塗装や、印刷法、電着法、鍍金法、
蒸着法等の成膜方法を用いることができる。
【0085】次に、所定幅の間隙10に相当する導電膜
2aを形成しない部分にマスクされた感光性樹脂を除去
し、所望の形状にパターニングされ、間隙10によって
分離された導電膜2aを得ることができる。
【0086】基体1aに間隙10によって分離された導
電膜2aを形成する方法としては、所定幅の間隙10に
相当する導電膜2aを形成しない部分を除いて、導電膜
2aを基体1aに直接塗布形成することもできる。
【0087】更に、種々の成膜方法によって、一旦導電
膜2aを基体1aの表面全面に形成した後、所定幅の間
隙10に相当する導電膜2aを形成しない部分のみを研
磨、レーザートリミング、物理的或いは化学的エッチン
グ等の方法によって除去してもよい。この中でも、レー
ザートリミングは高精度であり好ましい。
【0088】更に、レーザートリミングにより導電膜2
aの不要な部分を除去する場合において、まず、レーザ
ートリミングで不要部分の導電膜2aの所定厚み分を除
去する。次に、不要部分及びその他の部分を含め全体を
一律にエッチングする。このエッチングは不要部分の導
電膜2aの膜厚が完全に除去されるまで行う。これによ
って、不要部分以外の導電膜2aは残留し、所望の形状
にパターニングされた導電膜2aを得ることができる。
この方法によれば、レーザートリミングによって、基体
1aの表面に形成された導電膜2aを除去する際に、レ
ーザーの熱が基体1aに達することがないので、基体1
aの材料を熱変性させ、特性を劣化させることがなく、
レーザーの熱による基体1aの特性劣化を防ぐことがで
きる。
【0089】次に、軸芯部11に形成された導電膜2a
を覆うように、上述した絶縁性を有する材料を用いて外
装材6を充填する。
【0090】次に、端子部12の導電膜2aに対して、
導電膜2aを覆うように端子電極9を形成する。
【0091】そして、本発明の実施の形態3におけるチ
ップ型磁器コンデンサ300は、外形が略直方体とな
り、チップコンデンサとしての実装性に優れる。
【0092】なお、本発明の実施の形態3において、実
装性や外装材6の充填性を必要としない場合には、両端
の端子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11
を形成せずに、単に略直方体、或いは角柱状、円柱状の
基体1aの表面に導電膜2aを形成し、導電膜2aを分
離する間隙10を備えた単純な構成としてもよい。
【0093】(実施の形態4)図5は本発明の実施の形
態4におけるチップ型磁器コンデンサを示す透視斜視図
であり、図6は本発明の実施の形態4におけるチップ型
磁器コンデンサを示す断面図である。なお、図6は図5
のA−A線断面図である。
【0094】図5,図6において、1aは誘電体磁器で
構成された基体、2aは導電膜、6は外装材、9は端子
電極である。更に、10a,10bは間隙、11は軸芯
部、12は端子部、13は傾斜部であり、400はチッ
プ型磁器コンデンサを示している。
【0095】なお、図6において、h1は端子部12の
高さ、h2は軸芯部11の高さであり、θは軸芯部11
と傾斜部13とがなす角度である。また、実施の形態3
で説明したものと同様の部分には、同じ符号を付してい
る。
【0096】図5,図6に示すように、チップ型磁器コ
ンデンサ400は、端子部12間に外装材6が充填さ
れ、外形が略直方体である。
【0097】更に、基体1aは、その両端に端子部1
2、中央に軸芯部11を備えた構成であり、軸芯部11
は端子部12よりも外周に亘って凹んでいる。そして、
この凹んだ部分に外装材6が充填される。
【0098】そして、基体1aは、その機械的強度、諸
特性を維持するために、端子部12の高さh1と、軸芯
部11の高さh2との寸法比は、h2/h1=0.5〜
0.85であること、即ち、端子部9の高さh1と、軸
芯部8の高さh2の比が、h1:h2=1:0.5〜
0.85の範囲にあることが好ましい。この値が0.5
未満であると、機械的強度が不足して、コンデンサ製品
として品質を維持することができない。また、この値が
0.85を超えると、充填される外装材6の厚みが不足
し、耐湿性の低下など、信頼性が悪くなる。
【0099】更に、基体1aにおいて、軸芯部11と、
両端の端子部12との間には、それぞれ傾斜部13が形
成されることが好ましい。この傾斜部13を備えること
によって、外装材6が確実かつ安定して充填でき、チッ
プ型磁器コンデンサ400は、外装材6と基体1aの間
には、気泡の抱き込みがほとんどない。また、この軸芯
部11と傾斜部13とがなす角度θは、90度〜150
度であることが好ましい。90度以下であると、気泡が
発生し、安定した外装材6の充填が困難である。また、
150度を超えると充填される外装材6が薄くなってし
