JP2003155113A - 物品反転搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラを兼用することでコストダウンや小型
化が図られ、物品を確実に反転させて安定状態で搬送す
ることができる物品反転搬送装置を提供する。 【解決手段】 物品１を送り込む搬入側ベルトコンベア
２と送り出す搬出側ベルトコンベア３とを備え、搬入側
ベルトコンベア２及び搬出側ベルトコンベア３の両ベル
ト４，５を一つの兼用ローラ６の外周に掛架して、両ベ
ルト４，５間に物品１を挟持反転させる側面視略半円弧
状の反転搬送部７を形成し、この反転搬送部７に送り込
まれて反転された物品１が搬出側ベルトコンベア３上に
載置された略水平直線軌道で搬入側ベルトコンベア２か
ら離脱されて送り出される物品反転搬送装置において、
反転搬送部７における搬出側ベルトコンベア３の角速度
αを搬入側ベルトコンベア２の角速度βよりも高速に設
定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、物品を搬送途中
に挟持して反転させる物品反転搬送装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来から、物品を搬送途中に挟持して反
転させる物品反転搬送装置として、特開平６−８０２３
４号公報に開示された「反転装置」が知られている。該
「反転装置」は、軽くて薄い箱や容器の蓋等の物品を挟
持搬送して上下に反転させるもので、図１３，１４に示
す如く、凸曲した搬送面を有するベルトコンベアＣ１と
凹曲した搬送面を有するベルトコンベアＣ２とを対向配
置して、両ベルトコンベアＣ１，Ｃ２の搬送面間に物品
１を挟持して反転させる側面視略半円弧状の反転搬送部
７を形成してなる。

【０００３】この場合、凸曲側のベルトコンベアＣ１で
は、多数の小ローラ32を円弧状に配列してなる小ローラ
群にベルトを掛け渡すように掛架することで、該ベルト
の凸曲した状態が保持されている。又、凹曲側のベルト
コンベアＣ２では、多数の支持具33を円弧状に配列して
対向配置し、該支持具33にベルトの両側縁部分を挟持さ
せることで、該ベルトの凹曲した状態が保持されてい
る。

【０００４】しかしながら、この場合、両ベルトコンベ
アＣ１，Ｃ２の凸曲或いは凹曲した状態を保持するの
に、前記の如く、各々で複雑な構造を採用しており、装
置も大型化して設備費用が高価となる。又、凹曲側のベ
ルトコンベアＣ２では、ベルトの両側縁部分が支持具33
で挟持されるだけなので、該ベルトの中程部分では同凹
曲した状態が保持され難いものである。それ故、ベルト
コンベアＣ２では、ベルトに撓みや弛みを生じ易くて、
正常な挟持搬送が困難となる。

【０００５】又、実開平２−８８９２１号公報に開示さ
れるような「製品反転装置」も知られている。該「製品
反転装置」は、カニ足肉様練り製品や菓子等の物品を挟
持搬送して上下に反転させるもので、図１５に示す如
く、物品１を送り込む搬入側ベルトコンベア２と物品１
を送り出す搬出側ベルトコンベア３とを備え、搬入側ベ
ルトコンベア２及び搬出側ベルトコンベア３の両ベルト
４，５を一つの兼用ローラ６の外周に掛架して、該外周
に沿い両ベルト４，５間に物品１を挟持して反転させる
側面視略半円弧状の反転搬送部７を形成してなる。

【０００６】この場合、物品をその上に載置して搬送す
る搬出側ベルトコンベア３の上方に搬入側ベルトコンベ
ア２を配設し、同搬出側ベルトコンベア３の搬送方向の
始端部分を搬入側ベルトコンベア２の上方へ折り返るよ
うに延設し、該搬入側ベルトコンベア２のベルト４の内
側面が掛架される兼用ローラ６の外周に該ベルト４の上
から間隔をあけて搬出側ベルトコンベア３のベルト５の
外側面を掛架して、同兼用ローラ６の外周に沿って物品
１を下方へ回動搬送する反転搬送部７を形成している。

【０００７】ここでは、兼用ローラ６の上方に搬出側ベ
ルトコンベア３のベルト５の内側面が掛架される補助ロ
ーラ９を配設し、該補助ローラ９によって反転搬送部７
の入口端34を形成し、該反転搬送部７の出口端10を同兼
用ローラ６の円周下端位置に形成している。又、補助ロ
ーラ９がモータＭの駆動で回転されることにより、搬出
側ベルトコンベア３のベルト５は回動され、該ベルト５
の回動が兼用ローラ６を介して搬入側ベルトコンベア２
のベルト４に伝達されることで、該ベルト４は回動され
るものである。

【０００８】その際、反転搬送部７における搬出側ベル
トコンベア３の角速度αは搬入側ベルトコンベア２の角
速度βと等しくなる。そして、反転搬送部７では、内側
の搬入側ベルトコンベア２のベルト４と外側の搬出側ベ
ルトコンベア３のベルト５との間に、物品１を軽く押え
る程度の挟持力となるように前記間隔が保持されてお
り、同反転搬送部７にその上側の入口端34から搬入され
た物品１はその下側の出口端10から搬出され、搬入側ベ
ルトコンベア２から離脱されて搬出側ベルトコンベア３
上に載置された略水平直線軌道で送り出される。

【０００９】したがって、この場合、搬入側ベルトコン
ベア２のベルト４及び搬出側ベルトコンベア３のベルト
５が一つの兼用ローラ６に掛架された簡単な構造とな
り、反転搬送部７の形状は側面視略半円弧状に保持さ
れ、装置も小型化されて設備費用が安価となって、前記
特開平６−８０２３４号公報に開示された「反転装置」
におけるような問題は発生しない。又、搬出側ベルトコ
ンベア３の角速度αと搬入側ベルトコンベア２の角速度
βとが同一であるため、反転搬送部７において物品１は
安定した状態で挟持搬送され、製造ラインの処理能力を
低下させずに物品１を連続的且つ確実に反転させること
ができる。

