JP2003148579A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2003148579A
JP2003148579A JP2001350475A JP2001350475A JP2003148579A JP 2003148579 A JP2003148579 A JP 2003148579A JP 2001350475 A JP2001350475 A JP 2001350475A JP 2001350475 A JP2001350475 A JP 2001350475A JP 2003148579 A JP2003148579 A JP 2003148579A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリエータのディスクと回転軸の結合に関し
て、スプライン結合に代わる新たな結合構造を有するト
ロイダル型無段変速機を提供する。 【解決手段】 側面にローラが転走する凹湾曲状軌道面
を有する入力ディスク5の中心部を入力軸3に対して同
軸状に固定するための固定機構21を有するトロイダル
型無段変速機において、前記固定機構21は、前記入力
軸3の周面に凹状形成された凹部24と、当該凹部24
に嵌合した状態で入力軸3の径外方向に突出する大きさ
に形成された固定部材25と、前記固定部材25を収容
可能に前記ディスク側面に形成された収容部26とを有
して構成され、前記固定部材25は、板材として構成さ
れ、前記収容部26に収容された状態で入力ディスク5
の軸方向と平行な面で前記収容部26と当接する当接面
31とを有して、入力ディスク5と入力軸4との間でト
ルク伝達可能に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の変
速装置として用いられるトロイダル型無段変速機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機は、凹湾曲状の
軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクを、軌道
面同士が互いに対向するように配置し、両ディスク間に
ローラを配置して各ディスクの軌道面に接触させた構成
からなるバリエータを有している。入力ディスクは、エ
ンジンにより回転駆動される入力軸に対してスプライン
結合により同軸的に取り付けられており、入力軸の回転
により入力ディスクが回転する。
【0003】バリエータディスクである入力ディスク及
び出力ディスクとローラとを相互に圧接させた状態で入
力ディスクが回転すると、これに接触するローラが回転
し、さらに、ローラに接触する出力ディスクが回転す
る。出力ディスクは、中空の出力軸に対してスプライン
結合により同軸的に取り付けられており、出力軸に一体
的に設けられたスプロケットギヤが動力伝達用のチェー
ンと噛み合って動力を出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、入力デ
ィスクと入力軸の結合及び出力ディスクと出力軸の結合
は、すべてスプライン結合によって行っている。しか
し、スプラインの加工は非常に困難である。例えば、入
力ディスクのスプライン穴の熱処理を行った場合、熱処
理後のひずみが大きく、熱処理後にシェービング処理が
必要となる。また、シェービング処理は、高硬度の切削
加工であるため、工具の損耗が大きく、短寿命となり易
いため、ディスクのコスト高の要因となる。
【0005】このように、加工容易性とコスト低減の観
点からは、スプライン加工は避けたいものである。本発
明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、バリエ
ータのディスクと回転軸の結合に関して、スプライン結
合に代わる新たな結合構造を有するトロイダル型無段変
速機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】まず、前記スプラインの
機能としては、トルク伝達機能と軸方向スライド機能の
2つがある。ここで、バリエータディスクである入力デ
ィスク又は出力ディスクと、回転軸である入力軸又は出
力軸との間でのトルク伝達機能はすべてのディスクに必
要とされる。一方、回転軸に対するバリエータディスク
の軸方向のスライド機能は、対向する他のバリエータデ
ィスク側に油圧によってバリエータディスクを付勢して
