JP2528151B2 - 可変圧縮比型内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

可変圧縮比型内燃機関の点火時期制御装置

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JP2528151B2 JP62335462A JP33546287A JP2528151B2 JP 2528151 B2 JP2528151 B2 JP 2528151B2 JP 62335462 A JP62335462 A JP 62335462A JP 33546287 A JP33546287 A JP 33546287A JP 2528151 B2 JP2528151 B2 JP 2528151B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、機関運転条件に応じて圧縮比が可変制御
される可変圧縮比型内燃機関の点火時期制御装置に関す
る。
従来の技術 低負荷時における熱効率の向上と高負荷時におけるノ
ッキングの抑制との両立などを図るために、従来から種
々の可変圧縮比型内燃機関が提案されている。例えば、
実開昭58−25637号公報には、各気筒のピストンを、イ
ンナピストンとアウタピストンとの二重構造とし、イン
ナピストンに対しアウタピストンを上下動させることで
圧縮比を変化させるようにした圧縮比可変機構が、また
時開昭60−230548号公報には、シリンダヘッドに副シリ
ンダを形成し、該副シリンダ内の副ピストンを上下動さ
せることで圧縮比を変化させるようにした圧縮比可変機
構がそれぞれ記載されている。
この可変圧縮比型内燃機関においては、上記圧縮比可
変機構は機関運転条件、主に負荷に応じて切り換え制御
され、一般に、低負荷領域では高圧縮比(以下、高εと
略記する)状態に、高負荷領域では低圧縮比(以下、低
εと略記する)状態に制御される。
一方、内燃機関の点火時期は例えば機関回転数と負荷
とをパラメータとしたデータマップに基づいて制御され
るが、可変圧縮比型内燃機関にあっては、上記データマ
ップにおけるデータつまり最適点火時期は、当然のこと
ながら、そのときの圧縮比を前提として要求点火時期に
添うように予め決定されている。つまり、低ε状態で
は、高ε状態の場合よりも、ある程度点火時期を進角さ
せることが可能であるので、機関運転条件の低ε領域
(低εに制御される領域、つまり概ね高負荷状態)では
点火時期が全体として進み側の特性に、また高ε領域
(高εに制御される領域、つまり概ね低負荷状態)で
は、全体として遅れ側の特性に設定される。従って、内
燃機関の加速時には、圧縮比の切り換えに伴い点火時期
特性は高ε用の特性から低ε用の特性へと切り換えら
れ、また逆に減速時には、低ε用の特性から高ε用の特
性へと切り換えられることになる。
なお、内燃機関の点火時期制御装置として、実際のノ
ッキング発生をノッキングセンサにて検出することによ
り点火時期をノッキング発生限界近傍にフィードバック
制御するようにした装置は従来から公知である。そし
て、多気筒内燃機関にあっては、各気筒の燃焼状況が微
妙に異なり、一部気筒のみでノッキングが発生する場合
があるので、従来、各気筒のそれぞれにノッキングセン
サを配設し、各気筒毎にノッキング発生を検出して、ノ
ッキング発生気筒の点火時期のみを遅角補正するように
した点火時期制御装置も実用に供されている。
発明が解決しようとする問題点 上記のように可変圧縮比型内燃機関の点火時期は、圧
縮比が所定値に安定的に保たれていることを前提として
設定されている。
しかしながら、油圧等によって作動する圧縮比可変機
構が、高ε状態から低ε状態へ、あるいは低εから高ε
状態へ完全に移行するには、運転条件が変化してからあ
る程度の時間が必要である。
従って、内燃機関の過渡時には、特性の切り換えに伴
