JP2003156596A - 放射線画像変換パネル及び前記パネルの製造方法 - Google Patents
放射線画像変換パネル及び前記パネルの製造方法Info
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Abstract
少ないともいう)を示す放射線画像変換パネル及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に、酸素原子(O)及び希土類
元素ガドリニウム(Gd)を含有する球状蛍光体粒子を
含有する蛍光体層を有することを特徴とする放射線画像
変換パネル。
Description
ル及びその製造方法に関する。
射線画像変換パネルを構成する主要な材料である。従
来、蛍光体としてはGd2O2S:Tb、La2O2S:T
bなどが主として利用されてきたが、その製造方法は希
土類酸化物と硫黄化合物を混合し、融剤を加えて焼成
し、解砕する工程を繰り返すことによって作製されてい
た。
光体では粒子形状が揃いにくく、結晶粉砕時または冷却
時に発生するクラックにより粒子形態が崩れたものにな
りやすいので、この蛍光体を用いて放射線画像変換パネ
ルを作製すると粒度分布が広くなり、パネル内の蛍光体
存在状態が不規則になり、その結果として画像ぼけなど
が発生しやすいという問題点があった。
輝度が高く、良好な分解能(画像ボケが少ないともい
う)を示す放射線画像変換パネル及びその製造方法を提
供することである。
の構成1〜6によって達成された。
類元素ガドリニウム(Gd)を含有する球状蛍光体粒子
を含有する蛍光体層を有することを特徴とする放射線画
像変換パネル。
で表されることを特徴とする放射線画像変換パネル。
〜98質量%含有することを特徴とする前記1または2
に記載の放射線画像変換パネル。
5μmであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1
項に記載の放射線画像変換パネル。
0nm〜750nmであることを特徴とする前記1〜4
のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
射線画像変換パネルを製造するに当たり、球状蛍光体粒
子が焼成温度900℃〜1300℃の条件下で焼成処理
される工程を経て作製されることを特徴とする放射線画
像変換パネルの製造方法。
放射線画像変換パネルは、支持体とその表面に設けられ
た蛍光体層または自己支持性の蛍光体層を有し、蛍光体
層は通常蛍光体とこれを分散支持する結合剤を含有する
構成でもよく、また、蒸着法や焼結法によって形成され
る蛍光体の凝集体のみから構成されるような態様も用い
ることが出来る。
されていてもよく、さらに、蛍光体層の支持体側とは反
対側の表面には通常、ポリマーフィルムや無機物の蒸着
膜からなる保護層膜が設けられていてもよい。
点を種々検討した結果、前記放射線画像変換パネルをX
線撮影にて画像形成するとその粒子分布、粒子構造によ
り入射するX線がパネル膜内にて散乱し、画像をボケさ
せる原因となっていることを見出し、更に、X線の膜内
散乱の影響はX線撮影管電圧にて特に顕著に現れ、鮮鋭
性特性では6lp/mm以上の高周波数側で影響が大き
いことを見出した。
原子及び希土類元素ガドリニウムGdを含有する球状蛍
光体粒子を含む蛍光体層を用いることにより、X線撮影
で画像形成した時に画像ボケの少ない放射線画像変換パ
ネルが得ることが出来た。
用いることにより、本発明に記載の効果が得られること
については未だ明確ではないが、本発明者等は、本発明
に係る蛍光体粒子の粒子分布、粒子構造に基づくX線の
放射線画像変換パネル内での散乱、特に、6lp/mm
以上の高周波数側(具体的には、10lp/mmでの分
解能)におけるX線の膜内散乱が従来公知の蛍光体粒子
に比べて低減される為と考えている。
ついて説明する。
は、酸素原子及び希土類元素ガドリニウムGdを含有す
る球状蛍光体粒子を含むことが必要であるが、また、更
に画像ボケの少ない高鮮鋭度の画像を得る観点から、下
記に示すような(1)〜(5)のような構成が各々、好
ましく用いられる。
(1)で表される組成を有する。 一般式(1) (Gd,M)2O3 式中、MはY、Nd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、
Yb、Eu、La、Lu、Sm及びCeからなる原子群
から選択される少なくとも一つの原子を表すが、中でも
好ましく用いられる原子は、Y、Eu、Tb等である。
させる観点から、Y、Euの蛍光体粒子中の含有量とし
ては、2質量%〜20質量%が好ましく、更に好ましく
は、5質量%〜10質量%である。また、Tbの蛍光体
粒子中の含有量としては、0.01質量%〜4質量%が
好ましい。
(被験者の被爆線量の最大許容範囲以下にする)を向上
させ、且つ、輝度特性向上の観点から、球状蛍光体粒子
が、Gdを71質量%〜98質量%含有することが好ま
しい。
〜5μmであることが好ましく、更に好ましくは、0.