所定の端末負荷を加えるべく、バリエータディスクを油
圧シリンダ装置のピストンとして動作させるために必要
なものであり、すべてのバリエータディスクに対して必
要なものではない。
【0007】例えば、入力ディスクと出力ディスクを2
組備えた、いわゆるダブルキャビティ式トロイダル型無
段変速機は、計4つのバリエータディスクを有するが、
1つの入力ディスクのみが軸方向にスライドし、他の3
つのディスクはスライドしないものがある。このような
トロイダル型無段変速機の場合、軸方向にスライドする
1つのバリエータディスクについては、スプライン結合
が必要とされるとしても、他の3つのバリエータディス
クについては、トルク伝達機能があれば十分であり、ス
プライン結合である必要はない。
【0008】本発明者は、かかる点に着目して、本発明
を為したものであり、第1の本発明は、側面にローラが
転走する凹湾曲状軌道面を有するバリエータディスクの
中心部を回転軸に対して同軸状に固定するための固定機
構を有するトロイダル型無段変速機において、前記固定
機構は、前記回転軸の周面に凹状形成された凹部と、当
該凹部に嵌合可能に構成されているとともに前記凹部に
嵌合した状態で前記回転軸の径外方向に突出する大きさ
に形成された固定部材と、前記固定部材を収容可能に前
記ディスク側面に形成された収容部と、を有して構成さ
れ、前記固定部材は、前記回転軸の軸方向と板材厚さ方
向とが一致するように前記凹部に嵌合される板材として
構成され、前記収容部に収容された状態で前記バリエー
タディスクの軸方向と平行な面で前記収容部と当接する
当接面とを有して、前記バリエータディスクと前記回転
軸との間でトルク伝達可能に構成されていることを特徴
とするものである。
【0009】第1の発明によれば、固定部材を、回転軸
の凹部に嵌合するとともにバリエータディスクの収容部
に収容することで、バリエータディスクと回転軸との間
でトルクが伝達されるように両者を固定することができ
る。すなわち、回転軸の凹部に嵌合された固定部材の前
記当接面がバリエータディスクの軸方向と平行な面で収
容部と当接することで、固定部材を介してバリエータデ
ィスクと回転軸との間でのトルク伝達機能が確保され
る。
【0010】そして、上記の固定機構を採用すること
で、スプライン加工が不要となるため、加工が容易とな
り、コストダウンが可能となる。また、固定部材を板材
として構成することで、トルク不足を防止できるととも
に、応力集中を避けることができる。さらに、板材が嵌
合する凹部を加工するのも容易である。なお、ここでバ
リエータディスクとはバリエータの入力ディスク及び出
力ディスクの双方を含む概念であり、回転軸とは入力軸
及び出力軸の双方を含む概念である。
【0011】本発明では、前記凹部は前記回転軸の軸心
を中心として2カ所対向状に形成され、前記固定部材は
各凹部にそれぞれ嵌合できるように2つの分離した固定
片からなるのが好ましい。凹部及びそれに嵌合する固定
部材を2カ所に分散するとともに対向配置とすること
で、各部に作用する力が分散し、あるいは打ち消し合う
ためで好適である。
【0012】また、第2の本発明は、側面にローラが転
走する凹湾曲状軌道面を有するバリエータディスクの中
心部を回転軸に対して同軸状に固定するための固定機構
を有するトロイダル型無段変速機において、前記固定機
構は、前記回転軸の径外方向に突出して設けられた固定
部材と、前記固定部材を収容可能に前記ディスク側面に
形成された収容部と、を有して構成され、前記固定部材
は、厚さ方向が前記回転軸の軸方向に向けられた板材で
あって、前記収容部に収容された状態で前記バリエータ
ディスクの軸方向と平行な面で前記収容部と当接する当
接面を有して、前記バリエータディスクと前記回転軸と
の間でトルク伝達可能に構成されていることを特徴とす
るものである。
【0013】第2の発明においても、固定部材をバリエ
ータディスクの収容部に収容することで、バリエータデ
ィスクと回転軸との間でトルクが伝達されるように両者
を固定することができ、スプライン加工が不要となる。
また、固定部材を板材として構成することで、トルク不
足を防止できるとともに、応力集中を避けることができ
る。
【0014】さらに、前記固定部材は、前記回転軸の軸
心を中心として2カ所対向状に設けられた固定片により
構成すると、各部に作用する力が分散し、あるいは打ち
消し合うためで好適である。
【0015】第1又は第2の発明において、前記収容部
