JP2003147649A - 仮撚加工糸とその製造方法 - Google Patents

仮撚加工糸とその製造方法

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JP2003147649A
JP2003147649A JP2001340517A JP2001340517A JP2003147649A JP 2003147649 A JP2003147649 A JP 2003147649A JP 2001340517 A JP2001340517 A JP 2001340517A JP 2001340517 A JP2001340517 A JP 2001340517A JP 2003147649 A JP2003147649 A JP 2003147649A
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polyester
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Hiroshi Suyama
浩史 須山
Toshihiko Kimura
俊彦 木村
Kazuo Umeda
和生 梅田
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Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、ストレッチ性に極めて優れ、
かつソフトな風合い、布帛にした際、高い表面品位を有
する仮撚加工糸とその製造方法を提供するものである。 【解決手段】ポリエステル系マルチフィラメント糸の仮
撚加工糸であって、該仮撚加工糸を構成するフィラメン
ト糸が、ポリトリメチレンテレフタレートAとポリエチ
レンテレフタレートBとをサイドバイサイド型または偏
心芯鞘型に複合された繊維を含み、該仮撚加工糸の拘束
下伸長率が120%以上であり、残留トルク数が150
以下であることを特徴とする仮撚加工糸。ならびに、ポ
リトリメチレンテレフタレートAとポリエチレンテレフ
タレートBとをサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に
複合した伸度100〜250%のポリエステル系マルチ
フィラメント高配向未延伸糸を1.2〜2.0倍で延伸
後、仮撚することを特徴とする仮撚加工糸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストレッチ性に極
めて優れ、かつソフトな風合い、布帛にした際、高い表
面品位を有する仮撚加工糸とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは機械的特性をはじめ、様
々な優れた特性を有しているため衣料用途のみならず幅
広く展開されている。
【0003】特開平11−93206号公報にはポリト
リメチレンテレフタレート(以下PTTと略記する)を
利用したサイドバイサイド型もしくは偏心芯鞘型の繊維
が記載されている。該複合繊維を用いれば、優れた伸縮
能を有する織物をつくることができるが、従来の仮撚で
は仮撚捲縮が強く出てしまい、布帛の表面ががさつき
感、フカツキ感が顕著に発現して、繊維本来のもつソフ
トな風合いが十分に生かし切れない。
【0004】また特許第3124259号公報では仮撚
後に第2ヒーターを用いて再熱セットすることにより、
ソフトな仮撚糸が得られるとされている。しかし、この
方法では捲縮が減殺されてしまい、高ストレッチ糸を得
ることができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スト
レッチ性に極めて優れ、かつソフトな風合い、布帛にし
た際、高い表面品位を有する仮撚加工糸とその製造方法
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ため本発明は、次の構成を採用する。すなわち、ポリエ
ステル系マルチフィラメント糸の仮撚加工糸であって、
該仮撚加工糸を構成するフィラメント糸が、ポリトリメ
チレンテレフタレートAとポリエチレンテレフタレート
Bとをサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合され
た繊維を含み、該仮撚加工糸の拘束下伸長率が120%
以上であり、残留トルク数が150回/2m以下である
ことを特徴とする仮撚加工糸。
【0007】また、ポリトリメチレンテレフタレートA
とポリエチレンテレフタレートBとをサイドバイサイド
型または偏心芯鞘型に複合した伸度100〜250%の