まい、耐湿性の低下など、信頼性が悪くなる。
【0100】以上のような構成を有する基体1aの表面
には、導電膜2aが形成され、更に、軸芯部11におい
て導電膜2aは間隙10a,10bによって分離されて
いる。
【0101】そして、図5,図6に示すように、軸芯部
11の対向する一対の側面及び端子部12には導電膜2
aが形成され、この導電膜2aは、対向する一対の側面
で互いに異なる端子部12と間隙10a,10bを介
し、対向する一対の側面で互いに異なる端子部12に引
き出されている。
【0102】即ち、チップ型磁器コンデンサ400に
は、基体1aの軸芯部11の表裏で、互いに異なる方向
に引き出された導電膜2aが形成され、基体1aの表裏
でそれぞれ間隙10a,10bによって分離されてい
る。そして、互いに異なる方向に引き出された導電膜2
aのそれぞれが端子部12を覆う構成であり、互いに対
向する端子部12間において、基体1aの表裏に形成さ
れ、導電膜2aを分離する間隙10aと間隙10bとは
点対称の関係にある。なお、端子部12における導電膜
2aは、側面にのみ設け端面には設けなくてもよい。
【0103】そして、本発明の実施の形態4におけるチ
ップ型磁器コンデンサ400は、対向する端子部12間
において、導電膜2aを分離する間隙10aと間隙10
bによって静電容量を得ることができる。更に、軸芯部
11を介して互いに対向する導電膜2aが形成され、基
体1aの軸芯部11の厚み(高さh2)によって、静電
容量を得ることができる。また、基体1aの軸芯部11
の厚みを変更することによって、所望の静電容量を得る
ことができる。
【0104】また、外装材6と端子部12は略面一であ
り、外形が略直方体となり、チップコンデンサとしての
実装性に優れるものである。また、チップ型磁器コンデ
ンサ400の外形は略直方体であることが実装性に優れ
るので好ましいが、チップコンデンサとしての実装性を
阻害しない範囲で、円柱状、多角形状であってもよい。
【0105】更に、チップ型磁器コンデンサ400の各
構成について詳しく説明する。
【0106】まず、基体1aは、実施の形態1〜3で説
明したように、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3
iO3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3
iO 3−CaTiO3系の誘電体組成物を主成分とする誘
電体磁器が用いられる。そして、導電膜2aはZnを主
体とするものである。
【0107】また、外装材6としても、実施の形態1〜
3で説明したものと同様である。
【0108】また、実施の形態3と同様に、端子電極9
は、実装時の半田付け性を向上させ、導電膜2aを保護
することができる。この端子電極9としては、Ni,S
n,半田の中から選ばれる少なくとも1種以上の材料を
用いることができる。この中でも、Ni層上にSnまた
は半田を形成した電極は、半田付性および耐熱性が向上
すると言う理由で特に好ましい。また、導電膜2aと端
子電極9との間に、実施の形態1、2における第2層の
電極として説明したCu,Ni,Ag,Pd,Alから
選ばれる少なくとも一つの金属を用いてもよい。
【0109】次に、本発明の実施の形態4におけるチッ
プ型磁器コンデンサの製造方法について説明する。
【0110】まず、実施の形態1〜3と同様に、SrT
iO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3、または、SrT
iO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3
末を主成分とし、添加剤兼焼結助剤成分であるNd
23、CeO2、Nb25、MgO、SnO2、Cu
2O、ZrO2、MnO2、SiO2の中から選ばれた少な
くとも1つ以上を配合して、これら誘電体材料を金型に
装填し加圧成形した後焼成する。
【0111】そして、焼成された略直方体のベース基体
1aの中央を外周に亘って削ることによって、両端の端
子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11を形
成する。なお、両端の端子部12よりも外周に亘って凹
んでいる軸芯部11を備えるように予め金型を形成し、
この金型で誘電体材料を加圧成形し、これを焼成して基
体1aを形成してもよい。このように形成することで、
基体1aを削る工程を無くすことができる。
【0112】次に、この基体1aに感光性樹脂を塗布
し、露光及び現像を行って、所定幅の間隙10a,10
bに相当する導電膜2aを形成しない部分を基体1aの
表裏でそれぞれマスクする。
【0113】そして、このマスク部分以外の基体1a表
面にZnを主体とする導電膜2aを形成する。導電膜2
