JP2005330847A - 筒内圧センサの故障診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒内圧センサの故障診断精度の向上。
【解決手段】内燃機関1の燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサ11の出力値から当該内燃機関1のトルクを推定する第1トルク推定手段(筒内圧トルク推定機能)15A1と、クランク角検出手段12の出力値から求めたクランクシャフト8の角加速度を用いて内燃機関1のトルクを推定する第2トルク推定手段(慣性トルク推定機能)15C1と、その第1トルク推定手段15A1により求められたトルクと第2トルク推定手段15C1により求められたトルクとを比較して筒内圧センサ11の故障の有無を判定する筒内圧センサ故障判定手段15Dとを備えること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサの故障診断装置に関する。
一般に、内燃機関においては、様々な条件下でも最適な出力,燃料消費量やエミッション性能等を得る為に緻密な燃焼制御が行われている。
ここで、かかる燃焼制御を行う為には制御方法や制御プログラムが当然の如く重要になるが、その制御の根幹を占めるのは内燃機関の状態を表す情報であり、その情報が無ければ何等の制御を行うこともできない。
これが為、内燃機関には、その状態を知得する為に温度センサや圧力センサ等の種々のセンサが設けられている。例えば、その温度センサとしては、冷却水の温度を測定する水温センサや潤滑油の温度を測定する油温センサ等がある。また、圧力センサとしては燃焼室内の圧力(燃焼圧)を検出する筒内圧センサ(燃焼圧センサ)等があり、この筒内圧センサの検出値は、例えば下記の特許文献2に開示された失火の検出に用いられる。
このような内燃機関に設けられたセンサは適切な燃焼制御を実現させる為に欠かすことができず、仮に、そのセンサが故障してしまうと、出力の低下,燃料消費量やエミッション性能の悪化等の不都合を招来してしまう。
そこで、従来、内燃機関に搭載されたままの状態でセンサの故障診断を運転中に行い得る故障診断装置が求められており、例えば、かかる故障診断装置の一例としては、下記の特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された故障診断装置は、燃焼圧センサの故障を診断するものであり、内燃機関がアイドリング状態のときの機関回転数から求めた基準圧力と燃焼圧センサの出力値から得た圧力とを比較して燃焼圧センサの故障判定を行う。
特開平6−281522号公報 特開平4−276518号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された故障診断装置においては、たとえアイドリング状態のときに求めた圧力値同士の比較であったとしても、その圧力値からスロットル開度や燃焼状態等の外乱の影響を除外することは不可能であり、故障の有無の判定精度が低下してしまう。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、スロットル開度や燃焼状態等の外乱の影響を受けることなく、精度の高い筒内圧センサの故障診断を行い得る筒内圧センサの故障診断装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、内燃機関の燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサの出力値から当該内燃機関のトルクを算出する第1トルク推定手段と、クランク角検出手段の出力値から求めたクランクシャフトの角加速度を用いて前記内燃機関のトルクを推定する第2トルク推定手段と、前記第1トルク推定手段により求められたトルクと前記第2トルク推定手段により求められたトルクとを比較して前記筒内圧センサの故障の有無を判定する筒内圧センサ故障判定手段とを備えている。
この請求項1記載の発明によれば、クランクシャフトの角加速度から内燃機関のトルクを推定することによって、スロットル開度や燃焼状態等の外乱の影響を受けない高精度なトルクを求めることができる。これが為、その高精度なトルクの値と筒内圧センサの出力値から求めたトルクの値とを比較することによって、高精度な筒内圧センサの故障診断を行うことが可能になる。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の筒内圧センサの故障診断装置において、前記内燃機関が無負荷であるか否かを判定する負荷状態判定手段を備え、前記第1トルク推定手段と前記第2トルク推定手段とを、前記負荷状態判定手段が無負荷と判定した際に夫々前記トルクの推定を行うよう設定している。