ポリエステル系マルチフィラメント高配向未延伸糸を
1.2〜2.0倍で延伸後、仮撚することを特徴とする
仮撚加工糸の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明はポリトリメチレンテレフ
タレートAとポリエチレンテレフタレートBとをサイド
バイサイド型または偏心芯鞘型に複合された繊維からな
る高配向未延伸糸を1.2〜2.0倍で延伸後、仮撚を
施すことにより、微細なケン縮を有する高ケン縮加工糸
を得ることができる。
【0009】ポリトリメチレンテレフタレートAとポリ
エチレンテレフタレートBとをサイドバイサイド型また
は偏心芯鞘型の高配向未延伸糸にすると、それらの弾性
回復率や収縮特性の差により、潜在捲縮性を有する。こ
の潜在捲縮は延伸することにより、単繊維内で歪みが生
じてコイルケン縮の形態が生じ、ケン縮もしっかり発現
することになる。本発明においてはこの繊維を延伸して
コイル捲縮を発現させた後に、仮撚ケン縮を付加するこ
とによって、ケン縮の微細化を行い、高ストレッチ性だ
けではなしに、表面がなめらかな布帛を得ることができ
る。
【0010】この際、コイルケン縮の内側にポリトリメ
チレンテレフタレートAを配置するようにすると、繰り
返し伸長時の回復性が良くなり、心地良い伸長反発感が
得られるようになるので好ましい。
【0011】図1は本発明の仮撚加工糸を例示したもの
である。本発明の仮撚加工糸は従来の仮撚加工糸のよう
に3次元型の粗いケン縮ではなく、微細なピッチクリン
プを有しているために、単糸フィラメント同志が互いに
立体障害を起こしにくい波状形のケン縮になる。ゆえに
互いのケン縮や布帛内の拘束が小さくなるので、布帛に
おけるストレッチ発現量が大きくなる。
【0012】本発明の仮撚糸は拘束下伸長率が120%
以上であるものであり、好ましくは250%以下であ
る。拘束下伸長率が120%よりも小さいと織編物にし
たときに十分なストレッチ性を得ることができない。ま
た250%を超えると、ストレッチが発現しすぎ、布帛
にシワが発生するようになるので好ましくない。また拘
束下伸長率が150%以上であると、さらに十分なスト
レッチ性を得ることができ好ましい。
【0013】また、本発明の仮撚加工糸は微細なピッチ
クリンプが発現することによって、従来の仮撚捲縮糸で
発生する残留トルクを抑制することができ、織編物にし
たときにガサツキ感、フカツキ感を押さえたソフトな風
合いを得ることができる。
【0014】本発明の仮撚糸は残留トルク数が150回
/2m以下であるものである。それにより高度なストレ
ッチ性を示し、かつシボ発現がない滑らかでソフトな布
帛を得ることができる。残留トルク数が150回/2m
を超えると織編物にしたときに布帛の斜行が大きくな
り、表面の凸凹が大きくなって表面品位が低くなる。ま
た残留トルク数が120回/2m以下であるとさらに滑
らかな布帛を得ることができ好ましい。
【0015】本発明のポリエステル複合糸は、一方の成
分がポリトリメチレンテレフタレート(以下PTTと略
記する)を主体とするポリエステルであり、他方の成分
がポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記す
る)を主体とするポリエステルであって、該2成分が繊
維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘
型に複合された繊維から構成される。
【0016】また、該ポリマー構成においてPTTが高
粘度、PETが低粘度になるようにそれぞれ選択され
る。粘度が異なる重合体を前記の複合形態にすることに
よって、紡糸時に高粘度側に応力が集中するため、各成
分間で内部歪みが異なる。そのため、延伸仮撚後の弾性
回復率差および布帛の熱処理工程での熱収縮率差により
高粘度側が大きく収縮し、3次元コイル捲縮の形態をと
る。この3次元コイルの径および単位繊維長当たりのコ
イル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回
復率差と熱収縮率差を足し合わせた値)によって決まる
といってもよく、収縮差が大きいほどコイル径が小さ
く、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。
【0017】ストレッチ素材として要求されるコイル捲
縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数
が多い(伸長特性に優れ、見映えが良い)、コイルの耐
へたり性が良い(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が