aの形成方法としては、導電ペーストに浸積して塗布す
るいわゆるディップ塗装や、印刷法、電着法、鍍金法、
蒸着法等の成膜方法を用いることができる。
【0114】次に、所定幅の間隙10a,10bに相当
する導電膜2aを形成しない部分にマスクされた感光性
樹脂を除去し、所望の形状にパターニングされ、間隙1
0a,10bによって分離された導電膜2aを得ること
ができる。
【0115】基体1aに間隙10a,10bによって分
離された導電膜2aを形成する方法としては、所定幅の
間隙10a,10bに相当する導電膜2aを形成しない
部分を除いて、導電膜2aを基体1aに直接塗布形成す
ることもできる。
【0116】更に、種々の成膜方法によって、一旦導電
膜2aを基体1aの表面全面に形成した後、所定幅の間
隙10a,10bに相当する導電膜2aを形成しない部
分のみを研磨、レーザートリミング、物理的或いは化学
的エッチング等の方法によって除去してもよい。この中
でも、レーザートリミングは高精度であり好ましい。
【0117】更に、レーザートリミングにより導電膜2
aの不要な部分を除去する場合において、まず、レーザ
ートリミングで不要部分の導電膜2aの所定厚み分を除
去する。次に、不要部分及びその他の部分を含め全体を
一律にエッチングする。このエッチングは不要部分の導
電膜2aの膜厚が完全に除去されるまで行う。これによ
って、不要部分以外の導電膜2aは残留し、所望の形状
にパターニングされた導電膜2aを得ることができる。
この方法によれば、レーザートリミングによって、基体
1aの表面に形成された導電膜2aを除去する際に、レ
ーザーの熱が基体1aに達することがないので、基体1
aの材料を熱変性させ、特性を劣化させることがなく、
レーザーの熱による基体1aの特性劣化を防ぐことがで
きる。
【0118】次に、軸芯部11に形成された導電膜2a
を覆うように、上述した絶縁性を有する材料を用いて外
装材6を充填する。
【0119】次に、端子部12の導電膜2aに対して、
導電膜2aを覆うように端子電極9を形成する。
【0120】そして、本発明の実施の形態4におけるチ
ップ型磁器コンデンサ400は、外形が略直方体とな
り、チップコンデンサとしての実装性に優れる。
【0121】なお、本発明の実施の形態4において、実
装性や外装材6の充填性を必要としない場合には、両端
の端子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11
を形成せずに、単に、基体1aを略直方体とし、略直方
体の基体1aの対向する一対の側面で互いに異なる端面
と間隙10a,10bを介して、一対の側面で互いに異
なる端面に引き出された導電膜2aを備えた単純な構成
としてもよい。
【0122】(実施の形態5)図7は、本発明の実施の
形態5におけるチップ型磁器コンデンサを示す斜視図で
あり、図8は本発明の実施の形態5におけるチップ型磁
器コンデンサを示す断面図である。なお、図8(a)は
図7のA−A線断面図、図8(b)は図7のB−B線断
面図、図8(c)は図7のC−C線断面図である。
【0123】図7,図8において、11aは中央対向部
である。また、500はチップ型磁器コンデンサを示し
ている。また、Lは凹部に挟まれた中央対向部11aの
基体1aの厚みである。なお、本実施の形態5において
は、実施の形態4で説明した部分と同じものには同じ符
号を付している。
【0124】そして、本実施の形態5においては、チッ
プ型磁器コンデンサ500を構成する各部は、実施の形
態4で説明したものと同様であり、詳しい説明は一部省
略する。
【0125】図7に示すように、チップ型磁器コンデン
サ500は、基体1aの両端部に端子部12を備え、端
子部12間の凹部に外装材6が充填され、外形が略直方
体である。
【0126】更に、図8(a)に示すように、チップ型
磁器コンデンサ500は、略直方体である基体1aの対
向する一対の面に凹部がそれぞれ形成されている。この
対向する凹部の深さは任意であり、対向する凹部の深さ
によって、基体1aの中央対向部11aの厚みLが決定
される。対向する凹部は、中央対向部11aを挟み対称
形状であり、体積も同一である事が好ましいが、互いに
異なっていてもよい。
【0127】また、図8(a)、(b)、(c)に示す
ように、基体1aの表面には、対向する凹部で、即ち、
基体1aの中央対向部11aの表裏で、互いに異なる端
面に引き出された導電膜2aが形成されている。更に、
導電膜2aは、基体1aの中央対向部11aの表裏でそ
れぞれ間隙10a,10bによって分離されている。
【0128】そして、互いに異なる端面に引き出された
導電膜2aのそれぞれが基体1aの端子部12を覆う構
成であり、互いに対向する端子部12間において、基体
1aの中央対向部11aの表裏に形成され、導電膜2a