この請求項2記載の発明によれば、更に、燃焼等の負荷変動の影響をも除外することができるので、より高精度な筒内圧センサの故障診断を行うことができる。
本発明に係る筒内圧センサの故障診断装置は、スロットル開度や燃焼状態等の外乱の影響を受けることなく、高精度に筒内圧センサの故障診断を行い得る、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る筒内圧センサの故障診断装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る筒内圧センサの故障診断装置の実施例を図1から図3に基づいて説明する。
図1の符号1は、故障診断対象の筒内圧センサ11を備えた内燃機関を示す。この内燃機関1は、大別すると、シリンダヘッド2と、このシリンダヘッド2の下部にヘッドガスケット3を介してボルト等で締結されるシリンダブロック4と、このシリンダブロック4の下部にボルト等で締結されるクランクケースカバー5とで構成される。
ここで、この内燃機関1においては、上記シリンダブロック4内にピストン6やコネクティングロッド7が収納され、また、そのシリンダブロック4の下部とクランクケースカバー5とから形成されるクランクケース内にクランクシャフト8が収納されている。
また、シリンダヘッド2の下面とシリンダブロック4の内壁面とピストン6の頂面とにより囲まれた空間で燃焼室が構成され、この燃焼室には、シリンダヘッド2に形成された少なくとも一つの吸気ポート2aと少なくとも一つの排気ポート2bとが開口している。これら吸気ポート2a及び排気ポート2bには、夫々にその開口を開閉し得る吸気弁9及び排気弁10が設けられている。
更に、シリンダヘッド2には、図示しない少なくとも1本の点火プラグや燃料噴射装置が設けられている。尚、その燃料噴射装置は、吸気ポート2aに燃料を噴霧するものであってもよく、燃焼室内に直接噴霧するものであってもよい。
また、この内燃機関1には、図1に示す如く、燃焼室内の圧力を検出して圧力信号を出力する筒内圧センサ11,クランクシャフト8のクランク角度位置信号パルスを出力するクランク角センサ(クランク角検出手段)12,冷却水温度信号を出力する水温センサ13,及び潤滑油温度信号を出力する油温センサ14等の各種センサが設けられている。尚、本実施例の筒内圧センサ11は、点火プラグの座金部分に一体的に設けられたものであっても、別体のものであってもよい。
ここで、上記各種センサ11〜14は、夫々の信号を制御部たる図1に示すECU(電子制御ユニット)15に出力する。このECU15は、図示しないCPU(中央演算処理装置),所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory),CPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意された情報等を記憶するバックアップRAM等で構成されている。本実施例のECU15は、燃料噴射装置の噴射量等、内燃機関1を制御する為の機関制御機能を有すると共に、本発明に係る筒内圧センサの故障診断装置としても機能する。
以下、本実施例の筒内圧センサの故障診断装置について詳述する。
内燃機関1においては、筒内圧センサ11の圧力信号からクランクシャフト8の軸出力トルクを求めることができる。
この軸出力トルクは従来より内燃機関1の燃焼制御に用いられており、これが為、その推定方法としては種々の態様が知られている。例えば、軸出力トルクの推定方法の一例としては、筒内圧センサ11の圧力信号から得た燃焼室内の圧力Pに所定の有効係数Kを乗算することで軸出力トルクを求めるものがある。尚、その有効係数Kは、クランクシャフト8の腕の長さr,クランク角度θ,コネクティングロッド7の長さlをパラメータとした下記の式1により求められる機関固有のものである。
Figure 2005330847
ここで、筒内圧センサ11が故障していると、本来得られるべき軸出力トルクとは異なる値になってしまう。このことは、逆を返せば、正確な軸出力トルクを他の手段で求めることができれば、筒内圧センサ11が故障しているか否かの判断ができることを表している。
ところで、クランクシャフト8の軸出力トルクは、クランク角センサ12のクランク角度位置信号パルスからも求めることができる。即ち、そのクランク角度位置信号パルスからクランクシャフト8の角加速度dω/dtを算出し、この角加速度dω/dtに慣性モーメントJを乗算することにより得たトルク値が軸出力トルク(以下「慣性トルク」という。)となる。