う点火時期の変化に圧縮比変化が追従できない。この結
果、例えば加速時には、一時的に点火時期が進みすぎた
状態となり、強度のノッキングを生じる虞れがある。ま
た減速時には、一時的に点火時期が遅れすぎた状態とな
り、出力の低下や運転性の悪化を招く虞れがある。
なお、上述したノッキング回避制御を上記可変圧縮比
型内燃機関に適用した場合でも、ノッキングの有無に伴
う点火時期の変化は比較的緩慢であるから、圧縮比の切
り換えによって点火時期が要求点火時期と大きくずれた
場合には、十分な補正を行うことはできない。
問題点を解決するための手段 この発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、機関の過渡時にいずれかの気筒で大きなノ
ッキングレベルが検出されたとき、あるいは逆にノッキ
ングレベルがかなり小さくなったときには、圧縮比可変
機構の応答遅れが生じているものと判断し、これを多の
気筒の点火時期制御にすばやく反映されるようにしたも
のである。すなわち、この発明に係る可変圧縮比型内燃
機関の点火時期制御装置は、第1図に示すように、ノッ
キングレベルを各気筒毎に検出するノッキング検出手段
1と、検出されたノッキングレベルをノッキング有無判
定用のスライスレベル(SL)と比較し、このノッキング
の有無の判定に基づいて各気筒の点火時期を個別に遅進
制御する点火時期制御手段2と、内燃機関の過渡状態を
検出する過度検出手段3と、この過渡時に各気筒のノッ
キングレベルを、上記スライスレベル(SL)より高いレ
ベルに設定された上限レベル(SL1)および上記スライ
スレベル(SL)より低いレベルに設定された下限レベル
(SL2)と比較する比較手段6と、この比較に基づき、
上記ノッキングレベルが上記条件レベル以上のときには
当該気筒以外の他の気筒の点火時期を遅角側に、上記下
限レベル以下のときには当該気筒以外の他の気筒の点火
時期を進角側に、それぞれ補正する補正手段4とを備え
て構成されている。
なお、5は点火装置を示している。
作用 各気筒の点火時期は、基本的には気筒毎に個別に遅進
制御される。すなわち、ある気筒で所定レベル以上のノ
ッキングが検出されたらその気筒の点火時期は遅角補正
され、またノッキングが検出されなければ徐々に進角さ
れる。これにより、各気筒毎にノッキング発生限界付近
に制御される。
一方、過度時例えば機関加速時に、圧縮比可変機構の
応答遅れがあると、ある気筒で比較的大きなレベルのノ
ッキングが発生する。この場合には、上記補正手段4に
よって他の気筒(必ずしも全気筒でなくて良い)の点火
時期がすばやく遅角補正される。また例えば減速時に圧
縮比可変機構の応答遅れがあるとノッキングレベルが非
常に小さくなるので、これがいずれかの気筒で検出され
た場合には、他の気筒の点火時期が進角補正される。
実施例 第2図は、この発明に係る可変圧縮比型内燃機関の点
火時期制御装置の一実施例を示す構成説明図である。
同図において、11は一例として直列4気筒の可変圧縮
比型内燃機関であり、この内燃機関11は、例えば各気筒
のピストン部分に後述する圧縮比可変機構を備えてい
る。
また#1〜#4気筒のノッキング発生を個別に検出す
るために、上記内燃機関11に各気筒毎にノッキングセン
サ13が配設されている。このノッキングセンサ13は、例
えば圧電素子を利用して座金状に形成したもので、各気
筒の点火プラグ12取付部に装着されている。つまり、上
記ノッキングセンサ13は、燃焼圧力からノッキングを検
出している。
また、上記内燃機関11の吸気通路14には、機関吸入空
気量を検出するエアフロメータ15が配設されている。
16は、上記内燃機関11のクランク軸の回転を検出する
クランク角センサを示しており、このクランク角センサ
16は、回転角を示すクランク角1゜毎のパルス信号と、
各気筒の圧縮上死点前所定位置を検出するためのクラン