【００１０】しかしながら、この場合、搬出側ベルトコ
ンベア３の角速度αと搬入側ベルトコンベア２の角速度
βとが同一であるため、前記のような効果を発揮し得る
ものではあるが、反面、次のような問題を生じる。すな
わち、反転搬送部７の出口端10から物品１が搬出される
際に、該物品１は搬入側ベルトコンベア２から離脱され
難く、該搬入側ベルトコンベア２のベルト４の外側面に
付着した状態で搬出されて、搬出側ベルトコンベア３の
ベルト５の外側面上で跳ね動き易く、該搬出側ベルトコ
ンベア３上に同物品１は安定した状態で載置され難いも
のである。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】本願発明は、上記従来
の技術における問題を悉く解決するためになされたもの
で、その課題は、ローラを兼用することでコストダウン
や小型化が図られ、物品を確実に反転させて安定した状
態で搬送することができる物品反転搬送装置を提供する
ことである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本願請求項１記載の発明
に係る物品反転搬送装置は、物品を送り込む搬入側ベル
トコンベアと物品を送り出す搬出側ベルトコンベアとを
備え、搬入側ベルトコンベア及び搬出側ベルトコンベア
の両ベルトを一つの兼用ローラの外周に掛架して、該外
周に沿い両ベルト間に物品を挟持して反転させる側面視
略半円弧状の反転搬送部を形成し、該反転搬送部に送り
込まれて反転された物品が搬出側ベルトコンベア上に載
置された略水平直線軌道で搬入側ベルトコンベアから離
脱されて送り出される物品反転搬送装置であって、反転
搬送部における搬出側ベルトコンベアの角速度を搬入側
ベルトコンベアの角速度よりも高速に設定してなる。

【００１３】したがって、この場合、搬入側ベルトコン
ベア及び搬出側ベルトコンベアの両ベルトを一つの兼用
ローラの外周に掛架して、該外周に沿い両ベルト間に物
品を挟持して反転させる側面視略半円弧状の反転搬送部
を形成しているので、該反転搬送部の略半円弧形状が簡
単な構造で確保されて、物品は同反転搬送部で確実に挟
持反転されるようになり、兼用ローラが共用されること
で装置も小型化されて設備費用は安価となり、装置のコ
ストダウンが図られる。

【００１４】しかも、反転搬送部に送り込まれて反転さ
れた物品が搬出側ベルトコンベア上に載置された略水平
直線軌道で搬入側ベルトコンベアから離脱されて送り出
される物品反転搬送装置であって、反転搬送部における
搬出側ベルトコンベアの角速度を搬入側ベルトコンベア
の角速度よりも高速に設定しているので、物品が同反転
搬送部から搬出される際に高速側の搬出側ベルトコンベ
アに引っ張られて、搬入側ベルトコンベアに付着し難く
これから確実に離脱され、同搬出側ベルトコンベア上に
安定した状態で載置されて搬送される。

【００１５】本願請求項２記載の発明に係る物品反転搬
送装置は、上記請求項１記載の物品反転搬送装置におい
て、物品をその上に載置して搬送する搬入側ベルトコン
ベアの上方に搬出側ベルトコンベアを配設し、同搬入側
ベルトコンベアの搬送方向の終端部分を搬出側ベルトコ
ンベアの上方へ折り返るように延設し、該搬出側ベルト
コンベアのベルトの内側面が掛架される兼用ローラの外
周に該ベルトの上から搬入側ベルトコンベアのベルトの
外側面を掛架して、同兼用ローラの外周に沿って物品を
上方へ回動搬送する反転搬送部を形成し、該反転搬送部
へと物品を送り込む前段部分において搬入側ベルトコン
ベアと搬出側ベルトコンベアとで物品を挟持し略直線的
に搬送する直線搬入部を設けたことを特徴としている。

【００１６】したがって、この場合は特に、搬入側ベル
トコンベアの上方に搬出側ベルトコンベアが配設され
て、反転搬送部では物品が上方へ回動搬送されるので、
該反転搬送部から搬出された物品を同搬出側ベルトコン
ベア上から容易に取り出すことができる。しかも、搬入
側ベルトコンベアの搬送方向の終端部分を搬出側ベルト
コンベアの上方へ折り返るように延設して反転搬送部を
形成しているので、該反転搬送部から搬出される物品が
同搬入側ベルトコンベアから瞬時に離されてより確実に
離脱されるようになる。

【００１７】又、反転搬送部へと物品を送り込む前段部
分において搬入側ベルトコンベアと搬出側ベルトコンベ
アとで物品を挟持し略直線的に搬送する直線搬入部を設
けているので、該直線搬入部で物品が予め挟持状態とさ
れて同反転搬送部へとスムーズに送り込まれる。しか
も、その際、直線搬入部では物品が挟持されて略直線的
に搬送され、該物品は跳ね動くことなく安定状態で正確
に反転搬送部へと送り込まれる。

【００１８】本願請求項３記載の発明に係る物品反転搬
送装置は、上記請求項２記載の物品反転搬送装置におい
て、兼用ローラの上方に搬入側ベルトコンベアのベルト
の内側面が掛架される補助ローラを配設し、該補助ロー
ラによって反転搬送部の出口端を形成し、同補助ローラ
を搬出側ベルトコンベアに向かって弾発付勢したことを
特徴としている。

【００１９】したがって、この場合は特に、反転搬送部
の出口端を形成する補助ローラを搬出側ベルトコンベア
に向かって弾発付勢しているので、同反転搬送部の出口
端から物品が搬出される際に、該物品は補助ローラによ
り弾性的に押圧されて、同搬出側ベルトコンベア上に安
定して載置された状態で搬出される。しかも、補助ロー
ラは弾性に抗して搬出側ベルトコンベアから離れ得るの
で、物品の異なる厚さ寸法に大きな自由度で対応するこ
とができる。

【００２０】本願請求項４記載の発明に係る物品反転搬
送装置は、上記請求項１〜３のいずれか一つに記載の物
品反転搬送装置において、搬出側ベルトコンベアのベル
トの外側面の摩擦係数を搬入側ベルトコンベアのベルト
の外側面の摩擦係数よりも大きく設定したことを特徴と
している。

【００２１】したがって、この場合は特に、搬入側ベル
トコンベアよりも搬出側ベルトコンベアの方のベルト外
側面の摩擦係数を大きく設定しているので、反転搬送部
において物品は摩擦係数の大きい高速側の搬出側ベルト
コンベアに追随して挟持搬送され、順次搬送される各物
品間の間隔を広く確保することができて、各物品間のく
っつきも防止される。又、物品が反転搬送部から搬出さ
れる際には、摩擦係数の大きい高速側の搬出側ベルトコ
ンベアで同物品が確実に引っ張られて、搬入側ベルトコ
ンベアに対する付着も確実に防止され、同搬出側ベルト
コンベア上により安定した状態で載置されて搬送される
ようになる。