3μm〜2μmである。
水中に適当な界面活性剤を使用して分散、光散乱法粒子
測定装置(例えば堀場製作所LA−910)を使用して
粒径を測定して求めることができる。
せながら、且つ、結晶子サイズの増加と粒子形状の乱れ
を抑制する観点から、球状蛍光体粒子の結晶子サイズが
300nm〜750nmであることが好ましい。
れた回折ピークの測定可能なピークを10〜15選択し
て測定する「ウィルソン法」を用い算出した。
株式会社版:機器分析実技シリーズ、X線分析法に記載
される方法を用いることが出来る。
態、結晶サイズを有する球状蛍光体粒子を得るために
は、焼成温度が500℃以上に設定することが好まし
く、更に好ましくは、700℃以上であり、特に好まし
くは、焼成温度900℃〜1300℃である。
光体粒子の結晶形態としては、平板結晶、立方体結晶、
14面体結晶、球体結晶といろいろな結晶形態をとりう
るが、蛍光体層において蛍光体の充填率を上げるには、
中でも球体結晶が好ましく用いられる。
単一の結晶でもよく、複数の微粒子の集合体でもよい
が、本発明に係る蛍光体粒子としては、球体結晶または
球状粒子が好ましく用いられる。但し、球状粒子は、必
ずしも球体結晶の集合体ではなくてもよく、その他の結
晶形態をとる粒子の集合体が結果的に球状粒子を形成す
る場合も含む。
微鏡を用いて撮影した蛍光体粒子の撮影写真(粒子の写
真として50〜100個の粒子を観察)から、球体結晶
または球状粒子の長径(a)と短径(b)(各々、平均
値である)を求め、前記長径と短径の比:(a)/
(b)が0.98〜1.00の範囲にはいるものであ
る。
でもよく、単一結晶の凝集体でも、また、その他の形態
の結晶の凝集体でもよいが、最終的な粒子形態が球状で
あることが必要である。
体との明確な境界を明確にするため、例えば、多面体結
晶の場合には、多面体の最長の径と最短の径との比が上
記記載の範囲にはいるものも本発明においては球状の範
疇に入るもののと定義する。
の範囲に入るものは、実質的に球状であると定義する。
高めるためには、結晶形が、平板<立方体<14面体<
球体の順番で充填効率が上がるため、球体結晶が特に好
ましく用いられる。
明に係る球状蛍光体粒子の製造方法を具体的に説明す
る。
含む水溶液(希土類の塩としては塩酸塩、硫酸塩、硝酸
塩等)に尿素を添加して塩基性炭酸塩を析出させ、得ら
れた沈殿を固液分離し、500℃以上で焼成し、球状微
粒子上の蛍光体粒子を得る。
水溶液を80℃以上、0.5〜5時間加熱し、過酸化水
素と尿素を添加してさらに加熱する事により、希土類元
素の塩基性炭酸塩の球状粒子を析出させ、次いで、析出
した希土類元素の塩基性炭酸塩を固液分離することで希
土類元素の塩基性炭酸塩の球状粒子が得る。
中もしくは酸化性雰囲気中で焼成することで希土類元素
酸化物の球状粒子を得ることができる。
元素の水溶液から、希土類元素の塩基性炭酸塩の析出反
応条件についてさらに詳しく説明する。
塩としては硝酸塩が好ましい。処方1、処方2で用いら
れる尿素の添加量は希土類元素の3〜5倍程度の濃度に
なることが好ましく、また、過酸化水素を用いる場合、
過酸化水素の添加量は希土類イオンの濃度に対して1/
100〜30/100で添加が好ましい。
中または酸化性雰囲気下中で焼成することにより塩基性
炭酸塩の形状を保ったままで球状の希土類元素の酸化物
粒子を得ることが出来るが、前記焼成の温度は500℃
以上が好ましい。
系化合物を用いて塩基性炭酸塩を作製するが、ここで、
尿素系化合物としては、尿素、尿素の塩(例えば、硝酸
塩、円酸塩等)、N,N’−ジアセチル尿素、N,N’
−ジベンゾイル尿素、N,N−ジベンゾイル尿素、ベン
ゼンスルホニル尿素、p−トルエンスルホニル尿素、ト
リメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラメチル尿素、
トリフェニル尿素、テトラフェニル尿素、N−ベンゾイ
ル尿素、メチルイソ尿素、エチルイソ尿素等が好ましく
用いられるが、特に好ましく用いられるのは、尿素であ
る。
尿素を用いた塩基性炭酸塩を用いる他、蓚酸塩、有機燐
酸塩、マロン酸塩、グリコール酸塩、セバシン酸塩、カ
コジル酸塩及び種々のベンゼンスルホン酸の誘導体の
塩、アミノポリ酢酸塩(EDTA、DCTA、HEDT
A、DE、ME、NTA、IMDA)アセチルアセトナ
ート、アルコキシド、シクロオクタテトラエン錯体、シ
クロペンタジエン錯体等を用いて析出したものを用いる
ことが出来る。
起タイプの蛍光体である場合は、母体結晶の完全性に敏
感であり結晶性を高めることが好ましい、その為、焼成
処理時の反応速度、結晶構造、生成物の分解が重要とな
る。
から、発光中心の分布、発光イオンの原子価の選択が重
要であり、例えば、本発明に係る球状蛍光体粒子の焼成
時において、用いる希土類元素の中で賦活剤としてEu
3+のように還元されやすいイオンを導入する時は酸化性
雰囲気、Eu2+、Tb3+、Ce3+、Pr3+のように酸化
されやすいイオンを導入するときは還元性雰囲気で焼成
することが好ましい。
て説明する。
充填率が60%以上であることが好ましく、さらに好ま
しくは65%以上である。尚、蛍光体層の製造上、蛍光
体層の充填率の上限は、好ましくは100%以下、さら
に好ましくは85%以下である。ここで、蛍光体層中の
蛍光体の充填率測定は、放射線増感スクリーンの保護層
を除去し、有機溶剤等を使用して蛍光体層全体を剥離ま
たは溶出し、濾過及び乾燥した後、電気炉を使って60
0℃で1時間焼成して表面の樹脂を除去した蛍光体の質
量をM(g)、溶出前の蛍光体層膜厚をP(cm)、溶
出に使用した蛍光体シート面積をQ(cm2)、蛍光体
比重をR(g/cm3)としたとき、 蛍光体充填率=〔M/(P×Q×R)〕×100(%) によって算出して求めることができる。
は、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカ
ライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;
および、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニト
ロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩
化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレー
ト、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタ
ン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアル
コール、線状ポリエステルなどのような合成高分子物質
などにより代表される結合剤を挙げることができる。
ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキル
(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリエ
ステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル
(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタンと
ポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これら
の結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよ
い。
めることが出来る結合剤として好ましく用いられるもの
は、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂若しくはポ
リウレタン樹脂である。
て0.01質量部〜1質量部の範囲で使用されることが
好ましく、更に、塗布の容易さとの兼合いから0.03
質量部〜0.2質量部の範囲が好ましく用いられる。
蛍光体との混合比(但し、結合剤全部がエポキシ基含有
化合物である場合には該化合物と蛍光体との比率に等し
い)は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、蛍光
体の種類、エポキシ基含有化合物の添加量などによって
異なるが、一般には結合塗布液調製用の溶剤の例として
は、メタノール、エノタール、1−プロパノール、2−
プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール;
メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原
子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と
低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレング
リコールエチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルなどのエーテル;トルエン;トリオール、キ
シロールなどの芳香族化合物、そして、それらの混合物
を挙げることができる。これら結合塗布液調整用の溶剤
は、少ない方が蛍光体層の比重を高める上で好ましい。
%以下、より好ましくは20質量%以下である。また、
塗布後の乾燥をゆっくり行い、緻密な膜とするには、シ
クロヘキサンのような高沸点溶媒を塗布液の溶剤として
用いることが好ましく、溶剤を混合系溶剤とする場合
は、高沸点溶媒の比率を40質量%以上、好ましくは5
0質量%以上とすることである。
分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の蛍光
体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上さ
せるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていて
もよい。そのような目的に用いられる分散剤の例として
は、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面
活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例と
しては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジ
フェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;グリコー
ル酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリ
ルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエ
チレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエ
チレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポ
リエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステ
ルなどを挙げることができる。
光体粒子の分散性を向上させる目的で、ステアリン酸、
フタル酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などの分散剤
を混合してもよい。また必要に応じて結合剤に対する可
塑剤を添加してもよい。前記可塑剤の例としては、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジブチルなどのフタル酸エステ
