JP2003162086A - 静電荷像現像用カプセル化粒子及びそれを用いた導電性配線パターン形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用カプセル化粒子及びそれを用いた導電性配線パターン形成方法

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JP2003162086A
JP2003162086A JP2001359196A JP2001359196A JP2003162086A JP 2003162086 A JP2003162086 A JP 2003162086A JP 2001359196 A JP2001359196 A JP 2001359196A JP 2001359196 A JP2001359196 A JP 2001359196A JP 2003162086 A JP2003162086 A JP 2003162086A
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resin
encapsulated particles
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JP2001359196A
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Takayuki Ito
孝之 伊東
Hitoshi Takayanagi
均 高柳
Shinji Ametani
信二 雨谷
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電記録方式あるいは電子写真法により高密
度かつ高精度の配線パターンの印刷が可能な優れた現像
特性、特に、帯電立ち上がりが良好であり、長期間安定
した帯電量を保持しうる静電荷像現像用カプセル化粒
子、及びそれを用いた導電性配線パターンの形成方法を
提供する。また、配線パターンを印刷する際に高密度の
充填が可能となる絶縁性樹脂により金属の微粉末が被覆
された静電荷像現像用カプセル化粒子、及びそれを用い
た導電性配線パターンの形成方法を提供する。 【解決手段】 絶縁性樹脂で金属微粒子がカプセル化さ
れ、更に表面がシリコーンオイルにより処理されている
ことを特徴とする静電荷像現像用カプセル化粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線パターンを印
刷するのに好適に用いられる、銅、銀、金、白金、タン
グステンなどの金属の微粉末が絶縁性樹脂によりカプセ
ル化された新規なカプセル化粒子、及びそれを用いた導
電性配線パターンの形成方法に関するものである。特
に、乾式あるいは湿式の静電記録法あるいは電子写真方
式によって配線パターンを形成し、その後焼結すること
で導電性の配線パターンを形成する、金属微粒子を絶縁
性樹脂で被覆した静電荷像現像用カプセル化粒子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ICやLSIを実装するための電気回路
やコンデンサー等の電極、センサー、アンテナなどに用
いられる導電性配線パターンを静電記録方式あるいは電
子写真法により絶縁性無機質基体上に形成する際には、
金属微粒子を絶縁性樹脂で被覆した樹脂粒子が使用され
る。
【0003】この金属微粒子を含有した樹脂粒子に対し
ては、種々の特性が要求されるが、その代表的なものと
して、 静電記録方式あるいは電子写真法により高密度かつ
高精度の配線パターンの印刷が可能な優れた現像特性を
有すること、 現像された配線パターンを焼結することにより低抵
抗の導電性回路を得るために、金属微粒子を絶縁性樹脂
で被覆した樹脂粒子が最密充填された状態で現像される
こと、 配線パターンの現像後には絶縁性樹脂を完全に燃焼
させ、除去する工程が行われるが、その際には樹脂中に
含まれていた金属微粒子が最密充填されること、等が挙
げられる。
【0004】これらの特性を満足するためには、(a)
金属微粒子表面が薄い樹脂被膜で均一にカプセル化され
ていること、(b)帯電の立ち上がりが早く、均一且つ
十分な帯電量を有し、長期間安定した帯電量が保持され
ること、(c)カプセル化粒子の粒度分布がシャープで
あり、且つ小粒径であること、等が必要である。
【0005】このような課題を解決するため、従来から
様々な技術が開示されてきた。例えば特開平11−29
8119号公報、特開平11―265089号公報では
樹脂と金属粒子を混練後、粉砕法により樹脂中に金属粒
子が分散された粒子を作製する方法が提示されている。
これらの粉砕法で得られた樹脂被覆された金属粒子は、
金属粒子が粒子表面に露出し、帯電がリークしていくた
め帯電レベルが低く、かつ金属表面が露出するため金属
含有量を高くすることができない。そのため、電子写真
方式で現像した場合にはカブリが多く、また、微細で低
抵抗な導電パターンを安定して形成することができな
い。
【0006】また、特開平11−193402号公報、
特開平11−194526号公報では、金属粒子の表面
で直接モノマーを重合することにより金属微粒子を絶縁
性樹脂で被覆した樹脂粒子を製造する方法が示されてい
る。これらにより開示されている製造方法では、均一な
厚さの樹脂被膜により粒子表面を一様に被覆することが
難しく、また、粒子同士の凝集により粗大粒子が発生し
易く、結果として、粒度分布が広くなりがちである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
静電記録方式あるいは電子写真法により高密度かつ高精
度の配線パターンの印刷が可能な優れた現像特性、特
に、帯電立ち上がりが良好であり、長期間安定した帯電
量を保持しうる静電荷像現像用カプセル化粒子、及びそ
れを用いた導電性配線パターンの形成方法を提供するこ
とにある。また、本発明の他の目的は、配線パターンを
印刷する際に高密度の充填が可能となる絶縁性樹脂によ
り金属の微粉末が被覆された静電荷像現像用カプセル化
粒子、及びそれを用いた導電性配線パターンの形成方法
を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は印
刷された配線パターンを焼結して絶縁性樹脂を完全に燃
焼させた際に金属微粒子が最密充填して、空隙や欠陥等
のない高精度、かつ低抵抗の導電性パターンを形成する
ことが可能な静電荷像現像用カプセル化粒子、及びそれ
を用いた導電性配線パターンの形成方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、絶縁性樹脂中に
金属微粒子をカプセル化し、更にシリコーンオイルによ
り表面を処理した静電荷像現像用カプセル化粒子が前記
課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】即ち、本発明は、絶縁性樹脂で金属微粒子
がカプセル化され、更に表面がシリコーンオイルにより
処理されている静電荷像現像用カプセル化粒子を提供す
るものである。
【0010】また、更に、本発明は、絶縁性樹脂で金属
微粒子がカプセル化され、更に表面がシリコーンオイル
により処理されている静電荷像現像用カプセル化粒子を
用いて、絶縁性無機質基体上に金属の導電性配線パター
ンを形成する導電性配線パターンの形成方法を提供する
ものである。
【0011】本発明の静電荷像現像用カプセル化粒子
は、その表面をシリコーンオイルで処理しているため、
たとえ金属微粒子が絶縁性樹脂により包まれることなく
カプセル化粒子の表面に露出していても、露出した金属
の表面はシリコーンオイルで覆われており、金属微粒子
の表面から電荷のリークが起きにくい。そのため本発明
の静電荷像現像用カプセル化粒子は、帯電の立ち上がり
が早く、均一且つ十分な帯電量を有し、長期間安定した
帯電量を保持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の静電荷像現像用カプセル化粒子に用いることの
できる絶縁性樹脂としては、本発明の目的を損なわない
ものであれば特に制限なく使用することができる。具体
的には、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ま
たはスチレンブタジエン樹脂のようなビニル系の共重合
体樹脂、さらに、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブ
チラール樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂等
を挙げることができるが、これらの中でもビニル系の共
重合体樹脂、あるいはポリエステル樹脂が好ましい。
【0013】本発明のカプセル化粒子に用いられる絶縁
性樹脂は酸性基を有することが好ましい。酸性基として
は、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基、硫酸基な
どがあり、これらの中でもカルボキシル基を含有するこ
とが好ましい。より具体的には、カルボキシル基を有す
るモノマーを重合したスチレン(メタ)アクリル酸系樹
脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。このような、酸
性基を含有するスチレン(メタ)アクリル系樹脂は、ス
チレン系モノマーを必須成分として、酸性基を含有した
重合性単量体類とその他の重合性ビニル単量体をラジカ
ル重合させて得ることができる。
【0014】(A)スチレン系モノマーとしては、スチ
レン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチ
ルスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。
【0015】(B)酸性基を含有する重合性単量体類と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モ
ノブチル、マレイン酸モノブチル、アシッドホスホオキ
シエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピ
ルメタクリレート、3−クロロー2−アクリルアミドー
2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチルメタ
クリレート等が挙げられる。
【0016】(C)その他の重合性単量体類としては、
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソア
ミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル
もしくはアクリル酸ドデシル、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニル、アルファクロルアクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オク
チル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メ
タクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸フェニル、
アルファクロルメタクリル酸メチル、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチ
ルイソプロペニルケトン、N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドン、等を挙げることができる。
【0017】酸性基を含有するスチレン−(メタ)アク
リル酸エステルの共重合体の製造方法としては通常の重
合方法を採ることが可能で、溶液重合、懸濁重合、塊状
重合等、重合触媒の存在下に重合反応を行う方法が挙げ
られる。
【0018】重合触媒としては、例えば、2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイル
パーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパー
オキシベンゾエート等が挙げられ、その使用量はビニル
モノマー成分の0.1〜10.0重量%が好ましい。
【0019】上記のスチレン(メタ)アクリル系樹脂
は、そのままでも使用できるが、必要に応じて樹脂の一
部を架橋しても良い。このような架橋を行うことによっ
て、電子写真現像装置内でのカプセル化粒子同士、ある
いはカプセル化粒子とキャリア粒子との摩擦や衝突によ
り、カプセル化粒子の被膜が破壊されることがない。
【0020】上記絶縁性樹脂を架橋させる方法として
は、金属微粒子をカプセル化した後、樹脂中の官能基と
架橋剤との反応により行うことが好ましい。例えば、樹
脂の官能基がカルボキシル基である場合には、カルボキ
シル基と反応して樹脂を架橋させる架橋剤として、アミ
ノプラスト樹脂、1分子中にグリシジル基を平均2個以
上有する化合物、1分子中に1,3−ジオキソラン−2
−オン−4−イル基を平均2個以上有する化合物、1分
子中にカルボジイミド基を平均2個以上有する化合物
(例えば、カルボジライト;日清紡(製)のカルボジイ
ミド基含有架橋剤)、1分子中にオキサゾリン基を平均
2個以上有する化合物、金属キレート化合物等が挙げら
れる。また、樹脂の官能基が水酸基である場合には、こ
れと反応する架橋剤としては、例えば、アミノプラスト
樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソ
シアネート樹脂等が挙げられる。
【0021】上記架橋剤と反応するカルボキシル基を絶
縁性樹脂に導入する方法としては、前記の(B)成分を
(A)成分と、更に必要に応じて(C)成分と共重合す
ればよく、官能基が水酸基である場合には、官能基とし
て水酸基を有する重合性単量体を前記の(A)、(B)
成分と共に、更に必要に応じて(C)成分と共に共重合
させることにより容易に製造することができる。
【0022】水酸基を有する重合性単量体としては、例
えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、「プラクセル F
M−2」や「プラクセル FA−2」(ダイセル化学工
業株式会社製)等のラクトン化合物を付加した(メタ)
アクリル系モノマー類;ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレートモノマー類、ポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレートモノマー類、ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエー
テルなどが挙げられる。
【0023】絶縁性樹脂を架橋する場合の好ましい例
は、官能基としてカルボキシル基を含有する樹脂と一分
子中に平均2個以上のグリシジル基を有する化合物の組
み合わせである。一分子中に平均2個以上のグリシジル
基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水
添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型などの如きフェノール類のグリシジルエーテル
類;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グ
リセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレンジグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ソルビ
トールポリグリシジルエーテルの如き各種グリコールや
ポリオールのグリシジルエーテル類;アジピン酸ジグリ
シジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル等の如
きグリシジルエステル類;グリシジル(メタ)アクリレ
ートなどのグリシジル基を有する重合性モノマーを共重
合したビニル系共重合体;エポキシ化ポリブタジエン;
ジグリシジルアニリン、トリグリシジルパラアミノフェ
ノール、トリグリシジルメタアミノフェノール、テトラ
グリシジルアミノジフェニルメタン如きグリシジルアミ
ン化合物、等が挙げられる。
【0024】本発明において、絶縁性樹脂と架橋剤との
反応を低温で行う必要があるときは、比較的低温の条件
下でカルボキシル基と反応することができる架橋剤を使
用することが好ましい。そのような架橋剤として好まし
い化合物の例としては、下記一般式(1)および(2)
で表されるグリシジル基を有するグリシジルアミン化合
物がある。 一般式(1)
【0025】
【化1】 一般式(2)
【0026】
【化2】 (上記一般式(1)(2)中、R及びRは、水素原
子、炭素原子数1〜4のアルキル基、置換基を有してい
ても良い芳香環基又は脂環基を表わし、Rは炭素原子
数1〜4のアルキル基を表わす。)
【0027】上記の構造を有する架橋剤としては、例え
ば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシ
レンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルア
ミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルベ
ンジルアミン、N,N−ジグリシジル−α−フェニルエ
チルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルイ
ソフォロンジアミン、等が挙げられる。
【0028】絶縁性樹脂と架橋剤とを反応させる場合の
反応割合は特に制限されるものではないが、官能基がカ
ルボキシル基である場合を例にとれば、カルボキシル基
1.0当量に対して、グリシジル基が0.001〜1.
0当量の範囲となる量のグリシジル基を有する化合物を
用いることが好ましく、カルボキシル基1.0当量に対
するグリシジル基の量が0.001当量よりも少ない場
合、高分子量化又は架橋が不十分になり好ましくない。
【0029】架橋剤としてグリシジルアミン化合物及び
その他のグリシジル基含有化合物を使用する場合、2−
メチルイミダゾールなどの公知の触媒を使用したり、グ
リシジル基の一部にジブチルアミンなどの第二級モノア
ミン等を付加して、グリシジル基含有化合物に自己触媒
能を付与する方法なども採用できる。
【0030】スチレン(メタ)アクリル系樹脂の酸価は
10〜150が好ましく、酸価20〜100がより好ま
しく、酸価20〜80がさらに好ましい。酸価が10よ
り低いと所期の帯電量が得られない。更に、絶縁性樹脂
中のカルボキシル基を利用して架橋反応を行う場合、樹
脂の高分子量化が進まず、あるいは架橋密度が低下する
ので好ましくない。また、酸価が150よりも高いとカ
プセル化粒子の吸湿性が高くなり好ましくない。
【0031】本発明に用いられるスチレン(メタ)アク
リル系樹脂は、DSC(示差走査熱量計)で測定したガ
ラス転移温度が50℃以上であることが好ましく、60
℃以上110℃以下の範囲がさらに好ましい。ガラス転
移温度が50℃よりも低い場合には得られるカプセル化
粒子の熱安定性が悪くなる傾向にあり好ましくない。
【0032】スチレン(メタ)アクリル系樹脂の架橋反
応前におけるTHF可溶分の重量平均分子量(ポリスチ
レン換算ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測
定した値)は5,000〜300,000の範囲が好ま
しく、20,000〜150,000の範囲がより好ま
しい。重量平均分子量が5,000よりも小さいと、架
橋反応が十分に進行せず、樹脂強度が不足する傾向にあ
るため好ましくない。また、重量平均分子量が300,
000よりも大きいと、カプセル化が進行しにくくなる
ため好ましくない。
【0033】また、上記スチレン(メタ)アクリル系樹
脂は必要に応じて、重量平均分子量が異なる樹脂をブレ
ンドした系であっても良い。例えば、低分子量樹脂とし
て重量平均分子量5,000〜10,000の低分子量
樹脂と重量平均分子量100,000〜300,000
の樹脂を5/95〜95/5の割合でブレンドすること
によりカプセル化粒子を製造する際に、分散が容易にな
り粒度分布が向上する。また、金属微粒子を被覆する樹
