JP2003148230A - 可変圧縮比エンジン等の診断方法、診断システム及びそのためのコンピュータ・プログラム - Google Patents

可変圧縮比エンジン等の診断方法、診断システム及びそのためのコンピュータ・プログラム

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JP2003148230A
JP2003148230A JP2002320800A JP2002320800A JP2003148230A JP 2003148230 A JP2003148230 A JP 2003148230A JP 2002320800 A JP2002320800 A JP 2002320800A JP 2002320800 A JP2002320800 A JP 2002320800A JP 2003148230 A JP2003148230 A JP 2003148230A
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JP2002320800A
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Michael John Cullen
ジョン カレン マイケル
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Ford Global Technologies LLC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン内の専用センサーに依存することな
く、可変圧縮比設定装置の作動を診断する。 【解決手段】複数の圧縮比作動状態で運転されるエンジ
ン110を搭載した自動車の診断方法として、エンジン110
が複数の圧縮比作動状態のうちの選択された一つの作動
状態で運転されているときに、ノッキングを回避するの
に必要とされる点火進角の補正量の変化を決定する工程
と、少なくとも、その点火調整値の変化の少なくとも一
部分に基いて、エンジン110の作動を評価する工程と、
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概略的には可変圧
縮比エンジンに関し、より具体的には、可変圧縮比エン
ジンの圧縮比調節装置の作動を診断する方法、システム
等に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの機械的な圧縮比は、ピストン
が下死点(bottom dead center略してBDC)にあるとき
の気筒容積の、ピストンが上死点(top dead center略
してTDC)にあるときの気筒容積に対する比率として規
定され、一般的に、圧縮比が高くなると、エンジンの熱
効率と燃料経済性が高くなる。また、圧縮比を可変とす
るいわゆる「可変圧縮比」エンジンも開発されており、
それらは、例えば、低負荷状態では圧縮比を高くし、高
負荷状態では圧縮比を低くするものである。
【0003】そのように圧縮比を変更するための各種の
技術が従来より開示されている。すなわち、例えば、気
筒容積を変更するために「副室」と「副ピストン」を用
いるものや(特許文献1、2)、決まった長さのコネク
ティング・ロッドに取付けられたピストンの全部又は一
部分の実際の寸法を変更するもの(特許文献3)、或い
はコネクティング・ロッド自体の長さを変更するもの
(特許文献4、5)、さらに、コネクティング・ロッド
の長さ又は往復運動するピストンの高さを変更するため
に、コネクティング・ロッドの大端部又は小端部のいず
れかにおいて、偏心したリング又はブッシュを用いるも
の(特許文献6〜9)、が知られている。
【0004】そのような可変圧縮比エンジンの運転制御
の際には、エンジンの圧縮比を変更する圧縮比調節装置
が要求された通りに機能しているか否かを正確にかつ信
頼性高く判定することが重要である。これは、例えば、
エンジンの点火時期を制御するときに特に重要である。
エンジンのノッキングを最小にしながら、燃料経済性を
最大化するために、特に高負荷状態では検出されたエン
ジンの圧縮比に基いて点火時期を変更することが望まし
い(例えば、特許文献10を参照)。そこで、そのよう
な場合において、可変圧縮比エンジンの圧縮比作動モー
ドを判定するために、従来より、燃焼圧センサーやピス
トン位置センサーのような専用のセンサーが用いられて
いる。
【0005】
【特許文献1】米国特許4,246,873
【特許文献2】米国特許4,286,552号
【特許文献31】米国特許5,865,092号
【特許文献4】米国特許5,724,863
【特許文献5】米国特許5,146,879号
【特許文献6】米国特許5,562,068,
【特許文献7】米国特許5,960,750
【特許文献8】米国特許5,417,185号
【特許文献9】特開平3-92552号公報
【特許文献10】米国特許4,834,031号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】斯かる事情に鑑みて、
本願の発明者は、エンジン内に設けた専用のセンサーに
依存することなく、即ち、そのような専用のセンサーを
用いることなく、可変圧縮比エンジンの作動を診断する
方法に対する必要性を認識した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明によれば、複数
の圧縮比作動状態を持つエンジンの作動を診断する方法
が提供される。この方法は、エンジンが選択された一つ
の圧縮比作動状態で運転されているときに、ノッキング
を回避するために必要とされる点火調整値の変化を決定
する工程と、該点火調整値の変化に少なくとも部分的に
基いて、上記エンジンの作動を評価する工程と、を含
む。好ましくは、エンジンが第1の圧縮比作動状態にあ
るときに第1点火調整値が決定され、エンジンが第2の
圧縮比作動状態にあるときには、第2点火調整値が決定
される。そして、第1及び第2点火調整値の差が求めら
れ、この差の値と所定の限界値との比較に基いて、エン
