JP4125880B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気バルブのバルブリフト量を変化させる可変バルブ機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、吸気ポート部に設けた燃料噴射弁による燃料噴射量を制御する燃料噴射制御装置において、燃料の壁面付着による過渡時の空燃比制御の応答遅れを補正する技術として、機関負荷,機関回転速度,機関負荷変動などに基づいて設定した壁流補正量で燃料噴射量を補正する構成が知られている(特開平09−177577号公報参照)。
【0003】
また、吸排気バルブのバルブリフト量を連続的に変える構成の可変バルブ機構が知られている(特開2001−012262号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記壁流には、燃料噴射弁から噴射された燃料が吸気ポート壁面に付着するポート付着壁流と、吸気バルブを通過した燃料が筒内の壁面に付着する筒内付着壁流とがあるが、係る壁流量が、吸気バルブのバルブリフト量によって変化するため、従来の壁流補正制御を、前記可変バルブ機構を備えた機関に適用した場合、過渡の空燃比制御精度が低下するという問題があった。
【0005】
例えばバルブリフト量が小さい条件では、吸気バルブを通過する吸気の流速が速くなるため、バルブ付近のポート壁面に付着している燃料が吸い出され易くなり、結果、ポート付着壁流量が少なくなるが、バルブリフト量が小さい条件での始動では、バルブを通過するときの吸気の流れが、吸気バルブの傘部に案内されて周辺に指向し、筒内付着壁流量が多くなる。
【0006】
従来の壁流補正制御は、上記のようなバルブリフト量の違いによる壁流量の違いに応じて補正量を変化させ得る構成ではなかったため、可変バルブ機構を備えた機関に適用した場合、バルブリフト量によって空燃比制御精度が大きく変化し、運転性及び排気性状を最適に維持することができなくなってしまう。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、吸気バルブのバルブリフト量を変化させる可変バルブ機構を備えた内燃機関において、バルブリフト量の違いによる壁流量の違いに対応して適正な壁流補正を施すことができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明は、吸気バルブのバルブリフト量及び作動角を連続的に変化させる可変バルブ機構を備えた内燃機関において、吸気ポート部に燃料を噴射する燃料噴射弁による燃料噴射量を制御する燃料噴射制御装置であって、筒内の壁面に付着する燃料分を補正するための筒内壁流補正量の基本値を少なくともスロットル開度の状態に応じて設定し、前記筒内壁流補正量の基本値を、前記バルブリフト量の検出値が小さいほどより大きく補正して最終的な筒内壁流補正量を設定する一方、前記吸気ポートの壁面に付着する燃料分を補正するためのポート壁流補正量の基本値を少なくともスロットル開度の状態に応じて設定し、前記ポート壁流補正量の基本値を、前記バルブリフト量の検出値が小さいほどより小さく補正して最終的なポート壁流補正量を設定し、前記最終的な筒内壁流補正量及び最終的なポート壁流補正量で、前記燃料噴射弁による燃料噴射量を補正する構成とした。
【0008】
上記構成によると、バルブリフト量が小さい条件では、バルブを通過するときの吸気の流れが周辺に指向して筒内の壁面に付着する燃料量が多くなるので、筒内壁流補正量をより大きく補正し、また、バルブリフト量が小さい条件では、吸気バルブを通過する吸気の流速が速く、バルブ付近のポート壁面に付着している燃料が吸い出され易くなって、ポート付着壁流量が少なくなるので、ポート壁流補正量をより小さく補正する。請求項2記載の発明では、前記筒内壁流補正量の基本値を、スロットル開度制御の状態、及び、機関負荷,機関回転速度,機関温度,機関始動時からの経過時間のうちの少なくとも1つに基づいて設定する構成とした。
【0009】
上記構成によると、スロットル開度制御の状態の他、筒内付着壁流量に相関する機関運転状態を示す機関負荷,機関回転速度,機関温度,機関始動時からの経過時間のうちの少なくとも1つに基づいて筒内壁流補正量の基本値を設定し、更に、これらの条件が同じであっても吸気バルブのバルブリフト量に応じて筒内付着壁流量が変化することに対応すべく、前記基本値をバルブリフト量の検出値が小さいほどより大きく補正する。
