JP2004324481A - エンジンの燃焼状態判定装置及びエンジンの燃焼状態判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン1の運転条件を、アクセル開度センサ、空気流量測定センサ等の各センサから読み取る(ステップS101)。そして、読み取った前記各運転条件から筒内圧力のサンプリング角θ、エンジンの燃焼状態に関する閾値α、β、エンジンの異常に関するγ、及びTDCにおける筒内圧力基準値PTDCを決定する(ステップS102)。次に、決定したサンプリング角θで筒内圧力を取得する(ステップS103)。そして、TDC前の筒内圧力上昇率R1と、TDC後の筒内圧力下降率R2とを算出し(ステップS104)、R1及びR2の和と前記閾値α、β、γとを比較して(ステップS107)、エンジンの燃焼状態を判定する(ステップS108)。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの燃焼状態判定に関し、さらに詳しくは、失火、半失火その他のエンジンの燃焼状態を細かく判定することのできるエンジンの燃焼状態判定装置及びエンジンの燃焼状態判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンに失火が発生すると、回転トルクが得られないことによりドライバビリティが低下するので、これを検出して失火が発生しないようにエンジンの運転状態を制御する必要がある。失火を検出する技術としては、失火が発生した場合のトルク変動をエンジンの回転角センサで読み取って、このトルク変動によって失火の有無を判定するものが知られている。しかし、この方法では、エンジンの回転数から間接的に失火の有無を測定するため、例えば路面状態の変化に起因するトルクの変動を検出して、これを失火と判定してしまう。このため、回転角センサによる失火判定は、失火の検出精度が低いという問題があった。この問題を解決するために、TDC(Top Death Center:上死点)から略同一角度だけ離れた前後のクランク角度における筒内圧の差により失火を検出する技術が特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−276158号公報 P1、図4
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された失火検出技術では、失火の有無は判定できるが、完全失火と半失火との識別や、エンジン自体にコンプレッション異常等の不具合が発生した場合の検出をすることはできない。このため、より細かくエンジンの燃焼状態を把握するには不十分であった。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、失火、半失火その他のエンジンの燃焼状態を細かく把握できるエンジンの燃焼状態判定装置及びエンジンの燃焼状態判定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、エンジンの燃焼状態に関する閾値及びエンジンの筒内圧力を取得するタイミングを格納する記憶部と、運転中におけるエンジンの運転条件に基づいて、この運転条件に対応したエンジンの燃焼状態に関する閾値と前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングとを前記記憶部から取得し、前記所定タイミングで前記エンジンに取り付けられる圧力センサから前記エンジンの筒内圧力を取得し、この前記筒内圧力を用いてTDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求め、さらに、前記閾値と前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて、前記エンジンの燃焼状態を判定する処理部と、を有することを特徴とする。
【0006】
このエンジンの燃焼状態判定装置は、記憶部に格納したエンジンの燃焼状態に関する閾値とTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率とに基づいてエンジンの燃焼状態を判断する。これによって、エンジンの燃焼状態を細かく判定することができる。また、TDC前後、及びTDCで筒内圧力を測定し、燃焼状態の判定にはTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率を用いるので、筒内圧力のサンプリング及び計算の負荷を極めて軽くすることができる。
【0007】
次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、予め定めた、エンジンの運転条件と、エンジンの燃焼状態に関する閾値及びエンジンの筒内圧力を取得するタイミングとの関係を格納する記憶部と、運転中におけるエンジンの運転条件に基づいて、この運転条件に対応したエンジンの燃焼状態に関する閾値と前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングとを前記記憶部から取得し、前記所定タイミングで前記エンジンに取り付けられる圧力センサから前記エンジンの筒内圧力を取得し、この前記筒内圧力を用いてTDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求め、さらに、前記閾値と前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて、前記エンジンの燃焼状態を判定する処理部と、を有することを特徴とする。
【0008】
