JP2003153762A - 座席用クッション中身体及びその製造方法 - Google Patents

座席用クッション中身体及びその製造方法

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JP2003153762A
JP2003153762A JP2001284471A JP2001284471A JP2003153762A JP 2003153762 A JP2003153762 A JP 2003153762A JP 2001284471 A JP2001284471 A JP 2001284471A JP 2001284471 A JP2001284471 A JP 2001284471A JP 2003153762 A JP2003153762 A JP 2003153762A
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foam
breathable sheet
mold
seat cushion
sheet
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JP2001284471A
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Yasumasa Senoo
康正 妹尾
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Namba Press Works Co Ltd
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Namba Press Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラックなどの不具合を生じることなく容易
且つ低コストで補強した座席用クッションの中身体、そ
の製造方法、及びその製造方法に使用される発泡成形装
置を提供することである。 【解決手段】 当該中身体10の輪郭にほぼ一致する形
状の発泡性樹脂から形成される発泡体11と、発泡体1
1に一体的に固定される通気性シート12と、通気性シ
ート12を発泡体11に一体的に固定し、通気性シート
12を発泡体11に一体的に固定した中身体10の部分
を補強する含浸層13とから構成される、座席用クッシ
ョンの表面から両側面にわたる形状にほぼ一致する形状
の表面と両側面とを有する中身体10。含浸層13の厚
さは、通気性シート12の厚さよりも薄く、少なくと
も、通気性シート12を発泡体11に一体的に固定した
中身体10の部分に所定の補強強度を与えるだけの厚さ
にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、航空機、船
舶などの乗り物に備え付けられる座席用クッションの製
造技術に関し、特に、座席用クッションの中身体、その
製造方法及びその製造に使用される装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】車両、
航空機、船舶などの乗り物に備え付けられる座席は、着
座部と背もたれ部とを有し、これら着座部と背もたれ部
には、それぞれ、クッションが取り付けられている。こ
のような座席としては、背もたれ部を自由に傾けられる
リクライニング機能を備えたものや、着座部を跳ね上げ
ることのできるもの、また、しっかりとした着座感を与
えるため、着座部や背もたれ部のクッションの周囲部分
の表面側に土手を形成したものもある。
【0003】このような座席に取り付けられるクッショ
ンは、クッションの表面から両側面にわたる形状にほぼ
一致する形状の表面と両側面とを有する弾力性のある中
身体と、この中身体を被覆する表皮材とから構成され
る。
【0004】中身体は、弾力性のある柔らかい着座感を
与えるため、中身体の形状にほぼ一致する形状に成形し
た軟質の発泡体と、中身体の側面や裏面を補強し、クッ
ションの変形を抑制して、しっかりとした着座感を与え
るため、この発泡体に一体的に固定される補強材とから
構成される。
【0005】発泡体は、発泡性樹脂から形成され、この
発泡性樹脂として、一般に、ウレタン系発泡性樹脂(ホ
ットウレタンフォーム)が広く使用されている。
【0006】発泡体は、発泡体の裏面の形状に一致する
型面を有する上型と、発泡体の表面から両側面にわたる
形状に一致する型面を有する下型とから構成される成形
型を有し、この成形型を閉じたときに、成形型の内部に
中身体の輪郭に一致する形状の空間が形成される発泡成
