JP2003148177A - 可変動弁機構の制御装置 - Google Patents

可変動弁機構の制御装置

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JP2003148177A
JP2003148177A JP2001347982A JP2001347982A JP2003148177A JP 2003148177 A JP2003148177 A JP 2003148177A JP 2001347982 A JP2001347982 A JP 2001347982A JP 2001347982 A JP2001347982 A JP 2001347982A JP 2003148177 A JP2003148177 A JP 2003148177A
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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】吸気バルブの作動特性を変化させて吸入空気流
量を制御する方式で、吸入空気流量を高精度に検出す
る。 【解決手段】スロットルバルブ開度TPOからスロット
ル開口面積AAを求め、機関回転速度速度Neと排気量
VOL♯とで除算して得られた流量状態値AADNVに
基づいて、スロットルバルブ通過部の体積流量比QH0
を求め、一方、吸気バルブ作動角ADIN−ANと機関
回転速度Neとに基づいてスロットルバルブ全開時の吸
入空気量の期待値TPVEL00を求め、これに前記体
積流量比QH0を乗じて、実際のスロットルバルブ開度
TPOでの期待値に変換し、大気圧補正と吸気温度補正
とを行って質量流量での期待値TPVELを算出する。
この値を、エアフローメータで検出した実吸入空気量と
比較しつつ、吸気バルブへのデポジット等による吸気バ
ルブ作動特性−実吸入空気量のずれを無くすように、バ
ルブ作動特性の制御量を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機関の吸気バルブ
のバルブ作動特性を可変する可変動弁機構の制御技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、吸気バルブ・排気バルブのバ
ルブリフト量及びバルブ作動角を連続的に変える構成の
可変バルブ機構が知られている(特開2001−012
262号公報参照)。この可変バルブ機構は、カム軸と
略平行に配設された制御軸と、該制御軸の外周に偏心し
て固定された制御カムと、該制御カムに揺動自在に軸支
されたロッカアームと、前記カム軸の回転に応じて前記
ロッカアームの一端部を揺動駆動するリンクアーム・偏
心カムと、前記ロッカアームの他端部に連係して揺動し
て吸・排気バルブを開動作させる揺動カムと、前記制御
軸を回転駆動するDCサーボモータと、を備える。
【0003】そして、作動角センサで検出される前記制
御軸の実際の作動角を、要求のバルブ開特性に対応する
目標作動角に一致させるべく、前記DCサーボモータを
フィードバック制御するよう構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記可変バ
ルブ機構によりバルブリフト量及びバルブ作動角を可変
とすることで、スロットルバルブによらず吸入空気量を
制御することが考えられる(スロットルレス制御)。し
かし、このように、吸気バルブの作動特性によって吸入
空気量を制御する場合、吸気バルブに付着するデポジッ
ト(堆積物)が増大すると、バルブリフト量、バルブ作
動角に対して有効開口面積が減少するため、高精度な制
御を維持することができなくなることがあった。
【0005】本発明は、このような従来の課題に着目し
てなされたもので、デポジット等によるバルブ作動特性
と有効開口面積の特性変化に対応して、吸入空気量の制
御精度を良好に維持できるようにした可変動弁機構の制
御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、内燃機関の吸気バルブのバルブ作動特性を可
変する可変動弁機構の制御装置であって、前記可変動弁
機構による吸気バルブのバルブ作動特性の制御によって
吸入空気量を制御するときに、実際の吸入空気量を検出
するとともに、前記バルブ作動特性の検出値から期待さ
れる吸入空気量を算出し、前記実際の吸入空気量の検出
値と前記吸入空気量の期待値とを比較しつつ両者のずれ