尚、その慣性モーメントJは、内燃機関1を構成するコネクティングロッド7やクランクシャフト8等の各部品のメカニカルパラメータによって予め設計値として決められている機関固有の値である。
このクランクシャフト8の角加速度dω/dtから求めた慣性トルクJ×(dω/dt)は、スロットル開度や燃焼状態等の外乱の影響を受けない高精度な値である。これが為、本実施例の筒内圧センサの故障診断装置は、筒内圧センサ11の圧力信号から求めた軸出力トルク(以下「筒内圧トルク」という。)とクランクシャフト8の角加速度dω/dtから求めた慣性トルクJ×(dω/dt)とを比較して筒内圧センサの故障を判断する。例えば、予め閾値たる所定値を実験等で求めておき、筒内圧トルクと慣性トルクJ×(dω/dt)との差分が所定値以上であるか否かを判定して筒内圧センサの故障診断を行う。
このように、本実施例の筒内圧センサの故障診断装置には、筒内圧センサ11の圧力信号から筒内圧トルクを推定する第1トルク推定手段と、クランクシャフト8の角加速度dω/dtから慣性トルクJ×(dω/dt)を推定する第2トルク推定手段とが設けられている。
ここで、実際のクランクシャフト8の軸出力トルクと筒内圧センサ11の圧力信号から求めた筒内圧トルクとの間には、ピストン6の往復慣性質量の影響によるトルク値のずれが生じている。これが為、より精度の高い故障診断を行う為には、その往復慣性質量によるトルク(以下「往復慣性質量トルク」という。)も考慮に入れることが好ましい。
そこで、本実施例における筒内圧センサの故障診断装置(ECU15)には、筒内圧トルクと往復慣性質量トルクとを加算して実際のクランクシャフト8の軸出力トルク(以下「図示トルクTi」という。)を求める図1に示す図示トルク算出手段15Aが設けられている。
この図示トルク算出手段15Aには、筒内圧センサ11の圧力信号から筒内圧トルクを推定する筒内圧トルク推定機能(前述した第1トルク推定手段)15A1が設けられている。本実施例の筒内圧トルク推定機能15A1としては、前述した周知の推定方法により筒内圧トルクを求めるものを用いる。
また、この図示トルク算出手段15Aには、往復慣性質量トルクを算出する往復慣性質量トルク算出機能15A2が設けられている。この往復慣性質量トルクは、ピストン6の設計値の質量から予め決められるものであって、機関回転数Neに応じた機関固有の値である。そこで、機関回転数Neをパラメータとする往復慣性質量トルクのマップをECU15のバックアップRAMに予め用意しておくことによって、往復慣性質量トルク算出機能15A2は、算出時の機関回転数Neに基づいて往復慣性質量トルクを求めることができる。
このように、あるクランク角度θで且つある機関回転数Neにおいては有効係数Kや往復慣性質量トルクが機関固有の既定値として求められるので、図示トルクTiの算出値は、筒内圧センサ11の検出値のみに依存する。換言すれば、図示トルク算出手段15Aは、筒内圧センサ11が正常でさえあれば本来得られるべき図示トルクTiを算出することができるが、仮に筒内圧センサ11が故障していると、本来得られるべき図示トルクTiとは異なる値になってしまう。尚、ここでは、クランク角度θや機関回転数Neを求める為のクランク角度位置信号パルスを発生させるクランク角センサ12の故障は無いものとする。
この筒内圧センサの故障診断装置は、その図示トルクTiと前述した慣性トルクJ×(dω/dt)とを比較して筒内圧センサ11の故障診断を行ってもよいが、その慣性トルクJ×(dω/dt)は、ピストン6やコネクティングロッド7等の摺動部分における摩擦等の影響により実際のクランクシャフト8の軸出力トルクに対してトルク値のずれが生じる。これが為、より精度の高い故障診断を行う為には、その摩擦によるトルク等も考慮に入れることが好ましい。
ところで、内燃機関1においては、図示トルクTiと慣性トルクJ×(dω/dt)や摩擦トルクTf等との間に下記の式2の如き関係がある。
Figure 2005330847
この式2において、J×(dω/dt)は慣性トルク,Tfは摩擦トルク,Tlは負荷トルク,Tiは図示トルクを表す。
この式2からも明らかなように、慣性トルクJ×(dω/dt)と摩擦トルクTfと負荷トルクTlとを加算した値は図示トルクTiを表しており、これが為、その加算値と図示トルク算出手段15Aで求めた図示トルクTiとを比較することによって、より高精度な故障診断を行うことができる。
先ず、上記慣性トルクJ×(dω/dt)については、前述したが如くクランクシャフト8の角加速度dω/dtと慣性モーメントJを乗算することにより求めることができる。
