JP3038924B2 - 内燃機関のノッキング検出装置 - Google Patents

内燃機関のノッキング検出装置

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JP3038924B2 JP2405077A JP40507790A JP3038924B2 JP 3038924 B2 JP3038924 B2 JP 3038924B2 JP 2405077 A JP2405077 A JP 2405077A JP 40507790 A JP40507790 A JP 40507790A JP 3038924 B2 JP3038924 B2 JP 3038924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のノッキング
検出装置に係り、詳しくは、ノッキングの検出方法を改
良し、筒内の圧力変化波形から1サイクル毎のクランク
角に対する全熱発生量とノッキングによる熱発生量との
比を取り、この値によってノックの強度を判定するノッ
キング検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両や機関の制御に電子制御技術が大々
的に用いられるようになってからは、ノッキングに対す
る取り組み方も多様になってきており、以前のようなノ
ッキングの発生を燃焼室の形状やガス流動などの改良、
燃料のオクタン価を高くすることなどにより低減する手
法に加えて、走行状態に応じて点火時期を人間の耳には
感じない程度の軽微なノッキングの発生する限界付近ま
で進めるように制御し、燃料性状の違いや機関の要求オ
クタン価の経時変化に拘らず、その条件ごとの改良の燃
費や動力性能を得ようとする、ノッキング制御技術が量
産車にも用いられるようになってきている。
【0003】近時は、このノッキング制御技術を6気筒
機関の気筒毎に適用したものも出現している。また、最
近の電子制御によるオンボード・ノッキング制御では、
ノッキングの検出と定量化技術が重要となっている。自
動車用として車載可能と考えられるノッキング検出法は
検知する物理量によって分類され、筒内圧力、エンジン
振動、燃焼光、ノッキング音、シリンダ内イオン電流等
の各種の方法がある。
【0004】このうち代表的な従来の内燃機関のノッキ
ング検出装置としては、例えば「自動車技術」1986
vol.40 NO.11に記載されたものがある。
この装置では、点火プラグに筒内圧センサを取り付け、
筒内圧センサの出力に基づく燃焼室内圧力変化波形のう
ちからノッキング周波数付近の高周波成分を検出して、
その振動強さを数値化し、統計処理によりノッキングレ
ベルを決定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の内燃機関のノッキング検出装置にあっては、
筒内圧力センサによる検出振動が取付位置、センサ種
類、センサ形式、検出気筒により影響を受けるため、エ
ンジンの機種毎にノック検出のロジックを適合させる必
要があり、工数の増加、コストの増加を招く他、ロジッ
クの適合が十分でない場合は検出精度が悪化するという
問題点があった。
【0006】また、従来のノッキング検出方法に用いら
れている筒内圧センサは、エンジンに特殊加工を必要と
しない点で、有効性大であるが、燃焼圧力に加え、エン
ジン本体の振動、回転による機械的振動をも含むため、
センサ出力から得られる高周波信号成分を利用する方法
では、ノイズとなる振動分を分離するのに困難があり、
したがって、正規のノック成分を正確に検出できず、検
出精度が十分でないという問題点があった。
【0007】例えば、高回転になると高周波の振動成分
が増加し、特に、正規のノック成分を分離するのが困難
になる。そこで、本発明は以上のような従来の問題点に
鑑み、クランク角に対する熱発生量の変化に基づいてノ
ッキングを検出することにより、エンジン機種、センサ
出力の個体差に拘らず、しかもロジックを変更すること
なしに工数やコストの低減を図り、かつ検出精度を向上
させ、しかも、ノック開始点の特定に独特の方策を施す
ことによって、ノッキング検出精度をより一層向上する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の内燃