ク角180゜毎のパルス信号とを出力している。
18は、上記エアフロメータ15やクランク角センサ16、
更にはノッキングセンサ13等のセンサ類の検出信号に基
づいて上記内燃機関11の点火時期制御を行うマイクロコ
ンピュータシステムを用いたコントロールユニットを示
している。このコントロールユニット18は、所定のプロ
グラムに従って各気筒毎に個別に点火時期制御を行うも
ので、上記クランク角センサ16やエアフロメータ15等の
検出信号に基づいて基本点火時期を決定し、かつこれ
に、ノッキングセンサ13にて検出されるノッキングレベ
ルに基づいた補正を付加するようになっている。そし
て、点火コイルやパワートランジスタ等からなる点火装
置17は、上記コントロールユニット18にて決定された点
火時期に従って作動し、各気筒の点火を順次行ってい
る。
第3図は、上記内燃機関11のピストン部分に内蔵され
た圧縮比可変機構の一構成例を示している。第3図にお
いて、21はコネクティングロッド、22は上記コネクティ
ングロッド21の小端部にピストンピン23を介して連結さ
れたインナピストン、24はこのインナピストン22の外側
に摺動可能に嵌合配置されたカップ状のアウタピストン
をそれぞれ示している。上記アウタピストン24の冠部裏
面ならびにインナピストン22上面は互いに略密接し得る
ような平滑面に形成されており、両者間に上部液室25が
形成されている。また、アウタピストン24の下端部内周
に、ストッパとなる円環部材26が螺着しており、この円
環部材26の上面と、これに対向したインナピストン22の
外周部下面との間に、下部液室27が形成されている。な
お、第3図では高ε状態つまりアウタピストン24が上限
位置に移動した状態を示しているので、下部液室27は押
し潰された状態にある。
上記ピストンピン23は、上記インナピストン22に一対
のスナップリング28を介して保持されているもので、こ
れは略円筒状をなし、かつその内周に、シリンダ部29が
貫通形成されている。上記シリンダ部29は、一端部が大
径部29aに、他端部が小径部29bに形成されており、その
内部にスプール弁30が摺動可能に収納されている。この
スプール弁30は、上記大径部29a内周に嵌合した第1弁
体部31を一端に有し、かつ他端に、シリンダ部29の小径
部29b内周に嵌合した第2弁体部32を有している。そし
て、上記シリンダ部29内に、上記第1弁体部31および第
2弁体部32によって作動液室33が隔成されている。ま
た、上記スプール弁30は、第1弁体部31側に配設された
コイルスプリング34によって第2弁体部32側へ向けて常
時付勢されている。なお、35は中心部に開口部35aを有
するストッパ、36はスプリングシートである。
上記作動液室33はコネクティングロッド21内に形成さ
れた主通路37に逆止弁38を介して連通しており、上記逆
止弁38により作動液室33内への油の流入のみが許容され
ている。なお、上記主通路37は機関潤滑系のオイルポン
プに連通しており、格別な油圧制御を行うことなく、機
関潤滑油の一部が圧送されてくるようになっている。
また、上記作動液室33と上部液室25との間には、上部
供給通路39が形成されている。この上部供給通路39は、
上部液室25側への油の流入のみを許容する逆止弁40を有
している。また、上記上部供給通路39は、シリンダ部29
の小径部29bに開口し、スプール弁30が図の左方向へ摺
動したときにのみ閉塞される位置にある。更に、41は上
部液室25と作動液室33との間に設けられた信号圧力通路
であり、この信号圧力通路41はスプール弁30の位置に拘
わらず常に両者を連通し、燃焼圧力に起因する上部液室
25の圧力変動を作動液室33に伝達している。
また、上記作動液室33と下部液室27との間には、下部
供給通路42が設けられている。この下部供給通路42は、
スプール弁30の位置に拘わらず作動液室33と連通してお