【0011】
請求項記載の発明では、前記ポート壁流補正量の基本値を、スロットル開度制御の状態、及び、機関負荷,機関回転速度,機関温度のうちの少なくとも1つに基づいて設定する構成とした。上記構成によると、スロットル開度制御の状態の他、ポート付着壁流量に相関する機関運転状態を示す機関負荷,機関回転速度,機関温度のうちの少なくとも1つに基づいてポート壁流補正量の基本値を設定し、更に、これらの条件が同じであっても吸気バルブのバルブリフト量に応じてポート付着壁流量が変化することに対応すべく、前記基本値をバルブリフト量の検出値が小さいほどより小さく補正する。
【0015】
請求項記載の発明では、可変バルブ機構が、クランク軸に同期し回転する駆動軸と、該駆動軸に固定された駆動カムと、揺動することで吸気バルブを開閉作動する揺動カムと、一端で前記駆動カム側と連係し他端で前記揺動カム側と連係する伝達機構と、該伝達機構の姿勢を変化させる制御カムを有する制御軸と、該制御軸を回動するアクチュエータと、を含んで構成され、前記アクチュエータによって前記制御軸を回動することで、吸気バルブのバルブリフト量及び作動角を連続的に変化させる構成とした。
【0016】
上記構成によると、可変バルブ機構は、アクチュエータによって制御軸を回動させることによって、吸気バルブのバルブリフト量及び作動角が連続的に変化する機構であり、バルブリフト量及び作動角の連続的な変化に対応して壁流量が変化する。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、バルブリフト量が小さいときに筒内付着壁流量が多くなることに対応して、筒内壁流補正量を適切に設定することができ、かつ、バルブリフト量が小さいときにポート付着壁流量が少なくなることに対応して、ポート壁流補正量を適切に設定することができ、以って、過渡時の空燃比制御精度を向上させることができるという効果がある。
【0018】
請求項2記載の発明によると、スロットル開度制御の状態の他、機関負荷,機関回転速度,機関温度,始動時からの経過時間による筒内付着壁流量の変化に対応して、筒内壁流補正量の基本値を精度良く設定することができるという効果がある。
【0019】
請求項3記載の発明によると、スロットル開度制御の状態の他、機関負荷,機関回転速度,機関温度によるポート付着壁流量の変化に対応して、ポート壁流補正量の基本値を精度良く設定することができるという効果がある。
【0021】
請求項記載の発明によると、アクチュエータによって制御軸を回動させることによって、吸気バルブのバルブリフト量及び作動角が連続的に変化して壁流量が変化する構成において、バルブリフト量及び作動角の連続的な変化による壁流量の変化に対応して適切に燃料噴射量を補正して、過渡時の空燃比制御精度を向上させることができるという効果がある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、実施形態における車両用内燃機関の構成図であり、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
【0023】
燃焼排気は燃焼室106から排気バルブ107を介して排出され、フロント触媒108及びリア触媒109で浄化された後、大気中に放出される。
前記排気バルブ107は、排気側カム軸110に軸支されたカム111によって一定のバルブリフト量及びバルブ作動角を保って開閉駆動されるが、吸気バルブ105は、可変バルブ機構VEL112によってバルブリフト量及びバルブ作動角が連続的に変えられるようになっている。
【0024】
マイクロコンピュータを内蔵するコントロールユニット114は、スロットルバルブ103bの開度及び吸気バルブ105の開特性によってアクセル開度に対応する目標吸入空気量が得られるように、アクセルペダルセンサAPS116で検出されるアクセルペダルの開度等に応じて前記電子制御スロットル104及び可変バルブ機構VEL112を制御する。
【0025】
前記コントロールユニット114には、前記アクセルペダルセンサAPS116の他、機関101の吸入空気量Qを検出するエアフローメータ115、クランク軸から回転信号を取り出すクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118,機関101の冷却水温度Twを検出する水温センサ119等からの検出信号が入力される。