は、前記凹湾曲状軌道面が設けられている前記バリエー
タディスク側面とは反対側の側面に形成されているのが
好ましい。収納部をかかる配置とすることで、前記固定
機構は、ローラとバリエータディスクとの当接力の反力
によってバリエータディスクがローラから離反する方向
へ移動することを阻止するストッパとしても機能する。
すなわち、そのようなバリエータディスクの移動は、凹
湾曲状軌道面とは反対側の側面にある収納部が回転軸か
ら突出した固定部材と接することによって阻止される。
【0016】さらに、本発明では、前記バリエータディ
スクは複数具備されており、複数のバリエータディスク
のうち、回転軸に対して軸方向のスライドが必要とされ
るバリエータディスクは、スプライン結合によって前記
回転軸と固定し、複数の前記バリエータディスクのう
ち、回転軸に対して軸方向のスライドが必要とされない
バリエータディスクは、第1発明又は第2発明の前記固
定機構を介して前記回転軸と固定することができる。
【0017】このように、回転軸の軸方向スライドが必
要とされるバリエータディスクとそうでないバリエータ
ディスクとを区別し、軸方向スライドが必要とされない
バリエータディスクに前記固定機構を採用することで、
変速機全体としての加工容易性・コストダウンを得つ
つ、必要な機能を確保することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態
によるトロイダル型無段変速機のバリエータ1部分を示
す概略図である。このトロイダル型無段変速機は、フル
トロイダル型のダブルキャビティ式であり、入力ディス
クと出力ディスクとをそれぞれ2つずつ備えている。
【0019】バリエータ1には、車両の動力源により回
転駆動される入力軸3が設けられており、その両端近傍
にはそれぞれ入力ディスク4,5が支持されている。入
力軸3の一端側近傍に設けられた第1の入力ディスク4
の一側面には、凹湾曲状の軌道面4bが形成されてお
り、この第1入力ディスク4の中央部には、内周に複数
条の溝を切ったスプライン穴4aが形成されている。第
1入力ディスク4は、スプライン結合によって入力軸3
に結合される。つまり、第1入力ディスク4のスプライ
ン穴4aを、入力軸3に設けられたスプライン軸3aに
結合させることによって、入力軸3と一体回転可能、及
び入力軸3に対して軸方向にスライド可能とされてい
る。
【0020】また、第1入力ディスク4の軌道面4bと
は反対側の側面(背面)には、当該側面(背面)全体を
覆うケーシング6と、ケーシング6の内周に内接したバ
ックアップ材7と、入力軸3に固定され、第1入力ディ
スク4及びバックアップ材7が軸方向の左方に移動する
ことを規制する係止リング8及び止め輪9と、係止リン
グ7の外周に装着され、バックアップ材7に予圧を付与
するワッシャ10とが設けられている。
【0021】上記バックアップ材7の外周にはOリング
11が装着されており、ケーシング6の内周面と、第1
入力ディスク4の軌道面4bとは反対側の側面(背面)
と、バックアップ材7とによって囲まれた入力軸3の周
りの空間に油室Rが形成されている。油室Rは、入力軸
3の中心軸方向に向けられた油路3c及びその右端部近
傍から径方向に設けられた油路3dと連通している。ま
た、油路3cは、入力軸3の端部に挿入された固定部2
の内部に設けられた油路2aと連通している。この油路
2aは、油圧装置12と接続されている。このようにし
て、ケーシング6及びバックアップ材7をシリンダと
し、第1入力ディスク4をピストンとする油圧シリンダ
装置が構成され、第1入力ディスク4は油圧によって軸
方向(右方)に付勢される。第1入力ディスク4のピス
トンとしての軸方向スライドはスプライン結合により確
保されている。
【0022】前記入力軸3の他端側近傍には、第2の入
力ディスク5が設けられている。第2の入力ディスク5
の一側面にも、凹湾曲状の軌道面5bが形成されてお
り、この第2入力ディスク5の中央部には、入力軸3が
挿通される挿通穴5aが形成されている。この挿通穴5
aは、スプライン穴ではないため、その加工は容易であ
る。第2入力ディスク5は、後述する第1固定機構21
によって入力軸3と一体回転可能に取り付けられる。こ
の第2入力ディスク5は、第1入力ディスク4と異な
り、直接的には油圧によって付勢されない。したがっ
て、第2入力ディスク5は軸方向スライドの必要はな
い。