に応じてバルブ作動特性の制御を補正することを特徴と
する。
【0007】請求項1に係る発明によると、吸気バルブ
に付着するデポジットが増大するなどにより、バルブ作
動特性に対する有効開口面積が減少すると、該バルブ作
動特性の検出値から期待される吸入空気量の期待値に対
して実際の吸入空気量の検出値が減少してくるため、両
者のずれに応じてバルブ作動特性の制御を補正すること
により、所望の吸入空気量を得ることができ、バルブ作
動特性の制御による吸入空気量制御を高精度に維持する
ことができる。
【0008】また、請求項2に係る発明は、前記吸入空
気量制御時における吸気バルブのバルブ作動特性の制御
は、前記機関の運転状態に応じて、目標トルク相当の目
標吸入空気量を設定し、前記設定した目標吸入空気量を
吸気バルブの要求開口面積に換算し、前記換算された要
求開口面積に基づいて吸気バルブの目標バルブ作動特性
を設定し、吸気バルブの実際のバルブ作動特性が、目標
バルブ作動特性に収束するように前記可変動弁機構の駆
動を制御することを基本とし、前記バルブ作動特性の制
御の補正は、前記目標吸入空気量、要求開口面積または
吸気バルブの目標バルブ作動特性のいずれかを補正する
ことにより行うことを特徴とする。
【0009】請求項2に係る発明によると、機関の運転
状態に応じて、所望とする目標トルクに相当する目標吸
入空気量を設定し、設定した目標吸入空気量を得られる
ような目標バルブ作動特性を設定する。そして、実際の
バルブ作動特性が前記目標バルブ作動特性に収束するよ
うに可変動弁機構を制御するよう構成したので、スロッ
トルバルブによらず、可変動弁機構による吸入空気量制
御(トルク制御)が可能となる。
【0010】そして、前記目標吸入空気量、要求開口面
積または吸気バルブの目標バルブ作動特性のいずれかを
補正することにより、バルブ作動特性と実吸入空気量と
のずれを容易に補正することができる。また、請求項3
に係る発明は、目標トルク相当の目標体積流量を吸気バ
ルブの要求開口面積に変換し、該要求開口面積に基づい
て、前記吸気バルブの目標バルブ作動特性を設定するこ
とを特徴とする。
【0011】請求項3に係る発明によると、目標トルク
相当の目標体積流量をバルブの要求開口面積に変換し、
該要求開口面積に基づきバルブ作動特性を設定するの
で、所望とする目標トルクに応じたバルブ作動特性を直
ちに設定できる。従って、目標トルクの変化に対しても
精度よく対応することができ、可変動弁機構によるトル
クリニアリティを確保したトルク制御が可能となる。
【0012】また、請求項4に係る発明は、前記吸入空
気量の期待値は、該バルブ作動特性と、機関回転速度
と、吸気バルブ上流に介装されたスロットルバルブの開
度とに基づいて算出することを特徴とする。請求項4に
係る発明によると、前記バルブ作動特性によって定まる
吸気バルブの有効開口面積と機関回転速度とに基づい
て、スロットルバルブ全開時における吸気バルブ通過部
分の基本体積流量が求められ、一方、スロットルバルブ
開度と機関回転速度とに基づいてスロットルバルブ通過
部分の体積流量比(スロットルバルブ全開時の最大体積
流量に対する実スロットル開度での体積流量の割合)が
求まるので、前記基本体積流量に対し、前記体積流量比
による補正を行って、吸入空気量の期待値を精度良く算
出できる。
【0013】また、請求項5に係る発明は、前記吸入空
気量の期待値は、大気圧および吸気温度により補正され
ることを特徴とする。請求項5に係る発明によると、大
気圧および吸気温度により補正して質量流量として吸入
空気量の期待値を算出することにより、質量流量として
検出した実吸入空気量と比較したときに、高精度な比較
を行うことができ、補正精度が向上する。
【0014】また、請求項6に係る発明は、前記吸入空
気量の期待値の算出および前記バルブ作動特性の制御の
補正を、アイドル時または全気筒フューエルカット制御
中に行うことを特徴とする。請求項6に係る発明による
と、アイドル時または全気筒フューエルカット制御中
は、吸入空気量が小さく吸気バルブの有効開口面積に対
して吸入空気量が比例する特性を有するため吸入空気量
の期待値を精度良く算出でき、また、デポジット付着量
に対する実吸入空気量の変化割合が大きくなるので、吸
入空気量のずれを高精度に検出でき、ひいては制御の補
正精度が向上する。
【0015】また、請求項7に係る発明は、アクセル開
度と機関回転速度に基づいて、前記目標吸入空気量を設
定することを特徴とする。請求項7に係る発明による
