JP4407112B2 - 磁器コンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶バックライトインバーターのバラスト回路、スイッチング電源の1次、2次スナバー回路、テレビ・CRTディスプレイなどの水平共振回路、インバーター蛍光灯、電子機器の高圧・パルス回路、通信用モデムの対サージ回路等として広く使用される磁器コンデンサに関し、特に、高周波数、高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制し、低損失である磁器コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CRTディスプレイの大型化、高画質化、液晶ディスプレイの大型化、高画質化、更には、スイッチング電源回路の小型軽量化の傾向が強まっており、これに伴って、使用される重要な受動部品の1つである磁器コンデンサの使用条件も高周波数化、高電圧化の傾向にある。
【0003】
更に、これら高周波数化、高電圧化と言う従来に比して厳しい使用条件に加え、スイッチング電源回路やDC−DCコンバータ回路の小型化軽量化が進み、磁器コンデンサの小型化が要求されている。
【0004】
また、これら磁器コンデンサの一例として、円板型の誘電体磁器の両主表面に電極を形成し、この電極にそれぞれリード線を接合し、これらを外装材で埋設した形態の磁器コンデンサがあげられるが、磁器コンデンサの電極としては、従来からAg(銀)が使用されてきた。しかし、Ag(銀)電極は自己発熱温度が高い上、エレクトロマイグレーションを発生すると言う問題がある。
【0005】
近年、磁器コンデンサの電極に、Ag(銀)に換わって、安価なCu(銅)やNi(ニッケル)等の卑金属電極が使用されるようになった。
【0006】
銅等の卑金属電極の形成には、酸化防止のため中性又は還元雰囲気中で焼付を要する。そこで、誘電体磁器自体が還元雰囲気によって還元されないようにするため、焼き付け方法を改良したり、誘電体磁器組成物に特別な複合添加物を添加する等の改良がなされている。
【0007】
例えば、(特許文献1)に開示されているように、SrTiO3を30.0〜70.0重量%、PbTiO3を0.0〜40.0重量%、Bi2O3を8.0〜40.0重量%、TiO2を3.0〜20.0重量%、MgOを1.0〜10.0重量%配合してなる組成100部に対して添加物CuOを0.05〜0.70重量%、CoO、CeO2を各々0.05〜3.00重量%添加配合した磁器誘電体組成物の対向表面にCuを主体とする焼付電極を形成した低損失磁器コンデンサが知られている。これら従来のCu(銅)などの卑金属電極を用いた磁器コンデンサは、電極形成に酸化防止のため中性又は還元雰囲気中で焼付を要するため、中性又は還元雰囲気の厳密な管理が必要となり、生産性が悪いと言う問題がある。更に、Cu(銅)などの卑金属電極の酸化が発生した場合には、単に歩留まりが低下するというだけでなく、非破壊検査による選別は困難であり、著しい生産性の低下を来すと言う問題があった。また、誘電体磁器組成物に特別な複合添加物を添加する必要もあり、誘電体磁器組成物の組成比の管理を要する上、コストが高くなると言う問題もある。
【0008】
そこで、大気中での電極形成方法も知られており、例えば、Zn(亜鉛)ペーストを塗布して、大気中で焼き付けを行う方法が(特許文献2)に開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特公平6−70944号公報
【特許文献2】
特開昭63−236785号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、誘電体磁器に種々の電極を形成した磁器コンデンサが知られている。
【0011】
しかしながら、これら従来の磁器コンデンサは、自己発熱温度が高いと言う課題を有しているが、安価で有効な対策は未だなされていない。
【0012】
そこで本発明は以上の様な課題を解決し、高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制し、低損失である磁器コンデンサを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2を主成分とする誘電体磁器と、誘電体磁器の対向表面に形成されたZnを主体とする第1層の電極と、第1層の電極上に形成されたCuを主体とする第2層の電極を備え、誘電体磁器がSrTiO3−CaTiO3を主成分とする場合、SrTiO3とCaTiO3とのモル比はSrTiO3を0.55〜0.75、CaTiO3を0.25〜0.45とし、かつ合計が1となるようにし、誘電体磁器がSrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2を主成分とする場合、SrTiO3とCaTiO3とBi2O3−TiO2とのモル比はSrTiO3を0.55〜0.75、CaTiO3を0.25〜0.45、Bi2O3−TiO2を0.025〜0.100とし、かつ合計が1となるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2を主成分とする誘電体磁器と、誘電体磁器の対向表面に形成されたZnを主体とする第1層の電極と、第1層の電極上に形成されたCuを主体とする第2層の電極を備え、誘電体磁器がSrTiO3−CaTiO3を主成分とする場合、SrTiO3とCaTiO3とのモル比はSrTiO3を0.55〜0.75、CaTiO3を0.25〜0.45とし、かつ合計が1となるようにし、誘電体磁器がSrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2を主成分とする場合、SrTiO3とCaTiO3とBi2O3−TiO2とのモル比はSrTiO3を0.55〜0.75、CaTiO3を0.25〜0.45、Bi2O3−TiO2を0.025〜0.100とし、かつ合計が1となるようにすることを特徴とする磁器コンデンサであって、高周波数、高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制することができると共に、第1層電極のZnとの密着性が良好であり、リード線、或いは、リード端子との半田接合強度を向上させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、第2層の電極に接続されたリード線と、誘電体磁器基板、第1層及び第2層の電極、リード線の一部を埋設する外装材とを備えたことを特徴とする磁器コンデンサであって、高周波数、高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制することができると共に、第1層電極のZnとの密着性が良好であり、リード線との半田接合強度を向上させることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、外装材の側面から外部に突き出されたリード端子の外部端子形成部とを備えたことを特徴とする磁器コンデンサであって、高周波数、高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制することができると共に、第1層電極のZnとの密着性が良好であり、リード端子との半田接合強度を向上させることができる。
【0033】