【００２２】本願請求項５記載の発明に係る物品反転搬
送装置は、上記請求項１〜４のいずれか一つに記載の物
品反転搬送装置において、兼用ローラを内側ローラ部と
その両側の外側ローラ部とに分離形成して、該外側ロー
ラ部と内側ローラ部とが相互各別に回動されるようにな
し、同内側ローラ部の外周面に巾狭となる搬出側ベルト
コンベアのベルトの内側面を当接掛架させると共に、両
外側ローラ部の外周面に巾広となる搬入側ベルトコンベ
アのベルトの両側縁部分の外側面を当接掛架させたこと
を特徴としている。

【００２３】したがって、この場合は特に、兼用ローラ
の相互各別に回動される外側ローラ部と内側ローラ部と
に搬入側ベルトコンベア及び搬出側ベルトコンベアの両
ベルトが当接掛架されているので、角速度の相違する両
ベルトは支障なく確実に掛架支持され、搬入側ベルトコ
ンベア及び搬出側ベルトコンベアの各別の速度調整が容
易に行われるようになる。しかも、内側ローラ部の外周
面に巾狭となる搬出側ベルトコンベアのベルトの内側面
を当接掛架させると共に、両外側ローラ部の外周面に巾
広となる搬入側ベルトコンベアのベルトの両側縁部分の
外側面を当接掛架させているので、巾広の搬入側ベルト
コンベアのベルトにて物品が外側から包み込むように保
持された状態で挟持反転され、その際、該物品は厚さ寸
法にバラツキがあっても確実に反転搬送される。

【００２４】本願請求項６記載の発明に係る物品反転搬
送装置は、上記請求項５記載の物品反転搬送装置におい
て、両外側ローラ部より内側ローラ部を小径にして、該
内側ローラ部の外周面の外側に同両外側ローラ部の外周
面との間で凹段部を形成し、該凹段部内に搬出側ベルト
コンベアのベルトを収容して同内側ローラ部の外周面に
当接掛架させたことを特徴としている。

【００２５】したがって、この場合は特に、径の異なる
両外側ローラ部と内側ローラ部との外周面に形成される
凹段部内に搬出側ベルトコンベアのベルトを収容して同
内側ローラ部の外周面に当接掛架させているので、厚さ
寸法の大きい物品であっても適度な挟持状態にして反転
搬送させることができ、又、搬出側ベルトコンベア及び
搬入側ベルトコンベアの両ベルトは相互間の接触摩擦抵
抗が低減されて各別にスムーズに回動されるようにな
る。

【００２６】本願請求項７記載の発明に係る物品反転搬
送装置は、上記請求項１〜６のいずれか一つに記載の物
品反転搬送装置において、搬入側ベルトコンベアを回動
させる搬入側駆動部と、搬出側ベルトコンベアを回動さ
せる搬出側駆動部とを各別に備えたことを特徴としてい
る。

【００２７】したがって、この場合は特に、搬入側ベル
トコンベアを回動させる搬入側駆動部と、搬出側ベルト
コンベアを回動させる搬出側駆動部とを各別に備えてい
るので、搬入側駆動部と搬出側駆動部とによって、搬入
側ベルトコンベア及び搬出側ベルトコンベアの反転搬送
部における各角速度を相互に異なるよう容易且つ確実に
変化調整することができる。

【００２８】本願請求項８記載の発明に係る物品反転搬
送装置は、上記請求項１〜７のいずれか一つに記載の物
品反転搬送装置において、搬入側ベルトコンベア或いは
搬出側ベルトコンベアのベルトの外側面に物品を納める
凹所を形成したことを特徴としている。

【００２９】したがって、この場合は特に、搬入側ベル
トコンベア或いは搬出側ベルトコンベアのベルトの外側
面に物品を納める凹所を形成しているので、該凹所に物
品を納めた状態で反転搬送させることができ、その際、
同物品に対する挟持力は軽減され、変形や破損を生じ易
い物品であっても支障なく確実に反転搬送させることが
できる。

【００３０】本願請求項９記載の発明に係る物品反転搬
送装置は、上記請求項１〜８のいずれか一つに記載の物
品反転搬送装置において、搬入側ベルトコンベア上に載
置されて搬送されている物品を撮像する第一検査部と、
搬出側ベルトコンベア上に載置されて搬送されている物
品を撮像する第二検査部とを備えたことを特徴としてい
る。

【００３１】したがって、この場合は特に、搬入側ベル
トコンベア上に載置されて搬送されている物品を撮像す
る第一検査部と、搬出側ベルトコンベア上に載置されて
搬送されている物品を撮像する第二検査部とを備えてい
るので、反転される前後各々で物品はその表裏両面側か
ら同第一検査部及び第二検査部によって撮像され、安価
な装置設備で同物品の外観全体を簡単且つ確実に検査す
ることができる。

【００３２】

【発明の実施の形態】図１は、本願発明の請求項１，
２，４〜７，９に対応する第一実施形態を示しており、
該実施形態の物品反転搬送装置においては、物品１を送
り込む搬入側ベルトコンベア２と物品１を送り出す搬出
側ベルトコンベア３とを備え、搬入側ベルトコンベア２
及び搬出側ベルトコンベア３の両ベルト４，５を一つの
兼用ローラ６の外周に掛架して、該外周に沿い両ベルト
４，５間に物品１を挟持して反転させる側面視略半円弧
状の反転搬送部７を形成している。

【００３３】そして、該実施形態の物品反転搬送装置で
は、反転搬送部７に送り込まれて反転された物品１が搬
出側ベルトコンベア３上に載置された略水平直線軌道で
搬入側ベルトコンベア２から離脱されて送り出されるも
のであり、この場合に、同反転搬送部７における搬出側
ベルトコンベア３の角速度αを搬入側ベルトコンベア２
の角速度βよりも高速に設定している。

【００３４】又、該実施形態の物品反転搬送装置におい
ては、物品１をその上に載置して搬送する搬入側ベルト
コンベア２の上方に搬出側ベルトコンベア３を配設し、
同搬入側ベルトコンベア２の搬送方向の終端部分を搬出
側ベルトコンベア３の上方へ折り返るように延設し、該
搬出側ベルトコンベア３のベルト５の内側面が掛架され
る兼用ローラ６の外周に該ベルト５の上から搬入側ベル
トコンベア２のベルト４の外側面を掛架して、同兼用ロ
ーラ６の外周に沿って物品１を上方へ回動搬送する反転
搬送部７を形成している。又、反転搬送部７へと物品１
を送り込む前段部分において、搬入側ベルトコンベア２
と搬出側ベルトコンベア３とで物品１を挟持し略直線的
に搬送する直線搬入部８を設けてもいる。