ジンの作動状態を表す出力が行なわれる。この出力は、
例えば、コンピューター・メモリー内にセットされる状
態フラグとすることができ、或いは可聴又は可視の表示
とすることもできる。ここに開示された方法は、例えば
「高圧縮比」と「低圧縮比」といった別個の圧縮比作動
モードと持つ可変圧縮比エンジンに用いることもできる
し、圧縮比がそれらの中間的な値に連続的に変更される
連続可変圧縮比エンジンに用いることもできる。
【0008】本願発明によれば、一つ又はそれ以上の圧
縮比作動状態における可変圧縮比エンジンの作動を、圧
力センサーや位置センサーなどの一つ又はそれ以上の専
用センサーに依拠することなしに、正確かつ高い信頼性
で判定することができるので、有利である。ここで述べ
た方法は、それを単独でコンピューター・コードとして
実現することもできるが、それ以外に、収縮可能なコネ
クティング・ロッド、ピストン・ヘッド又は燃焼副室な
どの圧縮比調節装置の作動を評価する診断方法や診断シ
ステムとして用いることもできる。そして、本願発明
は、可変エンジンの製造、組立、作動及び維持に伴うコ
スト及び複雑さを低減するものである。
【0009】本願発明の一つの観点として、可変圧縮比
エンジンを運転するためのシステムが提供される。この
システムは、エンジンに配置され、エンジンのノッキン
グを表す信号を発生する少なくとも一つのセンサーと、
複数の圧縮比作動状態のうちの選択されたものとなるよ
うにエンジンを制御するための圧縮比調節装置と、該セ
ンサー及び圧縮比調節装置と通信する制御器と、を有
し、この制御器には、上記エンジンが上記選択された圧
縮比作動状態で運転されているときに、ノッキングを回
避するために必要とされる点火調整値の変化を決定する
コンピューター・プログラム手段、及び、少なくとも、
該点火調整値の変化の少なくとも一部分に基いて、上記
エンジンの作動を評価するコンピューター・プログラム
手段を有する。
【0010】制御器と通信する報知機器が、圧縮比調節
装置の作動に関連する情報を車両ドライバーへ提供す
る。
【0011】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
エンジン内の専用センサーに依存することなく、圧縮比
調節装置の作動等を診断することができる。
【0012】本発明の、利点、目的及び特徴は、本発明
の図示の実施形態を示す添付の図面に関連させること
で、以下の詳細な説明から明らかになると思われる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による可変圧縮比
エンジンの一例を示している。当業者には理解されるで
あろうが、本発明の技術的構成は、具体的なエンジンの
基本構成及び部品の構造等とは独立のものであり、複数
の圧縮比作動モードを持つ種々のエンジンに適用され得
る。例えば、エンジンは、高圧縮比又は低圧縮比のいず
れかの作動状態で運転される不連続的な圧縮比エンジン
として構成し、また運転するようにしてもよいし、或い
は、いかなる数の不連続圧縮比において作動することも
可能な(圧縮比を連続的に変化させ得る)連続可変圧縮
比エンジンとして構成し、また運転するようにしてもよ
い。同様に、本発明の技術的構成は、エンジンの圧縮比
を設定又は変更するために必要とされる装置又は方法の
いかなる特定の形式にも限定されない。
【0014】再び図1を参照すると、エンジン(内燃機
関)110は、複数の気筒(一つのみ図示)を含み、それ
ぞれの気筒は、燃焼室111、往復動するピストン112及
び、燃焼室111を吸気マニフォールド124及び排気マニフ
ォールド122にそれぞれ連通する吸気及び排気弁120及び
118、を持つ。ピストン112は、コネクティング・ロッド
114に連結され、コネクティング・ロッド114は、クラン
クシャフト116のクランクピン117に連結される。燃料
は、燃料噴射弁115を介して燃焼室111へ供給され、そし
て、電子式のエンジンや車両の制御器60(又は等価のマ
イクロプロセッサーをベースとする制御器)及び電子ド
ライバー回路129により決定される燃料パルス幅(fuel
pulse width略してFPW)に比例した量だけ供給される。
吸気マニフォールド124への空気は、スロットル・ボデ
ィ126に配置され電子的に制御されるスロットル弁136を
経て供給される。点火は、電子制御気60からの点火進角
(又は遅角)信号(SA)に応じて、点火プラグ113及び
点火システム119を用いて、燃焼室111へ提供される。
【0015】図1に示されるように、制御器60は、メモ
リー管理ユニット(memory management unit略してMM
U)64を介してコンピューター読取可能な記憶装置68, 7
0, 72と通信するマイクロプロセッサー若しくは中央処
理ユニット(central processing unit略してCPU)を含
む。MMU 64は、CPU 66との間で、そしてコンピューター
読取可能な記憶装置の中で、データ(実行可能コード命
令を含む)を伝達する。コンピューター読取可能な記憶
装置には、例えば、読出専用メモリー(read-only memo
ry略してROM)68、ランダムアクセス・メモリー(rando
m-access memory略してRAM)70、キープ・アライブ・メ
モリー(keep-alive memory略してKAM)72など、揮発性
又は不揮発性のデータ格納に必要とされる記憶装置が含
まれる。この記憶装置は、いかなる既知の記憶装置を用
いても、実現することができ、そのような記憶装置に
は、プログラム可能読出専用メモリー(PROM)、電気的
にプログラム可能な読出専用メモリー(EPROM)、電気
的に消去可能なPROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリー
など、エンジンや自動車を制御するためにCPU 66により
用いられる、実行可能コードを含むデータを記憶するこ
とのできる、電子的、磁気的、光学的又はそれらの組合
せの記憶装置が含まれる。