り、かつその通路中に、下部液室27側への通流のみを許
容する逆止弁43が設けられている。
また、上記シリンダ部29の小径部29bには、上記上部
供給通路39の他に、上部排出通路44が形成されている。
この上部排出通路44は、一端が上部液室25に連通し、か
つ他端が小径部29b内周面、詳しくはスプール弁30がス
トッパ35に当接している状態では閉塞され、かつスプー
ル弁30が左方向へ摺動したときに開放され得る位置に開
口形成されている。
上記構成の圧縮比可変機構は、燃焼室内の燃焼圧力つ
まり機関負荷に応じて自動的に圧縮比の切り換えが行わ
れるものであり、燃焼圧力が低い低負荷時には、高圧縮
比状態となる。すなわち、主通路37を通して作動液室33
内に圧送された潤滑油は、上部供給通路39を通して上部
液室25内に流入する。このとき、上部排出通路44はスプ
ール弁30によって閉塞されているため、上部液室25内に
発生する油圧によってアウタピストン24がインナピスト
ン22に対し上方に押し上げられ、高ε状態となる。な
お、このとき下部液室27も下部供給通路42を通して作動
液室33と連通しているが、この下部液室27におけるアウ
タピストン24の受圧面積あ、上部液室25におけるアウタ
ピストン24の受圧面積よりも遥かに小さいため、アウタ
ピストン24は前述したように上方に移動し、下部液室27
は押し潰された状態となる。
一方、内燃機関が高負荷状態となると必然的に燃焼圧
力が上昇し、膨張行程の初期においてアウタピストン24
上面にその大きな燃焼圧力が作用する。これにより、上
部液室25内の油圧は非常に高圧となり、その圧力が信号
圧力通路41を通して作動液室33内に伝達される。つま
り、作動液室33内の油圧が燃焼圧力に伴って上昇するこ
とになり、この結果、スプール弁30は、第1,第2弁体部
31,32の受圧面積差によりコイルスプリング34の付勢力
に抗して図中左方向へ速やかに摺動する。従って、上部
排出通路44が開放され、上部液室25内の潤滑油が外部へ
排出される。そのため、アウタピストン24は燃焼圧力を
受けて下動し、低ε状態となる。なお、このとき下部液
室27へは作動液室33から循環油が供給されて、アウタピ
ストン24をインナピストン22に対し下方に付勢する。そ
のため、慣性力等によるアウタピストン24の相対移動が
防止される。
このように、上記圧縮比可変機構は、燃焼圧力によっ
て低ε状態,高ε状態に切り換えられるのであり、概ね
高負荷領域で低ε状態に、低負荷領域で高ε状態とな
る。
次に、第4図および第5図に示すフローチャートを参
照して上記コントロールユニット18において実行される
点火時期制御を説明する。
第4図は、内燃機関の過渡時に圧縮比可変機構の応答
遅れに起因して生じるノッキングレベルの過度の上昇も
しくは過度の低下を検出するための過度時ノック判定ル
ーチンを示している。この過度時ノック判定ルーチンA
は、クランク角に同期した形で各気筒毎に実行されるも
ので、第7図に「A#2」,「A#1」等として示すよ
うに、各気筒の燃焼直後のタイミングで実行される。
この過度時ノック判定ルーチンでは、始めに、そのと
きのn番気筒のノッキング信号Snを読み込む(ステップ
1)。上記ノッキング信号Snは、ノッキングセンサ13の
出力信号を適宜に信号処理して得たもので、ノッキング
強度つまりノッキングレベルを示している。なお、フロ
ーチャート中のnは気筒番号を示している。そして、ス
テップ2およびステップ3で、そのときのノッキングレ
ベルの上限レベルSL1および下限レベルSL2を決定する。
この上限レベルSL1および下限レベルSL2は、第6図に示
すように、機関回転数をパラメータとしたデータテーブ
ルとして予め与えられており、これから逐次対応する値
がルックアップされる。なお、上記上限レベルSL1は、
通常のノッキング有無判定のためのスライスレベルSLよ