まず、本発明の磁器コンデンサを構成する誘電体磁器について説明する。
【0034】
誘電体磁器は、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系の誘電体組成物が使用される。
【0035】
具体的には、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2粉末を主成分とし、添加剤兼焼結助剤成分であるMnO2、Al2O3、SiO2、ZnO、MgO、Mg2TiO4の中から選ばれた少なくとも1つ以上を添加して、焼成することによって得ることができる。
【0036】
なお、これら誘電体組成物の好ましい組成比(モル比)は次の通りである。
【0037】
▲1▼SrTiO3−CaTiO3
SrTiO3 0.55〜0.75
CaTiO3 0.25〜0.45
また、添加剤兼焼結助剤成分は、MnO2、Al2O3、SiO2、ZnO、MgO、Mg2TiO4の中から選ばれた少なくとも1つ以上を、主成分である▲1▼SrTiO3−CaTiO3に対して、それぞれ0.01〜3.0重量%の範囲で変化させて添加する。
【0038】
▲2▼SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2
SrTiO3 0.55〜0.75
CaTiO3 0.25〜0.45
Bi2O3−TiO2 0.00〜0.25
更に、▲2▼のBi2O3−TiO2においては、TiO21モルに対して、Bi2O3は1/3モルの関係にあることがより好ましい。
【0039】
また、添加剤兼焼結助剤成分は、MnO2、Al2O3、SiO2、ZnO、MgO、Mg2TiO4の中から選ばれた少なくとも1つ以上を、主成分である▲2▼SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2に対して、それぞれ0.01〜3.0重量%の範囲で変化させて添加する。
【0040】
また、Bi2O3−TiO2のBiの少なくとも一部を希土類で置換することも可能であり、これら希土類としては、La、Ce、Ndから選ばれる少なくとも一つの元素が好ましい。なお、希土類の置換は、コンデンサの電圧依存性を小さくし、耐電圧を向上させる効果がある。具体的には、La2O3、Nd2O3、2CeO2をそれぞれ添加すればよい。なお、添加量はBi2O3−TiO2を単独添加する場合のBiのモル比と、Bi及びLaのモル比の和、Bi及びNdのモル比の和、Bi及びCeのモル比の和がそれぞれ等しくなるように添加する。
【0041】
更に、Biの少なくとも一部をLa、Ce、Ndから選ばれる2種或いは3種で置換する場合には、添加量はBi2O3−TiO2を単独添加する場合のBiのモル比と、Bi及びLa、Nd、Ceの2種或いは3種のモル比の和が等しくなるように添加すればよい。
【0042】
また、この誘電体磁器の対向電極として形成される第1層の電極は、Zn(亜鉛)を主体とする。なお、Znを主体とするとは、以下のように不純物を含んだり、合金であってもよく、そのZn含量は構成により変化することを意味する。
【0043】
この第1層電極に用いられるZnは、微量のガラス成分あるいは不純物を含んでいてもよく、純度95%以上であることが好ましい。更に、Zn合金であってもよく、Znの含有量として90%以上であることが好ましい。
【0044】
そして、第1層電極として用いられるZnは、上述の誘電体磁器との協調によって自己発熱温度を抑制するものである。
【0045】
更に、第1層電極の上に形成される第2層の電極は、Cu(銅),Ni(ニッケル),Ag(銀),Pd(パラジウム),Al(アルミニウム)から選ばれる少なくとも一つの金属を主体とする。
【0046】
第2層電極に用いられるCu,Ni,Ag,Pd,Alは、それぞれ、微量の不純物を含んでいてもよく、純度80%以上であることが好ましい。更に、合金であってもよく、Cu,Ni,Al,Pd,Alそれぞれの含有量として80%以上であることが好ましい。
【0047】
そして、第2層電極として用いられるCu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも一つの金属は、第1層電極のZnとの密着性が良好であると共に、リード線、或いは、リード端子との半田接合強度を向上させるものである。
【0048】
以下、本発明の磁器コンデンサについて、図面を参照して更に詳しく説明する。
【0049】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1における磁器コンデンサを示す透視側面図であり、図1(b)は本発明の実施の形態1における磁器コンデンサを示す透視正面図である。そして、図1(a),(b)において、1は誘電体磁器基板、2は第1層電極、3は第2層電極、4,5はリード線、6は外装材である。また、100は磁器コンデンサを示している。
【0050】
図1(a),(b)に示すように、磁器コンデンサ100は、円板型の誘電体磁器基板1の両主表面に、それぞれ第1層電極2、第2層電極3が形成され、更に、第2層電極3に、それぞれ一対のリード線4,5が半田接合された構成である。
【0051】
そして、リード線4,5の一部と、誘電体磁器基板1及び第1層電極2、第2層電極3を埋設する外装材6が形成される。
【0052】
誘電体磁器基板1としては、上述したSrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系の誘電体組成物を主成分とする誘電体磁器が用いられる。
【0053】
そして、同様に、第1層電極2としてZnが用いられ、第2層電極3としてCu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも一つの金属が用いられる。
【0054】
更に、リード線4,5としては、例えば、JIS C3102で規定される電気用軟銅線を原料とし、これに電気メッキ、又は、溶融半田を施した線材を使用することができる。
【0055】
また、外装材6としては、絶縁性を有する材料が用いられ、ガラス、絶縁性樹脂等を用いることができる。この中でも、絶縁性樹脂が加工適正、低価格であり好ましく、熱硬化性樹脂が加工適正に優れより好ましく、更に、熱硬化型のエポキシ樹脂が強度、耐湿性に優れているので特に好ましい。そして、オルトクレゾールノボラック系,ビフェニール系,ペンタジエン系等のエポキシ樹脂があげられる。
【0056】
また、図1(a)に示すように、誘電体磁器基板1の両主表面の第2層電極3に接合された一対のリード線4,5は、誘電体磁器基板1を間に挟んで離間し平行に延設されるが、折り曲げられて、最終的には、誘電体磁器基板1の厚み方向で重なるように引き出されている。そして、一対のリード線4,5は、離間距離の略半分の位置、即ち、誘電体磁器基板1の厚みを略半分にする位置で重なっている。
【0057】
更に、図1(b)に示すように、一対のリード線4,5は、誘電体磁器基板1の表裏面でクロスするように第2層電極3にそれぞれ接合され、折り曲げられて、略平行になるように互いに離間して延設され、更に折り曲げられて、双方の離間距離を狭めた状態で略平行に延設されている。
【0058】
そして、磁器コンデンサ100の一対のリード線4,5は、回路基板のスルーホールに挿入されて、回路基板の裏面で半田接合され実装されるが、図1(b)に示すように、一対のリード線4,5が離間する距離をスルーホールへの挿入部分で狭くすることによって、外装材6から突出したリード線4,5の全ての部分がスルーホールに入り込むこともない。