機関のノッキング検出装置は、上記目的達成のため、そ
の基本概念図を図1に示すように、燃焼圧力若しくはこ
れに比例して変化する信号を出力する圧力検出手段a
と、圧力検出手段aの出力から所定の高周波成分を除去
する手段bと、圧力検出手段aの出力から所定の高周波
域以外を除去する手段cと、エンジンの運転状態を検出
する運転状態検出手段dと、エンジンのクランク角度を
検出するクランク角度検出手段eと、圧力検出手段aで
検出した燃焼圧力の高周波成分を除去した圧力変化波形
およびエンジンの運転状態に基づいて1サイクル中のク
ランク角に対する全熱発生量を演算する全熱量演算手段
fと、エンジンの運転状態検出手段dの出力からノッキ
ングの開始点を特定するための基準値を設定する基準値
設定手段gと、圧力検出手段aで検出した燃焼圧力の所
定高周波成分を透過した圧力変化波形および基準値設定
手段の出力から1サイクル中におけるノッキングによ
る熱発生の開始点を特定する開始点特定手段hと、1サ
イクル中におけるノッキングによる熱発生量を演算する
ノック熱量演算手段iと、1サイクル中の正常燃焼によ
熱発生量または全熱発生量のうち1つ以上のものと、
ノッキングによる熱発生量との比を演算し、この比に基
づいてノッキング強度を判定するノック強度判定手段j
と、を備えた構成とする。
【0009】前記基準値は、所定エンジン回転数まで略
同一レベルで、以後エンジン回転数に比例して変化する
べく設定するのが好ましい。
【0010】
【作用】かかる構成では、圧力検出手段により検出した
燃焼室圧力の高周波成分をカットした圧力変化波形およ
びエンジンの運転状態に基づいて1サイクルのクランク
角に対する全熱発生量が演算されると共に、1サイクル
中におけるノッキングによる熱発生の開始点を特定し、
これに基づいて1サイクル中におけるノッキングによる
熱発生量が演算される。そして、1サイクル中の正常燃
焼による熱発生量または全熱発生量のうち1つ以上のも
のと、ノッキングによる熱発生量との比が演算され、こ
の比に基づいてノッキング強度が判定される。
【0011】したがって、従来のように振動強さを数値
化するのと異なり、クランク角に対する熱発生量の変化
に基づいているから、エンジン機種、センサ出力の個体
差に拘らず、しかもロジックの変更を要せず精度良くノ
ッキングを検出することが可能となる。また、燃焼室内
圧力振動波形から所定の高周波成分を抽出し、その振動
波形から高周波振動が開始するクランク角をノッキング
開始クランク角としてノック開始を特定しているので、
より正確にノッキングによる熱発生量を演算でき、ノッ
キング検出の精度をより一層向上できる。
【0012】なお、基準値は、運転状態検出手段の出力
を基に基準値設定手段によって、エンジン回転数に応じ
て変化するメカニカルノイズのレベル変化に合わせて設
定される。所定のエンジン回転数まで略同一レベルに設
定できるのは、検出周波数域のメカニカルノイズレベル
が変化しないためであり、このため、高回転まで検出が
高精度にできる。
【0013】
【実施例】以下、添付された図面を参照して本発明を詳
述する。以下に説明する実施例は、本発明に係る内燃機
関のノッキング検出装置を燃焼制御装置に適用した例で
ある。まず、構成を説明する。図2は燃焼制御装置の全
体構成図であり、この図において、1はエンジンであ
り、吸入空気はエアクリーナ2から吸気管3を通して各
気筒に供給され、燃料は噴射信号Siに基づきインジェ
クタ4により噴射される。気筒内の混合気は点火信号S
pに基づく点火プラグ5の放電作用によって爆発、燃焼
し、排気になって排気管6から排出される。
【0014】エンジン1に吸入される空気流量Qaはエ
アフローメータ7により検出され、吸気管3内の絞弁8
によって制御される。また、吸気管3内の吸入負圧(ブ
ースト)は吸気圧センサ9により検出され、エンジン1
のクランク角はクランク角センサ(クランク角検出手
段)10より検出される。なお、クランク角センサ10
の出力パルスを計数することにより、エンジン回転数N
が算出される。
【0015】排気中の酸素濃度は排気管6に設けた酸素
センサ11により検出され、ウォータジャケットを流れ
る冷却水の温度は水温センサ12により検出される。さ