形装置を使用して製造される。すなわち、発泡体は、発
泡性樹脂の原液を成形型内に注入し、これを発泡させ
て、中身体の輪郭にほぼ一致する形状に成形することに
よって製造される。
【0007】ここで、成形型内に注入される発泡性樹脂
の原液は、成形時にガスを発生し、このガスにより樹脂
を膨張、多泡化するものであり、成形時に発生したガス
が成形型内に残っていると、発泡体にクラックを形成す
るなどの不具合を生じさせるので、発生したガスを外部
に排気するため、成形型の上型の型面に、外部に連通す
るガス抜き口が設けられている。
【0008】一方、中身体の側面や裏面の補強は、補強
材として、中身体に求められる所定の補強強度が得られ
るように、ウレタンなどの材料からなるチップ材をバイ
ンダーで高密度に固めて製造した硬質又は半硬質の板材
が使用され、この板材を成形型内の所定の型面部分に配
置し、成形型内に発泡性樹脂の原液を注入した後、成形
型を閉じ、この発泡性樹脂の原液を発泡させて発泡体を
成形しつつ、中身体の側面や裏面に対応する発泡体の部
分に上記の板材を一体的に固定することによって行われ
る。(ここで、成形時、上記の板材に発泡性樹脂の原液
が含浸し、発泡して、板材と発泡体とが重複し、この重
複部分に薄い硬い層が形成されるが、中身体に求められ
る所定の補強強度はこの薄い硬い層の外側の板材の部分
によって与えられているので、この薄い硬い層は、単
に、板材と発泡体とを一体的に固定するだけのものであ
り、中身体の補強強度に何ら影響を与えるものではな
い。)
【0009】このような技術が、中身体の補強技術とし
て広く利用されている。
【0010】しかし、このような中身体の補強技術で
は、上記のような板材は、変形し難いものであり、補強
されるべき中身体の部分に従った所定の形状に精度よく
製造されないと、中身体の輪郭が所定の輪郭に成形され
ず、これを表皮材で被覆する前に、板材の一部を切除す
る作業が必要となる。このため、このような補強材の製
造にコストと手間がかかる、という問題がある。
【0011】また、上記した補強技術では、成形時に、
発泡性樹脂の原液が、成形型の上型に設けたガス抜き口
を通じて溢れ出し、ガス抜き口に、マッシュルーム状の
バリ(ベントマッシュルームという)が発生し、ガス抜
き口が、成形型内のガスを完全に排気する前にベントマ
ッシュルームによって塞がれる。すなわち、ガス抜き口
の数が少ないと、成形時に発生したガスを効率よく外部
に排気できないため、上型には多数(通常、10個以
上)のガス抜き口を設ける必要がある。
【0012】一方、ベントマッシュルームは、中身体を
成形型から取り出す際に、切除され、廃棄されるもので
あるため、成形型には、ベントマッシュルームの発生を
考慮した量だけ余分に発泡性樹脂の原液を注入する必要
があり、ガス抜き口の数を増やすと、これに比例して、
使用される材料に多大なコスト(年間数億円かかる場合
もある)がかかる、という問題がある。
【0013】本発明は、これら問題に鑑みてなされたも
のであり、したがって、クラックなどの不具合を生じる
ことなく容易且つ低コストで補強した座席用クッション
の中身体、その製造方法、及びその製造に使用される発
泡成形装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の座席用クッションの中身体は、座席用クッションの
表面から両側面にわたる形状にほぼ一致する形状の表面
と両側面とを有する中身体であって、ホットウレタンフ
ォームなどの発泡性樹脂から形成される、中身体の輪郭
にほぼ一致する形状の発泡体と、この発泡体に一体的に
固定される通気性シートと、この通気性シートを発泡体
に一体的に固定し、通気性シートを発泡体に一体的に固
定した中身体の部分を補強する含浸層とから構成され
る。
【0015】含浸層は、発泡体と通気性シートとの重複
部分に形成される層であり、この層により、通気性シー
トは発泡体に一体的に固定され、また通気性シートを発
泡体に一体的に固定した中身体の部分が補強される。
【0016】含浸層の厚さは、通気性シートの厚さより
も薄く、これにより、通気性シートを発泡体に一体的に
固定した中身体の部分の表層が、含浸層の直ぐ外側の通
気性シートの表層部分で形成される。また、含浸層の厚
さは、少なくとも、通気性シートを発泡体に一体的に固
定した中身体の部分に所定の補強強度を与えるだけの厚
さにあり、これにより、通気性シートを発泡体に一体的
に固定した中身体の部分が補強される。
【0017】通気性シートは、好適に、中身体の両側面
に対応する発泡体の部分に一体的に固定され、これによ