と、前記目標吸入空気量は、アクセル開度と機関回転速
度に基づいて設定されるので、スロットルレス制御にお
いても、例えば運転者が要求するトルクに対応したトル
ク制御が可能となる。
【0016】また、請求項8に係る発明は、前記可変動
弁機構は、クランク軸に同期して回転する駆動軸と、該
駆動軸の固定された駆動カムと、揺動することでバルブ
を開閉作動する揺動カムと、一端で前記駆動カム側と連
係し他端で前記揺動カム側と連係する伝達機構と、該伝
達機構の姿勢を変化させる制御カムを有する制御軸と、
該制御軸を回動するアクチュエータと、を含んで構成さ
れ、前記アクチュエータによって前記制御軸を回動制御
することによりバルブ作動特性を可変することを特徴と
する。
【0017】請求項8に係る発明によると、アクチュエ
ータによって制御軸の作動角を変化させることによりバ
ルブリフト量及びバルブ作動角を連続的に変化させる可
変動弁機構により、トルク制御が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。図1は、車両用内燃機関の構成図であ
る。図1において、内燃機関101の吸気通路102に
は、スロットルモータ103aでスロットルバルブ10
3bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装さ
れており、該電子制御スロットル104及び吸気バルブ
105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
【0019】燃焼排気は、燃焼室106から排気バルブ
107を介して排出され、排気浄化触媒108により浄
化された後、マフラー109を介して大気中に放出され
る。前記排気バルブ107は、排気側カム軸110に軸
支されたカム111によって一定のバルブリフト量及び
バルブ作動角を保ったまま駆動されるが、吸気バルブ1
05は、可変バルブ機構(VEL)112によってバル
ブリフト量及びバルブ作動角が連続的に変えられるよう
になっている。
【0020】マイクロコンピュータを内蔵するコントロ
ールユニット(C/U)113は、スロットルバルブ1
03bの開度及び吸気バルブ105の開特性によって、
アクセル開度に対応する吸入空気量が得られるように、
アクセル開度センサAPS115で検出されるアクセル
開度APOに応じて前記電子制御スロットル104及び
可変バルブ機構(VEL)112の駆動を制御する。
【0021】具体的には、前記可変バルブ機構(VE
L)112のバルブリフト量(及びバルブ作動角)を制
御することで吸入空気量を制御しつつ、キャニスタパー
ジ及びブローバイガスの処理のために一定の負圧(目標
Boost:例えば−100mmHg)を発生させるよ
うスロットルバルブ103bの開度を制御する。但し、
吸気負圧が要求ない運転条件では、スロットルバルブ1
03bを全開に保持して、可変バルブ機構(VEL)1
12のみで吸入空気量を制御する、いわゆるスロットル
レス制御を行う。
【0022】また、前記コントロールユニット(C/
U)114には、前記アクセル開度センサAPS115
の他に、吸入空気量(質量流量)Qaを検出するエアフ
ローメータ116、クランク軸から回転信号Neを取り
出すクランク角センサ117、スロットルバルブ103
bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118等か
らの各種検出信号が入力される。
【0023】ここで、前記可変バルブ機構(VEL)1
12の構造について説明する。可変バルブ機構(VE
L)は、図2〜図4に示すように、一対の吸気バルブ1
05、105と、シリンダヘッド11のカム軸受14に
回転自在に支持された中空状のカム軸13と、該カム軸
13に軸支された回転カムである2つの偏心カム15、
15と、前記カム軸13の上方位置に同じカム軸受14
に回転自在に支持された制御軸16と、該制御軸16に
制御カム17を介して揺動自在に支持された一対のロッ
カアーム18、18と、各吸気バルブ105、105の
上端部にバルブリフター19、19を介して配置された
一対のそれぞれ独立した揺動カム20、20とを備えて
いる。
【0024】前記偏心カム15、15とロッカアーム1
8、18とは、リンクアーム25、25によって連係さ
れ、ロッカアーム18、18と揺動カム20、20と
は、リンク部材26、26によって連係されている。前
記偏心カム15は、図5に示すように、略リング状を呈