【0026】
また、各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート130には、電磁式の燃料噴射弁131が設けられ、該燃料噴射弁131は、前記コントロールユニット114からの噴射パルス信号によって開弁駆動されると、所定圧力に調整された燃料を吸気バルブ105に向けて噴射する。
図2〜図4は、前記可変バルブ機構VEL112の構造を詳細に示すものである。
【0027】
図2〜図4に示す可変バルブ機構VELは、一対の吸気バルブ105,105と、シリンダヘッド11のカム軸受14に回転自在に支持された中空状のカム軸13(駆動軸)と、該カム軸13に軸支された回転カムである2つの偏心カム15,15(駆動カム)と、前記カム軸13の上方位置に同じカム軸受14に回転自在に支持された制御軸16と、該制御軸16に制御カム17を介して揺動自在に支持された一対のロッカアーム18,18と、各吸気バルブ105,105の上端部にバルブリフター19,19を介して配置された一対のそれぞれ独立した揺動カム20,20とを備えている。
【0028】
前記偏心カム15,15とロッカアーム18,18とは、リンクアーム25,25によって連係され、ロッカアーム18,18と揺動カム20,20とは、リンク部材26,26によって連係されている。
上記ロッカアーム18,18,リンクアーム25,25,リンク部材26,26が伝達機構を構成する。
【0029】
前記偏心カム15は、図5に示すように、略リング状を呈し、小径なカム本体15aと、該カム本体15aの外端面に一体に設けられたフランジ部15bとからなり、内部軸方向にカム軸挿通孔15cが貫通形成されていると共に、カム本体15aの軸心Xがカム軸13の軸心Yから所定量だけ偏心している。
また、前記偏心カム15は、カム軸13に対し前記バルブリフター19に干渉しない両外側にカム軸挿通孔15cを介して圧入固定されていると共に、カム本体15aの外周面15dが同一のカムプロフィールに形成されている。
【0030】
前記ロッカアーム18は、図4に示すように、略クランク状に屈曲形成され、中央の基部18aが制御カム17に回転自存に支持されている。
また、基部18aの外端部に突設された一端部18bには、リンクアーム25の先端部と連結するピン21が圧入されるピン孔18dが貫通形成されている一方、基部18aの内端部に突設された他端部18cには、各リンク部材26の後述する一端部26aと連結するピン28が圧入されるピン孔18eが形成されている。
【0031】
前記制御カム17は、円筒状を呈し、制御軸16外周に固定されていると共に、図2に示すように軸心P1位置が制御軸16の軸心P2からαだけ偏心している。
前記揺動カム20は、図2及び図6,図7に示すように略横U字形状を呈し、略円環状の基端部22にカム軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔22aが貫通形成されていると共に、ロッカアーム18の他端部18c側に位置する端部23にピン孔23aが貫通形成されている。
【0032】
また、揺動カム20の下面には、基端部22側の基円面24aと該基円面24aから端部23端縁側に円弧状に延びるカム面24bとが形成されており、該基円面24aとカム面24bとが、揺動カム20の揺動位置に応じて各バルブリフター19の上面所定位置に当接するようになっている。
即ち、図8に示すバルブリフト特性からみると、図2に示すように基円面24aの所定角度範囲θ1がベースサークル区間になり、カム面24bの前記ベースサークル区間θ1から所定角度範囲θ2が所謂ランプ区間となり、更に、カム面24bのランプ区間θ2から所定角度範囲θ3がリフト区間になるように設定されている。
【0033】
また、前記リンクアーム25は、円環状の基部25aと、該基部25aの外周面所定位置に突設された突出端25bとを備え、基部25aの中央位置には、前記偏心カム15のカム本体15aの外周面に回転自在に嵌合する嵌合穴25cが形成されている一方、突出端25bには、前記ピン21が回転自在に挿通するピン孔25dが貫通形成されている。
【0034】