脂の膜厚の制御が容易になる。
【0034】また、本発明では、絶縁性樹脂として多価
アルコールと、多塩基酸又はそのエステル誘導体とを反
応させたポリエステル樹脂も好適に使用できる。
【0035】多塩基酸としては、例えばテレフタル酸、
イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カ
ルボン酸類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、
アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カル
ボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カ
ルボン酸類が挙げられる。これらの多塩基酸を1種又は
2種以上用いることができる。また、スルホイソフタル
酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、スルホサリ
チル酸、スルホコハク酸、前記スルホ酸のアルキルエス
テル、またはナトリウム塩等の併用も適宜挙げられる。
【0036】多価アルコールの例としては、例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリ
セリンなどの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノール
Aなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオ
キサイド付加物などの芳香族系ジオール類が挙げられ
る。これらの多価アルコールの1種又は2種以上用いる
ことができる。
【0037】ポリエステル樹脂のガラス転移温度は50
℃以上、より好ましくは60℃以上である。50℃未満
であると耐熱性が不十分となり好ましくない。
【0038】ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の含
有量は、上記の多塩基酸と多価アルコールの配合比及び
反応率を制御することにより、ポリエステル樹脂の末端
に存在するカルボキシル基の数を調整することができ
る。あるいは多塩基酸成分として無水トリメリット酸を
使用することにより、ポリエステル樹脂の主鎖中にカル
ボキシル基を有する分岐型の樹脂が得られる。ポリエス
テル樹脂の酸価は1〜30が好適であり、2〜20の範
囲であることがより好ましい。この範囲の酸価をもつポ
リエステル樹脂を用いることによって、静電荷像現像用
カプセル化粒子として好適な帯電量を容易に得ることが
出来る。
【0039】ポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平
均分子量(ポリスチレン換算ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーで測定した値)は3,000〜200,
000の範囲が好ましく、5,000〜100,000
の範囲がより好ましい。重量平均分子量が3,000よ
りも小さい場合、架橋反応が十分に進行せず、樹脂強度
が不足する傾向にあるため好ましくない。また、重量平
均分子量が200,000よりも大きい場合カプセル化
が難くなるので好ましくない。
【0040】前記ポリエステル樹脂は、直鎖、分岐、架
橋樹脂のいずれのタイプでも使用できる。ここで、テト
ラヒドロフランに可溶で3官能以上の多価カルボン酸あ
るいは多価アルコールを用いたものを分岐樹脂、用いな
いものを直鎖樹脂という。また、テトラヒドロフランに
不溶の部分を有する樹脂を架橋樹脂という。また、必要
に応じて絶縁性樹脂の一部をカプセル化粒子形成後に架
橋しても良い。カプセル化粒子形成後にポリエステル樹
脂を架橋させるためには、前記のスチレン(メタ)アク
リル樹脂を架橋させる手段の説明の箇所に記載した各種
グリシジル化合物やカルボジイミド基を有する架橋剤が
使用できる。
【0041】また、上記ポリエステル樹脂は必要に応じ
て、重量平均分子量が異なる樹脂をブレンドした系であ
っても良い。例えば、低分子量樹脂として重量平均分子
量3,000〜10,000の低分子量樹脂と重量平均
分子量100,000〜200,000の樹脂を5/9
5〜95/5の割合でブレンドすることによりカプセル
化粒子を製造する際に、分散が容易になり粒度分布が向
上する。また、金属微粒子を被覆する樹脂の膜厚の制御
が容易になる。
【0042】本発明で使用できる金属微粒子としては、
20℃における比電気抵抗が1×10−4Ω・cm以下
の金属を主成分とする金属微粒子が好適に使用される。
金属の例としては、金、白金、パラジウム、銀、ルテニ
ウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム等の貴金属及
びこれらの貴金属を50重量%以上含有する貴金属合
金、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、鉛、アルミニウ
ム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ジルコニ
ウム、モリブデン、インジウム、アンチモン、タングス
テン等の卑金属、及びこれらの貴金属と卑金属の合金な
どがあげられる。
【0043】電子回路用の導電性配線パターンを形成す
る金属微粒子として、特に好ましい金属は、銅、銀、
金、ニッケル、タングステン、白金、パラジウム、ルテ
リウム、モリブデンの中から選ばれる少なくとも一つの
金属であるが、この他にも、比電気抵抗が9×10−6
Ω・cm以下の金属を主成分としたものが、導電性パタ
ーン形成用の金属微粒子として、特に好ましい。これら
の金属は表面が酸化されていても良い。酸化物が還元さ
れる条件下で配線パターンの焼結を行うことも可能であ
り、金属酸化物も導電性配線パターン形成用の材料とし
て特に問題なく使用することができる。
【0044】金属微粒子の形状は、長軸平均径/短軸平
均径の比が1.5以下、さらに好ましくは1.2以下
で、その平均円形度が0.95以上、さらに好ましくは
0.97以上、最も好ましくは0.98以上の略球形あ
るいは球形であることが好ましい。金属微粒子の形状が
針状、紡錘状、あるいはその他の異型の粒子だと、カプ
セル化が十分に行われない粒子が生成する可能性があ
り、また、カプセル化されたとしても、焼結後の平滑
性、緻密性が損なわれるため好ましくない。
【0045】本発明のカプセル化粒子においては金属微
粒子が完全に絶縁性樹脂中に包含され、粒子の表面に露
出していない方が好ましい。金属微粒子がカプセル化粒
子の表面に露出することなく、絶縁性樹脂で均一に被覆
するためには、金属微粒子表面に極性基を導入してから
カプセル化を行うことが好ましい。特に、絶縁性樹脂と
して酸性基含有樹脂を用いる場合には、酸性基と酸−塩
基反応を起こす含窒素化合物を用いて金属微粒子を処理
することにより金属微粒子表面を濡れやすくすることが
効果的であり、それにより少ない樹脂量で金属微粒子を
露出させることなく、均一な樹脂被膜を形成することが
できる。
【0046】金属微粒子の表面処理剤として好適に用い
られるものとしては、例えば、含窒素シランカップリン
グ剤として、アミノシランカップリング剤として、N−
β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ―アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ―アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン等
が挙げられる。また、アルミニュウムカップリング剤と
しては、γ−アミノプロピルトリメトキシアルミニュウ
ム、γ−アミノプロピルトリエトキシアルミニュウム、
γ−アミノプロピルジメトキシメチルアルミニュウム等
が挙げられる。また、チタンカップリング剤としては、
γ−アミノプロピルトリメトキシチタン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシチタン、γ−アミノプロピルジメト
キシメチルチタン等が挙げられる。
【0047】上記表面処理剤で金属微粒子の表面を処理
する方法としては、例えば一定比率の水、イソプロピル
アルコール、アミノシランカップリング剤を60〜90
分間処理して、アミノシランカップリング剤の加水分解
を行った後、金属微粒子と混合して、12〜24時間浸
漬させて、金属微粒子表面にアミノシランを吸着させ、
120℃で2時間程度の脱水縮合を行えばよい。
【0048】金属微粒子の体積平均粒径としては、得ら
れるカプセル化粒子よりも小さい粒径であることが必要
であり、カプセル化粒子の1/2〜1/100であるこ
とが好ましい。より具体的には、導電性パターンの平滑
性、緻密性を確保するために、0.1μm〜6μmの範
囲が好ましく、0.5〜4μmの範囲がさらに好適であ
る。金属微粒子等の微粒子の粒径測定は、マイクロトラ
ック・ウルトラフアインパーチクルアナライザーやコー
ルターマルチサイザーなどを使用して行うことができ
る。
【0049】更に、本発明の静電荷像現像用カプセル化
粒子においては、カプセル化粒子の全重量に対する絶縁
性樹脂の重量割合が20%以下であることが好ましい。
樹脂量が多いと、現像された配線パターンを焼結する際
に、樹脂が燃焼して消失した跡に大きな空間が生じて、
導通路に小孔が発生したり、導通路の欠損を生じたりす
ることになる。その結果、導通回路の抵抗値が高くなっ
たり、導通不良となったりすることになる。導通路に小
孔や欠損が生じないようにするためには、樹脂量が20
%以下であることが必要である。好ましくは15%以下
である。
【0050】本発明の、金属微粒子を絶縁性樹脂で被覆
したカプセル化粒子は必要に応じてその他の添加剤を内
包あるいは外添してもよい。例えば、静電印刷法による
乾式現像剤に通常用いられるような帯電制御剤や離
型剤(ワックス等)を本発明のカプセル化粒子中に含有
させることや、ガラスフリットや疎水性シリカ、酸
化チタン等の無機微粒子、あるいは有機微粒子等を添加
してもよい。
【0051】帯電制御剤としては、例えばニグロシン
系染料、四級アンモニウム塩、Cr含金染料、Zn含金