ル、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル等の
脂肪族二塩基酸エステル、グリコール酸エチルフタリル
エチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリ
コール酸エステル等が挙げられる。
に支持体上の下塗層の表面に均一に塗布することにより
塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布
手段、例えば、ドクターブレード、ロールコーター、ナ
イフコーターなどを用いることにより行なうことができ
る。次いで、形成された塗膜を徐々に加熱することによ
り乾燥して、下塗層上への蛍光体層の形成を完了する。
変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との
混合比などによって異なるが、通常は10μm〜1mm
とする(乾燥後の層厚)。特に、マンモグラフィーに用
いる場合には、充填率を高めた塗布膜であって、その層
厚を200μm以下、より好ましくは100μm以下と
することである。
サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速イン
ペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散機など
の分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布液をド
クターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなど
の塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥することによ
り蛍光体層が形成される。前記塗布液を保護層上に塗布
し、乾燥した後に蛍光体層と支持体とを接着してもよ
い。
いられる支持体としては各種高分子材料、ガラス、金属
等が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上
から可撓性のあるシートあるいはウェブに加工できるも
のが好適であり、この点からいえばセルロースアセテー
トフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミド
フィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネート
フィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、
鉄、銅、クロム等の金属シートあるいは該金属酸化物の
被覆層を有する金属シートが好ましい。
の材質等によって異なるが、一般的には3μm〜100
0μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましくは
80μm〜500μmである。これらの支持体の表面は
滑面であってもよいし、蛍光体層との接着性を向上させ
る目的でマット面としてもよい。
着性を向上させる目的で蛍光体層が設けられる面に下引
層を設けてもよい。
変換パネルの輝度を向上させる観点からは、本発明に係
る支持体は気泡を含有するポリエチレンテレフタレート
が好ましく用いられる。
ンテレフタレートは、特開平3−76727号及び特開
平6−226894号に記載の手法にてポリエチレンテ
レフタレート中に気泡を含有させて輝尽蛍光に対する反
射能を高め、放射線画像変換パネルの輝度が向上した支
持体が作製出来る。また、市販品としては、東レ(株)
社製E60L等の気泡を含有するポリエチレンテレフタ
レートがある。
レフタレート支持体の厚みは一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、好ましくは50
μm〜500μmである。
いし、反射層や、光吸収層及び蛍光体層との接着性を向
上させる目的でマット面としてもよい。
明に係る放射線画像変換パネルの製造方法について説明
する。
主に2種が考えられる。第1の製造法として、結合剤と
蛍光体または蛍光体とからなる蛍光体塗布液(以下蛍光
体塗料)を支持体上に塗布し、蛍光体層を形成する。
体とからなる蛍光体塗料を仮支持体上に塗布し、蛍光体
シートを形成する。前記蛍光体シートを支持体上に載
せ、前記結合剤の軟化温度若しくは融点以上の温度で、
支持体に接着する工程で製造する。
主に上記2種が考えられるが、支持体上に均一に蛍光体
層を形成する方法であればどのような方法でもよく、吹
き付けによる形成等でもよい。
に蛍光体を均一に分散せしめた蛍光体塗料を支持体上に
塗布、乾燥することにより製造できる。
トは、蛍光体塗料を蛍光体シート形成用仮支持体上また
は仮支持体上に設けられた保護膜上に塗布し、乾燥した
後、仮支持体から剥離することで製造できる。保護層自
体を仮支持体として、そのまま最終製品に使用すること
もできる。
持体上に設けられた保護膜上に蛍光体塗料を塗布し乾燥
した後、仮支持体から剥離して蛍光体層となるシートと
する。従って仮支持体の表面は、予め剥離剤を塗布して
おき、形成された蛍光体シートが仮支持体から剥離し易
い状態にしておくのが好ましい。
持体表面にポリエステルまたはゼラチンなどの高分子物
質を塗布して接着性を付与する下塗り層を設けたり、感
度、画質(鮮鋭性、粒状性)を向上せしめるために二酸
化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、若しく
はカーボンブラックなどの光吸収物質からなる光吸収層
などが設けられてよい。それらの構成は目的、用途など
に応じて任意に選択することができる。
い。蛍光体層を圧縮することによって蛍光体の充填密度
を更に向上させ、更に鮮鋭性、粒状性を向上させること
ができる。圧縮の方法としてはプレス機やカレンダーロ
ール等が挙げられる。