更に、前記リンク部材26は、所定長さの直線状に形成され、円形状の両端部26a,26bには前記ロッカアーム18の他端部18cと揺動カム20の端部23の各ピン孔18d,23aに圧入した各ピン28,29の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔26c,26dが貫通形成されている。
尚、各ピン21,28,29の一端部には、リンクアーム25やリンク部材26の軸方向の移動を規制するスナップリング30,31,32が設けられている。
【0035】
上記構成において、制御軸16の軸心P2と制御カム17の軸心P1との位置関係によって、図6,7に示すように、バルブリフト量が変化することになり、前記制御軸16を回転駆動させることで、制御カム17の軸心P1に対する制御軸16の軸心P2の位置を変化させる。
前記制御軸16は、図10に示すような構成により、DCサーボモータ(アクチュエータ)121によって所定回転角度範囲内で回転駆動されるようになっており、前記制御軸16の作動角を前記アクチュエータ121で変化させることで、吸気バルブ105のバルブリフト量及びバルブ作動角が連続的に変化する(図9参照)。
【0036】
図10において、DCサーボモータ121は、その回転軸が制御軸16と平行になるように配置され、回転軸の先端には、かさ歯車122が軸支されている。一方、前記制御軸16の先端に一対のステー123a,123bが固定され、一対のステー123a,123bの先端部を連結する制御軸16と平行な軸周りに、ナット124が揺動可能に支持される。
【0037】
前記ナット124に噛み合わされるネジ棒125の先端には、前記かさ歯車122に噛み合わされるかさ歯車126が軸支されており、DCサーボモータ121の回転によってネジ棒125が回転し、該ネジ棒125に噛み合うナット124の位置が、ネジ棒125の軸方向に変位することで、制御軸16が回転されるようになっている。
【0038】
ここで、ナット124の位置をかさ歯車126に近づける方向が、バルブリフト量が小さくなる方向で、逆に、ナット124の位置をかさ歯車126から遠ざける方向が、バルブリフト量が大きくなる方向となっている。
前記制御軸16の先端には、図10に示すように、制御軸16の作動角を検出するポテンショメータ式の作動角センサ127が設けられており、該作動角センサ127で検出される実際の作動角が目標作動角に一致するように、前記コントロールユニット114が前記DCサーボモータ121をフィードバック制御する。
【0039】
以下に、コントロールユニット114による前記燃料噴射弁131の噴射量制御の様子を図11〜図13のフローチャートに従って説明する。
図11のフローチャートは、燃料噴射制御のメインルーチンを示す。
ステップS1では、エアフローメータ115で検出された吸入空気量Q、及び、クランク角センサ117の回転信号から算出される機関回転速度Neに基づいて基本噴射パルス幅(基本燃料噴射量)Tpを演算する。
【0040】
ステップS2では、各種補正係数COEF及びバッテ電圧に基づく無効噴射パルス分Tsを設定する。
前記各種補正係数COEFは、始動及び始動後増量Kas,水温増量率Ktw,高負荷・高回転増量率KMR,高水温時増量率KHOTなどに基づき、
COEF=Kas+Ktw+KMR+KHOT
として算出される。
【0041】
ステップS3では、後述するルーチンで算出されるポート壁流補正量Tvelp,筒内壁流補正量Tvelsを読み込む。
ステップS4では、前記基本燃料噴射量Tp,各種補正係数COEF,無効噴射パルス分Ts,壁流補正量Tvelp,Tvelsに基づいて、最終的な噴射パルス幅Tiを下式に従って演算する。
【0042】
Ti=Tp×COEF+Tvelp+Tvels+Ts
ステップS5では、各気筒の吸気行程にタイミングを合わせて前記噴射パルス幅Tiの噴射パルス信号を各燃料噴射弁131に出力する。
図12のフローチャートは、前記ポート壁流補正量Tvelpを演算するルーチンを示す。
【0043】
ステップS11では、機関回転速度Ne,機関負荷を代表する基本噴射パルス幅(基本燃料噴射量)Tp,水温Tw,スロットルバルブ開度TVO,制御軸16の作動角を入力する。
ステップS12では、前記機関回転速度Ne,基本噴射パルス幅Tp,水温Tw,スロットルバルブ開度TVOに基づいて、ポート壁流補正基本値を演算する。
【0044】