【0059】
また、実装される磁器コンデンサ100の外装材6の最下部と回路基板の間にはリード線4,5の一部が必ず介在するので、半田接合時の熱の影響を受けにくい上、半田フラックスも確実に排出できる。そして、半田接合時の熱の影響を受けにくいので、半田付け温度の高いPb(鉛)フリー半田が使用可能となる。
【0060】
次に、本発明の実施の形態1における磁器コンデンサの製造方法について説明する。
【0061】
まず、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2粉末を主成分とし、添加剤兼焼結助剤成分であるMnO2、Al2O3、SiO2、ZnO、MgO、Mg2TiO4の中から選ばれる少なくとも1つ以上を配合し、通常の窯業的手法によって、湿式混合或いは造粒を行い、円板型の形状に加圧成形した後、これを焼成する。
【0062】
そして、得られた誘電体磁器基板1の両主表面に、第1層電極2としてZn電極を印刷法によって形成する。具体的には、亜鉛ペーストをスクリーン印刷法によって誘電体磁器の両主表面に形成した後、約600℃で焼き付けを行う。この焼き付けは、中性又は還元雰囲気中で行う必要はなく、大気雰囲気下で行うことができる。なお、Zn電極のその他の形成方法としては、導電ペーストに浸積して塗布するいわゆるディップ塗装や、電着法、鍍金法、蒸着法等の成膜方法を用いることができる。
【0063】
更に、第1層電極2であるZn電極表面の活性化処理を行う。この表面活性化処理は、Zn電極表面の酸化物を除去するものである。これにより、積層される第2層電極3のCu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも一つの金属を主体とする電極との密着性を向上させ、Zn電極と例えばCu電極との間に不安定な金属化合物を発生させることもない。Zn電極表面活性化処理としては、化学的エッチングを用いることができ、酸を利用することによって行われる。具体的には、pH3程度の例えばりんご酸を用いて行う。他の方法としては、表面を物理的に粗す等の物理的エッチングによっても良い。
【0064】
次に、第1層電極2であるZn電極の上に、第2層電極3として、例えばCu電極を形成する。第2層電極3であるCu電極の形成は、メッキ法によって行う。このメッキは電解メッキ、或いは、無電解メッキのいずれの方法であってもよいが、無電解メッキがセラミック素子特性を劣化させないと言う理由で好ましい。
【0065】
そして、第2層電極3であるCu電極の上にリード線4,5を半田付けし、リード線4,5の一部を除いて、絶縁性樹脂等でコーティングし、外装材6を形成する。
【0066】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2におけるモールド型磁器コンデンサを示す断面図であり、図2において、7,8はリード端子であり、200はモールド型磁器コンデンサを示している。なお、実施の形態1で説明したものと同様の部分には、同じ符号を付している。
【0067】
図2に示すように、モールド型磁器コンデンサ200は、円板状の誘電体磁器基板1の両主表面に、それぞれ第1層電極2、第2層電極3が形成され、更に、第2層電極3に、それぞれ一対のリード端子7,8が半田接合された構成である。
【0068】
そして、外装材6によって、誘電体磁器基板1、第1層及び第2層の電極2,3、リード端子7,8の一部が埋設される。
【0069】
また、リード端子7,8の外装材6から突出した部分は、外部端子形成部を構成するものであり、このリード端子7,8の外部端子形成部を介して回路基板に表面実装できるようになっている。
【0070】
誘電体磁器基板1としては、実施の形態1で説明したように、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系の誘電体組成物を主成分とする誘電体磁器が用いられ、同様に、第1層電極2としてZnが用いられ、第2層電極3としてCu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも一つの金属が用いられる。
【0071】
また、外装材6としても、実施の形態1で説明したものと同様であり、絶縁性を有する材料を用いられ、ガラス、絶縁性樹脂等を用いることができ、絶縁性樹脂が加工適正、低価格であり好ましく、熱硬化性樹脂が加工適正に優れより好ましく、更に、オルトクレゾールノボラック系,ビフェニール系,ペンタジエン系等のエポキシ樹脂等に代表される熱硬化型のエポキシ樹脂が強度、耐湿性に優れているので特に好ましい。
【0072】
リード端子7,8としては、導電材料を用いることができるが、Fe,Cu,Niの少なくとも一つから選ばれるものが好適に選択される金属材料が好適に用いられ、電気的特性や加工性の面で有利である。
【0073】
次に、本発明の実施の形態2におけるモールド型磁器コンデンサの製造方法は、実施の形態1で説明したものと同様であるが、リード線4,5ではなく、第2層電極3の上にリード端子7,8が半田付けされ、リード端子7,8の一部を除いて、誘電体磁器基板1、第1層電極2、第2層電極3を絶縁性樹脂等でコーティングし、外装材6を形成し、モールド型磁器コンデンサ200を得ることができる。
【0074】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3におけるチップ型磁器コンデンサを示す透視斜視図であり、図4は本発明の実施の形態3におけるチップ型磁器コンデンサを示す断面図である。なお、図4は図3のA−A線断面図である。
【0075】
図3,図4において、1aは誘電体磁器で構成された基体、2aは導電膜、6は外装材、9は端子電極である。更に、10は間隙、11は軸芯部、12は端子部、13は傾斜部であり、300はチップ型磁器コンデンサを示している。なお、図4において、h1は端子部12の高さ、h2は軸芯部11の高さであり、θは軸芯部11と傾斜部13とがなす角度である。また、実施の形態1,2で説明したものと同様の部分には、同じ符号を付している。
【0076】
図3,図4に示すように、チップ型磁器コンデンサ300は、端子部12間に外装材6が充填され、外形が略直方体である。
【0077】
更に、基体1aは、その両端に端子部12、中央に軸芯部11を備えた構成であり、軸芯部11は端子部12よりも外周に亘って凹んでいる。そして、この凹んだ部分に外装材6が充填される。
【0078】
そして、基体1aは、その機械的強度、諸特性を維持するために、端子部12の高さh1と、軸芯部11の高さh2との寸法比は、h2/h1=0.5〜0.85であること、即ち、端子部9の高さh1と、軸芯部8の高さh2の比が、h1:h2=1:0.5〜0.85の範囲にあることが好ましい。この値が0.5未満であると、機械的強度が不足して、コンデンサ製品として品質を維持することができない。また、この値が0.85を超えると、充填される外装材6の厚みが不足し、耐湿性の低下など、信頼性が悪くなる。
【0079】