このエンジンの燃焼状態判定装置は、記憶部に格納したエンジンの燃焼状態に関する閾値とTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率とに基づいてエンジンの燃焼状態を判断する。これによって、単なる失火の有無のみならず、半失火も検出でき、また、正常に燃焼している場合でも異なる燃焼状態を細かく判定できるので、エンジンの燃焼状態をより細かく、適切に制御できる。また、TDC前後、及びTDCで筒内圧力を測定し、燃焼状態の判定にはTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率を用いるので、筒内圧力のサンプリング及び計算の負荷を極めて軽くすることができる。その結果、処理部をECU(Engine Control Unit)と共用する場合には、エンジンの点火時期制御やノッキング制御その他のエンジン制御に対する影響を低減できる。さらに、エンジンの運転条件によって筒内圧力を取得するタイミングを決定するので、過渡状態における失火の検出精度を向上させることができる。なお、このエンジンの燃焼状態判定方法では、TDCにおける筒内圧力を測定し、この測定した筒内圧力を用いて筒内圧力上昇率と筒内圧力下降率とを求め、エンジンの燃焼状態を判定する。
【0009】
次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、予め定めた、エンジンの運転条件と、エンジンの燃焼状態に関する閾値及びエンジンの筒内圧力を取得するタイミングとの関係を格納する記憶部と、運転中におけるエンジンの運転条件に基づいて、この運転条件に対応したエンジンの燃焼状態に関する閾値と前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングとを前記記憶部から取得し、前記所定タイミングで前記エンジンに取り付けられる圧力センサから前記エンジンの筒内圧力を取得し、この前記筒内圧力と前記エンジンの運転条件から算出したTDCにおける筒内圧力基準値とを用いてTDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求め、さらに、前記閾値と前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて、前記エンジンの燃焼状態を判定する処理部と、を有することを特徴とする。
【0010】
このエンジンの燃焼状態判定装置は、TDCにおける筒内圧力値を実測しないで、エンジンの運転条件から予測する。これにより、エンジンの筒内圧力を少なくともTDCの前後2点で測定すればよいので、筒内圧力のサンプリング負荷をさらに軽くすることができる。その結果、処理部をECUと共用する場合には、ECUに対する負荷をさらに低減できる。また、筒内圧力のサンプリング回数を少なくできるので、エンジン1の運転中に発生する圧力以外の振動や電気ノイズ等を拾う危険性を低減して、安定してエンジンの燃焼状態を把握できる。さらに、筒内圧力の変化が比較的小さくTDCにおける筒内圧力Pを正確に測定できない場合でも、TDCにおける筒内圧力値を予測することにより、正確にエンジンの燃焼状態を把握できる。
【0011】
次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、上記エンジンの燃焼状態判定装置において、前記処理部は、TDCにおいて取得した筒内圧力から求める筒内圧力上昇率又は下降率のうち少なくとも一方と、前記エンジンの燃焼状態に関する閾値のうちコンプレッションに関する閾値とを比較して、前記エンジンのコンプレッション異常を判定することを特徴とする。
【0012】
このような構成により、単に失火の判定のみならず、コンプレッション異常、動弁系の異常その他のエンジン異常を検出することができるので、点検・修理に要する手間を軽減できる。また、記憶部にエンジン異常を記録しておけば、点検・修理の際に異常の原因を容易に特定できる。
【0013】
次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、上記エンジンの燃焼状態判定装置において、前記処理部は、前記エンジンの負荷に応じて前記筒内圧力を取得するタイミングを変更することを特徴とする。
【0014】
エンジンの負荷状態に応じて筒内圧力の絶対値が変動するが、このような構成により、負荷に対応した適切なタイミングで筒内圧力を取得できる。これにより、エンジンの負荷にかかわらず、エンジンの燃焼状態を確実に把握することができる。
【0015】
次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、上記エンジンの燃焼状態判定装置において、前記処理部は、前記エンジンが低負荷の場合には、前記エンジンが高負荷の場合よりもサンプリング角を大きくしたタイミングで前記筒内圧力を取得することを特徴とする。
【0016】
エンジンがアイドリングしている状態のように低負荷の場合には、燃焼のばらつきが大きい。しかし、エンジンが高負荷の場合よりもサンプリング角を大きくしたタイミングで筒内圧力を取得すれば、燃焼のばらつきが大きい部分を回避して筒内圧力を取得することができる。これにより、エンジンが低負荷の場合でも精度よく燃焼状態を判定できる。
【0017】
次の発明によるエンジンの燃焼状態判定方法は、エンジンの筒内圧力を取得するタイミングと前記エンジンの燃焼状態に関する閾値とを決定する工程と、前記所定タイミングで前記エンジンの筒内圧力を取得する工程と、取得した前記筒内圧力から、TDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求める工程と、前記閾値と、前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて前記エンジンの燃焼状態を判定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