小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイル
の伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発
性に優れ、フィット感がよい)等である。これらの要求
を満足しつつ、ポリエステルとしての特性を有すること
で、トータルバランスに優れたストレッチ素材とするこ
とができる。
【0018】ここで、前記のコイル特性を満足するため
には高収縮成分の特性が重要となる。コイルの伸縮特性
は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支
配的となるため、高収縮成分に用いる重合体には特に高
い伸長・回復性が要求される。そこで、本発明者らはポ
リエステルの特性を損なうことなく前記特性を満足させ
るために鋭意検討した結果、高収縮成分にPTTを主体
としたポリエステルを用いることを見出した。PTT繊
維は、代表的なポリエステル繊維であるPET繊維やポ
リブチレンテレフタレート(以下PBTと略記する)繊
維と同等の力学的特性や化学的特性を有しつつ、伸長回
復性が極めて優れている。これは、PTTの結晶構造に
おいてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ
−ゴーシュの屈曲構造であること、さらにはベンゼン環
同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密
度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレ
ン鎖の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと
考えている。
【0019】また、本発明の低収縮成分はPETである
ことが重要である。PETは高収縮成分であるPTTと
の界面接着性が極めて良好であるとともに、溶融紡糸が
容易で、6000m/分を越える高速紡糸においても安
定して製糸できるという特徴を持つ。また、PTTを高
速製糸した場合、巻き締まりが生じてパッケージが抜け
にくくなったり、糸長手方向での糸斑が悪化して品質が
低下するといった問題を内在している。それに対し、複
合紡糸の片側成分に特定の比率以上でPETを配するこ
とで巻締まりは解消され、巻き取られたパッケージの経
時的な品質劣化もほとんど生じない。
【0020】また、PETを片側成分に用いることで、
延伸仮撚工程での熱セット温度により、高粘度成分のP
TTとの収縮率差を容易に制御できる。PTTは熱収縮
率のセット温度依存性が小さいのに対し、PETは熱収
縮率のセット温度依存性が大きい。そのため、伸縮性を
高めたい場合にはPTTとPETの熱収縮率差を大きく
すればよく、延伸仮撚加工でのセット温度を高くすれば
よい。逆に伸縮性を低くしたい場合にはPTTとPET
との収縮率差を小さくすればよく、熱セット温度を低く
すればよい。
【0021】ここで、本発明のPTTとは、テレフタル
酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主
たるグリコール成分として得られるポリエステルであ
る。
【0022】また、本発明のPETとは、テレフタル酸
を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリ
コール成分として得られるポリエステルである。ただ
し、いずれの成分も、20モル%、より好ましくは10
モル%以下の割合で他のエステル結合の形成が可能な共
重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合
物としては、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン
ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールなどのジオール類を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
【0023】また、製糸や延伸仮撚、テキスタイル加工
での各工程で安定した製造を行うために、滑剤として平
均粒子径0.01〜2μmの粒子を0.1重量%以上含
有することが好ましい。平均粒子径が0.01μm未満
では、滑剤としての効果が小さく、工程通過性を改善す
ることができない。一方、平均粒子径が2μmを超える
と粒子が欠点として働いて繊維強度が低くなるため、製
糸での糸切れ頻度が高くなる。また、粒子含有量が0.