【0016】また、制御器60には、図1に示された機器
を含むがそれに限定されるものではない、各種のセンサ
ー、アクチュエーター及び制御回路と通信するために、
入出力(I/O)インターフェース62が設けられている。
上記の機器には、エンジン速度センサー150、電子燃料
制御ドライバー129、点火システム119、マニフォールド
絶対圧(manifold air pressure略してMAP)センサー12
8、質量空気量(massair flow略してMAP)センサー(エ
アフローメーター)134、スロットル位置センサー132、
電子スロットル制御モーター130、吸気温度センサー13
8、エンジン・ノック・センサー140及びエンジンの冷却
水(冷媒)の温度を検出するエンジン冷媒温度センサー
142が含まれる。
【0017】図1のエンジン110はまた、可変圧縮比設
定装置(圧縮比調節装置)170を含む。この実施形態で
は、可変圧縮比設定装置170は、例えばコネクティング
・ロッド114の有効長を変化させるものとすればよい。
そのような装置は、例えば米国特許出願09/682,263号に
記載されている。このことは、本願発明の圧縮比調節装
置の技術的構成をこの実施形態の可変圧縮比設定装置に
限定するものではなく、図1に示された可変圧縮比設定
装置の構造と構成自体には、本願発明の保護範囲を限定
する意図は全くない。
【0018】また、上記と同様に本願発明の技術的構成
を限定するものではないが、以下、図1の可変圧縮比設
定装置は、「高」圧縮比モード(圧縮比が13:1以上)又
は「低」圧縮比モード(圧縮比が11:1以下)のいずれか
で作動するものとして説明する。
【0019】図2乃至11は、本願発明に係る可変圧縮比
エンジンを運転する好ましい方法を示している。この方
法は、特定のエンジンや圧縮比調節装置の形式への適用
に限定されるものではないが、ここでは説明の都合上、
図1の可変圧縮比エンジンを参照して、説明する。ここ
に記載の方法によれば、エンジンの圧縮比調節装置が適
切に作動しているか否かを判定するのに用いることがで
きる。この方法は、単独で用いてもよいし、他の車両及
びパワートレインのハードウェア及びソフトウェアの診
断と組合わせて用いてもよいが、本発明による方法は、
可変圧縮比エンジンの実際の圧縮比を独立に推定する限
りにおいて、その圧縮比の変化に対応する境界点火時期
の変化の決定に依存するものである。本発明の方法は、
不連続の「高」と「低」の圧縮比状態を持つ上述の二状
態システムのような不連続な可変圧縮比システムと、連
続的に変化する圧縮比状態の限界値として「高」と
「低」との2つの状態を持つ連続的な可変圧縮比システ
ムとの両方に適用可能である。
【0020】以下、図2を参照して説明すると、この実
施形態の診断方法は、可変圧縮比エンジンを制御して第
1圧縮比状態で運転するためのステップ202と、第1圧
縮比状態においてノッキングを回避するために必要とさ
れる点火調整値を決定するステップ204と、を含んでい
る。エンジンのノッキングは、図1を参照して上述した
ように一つ又は複数のノック・センサーを用いて判定さ
れ、適切な方法を用いて規制される。すなわち、ノック
・センサーの出力はノッキング制御を実行するのに用い
られ、その制御は、境界点火時期spk_bdlと、ノッキン
グを回避するために必要な境界点火時期への調整値、即
ち後述の如く点火進角を補正するためのノッキング加算
値spk_add(i)とを導く。ここで、"i"は、1からエンジ
ンの気筒数(numcyl)までの間の整数である。
【0021】上記境界点火時期の値spk_bdlは、この分
野で公知の適切な方法を用いて導出することができる。
また、一つ又は複数の気筒に対するノッキング加算値
(点火調整値)spk_add(i)は、図11を参照して後述する
ようにして、決定することができる。そしてステップ20
6においてエンジンが第2圧縮比状態で運転され、ステ
ップ208において第2圧縮比作動状態でノッキングを回
避するために必要な点火調整値が決定される。ステップ
210では、コンピューター・メモリーに格納された第1
及び第2圧縮比状態の点火調整値同士が比較され、そし
て、ステップ212において圧縮比調節装置が適切に作動
しているか否かを判定するための評価がなされる。
【0022】図3は、本発明による診断ルーチンのフロ
ーチャートを示す。このルーチンは、コンピューター・
ソフトウェアにより実現されるのが好ましく、そのソフ
トウェアは、コンピューター・メモリーの中にあって、
車両やエンジンの制御器における一つ又はそれ以上のよ
り高次の実行命令やモジュールにより制御されるのが好
ましい。圧縮比の診断は、RAMに記憶された変数CR_KD_m
ode(可変圧縮比設定装置に関連する作動状態フラグで
あり、以下、圧縮比診断モードフラグともいう)により
表される複数の状態を持つ、いわゆる「状態機構」であ
る。好ましい方法に従えば、そのフラグCR_KD_modeの状
態には、エンジンの通常作動(診断ルーチンの実行を除
く)を表す第1状態(CR_KD_mode = 0)、「高」に設定
(プリセット)されたエンジン圧縮比でノッキングを回
避するために必要とされる点火調整値(つまり「ノッキ
ング加算値」)の決定を要求する第2状態(CR_KD_mode
=1)、低圧縮比でのノッキング加算値の決定を要求す
る第3状態(CR_KD_mode =2)、圧縮比の初期設定(例
えば高圧縮比)へのリセットを要求する第4状態(CR_K
D_mode = 3)、及び、エンジンの圧縮比調節装置に関連
して故障又は不良状態の可能性が存在するか否かを判定
するために、高圧縮比と低圧縮比でのノッキング加算値
同士の比較を要求する第5状態(CR_KD_mode = 4)が含
まれる。
【0023】図3に示された診断方法は最初に、診断に
必要なエンジン作動状態であるか否かを判断するステッ
プ302及び304を含む。適切なエンジン作動状態の検証の
一例が、図4に示されるように実行される。図4に示さ
れるステップは例示的なものであり、圧縮比調節装置の
作動に影響し得るエンジン運転状態またはパラメーター