このエンジンの燃焼状態判定方法は、エンジンの燃焼状態に関する閾値とTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率とに基づいてエンジンの燃焼状態を判断する。これによって、エンジンの燃焼状態を細かく判定することができる。また、TDC前後、及びTDCで筒内圧力を測定し、燃焼状態の判定にはTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率を用いるので、筒内圧力の取得行程及び燃焼状態判定行程における計算の負荷を極めて軽くすることができる。
【0019】
次の発明によるエンジンの燃焼状態判定方法は、エンジンの運転条件から、前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングと前記エンジンの燃焼状態に関する閾値とを決定する工程と、前記所定タイミングで前記エンジンの筒内圧力を取得する工程と、取得した前記筒内圧力から、TDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求める工程と、前記閾値と、前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて前記エンジンの燃焼状態を判定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
このエンジンの燃焼状態判定方法は、エンジンの燃焼状態に関する閾値とTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率とに基づいてエンジンの燃焼状態を判断する。これによって、単なる失火の有無のみならず、半失火も検出でき、また、正常に燃焼している場合でも異なる燃焼状態を細かく判定できる。また、TDC前後、及びTDCで筒内圧力を測定し、燃焼状態の判定にはTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率を用いるので、筒内圧力のサンプリング及び計算の負荷を極めて軽くすることができる。さらに、エンジンの運転条件によって筒内圧力を取得するタイミングを決定するので、過渡状態における失火の検出精度を向上させることができる。なお、このエンジンの燃焼状態判定方法では、TDCにおける筒内圧力を測定し、この測定した筒内圧力を用いて筒内圧力上昇率と筒内圧力下降率とを求め、エンジンの燃焼状態を判定する。
【0021】
次の発明によるエンジンの燃焼状態判定方法は、エンジンの運転条件から、前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングと前記エンジンの燃焼状態に関する閾値とを決定する工程と、前記所定タイミングで前記エンジンの筒内圧力を取得する工程と、取得した前記筒内圧力と、前記エンジンの運転条件から求めたTDCにおける筒内圧力基準値とから、TDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求める工程と、前記閾値と、前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて前記エンジンの燃焼状態を判定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0022】
このエンジンの燃焼状態判定方法は、TDCにおける筒内圧力値を実測しないでエンジンの運転条件から予測し、これを用いてTDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求める。これにより、エンジンの筒内圧力は少なくともTDCの前後2点で測定すればよいので、筒内圧力のサンプリング負荷をさらに軽くすることができる。また、筒内圧力のサンプリング回数を少なくできるので、エンジン1の運転中に発生する圧力以外の振動や電気ノイズ等を拾う危険性が低減できる。さらに、例えばアイドリング時のように筒内圧力の変化が比較的小さくTDCにおける筒内圧力を正確に測定できない場合でも、TDCにおける筒内圧力値を予測するので、正確にエンジンの燃焼状態を把握できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るエンジンの燃焼状態判定装置を備えたエンジンを示す説明図である。図2は、圧力センサを取り付けたエンジンを示す説明図である。本発明は、TDCの前後における筒内圧力の変化率を比較し、所定の閾値と比較することにより、失火の有無及びエンジンの燃焼状態を判定する点に特徴がある。次に、このエンジンの燃焼状態判定装置及び燃焼状態判定方法について説明する。なお、以下の説明ではガソリンエンジンを例にとるが、本発明はディーゼルエンジンに対しても適用できる。また、本発明の適用対象であるエンジンの用途は車両用に限定されるものではない。
【0025】
この燃焼状態判定装置10は、エンジン1のシリンダ3内における筒内圧力Pを圧力センサ5によって検出する。本発明に適用できる圧力センサ5としては、例えばピエゾ素子等の圧電素子を用いたものや、光ファイバの曲率変化に基づく入力信号に対する出力信号振動の変動を利用するもの等が適用できる。
【0026】
図2は、圧力センサをエンジンに取り付ける一例を示す断面図である。この圧力センサ5は圧電素子を利用したものであり、圧力検出部5Pがエンジン1のシリンダ3内における雰囲気に接するように、エンジン1のシリンダヘッド8に取り付けられる。そして、圧力検出部5Pがシリンダ3内の筒内圧力Pを検出し、その検出した圧力値は電気信号に変換され、出力信号SAとして受信部7へ送られる。
【0027】