らに、各気筒の燃焼圧力(筒内圧)は筒内圧センサ(圧
力検出手段)13により検出され、筒内圧センサ13は
点火プラグ5の座金として締付・固定されている。な
お、燃焼圧力に比例して変化する信号を発生するもので
あれば、筒内圧センサ13に限らず、例えば点火プラグ
5の本体に感圧素子を内蔵したようなものでもよい。
【0016】上記エアフローメータ7、吸気圧センサ
9、クランク角センサ10、酸素センサ11および水温
センサ12は運転状態検出手段14を構成しており、運
転状態検出手段14および筒内圧センサ13からの出力
はコントロールユニット20に入力される。コントロー
ルユニット20はマイクロコンピュータや電子回路によ
って構成され、ノッキングの検出や該検出効果に基づく
ノック抑制制御およびその他の燃焼制御に必要な処理値
を演算し、前記噴射信号Siや点火信号Spを出力す
る。
【0017】ここで、コントロールユニット20の機能
のうち、特にノッキング検出に関連する部分の構成は図
3のように示される。図3において、筒内圧センサ13
の出力信号は高周波カットフィルタ21に入力されて所
定の高周波成分が除去された後、A/D変換器22によ
ってA/D変換され、ノック強度演算回路23に入力さ
れる。高周波成分をカットするのはノッキングの検出に
際してノイズ成分を有効に除去するためであり、高周波
成分をカットするためのカットオフ周波数は図4に示す
ようにエンジン回転数Nに係わらず一定値である。
【0018】なお、高周波カットフィルタ21として
は、例えばアナログフィルタが用いられる。このフィル
タは抵抗成分が周波数依存を持つ素子の組み合わせで、
入力信号の減衰比に周波数依存を持たせることにより、
任意の周波数域を透過または遮断するものであり、フィ
ルタの種類としては、ベッセルフィルタやバタワースフ
ィルタがある。上記高周波カットフィルタ21は除去手
段25を構成する。
【0019】ノック強度演算回路23には運転状態検出
手段14からの信号も入力されており、ノック強度演算
回路23は熱発生量演算部全熱量演算手段に相当)2
6、ノッキング熱発生開始点検出部(開始点特定手段に
相当)27、ノック部熱発生量演算部ノック熱量演算
手段に相当)28およびノック強度演算部(ノック強度
判定手段に相当)29により構成される。熱発生量演算
26は筒内圧センサ13で検出した燃焼圧力の高周波
成分を除去した圧力変化波形からエンジン1の運転状態
に基づいて1サイクル中のクランク角に対する全熱発生
を演算し、ノッキング熱発生開始点検出部27は1サ
イクル中におけるノッキングによる熱発生の開始点を特
定する。また、ノック部熱量発生演算部28は1サイク
ル中におけるノッキングによる熱発生量を演算し、ノッ
ク強度演算部29は1サイクル中の全熱発生量とノッキ
ングによる熱発生量との比を演算し、この比に基づいて
ノッキングの強度を判定し、判定結果をノッキング強度
信号出力回路30に出力する。ノッキング強度信号出力
回路30は該判定結果に対応するノック強度信号を発生
してコントロールユニット20内の点火時期制御回路
(図示略)に出力し、ノック抑制制御の情報に用いられ
る。また、ノッキング制御のみならず、例えばノックを
検出するためのデータとしてノック強度入力計への入力
データとして用いられることもある。
【0020】次に、作用を説明する。エンジン1が運転
を開始すると、各気筒の燃焼室内の燃焼圧力が変化し、
1サイクル毎に燃焼圧力のピークが現れる。この場合の
熱発生開始点の演算は図5に示すように高周波成分が除
去された燃焼圧力信号の値がノック検出状態における燃
料基本噴射量Tp若しくは吸入負圧(ブースト)や吸入
空気量の関数として計算される値Po Po=func(Tp or Boost) を超えた点から開始される。
【0021】熱発生量の計算は、具体的には次のように
して行われる。いま、図6に示すようにシリンダ31に
ついてストロークボリウムをVST、燃焼室ボリウムを
VC、コンロッドの長さをCL、半径をrとすると、圧
縮比rcは、 rc=(VC+VST)/VC=ε で表され、これから図7に示すようにあるクランク角θ
における総合のボリウムV(θ)は、
【0022】
【数1】
【0023】但し、B=2CL/STL=2CL/2r