の一つ又はそれ以上の検証を、含むものであることに注
意すべきである。例えば、圧縮比調節装置が、エンジン
を一つ又はそれ以上の圧縮比作動状態とするために油圧
機構に依存する場合には、作動油温が規定範囲にあり、
その粘度が要求とおりであることの確認のために、油温
が調べられる。なお、その代わりに、図4に示されるよ
うにエンジン温度が判定され、油温の計測値として用い
られる場合もある。
【0024】再び図4を参照すると、ステップ402にお
いて、対応する車両やエンジンの制御器の実行モジュー
ルが圧縮比診断を要求したか否かを判定するために、圧
縮比診断要求フラグ(CR_KD_desired)の状態が問われ
る。ステップ404においてそのフラグCR_KD_desiredが"T
RUE"にセットされているとき、ステップ406に従いエン
ジン温度が判定される。エンジン温度は、何らかの既知
又は適切な手段を用いて、検出又は推定することができ
る。好ましくは、図1を参照して述べたように、エンジ
ン冷媒温度(engine coolant temperature略してect)
センサー150が用いられる。
【0025】それから、エンジン冷媒温度ect(エンジ
ン冷却水の温度)は、ステップ408において、圧縮比診
断を実行するのに要求される所定の最低エンジン冷媒温
度(CR_KD_MINECT)と比較される。この最低エンジン冷
媒温度CR_KD_MINECTはコンピューター・メモリーに記憶
され、またエンジン・テストや校正データ等を用いて経
験的に導き出され得るものである。エンジン冷媒温度ec
tがCR_KD_MINECTを超える場合には、必要な条件が満足
されていると判定され、図3に示されるように、ステッ
プ308へ進む。そして、圧縮比診断モードフラグCR_KD_m
odeの状態(0-5)に応じて、図5乃至10を参照して後述
の対応するステップが実行される。一方、上記ステップ
304において必要な条件が満足されていないと判定され
た場合には、ステップ306に進んで、エンジンの圧縮比
が所定のスケジュールに従い設定されるとともに、圧縮
比診断モードフラグCR_KD_modeは"0"とされる。
【0026】図5は、図3に示す圧縮比診断モードフラ
グCR_KD_modeの第1状態(CR_KD_mode = 0)に対応する
フローチャートを示す。最初にステップ502において、
各気筒(i = 1〜numcyl)についてそれぞれ診断モード1
及び3に対応する平均ノッキング加算値CR_KD1_knk_add
(i)及びCR_KD3_knk_add(i)が、ゼロに初期化される。そ
してステップ504において、診断モード・フラグCR_KD_m
odeが"1"にセットされ、モード1のノッキング加算値の
決定が、診断ルーチンのその後のパスの間に始まるのを
可能とする。そしてステップ506において、モード1タ
イマー(CR_KD_atmr1)が"0"にイニシャライズされる。
このCR_KD_atmr1は、信頼性を確保するために、点火調
整値の所定の数のサンプルが収集されるのを可能とす
る。診断ルーチンの制御は、図3のステップ308へ戻さ
れる。
【0027】図6は、図3に示す圧縮比診断モードフラ
グCR_KD_modeの第2状態(CR_KD_mode = 1)に対応する
フローチャートである。ステップ308においてCR_ID_mod
e =1であれば、制御器は、ステップ602及び604におい
て、モード1診断状態(第2状態)に対応するエンジン
作動状態であるか否かを判定する。モード1診断モード
の残りのステップに進む前に、エンジン回転速度(eng_
spd)及び空気充填量(aircharge)が、対応する所定の
限界の範囲内にあることを確認するのが好ましい。例え
ば、図7に示されるように、eng_spdはCR_KD_MINRPMとC
R_KD_MAXRPMとの間の範囲内になければならず、また、a
irchargeはCR_KD_MINAIRとCR_KD_MAXAIRとの間の範囲に
なければならない。CR_KD_MINRPM, CR_KD_MAXRPM, CR_K
D_MINAIR及びCR_KD_MAXAIRはいずれもコンピューター・
メモリーに格納されていて、エンジン・テストや校正デ
ータを用いて経験的に導くことができるものである。ま
たエンジン回転速度eng_spdは、この分野で知られてい
るように、図1を参照して上述したエンジン速度センサ
ー150を用いて検出することができる。また、吸気充填
量airchargeは、この分野で知られているように、MAFセ
ンサー134やMAPセンサー128等を用いて計測又は推定す
ることができる。ステップ704及び708において条件が満
足されていると判定されれば、図6のステップ606に進
む。
【0028】そして、図7の上述の条件が検証される
と、図6に示すステップ606において、目標圧縮比(Des
_CR)は高圧縮に設定される。そして、このことはエン
ジンが高圧縮比作動状態になるように圧縮比調節装置を
制御することにより、達成される。続いて、ステップ60
8においてノッキング制御が行われている場合、ステッ
プ610において、モード1タイマーCR_KD_atmr1が、例え
ば前回のCR_KD_atmr1の計算からの経過時間に等しい所
定量(bg_timer)だけ、インクリメントされる。なお、
ノッキング制御が行われているか否かの判断について
は、図12を参照して後述する。上記所定量bg_timerは、
例えば0.01秒とすればよい。
【0029】続いて、ステップ612において、各気筒(i
= 1〜numcyl)についてのモード1に対する平均ノッキ
ング加算値(CR_KD1_knk_add(i))が、所定の期間CR_KD
1_SETTMにわたりフィルター処理された平均値として、
以下のように決定される。
【0030】
【数1】
【0031】上記の(式1)において、CR_KD1_FKはフ
ィルター定数(例えば0.1とする)であり、CR_KD1_avg_
air(i)(old)は前回制御サイクルにおけるCR_KD1_knk_ad