り、中身体の両側面が補強される。
【0018】通気性シートは、5mmを越える厚さにあ
り、含浸層は、少なくとも5mmの厚さにあり、これに
より、通気性シートを発泡体に一体的に固定した中身体
の部分の表層が、含浸層の直ぐ外側の通気性シートの表
層部分で形成され、また、通気性シートを発泡体に一体
的に固定した中身体の部分が補強される。
【0019】通気性シートとして、軟質のスポンジシー
ト、織布シート、又は不織布シートが使用される。好適
に、通気性シートとして、スポンジシートが使用され、
このスポンジシートとして、スラブウレタンフォームが
使用される。
【0020】上記本発明の座席用クッションの中身体
は、中身体の裏面の形状に一致する型面を有する上型
と、中身体の表面から両側面にわたる形状に一致する型
面を有し、中身体の両側面に一致する型面部分に、外部
に連通するガス抜き口を設けた下型とを有する成形型か
ら構成され、成形型を閉じると、その内部に中身体の輪
郭に一致する形状の空間が形成される発泡成形装置を使
用して製造される。ここで、本発明の発泡成形装置で
は、下型だけでなく、上型にも、外部に連通するガス抜
き口が設けられてもよい。
【0021】上記本発明の座席用クッションの中身体の
製造は、上記発泡成形装置の成形型の型面に設けたガス
抜き口を覆うように、通気性シートを成形型内に配置
し、成形型内に所定の量の発泡性樹脂の原液を注入した
後、成形型を閉じ、この発泡性樹脂の原液を発泡させて
上記発泡体を成形しつつ、所定の厚さの含浸層を形成
し、通気性シートをこの発泡体に一体的に固定させるこ
とによって行われる。ここで、含浸層の厚さは、成形型
内に注入される発泡性樹脂の原液の量を調節することに
よって適宜に調節できる。発泡性樹脂の原液の注入量を
増すと、成形型内の圧力が高くなり、含浸層の厚さが増
す。
【0022】好適に、通気性シートは、発泡成形装置の
下型の型面に設けたガス抜き口を覆うように、成形型内
に配置され、これにより、通気性シートが、中身体の両
側面に対応する発泡体の部分に一体的に固定され、中身
体の両側面が補強される。
【0023】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態では、本発明に
ついて、座席の背もたれ部に使用される座席用クッショ
ンの中身体を例にあげて図説する。
【0024】<中身体> 図1(a)及び(b)に示す
ように、本発明の、座席の背もたれ部に使用される座席
用クッションの中身体10は、座席用クッション(図示
せず)の表面から両側面にわたる形状にほぼ一致する形
状の表面と両側面とを有する中身体10であって、発泡
性樹脂から形成される、中身体10の輪郭にほぼ一致す
る形状の発泡体11と、発泡体11に一体的に固定され
る通気性シート12と、通気性シート12を発泡体11
に一体的に固定し、通気性シート12を発泡体11に一
体的に固定した中身体10の部分を補強する含浸層13
とから構成される。
【0025】含浸層13は、図1(b)に示すように、
発泡体11と通気性シート12との重複部分に形成され
た層であり、この層により、通気性シート12は発泡体
11に一体的に固定され、また通気性シート12を発泡
体11に一体的に固定した中身体10の部分が補強され
る。
【0026】含浸層13の厚さは、通気性シート12の
厚さよりも薄く、これにより、通気性シート12を発泡
体11に一体的に固定した中身体10の部分の表層が、
含浸層13の直ぐ外側の通気性シート12の軟質な表層
部分14で形成される。また、含浸層13の厚さは、少
なくとも、通気性シート12を発泡体11に一体的に固
定した中身体10の部分に所定の補強強度を与えるだけ
の厚さにあり、これにより、通気性シート12を発泡体
11に一体的に固定した中身体の部分が補強される。
【0027】通気性シート12は、5mmを越える厚さ
にあり、含浸層13は、少なくとも5mmの厚さにあ
り、これにより、通気性シート12を発泡体11に一体
的に固定した中身体10の部分の表層が、含浸層13の
直ぐ外側の通気性シート12の軟質な表層部分14で形
成され、また、通気性シート12を発泡体11に一体的
に固定した中身体10の部分が補強される。
【0028】図示されるような通気性シートは、補強し
たい中身体の部分に適宜に一体的に固定できる。また、
通気性シートの形状や大きさは、補強したい中身体の部
分の形状や大きさに従って適宜に選定できる。好適に、
通気性シート12は、中身体10の両側面に対応する発
泡体11の部分に一体的に固定され、これにより、中身