具体的には、図14に示すように、機関回転速度Ne及び基本噴射パルス幅Tpに対応してポート壁流の平衡付着量を記憶したマップから、スロットル操作前の機関回転速度Ne及び基本噴射パルス幅Tpに対応する平衡付着量と、スロットル操作後の機関回転速度Ne及び基本噴射パルス幅Tpに対応する平衡付着量とを検索する。
【0045】
尚、前記ポート壁流の平衡付着量は、低回転・高負荷時ほど大きな値に設定される。
そして、基本補正値を、
基本補正値=
平衡付着量(スロットル操作後)−平衡付着量(スロットル操作前)として算出する。
【0046】
一方、図15に示すように、水温Twが低いときほど大きな水温補正係数を設定し、更に、図16に示すように、スロットルバルブ開度TVOの単位時間当たりの変化量(変化速度)ΔTVOが大きいときほど大きなΔTVO係数を設定する。
そして、ポート壁流補正基本値を、
ポート壁流補正基本値=基本補正値×水温補正係数×ΔTVO係数
として算出する。
【0047】
ステップS13では、前記制御軸16の作動角に応じてVEL補正量を設定する。本実施形態では、前記制御軸16の作動角が大きいときほど吸気バルブ105のバルブリフト量が大きくなるものとし、前記VEL補正量は、フローチャート中に示すように、制御軸16の作動角が大きくバルブリフト量が大きいときほど、大きな値に設定される。
【0048】
上記VEL補正量は、バルブリフト量が小さい条件では、吸気バルブ105を通過する吸気の流速が速く、バルブ付近のポート壁面に付着している燃料が吸い出され易くなって、ポート付着壁流量が少なくなることに対応している。
ステップS14では、前記ポート壁流補正量Tvelpを、
Tvelp=ポート壁流補正基本値×VEL補正量
として算出する。
【0049】
図13のフローチャートは、前記筒内壁流補正量Tvelsを演算するルーチンを示す。
ステップS21では、機関回転速度Ne,機関負荷を代表する基本噴射パルス幅(基本燃料噴射量)Tp,水温Tw,スロットルバルブ開度TVO,制御軸16の作動角及び始動後からの経過時間を入力する。
【0050】
ステップS22では、前記機関回転速度Ne,基本噴射パルス幅Tp,水温Tw,スロットルバルブ開度TVO及び始動後からの経過時間に基づいて、筒内壁流補正基本値を演算する。
具体的には、図17に示すように、機関回転速度Ne及び基本噴射パルス幅Tpに対応して筒内壁流の平衡付着量を記憶したマップから、スロットル操作前の機関回転速度Ne及び基本噴射パルス幅Tpに対応する平衡付着量と、スロットル操作後の機関回転速度Ne及び基本噴射パルス幅Tpに対応する平衡付着量とを検索する。
【0051】
尚、前記筒内壁流の平衡付着量は、低回転・低負荷時ほど大きな値に設定される。
そして、基本補正値を、
基本補正値=
平衡付着量(スロットル操作後)−平衡付着量(スロットル操作前)として算出する。
【0052】
一方、図15に示すように、水温Twが低いときほど大きな水温補正係数を設定し、更に、図16に示すように、スロットルバルブ開度TVOの単位時間当たりの変化量(変化速度)ΔTVOが大きいときほど大きなΔTVO係数を設定する。
また、始動後からの経過時間に応じて始動後時間係数を設定する。前記始動後時間係数は、図18に示すように、始動からの経過時間が長くなるほどより小さい値に設定される。
【0053】
そして、筒内壁流補正基本値を、
筒内壁流補正基本値=
基本補正値×水温補正係数×ΔTVO係数×始動後時間係数
として算出する。
ステップS23では、前記制御軸16の作動角に応じてVEL補正量を設定する。
【0054】
前記VEL補正量は、フローチャート中に示すように、制御軸16の作動角が大きくバルブリフト量が大きいときほど、小さな値に設定される。上記VEL補正量は、バルブリフト量が小さい条件では、バルブを通過するときの吸気の流れが周辺に指向して筒内付着壁流量が多くなることに対応している。
【0055】
ステップS24では、筒内壁流補正量Tvelsを、
Tvels=筒内壁流補正基本値×VEL補正量
として算出する。
上記のように、ポート壁流補正量Tvelp,筒内壁流補正量Tvelsの演算において、吸気バルブ105のバルブリフト量に応じた補正を施すことで、バルブリフト量の変化によるポート壁流量及び筒内壁流量の変化に対応して燃料噴射量を補正することができ、過渡時の空燃比制御精度を向上させることができる。
【0056】