【0023】上記入力軸3の軸方向中央部には、バリエ
ータ1の出力部13が入力軸3に対して相対回転自在に
支持されている。この出力部13は、入力軸3の外周側
に相対回転自在に挿通保持されたスリーブ状の出力軸1
4と、この出力軸14に後述の第2固定機構22を介し
てそれぞれ一体回転可能に支持された一対の出力ディス
ク15,15とを備えている。これらの出力ディスク1
5,15は、第1入力ディスク4とは異なり、直接的に
は油圧によって付勢されない。したがって、出力ディス
ク15,15は軸方向スライドの必要はない。
【0024】各出力ディスク15,15の、入力ディス
ク4,5の軌道面4b,5bに対向する一側面には、凹
湾曲状の軌道面15bが形成されている。また、上記出
力軸14の外周であって、両出力ディスク15,15の
間の位置には、動力伝達用のチェーン16と噛み合うス
プロケットギヤ14aが形成されている。
【0025】上記入力ディスク4,5の軌道面4b,5
bと、これに対向する出力ディスク15,15の軌道面
15b,15bとの間は、トロイド状隙間として構成さ
れており、このトロイド状隙間には、各軌道面4b,5
b,15b,15bと圧接して回転する円盤状のローラ
17が円周等配に3個(1個のみ図示)設けられてい
る。従って、ローラ17は左右一対のトロイド状隙間に
計6個配置されている。各ローラ17はキャリッジ18
によって回転軸17a周りに回転自在に支持されている
とともに、当該キャリッジ18によって各軌道面4b,
5b,15b,15bとの相対位置を調整できるように
なっている。
【0026】上記バリエータ1において、油圧装置12
から油室Rに、端末負荷としての油圧が付与されると、
第1入力ディスク4は右方に付勢され、ローラ17を介
して左側の出力ディスク15が右方に付勢される。これ
により、左側の出力ディスク15から出力軸14を介し
て、右側の出力ディスク15が右方に付勢される。さら
に、右側の出力ディスク15からローラ17を介して第
2入力ディスク5が押圧される。このように、第1入力
ディスク4には油圧によって直接、上記端末負荷が付与
されるとともに、各出力ディスク15,15及び第2入
力ディスク5には間接的に上記端末負荷が付与される。
この結果、バリエータ全体に上記端末負荷が付与され、
左右の各ローラ17が入力ディスク4,5と出力ディス
ク15,15の間に所定の力で挟持された状態となる。
【0027】この状態において、入力軸3に動力が付与
されると、入力ディスク4,5から出力ディスク15,
15に対して、上記6個のローラ17を介してトルクが
伝達される。キャリッジ18に支持されたローラ17
は、トルクを伝達することによりキャリッジ18に生じ
る反力と、出力ディスク15,15を駆動するのに必要
なトルクとのアンバランスを解消すべく、キャリッジ1
8の軸線周りに回転軸17aを傾斜させる。これによ
り、ローラ17の位置が図の2点鎖線で示すように変化
し、入力ディスク4,5及び出力ディスク15,15間
の速度比が連続的に変化する。なお、左右各3個のロー
ラ17は左右対称になるように同期して回転軸17aを
傾斜させ、それらの傾斜角度は6個のローラ17すべて
について一致している。
【0028】図2及び図3は、第2入力ディスク5を入
力軸3に固定するための第1固定機構21を示してい
る。この第1固定機構21は、入力軸3に形成された凹
部24と、凹部に嵌合する固定部材25と、入力ディス
ク5に形成された収容部26とを備えている。
【0029】凹部24は、入力軸3の周面に2カ所形成
されている。2つの凹部24,24は、入力軸3の軸心
を中心として対向配置されて対となっている。各凹部2
4,24は、長手方向が周方向(入力軸3の軸方向と直
交する方向)に向けられ、入力軸3の軸方向に所定の幅
を有する溝部として構成されている。これら溝部24,
24の底面24a,24aは平坦面とされており、対を
なす溝部24,24の底面24a,24a同士は平行配
置となっている。なお、溝部24,24の側壁の上縁は
弧状である。このような溝24,24は入力軸3を一部
切削すれば得られ、加工が容易であるためコストダウン
を図れる。
【0030】前記固定部材25は、各溝部24,24に
それぞれ嵌合できるように2つの分離した固定片25
a,25aからなる。各固定片25a、25aは、同形
の板材によって構成されており、板厚が溝部24,24
の幅と略同一とされている。したがって、各固定片25