体10の両側面が補強される。
【0029】座席の背もたれ部の場合、図示のように、
背もたれ部の両側面に該当する中身体10の両側面に通
気性シート12が一体的に固定され、さらに、背もたれ
部の裏面に配置される背もたれ部を支持するための部材
と接触する中身体の裏面の部分にも通気性シート12
(図中、破線で示す部分)が一体的に含浸固定され得
る。
【0030】発泡体11は、ウレタン系、スチレン系、
塩化ビニル系、フェノール樹脂系、ユリア樹脂系、エチ
レン系などの既知の発泡性樹脂から形成され、好適に、
ウレタン系発泡性樹脂(ホットウレタンフォーム)から
形成される。
【0031】通気性シート12として、軟質のスポンジ
シート、織布シート、又は不織布シートが使用される。
好適に、通気性シート12として、スポンジシートが使
用され、スポンジシートとして、スラブウレタンフォー
ムが使用される。
【0032】<発泡成形装置> 図1に示される本発明
の座席用クッションの中身体10を製造するための装置
は、図2に示すように、中身体10の裏面の形状に一致
する型面を有する上型21と、中身体10の表面から両
側面にわたる形状に一致する型面22を有し、中身体1
0の両側面に一致する型面部分に、外部に連通するガス
抜き口25を設けた下型22とを有する成形型から構成
され、成形型を閉じると、その内部に中身体10の輪郭
に一致する形状の空間23が形成される発泡成形装置2
0である。図示の例では、上型21の型面にも、外部に
連通するガス抜き口24が設けられているが、本発明で
は、上型21に、符号24で示すようなガス抜き口24
を設けなくてもよい。
【0033】<製造方法> 図1に示す中身体10は、
図2に示す発泡成形装置20の成形型の型面に設けたガ
ス抜き口24、25の両方又はいずれか一方を覆うよう
に、通気性シート12を成形型内に配置し、成形型内に
所定の量の発泡性樹脂の原液を注入し、成形型を閉じ、
この発泡性樹脂の原液を発泡させて発泡体11を成形し
つつ、所定の厚さの含浸層13を形成し、通気性シート
12をこの発泡体11に一体的に固定させることによっ
て製造される。
【0034】成形時、発泡性樹脂の原液は、通気性シー
ト12に含浸し、含浸層13を形成する。
【0035】この発泡性樹脂の原液は、通気性シート1
2の厚さ以上まで含浸しないので、通気性シート12で
覆われたガス抜き口24、25を通じて外部へ漏れ出す
ことがなく、成形時に発生したガスは、通気性シート1
2を通じ、さらにガス抜き口24、25を通じて効率的
に外部へ排気される。
【0036】ここで、通気性シート12が薄すぎると、
成形時に発生するガスが通気性シート12を通じてガス
抜き口24へと均等に流れ難くなり、含浸層13の硬度
を局所的に変化させ得ることから、通気性シート12
は、5mmを越える厚さにある。また、含浸層13は、
少なくとも5mmの厚さにある。
【0037】含浸層13の厚さは、成形型内に注入され
る発泡性樹脂の原液の量を調節することによって適宜に
調節できる。すなわち、発泡性樹脂の原液の注入量を増
すと、成形型内の圧力が高くなり、含浸層13の厚さが
増す。ここで、含浸層13の厚さを増すと、より高い補
強強度を中身体10に与えることができるので、発泡性
樹脂の原液の注入量を調節することにより中身体10の
補強強度を調節できる。
【0038】好適に、通気性シート12は、発泡成形装
置20の下型22の型面に設けたガス抜き口25のみを
覆うように、成形型内に配置され、これにより、通気性
シート12が、中身体10の両側面に対応する発泡体1
1の部分に一体的に固定され、中身体10の両側面が補
強される。この場合、成形時に発生したガスは、上型2
1のガス抜き口25からも排気され、ガス抜き口24に
ベントマッシュルームが発生するが、ガス抜き口24を
下型22に設けた分だけ、上型21に設けられるガス抜
き口25の数が減少するので、ベントマッシュルームの
量が減少する。
【0039】<実施例> 本発明に従って、座席の背も
たれ部として使用される座席用クッションの中身体を製
造した。
【0040】発泡体の原料である発泡性樹脂の原液とし
て、成形後の発泡密度が26Kg/m 3となるウレタン系
発泡性樹脂(ホットウレタンフォーム)の原液を使用し
た。
【0041】通気性シートとして、中身体の両側面をほ
ぼ覆うことのできる大きさの厚さ11mmの軟質のスラ
ブウレタンフォームを使用した。
【0042】実施例の中身体は、上型の型面に、外部に
連通するガス抜き口(口径3φ)(図2の符号24)を
1個有し、通気性シートを配置する下型の型面部分に、