を分離する間隙10aと間隙10bとは点対称の関係に
ある。
【0129】更に、対向する凹部には、それぞれ外装材
6が充填され、基体1aの中央対向部11aの表裏の導
電膜2a及び間隙10a,10bを覆う構成となってい
る。
【0130】また、端子部12の導電膜2aに対して、
導電膜2aを覆うように端子電極9が形成されている。
なお、端子電極9を設けずに、端子部12で露出してい
る導電膜2aをそのまま電極として用いても良い。
【0131】また、外装材6を端子部12と略面一に充
填することで、外形が略直方体となり、チップコンデン
サとしての実装性に優れるものである。
【0132】そして、本発明の実施の形態5におけるチ
ップ型磁器コンデンサ500は、対向する端子部12間
において、導電膜2aを分離する間隙10aと間隙10
bによって静電容量を得ることができると共に、更に、
中央対向部11aを介して互いに対向する導電膜2aが
形成され、基体1aの中央対向部11aの厚みLによっ
て、静電容量を得ることができる。また、基体1aの中
央対向部11aの厚みLを変更することによって、所望
の静電容量を得ることができる。
【0133】特に、大きな静電容量を得るために、基体
1aの中央対向部11aの厚みLを小さくしても、中央
対向部11aを取り囲む基体1aの存在によって、チッ
プ型磁器コンデンサ50の機械的強度を維持することが
可能である。
【0134】基体1aは、実施の形態1〜4で説明した
ように、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3
または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3
CaTiO3系の誘電体組成物を主成分とする誘電体磁
器が用いられる。そして、導電膜2aはZnを主体とす
るものである。
【0135】また、外装材6としても、実施の形態1〜
4で説明したものと同様である。
【0136】また、端子電極9も、実施の形態3,4で
説明したものと同様である。
【0137】次に、チップ型磁器コンデンサ500の製
造方法について説明する。
【0138】この基体1aの形成方法としては、まず、
金型に上記した誘電体材料を装填し加圧成形後これを焼
成する。そして、焼成されたこの略直方体のベース基体
1aの対向する一対の面の中央を削ることによって、凹
部を形成する。また、基体1aの対向する一対の面の中
央にそれぞれ凹部を備えるように予め金型を形成し、こ
の金型で誘電体材料を加圧成形し、これを焼成してもよ
い。このように形成することで、基体1aを削る工程を
無くすことができる。
【0139】次に、基体1aの表裏に導電膜2aが形成
される。一方の凹部において導電膜2aは間隙10aを
備えるように形成され、他方の凹部において導電膜2a
は間隙10bを備えるように形成される。
【0140】導電膜2aの形成方法としては、実施の形
態4で説明した方法と同様である。
【0141】そして、凹部に上記した絶縁性を有する材
料を用いて外装材6を充填する。なお、外装材6は端子
部12と略面一に形成することが好ましい。
【0142】更に、端子部12の導電膜2aに対して、
導電膜2aを覆うように端子電極9を形成する。
【0143】そして、本発明の実施の形態5におけるチ
ップ型磁器コンデンサ500は、外形が略直方体とな
り、チップコンデンサとしての実装性に優れる。
【0144】以上実施の形態1〜5で説明したように、
本発明の磁器コンデンサは、様々な形態を取ることが可
能である。そして、いずれの形態であっても、本発明の
磁器コンデンサは、SrTiO3−PbTiO3−Bi
2/3TiO3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi
2/3TiO3−CaTiO3を主成分とする誘電体磁器
と、誘電体磁器の対向表面に形成されたZnを主体とす
る電極とを備えることにより、高周波数、高電圧の使用
条件下においても自己発熱温度を抑制することができる
ものである。
【0145】
【実施例】実施例により本発明を詳細に説明する。な
お、本発明は以下の実施例等により何ら限定されるもの
ではない。
【0146】(実施例1)まず、主成分であるSrTi
3−PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO 3粉末
(モル比で、SrTiO3 0.476、PbTiO3
0.240、Bi2 /3TiO3 0.200、CaTiO
3 0.084)と、この粉末100部(重量部を示す
以下同じ)に対して、添加剤兼焼結助剤成分としてNd
23を1.0部、ZrO2を0.5部、SnO2を0.4
部、Cu2Oを0.2部、それぞれ電子天秤で秤量し、
5mmφのZrO2質ボールが入ったモノマロン製ポッ
トミル中に投入した。