【００３５】又、該実施形態の物品反転搬送装置におい
ては、兼用ローラ６の上方に搬入側ベルトコンベア２の
ベルト４の内側面が掛架される補助ローラ９を配設し、
該補助ローラ９によって前記反転搬送部７の出口端10を
形成している。又、搬出側ベルトコンベア３のベルト５
の外側面の摩擦係数を搬入側ベルトコンベア２のベルト
４の外側面の摩擦係数よりも大きく設定してもいる。

【００３６】又、該実施形態の物品反転搬送装置におい
ては、図３に示す如く、兼用ローラ６を内側ローラ部11
とその両側の外側ローラ部12とに分離形成し、該外側ロ
ーラ部12と内側ローラ部11とが相互各別に回動されるよ
うになして、同内側ローラ部11の外周面に巾狭となる搬
出側ベルトコンベア３のベルト５の内側面を当接掛架さ
せると共に、両外側ローラ部12の外周面に巾広となる搬
入側ベルトコンベア２のベルト４の両側縁部分の外側面
を当接掛架させている。又、この場合、両外側ローラ部
12より内側ローラ部11を小径にして、該内側ローラ部11
の外周面の外側に同両外側ローラ部12の外周面との間で
凹段部13を形成し、該凹段部13内に搬出側ベルトコンベ
ア３のベルト５を収容して同内側ローラ部11の外周面に
当接掛架させている。

【００３７】又、該実施形態の物品反転搬送装置におい
ては、図４に示す如く、搬入側ベルトコンベア２を回動
させる搬入側駆動部14と、搬出側ベルトコンベア３を回
動させる搬出側駆動部15とを各別に備えている。又、図
５に示す如く、搬入側ベルトコンベア２上に載置されて
搬送されている物品１を撮像する第一検査部17と、搬出
側ベルトコンベア３上に載置されて搬送されている物品
１を撮像する第二検査部18とを備えてもいる。

【００３８】該実施形態の物品反転搬送装置において反
転搬送される物品１は柱状で、図２に示す如く、セラミ
ック等で形成されるチップ本体19の両端部分（図２
（ａ））或いは側面部分（図２（ｂ））に電極部20を配
設してなるコンデンサ、抵抗、コイル、発振子等のチッ
プである。該チップ（物品１）は角柱形状で、ａ＝０．
３〜５．０mm、ｂ＝０．３〜５．０mm、ｃ＝０．５〜１
０．０mm程度の寸法を有している。そして、チップであ
る物品１は、その柱中心線方向を搬送方向と平行にして
搬送され、前記第一検査部17及び第二検査部18で外観検
査されることによって、同チップの電極部20の欠けや傷
等の不良が検出される。

【００３９】又、搬入側ベルトコンベア２及び搬出側ベ
ルトコンベア３の両ベルト４，５はいずれもゴム製で、
図１に示す如く、複数のローラに掛架支持される帯状の
無端ベルトである。この場合、搬入側ベルトコンベア２
では、搬出方向の始端部分が主大ローラ21で、終端部分
が三つの副小ローラ22で、各々、ベルト４の内周面が掛
架支持されており、ここでは、一つの副小ローラ22が前
記補助ローラ９となって、該補助ローラ９の下側に搬出
側ベルトコンベア３の搬送方向の始端部分を入り込むよ
うに配置している。

【００４０】この場合、搬出側ベルトコンベア３では、
搬出方向の始端部分が主ローラとなる兼用ローラ６で、
終端部分が副ローラ23で、各々、ベルト５の内周面が掛
架支持されている。そして、兼用ローラ６を前記搬入側
ベルトコンベア２の主大ローラ21と補助ローラ９との間
で該補助ローラ９の下側に入り込むように配置すること
で、同兼用ローラ６の外周に搬出側ベルトコンベア３の
ベルト５の上から搬入側ベルトコンベア２のベルト４の
外側面が掛架されている。これにより、兼用ローラ６の
外周に沿って物品１を上方へ回動搬送する反転搬送部７
が形成され、該反転搬送部７では柔軟で弾性を有する両
ベルト４，５によって同物品１が適度な挟持力で保持さ
れる。

【００４１】又、搬出側ベルトコンベア３のベルト５の
外側面の摩擦係数は搬入側ベルトコンベア２のベルト４
の外側面の摩擦係数よりも大きく設定されているが、こ
こでは、両ベルト４，５の材質を相違させたり、搬入側
ベルトコンベア２のベルト４の外側面にシリコン樹脂や
フッ素樹脂等の滑剤を塗布或いは含浸させたり、表面摩
擦係数の小さいシート材を同搬入側ベルトコンベア２の
ベルト４の外側面に貼着したりすることで、該搬入側ベ
ルトコンベア２のベルト４の外側面の摩擦係数を小さく
することができる。

【００４２】このように、低速側の搬入側ベルトコンベ
ア２においてベルト４の外側面の摩擦係数が小さくなる
と、該外側面と物品１との間での接触摩擦抵抗は減少
し、挟持状態にある該物品１が同低速側の搬入側ベルト
コンベア２のベルト４に対しては滑り、摩擦抵抗が大き
くなる高速側の搬出側ベルトコンベア３のベルト５に付
着して引っ張られ、該ベルト５と同調して同物品１は回
動搬送される。

【００４３】又、反転搬送部７へと物品１を送り込む前
段部分には、搬入側ベルトコンベア２と搬出側ベルトコ
ンベア３とで物品１を挟持して略直線的に搬送する直線
搬入部８が設けられており、該直線搬入部８では、両ベ
ルト４，５が上下に対向してその間で同物品１は徐々に
強い挟持状態とされ、その際、該物品１が同搬入側ベル
トコンベア２上で摩擦抵抗の大きい高速側の搬出側ベル
トコンベア３で引っ張られる。これにより、物品１の相
互間隔が広められて確保され、該物品１は転がることな
く正常な配列状態を保持して搬送される。

【００４４】そして、直線搬入部８から反転搬送部７へ
とスムーズに物品１が搬入され、該物品１は同反転搬送
部７内でも摩擦抵抗の大きい高速側の搬出側ベルトコン
ベア３で引っ張られて、転がったり相互にくっついたり
することが防止され、同反転搬送部７の上側の出口端10
から搬出されて、搬出側ベルトコンベア３のベルト５上
に相互に間隔をあけた正常な配列状態で載置されて送り
出される。その際、反転搬送部７の出口端10では、搬入
側ベルトコンベア２のベルト４が補助ローラ９に巻装さ
れて物品１から瞬時に離れ、しかも、高速側の搬出側ベ
ルトコンベア３で引っ張られて、該物品１は同搬入側ベ
ルトコンベア２のベルト４の外側面に付着することなく
スムーズに搬出される。