外部に連通するガス抜き口(口径3φ)(図2の符号2
5)を2個づつ(合計4個)有する図2に示すような発
泡成形装置を使用して製造され、通気性シートは、下型
のガス抜き口のみを覆うように、成形型内に配置され
た。なお、下記の例1〜4においては、発泡成形装置の
上型のガス抜き口を塞ぎ、例5〜8においては、上型の
ガス抜き口を開放した。
【0043】<例1> 例1の中身体は、発泡成形装置
の上型のガス抜き口を塞ぎ、下型のガス抜き口を覆うよ
うに上記の通気性シートを配置し、成形型内に上記の発
泡性樹脂の原液1040gを注入した後、成形型を閉
じ、この発泡性樹脂の原液を発泡させて中身体の輪郭に
ほぼ一致する形状の発泡体を成形しつつ、上記の通気性
シートを、中身体の両側面に対応する発泡体の部分に一
体的に含浸固定させて製造した。
【0044】<例2> 例2の中身体は、発泡性樹脂の
原液の注入量を1020gとした以外は、上記の例1と
同一の製造条件で製造された。
【0045】<例3> 例3の中身体は、発泡性樹脂の
原液の注入量を1000gとした以外は、上記の例1と
同一の製造条件で製造された。
【0046】<例4> 例4の中身体は、発泡性樹脂の
原液の注入量を960gとした以外は、上記の例1と同
一の製造条件で製造された。
【0047】<例5> 例5の中身体は、上型のガス抜
き口を開放し、下型のガス抜き口を覆うように上記の通
気性シートを配置し、成形型内に上記の発泡性樹脂の原
液1040gを注入した後、成形型を閉じ、この発泡性
樹脂の原液を発泡させて中身体の輪郭にほぼ一致する形
状の発泡体を成形しつつ、上記の通気性シートを、中身
体の両側面に対応する発泡体の部分に一体的に含浸固定
させて製造した。
【0048】<例6> 例6の中身体は、発泡性樹脂の
原液の注入量を1020gとした以外は、上記の例5と
同一の製造条件で製造された。
【0049】<例7> 例7の中身体は、発泡性樹脂の
原液の注入量を1000gとした以外は、上記の例5と
同一の製造条件で製造された。
【0050】<例8> 例8の中身体は、発泡性樹脂の
原液の注入量を960gとした以外は、上記の例5と同
一の製造条件で製造された。
【0051】<結果> 実施例の結果を下記の表1に示
す。なお、各例において、中身体の成形状態は、クラッ
クの発生がなく、良好であった。
【表1】
【0052】上記の表1に示すように、発泡性樹脂の原
液の注入量を増加すると、含浸層の厚さが増加する。す
なわち、上記の表1に示す結果から、発泡性樹脂の原液
の注入量を調節することにより、含浸層の厚さを調節で
き、また、含浸層の厚さを適宜に調節できるので、含浸
層を形成した中身体の部分の強度を適宜に調節できるこ
とがわかる。
【0053】また、上記例1〜4の結果から、上型にガ
ス抜き口がなくても、良好な中身体を成形でき、また、
上記例5〜8の結果から、ベントマッシュルームの量
が、発泡性樹脂の原液の注入量の約1%未満に抑えられ
ていることがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明が以上のように構成されるので、
通気性シートを成形型のガス抜き口を覆うように配置す
るだけの容易簡単な方法により、成形型内に注入する発
泡性樹脂の原液の注入量が減少され、座席用クッション
の中身体にクラックなどの不具合を生じることなく、座
席用クッションの中身体を容易且つ低コストで通気性シ
ートにより補強できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、自動車の座席の背もたれ部とし
て使用される本発明の座席用クッションの中身体の断面
図であり、図1(b)は、図1(a)の符号Aで囲った
部分の拡大図である。
【図2】図2は、本発明に従って、図1の中身体を製造
するための発泡成形装置の断面図であり、その成形型内
に通気性シートを配置したところを示す。
【符号の説明】
10・・・中身体 11・・・発泡体 12・・・通気性シート 13・・・含浸層 14・・・表層部分 20・・・発泡成形装置 21・・・上型 22・・・下型 23・・・空間 24、25・・・ガス抜き口

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座席用クッションの表面から両側面にわ
    たる形状にほぼ一致する形状の表面と両側面とを有する
    座席用クッションの中身体であって、(1)発泡性樹脂
    から形成される発泡体であって、前記発泡体の形状が、
    当該中身体の輪郭にほぼ一致する、発泡体、(2)前記