し、小径なカム本体15aと、該カム本体15aの外端
面に一体に設けられたフランジ部15bとからなり、内
部軸方向にカム軸挿通孔15cが貫通形成されていると
共に、カム本体15aの軸心Xがカム軸13の軸心Yか
ら所定量だけ偏心している。
【0025】また、前記偏心カム15は、カム軸13に
対し前記バルブリフター19に干渉しない両外側にカム
軸挿通孔15cを介して圧入固定されていると共に、カ
ム本体15aの外周面15dが同一のカムプロフィール
に形成されている。前記ロッカアーム18は、図4に示
すように、略クランク状に屈曲形成され、中央の基部1
8aが制御カム17に回転自存に支持されている。
【0026】また、基部18aの外端部に突設された一
端部18bには、リンクアーム25の先端部と連結する
ピン21が圧入されるピン孔18dが貫通形成されてい
る一方、基部18aの内端部に突設された他端部18c
には、各リンク部材26の後述する一端部26aと連結
するピン28が圧入されるピン孔18eが形成されてい
る。
【0027】前記制御カム17は、円筒状を呈し、制御
軸16外周に固定されていると共に、図2に示すように
軸心P1位置が制御軸16の軸心P2からαだけ偏心し
ている。前記揺動カム20は、図2及び図6、図7に示
すように略横U字形状を呈し、略円環状の基端部22に
カム軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔2
2aが貫通形成されていると共に、ロッカアーム18の
他端部18c側に位置する端部23にピン孔23aが貫
通形成されている。
【0028】また、揺動カム20の下面には、基端部2
2側の基円面24aと該基円面24aから端部23端縁
側に円弧状に延びるカム面24bとが形成されており、
該基円面24aとカム面24bとが、揺動カム20の揺
動位置に応じて各バルブリフター19の上面所定位置に
当接するようになっている。すなわち、図8に示すバル
ブリフト特性からみると、図2に示すように基円面24
aの所定角度範囲θ1がベースサークル区間になり、ま
た、カム面24bの前記ベースサークル区間θ1から所
定角度範囲θ2が所謂ランプ区間となり、更に、カム面
24bのランプ区間θ2から所定角度範囲θ3がリフト
区間になるように設定されている。
【0029】また、前記リンクアーム25は、円環状の
基部25aと、該基部25aの外周面所定位置に突設さ
れた突出端25bとを備え、基部25aの中央位置に
は、前記偏心カム15のカム本体15aの外周面に回転
自在に嵌合する嵌合穴25cが形成されている一方、突
出端25bには、前記ピン21が回転自在に挿通するピ
ン孔25dが貫通形成されている。
【0030】なお、前記リンクアーム25と偏心カム1
5とによって揺動駆動部材が構成される。更に、前記リ
ンク部材26は、所定長さの直線状に形成され、円形状
の両端部26a、26bには前記ロッカアーム18の他
端部18cと揺動カム20の端部23の各ピン孔18
d、23aに圧入した各ピン28、29の端部が回転自
在に挿通するピン挿通孔26c、26dが貫通形成され
ている。
【0031】なお、各ピン21、28、29の一端部に
は、リンクアーム25やリンク部材26の軸方向の移動
を規制するスナップリング30、31、32が設けられ
ている。また、前記制御軸16は、図10に示すよう
に、一端部に設けられたDCサーボモータ等のアクチュ
エータ121によって所定回転角度範囲内で回転駆動さ
れるようになっており、前記制御軸16の作動角を前記
アクチュエータ121で変化させることで、吸気バルブ
105、105のバルブリフト量及びバルブ作動角が連
続的に変化する(図9参照)。
【0032】すなわち、図10において、アクチュエー
タ(DCサーボモータ)121の回転は、伝達部材12
2を介してネジ切り加工が施された軸123に伝達さ
れ、該軸123が通されたナット124の軸方向位置が
変化する。そして、制御軸16の先端の取り付けられ、
その一端が前記ナット124に固定された一対のステー
部材125a、125bにより制御軸16が回転する。
【0033】なお、本実施形態では、図に示すように、
ナット124の位置を前記伝達部材122に近づけるこ
とでバルブリフト量を小さくし、逆に、ナット124の
位置を前記伝達部材122から遠ざけることでバルブリ
フト量を大きくする。また、前記制御軸16の先端に
は、該制御軸16の作動角(VEL作動角)VELCO
Mを検出するポテンショメータ式の作動角センサ126