更に、基体1aにおいて、軸芯部11と、両端の端子部12との間には、それぞれ傾斜部13が形成されることが好ましい。この傾斜部13を備えることによって、外装材6が確実かつ安定して充填でき、チップ型磁器コンデンサ300は、外装材6と基体1aの間には、気泡の抱き込みがほとんどない。また、この軸芯部11と傾斜部13とがなす角度θは、90度〜150度であることが好ましい。90度以下であると、気泡が発生し、安定した外装材6の充填が困難である。また、150度を超えると充填される外装材6が薄くなってしまい、耐湿性の低下など、信頼性が悪くなる。
【0080】
以上のような構成を有する基体1aの表面には、導電膜2aが形成され、更に、軸芯部11において導電膜2aは間隙10によって分離されている。そして、間隙10、軸芯部11及び傾斜部13に形成された導電膜2aを覆うように外装材6が形成されている。
【0081】
また、外装材6で被覆されていない端子部12の導電膜2aの上には、導電膜2aを覆うように端子電極9が形成されている。なお、端子電極9を設けずに、端子部12で露出している導電膜2aをそのまま電極として用いても良い。
【0082】
また、外装材6と端子部12は略面一であり、外形が略直方体となり、チップコンデンサとしての実装性に優れるものである。また、チップ型磁器コンデンサ300の外形は略直方体であることが実装性に優れるので好ましいが、チップコンデンサとしての実装性を阻害しない範囲で、円柱状、多角形状であってもよい。
【0083】
更に、チップ型磁器コンデンサ300の各構成について詳しく説明する。
【0084】
まず、基体1aは、実施の形態1,2で説明したように、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系の誘電体組成物を主成分とする誘電体磁器が用いられる。そして、導電膜2aはZnを主体とするものである。
【0085】
また、外装材6としても、実施の形態1、2で説明したものと同様である。
【0086】
また、端子電極9は、実装時の半田付け性を向上させ、導電膜2aを保護することができる。この端子電極9としては、Ni,Sn,半田の中から選ばれる少なくとも1種以上の材料を用いることができる。この中でも、Ni層上にSnまたは半田を形成した電極は、半田付性および耐熱性が向上すると言う理由で特に好ましい。
【0087】
また、導電膜2aと端子電極9との間に、実施の形態1、2における第2層の電極として説明したCu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも一つの金属を用いてもよい。
【0088】
次に、本発明の実施の形態3におけるチップ型磁器コンデンサの製造方法について説明する。
【0089】
まず、実施の形態1,2と同様に、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2粉末を主成分とし、添加剤兼焼結助剤成分であるMnO2、Al2O3、SiO2、ZnO、MgO、Mg2TiO4の中から選ばれた少なくとも1つ以上を配合して、これら誘電体材料を金型に装填し加圧成形した後焼成する。
【0090】
そして、焼成された略直方体のベース基体1aの中央を外周に亘って削ることによって、両端の端子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11を形成する。なお、両端の端子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11を備えるように予め金型を形成し、この金型で誘電体材料を加圧成形し、これを焼成して基体1aを形成してもよい。このように形成することで、基体1aを削る工程を無くすことができる。
【0091】
次に、この基体1aに感光性樹脂を塗布し、露光及び現像を行って、所定幅の間隙10に相当する導電膜2aを形成しない部分を基体1aの外周に亘ってマスクする。
【0092】
そして、このマスク部分以外の基体1a表面にZnを主体とする導電膜2aを形成する。導電膜2aの形成方法としては、導電ペーストに浸積して塗布するいわゆるディップ塗装や、印刷法、電着法、鍍金法、蒸着法等の成膜方法を用いることができる。
【0093】
次に、所定幅の間隙10に相当する導電膜2aを形成しない部分にマスクされた感光性樹脂を除去し、所望の形状にパターニングされ、間隙10によって分離された導電膜2aを得ることができる。
【0094】
基体1aに間隙10によって分離された導電膜2aを形成する方法としては、所定幅の間隙10に相当する導電膜2aを形成しない部分を除いて、導電膜2aを基体1aに直接塗布形成することもできる。
【0095】
更に、種々の成膜方法によって、一旦導電膜2aを基体1aの表面全面に形成した後、所定幅の間隙10に相当する導電膜2aを形成しない部分のみを研磨、レーザートリミング、物理的或いは化学的エッチング等の方法によって除去してもよい。この中でも、レーザートリミングは高精度であり好ましい。
【0096】
更に、レーザートリミングにより導電膜2aの不要な部分を除去する場合において、まず、レーザートリミングで不要部分の導電膜2aの所定厚み分を除去する。次に、不要部分及びその他の部分を含め全体を一律にエッチングする。このエッチングは不要部分の導電膜2aの膜厚が完全に除去されるまで行う。これによって、不要部分以外の導電膜2aは残留し、所望の形状にパターニングされた導電膜2aを得ることができる。この方法によれば、レーザートリミングによって、基体1aの表面に形成された導電膜2aを除去する際に、レーザーの熱が基体1aに達することがないので、基体1aの材料を熱変性させ、特性を劣化させることがなく、レーザーの熱による基体1aの特性劣化を防ぐことができる。
【0097】
次に、軸芯部11に形成された導電膜2aを覆うように、上述した絶縁性を有する材料を用いて外装材6を充填する。
【0098】
次に、端子部12の導電膜2aに対して、導電膜2aを覆うように端子電極9を形成する。
【0099】
そして、本発明の実施の形態3におけるチップ型磁器コンデンサ300は、外形が略直方体となり、チップコンデンサとしての実装性に優れる。
【0100】
なお、本発明の実施の形態3において、実装性や外装材6の充填性を必要としない場合には、両端の端子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11を形成せずに、単に略直方体、或いは角柱状、円柱状の基体1aの表面に導電膜2aを形成し、導電膜2aを分離する間隙10を備えた単純な構成としてもよい。
【0101】
(実施の形態4)
図5は本発明の実施の形態4におけるチップ型磁器コンデンサを示す透視斜視図であり、図6は本発明の実施の形態4におけるチップ型磁器コンデンサを示す断面図である。なお、図6は図5のA−A線断面図である。
【0102】
図5,図6において、1aは誘電体磁器で構成された基体、2aは導電膜、6は外装材、9は端子電極である。更に、10a,10bは間隙、11は軸芯部、12は端子部、13は傾斜部であり、400はチップ型磁器コンデンサを示している。
【0103】
なお、図6において、h1は端子部12の高さ、h2は軸芯部11の高さであり、θは軸芯部11と傾斜部13とがなす角度である。また、実施の形態3で説明したものと同様の部分には、同じ符号を付している。
【0104】
図5,図6に示すように、チップ型磁器コンデンサ400は、端子部12間に外装材6が充填され、外形が略直方体である。
【0105】
更に、基体1aは、その両端に端子部12、中央に軸芯部11を備えた構成であり、軸芯部11は端子部12よりも外周に亘って凹んでいる。そして、この凹んだ部分に外装材6が充填される。