d(i)の値である。そして、ノッキング加算値spk_add(i)
は、ノッキングを回避するために必要とされる境界点火
時期(spk_bdl)の開ループ計算値から減算される点火
時期の補正量を表す、高圧縮比におけるノッキング制御
の出力である。CR_KD1_SETTMは、点火調整値のフィルタ
ー処理された平均値CR_KD1_knk_add(i)が斬近状態に到
達するのに要する期間を表し、この値は、エンジン・テ
ストや校正データから経験的に求めることのできる、校
正可能な概算値である。
【0032】そして、ステップ616において、モード1タ
イマーCR_KD_atmr1の値が所定の最小時間(CR_KD1_SETT
M)と比較され、CR_KD_atmr1がCR_KD1_SETTMを越えてい
るときには、CR_KD1_knk_add(i)をコンピューター・メ
モリーに格納し、圧縮比診断モード・フラグCR_KD_mode
の値を"2"にセットする(ステップ618)。そして、モー
ド2タイマーCR_KD_atmr2をイニシャライズする(ステッ
プ620)。一方、上記ステップ616においてモード1タイ
マーがCR_KD1_SETTMを越えていないときには図3に示す
フローのステップ308へ戻る。そして、上記ステップ602
及び608の条件が満足されている限り、モード1の平均ノ
ッキング加算値の計算を継続する。
【0033】図6のステップ604を再び参照すると、ス
テップ602の条件が満足されていないとき、又はステッ
プ608においてノッキング制御が行われていないとき、
ステップ614において、モード1の平均ノッキング加算値
の演算がバイパスされて、エンジン圧縮比が通常予定さ
れる設定とされる。そして、上記したステップ616, 61
8, 620が実行される。
【0034】本発明によれば、高圧縮比作動状態と低圧
縮比作動状態とにおいてノッキング加算値spk_add(i)
を、図11に示されるステップを用いて決定することがで
きる。最初にステップ1102において、各気筒(i = 1〜n
umcyl)についてのノッキングの発生回数を判定するた
めに、この分野で公知のように、ノック・センサーが用
いられる。ステップ1104においてノッキングが検出され
ると、ステップ1114において、各気筒について前回のノ
ッキング加算値(spk_add(i)(old))と所定の点火ディ
クリメント値(SPK_DECREMENT)を用いて、今回のノッ
キング加算値(spk_add(i))が決定される。この点火デ
ィクリメント値SPK_DECREMENTは、例えば点火角度とし
て約0.5度の公称値を持つ校正可能な値とすればよい。
【0035】一方、ノッキングが全く検出されないとき
には(ステップ1104においてNO)、ステップ1106にお
いて、仮のノッキング加算値(spk_add_temp)が、前回
のノッキング加算値(spk_add(i)(old))に点火インク
リメント値(SPK_INCREMENT)を足した値として設定さ
れる。この点火インクリメント値SPK_INCREMENTは、上
記点火ディクリメント値と同様に、点火角度として約0.
1度の公称値を持つ校正可能な値とすればよい。
【0036】そして、ステップ1108において、spk_add_
tempが、点火角度として公称値が略10度である点火加算
限界(SPK_ADD_LIM)以下であり、かつ、ステップ1110
において、境界点火時期(spk_bdl)と仮のノッキング
加算値spk_add_tempとの和が最大最良のトルクに要求さ
れる点火進角の推定値(spk_mbt)未満であるとき、ス
テップ1112において、ノッキング加算値spk_add(i)は仮
の値spk_add_tempに等しくなる。上記spk_mbtの値は、
この分野で公知の適切な方法を用いて、評価することが
できる。
【0037】また、上記ステップ1108において、spk_ad
d_tempがSPK_ADD_LIMを越えているときには、ステップ1
109においてspk_add_tempがSPK_ADD_LIMにクリップされ
る。さらに、上記ステップ1110においてspk_bdlとspk_a
dd_tempの和がspk_mbt以上のとき、ステップ1111におい
てspk_add(i)がspk_mbtからspk_bdlを減算した値にクリ
ップされる。
【0038】図6を再び参照すると、点火時期の値spk_
mbt, spk_bdl及びspk_add(i)は次に、ステップ608に従
いノッキング制御が行われているかどうか判断するため
に、図12で示されるように、用いることができる。各気
筒について、最終的な点火時期の値(spark_final)
が、ステップ1202に従い以下のように決定される。
【0039】 spark_final = MIN((spk_bdl + spk_add(i)), spk_mbt)・・・(式2) そして、spk_add(i)がSPK_ADD_LIM未満であり(ステッ
プ1204でYES)、かつspark_finalがspk_mbt未満のと
き(ステップ1206でYES)、ステップ1208においてノ
ッキング制御が行われていると判断される(knock_acti
ve = TRUE)。この際、いずれかの気筒についてノッキ
ング制御が行われている場合に、knock_activeフラグを
一つセットするようにしてもよいし、気筒のそれぞれに
ついて個別のknock_activeフラグをセットするようにし
てもよい。一方、ノッキング制御が作動中ではないとき
には(ステップ1204,1206でNO)、knock_activeフラ
グは、FALSEにセットされる(ステップ1207)。
【0040】図8は、図3に示す圧縮比診断モードフラ
グCR_KD_modeの第3状態(CR_KD_mode = 2)に対応する
フローチャートである。同図に示される工程は、モード
2についての平均ノッキング加算値(CR_KD2_knk_add
(i))が演算されるという点を除いて、図6のステップ
と同様である。すなわち、各気筒(i = 1〜numcyl)に
ついてのモード2に対する平均ノッキング加算値とし