(調整位置センサ)が設けられており、該作動角センサ
126で検出される実際のVEL作動角VELCOM
が、目標VEL作動角TGVELに一致するように、前
記コントロールユニット(C/U)114が前記アクチ
ュエータ(DCサーボモータ)121をフィードバック
制御する。
【0034】次に、前記コントロールユニット(C/
U)114による可変バルブ機構(VEL)112の駆
動制御について説明する。図11に示すように、本実施
形態におけるコントロールユニット(C/U)114
は、目標体積流量演算部A、VEL目標作動角演算部B
及び目標スロットル開度演算部Cを含んで構成される。
【0035】目標体積流量演算部Aは、以下のようにし
て目標体積流量比TQH0STを算出する。まず、アク
セル開度APO及び機関回転速度Neに対応する(ある
いは、アクセル開度APO及び機関回転速度Neに基づ
き設定される目標トルクが得られるような)要求空気量
(機関要求空気量)Q0を算出する一方、アイドル回転
速度制御(ISC)で要求されるISC要求空気量QI
SCを算出する。
【0036】そして、前記機関要求空気量Q0にISC
要求空気量QSISCを加算して全要求空気量(吸入空
気量)Q(=Q0+QISC)を算出し、これを機関回
転速度Ne、排気量(シリンダ総容積)VOL#で順次
除算することにより、機関の目標体積流量比TQH0S
T(=Q/(Ne・VOL#))を算出する。VEL目
標作動角演算部Bは、以下のようにして目標VEL作動
角TGVELを算出する。
【0037】前記目標体積流量比TQH0STに対して
BOOST補正(バルブ上流圧補正)を行った後、目標
体積流量比をバルブ開口面積に変換する。そして、該バ
ルブ開口面積に基づきVEL目標作動角を算出する。な
お、前記可変バルブ機構(VEL)112と共に、クラ
ンク角に対するカム軸の回転位相を変化させることでバ
ルブ開閉タイミングを可変するバルブタイミング制御機
構(VTC)が設けられている場合には、前記変換した
バルブ開口面積に、バルブタイミング制御機構(VT
C)による位相変化分のVTC補正を行い、かつ、吸気
バルブへのデポジット等によるバルブ作動特性−バルブ
開口面積の特性変化を学習補正した後のバルブ開口面積
に基づきVEL目標作動角を算出する。
【0038】具体的な制御ブロック図を図12に示す。
図12において、まず、前記目標体積流量比TQH0S
Tにバルブ上流圧補正を行うことにより、発生負圧を考
慮した吸気バルブ105通過部分における体積流量比
(該上流圧下で吸気バルブ105を最大リフトとしたと
きの最大体積流量に対する割合。以下、VEL要求体積
流量比という)TQH0VEL0に変換する(図12の
a部)。
【0039】かかる変換は、具体的には前記目標体積流
量比TQH0STをバルブ上流圧補正値KMANIQH
0で除算することにより行うが、該バルブ上流圧補正値
KMANIQH0は、スロットルバルブ103bの開口
面積Aを機関回転速度Ne、排気量VOL#で除算して
得られる状態量AADNVに基づき、図に示すようなテ
ーブルTQH0を検索して求める。
【0040】次に、前記VEL要求体積流量比THQ0
VEL0と最小体積流量比QH0LMTとのうち大きい
方を選択(セレクトハイ)し、可変バルブ機構VEL1
12で実現すべき体積流量比(以下、VEL実現体積流
量比という)TQH0VELを設定する(図12のb
部)。ここで、前記最小体積流量比QH0LMTは、V
EL最小作動角において可変バルブ機構(VEL)11
2により実現できる体積流量比としてあらかじめ設定さ
れたものである。
【0041】なお、前記VEL要求体積流量比THQ0
VEL0が、前記最小体積流量比QH0LMTを下回る
場合は、該最小体積流量比QHOLMTが選択されるこ
とになるが、この場合、前記可変バルブ機構VEL11
2のみでは目標体積流量比TQH0STに制御できず
(すなわち、トルク制御できず)、スロットルバルブ1
03bの開度制御を併用することになる(後述する目標
スロットルバルブ演算部Cの説明参照)。
【0042】次に、前記VEL実現体積流量比TQH0
VELを、以下のようにしてAA・Cd/NV特性に変
換してVAACDNVを求める(図12のc部)。ま
ず、吸気バルブ105を通過する空気流量(すなわち、
シリンダ吸入空気量)Qc(kg/sec)は、圧縮性
流体の一次元定常流れの式より次式(1)、(2)のよ
うに表すことができる。
【0043】
【数1】 なお、R:気体定数(=287)、γ:比熱比(=1.