【0147】次に、100rpmの回転速度で200時
間混合した後、混合物を150メッシュのシルクスクリ
ーンで濾過して、テフロン(登録商標)シートを敷いた
ステンレスバット中に投入し、1200℃の温度で乾燥
した。乾燥した塊状物はアルミナ乳鉢中で解砕した後、
造粒した。
【0148】この造粒物を円板型の形状に加圧成形した
後、約1330℃で焼成し、誘電体磁器基板を得た。誘
電体磁器基板の形状は、直径約10.0mm、厚さ約
1.0mmである。
【0149】次に、得られた誘電体磁器基板の両主表面
に、印刷法によって第1層電極としてのZn電極を直径
8.0mmで形成し、6400℃で焼き付けを行った。
【0150】更に、このZn電極表面に約pH3のりん
ご酸を用いて化学的エッチングを行い、Zn電極表面の
酸化物を除去した。
【0151】次に、Zn電極の上に、第2層電極として
Cu電極を無電解メッキ法によって形成した。
【0152】そして、誘電体磁器の両主表面のCu電極
上に、それぞれリード線を半田付けした。
【0153】更に、リード線の一部を除いて、エポキシ
樹脂をコーティングし、Zn及びCu電極が積層された
誘電体磁器を被覆して外装材を形成し、図1に示した磁
器コンデンサを得た。
【0154】次に、得られた実施例1の磁器コンデンサ
の静電容量(Cap)、誘電体損失(tanδ)、直流
抵抗(IR)、誘電体形状(φ/t)、誘電率(ε)、
温度特性(TC)、自己発熱特性(δt)を測定した。
【0155】静電容量(Cap)と誘電体損失(tan
δ)はYHP製Cメータ4278Aを使用して1V/1
MHzの信号電圧下で測定した。直流抵抗(IR)はY
HP製絶縁抵抗計4329Aを使用して500VDCを
1分間印加して測定した。誘電体形状(φ/t)はマイ
クロメーターで測定し、誘電率(ε)は以下の計算で求
めた。温度特性(TC)は温度毎の静電容量をYHP製
Cメータ4278Aで測定した。
【0156】C=ε・D2/144t C:静電容量 ε:誘電率 D:誘電体電極径 t:誘電体厚み 自己発熱特性(δt)は、実施例1の磁器コンデンサ
に、AC3.0kVp−p、周波数100kHzを印加
し、φ0.1mmの熱電対(クロメルアルメル)を実施
例1の磁器コンデンサのエポキシ樹脂からなる外装材に
密着させ、温度上昇が安定した時の外装材の表面温度を
測定し、この外装材の表面温度と、そのときの雰囲気温
度との差を自己発熱特性(δt)とした。
【0157】この測定結果を(表1)に示した。
【0158】
【表1】
【0159】(実施例2)主成分であるSrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3粉末(モル比で、SrT
iO3 0.544、PbTiO3 0.186、Bi
2/3TiO3 0.270)と、この粉末100部に対し
て、添加剤兼焼結助剤成分としてMnO2を0.6部、
CeO2を0.2部とした以外は、実施例1と同様にし
て、実施例2の磁器コンデンサを得た。
【0160】(実施例3)主成分であるSrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3粉末(モル比で、SrT
iO3 0.575、PbTiO3 0.086、Bi
2/3TiO3 0.339)と、この粉末100部に対し
て、添加剤兼焼結助剤成分としてMgOを1.5部とし
た以外は、実施例1と同様にして、実施例3の磁器コン
デンサを得た。
【0161】(実施例4)主成分であるSrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3粉末(モル
比で、SrTiO3 0.312、PbTiO3 0.0
87、Bi2/3TiO3 0.362、CaTiO3
0.239)と、この粉末100部に対して、添加剤兼
焼結助剤成分としてMnO2を0.3部、Nd23
0.3部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例
4の磁器コンデンサを得た。
【0162】(実施例5)主成分であるSrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3粉末(モル
比で、SrTiO3 0.560、PbTiO3 0.1
50、Bi2/3TiO3 0.206、CaTiO3
0.084)と、この粉末100部に対して、添加剤兼
焼結助剤成分としてSiO2を0.2部、Nb25
0.2部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例
5の磁器コンデンサを得た。
【0163】実施例2〜5の磁器コンデンサについて
も、実施例1と同様の測定を行った。この測定結果も
(表1)に示している。
【0164】また、実施例3及び実施例5については、