染料、Fe含金染料、Zr含金染料、モリブデン酸キレ
ート染料、フッ素変成4級アンモニウム塩等が帯電極性
に応じて適宜選択して用いられる。
【0052】ワックスとしては、例えばポリプロピレ
ンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワック
ス、サゾールワックス、エステルワックス等が挙げら
れ、非磁性1成分現像装置における規制部材(ブレー
ド)や現像剤担持体(現像ローラ)等に対するカプセル
化粒子の固着の問題を低減させる効果がある。
【0053】ガラスフリットは、内包、もしくは外添
され、絶縁性無機質基体上に印刷された配線パターンを
焼結する際に、該基体上にカプセル化粒子中の金属微粒
子等を焼き付ける役割を果たすものであり、焼結時に溶
解あるいは半溶解状態となり、室温に冷却されると完全
に固化し、金属等を該基体上に固定化する効果がある。
【0054】疎水性シリカ、酸化チタン等の無機微粒
子、あるいは有機微粒子などは、カプセル化粒子に外添
され、静電印刷法による乾式現像剤として用いる場合に
流動性や帯電性等の物理的特性を改良する効果がある。
本発明で用いることのできる外添剤としては、例えば二
酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミ、酸化セリウム、酸
化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機微粉体及び
それらをシリコーンオイル、シランカップリング剤など
の疎水化処理剤で表面処理したもの、ポリスチレン、ア
クリル、スチレンアクリル、ポリエステル、ポリオレフ
ィン、セルロース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、
メラミン、ナイロン、シリコン、フェノール、フッ化ビ
ニリデン等の樹脂微粉体等が用いられる。
【0055】これらの中でも各種のポリオルガノシロキ
サンやヘキサメチレンジシラザンやシランカップリング
剤等で表面を疎水化処理した二酸化珪素(シリカ)が特
に好適に用いることができる。そのようなものとして、
例えば、次のような商品名で市販されているものがあ
る。
【0056】AEROSIL R972,R974,R
202,R805,R812,RX200,RY20
0、 R809,RX50,RA200HS,RA20
0H〔日本アエロジル(株)〕 WACKER HDK H2000、H1018、
H2050EP、HDK H3050EP、HVK21
50〔ワッカーケミカルズイーストアジア(株)〕 Nipsil SS−10、SS−15,SS−2
0,SS−50,SS−60,SS−100、SS−5
0B,SS−50F,SS−10F、SS−40、SS
−70,SS−72F、〔日本シリカ工業(株)〕 CABOSIL TG820F、TS−530、TS
−720〔キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ
・インク〕 外添剤の粒子径はカプセル化粒子の直径の1/3以下で
あることが望ましく、特に好適には1/10以下であ
る。また、これらの外添剤は、異なる平均粒子径の2種
以上を併用してもよい。
【0057】特に非磁性一成分現像方式に本発明の静電
荷像現像用カプセル化粒子を用いる場合においては、粒
子径大のものと粒子径小のものとを併用することによ
り、カプセル化粒子の流動性及び現像耐久性を向上さ
せ、現像機のブレードへの固着及びカブリの防止、ラン
ニング時における帯電の長期安定性等が得られ、好まし
い。外添剤の使用割合はカプセル化粒子100重量部に
対して、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重
量%である。外添方法は、公知慣用の機種を用いて処理
される。例えば、ヘンシェルミキサー、あるいはスーパ
ーヘンシェルミキサー、ハイブリダイザー等が挙げられ
る。
【0058】本発明の静電荷像現像用カプセル化粒子
は、特定の製造方法によらず極めて一般的な製造方法に
依って得る事ができるが、例えば樹脂と着色剤と帯電制
御剤とを、樹脂の融点(軟化点)以上で溶融混練した
後、粉砕し、分級することにより得ることが出来る。
【0059】具体的には例えば、上記の絶縁性樹脂と金
属微粒子を2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又
は2軸押し出し機等の混練手段により混合する。この
際、絶縁性樹脂中に、金属微粒子等が均一に分散すれば
よく、その溶融混練の条件は特に限定されるものではな
いが、通常80〜180゜Cで30秒〜2時間である。
【0060】次いで、それを冷却後、ジェットミル等の
粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級するという
方法が挙げられる。このような製造方法を粉砕法による
製造方法という。必要に応じて、この様にして得られた
カプセル化粒子に対して、外添剤をヘンシェルミキサー
等の混合機により添加される。
【0061】本発明の静電荷像現像用カプセル化粒子の
体積平均粒径は0.5〜15μmの範囲であることが好
ましく、2〜10μmの範囲であることがより好まし
い。特に体積平均粒径が2〜8μmの範囲であること
が、高精細で緻密な配線パターンの現像が可能となり好
ましい。
【0062】また、粒径分布としては、(50%体積平
均粒径/50%個数平均粒径)が1.25以下、より好
ましくは1.20以下、さらに好ましくは1.15以下
であり、かつ(84%体積粒径/16%体積粒径)の平
方根(以下GSDと略記する)が1.30以下、より好
ましくは1.25以下、さらに好ましくは1.20以下
の粒度分布を有することが良好な帯電性を発現し、カブ
リのない高品質な印刷画像を形成するために必要であ
る。またこのような鋭い粒度分布を満たすことにより、
カプセル化粒子が、隙間なく高密度に配列することが可
能となるため、抵抗値の低い導電パターンの形成に有利
となる。なお本発明の粒径分布の測定は、コールターマ
ルチサイザー2型を用いて行った。
【0063】なお、(50%体積平均粒径/50%個数
平均粒径)の値は、平均粒径より小さい粒径の微粒子が
多く存在すると分母が小さくなり、結果として値は大き
くなる。一方、(84%体積平均粒径/16%体積平均
粒径)の値は、平均粒径より大きな粒径の粗大粒子が多
く存在すると分子が大きくなり、結果として値は大きく
なる。いずれも数値が1に近いほど粒度分布がシャープ
であることをしめしており、数値が1に近いほど現像時
にカプセル化粒子が最密充填される。
【0064】本発明では、カプセル化粒子の表面をシリ
コーンオイルで処理する。本発明で使用するシリコーン
オイルの例としては、メチルフェニルシリコーンオイ
ル、ジメチルシリコーンオイルが好適であるが、帯電性
に応じて種々の官能基で変性したいわゆる変性シリコー
ンオイルも用いることができる。変性シリコーンオイル
の例としては、アルキル変性シリコーンオイル、メチル
スチレンまたはオレフィン変性シリコーンオイル、ポリ
エーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコ
ーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、クロロフェ
ニルシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイ
ル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性
シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、
カルナバ変性シリコーンオイル、アミド変性シリコーン
オイル等が挙げられる。
【0065】特に、本発明の静電荷像現像用カプセル化
粒子を正帯電性のカプセル化粒子とする場合には、カプ
セル化粒子の表面を処理するシリコーンオイルとして
は、窒素原子を含有するシリコーンオイルを用いること
が好ましい。一般的に窒素原子を含有する基としては、
アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、アミド基、イミノ
基、イミド基等があり、窒素原子を含有するシリコーン
オイルとは、これらのいずれかの基がシリコーンオイル
の主鎖に結合したもの、あるいは主鎖の構成成分として
主鎖中に取り込まれたものである。中でも窒素原子を含
有するシリコーンオイルとしては、アミノ基を含有する
アミノ変性シリコーンオイルであることが好ましい。そ
のようなシリコーンオイルの市販品としては以下のもの
がある。
【0066】KF−8010、X−22−161A、X
−22−161B、X−22−1660B−3、KF−
8008、KF−8012、KF−393、KF−85
9、KF−860、KF−861、KF−867、KF
−869、KF−880、KF−8002、KF−80
04、KF−8005、KF−858、KF−864、
KF865、KF−868、KF−8003、KF−8
57、KF−862、KF8001(以上、信越化学工
業(株)製)等がある。
【0067】これらのシリコーンオイルは単独でも用い
ることができるが、カプセル化粒子の電気特性や流動性
などの特性を所望のレベルに調整するために、場合によ
って、2種以上を混合して用いることが可能である。本
発明に使用するシリコーンオイルは、25℃における粘
度が、1〜10000センチストークスであることが好
ましい。また、10〜6000センチストークスである
ことがより好ましく、30〜3000センチストークス
であることが特に好ましい。シリコーンオイルの粘性が
10000センチストークスを越えると、直接カプセル
化粒子に添加した場合、偏在が発生しやすくなるので好
ましくない。
【0068】本発明において、カプセル化粒子の表面に
付着させるシリコーンオイルの量は、カプセル化粒子1
00重量部に対して、0.001〜0.5重量部である
ことが好ましい。また、0.001〜0.2重量部であ
ることがより好ましく、0.001〜0.1重量部であ
ることが特に好ましい。シリコーンオイルの量が0.0
01重量部未満であると本発明の効果が得られず、0.