圧力センサ5から取り出される出力信号SAは受信部7へ取り込まれ、ここでディジタル信号SDに変換される。そして、このディジタル信号SDを燃焼状態判定装置10の処理部12が処理できるデータの書式に変換してから、当該処理部12へ送る。処理部12は、本発明に係るエンジンの燃焼状態判定方法によってエンジン1の燃焼状態を判定する。
【0028】
なお、記憶部14は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(ROM:Read Only Memory)や、揮発性のメモリ(RAM:Random Access Memory)、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。この処理部12は専用のハードウエアにより実現されるものであってもよい。また、この処理部12はメモリ及びCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)により構成され、処理部12の機能を実現するためのプログラムを処理部12のメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。このとき、処理部12の機能を実現するためのプログラムを記憶部14に予め書き込んでおき、これを必要に応じて処理部12のメモリへロードする。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態1に係る燃焼状態判定方法を示すフローチャートである。図3を用いて、本発明の実施の形態1に係るエンジンの燃焼状態判定方法を説明する。まず、エンジン1の運転条件を、図1に示すアクセル開度センサ32、空気流量測定センサ33、燃料供給量測定センサ34等の各センサから読み取る(ステップS101)。この運転条件とは、例えばエンジン1の負荷L、回転数R、吸入空気量Q、投入燃料の量F、アクセル開度O、点火時期ST(ディーゼルエンジンにおいては燃料噴射時期)等である。各センサから読み取った前記運転条件は、燃焼状態判定装置10の処理部12へ取り込まれる。
【0030】
次に、処理部12は、読み取った前記各運転条件から筒内圧力のサンプリング角θ(筒内圧力の取得タイミング)、エンジン1の燃焼状態に関する閾値α、β、エンジン1の異常に関するγ、及びTDCにおける筒内圧力基準値PTDCを決定する(ステップS102)。これらの閾値α、β、γ及びTDCにおける前記筒内圧力基準値PTDCは、予め実験等によりエンジン1の異なる運転条件に対して定めておく。そして、運転条件と前記閾値α、β、γとの関係を記述したMAP20を燃焼状態判定装置10の記憶部14へ格納しておく。処理部12は、エンジン1の運転中に取得した前記各運転条件に対応した閾値α、β、γをMAP20から前記閾値等を決定する。なお、エンジン1の運転条件によらず前記閾値及び筒内圧力の取得タイミングを決定しても、エンジン1の大まかな燃焼状態は判定することができる。しかし、エンジン1の運転条件によって筒内圧力を取得するタイミングを決定すれば、過渡状態における失火の検出精度を向上させることができる。
【0031】
図4は、MAPの一例を示す説明図である。図4に示す例のMAP20は、簡略化のためエンジン1の運転条件として、エンジン1の負荷Lと回転数Rとをパラメータとしている。同図(a)、(b)に示すように、MAP20は、エンジン1の負荷Lと回転数Rとによって変化させたエンジン1の燃焼状態に関する閾値α、βを記述してある。このように、エンジン1の運転条件に応じて適切な閾値α、βを用いることにより、適切にエンジン1の燃焼状態を把握することができる。同様に、同図(c)に示すように、負荷Lと回転数Rとによってサンプリング角θを変化させて、エンジン1の運転条件に応じた最適なタイミングで筒内圧力Pを測定する。なお、筒内圧力は、少なくともTDCの前後2点で測定すればよく、測定点を3以上としてもよい。
【0032】
図5は、エンジンの燃焼時及び失火時における筒内圧力Pの変化を示した説明図である。図5中の曲線aは、失火が発生したときにおける筒内圧力Pの変化を示し、同図5中の曲線bは、燃焼時における筒内圧力Pの変化を示している。一般に、クランクCAがTDC前30度〜0度の範囲で、エンジン1のシリンダ3(図1参照)内へ導入された混合ガスに点火する。このとき、混合ガスが正常に燃焼していれば、筒内圧力Pは曲線bのようにTDC通過後に上昇するが、失火が発生すると、筒内圧力Pは、図5中の曲線aのようにTDCを中心として略対象となる。このため、TDCを中心として同じクランク角CAの範囲で筒内圧力Pを測定し、TDC前後における筒内圧力Pの変化率を比較すれば、失火の発生を検出できる。
【0033】
TDCにおける筒内圧力Pを実測することによりエンジン1の燃焼状態を判定してもよいが、上記のようにエンジン1の運転条件に基づいて予め求めた前記筒内圧力基準値PTDCを用いて燃焼状態を判定すると、次のような利点がある。まず、エンジン1の運転中には、筒内圧力P以外の振動等を圧力センサ5が検出して、その出力信号SAにノイズとして乗ったり、エンジン1の運転中にスパークプラグ、インジェクタ等から発生する電気ノイズが圧力センサ5の出力信号SAに乗ったりする。そして、このようなノイズが、出力信号SAのS/N比(Signal/Noise Ratio)を低下させてしまい、正確にエンジン1の燃焼状態を把握できない。
【0034】