自己発熱特性(δt)は、印可する電圧をAC0kVp
−p〜3.0kVp−pの範囲で行い測定した。実施例
3の結果を図9に、実施例5の結果を図10に示す。な
お、図9及び図10は自己発熱温度特性と印加電圧の関
係を示すグラフである。
【0165】(比較例1)実施例1と同様に、主成分で
あるSrTiO3−PbTiO3−Bi2/3TiO3−Ca
TiO3粉末(モル比で、SrTiO3 0.476、P
bTiO3 0.240、Bi2/3TiO3 0.20
0、CaTiO3 0.084)と、この粉末100部
に対して、添加剤兼焼結助剤成分としてNd23を1.
0部、ZrO 2を0.5部、SnO2を0.4部、Cu2
Oを0.2部、電子天秤で秤量し、5mmφのZrO2
質ボールが入ったモノマロン製ポットミル中に投入し、
100rpmの回転速度で200時間混合した後、混合
物を150メッシュのシルクスクリーンで濾過して、テ
フロンシートを敷いたステンレスバット中に投入し、1
200℃の温度で乾燥した。乾燥した塊状物はアルミナ
乳鉢中で解砕した後造粒した。
【0166】この造粒物を円板型の形状に加圧成形した
後、約1330℃で焼成し、誘電体磁器基板を得た。誘
電体磁器基板の形状は、直径約10.0mm、厚さ約
1.0mmである。
【0167】次に、得られた誘電体磁器基板の両主表面
に、印刷法によってAg(銀)電極を直径8.0mmで
形成し、800℃で焼き付けを行った。
【0168】そして、誘電体磁器の両主表面のAg電極
上に、それぞれリード線を半田付けした。更に、リード
線の一部を除いて、エポキシ樹脂をコーティングし、A
g電極が形成された誘電体磁器を被覆して外装材を形成
し、図1に示した磁器コンデンサを得た。
【0169】次に、実施例1と同様に、得られた比較例
1の磁器コンデンサの静電容量(Cap)、誘電体損失
(tanδ)、直流抵抗(IR)、誘電体形状(φ/
t)、誘電率(ε)、温度特性(TC)、自己発熱特性
(δt)を測定した。
【0170】この測定結果を(表2)に示している。
【0171】
【表2】
【0172】(比較例2)主成分であるSrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3粉末(モル比で、SrT
iO3 0.544、PbTiO3 0.186、Bi
2/3TiO3 0.270)と、この粉末100部に対し
て、添加剤兼焼結助剤成分としてMnO2を0.3部、
CeO2を0.2部とした以外は、比較例1と同様にし
て、比較例2の磁器コンデンサを得た。
【0173】(比較例3)主成分であるSrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3粉末(モル比で、SrT
iO3 0.575、PbTiO3 0.086、Bi
2/3TiO3 0.339)と、この粉末100部に対し
て、添加剤兼焼結助剤成分としてMgOを0.3部とし
た以外は、比較例1と同様にして、比較例3の磁器コン
デンサを得た。
【0174】(比較例4)主成分であるSrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3粉末(モル
比で、SrTiO3 0.312、PbTiO3 0.0
87、Bi2/3TiO3 0.362、CaTiO3
0.239)と、この粉末100部に対して、添加剤兼
焼結助剤成分としてMnO2を0.3部、Nd23
0.3部とした以外は、比較例1と同様にして、比較例
4の磁器コンデンサを得た。
【0175】(比較例5)主成分であるSrTiO3
PbTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3粉末(モル
比で、SrTiO3 0.560、PbTiO3 0.1
50、Bi2/3TiO3 0.206、CaTiO3
0.084)と、この粉末100部に対して、添加剤兼
焼結助剤成分としてSiO2を0.2部、Nb25
0.2部とした以外は、比較例1と同様にして、比較例
5の磁器コンデンサを得た。
【0176】比較例2〜5の磁器コンデンサについて
も、比較例1と同様の測定を行った。この測定結果も
(表2)に示している。
【0177】また、比較例3及び比較例5については、
自己発熱特性(δt)は、印可する電圧をAC0kVp
−p〜3.0kVp−pの範囲で行い測定した。比較例
3の結果を図9に、比較例5の結果を図10に示してい
る。
【0178】(表1)、(表2)、図9,10の結果か
ら明らかなように、本実施例の組成の誘電体磁器と、こ
れに用いる電極として、第1層電極のZn(亜鉛)電極
及び第2層電極のCu(銅)電極を用いた磁器コンデン
サは、Ag(銀)電極を用いたものに比べて、明らかに
自己発熱温度特性が優れていた。