ここで、その慣性モーメントJは前述したが如く予め設計値として定められた機関固有の値であり、その情報を予めECU15のバックアップRAMに記憶しておくことによって、慣性トルクJ×(dω/dt)を推定する際に使用することができる。また、角加速度dω/dtは、クランク角センサ12から送られてきたクランク角度位置信号パルスの間隔時間に基づいてECU15により算出することができる。
続いて、上記摩擦トルクTfは、図2に示す如く、機関回転数Neに応じて変化し、更に、冷却水温度(又は潤滑油温度)によって摩擦トルクカーブのオフセット量が変化していくという特徴を持っている。即ち、この摩擦トルクTfは、機関回転数Neと冷却水温度(又は潤滑油温度)に対応した機関固有の値であり、これが為、それらをパラメータとする図2に示す摩擦トルクTfのマップをバックアップRAMに予め格納しておくことによって求めることができる。
また、上記負荷トルクTlは例えば燃焼等の影響による負荷変動によって値が変化するものであり、その負荷変動分についての推定は行い難い。しかしながら、内燃機関1が無負荷の状態においては、負荷変動は元より負荷トルクTlそのものを考慮せずともよい。その内燃機関1の無負荷状態の一例としては例えば燃焼による負荷変動のない内燃機関1のフューエルカット状態が考えられ、かかる場合、例えばECU15が燃料噴射装置にフューエルカット指令を送信しているか否かで無負荷状態を判別することができる。
これが為、内燃機関1が無負荷(Tl=0)の状態で慣性トルクJ×(dω/dt)及び摩擦トルクTfを求めることによって、下記の式3の如く図示トルクTiを燃焼等の運転状態の影響を受けずに精度良く推定することができる。
Figure 2005330847
そこで、本実施例の筒内圧センサの故障診断装置(ECU15)には、内燃機関1が無負荷であるか否かを判定する図1に示す負荷状態判定手段15Bが設けられており、更に、内燃機関1が無負荷の状態で慣性トルクJ×(dω/dt)を推定すると共に摩擦トルクTfを算出し、その慣性トルクJ×(dω/dt)と摩擦トルクTfを加算して図示トルクTiの推定を行う図1に示す図示トルク推定手段15Cが設けられている。この図示トルク推定手段15Cは、慣性トルク推定機能(前述した第2トルク推定手段)15C1と摩擦トルク算出機能15C2とを有する。
ここで、上述したが如く、ある機関回転数Neで且つある冷却水温度(又は潤滑油温度)においては慣性モーメントJや摩擦トルクTfが機関固有の既定値として求められるので、上記図示トルク推定手段15Cにより求められる図示トルクTiの推定値は、クランク角センサ12のクランク角度位置信号パルスにより算出された角加速度dω/dtに依存する。
本実施例にあっては、このような角加速度dω/dtの値を用いて推定された図示トルクTi{=J×(dω/dt)+Tf}と筒内圧センサ11の圧力信号を用いて算出された図示トルクTiとの比較を行うことによって、容易に且つ精度良く筒内圧センサ11の故障を診断することができる。
そこで、この筒内圧センサの故障診断装置(ECU15)には、図示トルク算出手段15Aにより算出した図示トルクTiと図示トルク推定手段15Cにより推定した図示トルクTi{=J×(dω/dt)+Tf}とを比較し、その比較結果により筒内圧センサ11の故障を判定する図1に示す筒内圧センサ故障判定手段15Dが設けられている。
本実施例の筒内圧センサ故障判定手段15Dは、その推定された図示トルクTi{=J×(dω/dt)+Tf}と算出された図示トルクTiとの差分を求め、この差分が所定値以上であれば筒内圧センサ11の故障と判定するよう構成する。
その所定値とは、例えば、筒内圧センサ11が具備される内燃機関1や、その内燃機関1が搭載された車輌におけるエミッション性能等の要求に応じて異なる。
例えば、筒内圧センサ11の出力値から求められる圧力(燃焼圧)の情報は、吸入空気量や燃料噴射量等の燃焼制御に利用される。これが為、その筒内圧センサ11が仮に故障していれば、その出力値のずれにより、要求される空燃比(A/F)と実際に制御された空燃比との間にずれが生じ、これに伴って、NOx排出量増加等のエミッション性能の悪化が起こってしまう。
ここで、エミッション悪化が基準値を超えるような筒内圧センサ11の出力値のずれの境界線を実験やシミュレーション等で求めることによって、少なくともその境界線を故障判定の閾値とすることができる。
そこで、その境界線における筒内圧センサ11の正常時の出力値を用いて求めた図示トルクTiと故障時の出力値を用いて求めた図示トルクTiとの差分を上記の所定値として設定することができる。