【0106】
そして、基体1aは、その機械的強度、諸特性を維持するために、端子部12の高さh1と、軸芯部11の高さh2との寸法比は、h2/h1=0.5〜0.85であること、即ち、端子部9の高さh1と、軸芯部8の高さh2の比が、h1:h2=1:0.5〜0.85の範囲にあることが好ましい。この値が0.5未満であると、機械的強度が不足して、コンデンサ製品として品質を維持することができない。また、この値が0.85を超えると、充填される外装材6の厚みが不足し、耐湿性の低下など、信頼性が悪くなる。
【0107】
更に、基体1aにおいて、軸芯部11と、両端の端子部12との間には、それぞれ傾斜部13が形成されることが好ましい。この傾斜部13を備えることによって、外装材6が確実かつ安定して充填でき、チップ型磁器コンデンサ300は、外装材6と基体1aの間には、気泡の抱き込みがほとんどない。また、この軸芯部11と傾斜部13とがなす角度θは、90度〜150度であることが好ましい。90度以下であると、気泡が発生し、安定した外装材6の充填が困難である。また、150度を超えると充填される外装材6が薄くなってしまい、耐湿性の低下など、信頼性が悪くなる。
【0108】
以上のような構成を有する基体1aの表面には、導電膜2aが形成され、更に、軸芯部11において導電膜2aは間隙10a,10bによって分離されている。
【0109】
そして、図5,図6に示すように、軸芯部11の対向する一対の側面及び端子部12には導電膜2aが形成され、この導電膜2aは、対向する一対の側面で互いに異なる端子部12と間隙10a,10bを介し、対向する一対の側面で互いに異なる端子部12に引き出されている。
【0110】
即ち、チップ型磁器コンデンサ400には、基体1aの軸芯部11の表裏で、互いに異なる方向に引き出された導電膜2aが形成され、基体1aの表裏でそれぞれ間隙10a,10bによって分離されている。そして、互いに異なる方向に引き出された導電膜2aのそれぞれが端子部12を覆う構成であり、互いに対向する端子部12間において、基体1aの表裏に形成され、導電膜2aを分離する間隙10aと間隙10bとは点対称の関係にある。なお、端子部12における導電膜2aは、側面にのみ設け端面には設けなくてもよい。
【0111】
そして、本発明の実施の形態4におけるチップ型磁器コンデンサ400は、対向する端子部12間において、導電膜2aを分離する間隙10aと間隙10bによって静電容量を得ることができる。更に、軸芯部11を介して互いに対向する導電膜2aが形成され、基体1aの軸芯部11の厚み(高さh2)によって、静電容量を得ることができる。また、基体1aの軸芯部11の厚みを変更することによって、所望の静電容量を得ることができる。
【0112】
また、外装材6と端子部12は略面一であり、外形が略直方体となり、チップコンデンサとしての実装性に優れるものである。また、チップ型磁器コンデンサ400の外形は略直方体であることが実装性に優れるので好ましいが、チップコンデンサとしての実装性を阻害しない範囲で、円柱状、多角形状であってもよい。
【0113】
更に、チップ型磁器コンデンサ400の各構成について詳しく説明する。
【0114】
まず、基体1は、実施の形態1〜3で説明したように、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系の誘電体組成物を主成分とする誘電体磁器が用いられる。そして、導電膜2aはZnを主体とするものである。
【0115】
また、外装材6としても、実施の形態1〜3で説明したものと同様である。
【0116】
また、実施の形態3と同様に、端子電極9は、実装時の半田付け性を向上させ、導電膜2aを保護することができる。この端子電極9としては、Ni,Sn,半田の中から選ばれる少なくとも1種以上の材料を用いることができる。この中でも、Ni層上にSnまたは半田を形成した電極は、半田付性および耐熱性が向上すると言う理由で特に好ましい。また、導電膜2aと端子電極9との間に、実施の形態1、2における第2層の電極として説明したCu,Ni,Ag,Pd,Alから選ばれる少なくとも一つの金属を用いてもよい。
【0117】
次に、本発明の実施の形態4におけるチップ型磁器コンデンサの製造方法について説明する。
【0118】
まず、実施の形態1〜3と同様に、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2粉末を主成分とし、添加剤兼焼結助剤成分であるMnO2、Al2O3、SiO2、ZnO、MgO、Mg2TiO4の中から選ばれた少なくとも1つ以上を配合して、これら誘電体材料を金型に装填し加圧成形した後焼成する。
【0119】
そして、焼成された略直方体のベース基体1aの中央を外周に亘って削ることによって、両端の端子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11を形成する。なお、両端の端子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11を備えるように予め金型を形成し、この金型で誘電体材料を加圧成形し、これを焼成して基体1aを形成してもよい。このように形成することで、基体1aを削る工程を無くすことができる。
【0120】
次に、この基体1aに感光性樹脂を塗布し、露光及び現像を行って、所定幅の間隙10a,10bに相当する導電膜2aを形成しない部分を基体1aの表裏でそれぞれマスクする。
【0121】
そして、このマスク部分以外の基体1a表面にZnを主体とする導電膜2aを形成する。導電膜2aの形成方法としては、導電ペーストに浸積して塗布するいわゆるディップ塗装や、印刷法、電着法、鍍金法、蒸着法等の成膜方法を用いることができる。
【0122】
次に、所定幅の間隙10a,10bに相当する導電膜2aを形成しない部分にマスクされた感光性樹脂を除去し、所望の形状にパターニングされ、間隙10a,10bによって分離された導電膜2aを得ることができる。
【0123】
基体1aに間隙10a,10bによって分離された導電膜2aを形成する方法としては、所定幅の間隙10a,10bに相当する導電膜2を形成しない部分を除いて、導電膜2aを基体1aに直接塗布形成することもできる。
【0124】
更に、種々の成膜方法によって、一旦導電膜2aを基体1aの表面全面に形成した後、所定幅の間隙10a,10bに相当する導電膜2aを形成しない部分のみを研磨、レーザートリミング、物理的或いは化学的エッチング等の方法によって除去してもよい。この中でも、レーザートリミングは高精度であり好ましい。
【0125】
更に、レーザートリミングにより導電膜2aの不要な部分を除去する場合において、まず、レーザートリミングで不要部分の導電膜2aの所定厚み分を除去する。次に、不要部分及びその他の部分を含め全体を一律にエッチングする。このエッチングは不要部分の導電膜2aの膜厚が完全に除去されるまで行う。これによって、不要部分以外の導電膜2aは残留し、所望の形状にパターニングされた導電膜2aを得ることができる。この方法によれば、レーザートリミングによって、基体1aの表面に形成された導電膜2aを除去する際に、レーザーの熱が基体1aに達することがないので、基体1aの材料を熱変性させ、特性を劣化させることがなく、レーザーの熱による基体1aの特性劣化を防ぐことができる。