1重量%未満では、前記の工程通過性を向上させる効果
が小さく、粒子含有量が3重量%を越えると製糸におけ
るパックライフの短縮やガイド、ローラー等の摩耗が激
しくなる等の問題が発生する。好ましい粒子含有量は
0.2〜3.0重量%であり、より好ましい粒子含有量
は0.3〜2.0重量%である。粒子種としては、二酸
化チタン、シリカ、アルミナ、カオリナイト、炭酸カル
シウム等の微粒子が好ましく用いられるが、これらに限
定されるものではない。また、粒子は複合構造を形成す
る両成分に配合させることが好ましいが、PTT成分も
しくはPET成分にのみ配合させても効果がある。ま
た、複合構造を偏心芯鞘型とする場合には、鞘成分にの
み粒子を含有させるだけで十分な効果が得られる。
【0024】また、抗酸化剤としてヒンダードフェノー
ル誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
【0025】また、本発明の複合糸を構成する繊維は、
2成分が貼り合わさったサイドバイサイド複合型もしく
は偏心芯鞘型である。
【0026】偏心芯鞘複合の場合は、高粘度成分のPT
Tを芯に、低粘度成分のPETを鞘に配置するものであ
る。また、繊維断面において、各々の成分の重心間距離
は離れているほど捲縮発現能が高くなり、ストレッチ性
も向上する。また、偏心芯鞘複合においては、芯成分が
繊維表面に一部露出していてもよい。
【0027】また、2成分間の複合比率は製糸性、寸法
安定性及び糸の経時変化を抑制するためにPTT:PE
T=70:30〜35:65(重量%)の範囲が好まし
く、60/40〜45/55の範囲がより好ましい。
【0028】また、本発明のポリエステル複合糸の繊維
断面形状は、丸、三角、マルチローバル、偏平、X型、
W型その他公知の異形断面であってもよく、何等限定さ
れるものではないが、捲縮発現性や審美性とのバランス
から、丸断面の半円状サイドバイサイドが好ましく用い
られる。
【0029】次に、本発明のポリエステル複合糸の好ま
しい製造方法を説明する。
【0030】本発明のポリエステル複合糸の構成成分と
なるPTTの製造方法として、公知の方法をそのまま用
いることができる。
【0031】次に本発明の仮撚加工糸の製造方法につい
て説明する。本発明の仮撚加工糸はポリトリメチレンテ
レフタレートAとポリエチレンテレフタレートBとをサ
イドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合した伸度10
0〜250%のポリエステル系マルチフィラメント高配
向未延伸糸を1.2〜2.0倍で延伸後、仮撚すること
を特徴としている。
【0032】このときの延伸工程は、図2に示すよう
に、仮撚前に熱ピン8を用いて先延伸した仮撚するのが
好ましい。この際、熱ピンの温度を75(℃)以上に設
定すると、延伸開始点が固定され、延伸ムラがなくなる
のでさらに好ましい。
【0033】このとき先延伸倍率は高いほどコイル捲縮
が発現するようになり好ましい。このとき先延伸倍率が
1.2倍未満であれば強伸度特性が満たされず、また
2.0倍を超えると毛羽が発生しやすくなるので好まし
くない。本発明の仮撚加工糸の強度は3.0cN/デシ
テックス以上あることが好ましい。
【0034】ポリエステルを構成する実質的なフィラメ
ントがポリトリメチレンテレフタレートAのみであった
場合、150℃以上の温度で仮撚すると、強伸度が低下
してしまう。ゆえにその仮撚加工糸はポリエチレンテレ
フタレートBを主とする仮撚加工糸に比べて熱セット効
果は不十分なものとなる。
【0035】本発明においてはポリトリメチレンテレフ
タレートAとポリエチレンテレフタレートBをサイドバ
イサイド型または偏心芯鞘型に複合したポリエステルを
用いているため、150℃〜200℃の高温ゾーンで仮
撚し、熱セット効果を高めることができる。
【0036】仮撚温度が150℃未満の場合には、熱セ
ット効果が不十分となるため十分なケン縮が得難い。一
方、200℃を超える場合には、融着が発生して未解撚
部を有するがさついた風合いの糸条となり、強伸度、ケ
ン縮、および構造弾性回復についても不十分なものとな
る。
【0037】仮撚時の仮撚数TW(T/M)は、220
00/(d)1/2〜39000/(d)1/2の範囲
が好ましい。22000/(d)1/2未満の場合に
は、十分なケン縮を付与することが難しくなり、一方3
9000/(d)1/2を超える場合には、加工糸の毛
羽、断糸の発生頻度が高くなる。より好ましくは260
00/(d)1/2〜36000/(d)1/2であ
る。dはデシテックスである。
【0038】なお、仮撚付加装置は、摩擦仮撚装置、流