しかし、本発明では、エンジン1の運転条件に基づいて、予め記述したMAP20からTDCにおける前記筒内圧力基準値PTDCを求める。これにより、TDCにおける前記筒内圧力基準値PTDCを実測しないので、圧力センサ5の出力信号SAにノイズが乗る危険性を低くすることができる。また、エンジン1のアイドリング時のように低回転、低負荷の状態においては、筒内圧力Pの変化が大きくない。その結果、ノイズや検出器の精度の関係で、TDCにおける筒内圧力Pを正確に測定できないことがある。このような場合でも、TDCにおける筒内圧力基準値PTDCを計算により求めるので、筒内圧力変化を高い精度で予測することができる。なお、筒内圧力上昇率等の計算にはMAP20から求めた前記筒内圧力基準値PTDCを用い、後述するコンプレッション異常その他のエンジン異常の判定には、実測したTDCにおける筒内圧力Pを用いてもよい。
【0035】
次に、決定したサンプリング角θで筒内圧力Pを取得する(ステップS103)。このときには、エンジン1のクランク軸に取り付けられたクランク角センサ31(図1参照)から送られるクランク角CAの信号を基準にして、処理部12が筒内圧力Pを取得する。そして、処理部12は、取得した筒内圧力値Pθ1、Pθ2及び、筒内圧力基準値PTDCから、TDC前の筒内圧力上昇率R1と、TDC後の筒内圧力下降率R2とを算出し(ステップS104)、両者を比較する(ステップS105)。ここで、R1、R2は式(1)、(2)で表される。また、R1は単調増加し、R2は単調減少する。
R1=(PTDC−Pθ1)/(θ0−θ1)・・・(1)
R2=(Pθ2−PTDC)/(θ2−θ0)・・・(2)
なお、ステップS104においてR1とR2とを比較する場合、圧力センサ5の測定誤差等を考慮して、両者の値がある程度の範囲内に収まっている場合には、R1とR2とが等しいと判定してもよい。
【0036】
図6は、筒内圧力上昇率R1、筒内圧力下降率R2とエンジン燃焼に関する閾値との関係を示す説明図である。図6中の直線dで示すように、R1とR2との値が等しい場合(ステップS105:Yes)であって、かつ、R1とR2とが0である場合には、(ステップS106)、圧力センサ5から出力信号されないことになる。したがって、燃焼状態の判定においては、圧力センサ5が異常であると判断する(ステップS106)。
【0037】
R1とR2とが等しくない場合には(ステップS105:No)、前記閾値α、β、γと、R1及びR2の和とを比較する(ステップS107)。そして、R1+R2<αである場合には完全失火(図6中の曲線a)、α<R1+R2<βである場合には半失火(図6中の曲線c)、β<R1+R2である場合には燃焼(図6中の曲線b)、R1=−R2<γである場合にはコンプレッション異常、動弁系の故障、吸気絞りの故障等のエンジン異常と判定する(ステップS108)。
【0038】
図7は、筒内圧力上昇率R1、筒内圧力下降率R2とエンジンのサイクル毎における燃焼状態を示す説明図である。この運転状態においては、1〜4サイクルまではエンジン1は正常に燃焼しているが、5サイクル目に半失火になっていることがわかる。そして、6、7サイクル目には完全失火、8サイクル目には半失火となり、9サイクル目で正常燃焼になったことがわかる。このように、R1、R2、及びエンジンの燃焼に関する閾値α、β、γに基づいて燃焼状態を判定すれば、容易にエンジンの燃焼状態を知ることができる。
【0039】
次に、コンプレッション異常や動弁系異常のようなエンジンの異常を判定する手順について説明する。図8は、エンジンの異常を示す説明図である。エンジンの運転条件から予測するTDCにおける前記筒内圧力基準値PTDCを用いたのでは、コンプレッション異常のようなエンジンの異常は判定できない。このようなエンジンの異常を判定するためには、TDC以前における筒内圧力Pを実際に測定する必要がある。したがって、例えばコンプレッション異常を判定するためには、クランク角CAがTDC前の90度までの間における2点で測定した筒内圧力Pを用いて筒内圧力上昇率R1を求める。なお、TDCとTDC後+90度までの間における2点で筒内圧力Pを測定して求めた筒内圧力下降率R2によってコンプレッション異常を判定してもよい。
【0040】
この例では、サンプリング角θを−90度と0度として、筒内圧力Pを取得する。そして、筒内圧力上昇率R1=(Pθ0−Pθ−90)/(θ0−θ−90)を求め、R1がエンジン異常に関する閾値γよりも小さい場合には、図8の曲線eに示すように、エンジン1にコンプレッション異常のような異常が発生していると判定できる。また、コンプレッション異常のようなエンジン異常は、TDC前における2点で筒内圧力Pを測定すれば判定できるので、例えばθが−90度と−30度とで筒内圧力Pを取得してもよい。
【0041】
図9は、エンジンのサイクルと筒内圧力上昇率R1等との関係を示す説明図である。同図は、エンジン1のサイクル毎におけるコンプレッション異常その他のエンジン異常の発生を表している。この運転状態においては、1〜4サイクルまではコンプレッション異常等のエンジン異常は発生していないが、5サイクル目以降にエンジン異常が発生していることがわかる。このように、このように、R1(−R2)と、エンジン異常に関する閾値γとを比較すれば、容易にエンジンの異常を知ることができ、これによってエンジン1を速やかに検査・修理することができる。
【0042】
以上の手順によってエンジン1の燃焼状態を判定したら、運転条件の制御によって燃焼状態を正常に戻すことができる場合には、処理部12は点火手段6(図1参照)により点火時期STを調整したり、燃料供給量Q等を調整したりする。また、失火や半失火、あるいはコンプレッション異常や動弁系の異常等を検出した場合には、処理部12がその検出結果を記憶部14に記憶させたり、車内の計器パネル16に設けられた警告灯16L(図1参照)を点灯させたりして運転者に警告することもできる。修理・点検の際には、前記検出結果を調べることによってエンジン1の故障原因を容易に特定することができる。さらに、筒内圧力上昇率R1や筒内圧力下降率R2を、予め定めた基準値と比較することによって、その他のエンジンの状態を判定することもできる。
【0043】