    発泡体に一体的に固定される通気性シート、及び(3)
    前記通気性シートを前記発泡体に一体的に固定し、前記
    通気性シートを前記発泡体に一体的に固定した当該中身
    体の部分を補強する含浸層であって、前記含浸層が、前
    記発泡体と前記通気性シートとの重複部分に形成された
    層であり、この層により、前記通気性シートが前記発泡
    体に一体的に固定され、 前記含浸層の厚さが、前記通気性シートの厚さよりも薄
    く、これにより、前記通気性シートを前記発泡体に一体
    的に固定した当該中身体の部分の表層が、前記含浸層の
    直ぐ外側の前記通気性シートの表層部分で形成され、 前記含浸層の厚さが、少なくとも、前記通気性シートを
    前記発泡体に一体的に固定した当該中身体の部分に所定
    の補強強度を与えるだけの厚さにあり、これにより、前
    記通気性シートを前記発泡体に一体的に固定した当該中
    身体の部分が補強される、ところの含浸層、から成る座
    席用クッションの中身体。
  2. 【請求項2】 前記通気性シートが、当該中身体の両側
    面に対応する前記発泡体の部分に一体的に固定され、こ
    れにより、当該中身体の両側面が補強される、請求項1
    の座席用クッションの中身体。
  3. 【請求項3】 前記発泡性樹脂として、ホットウレタン
    フォームが使用される、請求項1の座席用クッションの
    中身体。
  4. 【請求項4】 前記通気性シートが、5mmを越える厚
    さにあり、前記含浸層が、少なくとも5mmの厚さにあ
    る、請求項1の座席用クッションの中身体。
  5. 【請求項5】 前記通気性シートとして、スポンジシー
    ト、織布シート、又は不織布シートが使用される、請求
    項1の座席用クッションの中身体。
  6. 【請求項6】 前記スポンジシートとして、スラブウレ
    タンフォームが使用される、請求項5の座席用クッショ
    ンの中身体。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の座席用クッションの中
    身体を製造するための発泡成形装置であって、 前記中身体の裏面の形状に一致する型面を有する上型、
    及び前記中身体の表面から両側面にわたる形状に一致す
    る型面を有し、前記中身体の両側面に一致する型面部分
    に、外部に連通するガス抜き口を設けた下型、を有する
    成形型から成り、 前記成形型を閉じると、その内部に前記中身体の輪郭に
    一致する形状の空間が形成される、発泡成形装置。
  8. 【請求項8】 前記上型が、外部に連通するガス抜き口
    を有する、請求項7の発泡成形装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の中身体の製造方法であ
    って、請求項7又は8に記載の発泡成形装置の成形型の
    型面に設けたガス抜き口を覆うように、請求項1に記載
    の通気性シートを前記成形型内に配置し、前記成形型内
    に所定の量の請求項1に記載の発泡性樹脂の原液を注入
    した後、前記成形型を閉じ、前記発泡性樹脂の原液を発
    泡させて請求項1に記載の発泡体を成形しつつ、所定の
    厚さの請求項1に記載の含浸層を形成し、前記通気性シ
    ートをこの発泡体に一体的に固定させる、製造方法。
  10. 【請求項10】 前記通気性シートが、前記発泡成形装
    置の下型の型面に設けたガス抜き口を覆うように、前記
    成形型内に配置され、これにより、前記通気性シート
    が、前記中身体の両側面に対応する前記発泡体の部分に
    一体的に固定され、前記中身体の両側面が補強される、
    請求項9の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013220793A (ja) * 2012-04-19 2013-10-28 Inoac Corp 車両用シートパッド及びその製造方法
US9211825B2 (en) 2013-03-29 2015-12-15 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Conveyance seat
CN105793103A (zh) * 2013-12-06 2016-07-20 日本发条株式会社 车辆用座席

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