5重量部を越えると流動性が悪くなり好ましくない。
【0069】本発明において、カプセル化粒子の表面を
シリコーンオイルにて表面処理する方法としては、ヘン
シェルミキサーなどの粉体混合機中に表面処理を行う粒
子、及びシリコーンオイルを投入して、両者を攪拌混合
することによりカプセル化粒子の表面に前記シリコーン
オイルを塗布する方法や、粉体混合機中にカプセル化粒
子を投入して、撹拌しながら、スプレー等でシリコーン
オイルを噴霧して塗布する方法等で表面処理する方法が
ある。
【0070】本発明の静電荷像現像用カプセル化粒子
は、上記の如くカプセル化粒子の表面にシリコーンオイ
ルを塗布した後に、前記の外添剤をカプセル化粒子の表
面に付着させて製造することができるが、シリコーンオ
イルを塗布する工程と外添剤を付着させる工程の順を逆
にして、カプセル化粒子表面に外添剤を付着させてから
窒素原子を含有するシリコーンオイルを塗布する順で製
造を行う方がより好ましい。そうすることによりカプセ
ル化粒子表面と外添剤の粒子表面が同一の化学組成のシ
リコーンオイルで塗布されることになり、帯電特性がよ
り安定する。
【0071】シリコーンオイルで表面処理された本発明
の静電荷像現像用カプセル化粒子は、安定した帯電性能
を示す。特に、キャリアと混合して初期投入用の現像剤
として使用した場合、帯電の立ち上がり特性に優れ、初
期印字段階でのカブリを大幅に低下させることができる
等、長期にわたり安定した画像が得られる。
【0072】ところで、本発明の静電荷像現像用カプセ
ル化粒子を上記の粉砕法により行うと、カプセル化粒子
の形状は突起部と面を有する不定形の粒子形状となる。
本発明における静電荷像現像用カプセル化粒子の形状
は、次式、(平均円形度=(粒子投影面積と同じ面積の
円の周長)/(粒子投影像の周長))で定義される平均
円形度が、0.97以上の球形あるいは略球形の形状で
あることが好ましく、より好ましくは0.98以上であ
る。平均円形度が0.97以上であることによりカプセ
ル化粒子の流動性が向上する。したがって、非磁性一成
分現像剤として用いた場合、現像スリーブ上にムラの無
い、均一なカプセル化粒子の層を形成することができ、
多数枚の印刷においても欠陥のない配線パターンの印刷
を行うことができる。また、平均円形度が0.98以上
であり、真球形に近いほど配線パターン中のカプセル化
粒子の充填が緻密になり、焼結後に平滑かつ緻密な導通
路を形成することができる。
【0073】また、円形度が0.98〜1.00の範囲
に含まれるカプセル化粒子の個数が80個数%以上であ
り、円形度0.95以下の範囲に含まれる個数が6個数
%以下であることが好ましい。平均円形度はカプセル化
粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を撮影し、それ
を測定して計算することによっても求めることができる
が、本発明では「東亜医用電子(株)製フロー式粒子像
分析装置FPIP−1000」により測定される値を平
均円形度とする。
【0074】ところで、金属微粒子を含有するカプセル
化粒子は、比重が高く、現像装置に充填したときに、粒
子相互間の接触面にかかる力が大きい。そのため、その
ようなカプセル化粒子は、現像装置内において流動性不
良や、流動性不良に基づく帯電不良を発生し易いのであ
るが、本発明の静電荷像現像用カプセル化粒子を真球に
近い形とすることによって、そのような不都合は起こら
なくなる。また、略球形あるいは球形にすることによっ
て、カプセル化粒子をキャリアと混合して二成分現像剤
を作製して、新規なカプセル化粒子の補給を繰り返しな
がら長時間の印刷に用いた場合においても、補給された
カプセル化粒子は瞬時にキャリアと混合されるため印刷
画像の品質を損なうことがない。
【0075】また、略球形あるいは球形にすることによ
り、例えば、酸性基を有する樹脂粒子、酸性基を有する
樹脂中に帯電制御剤を含有せしめた樹脂粒子、あるいは
静電荷像現像用カプセル化粒子に用いられる通常のシリ
カ、アルミナ等の無機化合物をカプセル化粒子の表面に
均一に付着または固着させることが可能となる。その結
果、帯電の立ち上がりが良好な、摩擦帯電特性の優れた
静電荷像現像剤を得ることができる。
【0076】更に、絶縁性無機質基体上に現像された際
にカプセル化粒子同士が最密充填された状態で配線パタ
ーンを形成することができる。そうすることにより、印
刷された配線パターンを焼結して絶縁性樹脂を完全に燃
焼させた際に、カプセル化粒子中に包含されていた金属
微粒子が最密充填して、空隙や欠陥等のない高精度、か
つ低抵抗の導電性パターンを形成することが可能とな
る。
【0077】略球形あるいは球形の静電荷像現像用カプ
セル化粒子を製造するための、より具体的な方法として
は、例えば、 金属微粒子と酸性基を含有する絶縁性樹脂と、更
に、有機溶剤の混合物を、塩基の存在下に水性媒体中に
乳化して、カプセル化粒子を形成する方法。 酸性基を含有する絶縁性樹脂と金属微粒子の溶融混
練物を絶縁性樹脂の軟化点以上に加熱して、更に加圧し
た状態で、塩基の存在下にて水性媒体中に機械的な攪拌
手段を用いて乳化させてカプセル化粒子を形成する方
法。 等を挙げることができる。金属微粒子を絶縁性樹脂によ
りカプセル化して金属微粒子を完全に被覆するために
は、上記の製造方法のいずれも使用することができる
が、本発明の静電荷像現像用カプセル化粒子を製造する
方法としてはが特に好ましい。の製造方法によれば
カプセル化粒子を生成する際に機械的な攪拌手段による
高いシェアがかからないので、製造されるカプセル化粒
子の粒径がより均一となる。
【0078】このような製造方法に用いる絶縁性樹脂の
酸価は10〜150が好ましく、酸価20〜100がよ
り好ましく、酸価20〜80がさらに好ましい。酸価が
10より低いと所期の帯電量が得られず、また、水性媒
体への分散性が低下してカプセル化粒子を製造する上で
支障が生じる。また、酸価が150よりも高いとカプセ
ル化粒子の吸湿性が高くなり好ましくない。上記の範囲
の酸価を有する絶縁性樹脂を本発明では自己水分散性樹
脂という。
【0079】の製造方法によりカプセル化粒子を製造
するには、酸性基を含有する絶縁性樹脂(自己水分散性
樹脂)を有機溶剤中に溶解し、それに金属微粒子を加
え、デスパ(分散攪拌機)、ボールミル、ビーズミル、
サンドミル、連続式ビーズミル等の一般的な混合機・分
散機を使用することにより、金属微粒子が樹脂溶液中に
微分散した混合物を製造する。次いで、塩基性中和剤の
存在下に水性媒体と混合することにより前記混合物を乳
化させ、更に減圧下で有機溶剤を除去し、前記金属微粒
子が樹脂によって被覆されたカプセル化粒子の水性媒体
(懸濁液)を製造する。その後、前記金属微粒子が樹脂
により被覆されたカプセル化粒子を水性媒体から分離し
て乾燥することによりカプセル化粒子の乾燥粉体を得る
ことができる。
【0080】金属微粒子と自己水分散性樹脂と有機溶剤
との混合物は、金属微粒子の粒径が3μm以上であれ
ば、自己水分散性樹脂の有機溶剤溶液に金属微粒子を混
合し、攪拌翼により混合することで分散することが可能
である。一方、金属微粒子の粒径が1μm以下の場合に
は凝集性が強くなるので、さらにこれを湿式で混練して
上記混合物を得るようにすることが好ましい。
【0081】前記工程中の自己水分散性樹脂の酸性基を
塩基にて中和する方法としては、(1)予め塩基で中和
された自己水分散性樹脂を用いて、金属微粒子および有
機溶剤を含有する混合物を調製する方法、(2)自己水
分散性樹脂、金属微粒子および有機溶剤を含有する混合
物を調製した後、塩基で中和する方法、(3)水性媒体
中に中和剤を混合しておき、その中へ自己水分散性樹脂
及び金属微粒子を投入する方法、等が挙げられる。
【0082】自己水分散性樹脂の酸性基(カルボキシル
基)を中和するために用いる塩基としては、特に制限は
なく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニアのごとき無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、イソプロピルアミンのごとき有機塩基が用い
られる。
【0083】本発明で使用される自己水分散性樹脂を溶
解させるための有機溶剤としては、以下のものを用いる
ことができる。例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、石油
エーテルのごとき炭化水素類;塩化メチレン、クロロホ
ルム、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロ
エタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素のごときハロ
ゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンのごときケトン類;酢酸エチル、
酢酸ブチルのごときエステル類、などが用いられる。こ
れらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を混合し
て用いることもできる。また、有機溶剤は、自己水分散
性樹脂を溶解し、かつ、水との親和性のある極性溶剤が
好ましい。
【0084】上記有機溶剤の中でも、水に対する溶解度
が5〜30重量%のものが好ましく、また、毒性が比較