て、CR_KD2_knk_add(i)が、所定の期間CR_KD2_SETTMに
わたりフィルター処理された平均値として、以下のよう
に決定される。
【0041】
【数2】
【0042】上記の(式3)において、CR_KD2_FKはフ
ィルター定数(例えば0.1)であり、CR_KD2_avg_add(i)
(old)はCR_KD2_knk_add(i)の前回値である。そして、sp
k_add(i)は、ノッキングを回避するために必要とされる
境界点火時期(spk_bdl)の開ループ計算値から減算さ
れる点火時期の量を表す、高圧縮比におけるノッキング
制御の出力である。CR_KD2_SETTMは、気筒点火調整値の
フィルター処理された平均値CR_KD2_knk_add(i)が斬近
状態に到達するのに要する期間を表し、この値は、エン
ジン・テスト及び/又は校正データから経験的に求める
ことのできる、校正可能な概算値である。CR_KD_atmr2
がCR_KD2_SETTMを越えているとき、ステップ818及び820
において、CR_KD2_knk_add(i)をコンピューター・メモ
リーに格納し、診断モード・フラグCR_KD_modeをモー
ド"4"にセットする。
【0043】図8のステップ804を再び参照すると、ス
テップ802の条件が満足されていないとき、又はステッ
プ808においてノッキング制御が行われていないと判定
されるとき、ステップ814において、モード1の平均ノッ
キング加算値の演算がバイパスされ、エンジン圧縮比が
通常予定される設定とされる。そして、ステップ816及
び818が上述のように実行される。
【0044】図9は、図3に示す圧縮比診断モードフラ
グCR_KD_modeの第4状態(CR_KD_mode = 3)に対応する
フローチャートである。この第4状態は、目標圧縮比
(Des_CR)を初期圧縮比運転状態、即ち高圧縮比作動状
態に戻すステップ902と、圧縮比調節装置の評価を可能
とするために圧縮比診断モードフラグCR_KD_modeを"4"
にセットするステップ904とを有する。
【0045】図10は、図3に示す圧縮比診断モードフラ
グCR_KD_modeの第5状態(CR_KD_mode = 4)に対応する
フローチャートである。CR_ID_mode = 4のとき、各気筒
(i= 1〜numcyl)についてのモード1と2のノッキング
加算値CR_KD2_knk_add(i)とCR_KD1_knk_add(i)との間の
差(DIFF(i))を判定するステップ1002が実行される。
その目的は、高圧縮比と低圧縮比におけるノッキング加
算値の間の差を求めることである。つまり、圧縮比調節
装置がエンジンの圧縮比を低下させると、これに対応し
て境界点火時期の開ループ推定値が変化するから、圧縮
比調節装置が順調に作動していれば、ノッキング調整値
(spk_add(i))の値は比較的小さいことが予想される。
それ故、DIFF(i)の絶対値が所定量を越えるときには、
圧縮比調節装置が意図したように作動していないと推定
することができる。このことは、ステップ1004におい
て、DIFF(i)をコンピューター・メモリーに記憶された
所定の限界値(CR_KD_ERRLIM(i))と比較することによ
り、判定される。
【0046】上記限界値CR_KD_ERRLIM(i)は、エンジン
・テストデータから経験的に求められる。DIFF(i)の絶
対値がCR_KD_ERRLIM(i)未満のとき、ステップ1006にお
いて、作動状態フラグ(CR_KD_fault(i))が"1"にセッ
トされ、気筒iに対応する圧縮比調節装置の作動の故障
状態の可能性を表示する。そうでなければ、ステップ10
12に従い、CR_KD_fault(i)は"0"にセットされる。そし
てステップ1008及び1010において、CR_ID_ modeが"0"に
セットされ、診断テストの完了後に診断状態フラグ(CR
_KD_complete)が"1"にセットされる。作動状態フラグ
(CR_KD_fault(i))は、制御器メモリーに格納すること
も、少なくとも一つの気筒及びこれに対応する圧縮比調
節装置の少なくとも一方の故障状態の可能性を表示する
第1のコード、及び各気筒及びこれに対応する圧縮比調
節装置の少なくとも一方の作動状態を表示する別個のコ
ードを生成し、そして格納するのに用いることもでき
る。
【0047】診断が故障状態の可能性を示すとき、エン
ジンをデフォルト若しくは「リンプ・ホーム(limp hom
e)」モードに入れるか、又は、圧縮比調節装置を一つ
又はそれ以上の選択された作動モードに構成するため
に、車両やエンジンの制御器により適切な措置が採られ
る。圧縮比調節装置は、エンジンの気筒の全て又は選択
されたものをデフォルト圧縮比作動モードに設定するよ
うに制御することができる。加えて、対応する可視信
号、可聴信号又は他のそれ以外の態様で、圧縮比調節装
置に関連した故障状態の可能性を車両運転者に知らせる
診断信号を発生することができる。例えば、診断アイコ
ン又は他のダッシュボードの表示を照明若しくは作動さ
せたり、文字メッセージを表示して、ドライバーに車両
の保守を指示することができる。再び述べるが、その信
号は、圧縮比調節装置が対象とする特定の気筒又は気筒
群に特有のものとすることができる。また、故障状態を
他のエンジン・センサー及び診断手順を用いて、検証若
しくは確認してもよい。
【0048】以上、本発明を、具体的な実施形態と関連
させて述べて来たが、本発明の思想及び範囲から逸脱す
ることなしに、各種の改変、変更そして適用をなすこと
が可能であることは、理解されるべきである。本発明
は、添付の請求項によってのみ限定されることが意図さ
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】可変圧縮比エンジンの一例を示す概略図であ
る。
【図2】本発明による、可変圧縮比エンジンを運転する
好ましい方法のフローチャートである。
【図3】本発明による診断方法のフローチャートであ
る。
【図4】図3の診断方法の実行に先立ち、必要なエンジ