りも大きい値に、また下限レベルSL2はスライスレベルS
Lよりも小さな値にそれぞれ設定されている。
次に、ステップ4およびステップ5で、内燃機関11が
加速状態にあるか否か、減速状態にあるか否かを判定す
る。この加速,減速の判定は、例えば基本燃料噴射量Tp
の変化率ΔTpを基準値と比較することによって行う。な
お、スロットル弁開度の変化率等から判定することもで
きる。加速でも減速でもない場合、つまり定常状態であ
れば、ステップ6へ進み、フラグを「00」にセットす
る。
一方、加速状態であればステップ7へ進み、ノッキン
グ信号Snを上限レベルSL1と比較する。ここで、ノッキ
ング信号Snが上限レベルSL1以下であれば、やはりステ
ップ6へ進み、フラグを「00」とする。また上限レベル
SL1以上であれば、ステップ8へ進み、フラグを「10」
にセットする。これは、ある気筒つまりn番気筒で、圧
縮比可変機構の応答遅れに起因する以上に大きなレベル
のノッキングが発生したことを意味する。
またステップ5で減速状態であれば、ステップ9へ進
み、ノッキング信号Snを下限レベルSL2と比較する。こ
こでノッキング信号Snが下限レベルSL2以上であれば、
やはりステップ6へ進み、フラグを「00」とする。また
下限レベルSL2以下であれば、ステップ10へ進み、フラ
グを「01」にセットする。これは、減速時に圧縮比可変
機構の応答遅れによってn番気筒のノッキングレベルが
大幅に低下したことを意味する。
次に第5図は、点火時期制御ルーチンを示している。
この点火時期制御ルーチンBも、クランク角に同期した
形で各気筒毎に実行され、特に第7図に「B#2」,
「B#1」等として示したように、各気筒の点火時期の
直前に実行される。
この点火時期制御ルーチンでは、初めにステップ21で
基本点火時期ADVOを設定する。この基本点火時期ADVO
は、そのときの機関運転条件例えば機関回転数と基本燃
料噴射量Tpとに基づき所定のデータマップからルックア
ップされる。なお、この基本点火時期ADVOは、前述した
ように、そのときの圧縮比(高ε状態であるか低ε状態
であるか)を考慮して設定されている。そして、ステッ
プ22で通常のノッキング判定のためのスライスレベルSL
をルックアップする。このスライスレベルSLは、第6図
に示すように、機関回転数をパラメータとして与えられ
ている。
次にステップ23で、その気筒のノッキング信号Snをス
ライスレベルSLと比較する。このノッキング信号Snは、
n番気筒の前回の燃焼時に読み込まれた値(第4図のス
テップ1)である。つまり、このステップ23では、前回
の燃焼時に所定スライスレベルSL以上のノッキングが発
生したか否かを判定している。
ここでノッキング信号SnがスライスレベルSL以下であ
れば、ステップ24へ進み、当該n番気筒のノック補正量
FB1nを進角補正する。ここで、a0は、点火1回当たりの
進角量である。また、ノッキング信号Snがスライスレベ
ルSL以上であった場合には、ステップ25へ進み、ノック
補正量FB1nを遅角補正する。ここでr0は、点火1回当た
りの遅角量である。
そして、次にステップ26へ進み、前述した第4図のル
ーチンで設定されたフラグの判定を行う。フラグが「1
0」であれば、ステップ27へ進み、過渡時補正量FB2nを
−r1とする。つまり、遅角側へ補正がなされる。またフ
ラグが「00」であれば、ステップ28へ進み、過渡時補正
量FB2nを「0」とする。またフラグが「01」であれば、
ステップ29へ進み、過渡時補正量FB2nをa1とする。つま
り進角側に補正がなされる。
そして最終的にステップ30へ進み、ここで基本点火時
期ADVOに、上記ノック補正量FB1nおよび過渡時補正量FB
2nを付加して、当該n番気筒の点火時期を決定する。
以上の処理が繰り返されることにより、#1〜#4気
筒の点火時期が順次決定され、これに従って気筒別の点