4)、Cd:バルブ流量損失係数、VA:バルブ開口面
積(m2)、P0:バルブ上流圧(例えば、吸気マニホ
ールド部の圧力Pm)(Pa)、Pc:シリンダ内圧
(Pa)、T0:バルブ上流温度(例えば、吸気マニホ
ールド部の温度Tm)(K)である。
【0044】前記VEL実現体積流量比TQH0VEL
は、吸気バルブ105を通過させる空気量を機関回転速
度Ne、排気量VOL#で除算したものであるから、同
様にして次式(3)、(4)のように表すことができ
る。
【0045】
【数2】 従って、バルブ上流温度T0、バルブ上流圧P0及びシ
リンダ内圧Pcを検出して、Cd・VA/(Ne・VO
L#)を算出できる。この算出したCd・VA/(Ne
・VOL#)をAA・Cd/NV特性とする。
【0046】但し、本実施形態では、図に示すようなテ
ーブルTVAACDNVをあらかじめ作成しておき、前
記VEL実現体積流量比TQH0VELに基づいてテー
ブル検索によりAA・Cd/NV特性への変換を行うよ
うにしている。なお、前記テーブルTAACDNVは、
例えば以下のようにして作成する。すなわち、前記VE
L実現体積流量比TQH0VELは、非チョーク時にお
いては、上記式(3)よりCd・VA/(Ne・VOL
#)及びバルブ前後差圧比(Pc/P0)に応じた値と
して、チョーク時においては、上記式(4)よりCd・
VA/(Ne・VOL#)に比例した値となることが判
るので、シミュレーション等によりTQH0VELとC
d・VA/(Ne・VOL#)との相関を求めることで
作成する。
【0047】次に、VAACDNVに機関回転速度N
e、排気量VOL#を乗算してCd・VAを算出、すな
わち、AA・CD特性(流量特性)TVELAACDに
変換する(図12のd部、e部)。次に、TVELAA
CDをバルブ流量損失係数Cdで除算してVAを算出、
すなわち、基本バルブ開口面積TVELAA0に変換す
る(図12のf部)。
【0048】ここで、前記バルブ流量損失係数Cdは、
バルブリフト量により異なるため、図に示すように、検
出したVEL作動角VELCOMに基づき、あらかじめ
設定したテーブルTCDを検索することにより設定す
る。なお、ここではVEL作動角VELCOMのみによ
り前記バルブ流量損失係数Cdを設定しているが、さら
に機関回転速度Neをパラメータに含むマップを作成
し、該マップを参照してVEL作動角VELCOM及び
機関回転速度Neに応じてバルブ流量損失係数Cdを設
定するよう構成してもよい。
【0049】次に、前記基本バルブ開口面積TVELA
A0にVTC補正を行って、バルブ要求開口面積TVE
LAAに変換する(図12のg部)。すなわち、前記基
本バルブ開口面積TVELAA0は、バルブタイミング
制御機構(VTC)の駆動を考慮しない場合(すなわ
ち、VTC基準位置:VTC作動角=0deg)に要求
されるバルブ開口面積であるため、バルブタイミング制
御機構(VTC)の駆動によって変化するバルブタイミ
ングに応じた補正を行う必要がある。具体的には、バル
ブタイミングの最大遅角位置(初期位置)に合わせて設
定した排気量VOL#に対し、バルブタイミングが進角
制御されると吸気バルブの閉時期が下死点に近づいて、
有効排気量VOL#が増大する。これにより、同一の体
積流量を得るための前記VEL実現体積流量比TQH0
VELが要求値より大きめに設定され、該VEL実現体
積流量比TQH0VELに基づいて算出された基本バル
ブ開口面積TVELAA0も要求値より大きめに算出さ
れることとなる。そこで、有効排気量VOL#の増大に
応じて基本バルブ開口面積TVELAA0を減少補正す
る。この補正により、正確な要求バルブ開口面積、すな
わち、バルブ要求開口面積TVELAAを設定できる。
なお、有効排気量VOL#は、機関回転速度の増大に応
じて慣性により下死点より遅角側で最大となるので、機
関回転速度も考慮して補正するのがよい。
【0050】そして、該バルブ要求開口面積TVELA
Aに基づき、図に示すようなテーブルTTGVELを検
索して基本目標VEL作動角TGVEL0を設定する
(図12のh部)。すなわち、バルブ開口面積からVE
L作動角は一義的に求めることが可能であるので、この
ようなテーブルをあらかじめ設定しておく。これによ
り、容易に基本目標VEL作動角TGVEL0を設定で
きる。
【0051】前記基本目標VEL作動角TGVEL0
を、バルブオフセット学習によるオフセット学習値LR
NVELにより補正して最終的な目標VEL作動角TG
VELを算出する。前記バルブオフセット学習は、吸気
バルブのデポジット(堆積物)等によるバルブ作動特性
−実吸入空気量の特性変化に対する補正するためのもの
で以下のように行われる。
【0052】本学習は、以下に列挙する複数の条件が全
て満たされたときに実行する。 a.エアフローメータ及びスロットルセンサが故障と判
定されていないこと。 b.アイドルスイッチがONのアイドル状態で、かつ、
全気筒フューエルカット中であること。 c.エアフローメータで検出される吸入空気量の変動量
が所定値以下、アイドル回転速度制御で目標開度に対す
る実回転速度の偏差が所定値以下、スロットル開度の変
化量が所定値以下の各条件が全て満たされていること。
【0053】上記学習条件の成立時に、吸気バルブの現
在のバルブ作動特性と機関運転状態とに基づいて吸入空