ン作動条件であるか否かを判定する好ましい方法のフロ
ーチャートである。
【図5】図3の方法の第1状態に対応するフローチャー
トである。
【図6】図3の方法の第2状態に対応するフローチャー
トである。
【図7】図6のステップ602に対応する好ましい方法の
フローチャートである。
【図8】図3の方法の第3状態に対応するフローチャー
トである。
【図9】図3の方法の第4状態に対応するフローチャー
トである。
【図10】図3の方法の第5状態に対応するフローチャー
トである。
【図11】本発明による点火調整値を決定する方法に対応
するフローチャートである。
【図12】図6及び8の方法に従い、ノッキング制御が行
われているか否かを判定する方法に対応する、フローチ
ャートである。
【符号の説明】
60 制御器 117 圧縮比調節装置 140 ノック・センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 366 F02D 45/00 366F 368 368A 15/00 15/00 Z F02P 5/152 F02P 5/15 D 5/153 (72)発明者 マイケル ジョン カレン アメリカ合衆国 ミシガン州 48167,ノ ースヴィル カムデン センター 41740 Fターム(参考) 3G022 DA02 EA02 FA04 GA05 GA06 GA09 GA13 3G084 AA00 BA04 BA17 BA22 DA04 DA27 DA38 EA02 EA03 EA07 EA08 EA11 EB08 EB12 EB22 FA01 FA02 FA07 FA10 FA20 FA25 FA33 3G092 AA01 AA12 AB02 BA01 BA09 DD04 DD07 DD09 DD10 DF05 EA03 EA04 EA09 EB01 EB07 EC09 FA16 FB06 HA01Z HA04Z HA05Z HA06Z HA14Y HC05X HC05Z HE01Y HE08Z

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮比が相互に異なる複数の圧縮比作動
    状態で運転されるエンジンの診断方法であって、 上記エンジンが上記複数の圧縮比作動状態のうちの選択
    された一つの圧縮比作動状態にあるときに、ノッキング
    を回避するために必要とされる点火調整値の変化を決定
    する決定工程と、 少なくとも、該点火調整値の変化の少なくとも一部分に
    基いて、上記エンジンの作動を評価する評価工程と、を
    有することを特徴とする診断方法。
  2. 【請求項2】 上記決定工程が、上記複数の圧縮比作動
    状態のうちの第1の圧縮比作動状態において、この状態
    での点火調整値である第1点火調整値を決定する工程
    と、 上記複数の圧縮比作動状態のうちの第2の圧縮比作動状
    態において、この状態での点火調整値である第2点火調
    整値を決定する工程と、を有することを特徴とする請求
    項1に記載の診断方法。
  3. 【請求項3】 上記評価工程が、上記第1点火調整値と
    上記第2点火調整値との間の差を求める工程と、 上記点火調整値の差を所定の限界値と比較する比較工程
    と、 上記比較工程での比較結果に基いて、エンジンの作動状
    態を表す出力を行なう出力工程と、を有することを特徴
    とする請求項2に記載の診断方法。
  4. 【請求項4】 エンジンを圧縮比が相互に異なる複数の
    圧縮比作動状態とすることが可能な圧縮比調節装置を備
    えた可変圧縮比エンジンの診断方法であって、 上記複数の圧縮比作動状態のうちの第1の圧縮比作動状
    態において、この状態での点火調整値である第1点火調
    整値を決定する工程と、 上記複数の圧縮比作動状態のうちの第2の圧縮比作動状
    態において、この状態での点火調整値である第2点火調
    整値を決定する工程と、 上記第1点火調整値を上記第2調整値と比較する比較工
    程と、 少なくとも、上記比較工程での比較結果の少なくとも一
    部に基いて、上記圧縮比調節装置の作動を評価する評価
    工程と、を有することを特徴とする診断方法。
  5. 【請求項5】 上記第1点火調整値を決定する工程は、
    上記エンジンが上記第1の圧縮比作動状態にあるとき
    に、点火時期を調整するための点火調整値であるノッキ
    ング加算値を平均化する工程を有し、 上記第2点火調整値を決定する工程が、上記エンジンが
    上記第2の圧縮比作動状態にあるときに、点火時期を調
    整するための点火調整値であるノッキング加算値を平均
    化する工程を有する、ことを特徴とする請求項4に記載
    の診断方法。
  6. 【請求項6】 上記比較工程が、上記第1点火調整値と
    上記第2点火調整値との間の差を求める工程と、 上記点火調整値の差を所定の限界値と比較する比較工程
    と、を有することを特徴とする請求項4又は5のいずれ
    かに記載の診断方法。
  7. 【請求項7】 上記評価工程が、上記圧縮比調節装置に
    関連する作動状態フラグを設定する工程を有することを
    特徴とする請求項4乃至7のいずか1つに記載の診断方
    法。
  8. 【請求項8】 圧縮比調節装置を備え、少なくとも高圧
    縮比作動状態又は低圧縮比作動状態のいずれかで運転さ
    れるエンジンを搭載した自動車の診断方法であって、 上記エンジンを上記高圧縮比作動状態とするように上記
    圧縮比調節装置を制御する工程と、 上記エンジンを上記高圧縮比作動状態としながら、ノッ
    キングを回避するために必要とされる点火時期の調整値
    であるノッキング加算値の平均値を決定する工程と、 上記エンジンを上記低圧縮比作動状態とするように上記
    圧縮比調節装置を制御する工程と、 上記エンジンを上記低圧縮比作動状態としながら、ノッ
    キングを回避するために必要とされる点火時期の調整値