a,25aは、板厚さ方向を入力軸3の軸方向に向けた
状態で、前記溝部24,24にそれぞれ嵌合させること
ができる。
【0031】各固定片25aの溝部24への差込側端面
30は、溝部24の底面24aが平坦であることに対応
して平坦面とされており、固定片25aを溝部24へ嵌
合させたときに前記端面30と溝部24の底面24aと
が当接する。両固定片25a,25aは、各溝部24,
24に嵌合した状態において、入力軸3の軸心を中心と
して対称配置となり、各固定片25a,25aの差込側
端面30,30同士は平行配置となる。
【0032】また、固定片25aの横幅は、溝部24の
長手方向長さより大きくされており、固定片25aを溝
部24に嵌合したときに、固定片25aは溝部24に対
して溝長手方向外方に突出する。更には、固定片25a
の横幅は、入力軸3の直径より大きくされており、固定
片25aは入力軸3に対しても溝長手方向外方に突出す
る。各固定片25a,25aは、溝部24,24の溝深
さより高く形成されており、溝部24,24に嵌合した
状態において、入力軸3に対して径外方向に突出状とな
る。図2に示すように、両固定片25a,25aを溝部
24,24に嵌合した状態では、両固定片25a,25
aは入力軸3の軸心を中心として対称的に径外方向に突
出する。
【0033】前記収容部26は、第2入力ディスク5の
軌道面5bとは反対側の側面(背面)5cに形成されて
おり、ディスク中央部近傍においてディスク厚み方向に
凹んで形成されている。収納部26は、両固定片25
a,25aを収容可能な1つの略方形状の凹みとして形
成されており、ディスク側面(背面)5cと平行な底面
35と、底面35の周縁から立ち上がって入力軸3の軸
方向と平行な周面36とを有している。なお、底面35
から前記挿通穴5aがディスク軸方向に貫通状に形成さ
れている。
【0034】前記周面36としては、固定片25aの幅
方向両端面31,31と対面する第1周面36a,36
aと、各第1周面36a,36aの間を結ぶ第2周面3
6b,36bとを有している。互いに平行な両第1周面
36a,36aの間隔は、固定片25a,25aの横幅
と略同一に設定されており、第1周面36a,36a
は、固定片25a,25aを収容部26に収容した状態
において、固定片25a,25aの幅方向両端面31,
31と当接する当接面とされている。また、両第2周面
36b,36bは、固定片25a,25aを収容部26
に収容した状態において、固定片25a,25aの頂面
32,32と当接する当接面とされている。すなわち、
第2周面36b,36bは、2つの固定片25a,25
aを入力軸3に嵌合させた状態で各固定片25a、25
aの頂面32,32間の距離と略同一に設定されてい
る。
【0035】なお、収容部26の深さは、固定片25a
の厚みと略同一に設定されており、固定片25aを収容
部26に収容したときに、固定片25aは第2入力ディ
スク5の側面(背面)5cと略面一となる。
【0036】以上説明した第1固定機構21を用いて第
2入力ディスク5を入力軸3に固定するには、まず、溝
部である凹部24,24にそれぞれ固定片25a,25
aを嵌合させる。続いて、入力軸3に嵌合した固定片2
5a,25aを第2入力ディスク5の収容部26に嵌合
収納する。これにより、第2入力ディスク5が入力軸3
に対して一体回転可能に取り付けられる。
【0037】また、固定片25a,25aは、収容部2
5内で動けないように当該収容部25に収容されてい
る。具体的には、固定片25a,25aは、幅方向端面
31,31と頂面32とで収容部25の周面36と隙間
なく当接し、収容部25内で移動不能に位置決めされて
いる。また、固定片25a,25aと収容部25の周面
との間には、一部隙間が設けられている。具体的には、
幅方向端面31と頂面とのコーナ部33に面取りが施さ
れており、これらのコーナ部33で収容部25との間に
隙間が生じる。これらの隙間は、固定片25a,25a
を収容部25に容易に収容するため等に役立つ。
【0038】入力軸3が回転駆動されると、固定片25
aの差込側端面30が溝部24の底面24aと当接して
いるため、固定片25aは入力軸3と一体回動し、さら
に、固定片25aの幅方向端面31が収容部25の第1
周面36aと当接しているため、固定片25aの端面3
1が第2入力ディスク5を周方向に回転させる。この結
果、入力軸3と第2入力ディスク5とは一体的に回転
し、トルク伝達機能が確保される。