【００４５】又、前記兼用ローラ６は、図３に示す如
く、相互各別に回動される内側ローラ部11とその両側の
外側ローラ部12とでなり、同内側ローラ部11の外側に凹
段部13が形成されている。この場合、軸受け体24で回動
自在に支持される回転軸25に両側の外側ローラ部12を固
着一体化し、同回転軸25にベアリング26を介して内側ロ
ーラ部11を回動自在に嵌合させることで、該内側ローラ
部11と両外側ローラ部12とは相互各別に回動し得るもの
である。

【００４６】そして、兼用ローラ６の内側ローラ部11の
外周面に巾狭となる搬出側ベルトコンベア３のベルト５
の内側面が当接掛架され、同兼用ローラ６の両外側ロー
ラ部12の外周面には巾広となる搬入側ベルトコンベア２
のベルト４の両側縁部分の外側面が当接掛架される。こ
の場合、内側ローラ部11は両外側ローラ部12よりも小径
で、該内側ローラ部11の外周面の外側に凹段部13が形成
され、該凹段部13内には搬出側ベルトコンベア３のベル
ト５が収容されている。ここでは、凹段部13の深さ寸法
が搬出側ベルトコンベア３のベルト５の厚さ寸法と略等
しく形成されることで、該ベルト５は同凹段部13内に適
合して納まっている。

【００４７】又、該実施形態の物品反転搬送装置におい
ては、前記の如く、搬入側ベルトコンベア２のベルト４
と搬出側ベルトコンベア３のベルト５とが各別でスムー
ズに回動され得る状態で、図４に示す如く、搬入側駆動
部14及び搬出側駆動部15を配設している。搬入側駆動部
14及び搬出側駆動部15はベルト駆動用のアクチュエータ
であり、スピードコントロールモータ、サーボモータ、
ステッピングモータ等の滑らかに回転して該回転の速度
を調整することができるものであれば良く、その種類は
問われないものである。

【００４８】又、搬入側駆動部14は前記兼用ローラ６の
回転軸25に結合されて該回動軸25と共に両外側ローラ部
12を回転駆動させるものであり、これによって、搬入側
ベルトコンベア２のベルト４が回動される。又、搬出側
駆動部15は前記副ローラ23を回転駆動させて、該副ロー
ラ23に掛架支持される搬出側ベルトコンベア３のベルト
５を回動させる。ここでは、搬出側ベルトコンベア３の
周速度が搬入側ベルトコンベア２のベルト４の周速度よ
りも高速となる。

【００４９】又、図５に示す如く、搬入側ベルトコンベ
ア２及び搬出側ベルトコンベア３の上方に各々、第一検
査部17と第二検査部18とが配設されている。第一検査部
17及び第二検査部18はいずれも物品１の外観を撮像する
カメラであり、各々搬入側ベルトコンベア２、搬出側ベ
ルトコンベア３の各ベルト４，５の物品１を略水平で直
線的に載置搬送する部位の上方に配設されている。そし
て、第一検査部17では反転される前の物品１の表面及び
両側面を撮像し、第二検査部18では反転された後の同物
品１の裏面を撮像する。それ故、抵抗用のチップである
物品１の全面を外観検査することができ、該物品１の欠
けや傷等の不良は効率良く且つ確実に検出される。

【００５０】又、物品１は振動式パーツフィーダー27に
よって搬入側ベルトコンベア２上に供給され、その際、
該搬入側ベルトコンベア２上で同物品１がその柱中心線
方向を搬送方向と平行にし、相互に所定の間隔をあけて
整列供給され、該状態で、前記第一検査部17によって同
物品１は撮像される。そして、物品１は相互に近接する
ことなく間隔をあけた状態のままで搬入側ベルトコンベ
ア２上から反転搬送部７を経て搬出側ベルトコンベア３
上へと搬送され、該搬出側ベルトコンベア３上で前記第
二検査部18によって同物品１が撮像される。

【００５１】したがって、該実施形態の物品反転搬送装
置においては、搬入側ベルトコンベア２及び搬出側ベル
トコンベア３の両ベルト４，５を一つの兼用ローラ６の
外周に掛架して、該外周に沿い両ベルト４，５間に物品
１を挟持して反転させる側面視略半円弧状の反転搬送部
７を形成しているので、該反転搬送部７の略半円弧形状
が簡単な構造で確保され、物品１は同反転搬送部７で確
実に挟持反転され、該反転搬送部７内に物品１の欠片が
混入した際の詰まりも防止される。又、兼用ローラ６が
共用されることで装置も小型化され、設備費用は安価と
なって装置のコストダウンが図られる。

【００５２】しかも、反転搬送部７に送り込まれて反転
された物品１が搬出側ベルトコンベア３上に載置された
略水平直線軌道で搬入側ベルトコンベア２から離脱され
て送り出される物品反転搬送装置において、反転搬送部
７における搬出側ベルトコンベア３の角速度αを搬入側
ベルトコンベア２の角速度βよりも高速に設定している
ので、物品１が同反転搬送部７から搬出される際に高速
側の搬出側ベルトコンベア３に引っ張られて、搬入側ベ
ルトコンベア２に付着せずこれから確実に離脱され、同
搬出側ベルトコンベア３上に安定した状態で載置されて
搬送される。

【００５３】更に、該実施形態の物品反転搬送装置にお
いては、搬入側ベルトコンベア２の上方に搬出側ベルト
コンベア３が配設されて、反転搬送部７では物品１が上
方へ回動搬送されるので、該反転搬送部７から搬出され
た物品１を同搬出側ベルトコンベア３上から容易に取り
出すことができる。しかも、搬入側ベルトコンベア２の
搬送方向の終端部分を搬出側ベルトコンベア３の上方へ
折り返るように延設して反転搬送部７を形成しているの
で、該反転搬送部７から搬出される物品１が同搬入側ベ
ルトコンベア２から瞬時に離されてより確実に離脱され
る。