気量の期待値TPVELを算出し、この期待値をエアフ
ローメータで検出された実際の吸入空気量TPと比較し
て学習を行う。前記吸入空気量の期待値TPVELは、
以下のように算出される。図13を参照して、スロット
ルセンサ118で検出した実スロットル開度TPOを図
示テーブルによってスロットル開口面積AAに変換し、
機関回転速度NEと排気量VOL#で除算して実際の状
態量AADNVを算出する。なお、排気量VOL#は、
吸入空気量制御時と同様のVTC補正を行った有効排気
量を用いることでより精度が向上する。
【0054】前記実状態量AADNVを、図示の体積流
量比変換テーブルを用いて、スロットルバルブ通過部の
体積流量比QH0に変換する。一方、スロットルバルブ
全開条件で、作動角センサ126によって検出される吸
気バルブの作動角ADIN−ANと機関回転速度Neと
に基づいて、吸入空気量の期待値TPVEL00を図示
テーブルから検索する。
【0055】該吸入空気量の期待値TPVEL00に、
前記体積流量比QH0を乗じて実際のスロットルバルブ
開度に応じた補正を行い、さらに、大気圧補正係数(=
大気圧検出値ALT/基準大気圧BASEALT#)を
乗じて大気圧補正を行い、吸気温度補正係数[=基準吸
気温度BASETAF#/(吸気温度検出値TAF+2
73)]を乗じて吸気温度補正を行い、質量流量に換算
しTPVELとする。
【0056】前記吸入空気量の吸入空気量の期待値TP
VELを、前記エアフローメータで検出した吸入空気量
の検出値TPと比較する。|TPVEL−TP|≦所定
値(不感帯)のときは、オフセット学習値LRNVEL
を前回値LRNVEL(-1)に維持する。|TPVEL−
TP|>所定値のときは、次式にしたがってオフセット
学習値LRNVELを更新する。
【0057】LRNVEL=LRNVEL(-1)+VEL
GAIN#×(TPVEL−TP) VELGAIN#:係数 但し、TVELMIN#≦LRNVEL≦TVELMA
X#を満たすように下限値TVELMIN#と上限値T
VELMAX#とで規制する。このようにして学習更新
されたオフセット学習値LRNVELを、前記基本目標
VEL作動角TGVEL0に加算して、最終的な目標V
EL作動角TGVELを算出する(図12のi部)。
【0058】このようにオフセット学習を行うことで、
吸気バルブのデポジット(堆積物)等によりバルブ作動
特性−実吸入空気量の特性が経時変化しても、該特性変
化に見合ったバルブ作動特性の学習補正を行うことによ
り、高精度な吸入空気量制御を維持できる。次に、目標
スロットル開度演算部Cについて説明する。目標スロッ
トル開度演算部Cは、負圧が要求されないとき目標スロ
ットル開度を全開とし、一定の負圧(目標Boost)
が要求されるときは目標Boostを確保する目標スロ
ットル開度を設定する。また、前記VEL目標作動角演
算部Bにおいて最小体積流量比QH0LMTが選択され
たとき(すなわち、可変バルブ機構(VEL)112の
みでトルク制御ができないとき)は、可変バルブ機構
(VEL)112と協調して前記目標体積流量比TQH
0STを実現する目標スロットル開度を演算する。
【0059】そして、電子制御スロットル104は、前
記目標スロットル開度となるようにスロットルバルブ1
03bの開度を制御する。なお、前記可変バルブ機構
は、上述した構成のものに限定するものではなく、他の
構成によるものであってもよい。また、吸気バルブ10
5のバルブ作動特性を可変するものに限られず、排気バ
ルブ107のバルブ作動特性を吸気バルブ105と共
に、あるいは、単独で可変するものであってもよい。
【0060】さらに、本実施形態では、バルブオフセッ
ト学習で目標バルブ特性を学習補正するものを示した
が、それより前段側で目標吸入空気量や要求開口面積を
学習補正するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における機関の構成図。
【図2】本発明の実施形態における可変動弁機構の断面
図(図3のA−A断面図)。
【図3】上記可変動弁機構の側面図。
【図4】上記可変動弁機構の平面図。
【図5】上記可変動弁機構に使用される偏心カムを示す
斜視図。
【図6】上記可変動弁機構の低リフト時の作用を示す断
面図(図3のB−B断面図)。
【図7】上記可変動弁機構の高リフト時の作用を示す断
面図(図3のB−B断面図)。
【図8】上記可変動弁機構における揺動カムの基端面と
カム面に対応したバルブリフト特性図。
【図9】上記可変動弁機構のバルブタイミングとバルブ
リフトの特性図。
【図10】上記可変動弁機構における制御軸の回転駆動
機構を示す斜視図。
【図11】上記可変動弁機構によるトルク制御を示す全
体ブロック図。
【図12】VEL目標作動角の演算を示す制御ブロック
図。
【図13】吸入空気量の期待値を算出するブロック図。
【符号の説明】