次に、サンプリング角θ及び燃焼状態の判定について説明する。図10は、TDCを中心とした筒内圧力Pのクランク角CAに対する変化を示す説明図である。本発明においては、サンプリング角θをエンジン1の運転条件によって変化させることができる。図10中、曲線aは失火を表し、曲線cは半失火を表す。曲線b、f、g、hは、いずれも燃焼している状態を表すが、それぞれ燃焼状態が異なることを示している。このように、エンジン1の燃焼状態は、失火、半失火以外にもさまざまな状態がある。このような燃焼状態を把握するためには、サンプリング角θをTDCの前後±90度内で変化させて、筒内圧力Pをサンプリングすることが好ましい。そして、曲線b、f、g、hそれぞれの燃焼状態に対応する閾値をMAP20内に記述しておけば、これらの燃焼状態を把握することができる。
【0044】
また、エンジン1がアイドリング状態であるときのように低負荷の場合には、燃焼のばらつきが大きいので、図10中のR11、R21のように、TDCを中心としてサンプリング角θを大きくして筒内圧力を取得することが好ましい。具体的には、TDCの前後±90度程度で筒内圧力Pを測定し、好ましいサンプリング角θの範囲は、TDCの前後90〜75度程度である。このようにすれば、燃焼のばらつきが大きい部分を回避して筒内圧力を取得することができるので、エンジン1が低負荷の場合でも精度よくエンジン1の燃焼状態を判定できる。
【0045】
また、エンジン1が高負荷のときに失火や半失火が発生すると、それだけ多くの未燃ガスを排出することになる。したがって、高負荷領域においてはできるだけ正確にエンジン1の燃焼状態を把握して、失火が発生しないように制御することが好ましい。このような場合には、エンジン1の燃焼状態をより正確に把握するために、TDCを中心としてサンプリング角θを小さくすることが好ましい。具体的には、図10中のR12、R22のように、TDCの前後60度程度で筒内圧力Pを測定するようにサンプリング角θを変更する。なお、この場合のサンプリング角θの範囲は、TDCの前後30〜45度程度が好ましい。エンジン1がある程度回転しており、かつ低負荷のときには、筒内圧力上昇率R1とR2との差が表れ難いので、サンプリング角θをTDCに近い方向に移動させる。このようなサンプリング角θの調整は、エンジンの運転条件のうち、例えば充填効率と負荷とのマップによってサンプリング角θを変更することにより実行できる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態1に係るエンジンの燃焼状態判定装置及び燃焼状態判定方法によれば、単に失火の有無だけでなく、半失火も検出でき、また、通常に燃焼している場合でも異なる燃焼状態を判定できる。このように、エンジンの燃焼状態を細かく知ることができる。また、筒内圧力の測定点はTDC前後の少なくとも2点(上記例では2又は3点)であり、燃焼状態の判定にはTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率を用いるので、筒内圧力のサンプリング及び計算の負荷を極めて軽くすることができる。これによって、エンジンが高速回転している場合でも十分な応答性で余裕を持ってエンジンの燃焼状態を判定できる。特に、処理部をECUと共用する場合には、エンジンの点火時期制御やノッキング制御その他のエンジン制御に対する影響を低減できる。
【0047】
さらに、筒内圧力上昇率又は筒内圧力下降率自体がある閾値よりも小さい場合には、エンジンのコンプレッション異常、動弁系の異常等と判断できるので、エンジン自体の故障を推定することができる。また、圧力センサ5自体の誤差もあるので、積分によってTDC前後における筒内圧力を求めると誤差が大きいが、本発明のように筒内圧力の変化率によれば、このような積分誤差を低減して、正確に燃焼状態を把握できる。
【0048】
なお、実施の形態1においては、単気筒エンジンを例にしているが、多気筒エンジンにおいても角気筒に圧力センサを備えることにより、気筒毎に燃焼状態を判定することができる。これにより、クランク角検出手段によって燃焼行程の位相差がとらえられない場合でも、確実に各気筒の燃焼状態を把握することができる。また、本発明では、多気筒エンジンで失火が発生した場合でもこれを確実に判定できるので、失火を検出した場合には、その気筒に対する燃料供給を停止することにより、無駄な燃料消費を防ぐことができる。また、多気筒エンジンでコンプレッション異常や動弁系異常等が発生した場合でも、その気筒に対する燃料供給を停止して、無駄な燃料消費を防ぐことができる。
【0049】
(実施の形態2)
実施の形態2では、他の閾値決定手順例について説明する。この閾値決定手順は、エンジン1の運転条件からこれ以上失火が発生してはいけない割合を求め、この失火割合を判定できるように失火判定の閾値α、β、γを求める点に特徴がある。その他の構成は実施の形態1と同様なのでその説明を省略する。
【0050】
エンジン1の運転条件である負荷L、回転数R、吸入空気量Q、投入燃料の量F、アクセル開度O、点火時期ST等をパラメータとして読み込んだら、関係式(3)〜(5)にこれらの値を代入して、失火判定の閾値α、β、γを求める。この関係式(3)〜(5)は、エンジンのある運転条件において排出される未燃分量の限界値に達しないように、運転条件のパラメータから理論的に求めるものである。なお、運転条件のパラメータによって、関係式(3)〜(5)の項数は変化する。
α=a1×L+b1×R+c1×Q+d1×F+e1×O+f1×ST・・(3)
β=a2×L+b2×R+c2×Q+d2×F+e2×O+f2×ST・・(4)
γ=a3×L+b3×R+c3×Q+d3×F+e3×O+f3×ST・・(5)