尚、本実施例にあっては、角加速度dω/dtの値を用いて推定された図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}と筒内圧センサ11の圧力信号を用いて算出された図示トルクTiとの差分が所定値以上であるか否かで故障の判定を行うが、例えば、その図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}と図示トルクTiとの比を求め、その比が所定値以上であるか否かで故障判定を行ってもよい。
以下、本実施例における筒内圧センサの故障診断装置(ECU15)の故障診断動作について図3のフローチャートを用いて説明する。
先ず、この筒内圧センサの故障診断装置(ECU15)は、負荷状態判定手段15Bにより内燃機関1が無負荷であるか否かを判定する(ステップST1)。この判定は、機関運転中に常時行ってもよく、所定の時期となった際に行ってもよい。
ここで、このステップST1にて無負荷でないとの判定結果であれば、故障診断処理を中止する。その際、上記ステップST1の判定が常時行われている場合にはステップST1に戻って再度無負荷か否かの判定を行い、ステップST1の判定が所定の時期となった際に行われる場合には、その時期になったときに再びステップST1で無負荷か否かの判定を行う。
また、上記ステップST1にて無負荷であるとの判定結果であれば、図示トルク算出手段15Aが図示トルクTiを算出すると共に、図示トルク推定手段15Cが図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}を推定する(ステップST2)。
このステップST2においては、具体的に、図示トルク算出手段15Aがその筒内圧トルク推定機能15A1と往復慣性質量トルク算出機能15A2により求めた筒内圧トルクと往復慣性質量トルクを加算して図示トルクTiの算出を行う一方、図示トルク推定手段15Cがその慣性トルク推定機能15C1と摩擦トルク算出機能15C2により求めた慣性トルクJ×(dω/dt)と摩擦トルクTfを加算して図示トルクの推定を行う。
ここで、上記図示トルク算出手段15Aの筒内圧トルク推定機能15A1は、例えば、無負荷であると判定された際に検出された筒内圧センサ11の圧力信号から燃焼室内の圧力Pを算出すると共に、同じく無負荷であると判定された際のクランク角センサ12のクランク角度位置信号パルスから求めたクランク角度θを前述した式1に代入して有効係数Kを算出し、これらを乗算して筒内圧トルクを算出する。
また、上記図示トルク算出手段15Aの往復慣性質量トルク算出機能15A2は、その無負荷であると判定された際のクランク角度位置信号パルスから機関回転数Neを求め、この機関回転数Neに基づいてバックアップRAM内の往復慣性質量トルクマップから往復慣性質量トルクを求める。
また、上記図示トルク推定手段15Cの慣性トルク推定機能15C1は、その無負荷であると判定された際のクランク角度位置信号パルスから角加速度dω/dtを算出すると共に、バックアップRAM内の慣性モーメントJの情報を読み込み、これらを乗算することによって慣性トルクJ×(dω/dt)を求める。
また、上記図示トルク推定手段15Cの摩擦トルク算出機能15C2は、その無負荷であると判定された際のクランク角度位置信号パルスから求めた機関回転数Neと、同じく無負荷であると判定された際に水温センサ13(又は油温センサ14)で検出された冷却水温度(又は潤滑油温度)とに基づいてバックアップRAM内の摩擦トルクマップから摩擦トルクTfを求める。
このようにして二つの図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}及びTiが求められた後、この筒内圧センサの故障診断装置(ECU15)は、筒内圧センサ故障判定手段15Dにより、角加速度dω/dtから推定された図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}と筒内圧センサ11の圧力信号から算出された図示トルクTiとを除算し、その差分が所定値以上であるか否か判定する(ステップST3)。
ここで、この筒内圧センサ故障判定手段15Dは、その差分が所定値以上でなければ、筒内圧センサ11は正常であると判断して、上記ステップST1へと戻る。
また、差分が所定値以上であるとの判定が為された場合には、この筒内圧センサ故障判定手段15Dは、筒内圧センサ11が故障していると判断して(ステップST4)、故障診断処理を終了する。
尚、この筒内圧センサ故障判定手段15Dにより故障との判定が為された場合、その旨はバックアップRAM等の記憶手段に記憶される。