【００５４】又、反転搬送部７へと物品１を送り込む前
段部分において搬入側ベルトコンベア２と搬出側ベルト
コンベア３とで物品１を挟持し略直線的に搬送する直線
搬入部８を設けているので、該直線搬入部８で物品１が
予め挟持状態とされて同反転搬送部７へとスムーズに送
り込まれる。しかも、その際、直線搬入部８では物品１
が挟持されて略直線的に搬送され、該物品１は跳ね動く
ことなく相互に間隔をあけた安定状態で正確に反転搬送
部７へと送り込まれる。

【００５５】又、該実施形態の物品反転搬送装置におい
ては、搬入側ベルトコンベア２よりも搬出側ベルトコン
ベア３の方のベルト５外側面の摩擦係数を大きく設定し
ているので、反転搬送部７において物品１は摩擦係数の
大きい高速側の搬出側ベルトコンベア３に追随して挟持
搬送され、順次搬送される各物品１間の間隔を広く確保
することができて、各物品１間のくっつきも防止され
る。しかも、物品１が反転搬送部７から搬出される際に
は、摩擦係数の大きい高速側の搬出側ベルトコンベア３
で同物品１が確実に引っ張られて、搬入側ベルトコンベ
ア２に対する付着も確実に防止され、同搬出側ベルトコ
ンベア３上により安定した状態で載置されて搬送され
る。

【００５６】又、該実施形態の物品反転搬送装置におい
ては、兼用ローラ６の相互各別に回動される外側ローラ
部12と内側ローラ部11とに搬入側ベルトコンベア２及び
搬出側ベルトコンベア３の両ベルト４，５が当接掛架さ
れているので、角速度β，αの相違する両ベルト４，５
は支障なく確実に掛架支持され、搬入側ベルトコンベア
２及び搬出側ベルトコンベア３の各別の速度調整が容易
に行われる。

【００５７】しかも、内側ローラ部11の外周面に巾狭と
なる搬出側ベルトコンベア３のベルト５の内側面を当接
掛架させると共に、両外側ローラ部12の外周面に巾広と
なる搬入側ベルトコンベア２のベルト４の両側縁部分の
外側面を当接掛架させているので、巾広の搬入側ベルト
コンベア２のベルト４により物品１が外側から包み込む
ように保持された状態で挟持反転され、その際、該物品
１は厚さ寸法にバラツキがあっても確実に反転搬送され
る。

【００５８】又、この場合、径の異なる両外側ローラ部
12と内側ローラ部11との外周面に形成される凹段部13内
に搬出側ベルトコンベア３のベルト５を収容して同内側
ローラ部11の外周面に当接掛架させているので、厚さ寸
法の大きい物品１であっても適度な挟持状態にして反転
搬送させることができ、又、搬入側ベルトコンベア２及
び搬出側ベルトコンベア３の両ベルト４，５は相互間の
接触摩擦抵抗が低減されて各別にスムーズに回動され
る。

【００５９】又、該実施形態の物品反転搬送装置におい
ては、搬入側ベルトコンベア２を回動させる搬入側駆動
部14と、搬出側ベルトコンベア３を回動させる搬出側駆
動部15とを各別に備えているので、搬入側駆動部14と搬
出側駆動部15とによって、搬入側ベルトコンベア２及び
搬出側ベルトコンベア３の反転搬送部７における各角速
度β，αを相互に異なるよう容易且つ確実に変化調整す
ることができる。

【００６０】又、該実施形態の物品反転搬送装置は外観
検査装置となるものであり、搬入側ベルトコンベア２上
に載置されて搬送されている物品１を撮像する第一検査
部17と、搬出側ベルトコンベア３上に載置されて搬送さ
れている物品１を撮像する第二検査部18とを備えている
ので、反転される前後各々で物品１はその表裏両面側か
ら同第一検査部17及び第二検査部18によって撮像され、
低コストの装置設備で同物品１の外観全体を簡単且つ確
実に検査することができる。しかも、第一検査部17或い
は第二検査部18で撮像される際、順次搬送される各物品
１は相互に当接することなく間隔をあけて搬送されてい
るので、安定した撮像が支障なく確実に行われる。

【００６１】図６，７は、本願発明の請求項１，２，４
〜９に対応する第二実施形態を示しており、該実施形態
の物品反転搬送装置においては、搬出側ベルトコンベア
３のベルト５の外側面に物品１を納める凹所16を形成し
ている。この場合、凹16は溝状で、ベルト５の略中央位
置に長手方向全長にわたって形成されている。又、凹所
16は搬入側ベルトコンベア２のベルト４の外側面に形成
されても良いものであり、該ベルト４の外側面及び搬出
側ベルトコンベア３のベルト５の外側面の両方に形成さ
れても良いものである。

【００６２】したがって、該実施形態の物品反転搬送装
置においては、搬入側ベルトコンベア２或いは搬出側ベ
ルトコンベア３のベルト４，５の外側面に物品１を納め
る凹所16を形成しているので、該凹所16に物品１を納め
た状態で反転搬送させることができ、その際、同物品１
に対する挟持力は軽減され、変形や破損を生じ易い菓子
類のような物品１であっても支障なく確実に反転搬送さ
せることができる。なお、それ以外は、上記第一実施形
態と同様に構成されており、同第一実施形態におけると
同様の作用効果が奏される。

【００６３】図８は、本願発明の請求項１，２，４〜
７，９に対応する第三実施形態を示しており、該実施形
態の物品反転搬送装置においては、兼用ローラ６の外周
に形成される凹段部13の深さ寸法が搬出側ベルトコンベ
ア３のベルト５の厚さ寸法よりも大きくて、該ベルト５
と搬入側ベルトコンベア２のベルト４との間には隙間Ｓ
が存在している。

【００６４】この場合、隙間Ｓの大きさは両ベルト４，
５間で物品１を挟持できる範囲内に設定されるものであ
り、厚さ寸法の大きい物品１であっても適度に弱い挟持
状態にして反転搬送させることができ、又、搬入側ベル
トコンベア２及び搬出側ベルトコンベア３の両ベルト
４，５は相互に接触しなくなって各別にスムーズに回動
される。なお、それ以外は、上記第一実施形態と同様に
構成されており、同第一実施形態におけると同様の作用
効果が奏される。

【００６５】図９、１０，１１は、本願発明の請求項１
〜７，９に対応する第四，第五，第六実施形態を示して
おり、これ等実施形態の物品反転搬送装置においては、
補助ローラ９を搬出側ベルトコンベア３に向かって弾発
付勢している。図９に示す第四実施形態では、搬入側ベ
ルトコンベア２のベルト４が掛架された補助ローラ９を
スプリング28で直接に搬出側ベルトコンベア３に対して
弾性的に押圧させている。図１０に示す第五実施形態で
は、支持軸29で枢支されたアーム30の先端部分に補助ロ
ーラ９を回転自在に取り付け、同アーム30をスプリング
28で搬出側ベルトコンベア３へ向かって回動する方向に
弾発付勢している。