    であるノッキング加算値の平均値を決定する工程と、 上記低圧縮比作動状態における平均ノッキング加算値
    と、上記高圧縮比作動状態における平均ノッキング加算
    値との間の差を求める工程と、 上記平均ノッキング加算値の差の絶対値を所定の限界値
    と比較する比較工程と、 上記比較工程での比較結果に基いて、上記圧縮比調節装
    置の作動状態を表すフラグをセットする工程と、を有す
    ることを特徴とする診断方法。
  9. 【請求項9】 上記高圧縮比作動状態において、上記平
    均ノッキング加算値をフィルター処理する工程を更に有
    することを特徴とする請求項8に記載の診断方法。
  10. 【請求項10】 上記低圧縮比作動状態において、上記
    平均ノッキング加算値をフィルター処理する工程を更に
    有することを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記
    載の診断方法。
  11. 【請求項11】 上記作動状態を表すフラグに基いて、
    自動車のドライバーに可聴信号を提供する工程を更に有
    することを特徴とする請求項8乃至10のいずか1つに
    記載の診断方法。
  12. 【請求項12】 上記作動状態を表すフラグに基いて、
    自動車のドライバーに可視信号を提供する工程を更に有
    することを特徴とする請求項8乃至11のいずか1つに
    記載の診断方法。
  13. 【請求項13】 上記高圧縮比作動状態と上記低圧縮比
    作動状態とにおいて、それぞれ、上記平均ノッキング加
    算値を決定する工程に先立ち、必要とされるエンジン作
    動条件にあることを判定する工程を更に有することを特
    徴とする請求項8乃至12のいずれか1つに記載の診断
    方法。
  14. 【請求項14】 必要とされるエンジン作動条件にある
    ことを判定する上記工程が、エンジンの温度を判定する
    工程と、このエンジンの温度を所定の最小温度と比較す
    る工程と、を有することを特徴とする請求項13に記載
    の診断方法。
  15. 【請求項15】 必要とされるエンジン作動条件にある
    ことを判定する上記工程が、エンジンの回転速度を判定
    する工程と、このエンジン回転速度が所定の範囲内にあ
    ることを判定する工程と、を有することを特徴とする請
    求項13又は14のいずれかに記載の診断方法。
  16. 【請求項16】 必要とされるエンジン作動条件にある
    ことを判定する上記工程が、気筒内の空気充填量を判定
    する工程と、この空気充填量が所定の範囲内にあること
    を判定する工程と、を有することを特徴とする請求項1
    3に記載の診断方法。
  17. 【請求項17】 圧縮比が相互に異なる複数の圧縮比作
    動状態でエンジンを運転するシステムであって、 上記エンジンに配置され、エンジンのノッキングを表す
    信号を発生する、少なくとも一つのセンサーと、 上記複数の圧縮比作動状態のうちの選択された一つの圧
    縮比作動状態になるように上記エンジンの圧縮比を調節
    する圧縮比調節装置と、 上記センサー及び上記圧縮比調節装置と通信し、上記エ
    ンジンが上記選択された一つの圧縮比作動状態にあると
    きに、ノッキングを回避するために必要とされる点火調
    整値の変化を決定するコンピューター・プログラム手段
    と、少なくとも該点火調整値の変化の少なくとも一部分
    に基いて、上記エンジンの作動を評価するコンピュータ
    ー・プログラム手段とを有する、制御器と、を有するこ
    とを特徴とする診断システム。
  18. 【請求項18】 上記制御器と通信し、上記圧縮比調節
    装置の作動に関連する情報を提供する報知機器を更に有
    することを特徴とする請求項17に記載の診断システ
    ム。
  19. 【請求項19】 必要とされるエンジン作動条件にある
    ことを判定する手段、を更に有することを特徴とする請
    求項17又は18のいずれかに記載の診断システム。
  20. 【請求項20】 上記エンジンに配設され、上記制御器
    と通信し、上記エンジンを冷却するための冷媒の温度を
    検出する温度センサーと、 上記冷媒の温度を所定の最小温度と比較する、上記制御
    器内のコンピューター・プログラム手段と、を更に有す
    ることを特徴とする請求項19に記載の診断システム。
  21. 【請求項21】 上記エンジンに配設され、上記制御器
    と通信し、上記エンジンの回転速度を検出するセンサー
    と、 上記エンジン回転速度が所定の範囲内にあるか否かを判
    定する、上記制御器内のコンピューター・プログラム手
    段と、を更に有することを特徴とする請求項17乃至2
    0のいずれか1つに記載の診断システム。
  22. 【請求項22】 上記エンジンに配設され、上記制御器
    と通信し、上記エンジンの空気充填量を検出するセンサ
    ーと、 上記空気充填量が所定の範囲内にあるか否かを判定す
    る、上記制御器内のコンピューター・プログラム手段
    と、を更に有することを特徴とする請求項17乃至20
    のいずれか1つに記載の診断システム。
  23. 【請求項23】 圧縮比が互いに異なる複数の圧縮比作
    動状態で運転されるエンジンの制御器に格納され、 上記エンジンが上記制御器により、上記複数の圧縮比作
    動状態のうちの選択された一つの圧縮比作動状態となる
    ように制御されるときに、当該エンジンにおけるノッキ
    ングの発生を回避するために必要とされる点火調整値の
    変化を決定する手順と、 少なくとも、上記点火時期調整値の変化の少なくとも一
    部分に基いて、上記エンジンの作動を評価する手順と、
    を上記制御器に実行させる、ことを特徴とするコンピュ
    ーター・プログラム。
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