【0039】また、第1固定機構21は第2入力ディス
ク5の軌道面5bとは反対側の側面(背面)5cに設け
られているため、第2入力ディスク5とローラ17との
当接力の反力によって第2入力ディスク5がローラ7か
ら離反する方向(図1において右方)へ移動することを
阻止するストッパとしても機能する。
【0040】以上のように構成された第1固定機構21
では、入力軸3に溝状の凹部24を形成し、第2入力デ
ィスク5の側面に凹状の収容部26を形成し、これら凹
部24及び収容部26に嵌合・収容される固定部材25
を設ければ良いので、面倒なスプライン加工が不要であ
る。また、第1固定機構21は、第2入力ディスク5が
軸方向にスライドするストッパとしても機能するので、
入力軸3にスプライン加工を施すとともに入力ディスク
のスライドを防止する部材を別途設ける場合に比べて、
構造を簡素化でき、加工も容易である。したがって、コ
ストダウンを図れる。
【0041】前記第2固定機構22,22については、
詳細な図示は省略するが、基本構造は、第1固定機構2
1と同様であり、第1固定機構21に関する上記説明の
うち「第2入力ディスク5」、「入力軸3」とあるのを
それぞれ「出力ディスク15」、「出力軸14」と読み
替えればよい。ただし、出力部13では出力ディスク1
5から出力軸14に力が伝達され、力の伝達方向は入力
ディスク6とは逆である。
【0042】図4は、本発明の第2の実施形態によるト
ロイダル型無段変速機のバリエータ1部分を示す概略図
である。この第2実施形態において、第1固定機構21
は、前記入力軸3の径外方向に突出して設けられた固定
部材45と、固定部材45を収容可能に第2入力ディス
ク5の側面5cに形成された収容部26と、を有して構
成されている。また、第2固定機構22も、第1固定機
構21と同様に構成されている。
【0043】第2実施形態では、収容部26は、第1実
施の形態のものと同様であるが、固定部材45が入力軸
3に対して一体的に設けられている点が第1実施形態と
相違する。ただし、この固定部材45は、第1実施形態
の固定部材25が凹部24に嵌合した状態と同様であ
る。第2実施形態においても、第1及び第2固定機構2
1,22にはスプライン加工が不要であることから、加
工が容易である。
【0044】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。例えば、本発明は、第1入力ディスク
及び第2入力ディスクの双方に端末負荷が直接加えられ
るものや、出力ディスクに端末負荷が直接加えられるも
のにも適用可能である。また、前記固定部材を、1つの
ディスクの固定に2つ用いる例を示したが、2つに限ら
れるものではなく、ディスクや回転軸の寸法形状、伝達
トルクや軸方向圧力の大きさ等に応じて固定部材数を適
宜設定すればよい。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、固定機構が、回転軸の
周面に凹状形成された凹部と、当該凹部に嵌合可能に構
成されているとともに前記凹部に嵌合した状態で前記回
転軸の径外方向に突出する大きさに形成された固定部材
と、前記固定部材を収容可能に前記ディスク側面に形成
された収容部と、を有して構成され、前記固定部材は、
厚さ方向が前記回転軸の軸方向と略一致するように前記
凹部に嵌合される板材として構成され、前記収容部に収
容された状態でバリエータディスクの軸方向と平行な面
で前記収容部と当接する当接面とを有して、前記バリエ
ータディスクと前記回転軸との間でトルク伝達可能に構
成されているので、簡単な構成で、トルク伝達機能が確
保されるとともに、スプライン加工が不要となるため、
加工が容易となり、コストダウンが可能となる。
【0046】また、固定機構が、回転軸の径外方向に突
出して設けられた固定部材と、前記固定部材を収容可能
に前記ディスク側面に形成された収容部と、を有して構
成され、前記固定部材は、厚さ方向が前記回転軸の軸方
向に向けられた板材であって、前記収容部に収容された
状態でバリエータディスクの軸方向と平行な面で前記収
容部と当接する当接面を有して、前記バリエータディス
クと前記回転軸との間でトルク伝達可能に構成されてい
る場合にも、簡単な構成で、トルク伝達機能が確保され
るとともに、スプライン加工が不要となるため、加工が
容易となり、コストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるトロイダル型無段変速機