火時期制御がなされるのである。
すなわち、内燃機関11が定常運転状態にあれば、フラ
グは「00」であり、従って過渡時補正量FB2nは「0」と
なる。そのため、各気筒の点火時期は、当該気筒のノッ
キングの有無のみによって制御される。ある気筒(n番
気筒)で、ノッキングが発生し続ければ、ノック補正量
FB1nの値は徐々に減少し、点火時期ADVnは徐々に遅角す
る。また、スライスレベルSL以上のノッキングが発生し
なければ、ノック補正量FB1nの値は徐々に増大し、この
結果、点火時期ADVnは徐々に進角する。従って、各気筒
の点火時期は、それぞれの気筒のノッキング発生限界近
傍に保たれることになる。
一方、内燃機関11の加速時には、前述したように、圧
縮比可変機構の応答遅れによって実際の要求点火時期に
対し基本点火時期ADVOが一時的に進みすぎた状態となる
ことがある。この場合には、いずれかの気筒で比較的大
きなノッキングが発生するので、フラグが「10」とな
り、これに基づいて次に点火される気筒の点火時期が速
やかに遅角補正される。つまり、例えば第7図におい
て、#2気筒で大きなノッキングが検出されたとする
と、その結果が次の#1気筒の点火時期に速やかに反映
され、#1気筒で実際にノッキングが発生する前に予め
その点火時期が遅角補正される。
また逆に、減速時には圧縮比可変機構の応答遅れによ
って点火時期が一時的に遅れすぎた状態となることがあ
るが、この場合にはノッキングレベルが著しく低下す
る。そこで、ある気筒のノッキングレベルが所定の下限
レベルSL2以下となったら、フラグが「01」となり、次
に点火される気筒の点火時期が速やかに進角補正され
る。つまり、第7図において、#2気筒のノッキングレ
ベルが大きく低下すれば、その結果が次に点火される#
1気筒に反映され、#1気筒の点火時期が速やかに進角
補正される。これによって、機関出力の一時的な低下や
運転性の悪化を回避できる。
次に、第8図は過渡時のノック判定ルーチンの異なる
実施例を示している。これは、フラグの「10」もしくは
「01」の状態を加速もしくは減速の間保持するように
し、加速,減速の間、過渡時補正量FB2による補正を接
続するようにしたものである。
すなわち、例えば加速時に上限レベルSL1以上のノッ
キング信号Snが検出されて(ステップ8)、フラグが
「10」(ステップ9)となったら、以後はステップ7の
フラグの判定により、加速状態である間フラグ「10」の
ままに保たれる。従って、第7図において、例えば#2
気筒で大きなノッキングが発生したとすると、他の気筒
でのノッキングの有無に拘わらず、加速終了までの間、
各気筒の点火時期が速やかに遅角補正される。
同様に減速時に一旦フラグが「01」(ステップ12)と
なれば、ステップ10のフラグの判定によって減速中その
フラグの状態が維持される。従って、いずれかの気筒の
ノッキングレベルが低下すれば、全気筒の点火時期が速
やかに進角補正されることになる。
次に、第9図は過渡時ノック判定ルーチンの更に異な
る実施例を示している。これは、フラグの「10」もしく
は「01」の状態を、少なくとも全気筒の点火が一巡する
間保持するようにしたものである。
すなわち、ある気筒例えば#2気筒で加速時に上限レ
ベルSL1以上のノッキングが検出されたとしたら(ステ
ップ9)、フラグを「10」にセットする(ステップ10)
とともに、気筒数カウンタCKを「1」に初期化する(ス
テップ11)。そして、次の#1気筒で、ノッキング信号
Snが上限レベルSL1以下であったとすると、ステップ9
からステップ6へ進み、気筒数カウンタCKをインクリメ
ントし、かつステップ7で気筒数カウンタCKを所定値N
(気筒数、本実施例では4)と比較する。従って、この
#1気筒の段階では、フラグが「10」の状態のまま保持
される。同様に、次の#3気筒,#4気筒においても、
気筒数カウンタCKが気筒数N以下であるから、フラグは