【0126】
次に、軸芯部11に形成された導電膜2aを覆うように、上述した絶縁性を有する材料を用いて外装材6を充填する。
【0127】
次に、端子部12の導電膜2aに対して、導電膜2aを覆うように端子電極9を形成する。
【0128】
そして、本発明の実施の形態4におけるチップ型磁器コンデンサ400は、外形が略直方体となり、チップコンデンサとしての実装性に優れる。
【0129】
なお、本発明の実施の形態4において、実装性や外装材6の充填性を必要としない場合には、両端の端子部12よりも外周に亘って凹んでいる軸芯部11を形成せずに、単に、基体1aを略直方体とし、略直方体の基体1aの対向する一対の側面で互いに異なる端面と間隙10a,10bを介して、一対の側面で互いに異なる端面に引き出された導電膜2aを備えた単純な構成としてもよい。
【0130】
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5におけるチップ型磁器コンデンサを示す斜視図であり、図8は本発明の実施の形態5におけるチップ型磁器コンデンサを示す断面図である。なお、図8(a)は図7のA−A線断面図、図8(b)は図7のB−B線断面図、図8(c)は図7のC−C線断面図である。
【0131】
図7,図8において、11aは中央対向部である。また、500はチップ型磁器コンデンサを示している。また、Lは凹部に挟まれた中央対向部11aの基体1aの厚みである。なお、本実施の形態5においては、実施の形態4で説明した部分と同じものには同じ符号を付している。
【0132】
そして、本実施の形態5においては、チップ型磁器コンデンサ500を構成する各部は、実施の形態4で説明したものと同様であり、詳しい説明は一部省略する。
【0133】
図7に示すように、チップ型磁器コンデンサ500は、基体1aの両端部に端子電極9を備え、端子電極9間の凹部に外装材6が充填され、外形が略直方体である。
【0134】
更に、図8(a)に示すように、チップ型磁器コンデンサ500は、略直方体である基体1aの対向する一対の面に凹部がそれぞれ形成されている。この対向する凹部の深さは任意であり、対向する凹部の深さによって、基体1aの中央対向部11aの厚みLが決定される。対向する凹部は、中央対向部11aを挟み対称形状であり、体積も同一である事が好ましいが、互いに異なっていてもよい。
【0135】
また、図8(a),(b),(c)に示すように、基体1aの表面には、対向する凹部で、即ち、基体1aの中央対向部11aの表裏で、互いに異なる端面に引き出された導電膜2aが形成されている。更に、導電膜2aは、基体1aの中央対向部11aの表裏でそれぞれ間隙10a,10bによって分離されている。
【0136】
そして、互いに異なる端面に引き出された導電膜2aのそれぞれが基体1aの端子部12を覆う構成であり、互いに対向する端子部12間において、基体1aの中央対向部11aの表裏に形成され、導電膜2aを分離する間隙10aと間隙10bとは点対称の関係にある。
【0137】
更に、対向する凹部には、それぞれ外装材6が充填され、基体1aの中央対向部11aの表裏の導電膜2a及び間隙10a,10bを覆う構成となっている。
【0138】
また、端子部12の導電膜2aに対して、導電膜2aを覆うように端子電極9が形成されている。なお、端子電極9を設けずに、端子部12で露出している導電膜2aをそのまま電極として用いても良い。
【0139】
また、外装材6を端子部12と略面一に充填することで、外形が略直方体となり、チップコンデンサとしての実装性に優れるものである。
【0140】
そして、本発明の実施の形態5におけるチップ型磁器コンデンサ500は、対向する端子部12間において、導電膜2aを分離する間隙10aと間隙10bによって静電容量を得ることができると共に、更に、中央対向部11aを介して互いに対向する導電膜2aが形成され、基体1aの中央対向部11aの厚みLによって、静電容量を得ることができる。また、基体1aの中央対向部11aの厚みLを変更することによって、所望の静電容量を得ることができる。
【0141】
特に、大きな静電容量を得るために、基体1aの中央対向部11aの厚みLを小さくしても、中央対向部11aを取り囲む基体1aの存在によって、チップ型磁器コンデンサ50の機械的強度を維持することが可能である。
【0142】
基体1は、実施の形態1〜4で説明したように、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系の誘電体組成物を主成分とする誘電体磁器が用いられる。そして、導電膜2aはZnを主体とするものである。
【0143】
また、外装材6としても、実施の形態1〜4で説明したものと同様である。
【0144】
また、端子電極9も、実施の形態3,4で説明したものと同様である。
【0145】
次に、チップ型磁器コンデンサ500の製造方法について説明する。
【0146】
この基体1aの形成方法としては、まず、金型に上記した誘電体材料を装填し加圧成形後これを焼成する。そして、焼成されたこの略直方体のベース基体1aの対向する一対の面の中央を削ることによって、凹部を形成する。また、基体1aの対向する一対の面の中央にそれぞれ凹部を備えるように予め金型を形成し、この金型で誘電体材料を加圧成形し、これを焼成してもよい。このように形成することで、基体1aを削る工程を無くすことができる。
【0147】
次に、基体1aの表裏に導電膜2aが形成される。一方の凹部において導電膜2aは間隙10aを備えるように形成され、他方の凹部において導電膜2aは間隙10bを備えるように形成される。
【0148】
導電膜2aの形成方法としては、実施の形態4で説明した方法と同様である。
【0149】
そして、凹部に上記した絶縁性を有する材料を用いて外装材6を充填する。なお、外装材6は端子部12と略面一に形成することが好ましい。
【0150】
更に、端子部12の導電膜2aに対して、導電膜2aを覆うように端子電極9を形成する。
【0151】
そして、本発明の実施の形態5におけるチップ型磁器コンデンサ500は、外形が略直方体となり、チップコンデンサとしての実装性に優れる。
【0152】
以上実施の形態1〜5で説明したように、本発明の磁器コンデンサは、様々な形態を取ることが可能である。そして、いずれの形態であっても、本発明の磁器コンデンサは、SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2を主成分とする誘電体磁器と、誘電体磁器の対向表面に形成されたZnを主体とする電極とを備えることにより、高周波数、高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制することができるものである。
【0153】
【実施例】
実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例等により何ら限定されるものではない。
【0154】
(実施例1)
まず、主成分であるSrTiO3−CaTiO3粉末(モル比で、SrTiO30.750、CaTiO3 0.250)と、この粉末100部に対して、添加剤兼焼結助剤成分としてMgOを0.2部、SiO2を0.2部、それぞれ電子天秤で秤量し、5mmφのZrO2質ボールが入ったモノマロン製ポットミル中に投入した。
【0155】