【００６６】又、前記図９，１０に示す第四，第五実施
形態では、補助ローラ９だけでなく兼用ローラ６もスプ
リング28で外方へ弾発付勢されている。又、図１１に示
す第六実施形態では、搬入側ベルトコンベア２のベルト
４が掛架された補助ローラ９をスプリング28で直接に搬
出側ベルトコンベア３に対して弾性的に押圧させてお
り、同補助ローラ９の回転中心軸9cと兼用ローラ６の回
転中心軸6cとを同一鉛直線上に配設している。この場
合、反転搬送部７の出口端10から物品１が搬出される際
に、該物品１は振動し難くなってより安定した状態で搬
出される。

【００６７】したがって、これ等第四，第五，第六実施
形態においては、反転搬送部７の出口端10を形成する補
助ローラ９を搬出側ベルトコンベア３に向かって弾発付
勢しているので、同反転搬送部７の出口端10から物品１
が搬出される際に、該物品１は補助ローラ９により弾性
的に押圧されて、同搬出側ベルトコンベア３のベルト５
上に安定して載置された状態で搬出される。しかも、補
助ローラ９は弾性に抗して搬出側ベルトコンベア３から
離れ得るので、物品１の異なる厚さ寸法に大きな自由度
で対応することができる。なお、それ以外は、上記第一
実施形態と同様に構成されており、同第一実施形態にお
けると同様の作用効果が奏される。

【００６８】図１２は、本願発明の請求項１，２，４〜
７，９に対応する第七実施形態を示しており、該実施形
態の物品反転搬送装置においては、反転搬送部７へと物
品１を送り込む前段部分で、搬入側ベルトコンベア２の
ベルト４の内側面に当接されて該ベルト４を上方へ若干
屈曲変形させる押圧ローラ31を、兼用ローラ６の近傍
（両ベルト４，５で物品１を挟持し始める位置付近）に
設けている。

【００６９】この場合、物品１が搬入側ベルトコンベア
２上に載置されて搬送されている途中に、何らかの理由
でくっついて搬送されてきた際、同搬入側ベルトコンベ
ア２上に載置されている物品１が前記押圧ローラ31で同
搬入側ベルトコンベア２のベルト４が上方へ屈曲される
部位を通過することで、後続の物品１と引き離すことが
できる。なお、それ以外は、上記第一実施形態と同様に
構成されており、同第一実施形態におけると同様の作用
効果が奏される。

【００７０】

【発明の効果】上述の如く、本願請求項１記載の発明に
係る物品反転搬送装置においては、反転搬送部の略半円
弧形状が簡単な構造で確保されて、物品は同反転搬送部
で確実に挟持反転されるようになり、装置も小型化され
てコストダウンが図られ、しかも、物品は同反転搬送部
から搬出される際に高速側の搬出側ベルトコンベアに引
っ張られて、搬入側ベルトコンベアに付着し難くこれか
ら確実に離脱され、安定した状態で載置搬送される。

【００７１】又、本願請求項２記載の発明に係る物品反
転搬送装置においては、特に、物品が搬入側ベルトコン
ベアからより確実に離脱され、反転搬送部から搬出され
た同物品を容易に取り出すこともでき、又、同反転搬送
部へと物品を送り込む前段部分では、直線搬入部で物品
が予め挟持状態とされて該反転搬送部へとスムーズに送
り込まれ、しかも、その際、同物品は安定状態で正確に
送り込まれる。

【００７２】又、本願請求項３記載の発明に係る物品反
転搬送装置においては、特に、物品の異なる厚さ寸法に
大きな自由度で対応することができ、しかも、同物品は
反転搬送部から搬出される際に補助ローラで弾性的に押
圧され、搬出側ベルトコンベア上に安定して載置された
状態で搬出される。

【００７３】又、本願請求項４記載の発明に係る物品反
転搬送装置においては、特に、物品が摩擦係数の大きい
高速側の搬出側ベルトコンベアに追随して挟持搬送さ
れ、各物品間の間隔は広く確保されて相互間のくっつき
も防止され、又、物品が反転搬送部から搬出される際に
は、同高速側の搬出側ベルトコンベアで確実に引っ張ら
れ、搬入側ベルトコンベアに対する付着も確実に防止さ
れてより安定した状態で載置搬送される。

【００７４】又、本願請求項５記載の発明に係る物品反
転搬送装置においては、特に、角速度の相違する両ベル
トが兼用ローラの相互各別に回動される外側ローラ部及
び内側ローラ部に支障なく確実に掛架支持されて、搬入
側ベルトコンベア及び搬出側ベルトコンベアの各別の速
度調整は容易となり、しかも、巾広となる同搬入側ベル
トコンベアのベルトにて物品が外側から包み込むように
保持された状態で挟持反転されて、該物品は厚さ寸法に
バラツキがあっても確実に反転搬送される。

【００７５】又、本願請求項６記載の発明に係る物品反
転搬送装置においては、特に、径の異なる両外側ローラ
部と内側ローラ部との外周面に形成される凹段部内に搬
出側ベルトコンベアのベルトが収容されて、厚さ寸法の
大きい物品であっても適度な挟持状態にして反転搬送さ
れ、又、両ベルトは相互間の接触摩擦抵抗が低減されて
各別にスムーズに回動される。

【００７６】又、本願請求項７記載の発明に係る物品反
転搬送装置においては、特に、搬入側駆動部と搬出側駆
動部とで、搬入側ベルトコンベア及び搬出側ベルトコン
ベアの反転搬送部における各角速度を相互に異なるよう
容易且つ確実に変化調整することができる。

【００７７】又、本願請求項８記載の発明に係る物品反
転搬送装置においては、特に、搬入側ベルトコンベア或
いは搬出側ベルトコンベアのベルトの外側面に形成され
た凹所に物品を納めた状態で反転搬送させることがで
き、その際、同物品に対する挟持力は軽減され、変形や
破損を生じ易い物品であっても支障なく確実に反転搬送
させることができる。