「10」状態に保たれる。そして、次の#2気筒で、上限
レベルSL1以上のノッキングが発生していなければ、気
筒数カウンタCKがN以上となり、フラグは「00」とな
る。
従って、加速時にある気筒で大きなノッキングが検出
されれば、少なくとも全気筒の点火が一巡する間、他の
気筒の点火時期が速やかに遅角補正されることになる。
なお、減速時にある気筒でノッキングレベルが下限レ
ベルSL2以下となった場合も同様に、少なくとも全気筒
の点火が一巡する間、過渡時補正量FB2による点火時期
の進角補正が継続される。
なお、上記実施例では、圧縮比可変機構として、燃焼
圧力によって自動的に圧縮比切り換え制御が行われる形
式のものを説明したが、この発明は、例えば実開昭58−
25637号公報等に示されているように、圧縮比切り換え
を外部から制御するものにおいても同様に適用できる。
発明の効果 以上の説明で明らかなように、この発明に係る可変圧
縮比型内燃機関の点火時期制御装置によれば、機関の加
速,減速時に圧縮比可変機構の応答遅れによって点火時
期が実際の要求点火時期からずれたような場合に、ある
気筒のノッキングレベルが大きく変化した段階で、他の
気筒の点火時期をすばやく補正することができる。従っ
て、点火時期の一時的な進みすぎや遅れすぎを速やかに
解消でき、過渡時のノッキングや出力低下等を防止でき
る。また、圧縮比変化を伴わない定常時に、ノッキング
レベルが上限レベルおよび下限レベルの範囲内で変動し
たとしても、その変動は他気筒に影響することがないの
で、各気筒の点火時期を個々に適性値に維持することが
できる。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の構成を示すクレーム対応図、第2図
はこの発明に係る点火時期制御装置の一実施例を示す構
成説明図、第3図は圧縮比可変機構の一実施例を示す断
面図、第4図は上記実施例における過渡時ノック判定ル
ーチンを示すフローチャート、第5図は点火時期制御ル
ーチンを示すフローチャート、第6図は上限レベルSL1,
下限レベルSL2およびスライスレベルSLの関係を示す特
性図、第7図は上記過渡時ノック判定ルーチンおよび点
火時期制御ルーチンの実行タイミングを示すタイムチャ
ート、第8図および第9図はそれぞれ過渡時ノック判定
ルーチンの異なる実施例を示すフローチャートである。 1……ノッキング検出手段、2……点火時期制御手段、
3……過渡検出手段、4……補正手段、5……点火装
置、6……比較手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関運転条件に応じて圧縮比が可変制御さ
    れる可変圧縮比型内燃機関において、ノッキングレベル
    を各気筒毎に検出するノッキング検出手段と、検出され
    たノッキングレベルをノッキング有無判定用のスライス
    レベル(SL)と比較し、このノッキングの有無の判定に
    基づいて各気筒の点火時期を個別に遅進制御する点火時
    期制御手段と、内燃機関の過渡状態を検出する過度検出
    手段と、この過渡時に各気筒のノッキングレベルを、上
    記スライスレベル(SL)より高いレベルに設定された上
    限レベル(SL1)および上記スライスレベル(SL)より
    低いレベルに設定された下限レベル(SL2)と比較する
    比較手段と、この比較に基づき、上記ノッキングレベル
    が上記上限レベル以上のときには当該気筒以外の他の気
    筒の点火時期を遅角側に、上記下限レベル以下のときに
    は当該気筒以外の他の気筒の点火時期を進角側に、それ
    ぞれ補正する補正手段とを備えてなる可変圧縮比型内燃
    機関の点火時期制御装置。
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