次に、100rpmの回転速度で200時間混合した後、混合物を150メッシュのシルクスクリーンで濾過して、フッ素樹脂シートを敷いたステンレスバット中に投入し、1200℃の温度で乾燥した。乾燥した塊状物はアルミナ乳鉢中で解砕した後、造粒した。
【0156】
この造粒物を円板型の形状に加圧成形した後、約1330℃で焼成し、誘電体磁器基板を得た。誘電体磁器基板の形状は、直径約10.0mm、厚さ約1.0mmである。
【0157】
次に、得られた誘電体磁器基板の両主表面に、印刷法によって第1層電極としてのZn電極を直径8.0mmで形成し、640℃で焼き付けを行った。
【0158】
更に、このZn電極表面に約pH3のりんご酸を用いて化学的エッチングを行い、Zn電極表面の酸化物を除去した。
【0159】
次に、Zn電極の上に、第2層電極としてCu電極を無電解メッキ法によって形成した。
【0160】
そして、誘電体磁器の両主表面のCu電極上に、それぞれリード線を半田付けした。
【0161】
更に、リード線の一部を除いて、エポキシ樹脂をコーティングし、Zn及びCu電極が積層された誘電体磁器を被覆して外装材を形成し、図1に示した磁器コンデンサを得た。
【0162】
次に、得られた実施例1の磁器コンデンサの静電容量(Cap)、誘電体損失(Q値=1/tanδ)、直流抵抗(IR)、誘電体形状(φ/t)、誘電率(ε)、温度特性(TC)、自己発熱特性(δt)を測定した。
【0163】
静電容量(Cap)と誘電体損失(Q値)はYHP製Cメータ4278Aを使用して1V/1MHzの信号電圧下で測定した。直流抵抗(IR)はYHP製絶縁抵抗計4329Aを使用して500VDCを1分間印加して測定した。誘電体形状(φ/t)はマイクロメーターで測定し、誘電率(ε)は以下の計算で求めた。温度特性(TC)は温度毎の静電容量をYHP製Cメータ4278Aで測定した。
【0164】
C=ε・φ2/144t
C:静電容量
ε:誘電率
φ:誘電体電極径
t:誘電体厚み
自己発熱特性(δt)は、実施例1の磁器コンデンサに、AC5.0kVp−p、周波数100kHzを印加し、φ0.1mmの熱電対(クロメルアルメル)を実施例1の磁器コンデンサのエポキシ樹脂からなる外装材に密着させ、温度上昇が安定した時の外装材の表面温度を測定し、この外装材の表面温度と、そのときの雰囲気温度との差を自己発熱特性(δt)とした。
【0165】
この測定結果を(表1)に示した。
【0166】
【表1】
【0167】
(実施例2〜9)
主成分であるSrTiO3−CaTiO3、或いは、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)を変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例2〜9の磁器コンデンサを得た。実施例2〜9の磁器コンデンサについても、実施例1と同様の測定を行った。
【0168】
この測定結果と実施例2〜9のSrTiO3−CaTiO3、或いは、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)を合わせて(表1)に示している。
【0169】
また、実施例9については、自己発熱特性(δt)は、印可する電圧をAC0kVp−p〜5.0kVp−pの範囲で行い測定した。この結果を図9に示す。なお、図9は自己発熱温度特性と印加電圧の関係を示すグラフである。
【0170】
(比較例1)
実施例1と同様に、主成分であるSrTiO3−CaTiO3粉末(モル比で、SrTiO3 0.750、CaTiO3 0.250)と、この粉末100部に対して、添加剤兼焼結助剤成分としてMgOを0.2部、SiO2を0.2部、電子天秤で秤量し、5mmφのZrO2質ボールが入ったモノマロン製ポットミル中に投入し、100rpmの回転速度で200時間混合した後、混合物を150メッシュのシルクスクリーンで濾過して、フッ素樹脂シートを敷いたステンレスバット中に投入し、1200゜Cの温度で乾燥した。乾燥した塊状物はアルミナ乳鉢中で解砕した後造粒した。
【0171】
この造粒物を円板型の形状に加圧成形した後、約1330℃で焼成し、誘電体磁器基板を得た。誘電体磁器基板の形状は、直径約10.0mm、厚さ約1.0mmである。
【0172】
次に、得られた誘電体磁器基板の両主表面に、印刷法によってAg(銀)電極を直径8.0mmで形成し、800℃で焼き付けを行った。
【0173】
そして、誘電体磁器の両主表面のAg電極上に、それぞれリード線を半田付けした。更に、リード線の一部を除いて、エポキシ樹脂をコーティングし、Ag電極が形成された誘電体磁器を被覆して外装材を形成し、図1に示した磁器コンデンサを得た。
【0174】
次に、実施例1と同様に、得られた比較例1の磁器コンデンサの静電容量(Cap)、誘電体損失(Q値=1/tanδ)、直流抵抗(IR)、誘電体形状(φ/t)、誘電率(ε)、温度特性(TC)、自己発熱特性(δt)を測定した。
【0175】
この測定結果を(表2)に示している。
【0176】
【表2】
【0177】
(比較例2〜9)
主成分であるSrTiO3−CaTiO3、或いは、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)を変更し、その他は比較例1と同様にして、比較例2〜9の磁器コンデンサを得た。比較例2〜9の磁器コンデンサについても、比較例1と同様の測定を行った。
【0178】
この測定結果と比較例2〜9のSrTiO3−CaTiO3、或いは、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)を合わせて(表2)に示している。
【0179】
また、比較例9については、自己発熱特性(δt)は、印可する電圧をAC0kVp−p〜5.0kVp−pの範囲で行い測定した。この結果は上述した実施例9の結果と共に図9に示している。
【0180】
(表1)、(表2)、図9の結果から明らかなように、本実施例の組成の誘電体磁器と、これに用いる電極として、第1層電極のZn(亜鉛)電極及び第2層電極のCu(銅)電極を用いた磁器コンデンサは、Ag(銀)電極を用いたものに比べて、明らかに自己発熱温度特性が優れていた。
【0181】
(実施例10)
実施例2における主成分であるSrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)の中で、Bi2O3−TiO2を0.025モルとし、更にLa2O3を0.025モル添加し、その他は実施例2と同様にして、実施例10の磁器コンデンサを得た。実施例10の磁器コンデンサについても、実施例2と同様の測定を行った。
【0182】
(実施例11)
実施例2における主成分であるSrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)の中で、Bi2O3−TiO2を0.025モルとし、更にNd2O3を0.025モル添加し、その他は実施例2と同様にして、実施例11の磁器コンデンサを得た。実施例11の磁器コンデンサについても、実施例2と同様の測定を行った。
【0183】
(実施例12)
実施例2における主成分であるSrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)の中で、Bi2O3−TiO2を0.025モルとし、更に2CeO2を0.025モル添加し、その他は実施例2と同様にして、実施例12の磁器コンデンサを得た。実施例12の磁器コンデンサについても、実施例2と同様の測定を行った。