なお、ここではエンジンの燃焼状態に関する閾値及びエンジン異常に関する閾値がα、β、γの3個なので関係式も3個であるが、より細かく燃焼状態を判定する場合には失火判定の閾値も多くなるので、関係式もそれに応じた数となる。
【0051】
実施の形態1における失火判定の閾値決定手順では、各運転条件に対応させた閾値を格納したMAP20を用いるので、精密な制御が必要な場合にはそれに応じてテーブルのデータ量も大きくなる。実施の形態2に係る失火判定の閾値決定手順では、閾値と運転条件との関係式に基づいて閾値を決定するので、関係式をのみを記憶部14に格納しておけばよい。これにより、記憶部14の占める容量が小さくて済むという利点がある。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、記憶部に格納したエンジンの燃焼状態に関する閾値とTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率とに基づいてエンジンの燃焼状態を判断するようにした。これによって、エンジンの燃焼状態を細かく判定することができる。
【0053】
また、次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、記憶部に格納したエンジンの燃焼状態に関する閾値とTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率とに基づいてエンジンの燃焼状態を判断するようにした。これによって、単なる失火の有無のみならず、半失火も検出でき、また、通常に燃焼している場合でも異なる燃焼状態を細かく判定できるので、エンジンの燃焼状態をより細かく、適切に制御できる。
【0054】
また、次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、TDCにおける筒内圧力値を実測しないで、エンジンの運転条件から予測するようにした。これにより、エンジンの筒内圧力を少なくともTDCの前後2点で測定すればよいので、筒内圧力のサンプリング負荷をさらに軽くすることができる。
【0055】
また、次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、前記エンジンの負荷に応じて前記筒内圧力を取得するタイミングを変更するようにしたので、エンジンの負荷にかかわらず、エンジンの燃焼状態を確実に把握することができる。
【0056】
また、次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、TDCにおいて取得した筒内圧力から求める筒内圧力上昇率又は下降率のうち少なくとも一方と、前記エンジンの燃焼状態に関する閾値のうちコンプレッションに関する閾値とを比較して、前記エンジンのコンプレッション異常を判定するようにした。これにより、単に失火の判定のみならず、コンプレッション異常、動弁系の異常その他のエンジン異常を検出することができるので、点検・修理に要する手間を軽減できる。
【0057】
また、次の発明によるエンジンの燃焼状態判定装置は、エンジンが高負荷の場合よりもサンプリング角を大きくしたタイミングで筒内圧力を取得るようにした。これにより、燃焼のばらつきが大きい部分を回避して筒内圧力を取得することができるので、エンジンが低負荷の場合でも精度よく燃焼状態を判定できる。
【0058】
また、次の発明によるエンジンの燃焼状態判定方法は、エンジンの燃焼状態に関する閾値とTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率とに基づいてエンジンの燃焼状態を判断するようにした。これによって、エンジンの燃焼状態を細かく判定することができる。
【0059】
また、次の発明によるエンジンの燃焼状態判定方法は、エンジンの燃焼状態に関する閾値とTDC前後における筒内圧力上昇率及び筒内圧力下降率とに基づいてエンジンの燃焼状態を判断するようにした。これによって、単なる失火の有無のみならず、半失火も検出でき、また、通常に燃焼している場合でも異なる燃焼状態を細かく判定できる。
【0060】
また、次の発明によるエンジンの燃焼状態判定方法は、TDCにおける筒内圧力値を実測しないでエンジンの運転条件から予測し、これを用いてTDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求めるようにした。これにより、エンジンの筒内圧力は少なくともTDCの前後2点で測定すればよいので、筒内圧力のサンプリング負荷をさらに軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るエンジンの燃焼状態判定装置を備えたエンジンを示す説明図である。
【図2】圧力センサを取り付けたエンジンを示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る燃焼状態判定方法を示すフローチャートである。
【図4】MAPの一例を示す説明図である。
【図5】エンジンの燃焼時及び失火時における筒内圧力Pの変化を示した説明図である。
【図6】筒内圧力上昇率R1、筒内圧力下降率R2とエンジン燃焼に関する閾値との関係を示す説明図である。
【図7】筒内圧力上昇率R1、筒内圧力下降率R2とエンジンのサイクル毎における燃焼状態を示す説明図である。
【図8】エンジンの異常を示す説明図である。
【図9】エンジンのサイクルと筒内圧力上昇率R1等との関係を示す説明図である。
【図10】TDCを中心とした筒内圧力Pのクランク角CAに対する変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
5 圧力センサ
7 受信部
10 燃焼状態判定装置
12 処理部
14 記憶部
Claims (9)
- エンジンの燃焼状態に関する閾値及びエンジンの筒内圧力を取得するタイミングを格納する記憶部と、