また、警告灯やブザー等の警報手段を例えば車室内に設け、この筒内圧センサ故障判定手段15Dが故障との判定を行った際に、その警報手段により運転者へ筒内圧センサ11の故障を警告するようにしてもよい。
このように、以上示した本実施例の筒内圧センサの故障診断装置は、比較対象たる一方の図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}をクランクシャフト8の角加速度dω/dtを用いて求めているので、スロットル開度や燃焼状態等の外乱の影響を受けない精度の良い図示トルク値を得ることができる。
これが為、その図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}と筒内圧センサ11の出力信号を用いて求めた図示トルクTiとを比較することによって、本実施例の筒内圧センサの故障診断装置は、精度の良い筒内圧センサ11の故障判定を行うことができる。
特に、内燃機関1が無負荷の状態で夫々の図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}及び図示トルクTiを求めることによって、燃焼等の負荷変動の影響をも除外することができるので、より高精度な図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}及び図示トルクTiの値を求めることが可能になり、これが為、より高精度な筒内圧センサ11の故障判定を行うことができる。
ここで、上述した本実施例にあっては、ある気筒に着目し、その気筒においての図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}と図示トルクTiとから筒内圧センサ11の故障判定を行っている。
しかしながら、一つの気筒のみでの故障判定結果では、例えば外部からのノイズの影響により一時的に筒内圧センサ11の出力値が異常を示し、故障していないにも拘わらず故障との判定が為されてしまう虞がある。
そこで、例えば隣り合う少なくとも二つの気筒に着目し、その各気筒において夫々無負荷時に推定された図示トルク{J×(dω/dt)+Tf}の平均値と、同じく各気筒において夫々無負荷時に筒内圧センサ11の出力値から算出された図示トルクTiの平均値とを比較して、その夫々の平均値の差分が前述した所定値以上か否かを見て故障の有無を判定してもよい。
尚、以上示した本実施例の筒内圧センサの故障診断装置は、内燃機関1の排気ガス制御システムが正常に作動しているかを監視するOBDシステム(On−Board Diagnostic System:車載式故障診断システム)の一機能として設けてもよい。
以上のように、本発明に係る筒内圧センサの故障診断装置は、高精度な筒内圧センサの故障判定に有用である。
本発明に係る筒内圧センサの故障診断装置の構成の一例を示す図である。 摩擦トルクと水温及び機関回転数との関係を説明する図である。 本発明に係る筒内圧センサの故障診断装置の故障判定処理動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
8 クランクシャフト
11 筒内圧センサ
12 クランク角センサ(クランク角検出手段)
15 ECU(電子制御ユニット)
15A 図示トルク算出手段
15A1 筒内圧トルク推定機能(第1トルク推定手段)
15A2 往復慣性質量トルク算出機能
15B 負荷状態判定手段
15C 図示トルク推定手段
15C1 慣性トルク推定機能(第2トルク推定手段)
15C2 摩擦トルク算出機能
15D 筒内圧センサ故障判定手段

Claims (2)

  1. 内燃機関の燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサの出力値から当該内燃機関のトルクを推定する第1トルク推定手段と、
    クランク角検出手段の出力値から求めたクランクシャフトの角加速度を用いて前記内燃機関のトルクを推定する第2トルク推定手段と、
    前記第1トルク推定手段により求められたトルクと前記第2トルク推定手段により求められたトルクとを比較して前記筒内圧センサの故障の有無を判定する筒内圧センサ故障判定手段と、
    を備えたことを特徴とする筒内圧センサの故障診断装置。
  2. 前記内燃機関が無負荷であるか否かを判定する負荷状態判定手段を備え、
    前記第1トルク推定手段と前記第2トルク推定手段とを、前記負荷状態判定手段が無負荷と判定した際に夫々前記トルクの推定を行うよう設定したことを特徴とする請求項1記載の筒内圧センサの故障診断装置。
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