【0184】
これら測定結果と実施例10〜12の組成比(モル比)を合わせて(表3)に示している。
【0185】
【表3】
【0186】
(比較例10)
比較例2における主成分であるSrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)の中で、Bi2O3−TiO2を0.025モルとし、更にLa2O3を0.025モル添加し、その他は比較例2と同様にして、比較例10の磁器コンデンサを得た。比較例10の磁器コンデンサについても、比較例2と同様の測定を行った。
【0187】
(比較例11)
比較例2における主成分であるSrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)の中で、Bi2O3−TiO2を0.025モルとし、更にNd2O3を0.025モル添加し、その他は比較例2と同様にして、比較例11の磁器コンデンサを得た。比較例11の磁器コンデンサについても、比較例2と同様の測定を行った。
【0188】
(比較例12)
比較例2における主成分であるSrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2系粉末の組成比(モル比)の中で、Bi2O3−TiO2を0.025モルとし、更に2CeO2を0.025モル添加し、その他は比較例2と同様にして、比較例12の磁器コンデンサを得た。比較例12の磁器コンデンサについても、比較例2と同様の測定を行った。
【0189】
これら測定結果と比較例10〜12の組成比(モル比)を合わせて(表4)に示している。
【0190】
【表4】
【0191】
(表3)、(表4)の結果から明らかなように、Biの少なくとも一部をLa、Ce、Ndから選ばれる少なくとも一つの元素で置換することによっても、本実施例の組成の誘電体磁器と、これに用いる電極として、第1層電極のZn(亜鉛)電極及び第2層電極のCu(銅)電極を用いた磁器コンデンサは、Ag(銀)電極を用いたものに比べて、明らかに自己発熱温度特性が優れていた。
【0192】
(比較例13)
比較例13の磁器コンデンサは以下のようにして作製した。まず、主成分であるBaTiO3粉末100部に対して、添加剤兼焼結助剤成分として、Bi2O3を3部、SnO2を2部、Al2O3を1部、La2O3を1部、ZrO2を1部、SiO2を0.5部、MnO2を0.2部それぞれ電子天秤で秤量し、以下、実施例1と同様にして誘電体磁器基板を得た。誘電体磁器基板の形状は、直径約10.0mm、厚さ約1.0mmである。
【0193】
次に実施例1と同様に、第1層電極としてZn電極、第2層電極としてCu電極を形成し、リード線を半田付けし、エポキシ樹脂をコーティングして外装材を形成した。
【0194】
(比較例14)
誘電体磁器基板の両主表面に、印刷法によってAg電極を直径8.0mmで形成し、800℃で焼き付けを行う以外は比較例13と同様の方法にて比較例14の磁器コンデンサを作製した。
【0195】
次に、これらの磁器コンデンサの諸特性を測定した。
【0196】
この測定結果は次の通りである。
【0197】
比較例13:静電容量(Cap)=982.64(pF)、tanδ=1.370(%)、直流抵抗(IR)=0.8E+12(Ω)、誘電体形状(φ/t)=8.0/1.35(mm/mm)、誘電率(ε)=3000
比較例14:静電容量(Cap)=980.56(pF)、tanδ=1.363(%)、直流抵抗(IR)=0.8E+12(Ω)、誘電体形状(φ/t)=8.0/1.35(mm/mm)、誘電率(ε)=3000
また、比較例13,14について、自己発熱特性(δt)を、印可する電圧をAC0kVp−p〜3.0kVp−pの範囲で測定し、その結果の自己発熱温度特性と印加電圧の関係を図10に示す。なお、図10は自己発熱温度特性と印加電圧の関係を示すグラフである。
【0198】
図10の結果から明らかなように、本発明以外の組成の誘電体磁器と、Zn(亜鉛)からなる第1層電極とCu(銅)からなる第2層電極を用いた場合、或いは、Ag(銀)電極を用いた場合のいずれの磁器コンデンサであっても、自己発熱を抑制することができなかった。
【0199】
このように本発明の組成からなる誘電体磁器とZn(亜鉛)からなる第1の電極とを組み合わせることではじめて自己発熱が抑制される。
【0200】
【発明の効果】
以上の様に本発明によれば、高電圧の使用条件下においても自己発熱温度を抑制し、低損失である磁器コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における磁器コンデンサを示す透視側面図
(b)本発明の実施の形態1における磁器コンデンサを示す透視正面図
【図2】本発明の実施の形態2におけるモ−ルド型磁器コンデンサを示す断面図
【図3】本発明の実施の形態3におけるチップ型磁器コンデンサを示す透視斜視図
【図4】本発明の実施の形態3におけるチップ型磁器コンデンサを示す断面図
【図5】本発明の実施の形態4におけるチップ型磁器コンデンサを示す透視斜視図
【図6】本発明の実施の形態4におけるチップ型磁器コンデンサを示す断面図
【図7】本発明の実施の形態5におけるチップ型磁器コンデンサを示す斜視図
【図8】本発明の実施の形態5におけるチップ型磁器コンデンサを示す断面図
【図9】自己発熱温度特性と印加電圧の関係を示すグラフ
【図10】自己発熱温度特性と印加電圧の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1 誘電体磁器基板
1a 基体
2 第1層電極
2a 導電膜
3 第2層電極
4,5 リード線
6 外装材
7,8 リード端子
9 端子電極
10,10a,10b 間隙
11 軸芯部
11a 中央対向部
12 端子部
13 傾斜部
100 磁器コンデンサ
200 モールド型磁器コンデンサ
300,400,500 チップ型磁器コンデンサ
Claims (3)
- SrTiO3−CaTiO3、または、SrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2を主成分とする誘電体磁器と、前記誘電体磁器の対向表面に形成されたZnを主体とする第1層の電極と、前記第1層の電極上に形成されたCuを主体とする第2層の電極を備え、前記誘電体磁器がSrTiO3−CaTiO3を主成分とする場合、SrTiO3とCaTiO3とのモル比はSrTiO3を0.55〜0.75、CaTiO3を0.25〜0.45とし、かつ合計が1となるようにし、前記誘電体磁器がSrTiO3−CaTiO3−Bi2O3−TiO2を主成分とする場合、SrTiO3とCaTiO3とBi2O3−TiO2とのモル比はSrTiO3を0.55〜0.75、CaTiO3を0.25〜0.45、Bi2O3−TiO2を0.025〜0.100とし、かつ合計が1となるようにすることを特徴とする磁器コンデンサ。
- 前記第2層の電極に接続されたリード線と、前記誘電体磁器、前記第1層及び前記第2層の電極、前記リード線の一部を埋設する外装材とを備えたことを特徴とする請求項1記載の磁器コンデンサ。
- 前記外装材の側面から外部に突き出された前記リード端子の外部端子形成部とを備えたことを特徴とする請求項2記載の磁器コンデンサ。
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