体仮撚装置など任意の仮撚装置を使用することができる
が、好ましくはフリクションディスクを用いての摩擦仮
撚である。
【0039】また、仮撚後に交絡ノズルを用いて、後交
絡を入れても何ら構わない。
【0040】本発明の仮撚加工糸は、必要に応じてポリ
トリメチレンテレフタレート繊維同志や他の繊維糸条と
同時仮撚、位相差仮撚、伸度差仮撚等公知の複合仮撚手
段によって複合仮撚加工糸としてもよい。本発明の仮撚
加工糸同志や各種原糸や加工糸とインターレース交絡し
たり、タスラン加工したり、交撚してもよい。また、仮
撚後に再熱セットを施しても構わない。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。
なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。 (1)拘束下伸長率 周長0.8mの検尺機に、90mg/デシテックスの張
力下で10回巻回してカセ取りした後、2cm以下の棒
につり下げ、約24時間放置する。このカセを2mg/
デシテックスの緊張状態下で、90℃×20分間熱水処
理した後、2cm以下の棒につり下げ緊張状態のまま放
置する。約12時間後、カセ長を測定し、Lとする。そ
の後、測定荷重(g)=90mg/デシテックスを付加
し、そのカセ長を測定し、L1とする。次式により拘束
下伸長率を求める。 拘束下伸長率(%)={(L−L1)/L}×100 (2)残留トルク数 仮撚加工した糸をトルクが入らないように採取し、フッ
クに掛けて2本の糸を重ね、フックから1m以上の所に
0.1g/デシテックスの初荷重をかける。その荷重下
でフックから1mの所に0.025g/デシテックスの
荷重をかけて初荷重をはずす。下端をフリーにすると残
留トルクにより回転して2本の糸で撚が入るため、静止
するまで放置する。静止したときの撚数を検撚機で測定
する。5回の平均値で算出し、回/2mで表示する。 (3)織物ストレッチ率 JIS−L−1096に従って測定した。
【0042】以下、本発明を実施例で具体的に説明す
る。なお、実施例における評価は、以下の方法で行なっ
た。
【0043】(1)ソフトさの評価 実施例、比較例に記載の方法で得た織物のソフトさを触
感により官能評価した。この際、従来品である比較例1
の織物を標準として、以下の基準で5段階評価を行な
い、10人のパネラーの評価結果を平均して判定した。 5:極めてソフトな風合い 4:ややソフトな風合い 3:標準織物と同等の風合い 2:やや堅い風合い 1:極めて硬い風合い。
【0044】(2)表面品位の評価 実施例、比較例に記載の方法で得た織物の表面品位を、
触感により官能評価した。この際、従来品である比較例
1の織物を標準として、以下の基準で5段階評価を行な
い、10人のパネラーの評価結果を平均して判定した。 5:極めて表面品位が良い 4:やや表面品位が良い 3:標準織物と同等の表面品位 2:やや表面品位が悪い 1:極めて表面品位が悪い 図2は、本発明の仮撚加工糸の製造工程の一例を示す概
略図である。マルチフィラメント1がフィードローラ2
と2’の間にある熱ピン8で先延伸された後、施撚体
(仮撚具)5によって仮撚されながら第1ヒーター3に
導入され熱セットされ、冷却板4で冷却される。その
後、デリベリーローラ6を経てテイクアップローラ7に
巻取られる。
【0045】(実施例1)ポリトリメチレンテレフタレ
ートAとポリエチレンテレフタレートBを5:5の複合
比でサイドバイサイド型に複合した150デシテック
ス、36フィラメント、伸度175%の高配向未延伸糸
を用いた。
【0046】図2に示す仮撚工程を使用して、表1の条
件で仮撚加工を実施し、仮撚加工糸を得た。得られた加
工糸の拘束下伸長率は170.3%で織物拘束下でも十
分なケン縮発現力があることが分かった。また残留トル
クは115(回/2m)とトルクが発生しにくいケン縮
形態になっていることが分かった。得られた加工糸を、
S方向に500T/mで追撚し緯糸として用い、経糸と
して56デシテックス、24フィラメントのポリエチレ
ンテレフタレート延伸糸(S方向に250T/mで追撚
したもの)を用い、レピア織機により3/1のツイルで
製織し、織物を形成した。引き続き97℃の熱水でリラ
ックス精練、テラシルネイビーブルー色の分散染料で1
20℃で染色、160℃で仕上熱固定し、布帛を得た。
この布帛は織物ストレッチ率72%と高いストレッチ性
とソフトな肌触りを併せ持つものであった。また、ケン
縮が微細なため布帛の表面品位も良好であった。
【0047】(実施例2)実施例1と同じフィラメント
と仮撚工程を用い、表1の条件で仮撚加工を実施し、仮