運転中におけるエンジンの運転条件に基づいて、この運転条件に対応したエンジンの燃焼状態に関する閾値と前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングとを前記記憶部から取得し、前記所定タイミングで前記エンジンに取り付けられる圧力センサから前記エンジンの筒内圧力を取得し、この前記筒内圧力を用いてTDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求め、さらに、前記閾値と前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて、前記エンジンの燃焼状態を判定する処理部と、
を有することを特徴とするエンジンの燃焼状態判定装置。 - 予め定めた、エンジンの運転条件と、エンジンの燃焼状態に関する閾値及びエンジンの筒内圧力を取得するタイミングとの関係を格納する記憶部と、
運転中におけるエンジンの運転条件に基づいて、この運転条件に対応したエンジンの燃焼状態に関する閾値と前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングとを前記記憶部から取得し、前記所定タイミングで前記エンジンに取り付けられる圧力センサから前記エンジンの筒内圧力を取得し、この前記筒内圧力を用いてTDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求め、さらに、前記閾値と前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて、前記エンジンの燃焼状態を判定する処理部と、
を有することを特徴とするエンジンの燃焼状態判定装置。 - 予め定めた、エンジンの運転条件と、エンジンの燃焼状態に関する閾値及びエンジンの筒内圧力を取得するタイミングとの関係を格納する記憶部と、
運転中におけるエンジンの運転条件に基づいて、この運転条件に対応したエンジンの燃焼状態に関する閾値と前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングとを前記記憶部から取得し、前記所定タイミングで前記エンジンに取り付けられる圧力センサから前記エンジンの筒内圧力を取得し、この前記筒内圧力と前記エンジンの運転条件から算出したTDCにおける筒内圧力基準値とを用いてTDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求め、さらに、前記閾値と前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて、前記エンジンの燃焼状態を判定する処理部と、
を有することを特徴とするエンジンの燃焼状態判定装置。 - 前記処理部は、TDCにおいて取得した筒内圧力から求める筒内圧力上昇率又は下降率のうち少なくとも一方と、前記エンジンの燃焼状態に関する閾値のうちエンジン異常に関する閾値とを比較して、前記エンジンの異常を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの燃焼状態判定装置。
- 前記処理部は、前記エンジンの負荷に応じて前記筒内圧力を取得するタイミングを変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンの燃焼状態判定装置。
- 前記処理部は、前記エンジンが低負荷の場合には、前記エンジンが高負荷の場合よりもサンプリング角を大きくしたタイミングで前記筒内圧力を取得することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの燃焼状態判定装置。
- エンジンの筒内圧力を取得するタイミングと前記エンジンの燃焼状態に関する閾値とを決定する工程と、
前記所定タイミングで前記エンジンの筒内圧力を取得する工程と、
取得した前記筒内圧力から、TDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求める工程と、
前記閾値と、前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて前記エンジンの燃焼状態を判定する工程と、
を含むことを特徴とするエンジンの燃焼状態判定方法。 - エンジンの運転条件から、前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングと前記エンジンの燃焼状態に関する閾値とを決定する工程と、
前記所定タイミングで前記エンジンの筒内圧力を取得する工程と、
取得した前記筒内圧力から、TDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求める工程と、
前記閾値と、前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて前記エンジンの燃焼状態を判定する工程と、
を含むことを特徴とするエンジンの燃焼状態判定方法。 - エンジンの運転条件から、前記エンジンの筒内圧力を取得するタイミングと前記エンジンの燃焼状態に関する閾値とを決定する工程と、
前記所定タイミングで前記エンジンの筒内圧力を取得する工程と、
取得した前記筒内圧力と、前記エンジンの運転条件から求めたTDCにおける筒内圧力基準値とから、TDC前における筒内圧力上昇率とTDC後における筒内圧力下降率とを求める工程と、
前記閾値と、前記筒内圧力上昇率及び前記筒内圧力下降率とに基づいて前記エンジンの燃焼状態を判定する工程と、
を含むことを特徴とするエンジンの燃焼状態判定方法。
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