的低く、かつその後の工程で脱溶剤し易い低沸点のもの
が好ましい。そのような溶剤としては、メチルエチルケ
トンがある。
【0085】自己水分散性樹脂と金属微粒子と必要に応
じて添加される有機溶剤との混合物を、塩基の存在下
に、水性媒体と混合して乳化する際には、転相促進剤を
添加するのが好ましい。ここで言う転相促進剤は乳化剤
や分散安定剤とは機能が異なっている。すなわち、乳化
剤や分散安定剤は、カプセル化粒子表面に吸着し、形成
された粒子同士が融着、凝集することなく、水性媒体中
において安定に分散させる機能を有するものを指してい
る。
【0086】一方、転相促進剤とは、転相促進機能を有
するものを指している。すなわち、自己水分散性樹脂と
金属微粒子と必要に応じて添加される有機溶剤との混合
物に水性媒体(水または水を主成分とする液媒体)を添
加する工程においては、前記混合物の有機連続相に水を
徐々に添加することで、Water in Oilの不
連続相が生成し、さらに水を追加して添加することで、
Oil in Waterの不連続相に転相して、水性
媒体中に前記混合物が粒子(液滴)として浮遊する懸濁
液が形成される。この時、Water in Oilの
不連続相からOil in Waterの不連続相への
転相をよりスムーズに促進させるための機能を有するも
のを指して転相促進剤と称している。
【0087】自己水分散性樹脂は転相促進剤を使用しな
くとも水性媒体中に分散することは可能である。しか
し、転相促進剤を使用することにより、平均粒子径、及
び、粒度分布等の好適なカプセル化粒子を製造すること
が容易になる。
【0088】転相促進剤としては、次のものが使用でき
る。 アルコール溶剤 金属塩化合物
【0089】アルコール溶剤としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソ
ブタノール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec
−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルなどが使用できる。勿
論、その他のものであっても使用できる。中でも好まし
いものは、水に溶解し沸点が低い、イソプロパノール、
n−プロパノールが好ましい。アルコール溶剤の使用量
は、樹脂固形分100重量部当たり、概ね、10〜50
重量部程度であるが、勿論、この量に限定されるもので
はない。
【0090】金属塩化合物としては、公知慣用のものが
使用できるが、2価以上の金属塩で水に溶解するものが
好ましい。例えば、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩
化第一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、など
が挙げられる。金属塩化合物の使用量は、樹脂固形分1
00重量部当たり、概ね、0.01〜3重量部程度であ
るが、勿論、この量に限定されるものではない。
【0091】金属微粒子と自己水分散性樹脂を水性媒体
中に分散させるにときに、ホモミクサー(特殊機化工業
株式会社)、あるいはスラッシャー(三井鉱山株式会
社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイク
ロフルイダイザー(みづほ工業株式会社)、マントン・
ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザー
(ナノマイザー株式会社)、スタテイックミキサー(ノ
リタケカンパニー)などの高シェアー乳化分散機機や連
続式乳化分散機等も使用できる。
【0092】しかしながら転相促進剤を使用することに
より、低シェアによる撹拌で、高シェアによる方法で得
られるよりも粒径の均一なカプセル化粒子を得ることが
できる。低シェア撹拌の方法としては、例えば、特開平
9−114135で開示されているような攪拌装置、ア
ンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン
翼、マックスブレンド翼、半月翼等を使用して、該攪拌
翼の周速が0.2〜5m/s、より好ましくは0.5〜
4m/sの低シェアーで攪拌しながら水を滴下する方法
が好ましい。
【0093】以上の製造方法により得られる金属微粒子
を自己水分散性樹脂で被覆したカプセル化粒子の分散液
は、蒸留等の手段により先ず有機溶剤を除去してから、
該粒子を水性媒体と分離し、乾燥することによりカプセ
ル化粒子の粉末を得る。
【0094】酸性基含有の自己水分散性樹脂を塩基性の
中和剤で中和した場合においては、カプセル化粒子の形
成後、有機溶剤を除去した後、例えば塩酸、硫酸、燐
酸、酢酸、蓚酸などの酸性の中和剤で、粒子表面の塩基
性化合物で中和された親水性基をもとの官能基に戻す逆
中和処理を行い、粒子表面の官能基の親水性をより低下
させてから乾燥して粉末にするという方法を採用するこ
とが好ましい。
【0095】カプセル化粒子を水性媒体から分離する方
法としては、比重差を利用した自然沈降法、あるいは遠
心力を利用した各種遠心分離機、あるいは、フィルター
プレス等の、減圧あるいは加圧による濾布濾過等により
行われる。
【0096】乾燥は、公知慣用の方法がいずれも採用で
きる。例えばカプセル化粒子が熱融着や凝集しない温度
で、常圧下又は減圧下で乾燥してもよいし、凍結乾燥を
行っても良い。連続瞬間気流式乾燥機やスプレードライ
ヤー等を用いて、乾燥を行ってもよい。以上のような乾
燥装置としては、ナウターミキサー(ホソカワミクロン
社製)、リボコーン(大河原製作所製)、フラッシュジ
ェットドライヤー等が挙げられる。
【0097】製造されたカプセル化粒子の粒度分布を整
えるため、あるいは粗大粒子や微小粒子を除去するため
の分級が必要な場合には、乾燥終了後に、一般的な気流
式分級機を用いて公知慣用の方法で分級を行うことがで
きる。また、カプセル化粒子が水性媒体中に分散してい
る段階で、粒径による沈降性の違いを利用して、カプセ
ル化粒子の水スラリーを遠心分離機により分級する方
法、あるいは液体サイクロン等を用いて分級する方法
等、で行うこともできる。粗大粒子の除去については、
カプセル化粒子の水スラリーを、フィルターや湿式振動
篩いなどで濾過することにより行うことができる。以上
のような方法で製造されたカプセル化粒子は粒径が均一
であるため、これらの分級手段を用いずに、また用いた
としてもデカンテーション程度で粒径の揃ったカプセル
化粒子を得ることができる。
【0098】本発明の静電荷像現像用カプセル化粒子
は、非磁性一成分現像剤として用いることができる。ま
た、キャリアを混合することによって二成分現像剤とす
ることができる。キャリアとしては、乾式二成分現像方
式で使用する公知慣用のものが使用できる。例えば、コ
ア材としての鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マン
ガン、クロム、希土類等の金属、及びそれらの合金又は
酸化物等の粒子に各種樹脂被覆を設けたアクリル樹脂被
覆キャリア、シリコーン樹脂被覆キャリア、フッ素樹脂
被覆キャリア、フッ素/アクリル樹脂被覆キャリア等の
各種樹脂被覆キャリアが好適に用いられる。キャリアの
平均粒径としては特に限定はないが、20〜200ミク
ロン程度のもの、さらに好ましくは40〜110μmの
範囲が好適に使用される。
【0099】本発明のカプセル化粒子は、非磁性一成分
現像剤として用いた場合に粒子個々が均一な帯電量を有
する。すなわち、本発明のカプセル化粒子は帯電付与ブ
レードとこれに接した現像ローラ間を通過するときに、
それらに接触せずにすり抜けたり、また逆に過大な抵抗
を受けてブレードに付着したりする粒子がなく、どの粒
子も一様に摩擦帯電される。したがって帯電不良による
カブリが発生したり、付着の生じた帯電付与ブレードに
よる現像不良が発生する事がない。また二成分現像剤と
して用いたときも、流動性が良いためキャリアと均一に
混合し易く、帯電の均一性に優れている。この結果、カ
ブリ、現像剤飛散、現像抜け等が発生しない。
【0100】本発明のカプセル化粒子を用いて、絶縁性
無機質基体上に電子回路用の導電性配線パターンを形成
するには、前記カプセル化粒子を静電荷像現像用の現像
剤として用いて、絶縁性無機質基体上に電子写真法によ
り配線パターンを印刷する。その後、前記配線パターン
を焼結して金属の導電性配線パターンを作製する。
【0101】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
本実施例・比較例では、特に表示がない限り部は重量
部、水は脱イオン水の意である。
【0102】(絶縁性樹脂の合成例1)メチルエチルケ
トン114部、イソプロピルアルコール12部及び水2
4部を反応容器に入れ、80℃に加熱した後、以下に示
した割合の混合物を、窒素気流中で、一括して仕込み、
反応を開始した。 アクリル酸 54.0部 スチレン 364.8部 アクリル酸ブチル 181.2部 「パーブチルO」 0.6部
【0103】反応開始3時間経過後から1時間おきに、
反応樹脂溶液の約10部をサンプリングし、同量のメチ
ルエチルケトンで希釈し、ガードナー粘度計で粘度を測
定した。粘度がM−Nとなる時点で、メチルエチルケト
ン567部及びイソプロピルアルコール63部から成る