=CL/rなる式で表される。また、図7に示すように
圧縮行程中の燃焼圧力波形からTDC前60°と44°
に相当する燃焼圧力P1 ,P2 とその点のボリウム
1 ,V 2 とからポリトロープ指数PNを、
【0024】
【数2】
【0025】として計算する。さらに、実際上は単位ク
ランク角毎の燃焼圧力P(I)とボリウムV(I)が順
次演算されて全熱発生量が求められるが、各単位クラン
ク角毎の演算は、例えば図8aに示すようにP(I)、
V(I)に対し、次のクランク角ではP(I+1)、V
(I+1)として計算され、このような圧力変化の内訳
には図8bに示すようにタイミングt1 (Iに相当)と
タイミングt2 (I+1に相当)とでは、燃焼による圧
力増加とピストン運動による圧力増加の両方が含まれて
いる。そして、熱発生量の演算に必要な1つの係数Fx
を Fx = Cv/R(≒0.33/29.13) 但し、Cv:定積比熱 R:気体定数 とし、圧縮開始点のストロークボリウムを V(1)=VST とすると、全熱発生量QA
【0026】
【数3】
【0027】なる式により求められる。次に、ノッキン
グによる熱発生部分の演算を行うが、ノッキングによる
熱発生部は図9にハッチングで示すような部分となる。
この場合、ノッキングによる熱発生部の開始点として、
筒内圧センサ13の出力から、特定波長域の高周波振動
を検出し、ノッキングが発生したクランク角を検出し、
ノッキング開始点とする方法をとる。
【0028】高周波域(30〜40kHz)でノッキン
グ発生を検出することは、エンジン回転数に応じて変化
しかつノッキングによる特定周波数の振動を分離するの
に障害となるエンジンのメカニカルノイズの影響を受け
難くなるという効果を有する(図15参照)。このよう
な方法でノック開始点を決めることにより、実際の燃焼
状態にマッチして精度良く開始点の特定が行われる。一
方、ノッキングによる熱発生の終点としてはクランク角
に対する熱発生量が0となる点を用いる。そして、ノッ
キングによる熱発生量QBは、ノック開始点と終了点を
直線で結び、この直線を超える熱発生部分(ハッチング
部分)として求める。
【0029】このようにして各熱発生量QA,QBが演算
されると、次いでノック強度演算部29で全熱発生量
Aとノッキングによる熱発生量Bとの比Sを、S=QB
/QAなる式から求め、この比に基づいてノック強度を
判定する。ここで、本発明においては、ノック開始点の
検出構造に独特の構成を有しており、これについては以
下に説明する。
【0030】図10はノック開始点の検出部のブロック
構成図である。筒内圧センサ13の出力は途中で分岐し
て高周波透過フィルタ41にも入力されており、高周波
透過フィルタ41は圧力振動信号のうちから所定の高周
波成分のみを通過させて比較器42に出力する。比較器
42の他方の入力端子には所定の基準値が入力されてお
り、比較器42は圧力振動信号の高周波成分、すなわち
所定の高周波振動が基準値を超えると「H」レベルの信
号をゲート43に出力する。ゲート43は比較器42の
出力が「H」レベルであるとき、クランク角センサ10
により検出されるクランク角を読み込んでノック検出フ
ラグFKNを立てるための判断となる同期信号をノック
強度演算回路44に出力し、ノック強度演算回路44
は、該同期信号に応答してノック検出フラグFKNに関
連する処理を行う。
【0031】比較器42に入力される基準値は、運転状
態検出手段14の出力を基に基準値設定手段15で設定
される。具体的には、エンジン回転数に比例して図11
に示すように変化させている。これは、エンジン回転数
に応じて変化するメカニカルノイズのレベル変化に合わ
せて設定される。4000rpmまで略同一レベルに設
定できるのは、図15に示すように、検出周波数域のメ
カニカルノイズレベルが変化しないためであり、このた
め、高回転まで検出が高精度にできる。
【0032】上記比較器42およびゲート43は開始タ
イミング設定手段45を構成している。本実施例では高
周波透過フィルタ41、開始タイミング設定手段45お
よびノック強度演算回路23の中のノッキング熱発生開
始点検出部27が協動して開始点特定手段46を構成し
ている。次に、作用を説明する。