のバリエータ部分を示す概略図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】固定機構の斜視図である。
【図4】第2実施形態におけるトロイダル型無段変速機
のバリエータ部分を示す概略図である。
【符号の説明】
1 バリエータ 2 入力軸(回転軸) 4 第1入力ディスク(バリエータディスク) 4b 軌道面 5 第2入力ディスク(バリエータディスク) 5b 軌道面 14 出力軸(回転軸) 15 出力ディスク(バリエータディスク) 21 第1固定機構 22 第2固定機構 24 凹部 25 固定部材 25a 固定片 26 収容部 31 幅方向端面(当接面) 45 固定部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側面にローラが転走する凹湾曲状軌道面を
    有するバリエータディスクの中心部を回転軸に対して同
    軸状に固定するための固定機構を有するトロイダル型無
    段変速機において、 前記固定機構は、前記回転軸の周面に凹状形成された凹
    部と、当該凹部に嵌合可能に構成されているとともに前
    記凹部に嵌合した状態で前記回転軸の径外方向に突出す
    る大きさに形成された固定部材と、前記固定部材を収容
    可能に前記ディスク側面に形成された収容部と、を有し
    て構成され、 前記固定部材は、厚さ方向が前記回転軸の軸方向と略一
    致するように前記凹部に嵌合される板材として構成さ
    れ、前記収容部に収容された状態で前記バリエータディ
    スクの軸方向と平行な面で前記収容部と当接する当接面
    とを有して、前記バリエータディスクと前記回転軸との
    間でトルク伝達可能に構成されていることを特徴とする
    トロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】前記凹部は、前記回転軸の軸心を中心とし
    て2カ所対向状に形成され、 前記固定部材は、各凹部にそれぞれ嵌合できるように2
    つの分離した固定片からなることを特徴とする請求項1
    記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】側面にローラが転走する凹湾曲状軌道面を
    有するバリエータディスクの中心部を回転軸に対して同
    軸状に固定するための固定機構を有するトロイダル型無
    段変速機において、 前記固定機構は、前記回転軸の径外方向に突出して設け
    られた固定部材と、前記固定部材を収容可能に前記ディ
    スク側面に形成された収容部と、を有して構成され、 前記固定部材は、厚さ方向が前記回転軸の軸方向に向け
    られた板材であって、前記収容部に収容された状態で前
    記バリエータディスクの軸方向と平行な面で前記収容部
    と当接する当接面を有して、前記バリエータディスクと
    前記回転軸との間でトルク伝達可能に構成されているこ
    とを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】前記固定部材は、前記回転軸の軸心を中心
    として2カ所対向状に設けられた固定片により構成され
    ていることを特徴とする請求項3記載のトロイダル型無
    段変速機。
  5. 【請求項5】前記収容部は、前記凹湾曲状軌道面が設け
    られている前記バリエータディスク側面とは反対側の側
    面に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のトロイダル型無段変速機。
  6. 【請求項6】前記バリエータディスクは複数具備されて
    おり、 複数のバリエータディスクのうち、回転軸に対して軸方
    向のスライドが必要とされるバリエータディスクは、ス
    プライン結合によって前記回転軸と固定されており、 複数の前記バリエータディスクのうち、回転軸に対して
    軸方向のスライドが必要とされないバリエータディスク
    は、前記固定機構を介して前記回転軸と固定されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトロ
    イダル型無段変速機。
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