混合溶剤を添加した。この時のモノマー残存率をガスク
ロマトグラフィーにより定量して重合率を計算すると5
1%であった。反応溶液の温度を80℃に加熱した後、
以下に示した割合の混合物を1時間かけて滴下した。 アクリル酸 54.0部 スチレン 456.6部 アクリル酸ブチル 89.4部 「パーブチルO」 18.0部
【0104】滴下終了後、3時間ごとに3回「パーブチ
ルO」(日本油脂製触媒)2部を添加し、さらに4時間
反応を継続した。反応終了後、この樹脂溶液を加熱して
脱溶剤を行い固形状の樹脂を得た。この樹脂は2山の分
子量分布をもち、その重量平均分子量は110、000
(ポリスチレン換算ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーで測定した値)であり、また、この2山をピーク
の境目で区切ると、重量平均分子量が35,000と3
60,000の2つの部分に分割でき、その比が78対
22であった。この樹脂の酸価は70、ガラス転移温度
は60℃であった。以下、この樹脂をR−1と略記す
る。
【0105】(絶縁性樹脂の合成例2)メチルエチルケ
トン450部を反応容器に入れ、80℃に加熱した後、
以下に示した割合の混合物を、窒素気流中で、2時間に
わたり滴下し、反応を行った。 アクリル酸 9.0部 スチレン 282.0部 アクリル酸ブチル 9.0部 「パーブチルO」 15.0部 ついで、滴下終了してから、3時間毎に3回パーブチル
Oの3部を添加し、さらに4時間反応を継続した。その
後、脱溶剤を行い、固形樹脂を得た。この樹脂のガラス
転移温度は60℃、重量平均分子量は5100,酸価は
19であった。以下、この樹脂をR−2と略記する。
【0106】(金属微粒子の表面処理方法D−1)金属
微粒子を、熱風乾燥機に仕込み、100℃で30分間加
熱処理することで金属微粒子表面の酸化処理を行う。次
に水/イソプロピルアルコール/アミノシランカップリ
ング剤(SH6020)(東レダウコーニング社製)を
93/5/2の重量比で調整し、90分間放置してシラ
ンカップリング剤の加水分解を行う。この後、アミノシ
ラン加水分解溶液と同量の金属微粒子を仕込み、18h
浸漬し、金属微粒子表面にアミノシランを吸着させる。
浸漬終了後、吸引濾過等により固液分離を行い、120
℃の熱風乾燥機中で2時間の脱水縮合反応を行い、さら
にヘンシェルミキサーにて凝集物を解砕した後、篩いに
より粗大粒子を除去して表面処理物を得る。以上の表面
処理方法をD−1とする。
【0107】(金属微粒子の表面処理方法D−2)水/
イソプロピルアルコール/アミノシランカップリング剤
(SH6020)(東レダウコーニング社製)を93/
5/2の重量比で調整し、90分間放置してシランカッ
プリング剤の加水分解を行なう。この後、アミノシラン
加水分解溶液と同量の金属微粒子を仕込み、18時間浸
漬し、金属微粒子表面にアミノシランを吸着させる。浸
漬終了後、吸引濾過等により固液分離を行い、熱風乾燥
機により、120℃で2時間の脱水縮合反応を行い、さ
らにヘンシェルミキサーにて凝集物を解砕した後、篩い
により粗大粒子を除去して表面処理物を得る。以上の表
面処理方法をD−2とする。
【0108】上記表面処理方法により処理した金属微粒
子を表1に示す。
【0109】
【表1】
【0110】金属微粒子の長軸平均径/短軸平均径はS
EM写真から100個の平均値で示した。 (実施例1)R−1の樹脂150部をメチルエチルケト
ン291部に溶解した樹脂溶液、C−1の銅粉末300
部、1規定水酸化ナトリウム水溶液28.5部、転相促
進剤としてイソプロピルアルコール60部を反応容器に
仕込み、樹脂及び水酸化ナトリウムが溶解するまで十分
に攪拌した後、水120部を加えて攪拌を行い、温度を
30℃に調整する。その後、周速1.05m/secで
攪拌しながら水30部を滴下することによって転相乳化
させ、さらに水300部で希釈し、銅の微粒子をカプセ
ル化したカプセル化粒子の分散液を得た。次いで、減圧
蒸留により有機溶剤を除去してから、1N塩酸で液媒体
のPHを3とした。次いで、遠心分離機で銅の微粒子を
含有しない樹脂の粒子を除去した後、カプセル化粒子を
水層から分離するとともに水洗した。得られたウェット
ケーキは、真空乾燥機にて乾燥することによりカプセル
化粒子の粉末を得た。この粒子の体積平均粒径は6.8
μmで、炭素分析装置「堀場製作所EMIA−110」
を用いて被覆樹脂量を測定したところ被覆樹脂量は15
重量%であった。ここで、カプセル化粒子の水スラリー
を光学顕微鏡(600倍)を使い、カプセル化の状態を
透過光で観察すると、1個の銅粒子が樹脂粒子内に完全
にカプセル化されていた。また、平均円形度は0.98
であった。
【0111】得られたカプセル化粒子100部に対し、
クラリアント社製シリコーンオイルコートされた疎水性
シリカ(H−2018)の0.5部をヘンシェルミキサ
ーで外添した。次いで、ジメチルシリコーンオイル(K
F−96−50CS)(信越化学工業(株)社製、粘度
50センチストークス)0.005部を加えて更にヘン
シェルミキサーで混合の後、篩いを通して静電荷像現像
用カプセル化粒子を得た。
【0112】(実施例2)R−1樹脂の150部をメチ
ルエチルケトン291部に溶解した溶液に、C−3の銀
粉末300部、「TETRAD−X」(三菱瓦斯化学工
業製のN,N,N’、N’ーテトラグリシジル−m−キ
シレンジアミン;グリシジル基平均官能基数4,グリシ
ジル基当量100g/eq)7.5部、1規定水酸化ナ
トリウム水溶液28.5部、転相促進剤としてイソプロ
ピルアルコールの60部を反応容器に仕込み、水120
部を加えさらに十分攪拌を行い、温度を30℃に調整す
る。その後、周速1.05m/secで攪拌しながら水
30部を滴下することによって転相乳化させ、さらに水
300部で希釈し、銀粒子をカプセル化したカプセル化
粒子の分散液を得た。次いで、減圧蒸留により有機溶剤
を除去してから、攪拌しながら70℃にて4時間架橋反
応を行った。
【0113】冷却後、1N塩酸を加えて、液媒体のPH
を3としてから、遠心分離機で銀カプセル化粒子を水層
から分離するとともに水洗し、凍結乾燥機にて乾燥する
ことにより銀カプセル化粒子の粉末を得た。この粒子の
体積平均粒径はコールターマルチサイザーによる測定で
7.4μmであり、また、炭素分析装置「堀場製作所E
MIA−110」を用いて被覆樹脂量を測定したところ
14.5重量%であった。また、この粒子をSEM(走
査型電子顕微鏡)で観察したところほぼ球形であった。
平均円形度を測定すると0.98であった。ここでカプ
セル化粒子の水スラリーを光学顕微鏡(600倍)を使
い、透過光で観察すると、1個の銀粒子が樹脂粒子内に
完全にカプセル化されていた。また、メチルエチルケト
ン中に添加しても、カプセル膜の溶解、膨潤は見られな
かった。
【0114】得られたカプセル化粒子100部に対し、
クラリアント社製シリコーンオイルコートされた疎水性
シリカ(H−2018)の0.5部をヘンシェルミキサ
ーで外添した。次いで、ジメチルシリコーンオイル(K
F−96−50CS)(信越化学工業(株)社製、粘度
50センチストークス)0.005部を加えて更にヘン
シェルミキサーで混合の後、篩いを通して静電荷像現像
用カプセル化粒子を得た。
【0115】以下、表2−1の配合で実施例3〜5のカ
プセル化粒子を製造した。シリカの外添は実施例1と同
様に行った。また、実施例3は、シリコーンオイルとし
てメチルフェニルシリコーンオイル(SH510)(東
レダウコーニング(株)社製、粘度100センチストー
クス)0.01部を用いた以外は実施例1と同様にして
静電荷像現像用カプセル化粒子を製造した。
【0116】(実施例6)C−1の銅粉末を用いた以外
は実施例2と同様にカプセル化粒子の製造を行った。得
られた粒子の体積平均粒径はコールターマルチサイザー
による測定で7.6μmであり、また、炭素分析装置
「堀場製作所EMIA−110」を用いて被覆樹脂量を
測定したところ6.8重量%であった。また、この粒子
をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところほぼ球
形であった。平均円形度を測定すると0.97であっ
た。ここでカプセル化粒子の水スラリーを光学顕微鏡
(600倍)を使い、透過光で観察すると、1個の銅粒
子が1個の樹脂粒子内に完全にカプセル化されていた。
【0117】得られたカプセル化粒子100部に対し、
クラリアント社製シリコーンオイルコートされた疎水性
シリカ(H−2018)の0.5部をヘンシェルミキサ
ーで外添した。次いで、ジメチルシリコーンオイル(K
F−96−50CS)(信越化学工業(株)社製、粘度
50センチストークス)0.005部を加えて更にヘン
シェルミキサーで混合の後、篩いを通して静電荷像現像
用カプセル化粒子を得た。
【0118】以下、表2−2の配合で実施例6、7のカ
プセル化粒子を製造した。シリカの外添は実施例1と同
様に行った。また、実施例6は、シリコーンオイルとし
てメチルフェニルシリコーンオイル(SH510)(東
レダウコーニング(株)社製、粘度100センチストー
クス)0.01部を用いた以外は実施例1と同様にして
静電荷像現像用カプセル化粒子を製造した。 (実施例8)R−1の樹脂150部をメチルエチルケト
ン291部に溶解した樹脂溶液、C−1の銅粉末300