【0033】図12はゲート43の出力が「H」レベル
となるタイミングに同期して実行されるフローチャート
であり、ノック検出フラグFKNの処理プログラムであ
る。まず、ステップS1 で今回のクランク角θを読み込
み、ステップS2 でクランク角θを所定値θ3 と比較す
る。θ3 は、例えばTDC付近に設定される。θ≧θ3
のときは、次いでステップS3 でクランク角θの所定値
θ4 と比較する。θ 4 は、例えば50°ATDCに設定
される。このようにθ3 とθ4 を設定するのは、図13
に示すように筒内圧センサ13の振動成分のうち特に高
周波振動波形はノッキングの開始クランク角度に略一致
して、そのレベルが急変することが本発明者の実験等に
よって確認されており、かかる事実によれば大旨TDC
からATDC50°の間でノッキングが起き易くなって
いる。したがって、ゲート43の出力信号に同期し、か
つクランク角θがθ3 〜θ4 の間にあればノック発生と
判断し、ステップS5 でノック検出フラグFKNを
「1」にセットし、θ3 〜θ 4 の区間から外れるとステ
ップS4 でノック検出フラグFKNを「0」にリセット
してルーチンを終了する。
【0034】図14はノック強度判定のプログラムを示
すフローチャートであり、本プログラムは単位クランク
角(例えば1°CA)に同期して実行される。まず、ス
テップS11でクランク角θを読み込み、ステップS12
今回のクランク角θを所定値θ1と比較する。θ1は、例
えば図13に示すように点火タイミングのクランク角に
設定される。θ≧θ1のときは、次いでステップS13
クランク角θを所定値θ2と比較する。θ2は、例えば図
13に示すように膨張下死点BDCに設定される。これ
は、高周波透過フィルタ41を通過させてノック開始点
を特定するためのクランク角は、点火クランク角からB
DCまでの間に限られるという状況にマッチさせるため
である。したがって、今回のクランク角θがθ1〜θ2
間にあればステップS14でノック検出フラグFKNが立
っているか否かを判別し、θ1〜θ2の間になければ、今
回のルーチンを終了する。ステップS14でFKN=1の
ときはノッキングが発生してそれに対応する熱発生があ
ると判断し、ステップS15でノック部の熱発生量(図1
3のハッチング部分に相当)QBを演算し、一方、FK
N=0のときはステップS16で非ノック部の熱発生量
Cを演算する。なお、QC全熱発生量Aからノック部
全熱発生量Bを減じたものである。次いで、ステップ
17でノック強度算出のために上記両者の比Sを、S=
B/QCとして求め、ステップS18で比Sからノックレ
ベルを判定し、これに相当するノック強度信号を出力し
てルーチンを終了する。
【0035】かかる構成によると、従来のように振動強
さを数値化するのと異なり、あくまでもクランク角に対
する熱発生量の変化に基づいているから、エンジン機
種、筒内圧センサ13の取付位置、センサ出力の個体差
等に拘らず、しかも検出ロジックの変更を要せず精度良
くノッキングを検出することが可能となる。また、振動
成分を基にノッキング強度を算出していないことから、
振動に基づくノイズ成分の影響を受けず、従来に比して
格段とノッキングの検出精度を向上させることができ
る。特に、高回転域で高周波の振動成分が増加しても正
規のノック成分を熱発生量の分析によって分離でき、検
出精度が向上する。その結果、ノッキング検出のロジッ
ク開発の工数の低下、コストの低下を図ることができ
る。
【0036】さらに、燃焼室内圧力振動波形から所定の
高周波成分を抽出し、その振動波形から高周波振動が開
始するクランク角をノッキング開始クランク角としてノ
ック開始を特定しているので、より正確にノッキングに
よる熱発生量を演算でき、ノッキング検出の精度をより
一層向上できる。尚、以上のように、特定の実施例を参
照して本発明を説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、当該技術分野における熟練者等により、
本発明に添付された特許請求の範囲から逸脱することな
く、種々の変更及び修正が可能であるとの点に留意すべ
きである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、クランク