尚、吸気バルブ105のバルブリフト量を変化させる可変バルブ機構を、図2〜図4に示した機構に限定するものではなく、公知の他の可変バルブ機構であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関のシステム構成図。
【図2】可変バルブ機構を示す断面図(図3のA−A断面図)。
【図3】上記可変バルブ機構の側面図。
【図4】上記可変バルブ機構の平面図。
【図5】上記可変バルブ機構に使用される偏心カムを示す斜視図。
【図6】上記可変バルブ機構の低リフト時の作用を示す断面図(図3のB−B断面図)。
【図7】上記可変バルブ機構の高リフト時の作用を示す断面図(図3のB−B断面図)。
【図8】上記可変バルブ機構における揺動カムの基端面とカム面に対応したバルブリフト特性図。
【図9】上記可変バルブ機構のバルブタイミングとバルブリフトの特性図。
【図10】上記可変バルブ機構における制御軸の回転駆動機構を示す斜視図。
【図11】燃料噴射制御のメインルーチンを示すフローチャート。
【図12】ポート壁流補正量の演算ルーチンをフローチャート。
【図13】筒内壁流補正量の演算ルーチンをフローチャート。
【図14】ポート壁流の平衡付着量のマップを示す図。
【図15】水温係数のテーブルを示す図。
【図16】ΔTVO係数のテーブルを示す図。
【図17】筒内壁流の平衡付着量のマップを示す図。
【図18】始動後時間係数のテーブルを示す図。
【符号の説明】
13…カム軸
15…偏心カム
16…制御軸
17…制御カム
18…ロッカアーム
20…揺動カム
25…リンクアーム
101…内燃機関
104…電子制御スロットル
105…吸気バルブ
112…可変バルブ機構
114…コントロールユニット
115…エアフローメータ
116…アクセルペダルセンサ
117…クランク角センサ
118…スロットルセンサ
119…水温センサ
121…DCサーボモータ(アクチュエータ)
127…作動角センサ
130…吸気ポート
131…燃料噴射弁

Claims (4)

  1. 吸気バルブのバルブリフト量及び作動角を連続的に変化させる可変バルブ機構を備えた内燃機関において、吸気ポート部に燃料を噴射する燃料噴射弁による燃料噴射量を制御する燃料噴射制御装置であって、
    筒内の壁面に付着する燃料分を補正するための筒内壁流補正量の基本値を少なくともスロットル開度制御の状態に応じて設定し、前記筒内壁流補正量の基本値を、前記バルブリフト量の検出値が小さいほどより大きく補正して最終的な筒内壁流補正量を設定する一方、
    前記吸気ポートの壁面に付着する燃料分を補正するためのポート壁流補正量の基本値を少なくともスロットル開度制御の状態に応じて設定し、前記ポート壁流補正量の基本値を、前記バルブリフト量の検出値が小さいほどより小さく補正して最終的なポート壁流補正量を設定し、
    前記最終的な筒内壁流補正量及び最終的なポート壁流補正量で、前記燃料噴射弁による燃料噴射量を補正することを特徴とすることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記筒内壁流補正量の基本値を、スロットル開度制御の状態、及び、機関負荷,機関回転速度,機関温度,機関始動時からの経過時間のうちの少なくとも1つに基づいて設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記ポート壁流補正量の基本値を、スロットル開度制御の状態、及び、機関負荷,機関回転速度,機関温度のうちの少なくとも1つに基づいて設定することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記可変バルブ機構が、クランク軸に同期し回転する駆動軸と、該駆動軸に固定された駆動カムと、揺動することで吸気バルブを開閉作動する揺動カムと、一端で前記駆動カム側と連係し他端で前記揺動カム側と連係する伝達機構と、該伝達機構の姿勢を変化させる制御カムを有する制御軸と、該制御軸を回動するアクチュエータと、を含んで構成され、前記アクチュエータによって前記制御軸を回動することで、吸気バルブのバルブリフト量及び作動角を連続的に変化させる機構であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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