【0179】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、高電圧の使
用条件下においても自己発熱温度を抑制し、低損失であ
る磁器コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における磁器コン
デンサを示す透視側面図 (b)本発明の実施の形態1における磁器コンデンサを
示す透視正面図
【図2】本発明の実施の形態2におけるモールド型磁器
コンデンサを示す断面図
【図3】本発明の実施の形態3におけるチップ型磁器コ
ンデンサを示す透視斜視図
【図4】本発明の実施の形態3におけるチップ型磁器コ
ンデンサを示す断面図
【図5】本発明の実施の形態4におけるチップ型磁器コ
ンデンサを示す透視斜視図
【図6】本発明の実施の形態4におけるチップ型磁器コ
ンデンサを示す断面図
【図7】本発明の実施の形態5におけるチップ型磁器コ
ンデンサを示す斜視図
【図8】本発明の実施の形態5におけるチップ型磁器コ
ンデンサを示す断面図
【図9】自己発熱温度特性と印加電圧の関係を示すグラ
【図10】自己発熱温度特性と印加電圧の関係を示すグ
ラフ
【符号の説明】
1 誘電体磁器基板 1a 基体 2 第1層電極 2a 導電膜 3 第2層電極 4,5 リード線 6 外装材 7,8 リード端子 9 端子電極 10,10a,10b 間隙 11 軸芯部 11a 中央対向部 12 端子部 13 傾斜部 100 磁器コンデンサ 200 モールド型磁器コンデンサ 300,400,500 チップ型磁器コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西野 徳次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山本 益裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA04 AA05 AA11 AA32 AA35 BA09 5E001 AB01 AE02 AE03 AF03 AH01 AH09 AJ01 AJ02

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3Ti
    3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3Ti
    3−CaTiO3を主成分とする誘電体磁器と、前記誘
    電体磁器の対向表面に形成されたZnを主体とする電極
    とを備えたことを特徴とする磁器コンデンサ。
  2. 【請求項2】SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3Ti
    3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3Ti
    3−CaTiO3を主成分とする誘電体磁器と、前記誘
    電体磁器の対向表面に形成されたZnを主体とする第1
    層の電極と、前記第1層の電極上に形成されたCu,N
    i,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも一つの金
    属を主体とする第2層の電極を備えたことを特徴とする
    磁器コンデンサ。
  3. 【請求項3】SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3Ti
    3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3Ti
    3−CaTiO3を主成分とする誘電体磁器基板と、前
    記誘電体磁器基板の両主表面に形成されたZnを主体と
    する第1層の電極と、前記第1層の電極上に形成された
    Cu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも
    一つの金属を主体とする第2層の電極と、前記第2層の
    電極に接続されたリード線と、前記誘電体磁器基板、前
    記第1層及び第2層の電極、前記リード線の一部を埋設
    する外装材とを備えたことを特徴とする磁器コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3Ti
    3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3Ti
    3−CaTiO3を主成分とする誘電体磁器基板と、前
    記誘電体磁器基板の両主表面に形成されたZnを主体と
    する第1層の電極と、前記第1層の電極上に形成された
    Cu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも
    一つの金属を主体とする第2層の電極と、前記第2層の
    電極に接続され、互いに異なる方向に配設されたリード
    端子と、前記誘電体磁器基板、前記第1層及び第2層の
    電極、前記リード端子の一部を埋設する外装材と、前記
    外装材の側面から外部に突き出された前記リード端子の
    外部端子形成部とを備えたことを特徴とする磁器コンデ
    ンサ。
  5. 【請求項5】両端に端子部と、前記端子部よりも外周に
    亘って凹んだ軸芯部とを備え、SrTiO3−PbTi
    3−Bi2/3TiO3、または、SrTiO3−PbTi
    3−Bi2/3TiO3−CaTiO3を主成分とする誘電
    体磁器で構成された基体と、前記基体の表面に形成され
    たZnを主体とする導電膜と、前記軸芯部で前記導電膜
    を分離する間隙とを備えたことを特徴とする磁器コンデ
    ンサ。
  6. 【請求項6】両端に端子部と、前記端子部よりも外周に
    亘って凹んだ軸芯部とを備え、SrTiO3−PbTi
    3−Bi2/3TiO3、または、SrTiO3−PbTi
    3−Bi2/3TiO3−CaTiO3を主成分とする誘電
    体磁器で構成された基体と、前記軸芯部の対向する一対
    の面に形成され、前記一対の面で互いに異なる前記端子
    部と間隙を介し、前記一対の面で互いに異なる前記端子
    部に引き出されたZnを主体とする導電膜とを備えたこ
    とを特徴とする磁器コンデンサ。
  7. 【請求項7】前記軸芯部と端子部の間に傾斜部を備えた
    ことを特徴とする請求項5,6いずれか1記載の磁器コ
    ンデンサ。
  8. 【請求項8】前記軸芯部と前記傾斜部のなす角度が、9
    0度〜150度であることを特徴とする請求項7記載の
    磁器コンデンサ。
  9. 【請求項9】前記基体の前記端子部の高さと前記軸芯部
    の高さの比が、1:0.5〜0.85であることを特徴
    とする請求項5〜8いずれか1記載の磁器コンデンサ。
  10. 【請求項10】前記両端の端子部間に、前記軸芯部を覆
    う外装材を備えたことを特徴とする請求項5〜9いずれ
    か1記載の磁器コンデンサ。
  11. 【請求項11】前記外装材と前記両端の端子部が、略面
    一であることを特徴とする請求項10記載の磁器コンデ
    ンサ。
  12. 【請求項12】前記端子部の導電膜の上に、端子電極を
    備えたことを特徴とする請求項5〜11いずれか1記載
    の磁器コンデンサ。
  13. 【請求項13】両端に端子部を備え、SrTiO3−P
    bTiO3−Bi2/3TiO3、または、SrTiO3−P
    bTiO3−Bi2/3TiO3−CaTiO3を主成分とす
    る誘電体磁器で構成された略直方体の基体と、前記基体
    の対向する一対の側面にそれぞれ形成された凹部と、前
    記対向する凹部にそれぞれ形成され、前記対向する凹部
    で互いに異なる前記端子部と間隙を介し、前記対向する
    凹部で互いに異なる前記端子部に引き出されたZnを主
    体とする導電膜とを備えたことを特徴とする磁器コンデ
    ンサ。
  14. 【請求項14】前記対向するそれぞれの凹部に、外装材
    を充填したことを特徴とする請求項13記載の磁器コン
    デンサ。
  15. 【請求項15】前記端面の導電膜の上に、端子電極を備
    えたことを特徴とする請求項13,14いずれか1記載
    の磁器コンデンサ。
  16. 【請求項16】SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3
    iO3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3
    iO3−CaTiO3を主成分とする誘電体磁器で構成さ
    れた基体と、前記基体の表面に形成されたZnを主体と
    する導電膜と、前記導電膜を分離する間隙とを備えたこ
    とを特徴とする磁器コンデンサ。
  17. 【請求項17】SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3
    iO3、または、SrTiO3−PbTiO3−Bi2/3
    iO3−CaTiO3を主成分とする誘電体磁器で構成さ
    れた略直方体の基体と、前記基体の対向する一対の側面
    に形成され、前記一対の側面で互いに異なる端面と間隙
    を介し、前記一対の側面で互いに異なる端面に引き出さ
    れたZnを主体とする導電膜とを備えたことを特徴とす
    る磁器コンデンサ。
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