角に対する熱発生量の変化に基づいてノッキングを検出
するようにしたから、エンジン機種、センサ出力の個体
差等に拘らず、しかもロジックを変更することなしに工
数やコストの低減を図れ、かつ検出精度を向上でき、し
かも、ノック開始点の特定に独特の方策を施すことによ
って、すなわち、圧力検出手段で検出した燃焼圧力の所
定高周波成分を透過した圧力変化波形および基準値設定
手段の出力から1サイクル中におけるノッキングによる
熱発生の開始点を特定する構成としたから、ノッキング
検出精度をより一層向上することができ、ノッキング検
出のロジック開発の工数の低下、コストの低下等も図る
ことができる有用性大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関のノッキング検出装置
の基本概念図。
【図2】 同上装置の一実施例のシステム図。
【図3】 同上実施例の主要部のブロック構成図。
【図4】 カットオフ周波数の特性を示す図。
【図5】 熱発生演算の開始点を説明する図。
【図6】 圧縮比の算出を説明する模式図。
【図7】 燃焼圧力波形の一部を示す図。
【図8】 燃焼圧力の増加を説明する図。
【図9】 熱発生量の演算を説明する図。
【図10】 同上実施例のノック開始点の検出部のブロ
ック構成図。
【図11】 基準値の設定方法を示す図。
【図12】 ノック検出フラグの処理プログラムを示す
フローチャート。
【図13】 ノック開始点を説明する波形図。
【図14】 ノック強度判定のプログラムを示すフロー
チャート。
【図15】 メカニカルノイズのレベル変化状態を示す
図。
【符号の説明】
1 エンジン 10 クランク角センサ 13 筒内圧センサ 14 運転状態検出手段 20 コントロールユニット 21 高周波カットフィルタ 23 ノック強度演算回路 25 除去手段 26 熱発生量演算部 27 ノッキング熱発生開始点検出部 28 ノック部熱量発生演算部 29 ノック強度演算部 30 ノッキング強度信号出力回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 23/22 F02P 17/00 F02P 5/15 F02D 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)燃焼圧力若しくはこれに比例して変化
    する信号を出力する圧力検出手段と、 b)圧力検出手段の出力から所定の高周波成分を除去す
    る手段と、 c)圧力検出手段の出力から所定の高周波域以外を除去
    する手段と、 d)エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 e)エンジンのクランク角度を検出するクランク角度検
    出手段と、 f)圧力検出手段で検出した燃焼圧力の高周波成分を除
    去した圧力変化波形およびエンジンの運転状態に基づい
    て1サイクル中のクランク角に対する全熱発生量を演算
    する全熱量演算手段と、 g)エンジンの運転状態検出手段の出力からノッキング
    の開始点を特定するための基準値を設定する基準値設定
    手段と、 h)圧力検出手段で検出した燃焼圧力の所定高周波成分
    を透過した圧力変化波形および基準値設定手段の出力か
    ら1サイクル中におけるノッキングによる熱発生の開始
    点を特定する開始点特定手段と、 i)1サイクル中におけるノッキングによる熱発生量
    演算するノック熱量演算手段と、 j)1サイクル中の正常燃焼による熱発生量または全熱
    発生量のうち1つ以上のものと、ノッキングによる熱発
    生量との比を演算し、この比に基づいてノッキング強度
    を判定するノック強度判定手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関のノッキング検出装
    置。
  2. 【請求項2】前記基準値は、所定エンジン回転数まで略
    同一レベルで、以後エンジン回転数に比例して変化する
    べく設定してなる請求項1に記載の内燃機関のノッキン
    グ検出装置。
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