部をヘンシェルミキサーにより混合して、その混合物を
2軸の溶融混練機にて混練した。このようにして得た混
練物を機械式粉砕器にて粉砕、その後分級して体積平均
粒子径7.0μmのカプセル化粒子を得た。炭素分析装
置「堀場製作所EMIA−110」を用いて被覆樹脂量
を測定したところ13重量%であった。また、この粒子
をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ不定形
であった。平均円形度を測定すると0.92であった。
ここでカプセル化粒子を光学顕微鏡(600倍)を使
い、透過光で観察すると、カプセル化粒子の表面に銅粒
子の一部が露出していることを確認した。
【0119】得られたカプセル化粒子100部に対し、
クラリアント社製シリコーンオイルコートされた疎水性
シリカ(H−2018)の0.5部をヘンシェルミキサ
ーで外添した。次いで、ジメチルシリコーンオイル(K
F−96−50CS)(信越化学工業(株)社製、粘度
50センチストークス)0.005部を加えて更にヘン
シェルミキサーで混合の後、篩いを通して静電荷像現像
用カプセル化粒子を得た。
【0120】(比較例1)シリコーンオイル処理を行わ
ない以外は実施例1と同様にして比較例1の静電荷像現
像用カプセル化粒子を製造した。
【0121】(比較例2)シリコーンオイル処理を行わ
ない以外は実施例8と同様にして比較例2の静電荷像現
像用カプセル化粒子を製造した。
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】以下の方法にて、実施例1〜8、比較例
1、2の静電荷像現像用カプセル化粒子の評価を行っ
た。結果を表3に示す。 <評価方法> (粒径・粒度分布)粒径・粒度分布は、コールターベッ
クマン社のコールターマルチサイザー2型を用いて測定
した。Dv50は50%体積平均径であり、Dn50は
50%個数平均径である。Dv50/Dn50は体積、
及び個数の50%平均径の比を示したものである。ま
た、GSDは、84%体積平均径を16%体積平均径で
割った値の平方根である。
【0125】(絶縁性樹脂の量)カプセル化粒子中の絶
縁性樹脂の量(樹脂量wt%)は、堀場製作所製「炭素
分析装置EMIA−110」で測定した。
【0126】(平均円形度・円形度)平均円形度、及び
円形度は、東亜医用電子(株)製「フロー式粒子像分析
装置FPIP―1000」を用いて測定した。
【0127】(カプセル状態)金属微粒子がカプセル化
された状態は、光学顕微鏡(600倍)を使い、カプセ
ル化粒子を水分散した状態で、透過光により観察した。
その結果、金属微粒子の露出がなく透明な樹脂層で覆わ
れているものを◎、樹脂層に若干水滴を含んだ状態のも
のを○、金属微粒子の露出は見られないが、樹脂層に水
滴が取り込まれているものを△、露出が認められるもの
を×とした。
【0128】(配線パターンの精度)実施例、比較例で
得られた静電荷像現像用カプセル化粒子をエプソン社製
非磁性一成分プリンター(LP−1800)に充填し
て、絶縁性無機質基体(セラミックシート)上に配線パ
ターンの印刷を行い、画線の印刷精度の評価を行った。
配線パターンの印刷精度の評価は、画線部のエッジの精
度、非画線部のカブリの状態(カブリ;非画線部に付着
したカプセル化粒子)、細線再現性を評価した。
【0129】エッジの精度は、印刷後に焼結したときの
導通路側面の平滑性を示すもので、印刷後にエッジの乱
れた画線では導通路を形成したときの抵抗値が高くなる
ため好ましくない。また、カブリが多いと導通回路が短
絡する可能性がある。更に、細線再現性は、導通路の解
像度を示すもので、細線再現性の劣るものは隣接する導
通路同士が短絡したり、断線により導通しなくなる可能
性があるため好ましくない。配線パターンの精度が良好
なものを○、やや劣るものを△、劣るものを×とした。
【0130】(カプセル化粒子の充填状態)実施例、比
較例のカプセル化粒子を用いて絶縁性無機質基体(セラ
ミックシート)上に配線パターンを印刷した後に、これ
をミクロトームにより切断し、その断面をSEMで観察
した。カプセル化粒子の表面に金属粒子が露出していな
いものを○、一部が露出しているものを△、かなりの部
分が露出しているものを×とした。
【0131】(導通路の状態)上記の(配線パターンの
精度)を評価した時と同様な方法で、絶縁性無機質基体
上(セラミックシート)上に配線パターンを印刷し、カ
プセル化粒子の表面の被覆樹脂が軟化して粒子同士が融
着する程度に150℃で10分間の加熱を行った。この
カプセル化粒子同士が軽度に融着した配線パターン上に
同様の配線パターンを印刷し、再度、150℃で10分
間の加熱を行い新規に印刷された配線パターンの融着を
行った。以上の工程によりカプセル化粒子による配線パ
ターンが積層されたセラミックシートを、還元雰囲気下
で、0.5℃/分の昇温速度で900℃まで昇温し、同
温度で2時間保持して焼結を行った。このシートを切断
し、断面をSEMで観察した結果、金属微粒子が緻密に
積層されているものを◎、小さな空隙が若干認められる
ものを○、大きな空隙が若干認められるものを△、大小
の空隙が認められるものを×とした。
【0132】
【表4】
【0133】更に、帯電量測定器により帯電量(q/
d)、及び逆帯電量の経時変化を測定した。 (帯電量測定)帯電量(q/d)の測定は、実施例及び
比較例の静電荷像現像用カプセル化粒子とシリコン樹脂
コートのフェライトキャリア(粒径90μm)を3/9
7の配合で現像剤を作製し、ボールミルにより5分、1
0分、30分、60分間撹拌した後、帯電量分布測定装
置であるE−スパートアナライザーを用いてカプセル化
粒子の帯電量、逆帯電量を測定し、撹拌時間の違いによ
る帯電量の立ち上がり性を評価した。得られた評価結果
を表4に示す。 E―スパートアナライザーの測定条件 ブロー圧:0.02Mpa 測定カウント数:3000個 電極間電位差:100V
【0134】
【表5】
【0135】シリコーンオイルにより表面を処理した実
施例の静電荷像現像用カプセル化粒子を用いて配線パタ
ーンを作製すると、非画像部にカブリが無い、精度の優
れた配線パターンを形成することができる。また、粒子
の帯電状態が良好なためカプセル化粒子が緻密に充填さ
れた配線パターンを得ることができ、結果として、低抵
抗の導通路を得ることができる。一方、比較例の静電荷
像現像用カプセル化粒子を用いて配線パターンを作製す
ると、非画像部にカブリが発生し、精度の劣る配線パタ
ーンとなる。また、粒子の帯電状態が不安定なためカプ
セル化粒子が緻密に充填されず、低抵抗の導通路を得る
ことができない。更に、帯電の立ち上がりが悪く、帯電
量も低いレベルである。
【0136】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用カプセル化粒子
は、金属微粒子が絶縁性樹脂中に包含化されたカプセル
化粒子であり、表面がシリコーンオイルで処理されてい
るので、帯電の立ち上がりが良好であり、長期間安定し
た帯電量を保持できる。また、静電記録方式あるいは電
子写真法により高密度かつ高精度の配線パターンの印刷
が可能な優れた現像特性を有する。更に、印刷された配
線パターンを焼結して絶縁性樹脂を完全に燃焼させた際
に金属微粒子が最密充填して、空隙や欠陥等のない高精
度、かつ低抵抗の導電性パターンを形成することが可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA12 AA13 AA25 AA29 CA04 CA12 CA26 CB01 EA05 EA10 5E343 AA23 BB24 DD72 GG08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性樹脂で金属微粒子がカプセル化さ
    れ、更に表面がシリコーンオイルにより処理されている
    ことを特徴とする静電荷像現像用カプセル化粒子。
  2. 【請求項2】 前記静電荷像現像用カプセル化粒子の平
    均円形度が0.97以上である請求項1記載の静電荷像
    現像用カプセル化粒子。
  3. 【請求項3】 前記金属微粒子が含窒素シランカップリ
    ング剤で処理されている請求項1記載の静電荷像現像用
    カプセル化粒子。
  4. 【請求項4】 前記静電荷像現像用カプセル化粒子の
    (50%体積平均径/50%個数平均粒径)が1.25
    以下であり、(84%体積平均粒径/16%体積平均粒
    径)の平方根が1.30以下である請求項1又は2のい
    ずれか1項に記載の静電荷像現像用カプセル化粒子。
  5. 【請求項5】 円形度0.98〜1.00の範囲に含ま
    れる前記静電荷像現像用カプセル化粒子の割合が80個
    数%以上であり、円形度0.95以下の前記カプセル化
    粒子の割合が6個数%以下である請求項2記載の静電荷
    像現像用カプセル化粒子。
  6. 【請求項6】 絶縁性樹脂で金属微粒子がカプセル化さ
    れ、更に表面がシリコーンオイルにより処理されている
    静電荷像現像用カプセル化粒子を用いて、絶縁性無機質
    基体上に金属の導電性配線パターンを形成することを特
    徴とする導電性配線パターンの形成方法。
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