撚加工糸を得た。得られた加工糸の拘束下伸長率は15
5%で織物拘束下でも十分なケン縮発現力があることが
分かった。また残留トルクは130(回/2m)とトル
クが発生しにくいケン縮形態になっていることが分かっ
た。実施例1と同じ条件で製織、染色を行った結果、得
られた布帛は織物ストレッチ率60%と実施例1には及
ばないものの、高いストレッチ性とソフトな肌触りを併
せ持つものであった。また、ケン縮が微細なため布帛の
表面品位も良好であった。
【0048】(比較例1)粘度が1.5および0.8と
異なる2種類のポリトリメチレンテレフタレートを5:
5の複合比でサイドバイサイド型に複合した150デシ
テックス、36フィラメント、伸度175%の高配向未
延伸糸を用い、表1の条件で仮撚加工を実施し、仮撚加
工糸を得た。
【0049】得られた加工糸の拘束下伸長率は82%で
ケン縮発現量は不十分なものであった。また残留トルク
は234(回/2m)と大きく、粗いケン縮形態であっ
た。実施例1と同じ条件で製織、染色を行った結果、得
られた布帛は織物ストレッチ率42%と不十分なストレ
ッチ性で、表面はがさついた肌触りであり、ソフトさも
不十分であった。
【0050】(比較例2)実施例1と同じフィラメント
を用い、先延伸を行わずに表1の条件で延伸同時仮撚加
工を実施し、仮撚加工糸を得た。
【0051】得られた加工糸の拘束下伸長率は75.5
%でケン縮発現量は不十分なものであった。また残留ト
ルクは255(回/2m)と大きく、粗いケン縮形態で
あった。実施例1と同じ条件で製織、染色を行った結
果、得られた布帛は織物ストレッチ率35%と不十分な
ストレッチ性で、表面はがさついた肌触りであり、ソフ
トさも不十分であった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明においては、従来の仮撚加工糸で
は得ることができなかった高ストレッチ性、かつソフト
な風合いを有する仮撚加工糸を得ることができる。こう
して得られた本発明の仮撚加工糸を布帛の一部あるいは
全部に用いることにより、ソフト性、ふくらみ感、適度
な反発感、ストレッチ性を与えることができる。また、
本発明の繊維とは異なる合成繊維や化学繊維、綿、麻、
レーヨン、ポリノジックやキュプラ等のセルロース繊
維、絹、ウールと混用することで、他繊維が有する風合
いや吸放湿性、吸水性、制電性、保温性を付与でき、着
用快適性が向上するため好ましい。また、布帛形態は織
物、編物、さらにはクッション材など、目的に応じて適
宜選択でき、インナーやシャツ、ブラウス、パンツ、ス
ーツ、ブルゾン、スポーツウェア、裏地等に好適に用い
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる仮撚加工糸の一例を示す
側面図である。
【図2】本発明の加工糸を得るための加工工程の一例を
示す模式図である。
【符号の説明】
1:マルチフィラメント 2:フィードローラ 3:第1ヒーター 4:冷却板 5:施撚体 6:デリベリローラ 7:テイクアップローラ 8:熱ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L036 MA05 MA17 MA26 MA33 PA14 RA04 UA01 UA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系マルチフィラメント糸の仮
    撚加工糸であって、該仮撚加工糸を構成するフィラメン
    ト糸が、ポリトリメチレンテレフタレートAとポリエチ
    レンテレフタレートBとをサイドバイサイド型または偏
    心芯鞘型に複合された繊維を含み、該仮撚加工糸の拘束
    下伸長率が120%以上であり、残留トルク数が150
    回/2m以下であることを特徴とする仮撚加工糸。
  2. 【請求項2】ポリトリメチレンテレフタレートAとポリ
    エチレンテレフタレートBとをサイドバイサイド型また
    は偏心芯鞘型に複合した伸度100〜250%のポリエ
    ステル系マルチフィラメント高配向未延伸糸を1.2〜
    2.0倍で延伸後、仮撚することを特徴とする仮撚加工
    糸の製造方法。
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JP2010047864A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Toray Opelontex Co Ltd 仮ヨリ糸

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