をそのまま圧縮する。第2の製造法の場合、蛍光体シー
トを支持体上に載せ、結合剤の軟化温度または融点以上
の温度で圧縮しながら該シートを支持体上に接着する。
に予め固定することなく圧着する方法を利用することに
よりシートを薄く押し広げることができる。
ことにより乾燥して、下引き層(下塗り層ともいう)上
への蛍光体層の形成を行う。
光体層の膜厚は目的とする放射線画像変換パネルの特
性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混
合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範
囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの
範囲から選ばれるのがより好ましい。
ートを所定の大きさに断裁する。断裁にあたっては一般
のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面
から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。
本発明はこれらに限定されない。
ウムイオン、ユーロピウムイオン濃度合計が0.05モ
ル/リットルで、Y/Gd/Euの水溶液中でのイオン
含有量比(モル比)が20/70/10の水溶液10リ
ットルを95℃に加熱した。この水溶液に、過酸化水素
濃度が0.01モル/リットルとなるように過酸化水素
を添加し、尿素を0.6モル/リットルとなるように添
加し、95℃で1時間加熱し、希土類元素として、Yが
20質量%、Gdが71質量%、Euが9質量%からな
る塩基性炭酸希土類化合物を調製した。
ィルタにて分離し、700℃で2時間焼成して、粒径1
μmの球状の蛍光体粒子1を得た。
体粒子1の作製において、イットリウムイオン/ガドリ
ニウムイオン/ユーロピウムイオンのイオン濃度比を表
1に記載のように変化させ、蛍光体粒子の形状を調整し
た以外は同様にして、蛍光体粒子2〜16を作製した。
イオン/テルビウムイオンのイオン濃度比を表1に記載
のように変化させた以外は、蛍光体粒子1の作製と同様
にして蛍光体粒子17〜23を作製した。ここで、前記
蛍光体粒子17〜23の作製に用いたTbは、酸化テル
ビウムを硝酸溶解したものを使用した。
査電子顕微鏡の観察(20〜50個の粒子を観察)から
得られた蛍光体粒子の球状粒子の平均長径(a)と平均
短辺径(b)の比(a)/(b)を求め、比(a)/
(b)が0.98〜1.00に入っているものを球状と
判別した。
は板状になるように調整した。 《放射線画像変換パネル試料1〜23の作製》上記で作
製した各々の粒子を98.5質量%、ポリエステル樹脂
バイロン630(東洋紡製)を1.5質量%、有機溶媒
シクロヘキサノンを25.0質量%になるように混合
し、顔料スラリーを調製した。調製した顔料スラリーを
200μmのギャップのあるナイフコータにて支持体
(PET(東レ製188X−30))上に塗設し、塗膜
を100℃にて30分乾燥後、2μmのPETフィルム
を塗膜上にラミネートした後、所定の大きさに断裁して
プレートを作製し、放射線画像変換パネル試料1〜23
を各々作製した。
3を下記のように評価した。 《相対輝度の評価》相対輝度評価は、X線−プレート−
受光系の組み合わせで形成され、受光系は発光をオプテ
ィカルファイバーで発光を受光系フォトマルチプライア
ーR1305(浜松ホトニクス製光電子像倍管)に伝達
し、得られた信号値よりベースノイズとシグナルピーク
より信号値(シグナルピーク:S−N:ベースノイズ)
を測定、放射線画像変換パネル試料1の信号値を100
として、その他の放射線画像変換パネル試料の輝度を相
対輝度で評価した。
評価には、X線MTFチャート(極光製No.1)の空
間周波数10lp/mmでの鉛スリット部での信号差を
10lp/mmでの分解能として評価した。ここで、放
射線画像変換パネル試料1の信号差を100として表
し、その他の放射線画像変換パネル試料については、相
対値として評価した。
試料は相対輝度、分解能ともに優れていることが明らか
である。
分解能(画像ボケが少ないともいう)を示す放射線画像
変換パネル及びその製造方法を提供することが出来た。
Claims (6)
- 【請求項1】 支持体上に、酸素原子(O)及び希土類
元素ガドリニウム(Gd)を含有する球状蛍光体粒子を
含有する蛍光体層を有することを特徴とする放射線画像
変換パネル。 - 【請求項2】 球状蛍光体粒子が、下記一般式(1)で
表されることを特徴とする放射線画像変換パネル。 一般式(1) (Gd,M)2O3 〔式中、Mは、Y、Nd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Eu、La、Lu、Sm及びCeからなる原
子群から選択される少なくとも一つの原子を表す。〕 - 【請求項3】 球状蛍光体粒子が、Gdを71質量%〜
98質量%含有することを特徴とする請求項1または2
に記載の放射線画像変換パネル。 - 【請求項4】 球状蛍光体粒子の粒径が0.1μm〜5
μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
項に記載の放射線画像変換パネル。 - 【請求項5】 球状蛍光体粒子の結晶子サイズが300
nm〜750nmであることを特徴とする請求項1〜4
のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の放
射線画像変換パネルを製造するに当たり、球状蛍光体粒
子が焼成温度900℃〜1300℃の条件下で焼成処理
される工程を経て作製されることを特徴とする放射線画
像変換パネルの製造方法。
Priority Applications (1)
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