【００７８】又、本願請求項９記載の発明に係る物品反
転搬送装置においては、特に、反転される前後各々で第
一検査部及び第二検査部によって物品をその表裏両面側
から撮像することができ、安価な装置設備で同物品の外
観全体は簡単且つ確実に検査される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の第一実施形態である物品反転搬送装
置を示す側面図。

【図２】同物品反転搬送装置において搬送される（ａ）
（ｂ）各々異なる物品を例示する斜視図。

【図３】同物品反転搬送装置を示す要部断面図。

【図４】同物品反転搬送装置を示す概略平面図。

【図５】同物品反転搬送装置における設備全体を示す概
略側面図。

【図６】本願発明の第二実施形態である物品反転搬送装
置を示す要部側面図。

【図７】［図６］におけるＸ−Ｘ断面図。

【図８】本願発明の第三実施形態である物品反転搬送装
置を示す要部断面図。

【図９】本願発明の第四実施形態である物品反転搬送装
置を示す要部側面図。

【図１０】本願発明の第五実施形態である物品反転搬送
装置を示す要部側面図。

【図１１】本願発明の第六実施形態である物品反転搬送
装置を示す要部側面図。

【図１２】本願発明の第七実施形態である物品反転搬送
装置を示す要部側面図。

【図１３】従来例である「反転装置」を示す側面図。

【図１４】同「反転装置」を示す要部断面図。

【図１５】別の従来例である「製品反転装置」を示す側
面図。

【符号の説明】

１ 物品 ２ 搬入側ベルトコンベア ３ 搬出側ベルトコンベア ４ 搬入側ベルトコンベアのベルト ５ 搬出側ベルトコンベアのベルト ６ 兼用ローラ ７ 反転搬送部 ８ 直線搬入部 ９ 補助ローラ 10 出口端 11 内側ローラ部 12 外側ローラ部 13 凹段部 14 搬入側駆動部 15 搬出側駆動部 16 凹所 17 第一検査部 18 第二検査部 α 搬出側ベルトコンベアの角速度 β 搬入側ベルトコンベアの角速度

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ６５Ｇ 39/071 Ｂ６５Ｇ 39/16 39/16 47/52 Ｅ 47/52 47/22 Ａ Ｆターム(参考） 3F023 AA04 BA02 BB06 BC01 EA03 3F024 BA05 CA04 CB02 DA11 3F033 BB02 BC02 BC08 GA02 GB08 3F044 AA13 AB04 AB21 BA03 CD02 CD05 3F081 AA22 BE03 BE09 BF15 CA26 CC10 EA09 EA15 FB02

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品を送り込む搬入側ベルトコンベアと
   物品を送り出す搬出側ベルトコンベアとを備え、搬入側
   ベルトコンベア及び搬出側ベルトコンベアの両ベルトを
   一つの兼用ローラの外周に掛架して、該外周に沿い両ベ
   ルト間に物品を挟持して反転させる側面視略半円弧状の
   反転搬送部を形成し、該反転搬送部に送り込まれて反転
   された物品が搬出側ベルトコンベア上に載置された略水
   平直線軌道で搬入側ベルトコンベアから離脱されて送り
   出される物品反転搬送装置であって、反転搬送部におけ
   る搬出側ベルトコンベアの角速度を搬入側ベルトコンベ
   アの角速度よりも高速に設定してなる物品反転搬送装
   置。
2. 【請求項２】 物品をその上に載置して搬送する搬入側
   ベルトコンベアの上方に搬出側ベルトコンベアを配設
   し、同搬入側ベルトコンベアの搬送方向の終端部分を搬
   出側ベルトコンベアの上方へ折り返るように延設し、該
   搬出側ベルトコンベアのベルトの内側面が掛架される兼
   用ローラの外周に該ベルトの上から搬入側ベルトコンベ
   アのベルトの外側面を掛架して、同兼用ローラの外周に
   沿って物品を上方へ回動搬送する反転搬送部を形成し、
   該反転搬送部へと物品を送り込む前段部分において搬入
   側ベルトコンベアと搬出側ベルトコンベアとで物品を挟
   持し略直線的に搬送する直線搬入部を設けたことを特徴
   とする請求項１記載の物品反転搬送装置。
3. 【請求項３】 兼用ローラの上方に搬入側ベルトコンベ
   アのベルトの内側面が掛架される補助ローラを配設し、
   該補助ローラによって反転搬送部の出口端を形成し、同
   補助ローラを搬出側ベルトコンベアに向かって弾発付勢
   したことを特徴とする請求項２記載の物品反転搬送装
   置。
4. 【請求項４】 搬出側ベルトコンベアのベルトの外側面
   の摩擦係数を搬入側ベルトコンベアのベルトの外側面の
   摩擦係数よりも大きく設定したことを特徴とする請求項
   １〜３のいずれか一つに記載の物品反転搬送装置。
5. 【請求項５】 兼用ローラを内側ローラ部とその両側の
   外側ローラ部とに分離形成して、該外側ローラ部と内側
   ローラ部とが相互各別に回動されるようになし、同内側
   ローラ部の外周面に巾狭となる搬出側ベルトコンベアの
   ベルトの内側面を当接掛架させると共に、両外側ローラ
   部の外周面に巾広となる搬入側ベルトコンベアのベルト
   の両側縁部分の外側面を当接掛架させたことを特徴とす
   る請求項１〜４のいずれか一つに記載の物品反転搬送装
   置。
6. 【請求項６】 両外側ローラ部より内側ローラ部を小径
   にして、該内側ローラ部の外周面の外側に同両外側ロー
   ラ部の外周面との間で凹段部を形成し、該凹段部内に搬
   出側ベルトコンベアのベルトを収容して同内側ローラ部
   の外周面に当接掛架させたことを特徴とする請求項５記
   載の物品反転装置。
7. 【請求項７】 搬入側ベルトコンベアを回動させる搬入
   側駆動部と、搬出側ベルトコンベアを回動させる搬出側
   駆動部とを各別に備えたことを特徴とする請求項１〜６
   のいずれか一つに記載の物品反転搬送装置。
8. 【請求項８】 搬入側ベルトコンベア或いは搬出側ベル
   トコンベアのベルトの外側面に物品を納める凹所を形成
   したことを特徴とする請求項１〜７のいずれか一つに記
   載の物品反転搬送装置。
9. 【請求項９】 搬入側ベルトコンベア上に載置されて搬
   送されている物品を撮像する第一検査部と、搬出側ベル
   トコンベア上に載置されて搬送されている物品を撮像す
   る第二検査部とを備えたことを特徴とする請求項１〜８
   のいずれか一つに記載の物品反転搬送装置。