13 カム軸 15 偏心カム(揺動駆動部材) 16 制御軸 17 制御カム 18 ロッカアーム 20 揺動カム 25 リンクアーム(揺動駆動部材) 101 内燃機関 104 電子制御スロットル 105 吸気バルブ 112 可変バルブ機構(VEL) 114 コントロールユニット(C/U) 115 アクセル開度センサ 116 エアフローメータ 117 クランク角センサ 118 スロットルセンサ 121 アクチュエータ(DCサーボモータ) 126 作動角センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/08 320 F02D 41/08 320 41/14 310 41/14 310C Fターム(参考) 3G018 AB02 AB05 AB07 AB17 BA02 BA19 BA32 CA15 DA03 DA08 DA10 DA19 DA34 DA70 EA02 EA11 EA16 EA35 FA01 FA06 FA08 GA02 GA27 3G092 AA01 AA11 AB01 BA01 CB05 DA01 DA03 DG08 DG10 EA02 EA03 EA04 EC05 EC06 EC09 FA06 FA36 GA04 GB05 HA01X HA01Z HA04Z HA05Z HA06Z HA13X HE01Z HE03Z HE08Z 3G301 HA01 HA19 JA15 KA07 KA08 LA03 LA07 MA01 MA12 NA06 NA07 NA09 NC02 ND25 ND45 NE08 NE11 NE12 NE21 PA01A PA01Z PA09Z PA10Z PA11Z PE01Z PE03Z PE10A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の吸気バルブのバルブ作動特性を
    可変する可変動弁機構の制御装置であって、 前記可変動弁機構による吸気バルブのバルブ作動特性の
    制御によって吸入空気量を制御するときに、実際の吸入
    空気量を検出するとともに、前記バルブ作動特性の検出
    値から期待される吸入空気量を算出し、前記実際の吸入
    空気量の検出値と前記吸入空気量の期待値とを比較しつ
    つ両者のずれに応じてバルブ作動特性の制御を補正する
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  2. 【請求項2】前記吸入空気量制御時における吸気バルブ
    のバルブ作動特性の制御は、 前記機関の運転状態に応じて、目標トルク相当の目標吸
    入空気量を設定し、 前記設定した目標吸入空気量を吸気バルブの要求開口面
    積に換算し、 前記換算された要求開口面積に基づいて吸気バルブの目
    標バルブ作動特性を設定し、 吸気バルブの実際のバルブ作動特性が、目標バルブ作動
    特性に収束するように前記可変動弁機構の駆動を制御す
    ることを基本とし、 前記バルブ作動特性の制御の補正は、前記目標吸入空気
    量、要求開口面積または吸気バルブの目標バルブ作動特
    性のいずれかを補正することにより行うことを特徴とす
    る請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置。
  3. 【請求項3】目標トルク相当の目標体積流量を吸気バル
    ブの要求開口面積に変換し、該要求開口面積に基づい
    て、前記吸気バルブの目標バルブ作動特性を設定するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の可変動弁機構の制御装
    置。
  4. 【請求項4】前記吸入空気量の期待値は、該バルブ作動
    特性と、機関回転速度と、吸気バルブ上流に介装された
    スロットルバルブの開度とに基づいて算出することを特
    徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の可
    変動弁機構の制御装置。
  5. 【請求項5】前記吸入空気量の期待値は、大気圧および
    吸気温度により補正されることを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれか1つに記載の可変動弁機構の制御装
    置。
  6. 【請求項6】前記吸入空気量の期待値の算出および前記
    バルブ作動特性の制御の補正を、アイドル時または全気
    筒フューエルカット制御中に行うことを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれか1つに記載の可変動弁機構の
    制御装置。
  7. 【請求項7】アクセル開度と機関回転速度に基づいて、
    前記目標吸入空気量を設定することを特徴とする請求項
    1〜請求項6のいずれか1つに記載の可変動弁機構の制
    御装置。
  8. 【請求項8】前記可変動弁機構は、 クランク軸に同期して回転する駆動軸と、 該駆動軸の固定された駆動カムと、 揺動することでバルブを開閉作動する揺動カムと、 一端で前記駆動カム側と連係し他端で前記揺動カム側と
    連係する伝達機構と、該伝達機構の姿勢を変化させる制
    御カムを有する制御軸と、 該制御軸を回動するアクチュエータと、を含んで構成さ
    れ、 前記アクチュエータによって前記制御軸を回動制御する
    ことによりバルブ作動特性を可変することを特徴とする
    請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の可変動弁
    機構の制御装置。
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